JPH0796343B2 - 直描型平版印刷用原版 - Google Patents

直描型平版印刷用原版

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JPH0796343B2
JPH0796343B2 JP27182287A JP27182287A JPH0796343B2 JP H0796343 B2 JPH0796343 B2 JP H0796343B2 JP 27182287 A JP27182287 A JP 27182287A JP 27182287 A JP27182287 A JP 27182287A JP H0796343 B2 JPH0796343 B2 JP H0796343B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は平版印刷用原版に関し、詳しくは、事務用印刷
原版等に好適な直描型平版印刷用原版に関する。
(従来技術) 現在、事務用印刷原版としては支持体上に画像受理層を
有する直描型平版印刷用原版が広く用いられている。こ
のような印刷原版に製版、即ち画像形成を行なうには一
般に画像受理層に油性インキを手書きにより描画する
か、タイプライター、イングジェット方式あるいは転写
型感熱方式等で印字する方法が採用されている。その
他、普通紙電子写真複写機(PPC)を用いて帯電、露光
及び現像の工程を経て感光体上に形成したトナー画像を
画像受理層に転写定着する方法も近年使われ始めた。い
ずれにしても製版後の印刷原版は不感脂化液(いわゆる
エッチ液)で表面処理して非画像部を不感脂化した後、
印刷版として平版印刷に供せられる。
従来の直描型平版印刷版は紙等の支持体の両面に裏面層
及び中間層を介して表面層が設けられていた。裏面層又
は中間層はPVA澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマル
ジョン等の水分散性樹脂と顔料で形成されている。表面
層は顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で形成される。
このような直描型平版印刷原版の代表例は米国特許第25
32865号に記載されるように、画像受理層をPVAのような
水溶性樹脂バインダー、シリカ、炭酸カルシウム等のよ
うな無機顔料及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂初期
縮合物のような耐水化剤を主成分として構成したもので
ある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この様にして得られた従来の印刷物は、
印刷耐久性を向上するために耐水化剤の添加量を多くし
たり疎水制樹脂を使用したりして疎水制を増大させる
と、耐刷性は向上するが親水性が低下し、印刷汚れが発
生し、一方、親水性を良くすると耐水性が劣化し、耐刷
性が低下するという問題があった。特に30℃以上の高温
使用環下ではオフセット印刷に使用する浸し水に表面層
が溶解し、耐刷性の低下及び印刷汚れの両者が発生する
など大きな欠点があった。
更に、平版印刷用原版は油性インキ等を画像部として画
像受理層に描画するものであり、この受理層と油性イン
キの接着性が良くなければ、たとえ非画像部の親水性が
充分で上記の如き印刷汚れが発生しなくても、印刷時に
画像部の油性インキが欠落してしまい、結果として耐刷
性が低下してしまうという問題もあった。
本発明は以上の様な直描型平版印刷用原版の有する問題
点を改良するものである。
本発明の目的は、オフセット原版として全面一様な地汚
れはもちろん点状の地汚れも発生させない不感脂化性の
優れた直描型平版印刷用原版を提供することである。
本発明の目的は、画像部の油性インキと画像受理層との
接着性が向上し、且つ印刷において印刷枚数が増加して
も非画像部の親水性が充分保たれ、地汚れの発生しな
い、高耐刷力を有する平版印刷用原版を提供することで
ある。
(問題点を解決するための手段) 前記した諸目的は、支持体上に画像受理層を有する直描
型平版印刷用原版において、該画像受理層の結着剤の主
成分として、分解によりスルホ基を生成する官能基を少
なくとも1種有する樹脂を少なくとも1種含有して成る
ことを特徴とする直描型平版印刷用原版によって達成す
ることができる。
本発明による分解によりスルホ基を生成する官能基を少
なくとも1種含有する樹脂は、不感脂化液及び印刷時に
用いる浸し水により、加水分解あるいは加水素分解され
てスルホ基を生成する樹脂である。
従って該樹脂を表面層に主成分として含む直描型平版印
刷用原版は、油性インキ等を画像部として画像受理層に
描画する際には、親油性の分解によりスルホ基を生成す
る官能基を含有するため、受理層と油性インキ等との接
