JP2017097374A - 鍵盤楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】3以上の箇所における検知結果を監視して適切な楽音制御に役立てる。【解決手段】CPU45は、検知部SWが2つ検知ONとなった場合は、1番目SWが検知ONとなってから2番目SWが検知ONとなるまでの時間差Δt1に基づいて、発音の予測タイミングまでの時間Tsを算出し、タイマTmの計時をスタートさせる。CPU45は、押鍵行程において、予測タイミングよりも早く(Ts≧Tm)、最後の検知部SWが動作検知状態となった場合は、最後の検知部SWが動作検知状態となったタイミングを発音タイミングとして決定する。一方、CPU45は、最後の検知部SWが動作検知状態となる前に予測タイミングが訪れた場合(Ts<Tm)は予測タイミングを発音タイミングとして決定する。【選択図】図7

Description

本発明は、鍵の押下操作により鍵によって直接的または間接的に駆動されて変位する変位部材を有する鍵盤楽器に関する。
従来、鍵の押下操作により鍵によって直接的または間接的に駆動されて往方向に変位(動作)するハンマ等の変位部材を有した鍵盤楽器が知られている。この種の楽器において、鍵または変位部材の動作を検知し、その検知結果に基づき楽音を制御する鍵盤楽器も知られている。例えば、下記特許文献1の楽器では、押鍵操作に応じて順次オンする接点部を3つ以上設け、指定した演奏形態に対応する2つの接点部が順次オンすることにより押鍵ベロシティや発音タイミングを制御するようにしている。
一般に、鍵に連動するハンマのような変位部材の動作を楽音制御に利用する楽器においては、変位部材は、あらゆる演奏形態において鍵に対して変位部材がほぼ正確に連動するという暗黙の前提の下に制御がなされている。
特開2010−160263号公報
しかし実際には、例えば鍵とハンマとは必ずしも正確に連動せず、押鍵強さや押鍵深さ、離鍵のタイミング等、様々な押離鍵の態様によって、鍵とハンマとの相対的な関係は複雑なものとなる。このような場合に、ハンマが往方向において特定の場所に達したことを検知したタイミングを発音タイミングとする等、ハンマ動作の検知結果だけに基づき楽音を制御したとすると、必ずしも正確な楽音制御ができない場合がある。例えば、奏者にとって、押鍵と発音とのタイミングが合わない、あるいは押鍵強さと発音音量とが一致しない、等の違和感が生じる場合がある。
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、3以上の箇所における検知結果を監視して適切な楽音制御に役立てることができる鍵盤楽器を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明の請求項1の鍵盤楽器は、鍵と、前記鍵の押下操作により前記鍵によって直接的または間接的に駆動されて往方向に動作する少なくとも1つの変位部材と、前記鍵の状態の遷移を検知すると状態遷移検知状態となる検知部及び前記変位部材の状態の遷移を検知すると状態遷移検知状態となる検知部を含む3つ以上の検知部を対象検知部として有する検知手段と、押鍵往行程において、前記検知手段の全ての対象検知部のうち1つの対象検知部を残して他の対象検知部が状態遷移検知状態となった場合に、前記他の対象検知部のうち2つの対象検知部を組み合わせて1つの組となる少なくとも1つ以上の検知部組の検知結果に基づいて、発音の予測タイミング(Ts)を決定する第1の決定手段(45)と、押鍵往行程において、前記第1の決定手段により決定された予測タイミングよりも早く、前記検知手段のうち押鍵往行程において最後の対象検知部が状態遷移検知状態となった場合は、前記最後の対象検知部が状態遷移検知状態となったタイミングを発音タイミングとして決定する一方、前記検知手段のうち前記最後の対象検知部が状態遷移検知状態となる前に前記決定された予測タイミングが訪れた場合は、前記決定された予測タイミングを発音タイミングとして決定する第2の決定手段(45)と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、3以上の箇所における検知結果を監視した上で楽音を生成し、適切な楽音制御に役立てることができる。
請求項2、3によれば、奏者の意図に沿って押鍵ベロシティを適切に決定することができる。請求項4によれば、発音タイミングをより適切に決定することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤楽器の縦断面図である。 1つのアクション機構及びその周辺要素の側面図である。 鍵盤楽器の全体構成を示すブロック図(図(a))、レジスタに記憶される検知部における検知結果の情報を示す概念図(図(b))である。 メイン処理(図(a))、各鍵の消音処理(図(b))を示すフローチャートである。 各鍵の発音処理を示すフローチャートである。 対象検知部の動作検知状態を示すタイムチャートである。 第2の実施の形態における各鍵の発音処理を示すフローチャートである。 ハンマの回動動作を検知する検知部を2つ配した例を示す模式図(図(a))、対象検知部の動作検知状態を示すタイムチャートである(図(b))。 アップライトピアノのアクション機構の側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る鍵盤楽器の縦断面図である。図1では主に、1つの鍵Kとそれに対応するアクション機構ACT等の構成を示している。
