JPH0794189B2 - 直描型平版印刷用原版 - Google Patents

直描型平版印刷用原版

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JPH0794189B2
JPH0794189B2 JP11345988A JP11345988A JPH0794189B2 JP H0794189 B2 JPH0794189 B2 JP H0794189B2 JP 11345988 A JP11345988 A JP 11345988A JP 11345988 A JP11345988 A JP 11345988A JP H0794189 B2 JPH0794189 B2 JP H0794189B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は平版印刷用原版に関し、詳しくは、事務用印刷
原版等に好適な直描型平版印刷用原版に関する。
(従来技術) 現在、事務用印刷原版としては支持体上に画像受理層を
有する直描型平版印刷原版が広く用いられている。この
ような印刷原版に製版、即ち画像形成を行なうには一般
に画像受理層に油性インキを手書きにより描画するか、
タイプライター、インクジェット方式あるいは転写型感
熱方式等で印字する方法が採用されている。その他、普
通紙電子写真複写機(PPC)を用いて帯電、露光及び現
像の工程を経て感光体上に形成したトナー画像を画像受
理層に転写定着する方法も近年使われ始めた。いずれに
しても製版後の印刷原版は不感脂化液(いわゆるエッチ
液)で表面処理して非画像部を不感脂化した後、印刷版
として平版印刷に供せられる。
従来の直描型平版印刷版は紙等の支持体の両面に裏面層
及び中間層を介して表面層が設けられていた。裏面層又
は中間層はPVA澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマル
ジョン等の水分散性樹脂と顔料で形成されている。表面
層は顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で形成される。
このような直描型平版印刷原版の代表例は米国特許第25
32865号に記載されるように、画像受理層をPVAのような
水溶性樹脂バインダー、シリカ、炭酸カルシウル等のよ
うな無機顔料及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂初期
縮合物のような耐水化剤を主成分として構成したもので
ある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この様にして得られた従来の印刷版は、
印刷耐久性を向上するために耐水化剤の添加量を多くし
たり疎水性樹脂を使用したりして疎水性を増大させる
と、耐刷性は向上するが親水性が低下し、印刷汚れが発
生し、一方、親水性を良くすると耐水性が劣化し、耐刷
性が低下するという問題があった。特に30℃以上の高温
使用環境下ではオフセット印刷に使用する浸し水に表面
層が溶解し、耐刷性の低下及び印刷汚れの両者が発生す
るなど大きな欠点があった。
更に、平版印刷用原版は油性インキ等を画像部として画
像受理層に描画するものであり、この受理層と油性イン
キの接着性が良くなければ、たとえ非画像部の親水性が
充分で上記の如き印刷汚れが発生しなくても、印刷時に
画像部の油性インキが欠落してしまい、結果として耐刷
性が低下してしまうという問題もあった。
本発明は以上の様な直描型平版印刷用原版の有する問題
点を改良するものである。
本発明の目的は、オフセット原版として全面一様な地汚
れはもちろん点状の地汚れも発生させない不感脂化性の
優れた直描型平版印刷用原版を提供することである。
本発明の目的は、画像部の油性インキと画像受理層との
接着性が向上し、且つ印刷において印刷枚数が増加して
も非画像部の親水性が充分保たれ、地汚れの発生しな
い、高耐刷力を有する平版印刷用原版を提供することで
ある。
(問題点を解決するための手段) 前記した諸目的は、支持体上に画像受理層を有する直描
型平版印刷用原版において、該画像受理層の結着剤の主
成分として、分解により下記一般式(I)又は一般式
(II)で示される基を生成する官能基を少なくとも1種
側鎖に含有する樹脂を少なくとも1種含有して成る事を
特徴とする直描型平版印刷用原版によって達成すること
ができる。
一般式(I) 一般式(II) 式(I)において、Rは炭化水素基又は−Z2−R′(こ
こで、R′は炭化水素を示し、Z2は酸素原子又はイオウ
原子を示す)を表わす。Q1は酸素原子又はイオウ原子を
表わす。Z1は、酸素原子又はイオウ原子を表わす。式