着性が良好となり、耐刷性が向上する。
一方、本直描型平版印刷用原版は、非画像部において
は、上記の如く分解によりスルホ基を生成する官能基が
不感脂化液及び浸し水により加水分解又は加水素分解し
てスルホ基になり、親水化されるため、画像部の親油性
と明確に区別され、印刷時において非画像部に印刷イン
キが付着しなくなるものである。上記の如く、従来は親
水性の樹脂に油性インク等を描画して画像部を疎水性化
していたのに対して、本発明では、親油性である分解に
よりスルホ基を生成する官能基を含有する樹脂を、表面
処理によりその非画像部を親水化するという全く異なる
発想をもとに、結着樹脂の親水性及び疎水性それぞれが
もたらす有利な点を併せもつ画期的な直描型平版印刷用
原版を得るに至ったものである。
分解によりスルホ基を生成する官能基を少なくとも1種
有する樹脂について、以下更に詳しく説明する。
該分野により少なくとも1つのスルホ基を生成する官能
としては、例えば、一般式(I)又は(II)で表わされ
る官能基が挙げられる。
一般式(I) −SO2O−R1 一般式(II) −SO2S−R2 式(I)中R1 又は−NHCOR7を表わす。
式(II)中、R2は、炭素数1〜18の置換されてもよい脂
肪族基、又は炭素数6〜22の置換基を有してもよいアリ
ール基を表わす。
上記一般式(I)、(II)の官能基は、分解によってス
ルホ基を生成するものであり、以下に更に詳しく説明す
る。
R1を表わす場合において、R3,R4は同じでも異なってもよ
く、水素原子、ハロゲン原子(例えば弗素原子,塩素原
子,臭素原子等)又は炭素数1〜6のアルキル基(例え
ばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチ
ル基,ヘキシル基)を表わす。Yは炭素数1〜18の置換
されてもよいアルキル基(例えばメチル基,エチル基,
プロピル基,ブチル基,ペンチル基,ヘキシル基,オク
チル基,デシル基,ドデシル基,ヘキサデシル基,トリ
フロロメチル基,メタンスルホニルメチル基,シアノメ
チル基,2−メトキシエチル基,エトキシメチル基,クロ
ロメチル基,ジクロロメチル基,トリクロロメチル基,2
−メトキシカルボニルエチル基,2−プロポキシカルボニ
ルエチル基,メチルチオメチル基,エチルチオメチル基
等)、炭素数2〜18の置換されてもよいアルケニル基
(例えばビニル基,アリル基等)、炭素数6〜12の置換
基を含有してもよいアリール基(例えばフェニル基,ナ
フチル基,ニトロフェニル基,ジニトロフェニル基,シ
アノフェニル基,トリフロロメチルフェニル基,メトキ
シカルボニルフェニル基,ブトキシカルボニルフェニル
基,メタンスルホニルフェニル基,ベンゼンスルホニル
フェニル基,トリル基,キシリル基,アセトキシフェニ
ル基,ニトロナフチル基等)、又は (R8は脂肪族基又は芳香族基を表わし、具体的にはYで
記した該置換基の内容と同一のものを表わす)を表わ
す。
nは0,1又は2を表わす。
より好ましくは、 において、少なくとも1つの電子吸引性基を含有する官
能基が挙げられる。具体的には、nが0で、Yが置換基
として電子吸引性基を含有しない炭化水素基の場合、 において、少なくとも1ヶ以上のハロゲン原子を含有す
る。又nが0,1又は2で、Yが電子吸引性基を少なくと
も1つ含有する。
更にはn=1又は2で、 等が挙げられる。該電子吸引性基とはハメットの置換基
定数が正値を示す置換基であり例えばハロゲン原子、−
COO−、 、−SO2−、−CN、−NO2等が挙げられる。
もう1つの好ましい置換基として−SO2−O−R1におい
て酸素原子に隣接する炭素原子に少なくとも2つの炭化
水素基が置換するかあるいはn=0又は1で、Yがアリ
ール基の場合に、アリール基の2−位及び6−位に置換
基を有する場合が挙げられる。
R1を表わす場合において、Zは環状イミド基を形成する有
機残基を表わす。好ましくは一般式(III)又は(IV)
で示される有機残基を表わす。
式(III)中、R9,R10は各々同じでも異なってもよく、
各々、水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素
原子等)、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えば,メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基,ヘキシル基,オクチル基、デシル基,ドテシル基,
ヘキサデシル基,オクタデシル基,2−クロロエチル基、
2−メトキシエチル基,2−シアノエチル基,3−クロロプ
ロピル基,2−(メタンスルホニル)エチル基、2−エト
キシオキシ)エチル基,等)、炭素数7〜12の置換され
てもよいアラルキル基(例えば,ベンジル基,フェネチ
ル基,3−フェニルプロピル基,メチルベンジル基,ジメ
