JPH0794188B2 - 直描型平版印刷用原版 - Google Patents

直描型平版印刷用原版

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JPH0794188B2
JPH0794188B2 JP9835088A JP9835088A JPH0794188B2 JP H0794188 B2 JPH0794188 B2 JP H0794188B2 JP 9835088 A JP9835088 A JP 9835088A JP 9835088 A JP9835088 A JP 9835088A JP H0794188 B2 JPH0794188 B2 JP H0794188B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は平版印刷用原版に関し、詳しくは、事務用印刷
原版等に好適な直描型平版印刷用原版に関する。
(従来技術) 現在、事務用印刷原版としては支持体上に画像受理層を
有する直描型平版印刷原版が広く用いられている。この
ような印刷原版に製版、即ち画像形成を行なうには一般
に画像受理層に油性インキを手書きにより描画するか、
タイプライター、インクジェット方式あるいは転写型感
熱方式等で印字する方法が採用されている。その他、普
通紙電子写真複写機(PPC)を用いて帯電、露光及び現
像の工程を経て感光体上に形成したトナー画像を画像受
理層に転写定着する方法も近年使われ始めた。いずれに
しても製版後の印刷原版は不感脂化液(いわゆるエッチ
液)で表面処理して非画像部を不感脂化した後、印刷版
として平版印刷に供せられる。
従来の直描型平版印刷版は紙等の支持体の両面に裏面層
及び中間層を介して表面層が設けられていた。裏面層又
は中間層はPVA澱粉等の水溶性樹脂及び合成樹脂エマル
ジョン等の水分散性樹脂と顔料で形成されている。表面
層は顔料、水溶性樹脂及び耐水化剤で形成される。
このような直描型平版印刷原版の代表例は米国特許第25
32865号に記載されるように、画像受理層をPVAのような
水溶性樹脂バインダー、シリカ、炭酸カルシウム等のよ
うな無機顔料及びメラミン・ホルムアルデヒド樹脂初期
縮合物のような耐水化剤を主成分として構成したもので
ある。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、この様にして得られた従来の印刷版は、
印刷耐久性を向上するために耐水化剤の添加量を多くし
たり疎水性樹脂を使用したりして疎水性を増大させる
と、耐刷性は向上するが親水性が低下し、印刷汚れが発
生し、一方、親水性を良くすると耐水性が劣化し、耐刷
性が低下するという問題があった。特に30℃以上の高温
使用環境下ではオフセット印刷に使用する浸し水に表面
層が溶解し、耐刷性の低下及び印刷汚れの両者が発生す
るなど大きな欠点があった。
更に、平版印刷用原版は油性インキ等を画像部として画
像受理層に描画するものであり、この受理層と油性イン
キの接着性が良くなければ、たとえ非画像部の親水性が
充分で上記の如き印刷汚れが発生しなくても、印刷時に
画像部の油性インキが欠落してしまい、結果として耐刷
性が低下してしまうという問題もあった。
本発明は以上の様な直描型平版印刷用原版の有する問題
点を改良するものである。
本発明の目的は、オフセット原版として全面一様な地汚
れはもちろん点状の地汚れも発生させない不感脂化性の
優れた直描型平版印刷用原版を提供することである。
本発明の目的は、画像部の油性インキと画像受理層との
接着性が向上し、且つ印刷において印刷枚数が増加して
も非画像部の親水性が充分保たれ、地汚れの発生しな
い、高耐刷力を有する平版印刷用原版を提供することで
ある。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、支持体上に、画像受理層を有する直描型
平版印刷用原版において、該画像受理層の結着剤の主成
分して、分解により少なくとも1つのヒドロキシル基を
生成する官能基を少なくとも1種含有し、且つ少なくと
も一部分が架橋されている樹脂を少なくとも一種含有し
て成る事を特徴とする、直描型平版印刷用原版によって
達成される。
本発明の樹脂は、不感脂化液および印刷時に用いる浸し
水により、加水分解あるいは加水分解されて少なくとも
1個のヒドロキシル基を生成する官能基を少なくとも1
種含有し、且つ少なくとも1部が架橋されている樹脂で
ある。
従って該樹脂を表面の画像受理層に主成分として含む直
描型平版印刷用原版は、油性インキ等を画像部として画
像受理層に描画する際には、ヒドロキシル基が保護され
た親油性の官能基を含有するため、画像受理層と油性イ
ンキ等との接着性が良好となり、耐刷性が向上する。
一方、本直描型平版印刷用原版は、非画像部において
は、上記の如く親油性の官能基が不感脂化液及び浸し水
により加水分解又は加水素分解してヒドロキシル基にな
り、親水化されるため、画像部の親油性と明確に区別さ
れ、印刷時において非画像部に印刷インキが付着しなく
なるものである。上記の如く、従来は親水性の樹脂に油
