JP3684610B2 - 鍵盤情報出力装置 - Google Patents
鍵盤情報出力装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3684610B2 JP3684610B2 JP09406495A JP9406495A JP3684610B2 JP 3684610 B2 JP3684610 B2 JP 3684610B2 JP 09406495 A JP09406495 A JP 09406495A JP 9406495 A JP9406495 A JP 9406495A JP 3684610 B2 JP3684610 B2 JP 3684610B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sensor
- key
- hammer
- state
- information
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10H—ELECTROPHONIC MUSICAL INSTRUMENTS; INSTRUMENTS IN WHICH THE TONES ARE GENERATED BY ELECTROMECHANICAL MEANS OR ELECTRONIC GENERATORS, OR IN WHICH THE TONES ARE SYNTHESISED FROM A DATA STORE
- G10H1/00—Details of electrophonic musical instruments
- G10H1/32—Constructional details
- G10H1/34—Switch arrangements, e.g. keyboards or mechanical switches specially adapted for electrophonic musical instruments
- G10H1/344—Structural association with individual keys
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Multimedia (AREA)
- Electrophonic Musical Instruments (AREA)
Description
【産業上の利用分野】
この発明は、例えば消音ピアノや自動演奏ピアノなどに用いて好適な鍵盤情報出力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、通常の演奏とともに、押鍵しても打弦しない消音演奏が可能な消音ピアノが知られている。かかる消音ピアノは、ハンマシャンクの回動を阻止する機構を備えており、この機構によって、押鍵により回動したハンマが、打弦寸前で戻されるようになっている。そして、消音演奏では、打弦による楽音発生のかわりに、鍵等の動作をセンサにより検出して、押鍵に対応した音高、タイミングおよび強弱を有する楽音を電子的に発生する。このようにして発生した楽音を、演奏者が、例えばヘッドホン等により聴くことによって、近隣者に迷惑を掛けずに、演奏の練習を行なうことができるようになっている。
【0003】
ところで、従来の消音ピアノにおいて、押鍵によって本来ならば発生するであろう打弦のタイミングとその大きさとを検出するのに、主に次の2つ方法があった。
【0004】
▲1▼ 各鍵(キー)に、光センサなどの検出素子を設けて、押鍵過程を複数段階で検出する。そして、各過程間において状態から押鍵速度を求め、打弦のタイミングおよびその大きさを予想する。
▲2▼ 各打弦ハンマに、光センサなどの検出素子を設けて、回動が阻止される手前の2点間の通過速度を求めるとともに、各鍵の押離鍵状態を2値的に検出するセンサを設ける。そして、ハンマの通過速度から打弦のタイミング、およびその大きさを求めるとともに、離鍵状態を検出して、このときの楽音の止音タイミングを求める。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これら▲1▼、▲2▼の方法では、それぞれ次のような問題があった。▲1▼の方法では、鍵の操作とハンマの動作とは、必ずしも一致しないため、連打などの特殊の奏法を行なった場合に、発音のタイミングがズレたり、楽音の強弱が不正確となったりする。例えば、鍵を小刻みに動かして連打するような場合には、打鍵ストロークが短くなるため、アコースティクピアノでは、さほど大きな楽音は発生しないが、鍵の動作が速いため、消音演奏状態では、その速度に応じた大きな楽音が電子音源により発生してしまうことがある。
【0006】
▲2▼の方法では、実際に弦を叩くハンマの速度から打弦のタイミングおよびその大きさを求めるため、かなり忠実にセンシングすることが可能となる。しかし、打弦後のハンマが、速度検出のための一方の地点を通過したが、他方の地点を通過しないままレストポジションに戻りきらないで、次の打弦動作が行なわれた場合には、この打弦速度を求めることができない。速度検出には、2点間の通過時間を求めることが必要となるが、この場合には、一点しか通過していないからである。このような不都合は、例えば、演奏者が押鍵状態を維持したまま、完全に離鍵せずに次の押鍵動作(以下、この奏法を、説明の便宜上「深い押鍵」と呼ぶことにする)を行なった場合に発生するが、かかる演奏法は、グランドピアノにおいては何ら特別なものではなく、ごく普通に行なわれるのである。
【0007】
また、速度検出のための2点は、できることならば、打弦寸前に設置することが望ましいが、ハンマが打弦する手前で回動を阻止する消音ピアノにあっては、阻止される手前に設置しなければならない。すなわち、速度検出のための2点は、それだけレストポジション側に設置しなければならないのである。したがって、消音ピアノにおいて、▲2▼の方法による不都合は、より顕著となるのである。
【0008】
さらに、▲2▼の方法では、ハンマの打弦地点近傍にセンサを設置する関係上、必然的にセンサ自体が振動しやすくなる。このため、ハンマの打弦速度を正確に検出できないという問題がある。くわえて、打弦後における離鍵が、途中で止まるほど徐々に行なわれる場合には、ハンマの戻りもゆっくり行なわれるため、速度検出のための2点の一方において、振動によるチャッタリングが発生して、ハンマの状態を誤認識する可能性がある。▲2▼の方法では、これを回避するため、複雑な例外処理も必要となるという問題もあった。
【0009】
このように、▲1▼、▲2▼のいずれの方法おいても、消音演奏では、センサにより求めた打弦のタイミングおよびその大きさが、本来ならば発生するであろうはずのものとは、かけ離れることが多いという欠点があった。
【0010】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ハンマの挙動を正確に把握でき、打弦のタイミングおよび打弦の大きさを、より忠実にセンシングすることが可能な鍵盤情報出力装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明にあっては、鍵の回動過程における当該鍵の位置を複数点にて検出する第1のセンサと、前記鍵が押下されたときに、前記鍵に対応する弦を打撃するハンマの回動過程における当該ハンマの位置を、少なくとも1点にて検出する第2のセンサと、前記第1のセンサの検出結果から、前記ハンマが前記弦を打撃するタイミングを示す第1の打撃タイミング情報を少なくとも含む第1のセンサ情報を発生する第1のセンサ情報発生手段と、前記第2のセンサの検出結果から、前記ハンマが前記弦を打撃するタイミングを示す第2の打撃タイミング情報を少なくとも含む第2のセンサ情報を発生する第2のセンサ情報発生手段と、前記第1のセンサの検出結果、前記第2のセンサの検出結果、前記第1のセンサ情報、及び前記第2のセンサ情報のうちの少なくとも1つを参照した結果を基に、前記第1のセンサ情報及び前記第2のセンサ情報のうち鍵盤情報として出力すべき一方のセンサ情報を選択し、選択したセンサ情報を出力する制御手段とを具備することを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明にあっては、請求項1に記載の発明において、前記制御手段は、原則として、前記第2のセンサ情報を鍵盤情報として選択する一方、前記第2のセンサの検出結果を参照した結果として前記ハンマの打撃過程が異常と判断される場合には、前記第1のセンサ情報を鍵盤情報として選択することを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明にあっては、請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、 前記鍵が押鍵状態を維持したまま再度押鍵されたと、前記第1のセンサによる検出結果から判断した場合に、前記ハンマの打撃動作の過程が異常と判断することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明にあっては、請求項2に記載の発明において、前記制御手段は、 前記鍵の連打が行なわれたと、第1あるいは第2のセンサ情報のうちの鍵盤情報として選択したものから判断した場合に、前記ハンマの打撃動作の過程が異常と判断することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明にあっては、請求項1または2に記載の発明において、前記第1のセンサ情報発生手段は、前記第1のセンサの検出結果から押鍵速度を求め、この押鍵速度から、第1の打弦タイミングとともに、その際の打弦の大きさを推定して、両者を第1のセンサ情報として出力するものであり、前記第2のセンサは、前記ハンマの回動過程を複数点にて検出するものであり、前記第2のセンサ情報発生手段は、前記第2のセンサの検出結果からハンマの回動速度を求め、この回動速度から第2の打弦タイミングとともに、その際の打弦の大きさを推定して、両者を第2のセンサ情報として出力するものであることを特徴としている。