チルベンジル基,メトキシベンジル基,クロロベンジル
基,ブロモベンジル基等)、炭素数3〜18の置換されて
もよいアルケニル基(例えばアリル基,3−メチル−2−
プロペニル基)、R1を表わす場合において、R5,R6は各々水素原子、脂肪族
基(具体的にはR3,R4のそれと同一の内容を表わす)、
又はアリール基(具体的にはR3,R4のそれと同一の内容
を表わす)を表わす。但しR5及びR6がともに水素原子を
表わすことはない。
R1が−NHCOR7を表わす場合において、R7は脂肪族基又は
アリール基を表わし、具体的にはR3,R4のそれと同一の
内容を各々表わす。
式(II)中、R2は、炭素数1〜18の置換されてもよい脂
肪族基又は炭素数6〜22の置換基を有してもよいアリー
ル基を表わす。
更に具体的には前記した式(I)で表わされるYにおけ
る脂肪族基及びアリール基と同様の内容を表わす。
本発明に用いられる、分解によりスルホ基を生成する官
能基を少なくとも1種含有する樹脂は、重合体に含有さ
れるスルホ基を、高分子反応によって一般式(I)又は
(II)の官能基に変換する方法、又は一般式(I)又は
(II)の官能基を1種又はそれ以上含有する、1種又は
それ以上の単量体又は該単量体及びこれと共重合し得る
他の単量体の重合反応により重合する方法により製造さ
れる。
該官能基に変換する方法は、高分子反応においても、単
量体における合成方法と同様にして行なうことができ
る。
重合体中の一般式(I)又は(II)の官能基を任意に調
整し得ること、あるいは、不純物を混入しないこと等の
理由から、予め一般式(I)又は(II)の官能基を含有
する単量体からの重合反応により製造する方法が好まし
い。具体的には、重合性の二重結合を含むスルホン酸類
を、そのスルホ基を一般式(I)又は(II)の官能基に
変換した後、重合反応を行ない製造することができる。
前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法に
おいて用いられる一般式(I)又は(II)の官能基を含
有する単量体について更に具体的に述べると、例えば下
記一般式(V)の如き化合物が挙げられる。但しこれら
の化合物例に限定されるものではない。
一般式(V) 式(V)中、X′は、−O−,−CO−,−COO−,−OCO
−, −SO2−, −CH2COO−,−CH2OCO−, 芳香族基、又はヘテロ環基を示す〔但し、Q1,Q2,Q3,Q4
は、各々水素原子,炭化水素基,又は式(V)中の
Y′−W〕を表わし、b1,b2は同じでも異なっていても
よく、水素原子,炭化水素基又は式(V)中のY′−
W〕を表わし、nは0〜18の整数を示す〕。
Y′は、結合基X′と結合基〔W〕を連結する、ヘテロ
原子を介していてもよい炭素−炭素結合を表わし(ヘテ
ロ原子としては、酸素原子、イオウ原子、窒素原子を示
す)、 CH=CH,−O−,−S−, −COO−,−CONH−,−SO2−,−SO2NH−,−NHCOO−,
−NHCONH−,等の結合単位の単独又は組合わせ構成より
成るものである(但しb3,b4,b5は、各々前記b1,b2と同
義である)。
Wは式(I)中の−SO2−O−R1、又は式(II)中の−S
O2−S−R2を表わす。
a1,a2は同じでも異なっていてもよく、水素原子,炭化
水素基(例えば−COOHなどで置換されていてもよい炭素
数1〜12のアルキル基など)、又は−COO−W(Wは一
般式(I)又は(II)の基を含む置換基で置換されてい
てもよい、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、
アラルキル基、脂環式基、芳香族基を示す)を表わす。
更に具体的に、一般式(I)又は(II)の官能基を含有
する単量体として以下のような化合物を挙げることがで
きるが、本発明の範囲はこれに限定されるものではな
い。
化合物具体例 これらの単量体と共重合しうる他の単量体としては、例
えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、
酢酸アリル、プロピオン酸アリル等の如き脂肪族カルボ
ン酸ビニルあるいはアリルエステル類、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マール酸等の如く不飽和カルボン酸あるいは水酸基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、カルボキシ基等で置換され
てもよい脂肪族基、アリル基のエステル類又はアミド
類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンの
如きスチレン誘導体、α−オレフィン類、アクリロニト
リル、メタクリロニトリル、N−ビニルピロリドンの如
きビニル基置換のヘテロ環化合物等が挙げられる。