性インク等を描画して画像部を疎水性化していたのに対
して、本発明では、親油性である官能基を含有する樹脂
を、表面処理によりその非画像部を親水化するという全
く異なる発想をもとに、結着樹脂の親水性及び疎水性そ
れぞれがもたらす有利な点を併せもつ画期的な直描型平
版印刷用原版を得るに至ったものである。
以下に、本発明において用いられる分解して少なくとも
1個のヒドロキシル基を生成する官能基を少なくとも1
種含有する樹脂(以下単に、ヒドロキシル基生成官能基
含有樹脂と称することもある)について詳しく説明す
る。
本発明のヒドロキシル基生成官能基含有樹脂に含まれる
官能基は分解によってヒドロキシル基を生成するが、1
つの官能基から生成するヒドロキシル基は1個でも2個
以上でもよい。
本発明の1つの好ましい態様によればヒドロキシル基生
成官能基含有樹脂は、一般式(I):〔−O−L〕で示
される官能基を少なくとも1種含有する樹脂である。
一般式(I)〔−O−L〕において、 −CO−Y1、−CO−Z−Y2、 −CH=CH−CH3を表わす。
但し、R1、R2、R3は、互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、炭化水素基又は−O−R′(R′は炭化
水素基を示す)を表わし、Y1、Y2は、炭化水素基を表わ
し、Zは、酸素原子、イオウ原子又は−NH−基を表わ
し、Xは、イオウ原子又は酸素原子を表わす。
上記一般式〔−O−L〕の官能基は、分解によってヒド
ロキシル基を生成するものであり、以下更に詳しく説明
する。
を表わす場合において、R1,R2,R3は、互いに同じでも異
なっていてもよく、好ましくは水素原子、置換されても
よい炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基(例え
ばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシ
ル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,オクタデシ
ル基,クロロエチル基,メトキシエチル基,メトキシプ
ロピル基,等)、置換されてもよい脂環式基(例えばシ
クロペンチル基,シクロヘキシル基等)、置換されても
よい炭素数7〜12のアラルキル基(例えばベンジル基,
フェネチル基,フロロベンジル基,クロロベンジル基,
メチルベンジル基,メトキシベンジル基,3−フェニルプ
ロピル基等)又は置換されていてもよい芳香族基(例え
ばフェニル基,ナフチル基,クロロフェニル基,トリル
基,メトキシフェニル基,メトキシカルボニルフエニル
基,ジクロロフェニル基等)又は−O−R′(R′は、
炭化水素基を表わし、具体的には、上記R1,R2,R3の炭化
水素基と同一の置換基類を示す)を表わす。
Lが−CO−Y1を表わす場合において、Y1は好ましくは置
換されてもよい炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状アルキ
ル基(例えばメチル基、トリクロロメチル基、トリフル
オロメチル基,メトキシメチル基,フェノキシメチル
基,2,2,2−トリフルオロエチル基,t−ブチル基,ヘキサ
フルオロ−i−プロピル基等)、置換されてもよい炭素
数7〜9のアラルキル基(例えばベンジル基,フェネチ
ル基,メチルベンジル基,トリメチルベンジル基,ヘプ
タメチルベンジル基,メトキシベンジル基等)、置換さ
れてもよい炭素数6〜12のアリール基(例えばフェニル
基、ニトロフェニル基,シアノフェニル基,メタンスル
ホニルフェニル基,メトキシフェニル基,ブトキシフェ
ニル基,クロロフェニル基,ジクロロフェニル基,トリ
フルオロメチルフェニル基等)を表わす。
Lが−CO−Z−Y2を表わす場合において、Zは酸素原
子、イオウ原子又は−NH−結合基を表わし、Y2も上記し
たY1と同義である。
更にLが を表わす場合において、Xは酸素原子又はイオウ原子を
表わす。
本発明に用いられる、一般式〔−O−L〕の群から選択
される官能基を少なくとも1種含有する樹脂は、重合体
に含有されるヒドロキシル基を高分子反応によって一般
式〔−O−L〕の官能基に変換する方法、又は、一般式
〔−O−L〕の官能基を1種又はそれ以上含有する、1
種又はそれ以上の単量体の又は該単量体及びこれと共重
合し得る他の単量体の重合反応により重合する方法によ
り製造される。
例えば、上記高分子反応の製造法としては、岩倉義男・
栗田恵輔著「反応性高分子」第158頁(講談社刊)等の
総説引例の公知文献等に、又単量体のヒドロキシル基を
一般式〔−O−L〕の官能基に変換する製造法として
は、日本化学会編「新実験化学講座第14巻、有機化合物
の合成と反応〔V〕第2497頁(丸善株式会社刊)等の総
説引例の公知文献等に各々詳細に記載されている方法に
従って製造することができる。
重合体中の一般式〔−O−L〕の官能基を任意に調整し
得ること、あるいは、不純物を混入しないこと等の理由
から、予め一般式〔−O−L〕の官能基を含有する単量
体からの重合反応により製造する方法が好ましい。具体