この鍵盤楽器はグランドピアノ型の電子鍵盤楽器として構成され、白鍵及び黒鍵である鍵Kが複数並列に配列される。鍵Kの後端部の上方に、各鍵Kに対応してアクション機構ACTが設けられる。各鍵Kは各々、鍵支点部70におけるバランスピン74近傍の部分を支点として図1の時計及び反時計方向に回動自在に配設される。図1の右側が奏者側であって前方、左側が後方である。鍵Kの前部が押離操作される。
この鍵盤楽器はハンマ11による弦19の打撃によって発音することができると共に、アクション機構ACT等における構成要素の移動や位置を検知して電子的に発音することも可能となっている。なお、消音用ストッパ60が、鍵盤筬を含むベース部76に対して位置を可変に取り付けられ、不図示の操作子の操作により消音用ストッパ60の位置を切り替えできるようになっている。通常の発弦による演奏を行う場合は、ハンマ11が当接しない位置に消音用ストッパ60を位置させ、消音モードで演奏するときには、消音用ストッパ60をハンマ11と当接する位置に位置させてハンマ11が弦19に当接しないようにすることができる。
鍵Kの前部下部にフロントブッシングクロス64A、64Bが設けられている。ベース部76には、フロントブッシングクロス64A、64Bの位置に対応して、フロントパンチングクロス63A、63Bが配設されている。押鍵操作によって、フロントパンチングクロス63A、63Bにフロントブッシングクロス64A、64Bが当接することで、鍵Kの回動終了位置(エンド位置)が規制される。フロントピン75によって、押鍵操作時に各鍵Kの前部の鍵並び方向への移動が規制される。
鍵Kの後部の下部に導電部66が設けられている。ベース部76には、導電部66に対応して、バックレールアンダーフェルトを介してバックレールクロス65が配設されている。鍵Kの後部の下面がバックレールクロス65に当接することで導電部66がバックレールクロス65に当接し、非押鍵状態における鍵Kの初期位置、すなわち回動開始位置(レスト位置)が規制される。
ベース部76に対して電気回路基板61が固定的に配設される。また、アクションブラケット77に対して電気回路基板62が固定的に配設される。電気回路基板はこの他にも存在するが、それらの図示は省略する。
図2は、1つのアクション機構ACT及びその周辺要素の側面図である。
鍵Kの後端部上面には、キャプスタンスクリュ4が植設されている。鍵Kの後端部上部には、バックチェック35が設けられる。鍵Kの後方にあるダンパレバーフレンジ78にダンパレバー67が軸支される。また、ダンパブロック69にダンパレバー67が軸支され、ダンパブロック69にダンパ79が固定される。
アクション機構ACTは、ウィッペン5、ジャック6、レペティションレバー8等を主に備える。ウィッペン5は、その後端部5aの回動支点23が、サポートレール3に固定されたサポートフレンジ2に軸支され、自由端である前端5bが、回動支点23を中心として上下方向に回動自在にされている。ウィッペン5の回動支点23側の上面には、ハンマシャンクストップフェルト20が配設される。ウィッペン5の前半部上部には、ジャックストップ33が突設されている。
ウィッペン5の前後方向中央においてレペティションレバーフレンジ7が上方に突設される。レペティションレバー8は、レペティションレバーフレンジ7の上端部の回動支点7aを中心に、同図時計及び反時計方向に回動自在に支持される。ジャック6は、略上方に延びた垂直部6aと略水平方向前方に延びたジャック小6bとを有して側面視略L字形を呈する。ジャック6は、ウィッペン5の前端5bの回動支点36に、図2の時計及び反時計方向に回動自在に配設される。
ジャックストップ33は、ジャックボタンスクリュ32と、ジャックボタンスクリュ32の後端部に設けられたジャックボタン31とを有している。非押鍵状態(離鍵状態)においては、ジャックボタン31にジャック6が当接して、ジャック6の初期位置が規制され、その初期位置は、ジャックボタンスクリュ32で調節することができる。
シャンクレール10にはシャンクフレンジ9が固定されている。シャンクレール10に取り付けられたレギュレーティングレール100に対して、レギュレーティングボタン25が高さ調節自在に設けられている。シャンクフレンジ9の下部には、レペティションスクリュ34が設けられている。ハンマ11は、レペティションレバー8の上方に配設される。ハンマ11のハンマシャンク16の前端部が、シャンクフレンジ9に対して、回動中心13を中心として上下方向に回動自在に枢支される。ハンマシャンク16の後端である自由端にハンマウッド17が取り付けられている。ハンマウッド17の上端にハンマフェルト18が取り付けられている。ハンマシャンク16の前端部近傍にハンマローラ14が設けられる。
非押鍵状態において、レペティションレバー8は、その前端部上面にてハンマローラ14を下方より受け止め、該ハンマ11を初期位置に規制する。一方、レペティションレバー8の後端部にはレペティションレバーボタン15が高さ調整自在に配設されている。このボタン15はウィッペン5の後端部5aの上面に当接し、これによってレペティションレバー8の反時計方向への回動が規制され、レペティションレバー8が初期位置に規制される。
レペティションレバー8の前端部には、長孔21が形成されている。ジャック6の垂直部6aが長孔21内に挿通され、垂直部6aの頂端面22がレペティションレバー8の上面とほぼ面一になっている。