【0016】
請求項6に記載の発明にあっては、請求項5に記載の発明において、前記第1のセンサ情報発生手段は、押鍵速度を打撃の大きさに変換する第1のテーブルと、前記押鍵速度を前記第1のテーブルよりも小さい打撃の大きさに変換する第2のテーブルとを備え、前記第1のセンサの検出結果にしたがってどちらか一方のテーブルを用いて、押鍵速度を打撃の大きさを推定することを特徴としている。
【0017】
請求項7に記載の発明にあっては、請求項6に記載の発明において、前記第1のセンサ情報発生手段は、押鍵状態が維持されたまま再度の押鍵が行なわれたれたとき、あるいは離鍵が低速で行なわれた直後に押鍵が行なわれたときには、前記第2のテーブルを用いる一方、それ以外のときには、前記第1のテーブルを用いることを特徴としている。
【0018】
請求項8に記載の発明にあっては、請求項5に記載の発明において、前記制御手段は、前記第2のセンサ情報を選択するにあたって、前記第1のセンサにより押鍵速度が検出されていることを条件とすることを特徴とする請求項5記を特徴としている。
【0019】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、第1のセンサが鍵の回動過程を検出し、第2のセンサがハンマの回動過程を検出し、第1のセンサ情報発生手段が、鍵の回動過程からハンマの打撃タイミングを示す第1の打撃タイミング情報を少なくとも含む第1のセンサ情報を発生し、第2のセンサ情報発生手段が、ハンマの回動過程からハンマの打撃タイミングを示す第2の打撃タイミング情報を少なくとも含む第2のセンサ情報を発生する。制御手段は、これらの検出結果およびセンサ情報を総合的に勘案して、第1あるいは第2のセンサ情報のどちらを選択して、鍵盤情報として出力するかを決定する。
【0020】
請求項2に記載の発明によれば、鍵盤情報は、原則としてハンマの回動過程に基づく第2のセンサ情報を選択するが、ハンマが戻りきらないで次の打弦が発生するなどして、ハンマの打撃過程が異常である場合には、鍵の回動過程に基づく第1のセンサ情報を選択する。請求項3に記載の発明によれば、押鍵状態が維持されたまま再度押鍵が行なわれたれた場合に、請求項4に記載の発明によれば、鍵の連打が行なわれた場合に、それぞれハンマの打撃過程が異常と判断される。
【0021】
請求項5に記載に発明によれば、結局、鍵の押鍵速度およびハンマの回動速度の各々により2組の打弦タイミングおよびその大きさが求められ、これらと、第1、第2のセンサによる検出結果とが勘案されて、2組の打弦タイミングおよびその大きさのうち、どちら一方が鍵盤情報として出力される。
【0022】
アコースティックピアノにおいて、押鍵速度は必ずしも打弦の大きさに対応しないことがある。請求項6に記載の発明によれば、第1のセンサにより検出された鍵の回動過程に応じて、用いるテーブルが選択されるので、この状態を模倣することが可能となる。さらに、請求項7に記載の発明によれば、押鍵状態が維持されたまま再度の押鍵が行なわれたれたとき、あるいは離鍵が低速で行なわれた直後に押鍵が行なわれたときに、ハンマの打弦速度が、実際の押鍵に比して小さくことを模倣することが可能となる。
【0023】
請求項7、8に記載の発明によれば、その他の原因により、例えばチャッタリングなどにより、第2のセンサ情報発生手段により回動速度が検出された場合、これが押鍵操作を伴わないものであれば、制御手段は、何も出力しないことになる。したがって、押鍵操作を伴う純粋な情報だけを出力することが可能となる。
【0024】
【実施例】
1:実施例の構成
以下、この発明の一実施例であるグランドピアノについて説明する。本実施例は、鍵およびハンマにそれぞれセンサを取付け、打弦タイミングおよびその大きさ(ベロシティ)を、原則としては、ハンマセンサに基づいて、所定の条件下においては、鍵のセンサに基づいてそれぞれ求めるようにした。まず、本実施例に係るキーの構成について説明する。
【0025】
1−1:キーの構成
図1は、本実施例にかかるグランドピアノのうちの、1つの鍵にかかる構成を示す側端面図である。この図に示すように、鍵321は、押鍵により支持部材29の支点29aを中心に反時計回りに、図において2点鎖線で示されるエンド位置まで回動するようになっている。なお、この離鍵状態では、鍵321は、実線で示されるレスト位置まで復帰するようになっている。かかる構成は、ピアノの88鍵のそれぞれに対して同一となる。
【0026】
一方、鍵321の回動支点29aと左端との中間部付近の下(裏面)側には、平行四辺形形状の開口部30aを有するシャッタ30が取り付けられている。このシャッタ近傍には、発光部と受光部との2組からなる光センサ31が、支柱32、32を介してキーベッド33に取り付けられ、押鍵状態にしたがって通光・遮光状態が変化するようになっている。以下、光センサ31は、「キーセンサ」と同義である。
【0027】
1−1−1:キーセンサ
ここで、光センサ31の出力が押鍵操作にしたがってどのように変化するかについて、図2および図3を参照して説明する。ここで、光センサ31の2組のビーム(光束)のうち、一方を31aとし、他方を31bとする。
【0028】
はじめに、鍵321のレスト位置においてシャッタ30は、ビーム31a、31bの双方を遮光しないようになっている(図1参照)。この状態では、ビーム31a、31bの両者は、ともに通光状態となる。
【0029】
次に、鍵321が若干押下されると、図2(a)に示すように、シャッタ30の先端縁はビーム31aのみを遮光する。したがってこの状態では、ビーム31aが遮光状態となる一方、ビーム31bは通光状態となる。なお、説明の便宜上、この状態を「K1オン状態」と呼ぶことにする。
【0030】
押下が進むと、図2(b)に示すように、シャッタ30の先端縁はビーム31bも遮光する。したがってこの状態では、ビーム31a、31bの両者は、ともに遮光状態となる。なお、説明の便宜上、この状態を「K2オン状態」と呼ぶことにする。
【0031】
そして、押下が進むと、図2(c)に示すように、開口部30aによりビーム31aが通光状態となる。したがってこの状態では、ビーム31aは通光状態となる一方、ビーム31bは遮光状態となる。なお、説明の便宜上、この状態を「K3オン状態」と呼ぶことにする。
【0032】
さらに、押下が進むと、図2(d)に示すように、開口部30aによりビーム31bも通光状態となる。したがってこの状態では、ビーム31a、31bの両者は、ともに通光状態となる。説明の便宜上、この状態を「K4オン状態」と呼ぶことにする。なお、打弦は、通常、「K4オン状態」の直後に行なわれるようになっている。また、「K1オン状態」から「K2オン状態」まで、「K2オン状態」から「K3オン状態」まで、および「K3オン状態」から「K4オン状態」までの各押鍵ストロークは、互いに等間隔となるように設定されている。
【0033】
図2(a)〜(d)までの押鍵過程におけるビーム31a、31bの通光状態・遮光状態をまとめると図3に示すものとなる。ここでは、光センサ31の受光部が通光状態となっているのをHレベルとして示し、遮光状態となっているのをLレベルとして示している。また、離鍵過程は、押鍵過程とは逆の順番で、すなわち、図2(d)〜(a)の方向で行なわれる。ここで、説明の便宜上、離鍵過程において図2(d)〜(a)で示される状態となるのを、各オン状態と対抗すべく、それぞれ「K1オフ状態」、「K2オフ状態」、「K3オフ状態」、および「K4オフ状態」と呼ぶことにする。
【0034】
このように、光センサ31の出力状態を見ることによって、鍵321がどの状態にあるのかが判別することができるとともに、その出力状態がいかなる間隔で変化するかを検出することによって、押鍵速度を求めることができる。本実施例では、「K1オン状態」〜「K2オン状態」、「K2オン状態」〜「K3オン状態」、および「K3オン状態」〜「K4オン状態」の各通過時間から、それぞれ押鍵速度が求められ、各々が打弦の大きさに変換される。一定地点での押鍵速度が判るのであるから、いかなるタイミングで打弦が発生するのかも、線形的に予測して求めることができる。なお、後述するように押鍵速度から打弦の大きさへの変換は、後述するようにテーブルを介して行なわれる。
【0035】
1−2:ハンマアクション部
次に、1つの鍵の動作をハンマに伝達して、弦を打撃するハンマアクション部について説明する。
1−2−1:ハンマアクション部の構成
まず、ハンマアクション部の構成について説明する。図4は、このハンマアクション部の構成を示す側断面図である。なお、この図は、説明の便宜上、図1とは左右を反転してあり、図における鍵321の右側を演奏者が押鍵するようになっている。すなわち、図4における鍵321は、鍵盤の全長にわたって延在するキーベッド33(図1参照)に支持されて、押鍵により支点29a(図1参照)を中心にして図中時計回りの方向に回動するようになっている。
【0036】
次に、図4において符号307Aはサポートレールであり、サポートレール307Aの端部には、長手方向を鍵321に沿う方向へ向けたウイペン307の左端部が、ピン307Bにより回動自在に支持されている。ウイペン307の自由端には、略L字状をなすジャック308がその屈曲部分近傍において回転自在に取り付けられている。ジャック308は、斜め上方に向けて延在するジャック大308Aと、このジャック大308Aに対してほぼ直交するジャック小308Bとから構成されている。
【0037】