的には、重合性の二重結合を含み、且つ、ヒドロキシル
基を少なくとも1個含有する化合物を、例えば前記した
公知文献等に記載された方法に従って、ヒドロキシル基
を一般式〔−O−L〕の官能基に変換するか、あるいは
一般式〔−O−L〕の官能基を含有した化合物を重合性
の二重結合を含む化合物と反応させる方法によって、製
造することができる。
前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法に
おいて用いられる一般式〔−O−L〕の官能基を含有す
る単量体について更に具体的に延べると、例えば下記一
般式(II)の如き化合物が挙げられる。但しこれらの化
合物例に限定されるものではない。
一般式(II) 式(II)中、X′は、−O−,−CO−,−COO−−OCO
−, −SO2−, −CH2COO−,−CH2OCO−, 芳香族基、又はヘテロ環基を示す〔但し、Q1,Q2,Q3,Q4
は、各々水素原子,炭化水素基,又は式(II)の〔Y′
−O−L〕を表わし、b1,b2は同じでも異なっていても
よく、水素原子、炭化水素基又は式中の(Y′−O−
L)を表わし、nは0〜18の整数を示す。〕 Y′は、結合基X′と結合基〔−O−L〕を連結する、
ヘテロ原子を介していてもよい炭素−炭素結合を表わし
(ヘテロ原子としては、酸素原子、イオウ原子、又は窒
素原子を示す)、 例えば −(CH=CH)−,−O−,−S−, −COO−,CHNH−,−SO2−,−SO2NH−, −NHCOO−,−NHCONH−,等の結合単位の単独又は組合
せの構成より成るものである(但しb3,b4,b5は、各々前
記b1,b2と同義である。
Lは式(I)と同じ意味を有する。
a1,a2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭化
水素基(例えば−COOHなどで置換されていてもよい炭素
数1〜12のアルキル基など)、−COOH又は−COO−W
(Wは一般式(−O−L)基を含む置換基で置換されて
いてもよい、炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、脂環式基,芳香族基を示す)を表わ
す。
更に具体的には、一般式〔−O−L〕の官能基を含有す
る単量体として以下の様な化合物例を挙げることができ
るが、本発明の範囲のこれらに限定されるものではな
い。
(但し、Meはエチル基を表わす) これらの単量体を単独で重合してもよいし、あるいは、
これらの単量体と共重合しうる他の単量体と組合せて共
重合体としてもよい。共重合させる他の単量体として
は、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビ
ニル、酢酸アリル、プロピオン酸アリル等の如き脂肪族
カルボン酸ビニルあるいはアリルエステル類、アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマール酸等の如き不飽和カルボン酸のエステル類
又はアミド類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチル
スチレンの如きスチレン誘導体、α−オレフィン類、ア
クリロニトリル、メタクロニトリル、N−ビニルピロリ
ドンの如きビニル基置換のヘテロ環化合物等が挙げられ
る。
本発明のもう1つの好ましい態様によれば、ヒドロキシ
ル基生成官能基含有樹脂は、互いに立体的に近い位置に
ある少なくとも2つのヒドロキシル基を1つの保護基で
同時に保護した形で有する官能基を少なくとも1種含有
する樹脂である。互いに立体的に近い位置にある少なく
とも2つのヒドロキシル基を1つの保護した形で有する
官能基の例としては例えば下記一般式(III)、(I
V)、(V)で表わされるものを挙げることができる。
一般式(III) 式(III)中、R4,R5は、互いに同じでも異なっていても
よく、水素原子、炭化水素基又は−O−O−R″(R″
は炭化水素基を示す)を表わし、Uはヘテロ原子を介し
てもよい炭素−炭素結合を表わす(但し、酸素原子間の
原子数は5個以内である)。
一般式(IV) 式(IV)中、Uは上記定義の通りである。
一般式(V) 式(V)中、R4,R5及びUは上記定義の通りである。
該官能基について更に詳しく説明すると以下の通りとな
る。
式(III)中、R4,R5は、互いに同じでも異なっていても
よく、好ましくは水素原子、炭素数1〜12の置換されて
もよいアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ヘキシル基、2−メトキシエチル
基、オクチル基等)、炭素数7〜9の置換されてもよい
アラルキル基(例えばベンジル基、フェネチル基、メチ
ルベンジル基、メトキシベンジル基、クロロベンジル基
等)、炭素数5〜7の脂環式基(例えば、シクロペンチ
ル基、シクロヘキシル基等)又は、置換されてもよいア
リール基(例えばフェニル基、クロロフェニル基、メト
キシフェニル基、メチルフェニル基、シアノフェニル基
等)又は−O−R(RはR4,R5における炭化水素基