かかる構成において、非押鍵状態から鍵Kが押鍵操作される通常の押鍵往行程においては、キャプスタンスクリュ4の上昇によってウィッペン5が突き上げられ、回動支点23を中心として往方向である反時計方向に回動する。ウィッペン5が突き上げられることにより、レペティションレバー8及びジャック6がウィッペン5と一緒に上方に回動する。これらの回動に伴い、まず、レペティションレバー8及びジャック6の垂直部6aが、ハンマローラ14を回転乃至摺動させながら、ハンマローラ14を介してハンマ11を押し上げ、上方に回動させる。
一方、鍵Kの往方向への回動に伴い、鍵Kの後端部上部に設けられたダンパレバークッション68がダンパレバー67の前端部を押し上げる。するとダンパブロック69を介してダンパ79が上昇し、やがて弦19からダンパ79(厳密にはダンパ79の下部に設けられたダンパフェルト)が離間する。
次いで、レペティションレバー8がレペティションスクリュ34に当接係合することにより、レペティションレバー8の反時計方向への変位(上限位置)が規制されると、ジャック6の垂直部6aの頂端面22がレペティションレバー8の長孔21を通じて突出し、ハンマローラ14が頂端面22によって駆動されて、ハンマ11が突き上げられる。
ウィッペン5がさらに往方向に回動すると、その回動途中でジャック6のジャック小6bがレギュレーティングボタン25(厳密にはレギュレーティングボタンパンチング)の下面に当接してその上昇が阻止される。しかしウィッペン5自身はなおも回動するので、ジャック6は回動支点36を中心に時計方向に回動する。そのため、ジャック6の垂直部6aの頂端面22がハンマローラ14の下方から前方に抜けて、脱進する。これにより、ハンマ11は、ジャック6との係合を解かれ、自由回動状態で弦19を打弦する。ハンマ11は、打弦後は、自重と弦19の反撥力とによって回動復帰する。なお、消音モード時には、ハンマ11のハンマシャンク16が消音用ストッパ60によって回動を規制され、弦19には当接しない。
押鍵終了後、その押鍵状態が維持されているときは、弦19で跳ね返ったハンマ11は、そのハンマウッド17がバックチェック35(厳密にはバックチェッククロス35a)に受け止められ、静止している。鍵Kが離鍵され、バックチェック35とハンマ11との係合が解かれると、レペティション付勢部12bの付勢力によって、レペティションレバー8が反時計方向に回動すると共に、ハンマローラ14がレペティションレバー8に支えられる。
また、ジャック6は、打弦動作後、ウィッペン5の回動復帰に伴ってレギュレーティングボタン25から解放され、ジャック付勢部12aの付勢力により反時計方向に回動復帰して、初期位置に戻る。ジャック6の垂直部6aの頂端面22がハンマローラ14の下側位置に速やかに復帰することによって、鍵Kが非押鍵位置まで完全に戻らなくても、再押鍵による次の打弦動作が行えるようになる。つまり、速い連弾が可能となる。
ところで、本鍵盤楽器において、係合関係となる対象に対する係合状態が押離鍵動作の行程において変化し得る構成要素を「構成体」と称する。構成体には、部品単体だけでなく、一体として構成される部品構成体、あるいは一体として可動する構成体が含まれる。例えば、鍵K(鍵体)、ハンマ11(ハンマ体)のほか、鍵Kからハンマ11までの系に介在する構成要素、あるいは、鍵Kやハンマ11の回動開始位置や回動終了位置を規制する構成要素が該当する。具体的には、これらのほか、符号で挙げると、構成要素5、6、7、8、9、11、15、19、20、25、31、34、35、60、63、65、79等が、構成体に該当し得る。なお、構成要素64、66、68は鍵Kの一部として把握してもよい。構成要素14、16、17、18はハンマ11の一部として把握してもよい。可動する構成体のうち鍵Kを除くものは変位部材に該当し得る。構成体はこれら例示したものに限定されるものではない。
本鍵盤楽器は、検知部SW5、SW6、SW7を含む複数の検知部SW(検知部SW2〜SW8)を、鍵Kに対応して複数備える。検知部SWは、鍵Kや変位部材の動作を直接検知するか、または係合関係となり得る構成体同士の係合状態を検知することを介してそれらの動作を間接的に検知するものである。
本実施の形態では、押鍵操作により鍵Kによって直接的または間接的に駆動されて往方向に変位(動作)すると共に、鍵Kの離操作により復方向に動作する「変位部材」に着目する。そして、鍵K及び変位部材の動作検知に基づき押鍵ベロシティを含む楽音情報を生成すると共に、発音タイミングを決定する。変位部材として、まずはハンマ11を例にとって考える。鍵Kの押下動作を検知部SW5、SW6で検知すると共に、ハンマ11の回動動作を検知部SW7で検知し、これら3つの検知部SW5〜SW7の検知結果を監視した上で、それらの監視結果に基づいて発音タイミングの決定等を行う。
検知部SW2〜SW8については、鍵Kや変位部材の動作を検知できる構成であればよく、配置の場所に合わせた構成を採用できる。例えば、検知部SW7は消音用ストッパ60の下面に配設される。従って、消音モード時には、ハンマ11は、検知部SW7に当接し、検知部SW7を介して消音用ストッパ60に間接的に当接する。検知部SW5、SW6(図1)は、鍵支点部70の前方に配置され、いずれも、押下操作される鍵Kに押下されるとONとなる。検知部SW5の方が検知部SW6よりも突出しており、押鍵往行程において先にONとなる。