また、ウイペン307の中央部には支柱307Cが取り付けられ、支柱307Cの上端部には、レペティションレバー306の中間部が回転自在に取り付けられている。レペティションレバー306の一端部には、上下方向に向けて貫通する長孔306Aが形成され、長孔306Aには、ジャック大308Aの上端部が遊挿されている。
【0038】
次に、図中符号310はシャンクレールである。シャンクレール310にはシャンクフレンジ303が取り付けられ、このシャンクフレンジ303の端部には、先端部にハンマヘッド301が固定されたハンマシャンク302が、上下方向に回動自在に取り付けられている。ハンマシャンク302の基端部には、下方へ突出させられたローラ305が固着されている。ローラ305の下面は、ジャック大308Aの上端面と僅かな隙間を持った状態で、レペティションレバー306の上面に当接させられている。
【0039】
さらに、シャンクレール310には、鍵盤の全長にわたって延在するレギュレーティングレール311が取り付けられている。レギュレーティングレール311には、上下方向の位置が調整可能なレギュレーティングボタン309が取り付けられ、レギュレーティングボタン309の下端面には、ジャック小308Bの先端部が当接するクロス(織物)309Aが取り付けられている。
【0040】
次に、符号220は消音機構である。消音機構220は、鍵盤の全長にわたって延在する軸220Bを備えている。軸220Bにはストッパ220Aが取り付けられ、ストッパ220Aの先端面には合成皮革などで構成されたクッション材220Cが固定されている。ストッパ220Aは、軸220Bに接続されたモータ(図示略)、あるいは手動により回転可能に構成されている。
【0041】
このように構成された消音機構220においては、ストッパ220Aを略水平方向へ向けることにより、ハンマシャンク302の通常の回動が許容される通常演奏状態とすることができる。一方、図4に示す状態から軸220Bを回転させてストッパ220Bを略下方へ向けることにより、回動するハンマシャンク302がストッパ220Aに当接し、ハンマシャンク302のそれ以上の回動が阻止され、消音演奏状態とすることができる。
【0042】
次に、ハンマシャンク302の軸方向中間部には、開口部71aを有するシャッタ71が取り付けられている。一方、シャンクレール310の上面には、側面視コ字状のブラケット330が取り付けられている。ブラケット330には、グランドピアノの横方向(図において紙面と直交する方向)へ互いに離間した複数の支柱334が固定されている。
支柱334の上端部には、グランドピアノの横方向に延在する支持板335が取り付けられている。支持板335には、シャッタ71が挿通されるスリット(図示略)が形成されている。支持板335の一方の面には、光センサ77がその発光部と受光部とによりスリットを挟むようにして取り付けられている。
【0043】
1−2−2:ハンマアクション部の動作
次に、上記構成のハンマアクション部の動作について説明する。かかるハンマアクション部の動作については、通常演奏と消音演奏では、若干異なるので、それぞれの場合に分けて説明する。さらに、両演奏時における特殊な奏法がなされた場合の動作についても説明する。
【0044】
1−2−2−1:通常演奏の場合
まず、通常演奏の場合について説明する。押鍵が行なわれるとウイペン307はキャプスタン320によって突き上げられ、ピン307Bを中心として反時計回りに回動する。これにより、ジャック大308Aがローラ305を突き上げてハンマシャンク302を時計回りの方向へ回転させ、ハンマヘッド301が押鍵された鍵321に対応する弦Sを打撃する。この打弦操作時において、ハンマヘッド301が弦Sを打撃する手前でジャック小308Bがレギュレーティングボタン309の下端面に係合してジャック308が時計回りに回転し、これによって、ジャック大308Aの上端部が右方向へ逃げ、ローラ305との非当接位置に移動する。
【0045】
次に、弦Sを打撃したハンマヘッド301は、弦Sの反発力と自重により下降し、鍵321の端部に取り付けられたバックチェック322に当接して静止する。ここで、離鍵するとウイペン307が時計回りに、ハンマシャンク302が反時計回りに、それぞれ回動する。これに伴って、ジャック小308Bとレギュレーティングボタン309との係合状態が徐々に解除され、ジャック大308Aが反時計方向に回転してローラ305の真下側へ移動して再び当接し、押鍵前の初期位置に戻る。
【0046】
1−2−2−2:消音演奏の場合
次に、消音演奏の場合について説明する。まず、消音演奏状態にするには、ストッパ220Aを図4の略水平状態から回転させて図中二点鎖線で示すように略下方へ向ける。この状態で押鍵が行なわれると、ウイペン307はキャプスタン320によって突き上げられ、ピン307Bを中心として反時計回りに回動する。これにより、ジャック大308Aがローラ305を突き上げてハンマシャンク302を時計回りの方向へ回転させる。
【0047】
次に、ジャック小308Bがレギュレーティングボタン309に当接することにより、ジャック大308Aの上端面がローラ305の下面から図中右方向へ逃げる。その間、ハンマシャンク302は慣性力で回動を続けるが、弦Sに当たる直前でストッパ220Aに当接し、反時計回りの方向へ跳ね返される。その後のハンマシャンク302等の復帰動作は通常演奏の場合と同じである。
【0048】
1−2−2−3:両演奏において、いわゆる深い押鍵等のとき
上述したように、通常演奏、消音演奏の場合においては、鍵321からハンマ301への力の伝達は、鍵321→キャプスタン320→ウイペン307→ジャック308→ローラ305→ハンマシャンク302→ハンマ301という経路で行なわれるが、打弦後における、ジャック大308Aとローラ305との当接は、離鍵によってはじめて復帰するようになっている。このため、打弦後、離鍵が不十分のまま(すなわち、鍵321がレスト位置に復帰しない状態で)再度、押鍵動作が行なわれると、ジャック大308Aは、ローラ305との当接が不完全な状態でローラ305を押し上げることになり、ここで伝達力のロスが生じる。したがって、この状態では、鍵321の押下速度が速いにもかかわらず、伝達力のロスにより、実際にはハンマの打弦速度は小さくなる。
【0049】
また、この状態は、ゆっくり離鍵して、鍵321がレスト位置に戻った直後(後述するように、本実施例では、38msec未満)に押鍵する状態でも発生し得る。なお、説明簡略化のため、本実施例では、離鍵して鍵がレスト位置に戻った後、127msec以内に押鍵されることを「離即打鍵」と呼ぶことにする。すなわち、低速な離鍵直後で、高速に行なわれる離即打鍵によっても、鍵321の押下速度に比して、ハンマの打弦速度が小さくなる現象が発生し得る。
【0050】
さて、低速で離鍵している過程から急激に離鍵した場合、ハンマ301は、ローラ305とハンマジャック大308Aとが、当接されない状態でレストポジション側に戻ってしまい、直後の押鍵によりハンマジャック308は、当接が不完全な状態で、再びハンマジャック大308Aと押し上げてしまうからである。なお、深い押鍵および離即打弦について、本願がいかにして手当しているかについては、後述する。
【0051】
1−2−3:ハンマセンサ
ここで、光センサ77の出力が、ハンマ301(ハンマシャンク302)の回動にしたがってどのように変化するかについて説明する。以下、光センサ77は「ハンマセンサ」と同義である。
【0052】
図4において、鍵321の押鍵により、ハンマシャンク302が時計回りに回動し、ハンマ301が弦Sを打弦する直前でシャッタ71が支持板335のスリットに挿入され、シャッタ71の先端縁が光センサ77の光軸Pを横切り、この結果、光センサ77の受光部が遮光され、その遮光タイミングが検出される(この状態を「M1オン状態」という)。その後、ハンマシャンク302がさらに回動し、シャッタ71の窓71aが光軸Pを横切り、光センサ77の受光部が再び受光状態になる(この状態を「M−オン状態」という)。次いで、光センサ77の受光部が再び遮光され、その遮光タイミングが検出される(この状態を「M2オン状態」とする)。こうして、光センサ77の出力では、打弦が行なわれるまでに、「M1オン状態」、「M−オン状態」および「M2オン状態」の計3回の状態変化が発生する。
【0053】
本実施例においてハンマ301の打弦速度は、「M1オン状態」から「M2オン状態」までに至る時間から算出される。押鍵速度が判るのであるから、いかなるタイミングで打弦が発生するのかも、線形的に予測して求めることができる。図5に、光センサの77の出力状態と上記3状態との関係の一例を示す。打弦後においては、打弦前とは逆の順番でシャッタ71による遮光・通光が行なわれる。ここで、説明の便宜上、打弦後の過程を、打弦前と対抗して、発生順にそれぞれ「M2オフ状態」、「M−オフ状態」、および「M1オフ状態」とする。
【0054】
このようにして、光センサ31では、鍵321の押鍵速度を求めて推定することにより、また、光センサ77では、実際の、ハンマ301の打弦速度を求めることにより、それぞれ打弦タイミングおよびその大きさを求めることができる。上述のように、本願では、条件に応じてどちらに基礎をおくべきかを判断しているので、そこで次に、この判断を行なう電気的構成について説明する。
【0055】
1−3:実施例の電気的構成
次に、本実施例の電気的構成について図6を参照して説明する。この図において、51はCPUであり、ROM52に記憶された制御プログラムに基づいて、バス50を介して接続された各部を制御するようになっている。また、ROM52は、光センサ31により求めた押鍵速度を打弦の大きさ(ベロシティ)に変換する2種類のテーブルα、βおよび光センサ77より求めた打弦速度をベロシティに変換するテーブルを備え、これらにより各光センサの出力からベロシティが求められる。