又、該表面層の強度をより向上させるために、後述する
架橋効果を利用することができるが、この様な場合に
は、架橋が容易に進行する官能基(例えば、エポキシ
基、アミノ基、イソシアナート基、カルボキシル基、水
酸基等)を含有する単量体を共重合させることが好まし
い。
これらの方法は、例えば、日本化学会編、「新実験化学
講座第14巻、有機化合物の合成と反応(V)」第2535頁
(丸善株式会社刊)、岩倉義男:栗田恵輔著、「反応性
高分子」第170頁(講談社刊)等の総説引例の公知文献
等に詳細に記載されている。
重合体中の一般式(I)又は(II)の官能基を任意に調
整し得ることあるいは、不純物を混入しないこと等の理
由から、一般式(I)又は(II)の官能基を1種又はそ
れ以上含有する単量体から重合反応により製造する方法
が好ましい。具体的には重合性の二重結合を含むスルホ
ン酸類を、例えば前記した公知文献等に記載された方法
に従って、そのスルホン酸基を一般式(I)又は(II)
の官能基に変換した後、重合反応を行ない製造すること
ができる。
本発明の樹脂の分子量は103〜106、好ましくは5×103
〜105である。
本発明の一般式(I)又は(II)の官能基を含有する樹
脂は、該一般式(I)又は(II)の官能基を含有する重
合体成分が40〜100重量%から成るホモ重合体あるいは
多元重合体である。
本発明に使用される樹脂とともに、従来公知の樹脂を併
用することができる。例えば、シリコーン樹脂、アルキ
ッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレ
ン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂等があげられる。
本発明の樹脂は、有機溶剤に溶解又は分散しても良く、
更には水系エマルジョンでも使用できる。従って本発明
の樹脂の他に任意に水溶性の樹脂を併用することがで
き、例えば、PVA、カルボキシPVAのような変性PVA、澱
粉及びその誘導体、CMC、ヒドロキシエチルセルロー
ス、カゼイン、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、酢酸
ビニル〜クロトン酸共重合体、スチレン〜マレイン酸共
重合体等の水溶性樹脂が使用できる。
これらの水溶性樹脂を併用する場合には、耐水化剤を用
いることが好ましく、耐水化剤として、例えばグリオキ
ザール、メラミンホルムアルデヒド樹脂、尿素ホルムア
ルデヒド樹脂等のアミノプラストの初期縮合物、メチロ
ール化ポリアミド樹脂のような変性ポリアミド樹脂、ポ
リアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリン付加物、ポ
リアミドエピクロルヒドリン樹脂、変性ポリアミドポリ
イミド樹脂等が挙げられる。
本発明の樹脂と、公知の樹脂とは任意の割合で混合する
ことができるが、全樹脂量中の一般式(I)又は(II)
の官能基含有樹脂の成分は含有量が40〜100重量%、好
ましくは45重量%以上含有されている必要がある。
一般式(I)又は(II)の官能基含有樹脂の成分の含有
量が40重量%より少ないと、得られた平版印刷用原版
は、不感脂化液・浸し水による不感脂化処理により生ず
る親水性が充分でなく、印刷時の汚れが発生する。
本発明の画像受理層の他の構成成分として、無機顔料が
使用され、該無機顔料として、例えばカオリンクレー、
炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、アルミナ等が挙げられる。
画像受理層中の結着樹脂/顔料の割合は材料の種類及び
顔料の場合は更に粒径によって異なるが、一般に重量比
で1/(0.5〜5)、好ましくは1/(0.8〜2.5)程度が適
当である。
その他画像受理層には、膜強度をより向上させるために
架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、通常用いら
れる塩化アンモニウム、有機過酸化物、金属石けん、有
機シラン、ポリウレタンの架橋剤、エポキシ樹脂の硬化
剤等を用いることができる。具体的には、山下晋三、金
子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等
に記載されている。
本発明に使用される支持体としては、上質紙、湿潤強化
紙、ポリエステルフィルムのようなプラスチックフィル
ム、アルミ板のような金属板等が挙げられる。
本発明では支持体と画像受理層との間に耐水性及び層間
接着性を向上する目的で中間層を、また画像受理層とは
反対の支持体面にカール防止を目的としてバックコート
層を設けることができる。
ここで中間層はアクリル樹脂、スチレン〜ブタジエン共
重合体、メタアクリル酸エステル〜ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル〜ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン型樹脂;エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル等の溶剤型樹脂;前述のような水溶性樹脂等
の少くとも1種を主成分として構成されるが、必要に応
じて無機顔料や耐水化剤を添加することもできる。
バックコート層の構成も中間層とほぼ同様である。
PPC製版として用いられる場合には、本発明の印刷原版
の地汚れをいっそう低減するため、印刷原版としての体
積固有抵抗が1010〜1013Ωcmとなるように、更に画像受
理層、中間層及び/又はバックコート層に誘電剤を添加
することができる。誘電剤としては無機系のものでも有
機系のものでもよく、無機系のものではNa、K、Li、M
g、Zn、Co、Ni等の1価又は多価金属の塩が、また有機
系のものではポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、アクリル樹脂変性四級アンモニウム塩等
の高分子カチオン導電剤や高分子スルホン酸塩のような
高分子アニオン導電剤が挙げられる。これらの導電剤の
添加量は各層に使用されるバインダー量の3〜40重量
%、好ましくは5〜20重量%である。
本発明の平版印刷用原版を作るには一般に、支持体の一
方の面に、必要あれば中間層成分を含む水性液を塗布乾
燥して中間層を形成後、画像受理層成分を含む水性液を
塗布乾燥して画像受理層を形成し、更に必要あれば他方
の面にバックコート層成分を含む水性液を塗布乾燥して
バックコート層を形成すればよい。なお画像受理層、中
間層、バックコート層の各付着量は夫々1〜30g/m2、5
〜20g/cm2、5〜20g/m2が適当である。
(実施例) 以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲がこれら
に限定されるものではない。
実施例1 n−ブチルメタクリレート32g、エチルメタクリレート2
8g、本発明の化合物例(1)の化合物40g、アクリル酸
0.2g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下70℃の温
度に加温した後、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
10gを加え、8時間反応した。
得られた共重合体の重量平均分子量は65000であった。
次に、上質紙の一方の面に裏面層及び他方の面に中間層
が設けられた支持体の中間層の上に、上記の共重合体24
g、〔エチルメタクリレート/アクリル酸(95/5)重量
比〕共重合体16g、酸化亜鉛200g及びトルエン300gの混
合物をボールミル中で2時間分散して得た分散物を、乾
燥付着量が18g/m2となるようにワイヤーバーで塗布し、
110℃で1分間乾燥し、平版印刷用原版を作製した。
この原版を、不感脂化処理液〔富士写真フィルム(株)
製ELP−EX〕でエッチングプロセッサーに1回通して処
理し、これに蒸留水2μの水滴を乗せ、形成された水
との接触角をゴニオメーターで測定した所、13度であっ
た。尚、不感脂化処理前は105度であった。このこと
は、本発明の原版の画像受理層の非画像部が、親油性か
ら親水性に変化したことを示す(通常、印刷時に非画像
部が印刷地汚れ、点状汚れ等を発生しない親水化の度合
は、水との接触角で20度以下であることが必要であ
る)。
次に、市販のPPCで製版し、得られた原版を上記と同様
の条件で不感脂化処理を行ない、印刷用原版を得た。
得られた原版の画像部の濃度は1.0以上であり、非画像
部の地カブリもなく、画像部の画質も鮮明であった。こ
れをオフセット印刷機(ハマダスター(株)製ハマダス
ター800SX型)にかけ上質紙上に印刷した。2000枚を越
えても印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画室に問
題を生じなかった。
更に上記原版を用いて、環境条件を30℃、80%RHとし
て、市販のPPCで製版した所、得られた原版の画像は、
画像部の濃度は1.0以上有り非画像部の地カブリもな
く、画像部の画質も鮮明であった。これを上記と同様に
印刷した所、2000枚を印刷しても問題なかった。
以上の如く、本原版は、高温多湿の条件下でもPPC製版
で画質を劣化させなかった。
実施例2 ベンジルメタクリレート36g、ブチルメタクリレート19
g、本発明の化合物例(5)の化合物45g、メタクリル酸
0.3g及びトルエン200gの混合溶液を、窒素気流下75℃の
温度に加温した後A.I.B.N.1.0gを加え、8時間反応し
た。
得られた共重合体の重量平均分子量は52000であった。
以下は実施例1と同一の条件で同様に操作し、平版印刷
用原版を作製した。この原版を実施例1と同様にして水
との接触角を測定したところ15度であった。
次に、市販のPPCで製版し、得られた原版を実施例1と
同様の条件で不感脂化処理を行ない、印刷用原版を得
た。
得られた原版の画像部の濃度は0.9以上であり、非画像
部の地カブリもなく、画像部の画質も鮮明であった。
これをオフセット印刷機にかけて印刷すると、3000枚を
越えても印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に
問題を生じなかった。また、本原版は高温多湿の条件下
でもPPC製版で画質を劣化させなかった。
実施例3 スチレン10g、エチルメタクリレート50g、本発明の化合
物例(9)の化合物40g及びトルエン200gの混合溶液を
窒素気流下、80℃の温度に加温した後、A.I.B.N.1.5gを
加え、8時間反応した。得られた共重合体の重量平均分
子量は53000であった。
以下は実施例1と同一の条件で同様に操作し、平版印刷
用原版を作製した。この原版を実施例1と同様にして水
との接触角を測定したところ14度であった。
次に、市販のPPCで製版し、得られた原版を実施例1と
同様の条件で不感脂化処理を行ない、印刷用原版を得
た。
得られた原版の画像部の濃度は1.0以上であり、非画像
部の地カブリもなく、画像部の画質も鮮明であった。
これをオフセット印刷機にかけて印刷すると、3000枚を
越えても印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に
問題を生じなかった。また、本原版は高温多湿の条件下
でもPPC製版で画質を劣化させなかった。
実施例4 ブチルメタクリレート20g、エチルメタクリレート25g、
本発明の化合物例(18)の化合物50g、イタコン酸0.1g
及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下75℃の温度に
加温した後、A.I.B.N.1.0gを加え、8時間反応した。得
られた共重合体の重量平均分子量は56000であった。
以下は実施例1と同一の条件で同様に操作し、平版印刷
用原版を作製した。この原版を実施例1と同様にして水
との接触角を測定したところ13度であった。
次に、市販のPPCで製版し、得られた原版を実施例1と
同様の条件で不感脂化処理を行ない、印刷用原版を得
た。
得られた原版の画像部の濃度は1.0以上であり、非画像
部の地カブリもなく、画像部の画質も鮮明であった。
これをオフセット印刷機にかけて印刷すると、3000枚を
越えても印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に
問題を生じなかった。また、本原版は高温多湿の条件下
でもPPC製版で画質を劣化させなかった。
実施例5〜12 表−1に記した共重合体30g及び〔エチルメタクリレー
ト/アクリル酸(99/1)重量比〕共重合体10gを用い、
以下は実施例1と同様にして平版印刷用原版を作製し
た。
得られた原版の画像部の濃度が高く、非画像部の地カブ
リもなく、画像部の画質も鮮明であって、印刷において
も良好な耐刷力をもつ。
実施例13 下記組成の共重合体30g及び〔エチルメタクリレート/
アクリル酸(99/1)重量比〕共重合体10gを用い、以下
は実施例1と同様にして平版印刷用原版を作製した。
以下は実施例1と同一の条件で同様に操作し、平版印刷
用原版を作製した。この原版を実施例1と同様にして水
との接触角を測定したところ13度であった。
次に、市販のPPCで製版し、得られた原版を実施例1と
同様の条件で不感脂化処理を行ない、印刷用原版を得
た。
得られた原版の画像部の濃度は1.0以上であり、非画像
部の地カブリもなく、画像部の画質も鮮明であった。
これをオフセット印刷機にかけて印刷すると、3000枚を
越えても印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に
問題を生じなかった。また、本原版は高温多湿の条件下
でもPPC製版で画質を劣化させなかった。
(発明の効果) 本発明によれば、地汚れの発生が良好に抑制されるとと
もに良好な耐刷力を併せもつ直描型平版印刷用原版を得
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に画像受理層を有する直描型平版
    印刷用原版において、該画像受理層の結着剤の主成分と
    して、分解によりスルホ基を生成する官能基を少なくと
    も1種含有する樹脂を少なくとも1種含有して成ること
    を特徴とする直描型平版印刷用原版。
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