検知部SW5〜SW8は、一般的なドーム型メイクスイッチであり、押圧されると可動接点と固定接点とが当接して電気的にONとなる。例えば、消音モード時において、検知部SW7は、ハンマ11によって押圧されるとONとなり、押圧が解除されるとOFFとなる。従って、検知部SW7にハンマ11が当接して、検知部SW7を介して消音用ストッパ60によって往方向の変位終了位置を規制されるのとほぼ同時に検知部SW7はONとなる。検知部SW8(図2)も検知部SW7と同様の構成となっている。検知部SW8は、ストップレール81の下部に配置される。検知部SW8は、往方向に回動するダンパレバー67によって押圧されてONとなる。
検知部SW2〜SW4については、接触または圧力変化によりONとなる一般的なスイッチ構成を採用してもよいが、本実施の形態では、一例として、構成体同士の間の電気的な導通の状態により、両者の係合状態を検知する構成としている。具体的には、構成体における相互に係合する係合部の各々を、導電性を有する構成とし、CPU45(図3(a))は、両者が当接すれば導通、離間すれば非導通となることを利用して、両者の係合状態を検知する。
このような導通構成を簡単に実現するためには、例えば、係合部の、互いが係合する領域に導電材を施す。導電材としては、黒鉛、導電性ゴム、導電不織布、銅板、導電塗装(導電性グリス)等を、係合する領域の少なくとも表面や係合面に施す。クロス等に適用する場合は、クロス全体を導電材で構成してもよい。あるいは、可動構成体及び対応構成体の、全体または少なくとも各々の係合部を導電体や導電部材で構成してもよい。例えば、構成体の全体または係合部を導電樹脂で成形する。導電性を持たせるための構成は、可動構成体と対応構成体とで異なっていてもよい。
いくつか代表例として挙げると、検知部SW2では、鍵K(のダンパレバークッション68)とダンパレバー67(の当接部67a)をいずれも導電体で構成する。検知部SW3では、レギュレーティングボタン25とジャック6をいずれも導電体で構成する。検知部SW4では、バックレールクロス65と鍵K(の導電部66)をいずれも導電体で構成する。これら以外の構成体同士にも同様の構成を適用可能である。ジャック6とハンマローラ14とをいずれも導電体で構成してもよい。
導電性を有した導電部は、電気回路基板に対して電気的に接続されている。図2では電気回路基板の図示を省略している。図1に示すように、例えば、ジャック6の導電部がフレキシブルリード等の配線72で電気回路基板62に接続され、ハンマローラ14も配線73で電気回路基板62に接続される。また、電気回路基板61には、フロントブッシングクロス64A、64Bが配線71で接続されると共に、フロントパンチングクロス63A、63Bも不図示の配線によって接続される。他の係合部の導電部についても、電気回路基板61、62または不図示の電気回路基板に対して適宜、配線接続されている。
検知部SWは、導通となると電気的にON、非導通となると電気的にOFF(オフ)となる。しかし本実施の形態では、鍵Kや変位部材に関する検知部SWについては、押鍵の往行程において、変位部材の状態が遷移したことを検知した場合、例えば、変位部材が、ある位置よりも往方向に位置したことを検知した場合を「動作検知状態」(状態遷移検知状態)と称することとする。例えば、検知部SW7、SW8については、電気的にONとなった状態が動作検知状態に該当する。
一方、検知部SW4のように、バックレールクロス65と鍵Kの導電部66とは、少しでも押鍵がされると離間し、検知部SW4が電気的にはOFFとなる。このように、非押鍵状態で電気的にONとなっている検知部については、電気的にOFFとなることで押鍵操作が検知されることになるので、電気的にOFFになったことを動作検知状態と称する。以降、動作検知状態のことを「検知ON」と略記することもある。
なお、検知部SW2〜SW8の構成に限定はなく、磁気式、光学式等を採用してもよい。検知部SW2〜SW8の全てが必要ではなく、鍵Kの動作を検知する検知部と変位部材の動作を検知する検知部を含む、最低限3つの検知部SWを備えれば、本発明を適用できる。
図3(a)は、鍵盤楽器の全体構成を示すブロック図である。本鍵盤楽器は、検出回路43、検出回路44、ROM46、RAM47、タイマ48、表示装置49、外部記憶装置50、各種インターフェイス(I/F)51、音源回路53及び効果回路54が、バス56を介してCPU45にそれぞれ接続されて構成される。
さらに、検出回路44には、検知部SWが接続される。各種操作子41には、鍵K等の演奏操作子も含まれる。CPU45にはタイマ48が接続され、音源回路53には効果回路54を介してサウンドシステム55が接続されている。
検出回路43は各種操作子41の操作状態を検出する。検出回路44は検知部SWにおける導通状態を検知し、その検知結果をCPU45に供給する。CPU45は、本装置全体の制御を司る。ROM46は、CPU45が実行する制御プログラムや各種テーブルデータ等を記憶する。RAM47は、演奏データ、テキストデータ等の各種入力情報、各種フラグやバッファデータ及び演算結果等を一時的に記憶する。タイマ48は、タイマ割り込み処理における割り込み時間や各種時間を計時する。各種I/F51には、MIDI−I/Fや通信I/Fが含まれる。音源回路53は、各種操作子41から入力された演奏データや予め設定された演奏データ等を楽音信号に変換する。効果回路54は、音源回路53から入力される楽音信号に各種効果を付与し、DAC(Digital-to-Analog Converter)やアンプ、スピーカ等のサウンドシステム55は、効果回路54から入力される楽音信号等を音響に変換する。