【0056】
ここで、光センサ31に対応するテーブルαは、押鍵速度を通常のベロシティに変換するものであって、ノーマルの押鍵状態に対応するものであり、テーブルβは、押鍵速度に比して小さいベロシティに変換するものであり、上述した深い押鍵を、あるいは低速な離鍵直後に行なわれる高速な離即打弦による押鍵を、それぞれ模倣するために用いられる。
【0057】
53はキーセンサ群であり、1つの鍵について設けられた光センサ31(図1参照)を鍵盤の88鍵について統括したものである。すなわち、キーセンサ群53は、88個もの光センサ31から構成される。そして、キーセンサ群53の出力情報は、キーセンサインターフェイス54およびバス50を介してCPU51に供給されるようになっている。
【0058】
同様に、55はハンマセンサ群であり、1つの鍵のハンマアクション部について設けられた光センサ77(図4参照)を鍵盤の88鍵について統括したものである。すなわち、ハンマセンサ群55は、88個もの光センサ77から構成される。そして、ハンマセンサ群88の出力情報は、ハンマセンサインターフェイス56およびバス50を介してCPU51に供給されるようになっている。
【0059】
57はパネルスイッチであり、演奏者によって設定される種々のスイッチやディスプレイ等により構成され、このグランドピアノの操作パネル上に設けられる。そして、パネルスイッチ57による設定情報もパネルインターフェイス58およびバス50を介してCPU51に供給されるようになっている。このパネルスイッチ57では、例えば、通常演奏か、消音演奏かの選択が行なわれるようになっており、この選択によって、軸220B(図4参照)に接続されたモータ(図6では図示略)が、選択された演奏モードにしたがって回転するようになっている。
【0060】
59は音源回路であり、CPU51から供給された演奏情報に基づいて楽音信号を合成し出力する。本実施例において、楽音発生は、楽音の音高を示すキーコード、および楽音の大きさを示すベロシティを供給するノートオン(発音指令)により開始し、当該キーの「K2オフ状態」となったときに出力されるノートオフ(消音指令)により終了するようになっている。
【0061】
そして、音源回路59による楽音信号は、演奏者に装着されたヘッドホン60を介して発音される。61はタイマであり、所定時間毎(本実施例では、説明簡略化のため「1msec」毎)に割込信号をCPU51に供給する。CPU51は、この割込信号により割込処理を実行して、後述するように、各種レジスタの内容をインクリメントあるいはデクリメントする。
【0062】
62はRAMであり、各種のレジスタが作成され、CPU51により適宜アクセスされる。そこで、RAM62において作成される各種レジスタについて説明する。
【0063】
1−3−1:レジスタの構成
このレジスタの構成を図7に示す。この図において、KC1〜KC88の各々は、鍵盤88鍵の音高にそれぞれ対応するキーコードである。この図に示すようにキーコードKC1〜KC88の各々に対応して、それぞれレジスタA〜Nの14種類が設定される。次に、レジスタA〜Nの各々についてそれぞれ説明する。
【0064】
・レジスタA:キーセンサイベント発音タイミングカウンタ
上述のように、順次3つの区間に対応してそれぞれ押鍵速度が求められる。押鍵速度が求められると、打弦タイミングが推定されて、このあと何msec秒後に打弦が発生するかを示す値が算出される。この値は、レジスタAに格納され、割込処理の度にデクリメントされるが、区間毎に算出された時点において、その時点でのレジスタAの値よりも大きければ、レジスタAに上書きされない。結局、レジスタAの内容は、3つの区間でそれぞれ求められた打弦タイミングのうち、最も早く打弦が発生するものであって、何msec秒後に打弦が発生するかを示す値となる。レジスタAの値がゼロとなることは、これすなわち、打弦のタイミングになったことを示すので、キーセンサ発音要求がなされるようになっている。
【0065】
・レジスタB:ハンマセンサイベント発音タイミングカウンタ
上述のように、「M1オン状態」から「M2オン状態」までの経過時間によりハンマの打弦速度が求められ、これに対応するベロシティが求められる。打弦速度が求められると、打弦タイミングが推定されて、このあと何msec秒後に打弦が発生するかを示す値が算出される。この値は、レジスタBに格納され、割込処理の度にデクリメントされる。レジスタBの値がゼロになることは、これすなわち、打弦のタイミングに至ったことを示すので、ハンマセンサ発音要求がなされるようになっている。
【0066】
・レジスタC
レジスタCは、「K1オフ状態」からの時間を計測するカウンタであり、「K1オフ状態」でリセットされ、割込処理によりインクリメントされて、その後、「K1オン状態」によりインクリメントが停止されるようになっている。
【0067】
・レジスタD
レジスタDは、前回のノートオンから今回の発音要求までの時間を計測するカウンタである。ここで、発音要求は、レジスタAあるいはBのいずれかがゼロとなった場合に、なされるものである。
【0068】
・レジスタE
レジスタEは、「K1オン状態」からの時間を計測するカウンタであり、「K1オン状態」により、割込処理によるインクリメントが許可され、「K1オフ状態」によりリセットされるようになっている。
【0069】
・レジスタF
レジスタFには、K1無効フラグが設定される。このK1無効フラグは、レジスタEが所定値以上になると「1」にセットされる一方、「K1オフ状態」により「0」にリセットされるものである。このフラグを参照することによって、「K1オン状態」となる押鍵状態が所定時間以上継続しているか否かを判別することができる。
【0070】
・レジスタG
レジスタGは、「K2オン状態」からの時間を計測するカウンタであり、「K2オン状態」により、割込処理によるインクリメントが許可され、「K2オフ状態」によりリセットされるようになっている。
【0071】
・レジスタH
レジスタHには、K2無効フラグが設定される。このK2無効フラグは、レジスタGが所定値以上なると「1」にセットされる一方、「K2オフ状態」により「0」にリセットされるものである。このフラグを参照することによって、単に「K2オン状態」となる押鍵状態が所定時間以上継続しているか否かを判別することができる。
【0072】
・レジスタI
レジスタIは、「K2オン状態」からの時間を計測するカウンタであり、「K2オン状態」により、割込処理によるインクリメントが許可される点では、レジスタGと同様であるが、「K2オフ状態」とともに、いずれかの発音要求によってもリセットされる点で相違する。
【0073】
・レジスタJ
レジスタJには、サイレントノートフラグが設定される。このサイレントノートフラグは、レジスタIが所定値以上なると「1」にセットされる一方、「K21オフ状態」により、あるいはいずれかの発音要求により「0」にリセットされるものである。このフラグを参照することによって、「K2オン状態」となる押鍵状態が所定時間以上継続している状態であって、ここに至るまでの押鍵操作ではハンマが打弦されるほどに鍵が押下されていない状態であるか否かを判別することができる。
【0074】
・レジスタK
レジスタKには、ノートオンフラグが設定される。このノートオンフラグは、ノートオンにより「1」にセットされる一方、「K2オフ状態」により「0」にリセットされる。このフラグを参照することによって、発音指令の後において「K2オフ状態」となるまで離鍵されていない状態であるか否かを判別することができる。
【0075】
・レジスタL
レジスタLには、前回のベロシティ、すなわちキーセンサあるいはハンマセンサにより求められたベロシティのうち、発音指令として採用されたものが格納されるようになっている。
【0076】
・レジスタM
レジスタMには、レジスタAに値が格納される毎に、キーセンサにより求められたベロシティ、すなわち、求めた3区間に対応するもののうち、最も早く打弦が発生すると判断されたものが格納される一方、発音指令があった時点でリセットされるようになっている。
【0077】
・レジスタN
レジスタNには、その他のもの、例えば、キーセンサあるいはハンマセンサの出力状態を管理するものや、「M1オン状態」からの時間を計測するカウンタ、「M1オン状態」から「M−オン状態」までに至る時間を計測するカウンタ等が設定される。
【0078】
1−4:実施例の電気的動作
次に、かかる実施例の電気的動作について説明する。まず、本実施例の電子楽器の電源が投入されると、図8に示すメインルーチンが起動される。このルーチンが起動されると、はじめに、ステップSa1において所定のイニシャライズ処理が実行され、前述した各種レジスタ、フラグ等が初期化される。
【0079】
次に、ステップSa2において鍵盤処理が実行され、キーセンサインターフェイス54およびハンマインタフェイス56を介して、キーセンサ群53およびハンマセンサ群58の出力変化(イベント)が監視され、イベント発生が検出されたならば、所定の処理が行なわれる。すなわち、前回、この鍵盤処理が実行されたときと比較してキーセンサ群53およびハンマセンサ群58の出力に、なんらかのイベントが発生したか否かが判別され、イベントが発生していなければ、次のステップSa3に処理が進行する一方、イベントが発生したならば、このイベントに沿った所定の処理が実行される。
【0080】
ここでいう所定の処理とは、レジスタの構成で述べたとおりである。例えば、キーセンサ群53のうち、あるキーに対応する光センサ31の出力が、ビーム31aが通光状態のままであって、ビーム31aが遮光状態から通光状態に変化した場合には、押鍵状態が「K3オン状態」から「K4オン状態」に変化したことを示すので、これに要した時間から押鍵速度が求められる。そして、押鍵速度が求められると、打弦タイミングが推定されて、このあと何msec秒後に打弦が発生するかを示す値が算出される。この値は、押鍵されたキーコードに対応するレジスタAの値と比較され、小さければレジスタAに上書きされる。