と同義である)を表わす。
Uは、ヘテロ原子を介してもよい炭素−炭素結合を表わ
し、且つ酸素原子間の原子数は5個以内である。
本発明に用いられる官能基を少なくとも1種含有する樹
脂は、重合体に含有される上記の如き互いに立体的に近
い位置にあるヒドロキシル基を高分子反応によって保護
基により保護した形にする方法、又は予め保護基により
保護された形の少なくとも2つのヒドロキシル基を含有
する単量体の又は該単量体及びこれと共重合し得る他の
単量体の重合反応により重合する方法により製造され
る。
前者の高分子反応の製造法としては、例えば下記に具体
例として挙げられる様な少なくとも2つのヒドロキシル
基を近接して有するかあるいは重合後近接して有し得る
重合体成分 を含む重合体を、カルボニル化合物、オルトエステル化
合物、ハロゲン置換ギ酸エステル類、ジハロゲン置換シ
リル等の如き化合物と反応させることにより該目的の少
なくとも2つのヒドロキシル基を1つの保護基で同時に
保護した形で有する官能基を形成することができる。具
体的には、日本化学会編、「新実験化学講座第14巻有機
化合物の合成と反応〔V〕第2505頁(丸善株式会社
刊)、J.F.W.Mc.Omie,「Protectivegroups in Organic
Chemistry」第3章及び第4章(Plenum.Press刊)等の
総説引例の公知文献記載の方法によって製造することが
できる。又後者の方法としては少なくとも2つのヒドロ
キシル基を予め保護した単量体を前記した総説等で引例
された公知の方法で合成した後、必要ならば該単量体と
共重合し得る他の単量体を共存させて通常の重合方法で
重合することにより、ホモ重合体又は多元共重合体を製
造することができる。
更に具体的に、該官能基を含有する重合体成分の例を挙
げると以下の様なものがある。但し、本発明の範囲は以
下に限定されるものではない。
本発明の樹脂におけるヒドロキシル基生成官能基を含有
する重合体成分は、樹脂が共重合体である場合には,全
重合体中の30〜99重量%、特に50〜95重量%、であるこ
とが好ましい。また、樹脂の重合体の分子量は103〜1
06、特に5×103〜5×105、であることが好ましい。
本発明の樹脂は更に、直描型平版印刷用原版において、
少なくともその一部分が架橋されていることを特徴とす
る。
かかる樹脂としては、製版工程における感光層形成物塗
布時に予め架橋されている樹脂を用いてもよいし、ある
いは、熱及び/又は光で硬化反応を起こすような架橋性
官能基を含有する樹脂を用いて平版印刷用原版製造工程
中(例えば乾燥工程中)に架橋させてもよい。更にこれ
らを併用してもよい。
重合体の一部分が、予め架橋された樹脂(重合体中に架
橋構造を有する樹脂)を結着樹脂として用いる場合に
は、該樹脂中に含有される前記のヒドロキシル基生成官
能基が分解によりヒドロキシル基を生成したときに、酸
性及びアルカリ性の水溶液に対して難溶もしくは不溶性
である樹脂が好ましい。
具体的には、蒸留水に対する溶解度が20〜25℃の温度に
おいて好ましくは90重量%以下、より好ましくは70重量
%以下の溶解性を示すものである。
重合体中に架橋構造を導入する方法としては、通常知ら
れている方法を利用することができる。即ち、単量体の
重合反応において、多官能性単量体を共存させて重合す
る方法及び重合体中に、架橋反応を進行する官能基を含
有させ高分子反応で架橋する方法である。
本発明の樹脂が、直描特性を損なわないこと、あるいは
製造方法が簡便なこと(例えば、長時間の反応を要す
る、反応が定量的でない、反応促進助剤を用いる等で不
純物が混入する等)等から、自己橋かけ反応を有する官
能基:CONHCH2OR′(R′は水素原子又はアルキル基)あ
るいは、重合による橋かけ反応が有効である。
重合反応性基において、好ましくは、重合性官能基を2
個以上有する単量体を本発明の分解によりヒドロキシル
基を生成する官能基を含有する単量体とともに重合する
方法、あるいは、該重合性官能基を2個以上有する単量
体をヒドロキシル基を含有する単量体とともに重合して
共重合体とした後、前記した様にヒドロキシル基を保護
する方法によって、本発明の樹脂を製造することができ
る。
重合性官能基として具体的に、CH2=CH−、 CH2=CH−CH2−、 CH2=CH−CONH、 CH2=CH−NHCO−、CH2=CH−CH2−NHCO−、 CH2=CH−SO2−、CH2=CH−CO−、CH2=CH−O−、 CH2=CH−S−、等を挙げることができるが、上記の重
合性官能基を2個以上有する単量体は、これらの重合性
官能基を同一のものあるいは異なったものを2個以上有
した単量体であればよく、重合によって非水溶剤に不溶
な重合体を形成する。
重合性官能基を2個以上有した単量体の具体例は、例え
ば同一の重合性官能基を有する単量体として、ジビニル
ベンゼン、トリビニルベンゼン等のスチレン誘導体:多
価アルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレ
ングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレン
グリコール#200、#400、#600、1,3−ブチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールな
ど)又は、ポリヒドロキシフェノール(例えばヒドロキ
ノン、レゾルシン、カテコールおよびそれらの誘導体)
のメタクリル酸、アクリル酸又はクロトン酸のエステル
類、ビニルエーテル類又はアリルエーテル類:二塩基酸
(例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸、
等)のビニルエステル類、アリルエステル類、ビニルア
ミド類又はアリルアミド類:ポリアミン(例えばエチレ
ンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−プチレン
ジアミン等)とビニル基を含有するカルボン酸(例え
ば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、アリル酢
酸等)との縮合体などが挙げられる。
又、異なる重合性官能基を有する単量体として、例え
ば、ビニル基を含有するカルボン酸〔例えば、メタクリ
ル酸、アクリル酸、メタクリロイル酢酸、アクリロイル
酢酸、メタクリロイルプロピオン酸、アクリロイルプロ
ピオン酸、イタコニロイル酢酸、イタコニロイルプロピ
オン酸、エルボン酸無水物とアルコール又はアミンの反
応体(例えばアリルオキシカルボニルプロピオン酸、ア
リルオキシカルボニル酢酸、2−アリルオキシカルボニ
ル安息香酸、アリルアミノカルボニルプロピオン酸、
等)等〕のビニル基を含有したエステル誘導体又はアミ
ド誘導体(例えば、メタクリル酸ビニル、アクリル酸ビ
ニル、イタコン酸ビニル、メタクリル酸アリル、アクリ
ル酸アリル、イタコン酸アリル、メタクリロイル酢酸ビ
ニル、メタクリロイルプロピオン酸ビニル、メタクリロ
イルプロピオン酸アリル、メタクリル酸ビニルオキシカ
ルボニルメチルエステル、アクリル酸ビニルオキシカル
ボニル、メチルオキシカルボニルエチレンエステル、N
−アリルアクリルアミド、N−アリルメタクリルアミ
ド、N−アリルイタコン酸アミド、メタクリロイルプロ
ピオン酸アリルアミド、等)、又は、アミノアルコール
類(例えばアミノエタノール、1−アミノプパノール、
1−アミノブタノール、1−アミノヘキサノール、2−
アミノブタノール等)と、ビニル基を含有したカルボン
酸の縮合体などが挙げられる。
本発明に用いられる2個以上の重合性官能基を有する単
量体は、全単量体の10モル%以下、好ましくは5モル%
以下用いて重合し、樹脂を形成する。
一方、本発明においては、前記ヒドロキシル基生成官能
基とともに熱及び/又は光で硬化反応を起こす架橋性官
能基を含有する樹脂を結着樹脂として用いて、その後の
原版製造工程において架橋構造が形成されてもよい。
該官能基は、分子間で化学反応を生じ化学結合を形成し
得るものであればいずれでもよい。即ち、縮合反応、付
加反応等による分子間の結合あるいは重合反応による架
橋等を熱及び/又は光によって生じさせる反応様式を利
用することができる。具体的には、解離性の水素原子を
有する官能基〔(例えば−COOH基、−PO3H基、 (R1″はR1で示される炭化水素基と同一の内容の基
又は−OR1基(R1はR1″の基と同一の内容)を表わ
す)−OH基、−SH基、−NH・R2″基(R2″は、水素原子
又はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭
素数1〜4のアルキル基を表わす)〕と −NCO、−NCS、環状ジカルボン酸無水物との群から各々
選ばれた官能基の組合せを少なくとも1組含有する場合
あるいは、−CONHCH2OR3″(R3″は水素原子又はメチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基等の
炭素数1〜6のアルキル基を表わす)又は重合性二重結
合基等が挙げられる。
該重合性二重結合基として具体的には、前記の重合性官
能基の具体例として挙げたものを挙げることができる。
更には、例えば、遠藤剛、「熱硬化性高分子の精密化
(C.M.C(株)、1986年刊)、原崎勇次、「最新バイン
ダー技術便覧」第II−1章(総合技術センター、1985年
刊)、大津隆行「アクリル樹脂の合成・設計と新用途開
発」(中部経営開発センター出版部、1985年刊)、大森
英三「機能性アクリル系樹脂」(テクノシステム1985年
刊)乾英夫、永松元太郎、「感光性高分子」(講談社、
1977年刊)、角田隆弘、「新感光性樹脂」(印刷学会出
版部、1981年刊)、G.E.Green and,B.P.Star R,J.Macr
o.Sci Revs Macro.Chem.,C21(2),187〜273(1981〜8
2),C.G.Roffey,「Photopolymerization of Surface Co
atings」(A.Wiley Interscience Pub.1982年刊)等の
総説に引例された官能基・化合物等を用いることができ