図3(b)は、レジスタに記憶される検知部SWにおける検知結果の情報を示す概念図である。検知部SWにおける検知結果の情報は、ONかOFFかを示す導通状態と、ONとOFFとが切り替わった変化時刻とを示す情報であり、全ての検知部SWについて、鍵KごとにRAM47のレジスタに記憶される。なお、検知情報が利用されない検知部SWについては記憶する必要はない。
図4(a)は、メイン処理を示すフローチャートである。この処理は、所定時間(例えば、100μ秒ごと)間隔で実行される。まず、CPU45は、各鍵Kにおける検知部SWを走査して、走査結果(ONかOFFか)をレジスタに鍵Kごとに記憶する(ステップS101)。次に、CPU45は、各検知部SWにおいて状態変化、すなわちONとOFFとの変化が生じた場合はその変化時刻も記憶する(ステップS102)。これにより、検知結果の情報(図3(b))が鍵Kごとに記憶され、随時更新される。なお、各検知部SWの走査の処理と状態をレジスタに記憶する処理とは、ハードウェアで逐次自動的に行うようにしてもよい。
次に、CPU45は、各鍵Kの発音処理を実行し(ステップS103)、次に、各鍵Kの消音処理(図4(b))を実行して(ステップS104)、図4(a)の処理を終了させる。
楽音制御は、複数の検知部SWの検知結果に基づいて行える。また、それらの検知部SWの検知結果は、楽音制御に限られず、演奏を楽音制御用の演奏データとして記録することにも利用できる。楽音制御や演奏データの記録に用いる検知部SWに限定はない。すなわち、発音トリガや押鍵ベロシティを決定する楽音情報生成用の検知部SWには、いずれの検知部SWを採用してもよい。また、発音した楽音を消音する消音対応の検知部SWには、いずれの検知部SWを採用してもよい。
本実施の形態では、代表として、鍵Kの動作を検知する検知部SW5、SW6と変位部材としてのハンマ11の動作を検知する検知部SW7の、3つの検知部SWを用いて発音処理と消音処理の双方を行う例を説明する。これら3つの楽音情報生成用の検知部SWを、検知手段としての対象検知部とし、「対象SW」と称する。また、消音対応の検知部SWとしては、検知部SW5を例示する。
図4(b)は、図4(a)のステップS104で実行される各鍵Kの消音処理を示すフローチャートである。図5は、図4(a)のステップS103で実行される各鍵Kの発音処理を示すフローチャートである。
まず、図5のステップS301では、CPU45は、対象SWの全て、すなわち、検知部SW5〜SW7の3つ全部の状態が動作検知状態(検知ON)となったか否かを判別する。この判別は、検知結果の情報(図3(b))を参照することでなされ、以降でも同様である。その判別の結果、対象SWのうち1つでも、検知ONでない(動作非検知状態(OFF)である)検知部SWがある場合は、発音すべきタイミングでないので、発音がなされることなく図5の処理は終了する。
ところで、通常の押鍵態様においては、検知部SW5→SW6→SW7の順で検知ONとなるので、検知部SW7が検知ONとなったときに対象SWの全てが検知ONとなる。すなわち、検知部SW7は、押鍵往行程における最後に検知ONとなる検知部SWとなる。しかし、押鍵初期にだけ強く鍵Kを押下し、その後ゆっくり押下したような場合は、検知部SW5→SW7→SW6の順、あるいは検知部SW7→SW5→SW6の順で検知ONとなる場合もあり得る。これらのような場合は、検知部SW6が検知ONとなったときに対象SWの全てが検知ONとなる。
対象SWの全てが動作検知状態(検知ON)となった場合は、押鍵による発音の意図があると判断できるので、CPU45は、楽音情報を生成する(ステップS302)。この楽音情報の生成の態様についてはいくつか考えられるが、ここでは図6を参照して5つの態様例を説明しておく。
図6は、検知部SW5〜SW7の動作検知状態を示すタイムチャートである。検知部SW5〜SW7につき、押鍵往行程において検知ONとなった順に、1番目SW、2番目SW、3番目SWと称する。1番目SWが検知ONとなった時点をt1、2番目SWが検知ONとなった時点をt2、3番目SWが検知ONとなった時点をt3とする。時点t1〜時点t2の時間差をΔt1、時点t2〜時点t3の時間差をΔt2、時点t1〜時点t3の時間差をΔt3とする。CPU45は、時間差Δt1、Δt2、Δt3の少なくともいずれか1つに基づいて、押鍵ベロシティを決定し、楽音情報を生成する。
まず、楽音情報の生成の第1の態様では、時間差Δt1、Δt2、Δt3のうち最も短いものを選択し、選択した時間差Δtの逆数に係数を乗じたものを押鍵ベロシティとする。奏者は、鍵Kに対して復方向の加速度を与えることはできないため、検知部SW間で変位が最速のものを選択するのが奏者の意図に沿う可能性が高いからである。楽音情報の生成の第2の態様では、時間差Δt1、Δt2、Δt3のうち中央のものを選択し、選択した時間差Δtの逆数に係数を乗じたものを押鍵ベロシティとする。
また、楽音情報の生成の第3の態様では、第1または第2の態様で押鍵ベロシティを決定するのに加えて、時間差Δt1、Δt2、Δt3のうち中央の値から音色も決定する。楽音情報の生成の第4の態様では、第1または第2の態様で押鍵ベロシティを決定するのに加えて、時間差Δt1、Δt2、Δt3のうち最大の値から音色も決定する。