【0081】
次に、ステップSa3に進むと、パネルインターフェイス58を介してパネルスイッチ57の設定状態が検出され、本実施例における各種ステータスの設定/変更等が行なわれる。そして、ステップSa4に進むと、その他、グランドピアノとして動作するために必要な処理が行なわれて、処理がステップSa2に戻る。以下、電源が遮断されるまで、ステップSa2〜4の処理がくり返し行なわれる。
【0082】
一方、本実施例では、メインルーチンでの処理とは別に、割込処理が行なわれるようになっている。上述のように、この割込処理は、タイマ61による割込信号がCPU51に供給されると実行されるものであり、各種レジスタが、先にレジスタの構成で説明した条件にしたがって、インクリメントあるいはデクリメントされるようになっている。割込信号は「1msec」毎に供給されるので、この割込処理も「1msec」毎に行なわれることになる。したがって、各種レジスタのうちカウンタとして働くものは、その内容がそのまま「msec」を単位とする時間を示すことになる。
【0083】
さて、この割込処理において、レジスタAが「0」となってキーセンサ発音要求が発生した場合、あるいは、レジスタBが「0」となってハンマ発音要求が発生した場合には、フラグであるレジスタF、H、J、K、およびカウンタであるレジスタC、Dの値によって、図9に示すモード▲1▼〜▲8▼のいずれかに分類される。ここでモードとは、ベロシティを、ハンマセンサあるいはキーセンサのどちらに基礎をおくのか、また、キーセンサに基礎をおくときには、押鍵速度からベロシティへの変換に、テーブルαあるいはβのどちらを用いるのかを、それぞれ示すものである。
【0084】
図9に示すように、モード▲1▼にあっては、ハンマセンサのみ基礎をおくので、テーブルを用いない。モード▲2▼〜▲5▼にあっては原則、ハンマセンサに基づくベロシティが採用されるが、後述する所定条件下で、キーセンサに基づくベロシティが採用される。後者の条件下において、押鍵速度からベロシティへの変換に際し、モード▲2▼、▲3▼ではテーブルαを、モード▲4▼、▲5▼ではテーブルβを、それぞれ用いる。一方、モード▲6▼〜▲8▼にあっては、ハンマセンサに基づくベロシティが採用されず、キーセンサに基づくベロシティが採用される。この際、押鍵速度からベロシティへの変換に際してはテーブルβを用いる。
【0085】
ここで、各モードの特徴について説明する。
・モード▲1▼
レジスタF、H、J、Kがすべて「0」であり、レジスタCがC≧127であるとは、前回の離鍵から「K1オフ状態」となるまでに127msec経過していることを示し、いわゆる単打(単純打鍵)が行なわれたことを示すものである。したがって、この状態を示すモード▲1▼において本実施例は、打弦タイミングおよびベロシティを忠実に求めるべく、ハンマセンサのみに基礎をおいて、打弦情報を求める。
【0086】
・モード▲2▼
モード▲2▼は、レジスタF、H、J、Kがすべて「0」であり、レジスタCがC<127であることから、離即打鍵であるが、レジスタCがC≧38であるので、ジャック大308Aとローラ305との当接が復帰したと推定される。このため、モード▲2▼では、原則としてハンマセンサに基礎をおくが、後述する条件下にあってはキーセンサに基礎をおき、テーブルαが用いられる。
【0087】
・モード▲3▼
モード▲3▼は、レジスタF、H、J、Kがすべて「0」であり、レジスタCがC<38であることから、非常に高速な離即打鍵であるが、レジスタDがD≦150であることから、前回の離鍵が急激に行なわれているので、ジャック大308Aとローラ305との当接が復帰したと推定される。このため、モード▲2▼と同様に、キーセンサに基礎をおく場合にあっては、テーブルαが用いられる。
【0088】
・モード▲4▼
モード▲4▼は、レジスタF、H、J、Kがすべて「0」であり、レジスタCがC<38であることから、非常に高速な離即打鍵であり、レジスタDがD≦150であることから、前回の離鍵はゆっくり行なわれているので、ジャック大308Aとローラ305との当接が不完全だと推定される。このため、キーセンサに基礎をおく場合にあっては、テーブルβが用いられる。
【0089】
・モード▲5▼
モード▲5▼は、レジスタFがF=1であることから、「K1オン状態」となる押鍵状態が長期間にわたって継続して、深い押鍵であることを示している。このため、キーセンサに基礎をおく場合にあっては、テーブルβが用いられる。
【0090】
・モード▲6▼
モード▲6▼は、レジスタHがH=1であることから、「K2オン状態」となる押鍵状態が長期間にわたって継続して、深い押鍵であることを示している。この状態では、すでに、「M1オン状態」となってしまっている可能性が大なので、キーセンサにのみ基礎をおき、テーブルβが用いられる。
【0091】
・モード▲7▼
モード▲7▼は、レジスタJがJ=1であることから、「K2オン状態」となる押鍵状態になったにもかかわらず、ノートオンが発生しない場合を示す。この場合も深い押鍵であり、また、すでに「M1オン状態」となってしまっている可能性が大なので、キーセンサにのみ基礎をおき、テーブルβが用いられる。
【0092】
・モード▲8▼
モード▲8▼は、レジスタKがK=1であることから、「K2オフ状態」となる手前の離鍵過程にあったにもかかわらず、次のノートオンが発生した場合を示す。この場合も深い押鍵であり、また、すでに「M1オン状態」となってしまっている可能性が大なので、キーセンサにのみ基礎をおき、テーブルβが用いられる。
【0093】
次に、モード▲2▼〜▲5▼に分類された場合において、ベロシティを、ハンマセンサあるいはキーセンサのどちらに基礎をおくかについて説明する。上述のように、発音要求が発生されて、モードに分類される場合には、レジスタAが「0」となる場合と、レジスタBが「0」となる場合との2通りがある。そこで、前者については図10に示すキーセンサオンタイミングルーチンを参照して、後者については図11に示すハンマセンサオンタイミングルーチンを参照して、それぞれ説明する。
【0094】
まず、レジスタAが「0」となった場合では、SP1においてハンマセンサのイベントが検索され、ステップSP2において当該イベントは、発音待ち状態であるか否かが判別される。ここで、ハンマセンサイベントの発音待ち状態とは、ハンマ301が「M1オン状態」から「M2オン状態」に変化して、ハンマの打弦速度が求められて、このあと何msec秒後に打弦が発生するかを示す値がレジスタBに格納されている状態をいう。
【0095】
したがって、この発音待ち状態となっている場合には、やがてハンマにより打弦が行なわれることを示すので、ハンマセンサに基づくデータを採用するべく、ステップSP7に進んで、キーセンサ発音要求が無視され、当該キーのキーセンサイベントは、すべてクリアにされて、このルーチンは終了する。
【0096】
一方、発音待ち状態となっていない場合には、ステップSP3に進んで、ハンマセンサのイベントが検索され、「M2オン状態」となる寸前の「M−オン状態」から「M2オン状態」までのステータスであるか否かが判別される。このステータスとなっているときには、近々「M2オン状態」となる可能性を秘めているので、ステップSP4において、さらに、「M1オン状態」から「M−オン状態」までの経過時間、および「M1オン状態」から現時点までの経過時間が、それぞれが正常値であるか否かが判別される。すなわち両者を勘案して、真に「M2オン状態」となり得るのか否かが判別される。なお、両者はレジスタNにてカウントされている。
【0097】
この判別結果が「Yes」ならば、次のステップSP5に進んで、ハンマセンサの様子を再び監視するために、キーセンサイベント発音タイミングカウンタ、すなわちレジスタAに「2」がセットされて、このルーチンは終了する。これにより、この時点から「2msec」後に、同じ処理が行なわれることになる。一方、ステップSP3あるいはSP4での判別結果が「No」であるならば、ハンマの打弦状態が異常であると判別して、キーセンサに基づくデータを採用するべく、ステップSP6において、押鍵速度に基づくベロシティでノートオンが行なわれ、この際、どちらのテーブルが用いられるかは、モードにより決定される。すると、ハンマセンサに基づくデータは不要となるので、当該キーのハンマセンサイベントは、すべてクリアにされて、このルーチンは終了する。
【0098】
一方、レジスタBが「0」となると、図11に示すステップSQ1において、連打であるか否かが判別される。詳細には、この判別は、レジスタDの値が「256」以下であるか否か、すなわち、前回のノートオンから今回の発音要求までの時間が「256msec」以下であるか否かにより行なわれる。連打でなければ、次のステップSQ2に進んで、レジスタAに何らかの値がセットされていることを条件に、ハンマ打弦速度に基づくベロシティでノートオンが行なわれる。
【0099】
ここで、レジスタAに何らかの値がセットされることを条件とするのは、ハンマセンサのデータが、実は振動等によるチャッタリングによるものであった、という事態を防止するためである。レジスタAには、何等かの押鍵操作によって初めて値がセットされるので、この確認により、押鍵操作に起因したハンマ打弦速度のベロシティを出力することが可能となる。
【0100】
ステップSQ2の処理の後には、キーセンサに基づくデータは不要となるので、ステップSQ3において、当該キーのキーセンサイベントは、すべてクリアにされて、このルーチンは終了する。