る。
これらの架橋性官能基は、ヒドロキシル基生成官能基と
ともに、一つの共重合体成分中に含有されていてもよい
し、ヒドロキシル基生成官能基を含有する共重合体成分
とは別個の共重合体成分中に含有されていてもよい。
これらの架橋性官能基を含有する共重合体成分に相当す
る単量体の具体的なものとしては、例えば、前記一般式
(II)と共重合し得る該官能基を含有するビニル系化合
物であればいずれでもよい。
例えば、高分子学会編「高分子データ・ハンドブック
〔基礎編〕」培風館(1986刊)等に記載されている。具
体的には、アクリル酸α及び/又はβ置換アクリル酸
(例えばα−アセトキシ体、α−アセトキシメチル体、
α−(2−アミノメチル体、α−クロロ体、α−プロモ
体、α−フロロ体、α−トリブチルシリル体、α−シア
ノ体、β−クロロ体、β−ブロモ体、α−クロロ−βメ
トキシ体、α,β−ジクロロ体等)、メタクリル酸、イ
タコン酸、イタコン酸半エステル類、イタコン酸半アミ
ド類、クロトン酸、2−アルケニルカルボン酸類(例え
ば2−ペンテン酸、2−メチル−2−ヘキセン酸、2−
オクテン酸、4−メチル−2−ヘキセン酸、4−エチル
−2−オクテン酸等)、マレイン酸、マレイン酸半エス
テル類、マレイン酸半アミド類、ビニルベンゼンカルボ
ン酸、ビニルベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン酸、
ビニルホスホ酸、ジカルボン酸類のビニル基又はアリル
基の半エステル誘導体、及びこれらのカルボン酸又はス
ルホン酸のエステル誘導体、アミド誘導体の置換基中に
該架橋性官能基を含有する化合物等が挙げられる。
本発明の樹脂における「架橋性官能基を含有する共重合
体成分」の割合は、該樹脂中好ましくは1〜80重量%で
ある。より好ましくは、5〜50重量%である。
かかる樹脂には、架橋反応を促進させるために、必要に
応じて、反応促進剤を添加してもよい。例えば、酸(酢
酸、プロピオン酸、酪酸、ベンゼンスルホン酸、P−ト
ルエンスルホン酸等)、過酸化物、アゾビス系化合物、
架橋剤、増感剤、光重合性単量体等が挙げられる。具体
的には、架橋剤としては、具体的には、山下晋三、金子
東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等に
記載されている化合物等を用いることができる。例え
ば、通常用いられる、有機シラン、ポリウレタン、ポリ
イソシアナートの如き架橋剤、エポキシ樹脂、メラミン
樹脂の如き硬化剤等を用いることができる。
光架橋反応性の官能基を含有する場合には、前記した感
光性樹脂に関する総説に引例された化合物等を用いるこ
とができる。
架橋性官能基を含有する樹脂を用いた場合には、重合体
の少なくとも一部における架橋は画像受理層を形成する
過程あるいはエッチング処理前の加熱及び/又は光照射
の過程等で行なわれ得る。通常は、熱硬化処理を行なう
のが好ましい。この熱硬化処理は従来の感光体作製時の
乾燥条件に厳しくすることにより行うことができる。例
えば、60℃〜120℃で5分〜120分間処理すればよい。上
述の反応促進剤を併用すると、より穏かな条件で処理す
ることが可能となる。
本発明に供される樹脂とともに従来公知の樹脂も併用す
ることができる。例えば、前記した如きシリコーン樹
脂、アルキッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹
脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂等があげ
られ、具体的には、栗田隆治・石渡次郎、高分子、第17
巻、第278頁(1968年)、宮本晴視、武井秀彦、イメー
ジング、1973(No.8)第9頁等の総説引例の公知材料等
が挙げられる。
本発明に供される樹脂と公知の樹脂とは任意の割合で混
合することができるが、全樹脂量中のヒドロキシル基生
成官能基成分の含有量が0.5〜95重量%、好ましくは1
〜85重量%、含有されている必要がある。
本発明の樹脂は、上記の如く、ヒドロキシル基を保護し
た官能基とすることにより、不感脂化処理により親水性
基であるヒドロキシル基を生成させることにより、非画
像部の親水性をより良好にする作用を有する。
更に、本発明の樹脂は、その原版において架橋構造を重
合体の少なくとも1部に有することから、親水性を保持
したまま、不感脂化処理により生成したヒドロキシル基
含有の樹脂が水溶性となり非画像部から溶出してゆく事
を防止する作用を有するものである。
従って非画像部の親水性が樹脂中に生成されるヒドロキ
シル基によって、より一層高められる効果が向上し且つ
持続性が向上することとなった。
より具体的な効果で言うならば、全結着樹脂中に含有さ
せるヒドロキシル基生成官能基含有樹脂を減量しても、
親水性向上の効果が変わらず維持できること、あるいは
印刷機の大型化あるいは印圧の変動等印刷条件が厳しく
なった場合でも、地汚れのない鮮明な画質の印刷物を多
数枚印刷することが可能となる。
本発明の画像受理層の他の構成成分として、無機顔料が
使用され、該無機顔料として、例えばカオリンクレー、
炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸
バリウム、アルミナ等が挙げられる。
画像受理層中の結着樹脂/顔料の割合は、材料の種類及
び顔料の場合は更に粒径によって異なるが、一般に重量
比で1/(0.5〜5)、好ましくは1/(0.8〜2.5)程度が
適当である。
その他画像受理層には、膜強度をより向上させるために
架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、通常用いら
れる塩化アンモニウム、有機過酸化物、金属石けん、有
機シラン、ポリウレタンの架橋剤、エポキシ樹脂の硬化
剤等を用いることができる。具体的には、山下晋三、金
子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊(1981年)等
に記載されている。
本発明に使用される支持体としては、上質紙、湿潤強化
紙、ポリエステルフィルムのようなプラスチックフィル
ム、アルミ板のような金属板等が挙げられる。
本発明では支持体と画像受理層との間に耐水性及び層間
接着性を向上する目的で中間層を、また画像受理層とは
反対の支持体面にカール防止を目的としてバックコート
層を設けることができる。
ここで中間層はアクリル樹脂、スチレン〜ブタジエン共
重合体、メタアクリル酸エステル〜ブタジエン共重合
体、アクリロニトリル〜ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョン型樹脂;エポキ
シ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニル等の溶剤型樹脂;前述のような水溶性樹脂等
の少くとも1種を主成分として構成されるが、必要に応
じて無機顔料や耐水化剤を添加することができる。
バックコート層の構成も中間層とほぼ同様である。
PPC製版として用いられる場合には、本発明の印刷原版
の地汚れをいっそう低減するため、印刷原版としての体
積固有抵抗が1010〜1013Ωcmとなるように、更に画像受
理層、中間層及び/又はバックコート層に誘電剤を添加
することができる。誘電剤としては無機系のものでも有
機系のものでもよく、無機系のものではNa、K、Li、M
g、Zn、Co、Ni等の1価又は多価金属の塩が、また有機
系のものではポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムクロライド、アクリル樹脂変性四級アンモニウム塩等
の高分子カチオン導電剤や高分子スルホン酸塩のような
高分子アニオン導電剤が挙げられる。これらの導電剤の
添加量は各層に使用されるバインダー量の3〜40重量
%、好ましくは5〜20重量%である。
本発明の平版印刷用原版を作るには一般に、支持体の一
方の面に、必要あれば中間層成分を含む水性液を塗布乾
燥して中間層を形成後、画像受理層成分を含む水性液を
塗布乾燥して画像受理層を形成し、更に必要あれば他方
の面にバックコート層成分を含む水性液を塗布乾燥して
バックコート層を形成すればよい。なお画像受理層、中
間層、バックコート層の各付着量は夫々1〜30g/m2、5
〜20g/m2、5〜20g/m2が適当である。
(実施例) 以下に、本発明の実施例を示すが、本発明の範囲が、こ
れに限定されるものではない。
実施例1 ベンジルメタクリレート15g、前記化合物例(3)の単
量体85g、ジビニルベンゼン0.5g及びトルエン300gの混
合溶液を窒素気流下75℃の温度に加温した後、2,2′−
アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.0gを加え8時間
反応した。得られた共重合体〔I〕の重量平均分子量は
2.5×105であった。
次に、上質紙の一方の間に裏面層及び他方の面に中間層
が設けられた支持体の中間層の上に、上記の共重合体36
g、〔エチルメタクリレート/アクリル酸(95/5)重量
比〕共重合体4g、酸化亜鉛150g及びトルエン300gの混合
物をボールミル中で2時間分散して得た分散物を、乾燥
付着量が18g/m2となる様にワイヤーバーで塗布し、110
℃で1分間乾燥し、平版印刷用原版を作製した。
この原版を、不感脂化処理液〔富士写真フィルム(株)
製ELP−EX〕でエッチングプロセッサーに2回通して処
理し、これに蒸留水2μの水滴を乗せ、形成された水
との接触角をゴニオメーターで測定した所、10℃以下で
あった。尚、不感脂化処理前の接触角は98゜であった。
このことは、本発明の原版の画像受理層の非画像部が、
親油性から親水性に変化したことを示す(通常、印刷時
に非画像部が印刷地汚れ、点状汚れ等を発生しない親水
化の度合は、水との接触角で20゜以下であることが必要
である)。
次に、市販のPPCで製版し、得られた原版を上記と同様
の条件で不感脂化処理を行ない、印刷用原版を得た。
得られた原版の画像部の濃度は1.0以上であり、非画像
部の地カブリもなく、画像部の画質も鮮明であった。こ