また、楽音情報の生成の第5の態様では、時間差Δt1、Δt2、Δt3の少なくとも2つを按分した値に基づいて押鍵ベロシティや音色を決定する。例えば、本鍵盤楽器の機構の特性に応じて係数a、b、cを予め設定しておく。そして、時間差Δt1、Δt2、Δt3の3つ全てを用いる場合は、「a×Δt1+b×Δt2+c×Δt3」の逆数を押鍵ベロシティとして決定する。また、時間差Δt1、Δt2、Δt3のうち2つを用いる場合は、例えば、「a×Δt1+b×Δt2」、「a×Δt1+c×Δt3」、「b×Δt2+c×Δt3」のいずれかの逆数を押鍵ベロシティとして決定する。音色決定においても同様の算出式を応用できる。音色決定においては、別途設定した係数を用いてもよい。また、係数a、b、cについては、固定値にすることは必須でなく、最初に得られる時間差Δt1に基づいて動的に算出してもよい。
楽音情報が生成されると、次に、CPU45は、生成した楽音情報に基づき発音を開始する(ステップS303)。すなわち、CPU45は、今回処理の対象となっている鍵Kの音高の楽音を、当該鍵Kに対応して現在決定されているベロシティ・音色で発音するよう、音源回路53及び効果回路54等を制御する。その後、図5の処理が終了する。
このように、本実施の形態では、2つの検知部SWを組み合わせて1つの組となる少なくとも1つ以上の検知部組の検知結果に基づいて楽音情報を生成している。そして、対象SWのうち押鍵往行程における最後の検知部SWが動作検知状態(検知ON)となったタイミングが発音開始タイミングとなる。
図4(b)の各鍵Kの消音処理において、ステップS201では、CPU45は、消音対応の検知部SW(検知部SW5)の状態がOFFであるか否かを判別する。その判別の結果、検知部SW5の状態がONである場合は、CPU45は、消音を開始することなく図4(b)の処理を終了させる。一方、検知部SW5の状態がOFFである場合は、CPU45は、処理をステップS202に進め、今回処理の対象の鍵Kに対応する音高が発音中か否かを判別する。その判別の結果、CPU45は、発音中でない場合は図4(b)の処理を終了させる一方、発音中である場合は、発音中の楽音の消音を開始する(ステップS203)。
なお、消音対応の検知部SWとして、対象SWのうちの1つを採用したが、対象SWとは別の検知部SWを採用してもよい。例えば、消音対応の検知部SWとして検知部SW2を採用すれば、ダンパレバークッション68とダンパレバー67(の当接部67a)との離間が消音タイミングとなる。この場合、弦19に対してダンパ79が離間するタイミングと略一致するので、より自然な消音となる。
本実施の形態によれば、押鍵行程において、対象SWの全ての検知部SWが動作検知状態となった場合に、少なくとも1つ以上の検知部組の検知結果に基づいて楽音情報が生成される。これにより、鍵Kとハンマ11における3以上の箇所における検知結果を監視した上で楽音を生成し、適切な楽音制御に役立てることができる。
また、押鍵往行程において対象SWのうち最後の検知部SWが動作検知状態(検知ON)となったタイミングを発音タイミングとして決定するので、奏者の意図に沿って発音タイミングを適切に決定することができる。また、少なくとも1つ以上の検知部組における対象検知部同士の動作検知状態となったタイミングの時間差(Δt1等)に基づいて押鍵ベロシティが決定される。特に、2つ以上の検知部組を選択し、該選択した検知部組の各々における検知部同士の動作検知状態となったタイミングの時間差を按分した値に基づいて押鍵ベロシティを決定することで、奏者の意図に沿って押鍵ベロシティを適切に決定することができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、押鍵往行程において対象SWのうち最後の検知部SWが動作検知状態(検知ON)となったタイミングを発音トリガとした。これに対し、本発明の第2の実施の形態では、予測した発音タイミングと最後の検知部SWの動作検知状態のうち先に訪れたタイミングを発音トリガとする。従って、図5に代えて図7を用いて第2の実施の形態を説明する。
図7は、第2の実施の形態において図4(a)のステップS103で実行される各鍵Kの発音処理を示すフローチャートである。
まず、CPU45は、対象SWを1つずつスキャンし、対象SWが1つを残して全て検知ONとなったか否かを判別する(ステップS401)。ここでは、検知部SWが2つ検知ONとなったか否かが判別される。その判別の結果、検知ONの検知部SWが1つ以下の場合は、図7の処理が終了する。一方、1番目だけでなく2番目の検知部SWまでが検知ONとなった場合は、CPU45は、図6に示した時間差Δt1に基づいて、発音の予測タイミングまでの時間Tsを算出する(ステップS402)(第1の決定手段)。例えば、時間差Δt1に係数を乗じたものを時間Tsとする。
次に、CPU45は、タイマTmに初期値を設定して計時をスタートさせ(ステップS403)、タイマTmの値が時間Tsを超えたか(Ts<Tm)否かを判別する(ステップS404)。その判別の結果、タイマTmの値が時間Tsを超える前(Ts≧Tm)であれば、CPU45は、対象SWのうち押鍵往行程において最後の検知部SW(ここでは3番目の検知部SW)が検知ONとなったか否かを判別する(ステップS405)。そして、最後の検知部SWが検知ONとなるまでステップS404、S405を繰り返し、もし、タイマTmの値が時間Tsを超える前に最後の検知部SWが検知ONとなった場合は、CPU45は、ステップS406で楽音情報を生成する。一方、最後の検知部SWが検知ONになることなくタイマTmの値が時間Tsを超えてしまった(Ts<Tm)場合は、CPU45は、ステップS408で楽音情報を生成する。
ステップS406では、CPU45は、図5のステップS302と同様に、例示される態様で、時間差Δt1、Δt2、Δt3の少なくともいずれか1つに基づいて、押鍵ベロシティを決定し、楽音情報を生成する。その際、態様によっては音色も決定する。その後、CPU45は、図5のステップS303と同様に、生成した楽音情報に基づき発音を開始する(ステップS407)。従って、対象SWのうち最後の検知部SWが動作検知状態(検知ON)となったタイミングが発音開始タイミングとなる(第2の決定手段)。発音開始タイミングの決定に関しては第1の実施の形態と同様となる。
一方、ステップS408では、3番目の検知部SWの検知結果は得られていないので、CPU45は、既に得られている検知部SWの検知結果に基づいて楽音情報を生成する。例えば、時間差Δt1の逆数に係数を乗じたものを押鍵ベロシティとして決定する。その後、CPU45は、生成した楽音情報に基づき発音を開始する(ステップS407)。従って、この場合は、最後の検知部SWが動作検知状態(検知ON)となるのを待たず、予測タイミングが発音開始タイミングとなる(第2の決定手段)。ステップS406、S408の処理後、図7の処理が終了する。
本実施の形態によれば、押鍵行程において、時間差Δt1に基づいて決定した予測タイミングよりも早く(Ts≧Tm)、最後の検知部SWが動作検知状態となった場合は、最後の検知部SWが動作検知状態となったタイミングを発音タイミングとして決定する。一方、最後の検知部SWが動作検知状態となる前に予測タイミングが訪れた場合(Ts<Tm)は予測タイミングを発音タイミングとして決定する。これにより、鍵Kとハンマ11における3以上の箇所における検知結果を監視した上で発音タイミングを決定し、適切な楽音制御に役立てることができる。
特に、最後の検知部SWが検知ONにならなくても、タイマTmの値が時間Tsを超えればそのタイミングで発音がなされるので、非常にゆっくりと押鍵した場合でも、楽音を発生させることはできる。
また、予測タイミングよりも早く、最後の検知部SWが動作検知状態となった場合は、時間差Δt1〜Δt3の少なくともいずれか1つに基づいて、押鍵ベロシティを決定し、楽音情報を生成する一方、最後の検知部SWが動作検知状態となる前に予測タイミングが訪れた場合は、時間差Δt1に基づいて押鍵ベロシティを決定するので、奏者の意図に沿って押鍵ベロシティを適切に決定することができる。
なお、第1、第2の実施の形態において、対象SWの検知部SW7に代えて検知部SW8を用いたとしても、十分に適切な発音タイミングを決定できる。この場合、ダンパレバー67が変位部材となる。
なお、第1、第2の実施の形態においては、対象SWは3つとしたが、鍵Kの動作を検知する検知部SWと変位部材の動作を検知する検知部SWを含む、3つ以上の検知部SWを対象SWとすることができる。例えば、検知部SW5〜SW8の4つを対象SWとしてもよい。図8で、対象SWを4つとする他の例を説明する。
図8(a)は、ハンマ11の回動動作を検知する検知部SW7を2つ配した例を示す模式図である。消音用ストッパ60の下面に検知部SW7Aと検知部SW7Bの2つが配設される。消音用ストッパ60の下面からの突出高さは検知部SW7Aの方が高く、従って、検知部SW7Aの方が先にメイクする。
ここでは代表として、鍵Kの動作を検知する検知部SW5、SW6と変位部材としてのハンマ11の動作を検知する検知部SW7A、SWBの、4つの検知部SWを「対象SW」とし、消音対応の検知部SWは検知部SW5とする。
図8(b)は、対象SWの動作検知状態を示すタイムチャートである。押鍵往行程において1番目SW、2番目SW、3番目SW、4番目SWが検知ONとなった時点をそれぞれt11、t12、t13、t14とする。時点t11〜時点t12の時間差をΔt11、時点t12〜時点t13の時間差をΔt12、時点t13〜時点t14の時間差をΔt13とする。時点t11〜時点t13の時間差をΔt14、時点t11〜時点t14の時間差をΔt15、時点t12〜時点t14の時間差をΔt16とする。
対象SWが4つである構成を第1の実施の形態に適用した場合は、図5のステップS302で、CPU45は、時間差Δt11〜Δt16の少なくともいずれか1つに基づいて、押鍵ベロシティを決定し、楽音情報を生成する。例えば、時間差Δtの選択において、時間差Δt11、Δt12、Δt13のうち最も短いものまたは中央のものを選択する。あるいは時間差Δt14、Δt16のうち短い方を選択する。あるいは時間差Δt15を選択する。そして、選択した時間差Δtの逆数に係数を乗じたものを押鍵ベロシティとする。また、押鍵ベロシティを決定するのに加えて、時間差Δt11〜Δt16の少なくともいずれか1つに基づいて、必要に応じて音色も決定してもよい。例えば、時間差Δt11〜Δt13のうち中央値または最大値から音色を決定する。2以上の時間差Δtから楽音を生成する場合は、2以上の時間差Δtを適切な係数にて按分した値に基づいて押鍵ベロシティや音色を決定してもよい。