【0101】
次のステップSQ4〜SQ6の説明をする前に、再び図4に戻って、連打において想定される不都合について説明する。連打は、いうまでもなく、鍵321の頻繁な押鍵・離鍵動作により行なわれるものであり、このため、ハンマ301が打弦後に戻ってきたときに、鍵321が押鍵状態を保っているとは限らない。もし、ハンマ301が打弦後に戻ってきたとき、鍵321がレスト位置にあるときには、ローラ305がレペティションレバー306に当接してはね返ることにより、ハンマ301がバウンドし、「M1オン状態」となってしまうことがある。この直後、押鍵操作がなされると、図12に示すように、「M1オン状態」から「M2オン状態」までの経過時間により求められる打弦速度を示す傾きK’は、押鍵によるハンマの実際の打弦速度を示す傾きKよりも小さくなってしまい、ここに、両者が食い違う不都合が発生する。
【0102】
この不都合状態が発生しているか否かを判別するために、ステップSQ1、SQ4およびSQ5の処理が行なわれる。すなわち、ステップSQ1において連打であるか否かが、すなわち、レジスタDがD≦256であるか否かが判別される。次のステップSQ4において、今回のハンマ打弦速度に基づくベロシティが、同一キーにおいて発生した前回のベロシティよりも、所定値(例えば「20」)以上小さいか否かが、すなわち、ハンマ打弦速度に基づくベロシティが、レジスタLの内容よりも所定値以上小さいか否かが判別される。連打においてはどの打鍵強さもほぼ均等であり、ハンマ打弦速度に基づくベロシティが前回のものと所定値以上小さいのは、異常である可能性大と判別するためである。
【0103】
ステップSQ4の判別結果が「No」である場合には、ハンマ打弦速度に基づくベロシティを採用してもなんら問題はないので、処理がステップSQ2に進む一方、この判別結果が「Yes」である場合には、ステップSQ5に進んで、打弦速度に基づくベロシティが、押鍵速度で推定されたベロシティよりも所定値(例えば「15」)以上小さいか否かが、すなわち、打弦速度に基づくベロシティが、レジスタMの内容よりも所定値以上小さいか否かが判別される。この判別結果が「No」ならば、すなわち、押鍵速度で推定されたベロシティとそれほど差がないならば、連打においてその打鍵だけが小さく行なわれたと判断して、処理がステップSP2に進む一方、判別結果が「Yes」ならば、上記不都合が発生していると判断して、処理がステップSQ6に進む。このステップSQ6では、ハンマセンサに基づくデータを採用しないで、キーセンサに基づくデータを採用するべく、当該キーのハンマセンサイベントがすべてクリアにされて、このルーチンは終了する。
【0104】
このように、ハンマセンサ発音要求がキーセンサ発音要求より早く発生した場合には、所定の連打が行なわれたときを除いて、ハンマセンサに基礎をおいたベロシティにてノートオンがなされる。
一方、キーセンサ発音要求がハンマセンサより早く発生した場合でも、ハンマによる打弦が起こるのであれば、やはり、ハンマセンサに基礎をおいて、また、ハンマによる打弦の可能性が低ければ、あるいはハンマの打弦過程が異常であれば、キーセンサに基礎をおいて、ノートオンが行なわれる。ハンマによる打弦が起こり得り、かつハンマの打弦過程が正常であれば、「2msec」後に再び同じ動作が繰り返される。
【0105】
なお、上述した実施例は、モード▲1▼では、条件にかかわらず、ハンマセンサのみに基礎をおいたが、モード▲1▼を、モード▲2▼、▲3▼と同様に、所定条件下においては、キーセンサに基礎をおくように構成しても良い。
【0106】
また、上述した実施例では、レジスタA〜Nを、説明簡略化のため、それぞれ88鍵の各々に対応して設けたが、本願は、これに限られない。例えば、同時押鍵可能な鍵の数だけ設け、押鍵がある毎に、レジスタA〜Nを割り当てるような構成としても良い。
【0107】
2:変形例
本願では、次のような変形例が可能である。
図13に示すように、途中で速度が鈍化するような押鍵がなされた場合、最初の区間での押鍵速度によるものと、次の区間での押鍵速度によるものとの2回のノートオンが発生する可能性がある。この変形例では、これを防ぐために、次の方法の両方、あるいはどちらか一方が施される。
A.同一キーによる2回目のノートオン(発音指令)は、前回の発生から「30msec」以内であるならば、無視する。
B.発音されているノートオンに該当するものであっても、前回のノートオン以後、「K3オフ状態」や「K4オフ状態」のように、ある程度の離鍵過程を1度経過していないならば、その2回目のノートオンを無視する。
【0108】
また、本実施例の構成では、単純に「K2オフ状態」となった場合に、ノートオフが行なわれることになるが、変形例では、「K2オフ状態」となる前に次にノートオンが生じたときに、前のノートオフ処理が行なわれないようにする。これは、実際の通常演奏と同様にするためである。
【0109】
また、離鍵過程においても離鍵速度を求めて、これによりノートオフのタイミングを制御しても良い。この場合、「K3オフ状態」から「K2オフ状態」までの経過時間から求めた離鍵速度を基礎とするのが良い。
【0110】
さらに、ノートオフの処理としては、複数の点で変化させても良い。例えば、「K3オフ状態」において徐々に発音を減衰させ、次の「K2オフ状態」において完全に消音とするように処理しても良い。
【0111】
なお、上述した実施例、変形例では、消音演奏可能なグランドピアノを例として説明したが、本願は、これに限られない。例えば、演奏時の演奏情報を採取して記憶し、この記憶した演奏情報に基づき自動演奏を行なう自動演奏ピアノに対しても、勿論適用可能である。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、ハンマの挙動を正確に把握でき、打弦のタイミングおよび打弦の大きさを、より忠実にセンシングすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例におけるキーセンサの構成を示す側断面図である。
【図2】 同実施例におけるキーセンサの動作を説明するための図である。
【図3】 同実施例におけるキーセンサの出力と、鍵位置との関係を説明するための図である。
【図4】 同実施例におけるハンマアクション部の構成を示す側断面図である。
【図5】 同実施例におけるハンマセンサの出力と、ハンマ位置との関係を示す図である。
【図6】 同実施例の電気的構成を示すブロック図である。
【図7】 同実施例におけるROMに作成されるレジスタの構成を説明するための図である。
【図8】 同実施例における電気的動作のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図9】 同実施例におけるモードが、レジスタの内容によっていかにして分類されるかを説明するための図である。
【図10】 同実施例の割込処理にて行なわれるキーセンサオンタイミングルーチンを示すフローチャートである。
【図11】 同実施例の割込処理にて行なわれるハンマセンサオンタイミングルーチンを示すフローチャートである。
【図12】 連打時に発生し得る不都合を説明するための図である。
【図13】 途中で押鍵速度が鈍化する場合において発生し得る不都合を説明するための図である。
【符号の説明】
31……光センサ(第1のセンサ)、77……光センサ(第2のセンサ)、51……CPU(第1、第2のセンサ情報発生手段、制御手段)、α……テーブル(第1のテーブル)、β……テーブル(第2のテーブル)
Claims (8)
- 鍵の回動過程における当該鍵の位置を複数点にて検出する第1のセンサと、
前記鍵が押下されたときに、前記鍵に対応する弦を打撃するハンマの回動過程における当該ハンマの位置を、少なくとも1点にて検出する第2のセンサと、
前記第1のセンサの検出結果から、前記ハンマが前記弦を打撃するタイミングを示す第1の打撃タイミング情報を少なくとも含む第1のセンサ情報を発生する第1のセンサ情報発生手段と、
前記第2のセンサの検出結果から、前記ハンマが前記弦を打撃するタイミングを示す第2の打撃タイミング情報を少なくとも含む第2のセンサ情報を発生する第2のセンサ情報発生手段と、
前記第1のセンサの検出結果、前記第2のセンサの検出結果、前記第1のセンサ情報、及び前記第2のセンサ情報のうちの少なくとも1つを参照した結果を基に、前記第1のセンサ情報及び前記第2のセンサ情報のうち鍵盤情報として出力すべき一方のセンサ情報を選択し、選択したセンサ情報を出力する制御手段と
を具備することを特徴とする鍵盤情報出力装置。 - 前記制御手段は、
原則として、前記第2のセンサ情報を鍵盤情報として選択する一方、前記第2のセンサの検出結果を参照した結果として前記ハンマの打撃過程が異常と判断される場合には、前記第1のセンサ情報を鍵盤情報として選択すること
を特徴とする請求項1記載の鍵盤情報出力装置。 - 前記制御手段は、
前記鍵が押鍵状態を維持したまま再度押鍵されたと、前記第1のセンサによる検出結果から判断した場合に、前記ハンマの打撃動作の過程が異常と判断すること
を特徴とする請求項2記載の鍵盤情報出力装置。 - 前記制御手段は、
前記鍵の連打が行なわれたと、第1あるいは第2のセンサ情報のうちの鍵盤情報として選択したものから判断した場合に、前記ハンマの打撃動作の過程が異常と判断すること
を特徴とする請求項2記載の鍵盤情報出力装置。 - 前記第1のセンサ情報発生手段は、
前記第1のセンサの検出結果から押鍵速度を求め、この押鍵速度から、第1の打弦タイミングとともに、その際の打弦の大きさを推定して、両者を第1のセンサ情報として出力するものであり、
前記第2のセンサは、
前記ハンマの回動過程を複数点にて検出するものであり、
前記第2のセンサ情報発生手段は、