れをオフセット印刷機(桜井製作所(株)製オリバー52
型)にかけ上質紙上に印刷した。5000枚を越えても印刷
物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問題を生じな
かった。
更に上記原版を用いて環境条件を30℃、80%RHとして、
市販のPPCで製版した所、得られた原版の画像は、画像
部の濃度は1.0以上有り非画像部の地カブリもなく、画
像部の画質も鮮明であった。これを上記と同様に印刷し
た所、5000枚を印刷しても問題なかった。
以上の如く、本原版は、高温多湿の条件下でもPPC製版
で画質を劣化させなかった。
実施例2〜13 実施例1と同様の重合条件で下表−1の共重合体を製造
した。
各樹脂を実施例1の樹脂の代わりに用いた他は実施例1
と同様に操作して、平版印刷用原版を作製した。
実施例1と同様にして、水との接触角、PPC製版後の画
質及び印刷結果について、表−1に記した。
これを実施例1と同様に不感脂化処理後同様の装置で製
版した所、得られた印刷用原版の濃度は1.0以上で画質
は鮮明であった。更に同様のオフセット印刷機で印刷し
た所、5000枚印刷後の印刷物は、カブリのない鮮明な画
質であった。
更に、この感光材料を(45℃、75%RH)の条件下に放置
した後上記と全く同様の処理を行なったが、経時前と全
く変わらなかった。
実施例14 n−プロピルメタクリレート7g、化合物例(33)の単量
体85g、N−メトキシメチルメタクリルアミド8g及びト
ルエン300gの混合溶液を、窒素気流下75℃の温度に加温
した後、A.I.B.N2gを加え、6時間反応した。更に、温
度を100℃に加温し、3時間反応した。
得られた共重合体の重量平均分子量は、1.5×105であっ
た。
この共重合体〔XIV〕を、実施例1における共重合体
〔I〕の代わりに用いた他は、実施例1と同様に行なっ
て、平版印刷用原版を作製した。
これを実施例1と同様に、不感脂化処理後同様な装置で
製版した所、得られた印刷用原版の濃度は1.0以上で画
質は鮮明であった。更に、これを用いてオフセット印刷
機で印刷した所、5000枚印刷後の印刷物は、非画像部の
カブリがなく、画像も鮮明であった。
実施例15 エチルメタクリレート5g、前記化合物例(2)の化合物
80g、アリルメタクリレート15g及びトルエン400gの混合
溶液を窒素気流下60℃の温度に加温した後、2−2′−
アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.8gを加
え、8時間反応した。得られた共重合体〔XV〕の重量平
均分子量は、40,000であった。
この共重合体〔XV〕を、実施例1における共重合体
〔I〕の代わりに用いた他は、実施例1と同様に行って
平版印刷版用原版を作製した。
これを実施例1と同様に不感脂化後製版し、濃度1.0以
上で画像の鮮明な印刷用原版を得た。
これを用いて実施例1と同様に印刷機で印刷したとこ
ろ、5000枚印刷後の印刷物もカブリのない鮮明な画質で
あった。
実施例16〜24 実施例15において、本発明の樹脂〔XV〕の代わりに、表
−2に示される共重合体を用いた他は、実施例15と同様
に操作して各平版印刷版用原版を作製した。
これを実施例1と同様に不感脂化後製版した所、得られ
た印刷用原版の濃度はいづれも1.2以上で画質は鮮明で
あった。更に、これを用いて同様に印刷機で印刷した
所、5000枚印刷後の印刷物も非画像部のカブリが少な
く、画像も鮮明であった。
更に、この感光材料を(45℃、75%RH)の条件下に放置
した後上記と全く同様の処理を行なったが、経時前と全
く変化がなかった。
実施例25 下記化学構造で示される本発明の共重合体〔XXV〕(重
量平均分子量42,000) 36gを実施例1の共重合体の代わりに用いた他は、実施
例1と同一の組成分で、ボールミル中2時間分散し、画
像受理用分散物を得た。
続いて、実施例1と同様の操作を行なって、平版印刷用
原版を得た。
これを実施例1と同様に不感脂化処理後装版した所、得
られた印刷用原版の濃度は1.0以上で画質は鮮明であっ
た。更にこれを用いて同様に印刷機で印刷した所、5000
枚印刷後の印刷物は、カブリのない鮮明な画質であっ
た。
更に、この感光材料を(45℃、75%RH)の条件下に放置
した後上記と全く同様の処理を行なったが、経時前と全
く変化がなかった。
(発明の効果) 本発明によれば、地汚れの発生が良好に抑制されるとと
もに良好な耐刷力を併せもつ直描型平板印刷用原版を得
ることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に画像受理層を有する直描型平版
    印刷用原版において、該画像受理層の結着剤の主成分と
    して、分解により少なくとも1つのヒドロキシル基を生
    成する官能基を少なくとも1種含有し、且つ少なくとも
    一部分が架橋されている樹脂を少なくとも1種含有して
    成る事を特徴とする直描型平版印刷用原版
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