対象SWが4つである構成を第2の実施の形態に適用した場合、図7のステップS406では、第1の実施の形態に適用した場合と同様に、CPU45は、時間差Δt11〜Δt16の少なくともいずれか1つに基づいて、押鍵ベロシティを決定し、楽音情報を生成する。また、図7のステップS408では、時点t14が訪れないので、CPU45は、時間差Δt11、Δt12、Δt14の少なくともいずれか1つに基づいて、押鍵ベロシティを決定し、楽音情報を生成し、必要に応じて音色も決定する。
上記各実施の形態では、グランドピアノ型のアクション機構ACTを有する鍵盤楽器への本発明の適用を例示したが、このような構成に限られない。すなわち、押離鍵操作により往方向及び復方向に変位(動作)する変位部材を有すればよく、アクション機構を有しなくてもよい。
また、図9に示すようなアップライト型のアクション機構ACTを有する鍵盤楽器にも本発明を適用可能である。
図9は、アップライトピアノのアクション機構ACT2の側面図である。通常の押鍵操作においては、鍵Kを押下操作すると、ウイペン112が突き上げられて回動し、ジャック120を上昇させる。また、ジャック120が上昇すると、バット126はジャック120によって突き上げられてハンマ130を図9の反時計方向に回動させる。ジャック120は上昇回動し、その途中でレギュレーティングボタン140に当接して時計方向に回動することによりバット126の下部から一時的に脱進する。また、ウイペン112が上昇回動すると、ダンパースプーン156はダンパレバー152を時計方向に回動させてダンパ155を弦19から離間させる。
そして、ダンパ155が弦19から離間した後、ハンマ130が弦19を打撃し、ハンマ130は、跳ね返ってキャッチャ133がバックチェック144に弾性的に受け止められる。ジャック120は、離鍵操作に伴うウイペン112の回動下降によりレギュレーティングボタン140から解放されることにより回動復帰して、その上端が再びバット126の下部に入り込む。それにより、同一鍵Kによる次の打弦動作が可能になる。
棚板106に対して固定的に、キーバックレールクロス165が配設され、鍵Kの後部の下部に導電部166が設けられている。消音用ストッパ82は、消音用ストッパ60と同様に、消音モード時用に位置を切り替えできるようになっている。
かかる構成において、例えば消音用ストッパ82に、検知部SW7(または検知部SW7A及びSW7B)を設けてもよい。また、バット126とジャック120との間、レギュレーティングボタン140とジャック120との間、鍵Kの下面(の導電部166)とキーバックレールクロス165との間、等に、検知部SWを設けてもよい。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
SW 検知部(検知手段、検知部)、 11 ハンマ(変位部材)、 45 CPU(生成手段)、 67 ダンパレバー(変位部材)

Claims (4)

  1. 鍵と、
    前記鍵の押下操作により前記鍵によって直接的または間接的に駆動されて往方向に動作する少なくとも1つの変位部材と、
    前記鍵の状態の遷移を検知すると状態遷移検知状態となる検知部及び前記変位部材の状態の遷移を検知すると状態遷移検知状態となる検知部を含む3つ以上の検知部を対象検知部として有する検知手段と、
    押鍵往行程において、前記検知手段の全ての対象検知部のうち1つの対象検知部を残して他の対象検知部が状態遷移検知状態となった場合に、前記他の対象検知部のうち2つの対象検知部を組み合わせて1つの組となる少なくとも1つ以上の検知部組の検知結果に基づいて、発音の予測タイミングを決定する第1の決定手段と、
    押鍵往行程において、前記第1の決定手段により決定された予測タイミングよりも早く、前記検知手段のうち押鍵往行程において最後の対象検知部が状態遷移検知状態となった場合は、前記最後の対象検知部が状態遷移検知状態となったタイミングを発音タイミングとして決定する一方、前記検知手段のうち前記最後の対象検知部が状態遷移検知状態となる前に前記決定された予測タイミングが訪れた場合は、前記決定された予測タイミングを発音タイミングとして決定する第2の決定手段と、を有することを特徴とする鍵盤楽器。
  2. 前記第2の決定手段は、押鍵往行程において、前記第1の決定手段により決定された予測タイミングよりも早く、前記最後の対象検知部が状態遷移検知状態となった場合は、前記他の対象検知部のうち2つの対象検知部を組み合わせて1つの組となる少なくとも1つ以上の検知部組における対象検知部同士の状態遷移検知状態となったタイミングの時間差に基づいて、押鍵ベロシティを決定することを特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器。
  3. 前記第2の決定手段は、押鍵往行程において、前記最後の対象検知部が状態遷移検知状態となる前に前記決定された予測タイミングが訪れた場合は、前記最後の対象検知部を含めた前記検知手段における2つの対象検知部を組み合わせて1つの組となる少なくとも1つ以上の検知部組における対象検知部同士の状態遷移検知状態となったタイミングの時間差に基づいて、押鍵ベロシティを決定することを特徴とする請求項1記載の鍵盤楽器。
  4. 前記検知手段の前記対象検知部には、前記変位部材が往方向の変位終了位置を規制されると状態遷移検知状態となる検知部が含まれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の鍵盤楽器。
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