前記第2のセンサの検出結果からハンマの回動速度を求め、この回動速度から第2の打弦タイミングとともに、その際の打弦の大きさを推定して、両者を第2のセンサ情報として出力するものであること
を特徴とする請求項1または2記載の鍵盤情報出力装置。 - 前記第1のセンサ情報発生手段は、
押鍵速度を打撃の大きさに変換する第1のテーブルと、
前記押鍵速度を前記第1のテーブルよりも小さい打撃の大きさに変換する第2のテーブルと
を備え、
前記第1のセンサの検出結果にしたがってどちらか一方のテーブルを用いて、押鍵速度を打撃の大きさを推定すること
を特徴とする請求項5記載の鍵盤情報出力装置。 - 前記第1のセンサ情報発生手段は、
押鍵状態が維持されたまま再度の押鍵が行なわれたれたとき、あるいは離鍵が低速で行なわれた直後に押鍵が行なわれたときには、前記第2のテーブルを用いる一方、それ以外のときには、前記第1のテーブルを用いること
を特徴とする請求項6記載の鍵盤情報出力装置。 - 前記制御手段は、
前記第2のセンサ情報を選択するにあたって、前記第1のセンサにより押鍵速度が検出されていることを条件とすること
を特徴とする請求項5記載の鍵盤情報出力装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP09406495A JP3684610B2 (ja) | 1994-08-01 | 1995-04-19 | 鍵盤情報出力装置 |
EP95112036A EP0696790B1 (en) | 1994-08-01 | 1995-07-31 | Keyboard musical instrument estimating hammer impact and timing for tone-generation from one of hammer motion and key motion |
DE69517754T DE69517754T2 (de) | 1994-08-01 | 1995-07-31 | Tasteninstrument mit Abschätzung von Hammeraufschlagstärke und -zeit für Tonerzeugung ausgehend von entweder der Hammerbewegung oder der Tastenbewegung |
US08/509,812 US5612502A (en) | 1994-08-01 | 1995-08-01 | Keyboard musical instrument estimating hammer impact and timing for tone-generation from one of hammer motion and key motion |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6-199048 | 1994-08-01 | ||
JP19904894 | 1994-08-01 | ||
JP09406495A JP3684610B2 (ja) | 1994-08-01 | 1995-04-19 | 鍵盤情報出力装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08101687A JPH08101687A (ja) | 1996-04-16 |
JP3684610B2 true JP3684610B2 (ja) | 2005-08-17 |
Family
ID=26435378
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP09406495A Expired - Fee Related JP3684610B2 (ja) | 1994-08-01 | 1995-04-19 | 鍵盤情報出力装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5612502A (ja) |
EP (1) | EP0696790B1 (ja) |
JP (1) | JP3684610B2 (ja) |
DE (1) | DE69517754T2 (ja) |
Families Citing this family (33)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10161648A (ja) * | 1996-12-04 | 1998-06-19 | Yamaha Corp | 打鍵−打弦特性対応装置、駆動信号−打弦特性対応装置、および鍵盤楽器 |
US6781046B2 (en) * | 1998-09-04 | 2004-08-24 | David Meisel | Key actuation systems for keyboard instruments |
US20060272469A1 (en) * | 1998-09-04 | 2006-12-07 | David Meisel | Key actuation systems for keyboard instruments |
US6194643B1 (en) | 1998-09-04 | 2001-02-27 | David Meisel | Key actuation systems for keyboard instruments |
US6888052B2 (en) | 1998-09-04 | 2005-05-03 | David Meisel | Key actuation systems for keyboard instruments |
JP3900706B2 (ja) * | 1998-09-07 | 2007-04-04 | ヤマハ株式会社 | 鍵盤装置 |
US6229081B1 (en) | 1998-09-18 | 2001-05-08 | Yamaha Corporation | Keyboard musical instrument, position sensing device and light-emitting controller both incorporated therein |
US6271447B1 (en) * | 1998-10-05 | 2001-08-07 | Yamaha Corporation | Velocity calculating system for moving object widely varied in velocity method for correcting velocity and keyboard musical instrument equipped with the velocity calculating system for accurately determining loudness of sounds |
JP4595193B2 (ja) * | 2000-11-17 | 2010-12-08 | ヤマハ株式会社 | ハンマ検出装置 |
KR100524029B1 (ko) | 2002-05-10 | 2005-10-26 | 야마하 가부시키가이샤 | 건반 악기용 상판 구조 |
US20040173085A1 (en) * | 2003-03-04 | 2004-09-09 | Seow Phoei Min | Musical keyboard system for electronic musical instrument |
JP2006195265A (ja) * | 2005-01-14 | 2006-07-27 | Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd | 電子鍵盤楽器の鍵盤装置 |
US7439426B2 (en) * | 2005-02-15 | 2008-10-21 | David Meisel | Actuation system for keyboard pedal lyre |
JP4770539B2 (ja) * | 2006-03-24 | 2011-09-14 | ヤマハ株式会社 | 電子楽器 |
JP4751781B2 (ja) * | 2006-07-20 | 2011-08-17 | 株式会社河合楽器製作所 | 鍵盤楽器の発音制御装置 |
JP5209287B2 (ja) * | 2007-12-13 | 2013-06-12 | ローランド株式会社 | 電子楽器の操作位置検出装置 |
WO2009108437A1 (en) * | 2008-02-27 | 2009-09-03 | Steinway Musical Instruments, Inc. | Pianos playable in acoustic and silent modes |
US20090282962A1 (en) * | 2008-05-13 | 2009-11-19 | Steinway Musical Instruments, Inc. | Piano With Key Movement Detection System |
US8148620B2 (en) * | 2009-04-24 | 2012-04-03 | Steinway Musical Instruments, Inc. | Hammer stoppers and use thereof in pianos playable in acoustic and silent modes |
US8541673B2 (en) | 2009-04-24 | 2013-09-24 | Steinway Musical Instruments, Inc. | Hammer stoppers for pianos having acoustic and silent modes |