(II)において、Q2、Z3及びZ4は、各々独立に酸素原子
又はイオウ原子を表わす。
本発明は、直描型平版印刷用原版の画像受理層の結着剤
の主成分として、分解して少なくとも1個の式(I)又
は式(II)で表わされる親水性基を生成する官能基を少
なくとも1種含有する樹脂を用いることを特徴としてい
る。
従って、該樹脂を表面層に主成分として含む直描型平版
印刷用原版は、油性インキを画像部として画像受理層に
描画する際には、親油性の分解される前の前記官能基を
含有するため、受理層と油性インキ等との接着性が良好
となり、耐刷性が向上する。
一方、本直描型平版印刷用原版は、非画像部において
は、上記の如く前記官能基が不感脂化液及び浸し水によ
り加水分解又は加水素分解して式(I)又は式(II)で
表わされる親水性基になり、親水化されるため、画像部
の親油性と明確に区別され、印刷時において非画像に印
刷インキが付着しなくなるものである。上記の如く、従
来は親水性の樹脂に油性インク等を描画して画像部を疎
水性化していたのに対して、本発明では、親水性である
前記官能基を含有する樹脂を、表面処理によりその非画
像部を親水化するという全く異なる発想をもとに、結着
樹脂の親水性及び疎水性それぞれがもたらす有利な点を
併せて画期的な直描型平版印刷用原版を得るに至ったも
のである。
以下に本発明において用いられる分解して少なくとも1
個の該親水性基を生成する官能基(以下、親水性基生成
官能基という)を少なくとも1種含有する樹脂について
詳しく説明する。
一般式(I)又は(II)において、好ましくは、Rは置
換されていてもよい炭素数1〜12、直鎖状又は分岐状ア
ルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシ
ル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル
基、2−エトキシエチル基等)、置換されていてもよい
脂環式基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル
基等)、置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキ
ル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェネチル
基、メチルベンジル基、メトキシベンジル基、クロロベ
ンジル基等)又は置換されていてもよい芳香族基(例え
ば、フェニル基、クロロフェニル基、トリル基、キシリ
ル基、メトキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニ
ル基、ジクロロフェニル基等)、又は−Z2−R′(ここ
でZ2は、酸素原子又はイオウ原子を表わす。R′は炭化
水素基を表わし、具体的には、上記Rの炭化水素基で述
べた置換基類を例として挙げることができる)を表わ
す。
Q1、Q2、Z1、Z3、Z4は、各々独立に酸素原子又はイオウ
原子を表わす。
本発明の1つの好ましい態様によれば、該親水性基生成
官能基含有樹脂は、一般式(III)及び/又は(IV)で
示される官能基を少なくとも1種含有する樹脂である。
一般式(III) 一般式(IV) 式(III)及び(IV)において、Q1、Q2、Z1、Z3、Z4
よびRはそれぞれ(I)及び(II)で定義した通りの内
容を表わす。L1、L2及びL3は互いに独立にそれぞれ −S−R10を表わす。L1〜L3を表わす場合において、R1、R2は、互いに同じでも異な
ってもよく、水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原
子、臭素原子、フッ素原子等)又はメチル基を表わす。
X1及びX2は、電子吸引性置換基を表わし、好ましくはハ
ロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子
等)、−CN、−CONH2、−NO2又はSO2R″(R″はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ベ
ンジル基、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチ
ル基等の如き炭化水素基を表わす)を表わす。nは1又
は2を表わす。更に、X1がメチル基の場合には、R1及び
R2がメチル基でn=1を表わす。
L1〜L3を表わす場合において、R3、R4及びR5は、互いに同じで
も異なっていてもよく、好ましくは水素原子、置換され
ていてもよい炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル
基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ヘキシル基、オクチル基、デジル基、ドデシル基、
オクタデシル基、クロロエチル基、メトキシエチル基、
メトキシプロピル基等)、置換されていてもよい脂環式
基(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、
置換されていてもよい炭素数7〜12のアラルキル基(例
えばベンジル基、フェネチル基、クロロベンジル基、メ
トキシベンジル基等)又は置換されていてもよい芳香族
基(例えばフェニル基、ナフチル基、クロロフェニル
基、トリル基、メトキシフェニル基、メトキシカルボニ
ルフェニル基、ジクロロフェニル基等)又は−O−R
(Rは、炭化水素基を表わし、具体的には、上記R3
R4、R5の炭化水素基で述べた置換基類を例として挙げる
ことができる)を表わす。
L1〜L3又は−S−R10を表わす場合において、R6、R7、R8、R9
及びR10は、各々独立に炭化水素基を表わす。好ましく
は置換されていてもよい炭素数1〜6の直鎖状又は分岐
状アルキル基(例えばメチル基、トリクロロメチル基、
トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、フェノキシ
メチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、エチル基、
プロピル基、ヘキシル基、t−ブチル基、ヘキサフルオ
ロ−i−プロピル基等)、置換されていてもよい炭素数
7〜9のアラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル
基、メチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ヘプタ
メチルベンジル基、メトキシベンジル基等)、置換され
ていてもよい炭素数6〜12のアリール基(例えばフェニ
ル基、トリル基、キシリル基、ニトロフェニル基、シア
ノフェニル基、メタンスルホニルフェニル基、メトキシ
フェニル基、ブトキシフェニル基、クロロフェニル基、
ジクロロフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基
等)を表わす。
更にL1〜L3を表わす場合において、Y1及びY2は各々酸素原子又はイ
オウ原子を表わす。
本発明に用いられる官能基を少なくとも1種含有する樹
脂は、重合体に含有される上記の如き式(I)又は式
(II)の親水性基を高分子反応によって保護基により保
護した形にする方法、又は予め保護基により保護された
形の官能基(例えば式(III)又は(IV)の官能基)を
含有する単量体又は該単量体及びこれと共重合し得る他
の単量体との重合反応により重合する方法により製造さ
れる。
いずれの方法においても、保護基を導入する方法として
は、同様の合成反応を用いることができる。具体的に
は、J.F.W.Mc.Omie,「Protective groups in Organic C
hemistry」第6章(Plenum Press,1973年刊)の総説引
例の公知文献に記載の方法、あるいは日本化学会編「新
実験化学講座第14巻、有機化合物と反応〔V〕」第2497
頁(丸善株式会社刊、1978年)等の総説引例の公知文献
に記載のヒドロキシル基への保護基導入の方法と同様の
合成反応、あるいはS.Patai,「The Chemistry of the T
riol Group Part 2」第13章、第14章(Wiley−Intersci
ence 1974年刊)、T.W.Greene,「Protective groups in
Organic Synthesis」第6章(Wiley−Interscience 19
81年刊)等の総説引例の公知文献等に記載のチオール基
への保護基導入の方法と同様の合成反応により製造でき
る。
又後者の方法においては、予め保護された形の官能基を
含有する単量体を前記した総説等で引用された公知の方
法で合成した後、必要ならば該単量体と共重合し得る他
の単量体を共存させて通常の重合方法で重合することに
より、ホモ重合体又は多元共重合体を製造することがで
きる。
これらの単量体を単独で重合してもよいし、あるいは、
これらの単量体と共重合しうる他の単量体と組合せて共
重合体としてもよい。共重合させ得る他の単量体として
は、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビ
ニル、酢酸アリル、プロピオン酸アリル等の如き脂肪族
カルボン酸ビニルあるいはアリルエステル類、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸等の如き不飽和カルボン酸あるいはこれ
らの不飽和カルボン酸のエステル類又はアミド類、スチ
レン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンの如きスチ
レン誘導体、α−オレフィン類、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、N−ビニルピロリドンの如きビニル
基置換のヘテロ環化合物等が挙げられる。
前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法に
おいて得られる一般式(III)及び(IV)の官能基を含
有する繰り返し単位について更に具体的に述べると、例
えば下記一般式(A)の如き化合物が挙げられる。但し
これらの化合物例に限定されるものではない。
一般式(A) 式(A)中、Rは、前記一般式(III)又は(IV)の官
能基を示す。X′、Y′は、二重結合とRとの直接結合
あるいは以下のものを表わす。即ち、X′は−O−、−
CO−、−COO−、−OCO−、 −SO2−、 −CH2COO−、−CH2OCO−、 芳香族基又はヘテロ環基を示す{但しQ1、Q2、Q3、Q
4は、各々水素原子、炭化水素基、又は式(A)中の
Y′−R)を表わし、b1、b2は同じでも異なっていても
よく、水素原子、炭化水素基又は式(A)中のY′−
R)を表わし、n′は0〜18の整数を示す}。
Y′は、結合基X′と一般式(III)又は(IV)の官能
基を連結する、ヘテロ原子を介していてもよい炭素−炭
素結合を表わし(ヘテロ原子としては、酸素原子、イオ
ウ原子、窒素原子を示す)、例えば (CH=CH)−O−、−S−、 −COO−、−CONH−、−SO2−、−SO2NH−、−NHCOO−、
−NHCONH−等の結合単位の単独又は組合せの構成より成
るものである(但しb3、b4、b5は、各々前記b1、b2と同
義である)。
a1、a2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭化
水素基(例えば−COOHなどで置換されていてもよい炭素
数1〜12のアルキル基など)、−COOH又は−COO−W
(Wは一般式(III)又は(IV)の官能基を含む置換基
で置換されていてもよい、炭素数1〜18のアルキル基、
アルケニル基、アラルキル基、脂環式基又は芳香族基を
示す)を表わす。
本発明に用いられる一般式(III)及び/又は(IV)の
官能基を含有する重合成分の繰り返し単位となり得る具
体的な化合物例として以下の様な例を挙げることができ
る。しかし、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
本発明の樹脂が本発明の一般式(III)及び(IV)の官
能基を含有する単量体を共重合体成分とする共重合体で
ある場合、該共重合体成分は、全重合体中の好ましくは
99.5〜30重量%、より好ましくは99〜1重量%、で含む
ことができる。又、重合体の分子量は好ましくは104〜1
06、より好ましくは8×104〜8×105、である。
本発明に供される樹脂とともに従来公知の樹脂も併用す
ることができる。例えば、前記した如きシリコーン樹
脂、アルキッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、スチレン−ブチジエン樹脂、アクリル樹脂等があげ
られ、具体的に、栗田隆治・石渡次郎、高分子、第17
巻、第278頁(1968年)、宮本晴視・武井秀彦、イメー
ジング、1973(No.8)第9頁等の総説引例の公知材料等
が挙げられる。
本発明の樹脂は、有機溶剤に溶解又は分散しても良く、
更には水系エマルジョンでも使用できる。従って本発明
の樹脂の他に任意に水溶性の樹脂を併用することがで
き、例えば、PVA、カルボキシPVAのような変性PVA、澱
粉及びその誘導体、CMC、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、酢酸
ビニル〜クロトン酸共重合体、スチレン〜マレイン酸共
重合体等の水溶性樹脂が使用できる。
これらの水溶性樹脂を併用する場合には、耐水化剤を用
いることが好ましく、耐水化剤として、例えばグリオキ
ザール、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムア
ルデヒド樹脂等のアミノプラストの初期縮合物、メチロ
ール化ポリアミド樹脂のような変性ポリアミド樹脂、ポ
リアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリン付加物、ポ
リアミドエピクロルヒドリン樹脂、変性ポリアミドポリ
イミド樹脂等が挙げられる。
本発明の樹脂と、公知の樹脂とは任意の割合で混合する
ことができるが、全樹脂量中の前記官能基の成分は含有
量が30重量%以上、好ましくは40重量%以上含有されて
いる必要がある。
前記官能基の成分の含有量が重量%より少ないと、得ら
れた平版印刷用原版は、不感脂化液・浸し水による不感
脂化処理により生ずる親水性が充分でなく、印刷時の汚
れが発生する。
本発明の画像受理層の他の構成成分として、無機顔料が
使用され、該無機顔料として、例えばカオリンクレー、
炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、アルミナ等が挙げられる。
画像受理層中の結着樹脂/顔料の割合は材料の種類及び
顔料の場合は更に粒径によって異なるが、一般に重量比
で1/(0.5〜5)、好ましくは1/(0.8〜2.5)程度が適
当である。
その他画像受理層には、膜強度をより向上させるために
架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、通常用いら
れる塩化アンモニウム、有機過酸化物、金属石けん、有
機シラン、ポリウレタンの架橋剤、エポキシ樹脂の硬化
剤等を用いることができる。具体的には、山下晋三、金
子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等
に記載されている。
本発明に使用される支持体としては、上質紙、湿潤強化
紙、ポリエステルフィルムのようなプラスチックフィル
ム、アルミ板のような金属板等が挙げられる。
本発明では支持体と画像受理層との間に耐水性及び層間
接着性を向上する目的で中間層を、また画像受理層とは
反対の支持体面にカール防止を目的としてバックコート
層を設けることができる。
ここで中間層はアクリル樹脂、スチレン〜ブタジエン共
重合体、メタアクリル酸エステル〜ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル〜ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン型樹脂;エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル等の溶剤型樹脂;前述のような水溶性樹脂の
少くとも1種を主成分として構成されるが、必要に応じ
て無機顔料や耐水化剤を添加することができる。
バックコート層の構成も中間層とほぼ同様である。
PPC製板として用いられる場合には、本発明の印刷原版
の地汚れをいっそう低減するため、印刷原版としての体
積固有抵抗が1010〜1013Ωcmとなるように、更に画像受
理層、中間層及び/又はバックコート層に誘電剤を添加
することができる。誘電剤としては無機系のものでも有
機系のものでもよく、無機系のものではNa、K、Li、M
g、Zn、Co、Ni等の1価又は多価金属の塩が、また有機
系のものではポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、アクリル樹脂変性四級アンモニウム塩等
の高分子カチオン導電剤や高分子スルホン酸塩のような
高分子アニオン導電剤が挙げられる。これらの導電剤の
添加量は各層に使用されるバインダー量の3〜40重量
%、好ましくは5〜20重量%である。
本発明の平版印刷用原版を作るには一般に、支持体の一
方の面に、必要あれば中間層成分を含む水性液を塗布乾
燥して中間層を形成後、画像受理層成分を含む水性液を
塗布乾燥して画像受理層を形成し、更に必要あれば他方
の面にバックコート層成分を含む水性液を塗布乾燥して
バックコート層を形成すればよい。なお画像受理層、中
間層、バックコート層の各付着量は夫々1〜30g/m2、5
〜20g/m2、5〜20g/m2が適当である。
本発明による一般式(III)及び(IV)の群から選択さ
れる官能基を少なくとも1種含有する樹脂は、不感脂化
液あるいは印刷時用いる湿し水により加水分解あるいは
加水素分解されて、ホスホン酸基あるいはホスホノチオ
酸基等の如き式(I)又は(II)で表わされる親水性基
を生成する樹脂である。
従って、該樹脂を平版印刷用原版の結着樹脂として用い
ると、不感脂化液により親水化される非画像部の親水性
が、樹脂中に生成される上記水素原子基によって、より
一層高められる為、画像部の親油性と非画像部の親水性
が明確となり、印刷時に非画像部に印刷インキが付着す
るのを防止するものである。その結果として地汚れのな
い鮮明な画質の印刷物を従来の樹脂を用いた平版原版よ
りも多数枚印刷することが可能となる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲がこれら
に限定されるものではない。
実施例1 エチルメタアクリレート10g、下記構造の単量体〔A〕9
0g、エチレングリコールジメタクリレート1.0g及びメチ
ルセロソルブ200gの混合溶液を、窒素気流下70℃に加温
した後、アゾビスイソブチロニトリル1.5gを加え時間反
応した。得られた共重合体の重量平均分子量は2.4×105
であった。
次に、上質紙の一方の面に裏面層及び他方の面に中間層
が設けられた支持体の中間層の上に、上記の共重合体30
g(固形分量として)〔エチルメタクリレート/アクリ
ル酸(95/5)重量比〕共重合体10g、酸化亜鉛100g及び
トルエン300gの混合物をボールミル中で時間分散して得
た分散物を、乾燥付着量が18g/m2となる様にワイヤーバ
ーで塗布し、100℃で1分間乾燥し、印刷様原版を作製
した。
この原版を、不感脂化処理液〔富士写真フィルム(株)
製ELP−EX〕でエッチングプロセッサーに2回通して処
理し、これに蒸留水2μの水滴を乗せ、形成された水
との接触をゴニオメーターで測定した所、10゜以下であ
った。尚、不感脂化処理前は81゜であった。このこと
は、本発明の原版の画像受理層の非画像部が、親油性か
ら親水性に変化したことを示す(通常、印刷時に非画像
部が印刷地汚れ、点状汚れ等を発生しない親水化の度合
は、水との接触角で20゜以下であることが必要であ
る)。
次に、市販のPPCで製版し、得られた原版を上記と同様
の条件で不感脂化処理を行ない、印刷用原版を得た。
得られた原版の画像部の濃度は1.0以上であり、非画像
部の地カブリもなく、画像部の画質も鮮明であった。こ
れをオフセット印刷機(ハマダスター(株)製ハマダス
ター800SX型)にかけ上質紙上に印刷した。2000枚を越
えても印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問
題を生じなかった。
更に上記原版を用いて環境条件を30℃、80%RHとして、
市販のPPCで製版した所、得られた原版の画像は、画像
部の濃度は1.0以上有り非画像部の地カブリもなく、画
像部の画質も鮮明であった。これを上記と同様に印刷し
た所、2000枚を印刷しても問題なかった。
以上の如く、本原版は、高温多湿の条件下でもPPC製版
で画質を劣化させなかった。
実施例2〜6 実施例1と同様の重合条件で下表−1の共重合体を製造
した。
上記各樹脂を、実施例1の樹脂の代わりに用いた他は、
実施例1と同様に操作して、印刷用原版を作成した。
実施例1と同様にして、処理して、印刷した所、2000枚
以上印刷した印刷物の画質は、カブリのない鮮明なもの
であった。
実施例7 ベンジルメタクリレート10g下記構造の単量体〔B〕80
g、N−メトキシメチルメタクリルアミド10g及びトルエ
ン200gの混合溶液を、窒素気流下70℃の温度に加温した
後、A.I.B.N2gを加え、 時間反応した。更に、温度を100℃に加熱し、時間反応
した。
得られた共重合体の重量平均分子量は、1.1×105であっ
た。
この共重合体〔VIII〕を、実施例1における共重合体
〔I〕の代わりに用いた他は、実施例1と同様に行なっ
て、分散物を塗布した。後110℃で30秒間乾燥し、印刷
用原版を作製した。実施例1と同様にして処理して印刷
した所、印刷物の画像部は鮮明で非画像部の地カブリの
ない印刷物が2000枚以上得られた。
(発明の効果) 本発明によれば、オフセット原版として全面一様な地汚
れはもちろん点状の地汚れも発生させない不感脂化性の
優れた直描型平版印刷用原版が提供される。また、画像
部の油性インキと画像受理層との接着性が向上し、且つ
印刷において印刷枚数が増加しても非画像部の親水性が
充分保たれ、地汚れが発生せず、耐刷力が高い。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に画像受理層を有する直描型平版
    印刷用原版において、該画像受理層の結着剤の主成分と
    して、分解により下記一般式(I)又は一般式(II)で
    示される基を生成する官能基を少なくとも1種側鎖に含
    有する樹脂を少なくとも1種含有して成る事を特徴とす
    る直描型平版印刷用原版。 一般式(I) 一般式(II) 式(I)において、Rは炭化水素基又は−Z2−R′(こ
    こで、R′は炭化水素を示し、Z2は酸素原子又はイオウ
    原子を示す)を表わす。Q1は酸素原子又はイオウ原子を
    表わす。Z1は、酸素原子又はイオウ原子を表わす。式
    (II)において、Q2、Z3及びZ4は、各々独立に酸素原子
    又はイオウ原子を表わす。
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