US8519252B2 (en) * | 2011-03-16 | 2013-08-27 | Waleed Sami Haddad | Optoelectronic pickup for musical instruments |
JP5974756B2 (ja) * | 2011-09-20 | 2016-08-23 | ヤマハ株式会社 | 電子鍵盤楽器 |
JP5976362B2 (ja) | 2012-03-29 | 2016-08-23 | 株式会社河合楽器製作所 | 電子鍵盤楽器 |
US9047851B2 (en) | 2012-09-19 | 2015-06-02 | Light4Sound | Optoelectronic pickup for musical instruments |
FI20135575L (fi) * | 2013-05-28 | 2014-11-29 | Aalto Korkeakoulusäätiö | Tekniikoita musiikkiesityksen parametrien analysoimiseksi |
US20150013525A1 (en) * | 2013-07-09 | 2015-01-15 | Miselu Inc. | Music User Interface Sensor |
JP6232850B2 (ja) * | 2013-08-29 | 2017-11-22 | カシオ計算機株式会社 | タッチ検出装置、タッチ検出方法、電子楽器及びプログラム |
JP6402502B2 (ja) * | 2014-06-20 | 2018-10-10 | ヤマハ株式会社 | 演奏情報出力制御装置、鍵盤楽器及び制御方法 |
JP6485082B2 (ja) | 2015-02-04 | 2019-03-20 | ヤマハ株式会社 | 鍵盤楽器 |
JP6070735B2 (ja) | 2015-02-04 | 2017-02-01 | ヤマハ株式会社 | 鍵盤楽器 |
JP6299621B2 (ja) * | 2015-02-04 | 2018-03-28 | ヤマハ株式会社 | 鍵盤楽器 |
JP6414235B2 (ja) * | 2017-01-12 | 2018-10-31 | ヤマハ株式会社 | 鍵盤楽器 |
JP7491789B2 (ja) * | 2020-09-14 | 2024-05-28 | 株式会社河合楽器製作所 | 鍵盤楽器の鍵盤装置 |
Family Cites Families (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4307648A (en) * | 1980-10-14 | 1981-12-29 | Stahnke Wayne L | Method and apparatus for measuring the dynamics of a piano performance |
US4679477A (en) * | 1985-06-20 | 1987-07-14 | Charles Monte | Percussive action silent electronic keyboard |
FR2620255B1 (fr) * | 1987-09-09 | 1990-10-05 | Lamy Eric | Dispositif de releve optique, notamment pour le releve de la frappe d'une touche sur un clavier, dispositif d'exploitation dudit releve optique, et piano numerique equipe de tels dispositifs |
US4913026A (en) * | 1988-01-29 | 1990-04-03 | Yamaha Corporation | Automatic player piano with touch strength estimator |
US5164532A (en) * | 1990-11-01 | 1992-11-17 | Yamaha Corporation | Performance state detecting unit of player piano system |
US5374775A (en) | 1992-06-09 | 1994-12-20 | Yamaha Corporation | Keyboard instrument for selectively producing mechanical sounds and synthetic sounds without any mechanical vibrations on music wires |
JP3555117B2 (ja) * | 1993-08-20 | 2004-08-18 | ヤマハ株式会社 | 鍵センサ |
-
1995
- 1995-04-19 JP JP09406495A patent/JP3684610B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1995-07-31 DE DE69517754T patent/DE69517754T2/de not_active Expired - Lifetime
- 1995-07-31 EP EP95112036A patent/EP0696790B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1995-08-01 US US08/509,812 patent/US5612502A/en not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH08101687A (ja) | 1996-04-16 |
EP0696790B1 (en) | 2000-07-05 |
DE69517754D1 (de) | 2000-08-10 |
DE69517754T2 (de) | 2001-03-01 |
EP0696790A1 (en) | 1996-02-14 |
US5612502A (en) | 1997-03-18 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3684610B2 (ja) | 鍵盤情報出力装置 | |
US7361825B2 (en) | Electronic keyboard instrument | |
JPH08160942A (ja) | 自動演奏ピアノ | |
JP2007256360A (ja) | 鍵盤楽器 | |
US6452079B2 (en) | Keyboard musical instrument equipped with hammer stopper promptly driven for rotation by means of rigid link work | |
JP4531415B2 (ja) | 自動演奏装置 | |
JPH07104737A (ja) | ピアノ | |
JP3316527B2 (ja) | 電子楽器の鍵盤装置 | |
JP4289428B2 (ja) | 電子打楽器 | |
JP3254062B2 (ja) | ピアノ | |
US5524519A (en) | Piano provided with a mechanism for controlling string striking movement | |
JP5974756B2 (ja) | 電子鍵盤楽器 | |
JP5939068B2 (ja) | 電子鍵盤楽器 | |
JPH0997074A (ja) | 電子ピアノ | |
KR100218124B1 (ko) | 피아노용 건반 동작 감지 장치 | |
JP4089107B2 (ja) | 速度検出装置および鍵盤楽器 | |
JP3641625B2 (ja) | ピアノ | |
JP4187898B2 (ja) | 電子鍵盤楽器の連打検出制御装置 | |
JPH0764540A (ja) | ピアノ | |
JP2009244307A (ja) | グランド型ピアノ | |
JP4855202B2 (ja) | 電子鍵盤楽器 | |
JP2855384B2 (ja) | 自動演奏ピアノ | |
JP2004102308A (ja) | ピアノ | |
JPH07104748A (ja) | 複合ピアノの鍵盤スイッチ装置 | |
JP2003271140A (ja) | 楽器の自動演奏装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050127 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050411 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050510 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050523 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080610 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090610 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100610 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130610 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |