JP2758278B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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JP2758278B2
JP2758278B2 JP3064403A JP6440391A JP2758278B2 JP 2758278 B2 JP2758278 B2 JP 2758278B2 JP 3064403 A JP3064403 A JP 3064403A JP 6440391 A JP6440391 A JP 6440391A JP 2758278 B2 JP2758278 B2 JP 2758278B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真方式で製版さ
れる電子写真式平版印刷用原版に関するものであり、特
に、該平版印刷用原版の光導電層形成用組成物の改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】現在ダイレクト製版用のオフセット原版
には多種のものが提案され且つ実用化されているが、中
でも、導電性支持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子
及び結着樹脂を主成分とした光導電層を設けた感光体を
通常の電子写真工程を経て、感光体表面に親油性の高い
トナー画像を形成し、続いて該表面をエッチ液と言われ
る不感脂化液で処理して非画像部分を選択的に親水化す
ることによってオフセット原版を得る技術が広く用いら
れている。
【0003】良好な印刷物を得るには、先ずオフセット
原版に原画が忠実に複写されると共に、感光体表面が不
感脂化処理液となじみ易く、非画像部が充分に親水化さ
れると同時に耐水性を有し、更に印刷においては画像を
有する表面導電層が離脱しないこと、及び湿し水とのな
じみがよく、印刷枚数が多くなっても汚れが発生しない
ように充分に非画像部の親水性が保持されること、等の
性能を有する必要がある。
【0004】これらの性能には、光導電層中の酸化亜鉛
と結着樹脂の比率が影響することが既に知られており、
例えば、光導電層の酸化亜鉛粒子に対する結着樹脂の比
率を小さくすれば光導電層表面の不感脂化性が向上して
地汚れは少なくなるが、他方で光導電層自体の内部凝集
力が低下し、機械的強度不足による耐刷力の低下が生じ
る。逆に、結着樹脂の比率を大きくすると、耐刷力は向
上するが、地汚れが増大する。特に地汚れは、光導電層
表面の不感脂化性の良否に関係する現象であることは言
うまでもないが、光導電層表面の不感脂化性は、光導電
層中の酸化亜鉛と結着樹脂の比率のみによって左右され
るものではなく、結着樹脂の種類によっても、大きく左
右されることが明らかになってきている。
【0005】特に、オフセット原版としては、前記のよ
うに不感脂化性の不充分さによる地汚れ発生が大きな問
題であり、これを改良するために、不感脂化性を向上さ
せる酸化亜鉛結着用樹脂の開発が種々検討されてきてい
る。例えば、特公昭50−31011号公報では、フマ
ル酸存在下で(メタ)アクリレート系モノマーと他のモ
ノマーとを共重合させた、重量平均分子量(Mw)が
1.8×104 〜10×104 で、ガラス転移点(T
g)が10℃〜80℃の樹脂と、(メタ)アクリレート
系モノマーとフマル酸以外の他のモノマーとから成る共
重合体とを併用したもの、また特開昭53−54027
号公報では、カルボン酸基をエステル結合から少なくと
も原子数7個離れて有する置換基を持つ(メタ)アクリ
ル酸エステルを含む3元共重合体を用いるもの、また特
開昭54−20735、同57−202544各号公報
では、アクリル酸及びヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レートを含む4元又は5元共重合体を用いるもの、また
特開昭58−68046号公報では、炭素数6〜12の
アルキル基を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル
及びカルボン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重合
体を用いるもの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果
があると記載されている。
【0006】しかし、上記した不感脂化性向上に効果が
あるとされる樹脂であっても、現実に評価してみると地
汚れ、耐刷力において未だ満足できるものではなかっ
た。
【0007】一方、結着樹脂として、分解により親水性
基を生成する官能基を含有する樹脂を用いるものが検討
されており、例えば分解によりヒドロキシル基を生成す
る官能基を含有するもの(特開昭62−195684、
同62−210475、同62−210476各号公
報)や、分解によりカルボキシル基を生成する官能基を
含有するもの(特開昭62−212669号公報)等が
開示されている。
【0008】更には、酸化亜鉛含有の光導電層中に、分
解により親水性基を生成する官能基を含有し、更に高次
の網目構造を形成した微小粒径の樹脂粒子を少量併用す
るものが検討されており、例えば分解によりカルボキシ
ル基を生成する官能基を含有するもの(特開平1−26
1658、同1−266547各号公報)、分解により
ヒドロキシル基を生成する官能基を含有するもの(特開
平1−284856号公報)、分解によりスルホ基、ホ
スホノ基等を生成する官能基を含有するもの(特開平1
−287571号公報)等が開示されている。
【0009】これらの結着樹脂あるいは樹脂粒子は不感
脂化液又は印刷時に用いる湿し水により加水分解又は加
水素分解されて親水性基を生成するものである。いずれ
の場合も、親水性基自身をはじめから含有した際に生じ
る電子写真特性の悪化(暗電荷保持量や光感度)等を回
避できると共に、不感脂化液により親水化される非画像
部の親水性が、結着樹脂中あるいは樹脂粒子中において
分解により生成される上記親水性基によってより一層高
められる為、画像部の親油性と非画像部の親水性が明確
となり、印刷時に非画像部に印刷インキが付着するのを
防止し、その結果として地汚れのない鮮明な画質の印刷
物を多数枚印刷することが可能となると記載されてい
る。
【0010】これら光導電性粗成物を改良することで、
明らかに保水性は著しく向上することが確認された。し
かし、平版印刷用原版として更に詳細に評価してみる
と、環境変動(高温・高湿あるいは低温・低湿)によ
り、特に電子写真特性(特に暗中電荷保持性、光感度
等)が変動し、安定した良好な複写画像が得られなくな
る場合が生じることがわかった。
【0011】あるいは又、ワラ判紙等白地に懸念のある
紙を用いた原稿、写真の様な細密な網点画像を含む原稿
等を用いたりすると、良好な複写画像が得られなくなる
場合がしることがわかった。
【0012】これにより、結果として、これを印刷用原
版として用いた印刷物の印刷画像の劣化あるいは、地汚
れ防止効果の減少という問題を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な従来の電子写真式平版印刷用原版の有する問題点を改
良することを課題とする。即ち、本発明の目的の1は、
静電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)に優れ、原画
に対して忠実な複写画像を再現し、且つオフセット原版
として全面一様な地汚れは勿論、点状の地汚れをも発生
させない、不感脂化性の優れた平版印刷用原版を提供す
ることである。
【0014】本発明の目的の2は、複写画像形成時の環
境が低温・低湿あるいは高温・高湿のように変動する場
合でも、鮮明で良質な画像を有する平版印刷用原版を提
供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、導
電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有
する光導電層を少なくとも1層設けてなる電子写真式平
版印刷用原版において、前記光導電層中に、下記の非水
溶媒系分散樹脂粒子を少なくとも1種含有すると共に、
該非水溶媒系分散樹脂粒子が前記光導電層の表面部分に
濃縮して存在することを特徴とする電子写真式平版印刷
用原版によって達成される。
【0016】非水溶媒系分散樹脂粒子としては、非水溶
媒中において、分解により少なくとも1つのカルボキシ
ル基を生成する官能基を少なくとも1種含有する一官能
性単量体(A)と、ケイ素原子及び/又はフッ素原子を
含有する置換基を含み且つ該単量体(A)と共重合する
一官能性単量体(B)とを、該非水溶媒に可溶性の分散
安定用樹脂の存在下に分散重合反応させることにより得
られる共重合体樹脂粒子であることを特徴とする。
【0017】又、上記非水溶媒系分散樹脂粒子が高次の
網目構造を形成している粒子であることが好ましい。
【0018】更には、上記分散安定用樹脂が、高分子鎖
中に、下記一般式(1)で示される重合性二重結合基部
分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
【0019】
【化2】
【0020】以下、光導電層中に分散されてなる非水溶
媒系分散樹脂粒子について詳細に説明する。
【0021】まず、非水溶媒系分散樹脂粒子における、
分解して少なくとも1個のカルボキシル基を生成する官
能基(以下単に、カルボキシル基生成官能基と称するこ
ともある)は、分解によってカルボキシル基を生成する
が、1つの官能基から生成するカルボキシル基は1個で
も2個以上でもよい。
【0022】本発明の1つの好ましい態様によれば、カ
ルボキシル基生成官能基含有樹脂は、一般式(2)〔−
COO−L1 〕で示される官能基を少なくとも1種含有
する樹脂である。
【0023】一般式(2)におけるL1 は、
【0024】
【化3】
【0025】を表わす。
【0026】一般式(2)で示される官能基は、分解に
よってカルボキシル基を生成するものであり、以下更に
詳しく説明する。
【0027】L1
【0028】
【化4】
【0029】の場合において、P1 は水素原子、−CN
基、−CF3 基、−COR11基又は−COOR11基を表
わす。但し、R11は炭素数1〜6のアルキル基:例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル等、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル
基:具体的にはベンジル、フェネチル、クロロベンジ
ル、メトキシベンジル、クロロフェネチル、メチルフェ
ネチル等)又は芳香族基(例えば置換基を含有してもよ
いフェニル又はナフチル:具体的にはフェニル、クロロ
フェニル、ジクロロフェニル、メチルフェニル、メトキ
シフェニル、アセチルフェニル、アセトアミドフェニ
ル、メトキシカルボニルフェニル、ナフチル等)を表わ
す。
【0030】P2 は−CN基、−COR11基又は−CO
OR11基を表わす。但し、R11は上記と同一の記号を表
わす。
【0031】L1
【0032】
【化5】
【0033】を表わす場合において、R1 、R2 は互い
に同じでも異なってもよく、好ましくは水素原子又は置
換されてもよい炭素数1〜12の直鎖状又は分枝状アル
キル基(例えばメチル、エチル、プロピル、クロロメチ
ル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、トリフルオロ
メチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ヒドロ
キシエチル、3−クロロプロピル等)を表し、Xは好ま
しくは置換されてもよいフェニル基又はナフチル基(例
えばフェニル、メチルフェニル、クロロフェニル、ジメ
チルフェニル、クロロメチルフェニル、ナフチル等)を
表し、Zは好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば
塩素原子、フッ素原子等)、トリハロメチル基(例えば
トリクロロメチル等)、炭素数1〜12の置換されても
よい直鎖状又は分枝状アルキル基(例えばメチル、クロ
ロメチル、ジクロロメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヘキシル、テトラフルオロエチル、オクチル、シア
ノエチル、クロロエチル等)、−CN、−CN2 、−S
2 1 ′〔R1 ′は脂肪族基(例えば炭素数1〜12
の置換されてもよいアルキル基:具体的にはメチル、エ
チル、プロピル、ブチル、クロロエチル、ベンチル、オ
クチル等、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキ
ル基:具体的にはベンジル、フェネチル、クロロベンジ
ル、メトキシベンジル、クロロフェネチル、メチルフェ
ネチル等)又は芳香族基(例えば置換基を含有してもよ
いフェニル基又はナフチル基:具体的にはフェニル、ク
ロロフェニル、ジクロロフェニル、メチルフェニル、メ
トキシフェニル、アセチルフェニル、アセトアミドフェ
ニル、メトキシカルボニルフェニル、ナフチル等)を表
わす〕、−COOR2 ′(R2 ′は上記R1 ′と同義で
ある)又は−O−R3 ′(R3 ′は上記R1 ′と同義で
ある)を表わす。n、mは0、1又は2を表わす。
【0034】又、L1
【0035】
【化6】
【0036】を表わす場合において、R3 、R4 、R5
は互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは炭素
数1〜18の置換されてもよい脂肪族基〔脂肪族基はア
ルキル、アルケニル、アラルキル又は脂環式を示し、置
換基としては例えばハロゲン原子、−CN基、−OH
基、−O−Q′(Q′はアルキル基、アラルキル基、脂
環式基、アリール基を示す)等が挙げられる〕、炭素数
6〜18の置換されてもよい芳香族基(例えばフェニ
ル、トリル、クロロフェニル、メトキシフェニル、アセ
トアミドフェニル、ナフチル等)又は−O−R4 ′(R
4 ′は置換されてもよい炭素数1〜12のアルキル基、
置換されてもよい炭素数2〜12のアルケニル基、置換
されてもよい炭素数7〜12のアラルキル基、炭素数5
〜18の置換されてもよい脂環式基、炭素数6〜18の
置換されてもよいアリール基を示す)を表わす。
【0037】MはSi、Ti、又はSnの各原子を表わ
し、より好ましくはSi原子を表わす。
【0038】又L1 が−N=CH−Q1 又は−CO−Q
2 を表わす場合においては、Q1 、Q2 は好ましくは各
々炭素数1〜18の置換されてもよい脂肪族基(例えば
アルキル、アルケニル、アラルキル、脂環式を示し、置
換基としては例えばハロゲン原子、CN基、アルコキシ
基等を挙げることができる)又は炭素数6〜18の置換
されてもよいアリール基(例えばフェニル、メトキシフ
ェニル、トリル、クロロフェニル、ナフチル等)を表わ
す。
【0039】L1 が、
【0040】
【化7】
【0041】を表わす場合において、Y1 は酸素原子又
はイオウ原子を表わす。R6 、R7 、R8 は互いに同じ
でも異なっていてもよく、好ましくは水素原子、置換さ
れてもよい炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル
基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、オクタデシル、クロ
ロエチル、メトキシエチル、メトキシプロピル等)、置
換されてもよい脂環式基(例えばシクロベンチル、シク
ロヘキシル等)、置換されてもよい炭素数7〜12のア
ラルキル基(例えばベンジル、フェネチル、クロロベン
ジル、メトキシベンジル等)、置換されてもよい芳香族
基(例えばフェニル、ナフチル、クロロフェニル、トリ
ル、メトキシフェニル、メトキシカルボニルフェニル、
ジクロロフェニル等)又は−O−R5 ′(R5 ′は炭化
水素基を表し、具体的には上記R6 、R7 、R8 の炭化
水素基と同一の置換基等を示す)を表わす。
【0042】pは3または4の整数を表わす。
【0043】L1 が、
【0044】
【化8】
【0045】を表わす場合において、Y2 は環状イミド
基を形成する有機残基を表わす。好ましくは、下記一般
式(3)又は(4)で示される有機残基を表わす。
【0046】
【化9】
【0047】一般式(3)中、R9 、R10は各々同じで
も異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子(例え
ば塩素原子、臭素原子等)、炭素数1〜18の置換され
てもよいアルキル基〔例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、
ヘキサデシル、オクタデシル、2−クロロエチル、2−
メトキシエチル、2−シアノエチル、3−クロロプロピ
ル、2−(メタンスルホニル)エチル、2−(エトキシ
オキシ)エチル等〕、炭素数7〜12の置換されてもよ
いアラルキル基(例えばベンジル、フェネチル、3−フ
ェニルプロピル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、
メトキシベンジル、クロロベンジル、ブロモベンジル
等)、炭素数3〜18の置換されてもよいアルケニル基
(例えばアリル、3−メチル−2−プロペニル、2−ヘ
キセニル、4−プロピル−2−ペンテニイル、12−オ
クタデセニル等)、−S−R6 ′(R6 ′は前記R9
はR10のアルキル基、アラルキル基、アルケニル基と同
一の内容を表わす)、置換されてもよいアリール基(例
えばフェニル、トリル、クロロフェニル、ブロモフェニ
ル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、エトキシカ
ルボニルフェニル等)、又は−NHR7 ′(R7 ′は前
記R6 ′と同一の内容を表わす)を表わす。又、R9
10で環を形成する残基を表してもよい〔例えば5〜6
員環の単環(例えばシクロペンチル環、シクロヘキシル
環)、又は5〜6員環のビシクロ環(例えばビシクロヘ
プタン環、ビシクロヘプチン環、ビシクロオクタン環、
ビシクロオクテン環等)、更にはこれらの環は置換され
てくてもよく、置換基としてはR9 、R10で前記した内
容と同一のものを含む〕。
【0048】qは2又は3の整数を表わす。
【0049】式(4)中、R11、R12は同一でも異なっ
てもよく、前記R9 、R10と同一の内容のものを表わ
す。更には、R11とR12は連続して芳香族環を形成する
例えばベンゼン環、ナフタレン環等の有機残基を表して
もよい。
【0050】本発明の好ましい他の1つの態様として、
一般式(5)〔−CO−L2 〕で示される官能基を少な
くとも1種含有する樹脂である。
【0051】一般式(5)におけるL2 は、
【0052】
【化10】
【0053】を表わす。
【0054】但しR13、R14、R15、R16、R17は各々
水素原子又は脂肪族基を表わす。
【0055】脂肪族基としては、好ましくは前記R6
7 、R8 と同一の内容を表わす。又、R14とR15及び
16とR17は連結して縮合環を形成してもよい有機残基
を表わす。好ましくは5〜6員環の単環(例えばシクロ
ペンチル、シクロヘキシル等)、5員〜12員環の芳香
族基(例えばベンゼン、ナフタレン、チオフェン、ピロ
ール、ピラン、キノリン等)等を表わす。
【0056】更に、本発明の好ましい他の1つの態様と
して、下記一般式(6)で示されるオキサゾロン環を少
なくとも1種含有する樹脂である。
【0057】
【化11】
【0058】一般式(6)において、R18、R19は互い
に同じでも異なっていてもよく、各々水素原子、炭化水
素基を表わすか、又R18とR19とが一緒に環を形成して
もよい。
【0059】好ましくは、R18、R19は互いに同じでも
異なってもよく、各々水素原子、置換されていてもよい
炭素数1〜12の直鎖状又は分岐状アルキル基(例えば
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、2−ク
ロロエチル、2−メトキシエチル、2−メトキシカルボ
ニルエチル、3−ヒドロキシプロピル等)、置換されて
いてもよい炭素数7〜12のアラルキル基(例えばベン
ジル、4−クロロベンジル、4−アセトアミドベンジ
ル、フェネチル、4−メトキシベンジル等)、置換され
ていてもよい炭素数2〜12のアルケニル基(例えばエ
チレン、アリル、イソプロペニル、ブテニル、ヘキセニ
ル等)、置換されていてもよい5〜7員環の脂環式基
(たとえばはシクロペンチル、シクロヘキシル、クロロ
シクロヘキシル等)、置換されてもよい芳香族基(例え
ばフェニル、クロロフェニル、メトキシフェニル、アセ
トアミドフェニル、メチルフェニル、ジクロロフェニ
ル、ニトロフェニル、ナフチル、ブチルフェニル、ジメ
チルフェニル等)を表わすか、又はR18とR19とが一緒
に環(例えばテトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサ
メチレン等)を形成してもよい。
【0060】本発明の一般式(2)〜(6)で表される
官能基について具体的例を以下に述べる。但し、本発明
の範囲はこれらに限定されるものではない。
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】以上の様な一般式(2)〜(6)の官能基
を含有する単量体(A)について更に具体的に述べる
と、例えば下記一般式(7)で示される単量体が挙げら
れる。但し、これらの単量体に限定されるものではな
い。
【0067】
【化17】
【0068】芳香族基、又はヘテロ環基を示す〔但し、
1 、d2 、d3 、d4 は各々水素原子、炭化水素基、
又は式(7)中の−〔Y′−W〕を表し、b1 、b2
同じでなっていてもよく、水素原子、炭化水素基又は式
(7)中の−〔Y′−W〕を表し、lは0〜18の整数
を示す〕。
【0069】Y′は結合基X′と結合基〔W〕を連結す
る、ヘテロ原子を介していてもよい炭素−炭素結合を表
し(ヘテロ原子としては酸素原子、イオウ原子、窒素原
子を示す)、例えば、
【0070】
【化18】
【0071】Wは式(2)〜(6)で表される官能基を
表わす。
【0072】a3 、a4 は、後述する式(1)中の
1 、a2 と同一の内容を表わす。
【0073】本発明に用いられる一般式(2)〜(6)
で示される官能基の群から選択される官能基を少なくと
も1種含有する一官能性単量体は、従来公知の有機合成
の反応によって、合成することができる。
【0074】例えば、日本化学会編「新実験化学講座第
14巻、有機化合物の合成と反応〔V〕」第2535頁
(丸善株式会社刊)、岩倉義男:栗田恵輔「反応性高分
子」第170頁(講談社刊)、T.W.Greene,
「Protective Groups in Org
anic Synthesis」第5章(John,W
iley & Sons, New York 198
1年刊)J.F.W.Mcomie,「Protect
ive Groups in OrganicChem
istry」第5章(Plenum Press,19
73年刊)等に詳細に記載されている。
【0075】以上の様な分解してカルボキシル基生成の
官能基含有の単量体(A)と共に共重合し得る、フッ素
原子及び/又はケイ素原子を少なくとも2個以上含有す
る置換基を含む一官能性単量体(B)について説明する
と、本発明の一官能性単量体(B)は、上記要件を満た
す化合物であればいずれでもよい。又、以下に具体的な
置換基の内容を説明するが、これらの化学構造に限定さ
れるものではない。
【0076】
【化19】
【0077】但し、R3 〜R8 は、同じでも異なってい
てもよい炭化水素基を表わす。
【0078】R3 〜R8 は、炭素数1〜18の置換され
てもよいアルキル基(例えばメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、
ヘキサデシル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、
2,2,2−トリフロロエチル、2−シアノエチル、
3,3,3−トリフロロプロピル、2−メトキシエチ
ル、3−ブロモプロピル、2−メトキシカルボニルエチ
ル、2,2,2,2’,2’,2’−ヘキサフロロイソ
プロピル等)、炭素数4〜18の置換されていてもよい
アルケニル基(例えば2−メチル−1−プロペニル、2
−ブテニル、2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテ
ニル、1−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニ
ル、4−メチル−2−ヘキセニル等)、炭素数7〜12
の置換されていてもよいアラルキル基(例えばベンジ
ル、フェネチル、3−フェニルプロピル、ナフチルメチ
ル、2−ナフチルエチル、クロロベンジル、ブロモベン
ジル、メチルベンジル、エチルベンジル、メトキシベン
ジル、ジメチルベンジル、ジメトキシベンジル等)、炭
素数5〜8の置換されていてもよい脂環式基(例えばシ
クロヘキシル、2−シクロヘキシル、2−シクロペンチ
ルエチル等)又は炭素数6〜12の置換されていてもよ
い芳香族基(例えばフェニル、ナフチル、トリル、キシ
リル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、オクチルフ
ェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、エトキ
シフェニル、ブトキシフェニル、デシルオキシフェニ
ル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、ブロモフェニ
ル、シアノフェニル、アセチルフェニル、メトキテカル
ボニルフェニル、エトキシカルボニルフェニル、ブトキ
シカルボニルフェニル、アセトアミドフェニル、プロピ
オアミドフェニル、ドデシロイルアミドフェニル等)が
挙げられる。
【0079】
【0080】次に、以上の様なフッ素原子及び/又はケ
イ素原子を含有した置換基を有する一官能性単量体
(B)の具体例を以下に示す。しかし、本発明の範囲が
これらに限定されるものではない。
【0081】
【化20】
【0082】
【化21】
【0083】
【化22】
【0084】
【化23】
【0085】
【化24】
【0086】
【化25】
【0087】以上の様な極性基含有の単量体(A)及び
フッ素原子及び/又はケイ素原子含有の単量体(B)と
ともに、これら以外の共重合し得る他の単量体を重合体
成分として含有してもよい。
【0088】他の単量体としては後記する一般式(8)
の繰り返し単位に相当する単量体あるいは該式(8)で
示される成分に相当する単量体と共重合するものが挙げ
られる。
【0089】該樹脂中の重合成分として、単量体(A)
の存在割合は30重量%以上好ましくは50重量%以上
であり、単量体(B)の存在割合は0.5重量%〜30
重量%、好ましくは1重量%〜20重量%である。他の
共重合し得る単量体を含有する場合は、多くても20重
量%以下である。
【0090】この非水溶媒に不溶性となる重合成分とし
て重要なことは、蒸留水に対する接触角で表される親水
性が50度以下を満足できるものであればよい。
【0091】次に、本発明の分散安定用樹脂について説
明する。
【0092】分散安定用樹脂は非水溶媒と溶媒和し可溶
性であることが重要であり、いわゆる非水系分散重合に
おける分散安定化作用を担うものであり、具体的には該
溶媒100重量部に対し、温度25℃において少なくと
も5重量%溶解するものであればよい。
【0093】該分散安定用樹脂の重量平均分子量は1×
103 〜5×105 であり、好ましくは2×103 〜1
×105 、特に好ましくは3×103 〜5×104 であ
る。該樹脂の重量平均分子量が1×103 未満になる
と、生成した分散樹脂粒子の凝集が発生し、平均粒径が
揃った微粒子が得られなくなってしまう。一方、5×1
5 を超えると、光導電層中に添加した時に電子写真特
性を満足しつつ保水性向上するという本発明の効果が薄
れてしまう。
【0094】本発明の分散安定用樹脂は、該非水溶媒に
可溶性の重合体であればいずれでもよいが、具体的に
は、K.E.J.Barrett「Dispersio
n Polymerization in Organ
ic Media」JohnWiley and So
ns(1975年刊)、R.Dowpenco,D.
P.Hart,Ind.Eng.Chem.Prod.
Res.Develop.12,(No.1)、14
(1973)、丹下豊吉、日本接着協会誌23(1),
26(1987)、D.J.Walbridge,NA
TO.Adv.Study Inst.Ser.E.N
o.67,40(1983)、Y.Sasaki an
d M.Yabuta,Proc,10th,Int.
Conf.Org.Coat.Sci.Techno
l,10,263(1984)等の総説に引例の各重合
体が挙げられる。
【0095】例えばオレフィン重合体、変性オレフィン
重合体、スチレン−オレフィン共重合体、脂肪族カルボ
ン酸ビニルエステル共重合体、変性無水マレイン酸共重
合体、ポリエステル重合体、ポリエーテル重合体、メタ
クリレートホモ重合体、アクリレートホモ重合体、メタ
クリレート共重合体、アクリレート共重合体、アルキッ
ド樹脂等である。
【0096】より具体的には、本発明の分散安定用樹脂
の繰り返し単位として供される重合体成分としては、下
記一般式(8)で表される成分が挙げられる。
【0097】
【化26】
【0098】式(8)中X2 は後述する式(1)のV0
と同一の内容を表し、詳細は式(1)のV0 の説明に記
載されている。
【0099】R21は炭素数1〜22の置換されてもよい
アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、
ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、
オクタデシル、ドコサニル、2−(N,N−ジメチルア
ミノ)エチル、2−(N−モルホリノ)エチル、2−ク
ロロエチル、2−ブロモエチル、2−ヒドロキシエチ
ル、2−シアノエチル、2−(α−チエニル)エチル、
2−カルボキシエチル、2−メトキシカルボニルエチ
ル、2,3−エポキシプロピル、2,3−ジアセトキシ
プロピル、3−クロロプロピル、4−エトキシカルボニ
ルブチル等)、炭素数3〜22の置換されてもよいアル
ケニル基(例えばアリル、ヘキセニル、オクテニル、ド
セニル、ドデセニル、トリデセニル、オクタデセニル、
オレイル、リノレイル等)、炭素数7〜22の置換され
てもよいアラルキル基(例えばベンジル、フェネチル、
3−フェニルプロピル、2−ナフチルメチル、2−
(2’−ナフチル)エチル、クロロベンジル、ブロモベ
ンジル、メチルベンジル、ジメチルベンジル、トリメチ
ルベンジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、
ブチルベンジル、メトキシカルボニルベンジル等)、炭
素数4〜12の置換されてもよい脂環式基(例えばシク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、アダマ
ンチル、クロロシクロヘキシル、メチルシクロヘキシ
ル、メトキシシクロヘキシル等)、炭素数6〜22の置
換されてもよい芳香族基(例えばフェニル、トリル、キ
シリル、メシチル、ナフチル、アントラニル、クロロフ
ェニル、ブロモフェニル、ブチルフェニル、ヘキシルフ
ェニル、オクチルフェニル、デシルフェニル、ドデシル
フェニル、メトキシフェニル、エトキシフェニル、オク
チルオキシフェニル、エトキシカルボニルフェニル、ア
セチルフェニル、ブトキシカルボニルフェニル、ブチル
メチルフェニル、N,N−ジブチルアミノフェニル、N
−メチル−N−ドデシルフェニル、チエニル、ヒラニル
等)等が挙げられる。
【0100】c1 、c2 は後述する式(1)中のa1
2 と同一の内容を表し、詳細は式(1)のa1 、a2
の説明に記載される。
【0101】本発明の分散安定用樹脂中の重合体成分と
して、以上述べた成分とともに、他の重合体成分を含有
してもよい。
【0102】他の重合体成分としては、一般式(8)で
示される成分に相当する単量体と共重合するものであれ
ばいずれでもよく、相当する単量体としては、例えば、
α−オレフィン類、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、ビニル含有複素環類(複素環としては例えばピラ
ン環、ピロドリン環、イミダゾール環、ピリジン環
等)、ビニル基含有のカルボン酸類(例えばアクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸等)、ビニル基含有のカルボキシアミド類(例えばア
クリルアミド、メタクリルアミド、クロトン酸アミド、
イタコン酸アミド、イタコン酸半アミド、イタコン酸ジ
アミド等)等が挙げられる。
【0103】本発明の分散安定用樹脂において、一般式
(8)で示される重合体成分は、該樹脂の全重合体10
0重量部中30重量部以上、好ましくは50重量部以上
である。
【0104】又、本発明の分散安定用樹脂において、光
及び/又は熱硬化性官能基を該樹脂の全重合体100重
量部中30重量部以下好ましくは20重量部以下の範囲
で含有してもよい。
【0105】含有される光及び/又は熱硬化性官能基と
しては、重合性官能基以外のものが挙げられ、具体的
に、後述する粒子の架橋構造形成用の官能基が挙げられ
る。
【0106】更には、本発明の分散安定用樹脂はその高
分子鎖中に下記の一般式(1)で示される重合性二重結
合基部分を少なくとも一種含有して成ることが好まし
い。
【0107】以下に、該重合性二重結合基部分について
説明する。
【0108】
【化27】
【0109】ここでR1 は水素原子のほか、好ましい炭
化水素基としては、炭素数1〜18の置換されてもよい
アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチ
ル、ヘプチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシ
ル、ヘキサデシル、オクタデシル、2−クロロエチル、
2−ブロモエチル、2−シアノエチル、2−メトキシカ
ルボニルエチル、2−メトキシエチル、3−ブロモプロ
ピル等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケニ
ル基(例えば2−メチル−1−プロペニル、2−ブテニ
ル、2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、1
−ペンテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、4−
メチル−2−ヘキセニル等)、炭素数7〜12の置換さ
れていてもよいアラルキル基(例えばベンジル、フェネ
チル、3−フェニルプロピル、ナフチルメチル、2−ナ
フチルエチル、クロロベンジル、ブロモベンジル、メチ
ルベンジル、エチルベンジル、メトキシベンジル、ジメ
チルベンジル、ジメトキシベンジル等)、炭素数5〜8
の置換されていてもよい脂環式基(例えばシクロヘキシ
ル、2−シクロヘキシルエチル、2−シクロペンチルエ
チル等)、又は、炭素数6〜12の置換されていてもよ
い芳香族基(例えばフェニル、ナフチル、トリル、キシ
リル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、オクチルフ
ェニル、ドデシルフェニル、メトキシフェニル、エトキ
シフェニル、ブトキシフェニル、デシルオキシフェニ
ル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、ブロモフェニ
ル、シアノフェニル、アセチルフェニル、メトキシカル
ボニルフェニル、エトキシカルボニルフェニル、ブトキ
シカルボニルフェニル、アセトアミドフェニル、プロピ
オアミドフェニル、ドデシロイルアミドフェニル等)が
挙げられる。
【0110】V0
【0111】
【化28】
【0112】を表わす場合、ベンゼン環は置換基を有し
てしてもよい。置換基としては、ハロゲン原子(例えば
塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えばメチル、
エチル、プロピル、ブチル、クロロメチル、メトキシメ
チル等)、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、
プロピオキシ、ブトキシ等)等が挙げられる。
【0113】a1 及びa2 は、互いに同じでも異なって
いてもよく、好ましくは水素原子、ハロゲン原子(例え
ば塩素原子、臭素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4の
アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
等)、−COO−R2 基又は炭化水素を介した−COO
2基(R2 は水素原子又は炭素数1〜18のアルキル
基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式基又はアリー
ル基を表し、これらは置換されていてもよく、具体的に
は上記R1 について説明したものと同様の内容を表わ
す)を表わす。
【0114】上記炭化水素を介した−COOR2 基にお
ける炭化水素としては、メチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基等が挙げられる。
【0115】
【化29】
【0116】これらの重合性二重結合基含有部分は高分
子鎖の主鎖に直接結合されるか又は任意の連結基で結合
されたものである。連結する基として具体的には二価の
有機残基であって、
【0117】
【化30】
【0118】二価の脂肪族基として、例えば、
【0119】
【化31】
【0120】が挙げられる{e1 及びe2 は、互いに同
じでも異なってもよく、各々水素原子、ハロゲン原子
(例えばフッ素、塩素、臭素等)又は炭素数1〜12の
アルキル基(例えばメチル、エチル、プロピル、クロロ
メチル、ブロモメチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、
ノニル、デシル等)を表わす。Qは−O−、−S−又は
−NR20−を表し、R20は炭素数1〜4のアルキル基、
−CH2 Cl又は−CH2 Brを表わす}。
【0121】二価の芳香族基としては、例えばベンゼン
環基、ナフタレン環基及び5又は6員の複素環基(複素
環を構成するヘテロ原子として、酸素原子、イオウ原
子、窒素原子から選ばれたヘテロ原子を少なくとも1種
含有する)が挙げられる。これらの芳香族基は置換基を
有していてもよく、例えばハロゲン原子(例えばフッ
素、塩素、臭素等)、炭素数1〜8のアルキル基(例え
ばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オク
チル等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例えばメトキ
シ、エトキシ、プロピオキシ、ブトキシ等)が置換基の
例として挙げられる。
【0122】複素環基としては、例えばフラン環、チオ
フェン環、ピリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、テ
トラヒドロフラン環、ピロール環、テトラヒドロピラン
環、1,3−オキサゾリン環等が挙げられる。
【0123】以上のような重合性二重結合基含有部分
は、具体的には高分子鎖中にランダム結合されているか
又は高分子鎖の主鎖の片末端にのみ結合されている。好
ましくは、高分子鎖主鎖の片末端にのみ重合性二重結合
基含有部分が結合された重合体(以下、一官能性重合体
〔M〕と略記する)が挙げられる。
【0124】上記一官能性重合体〔M〕の一般式(1)
で示される重合性二重結合基含有部分と、これに連結す
る有機残基で構成される部分の具体例として各々次のも
のが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
但し、以下の各例において、P1 は−H、−CH3 −、
−CH2 COOCH3 、−Cl、−Br又は−CNを示
し、P2 は−H又は−CH3 を示し、Xは−Cl又は−
Brを示し、nは2〜12の整数を示し、mは1〜4の
整数を示す。
【0125】
【化32】
【0126】
【化33】
【0127】
【化34】
【0128】
【化35】
【0129】
【化36】
【0130】好ましくは本発明の分散安定用樹脂は重合
性二重結合基部分を高分子中の側鎖に含有するが、この
重合体の合成は従来公知の方法によって製造することが
できる。
【0131】例えば、(1)重合反応性の異なる重合性
二重結合基を分子化に2個含有した単量体を共重合させ
る方法、(2)分子中に、カルボキシル基、ヒドロキシ
ル基、アミノ基、エポキシ基等の反応性基を含有した一
官能性単量体を共重合させて高分子を得た後、この高分
子側鎖中の反応基と化学結合しうる他の反応性基を含有
した重合性二重結合基を含む有機低分子化合物との反応
を行う、いわゆる高分子反応によって導入する方法、等
が通常よく知られた方法として挙げられる。
【0132】上記(1)の方法として、例えば特開昭6
0−185962号公報に記載の方法等が挙げられる。
【0133】上記(2)の方法として、具体的には岩倉
義男、栗田恵輔「反応性高分子」講談社(1977年
刊)、小田良平「高分子ファインケミカル」講談社(1
976年刊行)、特開昭61−43757号公報、特願
平1−149305号として出願した明細書等に詳細に
記載されている。
【0134】例えば、下記表1のA群の官能基とB群の
官能基の組み合わせによる高分子反応が、通常よく知ら
れた方法として挙げられる。なお表1のR22,R23は炭
化水素基で、前出の式(2)のL1 におけるR3 〜R5
と同一の内容を表わす。
【0135】
【表1】
【0136】本発明の分散安定用樹脂として更に好まし
い、重合性二重結合基部分を主鎖の片末端に含有する一
官能性重合体〔M〕は、従来公知の合成方法によって製
造することができる。例えば、イ)アニオン重合あるい
はカチオン重合によって得られるリビングポリマーの末
端に種々の試薬を反応させて一官能性重合体〔M〕を得
る、イオン重合法による方法、ロ)分子中にカルボキシ
ル基、ヒドロキシル基、アミノ基等の反応性基を含有し
た重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、ラジカル
重合して得られる末端反応性基結合の重合体と種々の試
薬を反応させて一官能性重合体〔M〕を得るラジカル重
合法による方法、ハ)重付加あるいは重縮合反応により
得られた重合体に上記ラジカル重合法と同様にして、重
合性二重結合基を導入する重付加縮合法による方法等が
挙げられる。
【0137】具体的には、P.Dreyfuss &
R.P.Quirk, Encycl.Polym.S
ci.Eng.,,551(1987)、P.F.R
empp, E.Franta, Adv.Poly
m.Sci.,58,1(1984)、V.Perce
c, Appl.Poly.Sci.,285,95
(1984)、R.Asami,M.Takari,M
acromol.Chem.Suppl.,12,16
3(1985)、P.Rempp.,et al,Ma
cromol.Chem.Suppl.,,3(19
84)、川上雄資,化学工業,38,56(198
7)、山下雄也、高分子,31,988(1982)、
小林四郎,高分子,30,625(1981)、東村敏
延,日本接着協会誌,18,536(1982)、伊藤
浩一、高分子加工,35,262(1986)、東貴四
郎,津田隆,機能材料,1987,No.10,5等の
総説及びそれに引例の文献・特許等に記載の方法に従っ
て合成することができる。
【0138】以上の如き一官能性重合体〔M〕の合成方
法として更に具体的には、ラジカル重合性単量体に相当
する繰り返し単位を含有する重合体〔M〕は、特開平2
−67563号公報、特願昭63−64970、特願平
1−206989、同1−69011各号として出願の
明細書等に記載されており、又、ポリエステル構造又は
ポリエーテル構造を繰り返し単位として含有する重合体
〔M〕は、特願平1−56379、同1−58989、
同1−56380各号として出願の明細書等に各々記載
されている方法と同様にして得られる。
【0139】本発明の分散樹脂粒子は、以上説明した様
に、極性基含有の一官能性単量体(A)、ケイ素原子及
び/又はフッ素原子含有の一官能性単量体(B)を上記
分散安定用樹脂の存在下で分散重合させて得られる共重
合体樹脂粒子である。
【0140】更に、本発明の分散樹脂粒子が網目構造を
有する場合は、上記した極性基含有一官能性単量体
(A)及びフッ素原子及び/又はケイ素原子を含有の一
官能性単量体(B)を重合体成分〔重合体成分(A)と
略記する〕として成る重合体の重合体間が橋架けされて
おり、高次の網目構造を形成している。
【0141】すなわち、本発明の分散樹脂粒子は、重合
体成分(A)から構成される非水分散溶媒に不溶な部分
と、該溶媒に可溶とする重合体とで構成される、非水系
ラテックスであり、網目構造を有する場合は、この該溶
媒に不溶な部分を形成している重合体成分(A)の分子
間が橋架けされているものである。
【0142】これにより、網目樹脂粒子は水に対して難
溶性あるいは不溶性となったものである。具体的には、
該樹脂の水への溶解性は、80重量%以下好ましくは5
0重量%以下である。
【0143】架橋方法は、従来公知の架橋方法によって
行うことができる。即ち、(イ)該重合体成分(A)を
含有する重合体を種々の架橋剤あるいは硬化剤によって
架橋する方法、(ロ)該重合体成分(A)に相当する単
量体を少なくとも含有させて重合反応を行う際に、重合
性官能基を2個以上含有する多官能性単量体あるいは多
官能性オリゴマーを共存させることにより分子間に網目
構造を形成する方法、及び(ハ)該重合体成分(A)と
反応性基を含有する成分を含む重合体類とを重合反応あ
るいは高分子反応によって架橋させる方法等の方法によ
って行うことができる。
【0144】上記(イ)の方法の架橋剤としては、通常
架橋剤として用いられる化合物を挙げることができる。
具体的には、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブッ
ク」大成社刊(1981年)、高分子学会編「高分子デ
ータハンドブック基礎編」培風館(1986年)等に記
載されている化合物を用いることができる。
【0145】例えば、有機シラン系化合物(例えば、ビ
ニルトリメトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルトリエトキシシラン等のシラカップリング剤等)、
ポリイソシアナート系化合物(例えば、トルイレンジイ
ソシアナート、o−トルイレンジイソシアナート、ジフ
ェニルメタンジイソシアナート、トリフェニルメタント
リイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシア
ナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロン
ジイソシアナート、高分子ポリイソシアナート等)、ポ
リオール系化合物(例えば、1,4−ブタンジオール、
ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシアルキレ
ングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン
等)、ポリアミン系化合物(例えば、エチレンジアミ
ン、γ−ヒドロキシプロピル化エチレンジアミン、フェ
ニレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、N−アミノ
エチルピペラジン、変性脂肪族ポリアミン類等)、ポリ
エポキシ基含有化合物及びエポキシ樹脂(例えば、垣内
弘編著「新エポキシ樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋
本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業新聞社(1969
年刊)等に記載された化合物類)、メラミン樹脂(例え
ば、三輪一郎、松永英夫編著「ユリア・メラミン樹脂」
日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、ポリ(メタ)アクリレート系化合物(例えば、大
河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマー」講談社
(1976年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」
テクノシステム(1985年刊)等に記載された化合物
類が挙げられ、具体的には、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメ
チロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリト
ールポリアクリレート、ビスフェノールA−ジグリシジ
ルエーテルジアクリレート、オリゴエステルアクリレー
ト及びこれらのメタクリレート体等がある。
【0146】又、上記(ロ)の方法で共存させる重合性
官能基を2個以上含有する多官能性単量体〔多官能性単
量体(D)とも称する〕あるいは多官能性オリゴマーの
重合性官能基としては、具体的には
【0147】
【化37】
【0148】等を挙げることができる。これらの重合性
官能基の同一のものあるいは異なったものを2個以上有
した単量体あるいはオリゴマーであればよい。
【0149】重合性官能基を2個以上有した単量体の具
体例は、例えば同一の重合性官能基を有する単量体ある
いはオリゴマーとして、ジビニルベンゼン、トリビニル
ベンゼン等のスチレン誘導体:多価アルコール(例え
ば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ポリエチレングリコール#20
0、#400、#600、1,3−ブチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールな
ど)、又はポリヒドロキシフェノール(例えばヒドロキ
ノン、レゾルシン、カテコールおよびそれらの誘導体)
のメタクリル酸、アクリル酸又はクロトン酸のエステル
類、ビニルエーテル類又はアリルエーテル類:二塩基酸
(例えばマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、ピメリン酸、マレイン酸、フタル酸、イタコン酸
等)のビニルエステル類、アリルエステル類、ビニルア
ミド類又はアリルアミド類:ポリアミン(例えばエチレ
ンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブ
チレンジアミン等)とビニル基を含有するカルボン酸
(例えば、メタクリル酸、アクリル酸、クロトン酸、ア
リル酢酸等)との縮合体などが挙げられる。
【0150】又、異なる重合性官能基を有する単量体あ
るいはオリゴマーとしては、例えば、ビニル基を含有す
るカルボン酸(例えばメタクリル酸、アクリル酸、メタ
クリロイル酢酸、アクリロイル酢酸、メタクリロイルプ
ロピオン酸、アクリロイルプロピオン酸、イタコニロイ
ル酢酸、イタコニロイルプロピオン酸、カルボン酸無水
物等)とアルコール又はアミンの反応体(例えばアリル
オキシカルボニルプロピオン酸、アリルオキシカルボニ
ル酢酸、2−アリルオキシカルボニル安息香酸、アリル
アミノカルボニルプロピオン酸等)等のビニル基を含有
したエステル誘導体又はアミド誘導体(例えばメタクリ
ル酸ビニル、アクリル酸ビニル、イタコン酸ビニル、メ
タクリル酸アリル、アクリル酸アリル、イタコン酸アリ
ル、メタクリロイル酢酸ビニル、メタクリロイルプロピ
オン酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸アリル、メ
タクリル酸ビニルオキシカルボニルメチルエステル、ア
クリル酸ビニルオキシカルボニルメチルオキシカルボニ
ルエチレンエステル、N−アリルアクリルアミド、N−
アリルメタクリルアミド、N−アリルイタコン酸アミ
ド、メタクリロイルプロピオン酸アリルアミド等)又は
アミノアルコール類(例えばアミノエタノール、1−ア
ミノプロパノール、1−アミノブタノール、1−アミノ
ヘキサノール、2−アミノブタノール等)とビニル基を
含有したカルボン酸との縮合体などが挙げられる。
【0151】本発明に用いられる2個以上の重合性官能
基を有する単量体あるいはオリゴマーは、単量体(A)
及び(A)と共存する他の単量体との総量に対して10
モル%以下、好ましくは5モル%以下用いて重合し、樹
脂を形成する。
【0152】更には、上記(ハ)の方法の高分子間の反
応性基同士の反応により化学結合を形成し高分子間の橋
架けを行う場合には、通常の有機低分子化合物の反応と
同様に行うことができる。具体的には、分散安定用樹脂
の合成法において記載したと同様の方法に従って合成す
ることができる。
【0153】分散重合において、粒子の粒径が揃った単
分散性の粒子が得られること及び0.5μm以下の微小
粒子が得られ易いこと等から、網目構造形成の方法とし
ては、多官能性単量体を用いる(ロ)の方法が好まし
い。
【0154】以上の如く、本発明の網目分散樹脂粒子
は、極性基を含有する繰り返し単位と、フッ素原子及び
/又はケイ素原子含有置換基を有する繰り返し単位とを
含む重合体成分と、該非水溶媒に可溶性の重合体成分と
を含有し、且つ分子鎖間が高次に橋架けされた構造を有
する重合体の粒子である。
【0155】非水溶媒系分散樹脂粒子の製造に用いられ
る非水溶媒としては、沸点200℃以下の有機溶媒であ
ればいずれでもよく、それは単独であるいは2種以上を
混合して使用してもよい。
【0156】この有機溶媒の具体例は、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール、フッ化アルコー
ル、ベンジルアルコール等のアルコール類、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケト
ン等のケトン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エ
ステル類、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ト
リデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の炭素数
6〜14の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレ
ンクロリド、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、ク
ロロホルム、メチルクロロホルム、ジクロロプロパン、
トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げら
れる。ただし、以上述べた化合物例に限定されるもので
はない。
【0157】これらの非水溶媒系で分散樹脂粒子を分散
重合法で合成することにより、樹脂粒子の平均粒子径は
容易に1μm以下となり、しかも粒子径の分布が非常に
狭く且つ単分散の粒子とすることができる。
【0158】具体的には、K.E.J.Barrett
「Dispersion Polymerizati
on in Organic Media」John
Wiley(1975年)、村田耕一郎、高分子加工、
23、20(1974)、松本恒隆、丹下豊吉、日本接
着協会誌、183(1973)、丹下豊吉、日本接着
協会誌23、26(1987)、D.J. Walbr
idge、NATO.Adv.study.Inst.
Ser.E. No.67、40(1983)、英国特
許第893429、同934038各号明細書、米国特
許第1122397、同3900412、同46069
89各号明細書、特開昭60−179751、同60−
185963各号公報等にその方法が開示されている。
【0159】本発明の分散樹脂は、単量体(A)及び単
量体(B)と分散安定用樹脂の少なくとも各々1種以上
から成り、網目構造を形成する場合には必要に応じて多
官能性単量体(D)を共存させて成り、いずれにしても
重要な事は、これら単量体から合成された樹脂が該非水
溶媒に不溶であれば、所望の分散樹脂を得ることができ
る。より具体的には、不溶化する単量体(A)及び単量
体(B)に対して、分散安定用樹脂を1〜50重量%使
用することが好ましく、さらに好ましくは2〜30重量
%である。又該樹脂粒子の分子量は104 〜106 であ
り、好ましくは104 〜5×105 である。
【0160】以上の如き本発明で用いられる分散樹脂粒
子を製造するには、一般に、単量体(A)、単量体
(B)、分散安定用樹脂、更には、多官能性単量体
(D)とを非水溶媒中で過酸化ベンゾイル、アゾビスイ
ソブチロニトリル、ブチルリチウム等の重合開始剤の存
在下に加熱重合させればよい。具体的には、(イ)単量
体(A)、単量体(B)、分散安定用樹脂及び多官能性
単量体(D)の混合溶媒中に重合開始剤を添加する方
法、(ロ)非水溶媒中に、上記重合性化合物及び重合開
始剤の混合物を滴下又は任意に添加する方法等があり、
これらに限定されずいかなる方法を用いても製造するこ
とができる。
【0161】重合性化合物の総量は非水溶媒100重量
部に対して5〜80重量部程度であり、好ましくは10
〜50重量部である。
【0162】重合開始剤の量は、重合性化合物の総量の
0.1〜5重量%である。又、重合温度は30〜180
℃程度であり、好ましくは40〜120℃である。反応
時間は1〜15時間が好ましい。
【0163】以上の如くして本発明により製造された非
水系分散樹脂は、微細でかつ粒度分布が均一な粒子とな
る。
【0164】本発明の光導電層の結着樹脂としては、従
来公知の樹脂のいずれも用いることができる。例えば従
来技術の説明において引例した如き、アルキッド樹脂、
酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジ
エン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられ、具体的には栗田
隆治・石渡次郎、高分子、第17巻、第278頁(19
68年)、宮本晴視、武井秀彦、イメージング、197
(No.8)第9頁等の総説引例の公知材料等が挙げ
られる。
【0165】供される樹脂の分子量は、好ましくは10
3 〜106 、より好ましくは5×103 〜5×105
ある。又この樹脂のガラス転移点は好ましくは−10℃
〜120℃、より好ましくは0℃〜85℃である。
【0166】例えば、アルキッド樹脂、酢酸ビニル樹
脂、ポリエステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、ア
クリル樹脂等があげられ、具体的には、栗田隆治・石渡
次郎、高分子、第17巻、第278頁(1968年)、
宮本晴視、武井秀彦、イメージング、1973(No.
8)第9頁等の総説引例の公知材料等が挙げられる。
【0167】好ましくは、無機光導電体として光導電性
酸化亜鉛を用いる電子写真感光体において結着樹脂とし
て知られるメタクリレートを重合体成分として含有する
ランダム共重合体群がその1つとして挙げられる。例え
ば特公昭50−2242号、特公昭50−31011
号、特開昭50−98324号、特開昭50−9832
5号、特公昭54−13977号、特公昭59−350
13号、特開昭54−20735号、特開昭57−20
2544号等に記載の樹脂が挙げられる。
【0168】本発明に係わる光導電性酸化亜鉛として
は、この種の技術分野で従来公知のものを使用すればよ
く、いわゆる酸化亜鉛のみならず、酸化亜鉛を酸処理し
たもの、色素と前処理したもの、練り込み再度粉砕した
もの(いわゆるプレス処理)等のいずれでもよく特に限
定されるところはない。
【0169】本発明の平板印刷用原版は光導電性酸化亜
鉛100重量部に対して上記した結着樹脂を10〜10
0重量部なる割合、特に好ましくは15〜50重量部な
る割合で使用する。
【0170】本発明では、必要に応じて各種の色素を分
光増感剤として併用することができる。例えば、宮本晴
視、武井秀彦「イメージング」1973(No.8)第
12頁、C.J.Young等、RCA Review
15,469(1954年)、清田航平等、電気通信
学会論文誌 J63−C(No.2),97(1980
年)、原崎勇次等、工業化学雑誌66,78及び188
頁(1963年)、谷忠昭,日本写真学会誌35,20
8頁(1972年)等の総説引例のカーボニウム系色
素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色素、
キサンテン系色素、フタレイン系色素(例えばオキソノ
ール色素、メロシアニン色素、シアニン色素、ロダシア
ニン色素、スチリル色素等)、フタロシアニン色素(金
属を含有してもよい)等が挙げられる。
【0171】更に具体的には、カーボニウム系色素、ト
リフェニルメタン色素、キサンテン系色素、フタレイン
系色素を中心に用いたものとして、特公昭51−45
2、特開昭50−90334、同50−114227、
同53−39130、同53−82353各号公報、米
国特許第3,052,540、同第4,054,450
各号明細書、特開昭57−16456号公報等に記載の
ものが挙げられる。
【0172】オキソノール色素、メロシアニン色素、シ
アニン色素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素とし
ては、F.M.Harmmer「The Cyanin
eDyes and Related Compoun
ds」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的
には、米国特許第3,047,384,同第3,11
0,591、同第3,121,008、同第3,12
5,447、同第3,128,179、同第3,13
2,942、同第3,622,317各号明細書、英国
特許第1,226,892、同第1,309,274、
同1,405,898各号明細書、特公昭48−781
4、同55−18892各号公報等に記載の色素等が挙
げられる。
【0173】更に、700nm以上の長波長の近赤外〜
赤外光域を分光増感するポリメチン色素として、特開昭
47−840、同47−44180、特公昭51−41
061、特開昭49−5034、同49−45122、
同57−46245、同56−35141、同57−1
57254、同61−26044、同61−27551
各号公報、米国特許第3,619,154、同第4,1
75,956各号明細書、「Reserch Disc
losure」1982年,216,第117〜118
頁等に記載のものが挙げられる。
【0174】本発明の感光体は、種々の増感色素を併用
させてもその性能が増感色素により変動しにくい点にお
いて優れている。
【0175】更には、必要に応じて、化学増感剤等の従
来知られている電子写真感光層用の各種添加剤を併用す
ることもできる。例えば、前記した総説:イメージング
1973、第12頁等の総説引例の電子受容性化合物
(例えば、ハロゲン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無
水物、有機カルボン酸等)、小門宏等「最近の光導電材
料と感光体の開発・実用化」第4章〜第6章、日本科学
情報 (株)出版部(1986年)の総説引例のポリアリ
ールアルカン化合物、ヒンダートフェノール化合物、p
−フェニレンジアミン化合物等が挙げられる。
【0176】これら各種添加剤の添加量は、特に限定的
ではないが、通常光導電体100重量部に対して0.0
001〜2.0重量部である。
【0177】光導電層の厚さは1〜100μ、特には1
0〜50μが好適である。
【0178】また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感
光体の電荷発生層として光導電層を使用する場合は、電
荷発生層の厚さは0.01〜1μ、特には0.05〜
0.5μが好適である。
【0179】積層型感光体の電荷輸送材料としては、ポ
リビニルカルバゾール、オキサゾール系色素、ビラゾリ
ン系色素、トリフェニルメタン系色素等がある。電荷輸
送層の厚さとしては5〜40μ、特には10〜30μが
好適である。
【0180】電荷輸送層の形成に用いる樹脂として代表
的なものは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セ
ルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢
酸ビニル樹脂、塩ビ−酢ビ共重合体樹脂、ポリアクリル
樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、シリコン樹脂等の熱可塑性樹脂及び
硬化性樹脂が適宜用いられる。
【0181】本発明による光導電層は、従来公知の支持
体上に設けることができる。一般的には電子写真感光層
の支持体は導電性であることが好ましく、導電性支持体
としては、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラス
チックシート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなど
して導電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面
と反対面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る
等の目的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記
支持体の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体
の表面層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコー
ト層が設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プ
ラスチックを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
【0182】具体的に、導電性基体あるいは導電化材料
の例として、坂本幸男「電子写真」14(No.1),
p.2〜11(1975)、森賀弘之「入門特殊紙の化
学」高分子刊行会(1975)、M.F.Hoove
r,J.Macromol.Sci.Chem.A−4
(6),第1327〜1417頁(1970)等に記載
されているもの等を用いる。
【0183】本発明の電子写真式印刷用原版を用いた印
刷物の作成は、上記した構成から成る電子写真用原版に
常法により複写画像を形成後、非画像部を不感脂化処理
することで作成される。
【0184】本発明に供される不感脂化処理は、本発明
の樹脂粒子を、処理液を通すことで加水分解する方法、
レドックス反応で分解する方法あるいは光照射処理して
分解する法等によりカルボキシル基を生成する方法ある
いは、樹脂粒子の親水化処理と共に酸化亜鉛を不感脂化
処理液で不感脂化するという方法が挙げられる。
【0185】後者の場合は、(1)酸化亜鉛粒子と樹脂
粒子とを同時に不感脂化反応を行う、(2)酸化亜鉛粒
子を不感脂化後樹脂粒子を分解処理を行う、(3)樹脂
粒子を分解処理後酸化亜鉛粒子の不感脂反応を行う、等
のいずれの手順でも行うことができる。
【0186】酸化亜鉛の不感脂化方法としては、従来公
知の処理液のいずれをも用いることができる。例えば、
フェロシアン系化合物を不感脂化の主剤として用いた、
特開昭62−239158、同62−292492、同
63−99993、同63−9994、特公昭40−7
334、同45−33683、特開昭57−10788
9、特公昭46−21244、同44−9045、同4
7−32681、同55−9315、特開昭52−10
1102各号公報等が挙げられる。
【0187】しかし、該処理液の安全性の点から以下の
処理液が好ましい。
【0188】例えば、フィチン酸系化合物を主剤として
用いた特公昭43−28408、同45−24609、
特開昭51−103501、同54−10003号、同
53−83805、同53−83806、同53−12
7002、同54−44901、同56−2189、同
57−2796、同57−20394、同59−207
290各号公報に記載のもの、金属キレート形成可能な
水溶性ポリマーを主剤として用いた、特公昭38−96
65、同39−22263、同40−763、同43−
28404、同47−29642、特開昭52−126
302、同52−134501、同53−49506、
同53−59502、同53−104302各号公報等
に記載のもの、金属錯体系化合物を主剤として用いた、
特開昭53−104301、特公昭55−15313、
同54−41924各号公報等に記載のもの、あるいは
無機及び有機酸系化合物を主剤として用いた、特公昭3
9−13702、同40−10308、同46−261
24、特開昭51−118501、同56−11169
5各号公報等に記載されたもの等が挙げられる。
【0189】樹脂粒子の不感脂化方法即ち、保護された
カルボキシル基を分解する方法としては、保護されたカ
ルボキシル基の分解反応性により任意に選択される。そ
の1つとしてpH1〜6の酸性条件、pH8〜12のア
ルカリ性条件の水溶液で加水分解する方法が挙げられ
る。
【0190】これらのpHの調整は、公知の化合物によ
って、容易に調整することができる。あるいは、還元性
又は酸化性の水溶性化合物によるレドックス反応による
方法も可能であり、これらの化合物としては公知の化合
物を用いることができ、例えば包水ヒドラジン、亜硫酸
塩、リボ酸、ハイドロキノン類、ギ酸、チオ硫酸塩、過
酸化水素、過硫酸塩、キノン類、等が挙げられる。
【0191】該処理液は、反応促進あるいは処理液の保
存安定性を改良するために、他の化合物を含有してもよ
い。
【0192】例えば、水に可溶性の有機溶媒を水100
重量部中に1〜50重量部含有してもよい。このような
水に可溶性の有機溶媒としては、例えばアルコール類
(メタノール、エタノール、プロパノール、プロパギル
アルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコー
ル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、ア
セトフェノン等)、エーテル類(ジオキサン、トリオキ
サン、テトラヒドロフラン、エチレングリコール、プロ
ピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエー
テル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、テト
ラヒドロピラン等)、アミド類(ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等)、エステル類(酢酸メチ
ル、酢酸エチル、ギ酸エチル等)等が挙げられ、これら
は単独又は2種以上を混合して用いてもよい。
【0193】また、界面活性剤を水100重量部中に
0.1〜20重量部含有してもよい。界面活性剤として
は、従来公知のアニオン性、カチオン性あるいはノニオ
ン性の各界面活性剤が挙げられる。例えば、堀口博「新
界面活性剤」三共出版 (株)、(1975年刊)、小田
良平、寺村一広「界面活性剤の合成とその応用」槙書店
(1980年刊)等に記載される化合物を用いることが
できる。
【0194】本発明の範囲は、上記した具体的化合物例
に限定されるものではない。
【0195】処理の条件は温度15℃〜60℃で浸漬時
間は10秒〜5分間が好ましい。
【0196】更には、特定の官能基を光照射で分解する
方法としては、製版におけるトナー画像を得た後のいず
れかの間で「化学的活性光線」で光照射する行程を入れ
る様にすればよい。即ち、電子写真現像後、トナー画像
の定着時に定着を兼ねて光照射を行ってもよいし、或い
は従来公知の他の定着法、例えば加熱定着、圧力定着、
溶剤定着などにより定着した後、光照射を行うものであ
る。
【0197】本発明に用いられる「化学的活性光線」と
しては、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、
γ線、α線などいずれでもよいが、好ましくは紫外線が
挙げられる。より好ましくは波長310nmから波長5
00nmの範囲での光線を発しうるものが好ましく、一
般には高圧あるいは超高圧の水銀ランプ等が用いられ
る。光照射の処理は通常5cm〜50cmの距離から10秒
〜10分間の照射で充分に行うことができる。
【0198】
【作用】本発明の感光体は、光導電性酸化亜鉛を含有す
る光導電層を最上層に設けた感光体であり、且つ、該光
導電層の非画像部を不感脂化処理することで親水化し、
印刷用原版として用いる電子写真式製版システム用の原
版を提供するものである。
【0199】本発明の感光体において、分解により少な
くとも1つのカルボキシル基を生成する官能基を少なく
とも1種含有し、またその少なくとも一部分が架橋され
ている樹脂粒子は、光導電層中に該層のマトリックスで
ある結着樹脂とは別個にかつ粒子として分散しているこ
と及び該樹脂粒子は、フッ素原子及び/又はケイ素原子
を少なくとも含有する置換基をもつ重合体成分を結合し
て成ることを特徴とするものである。好ましくはフッ素
原子とケイ素原子は置換基中2ケ以上含有される。
【0200】平板印刷用原版としては、非画像部の表面
部分が充分に親水化されている事が重要であるのに対し
て、前記の分解反応により親水性基を生成する型の公知
の樹脂あいは樹脂粒子は、光導電層の全体に均一に分散
されたものである。従って、該公知の樹脂あるいは樹脂
粒子において表面を充分に親水化するためには表面部分
全体に且つ多くの存在割合で親水性基生成官能基が存在
して初めて印刷可能な親水化状態になる。
【0201】しかし、本発明感光体の表面部分では、供
される樹脂粒子がフッ素原子及び/又はケイ素原子を含
有する共重合成分を含有することから、表面層の表面部
分に濃縮して存在することができる。この事により、加
水分解反応、レドックス反応による分解反応あるいは光
分解反応等の不感脂化処理で親水基を発現した本発明の
粒子は表面部分に存在することにより有効に表面層の親
水性を発現すると同時に、粒子自身の保水性によりその
効果が向上し、更には架橋構造を有する粒子では吸水能
を有することから保水性がより高められる。
【0202】ここで、フッ素原子及び/又はケイ素原子
を含有する置換基を含む単量体(B)中において、フッ
素原子とケイ素原子の総数を好ましくは2ケ以上存在さ
せることにより該樹脂粒子の表面濃縮効果を充分に果た
しうるものであり、本発明の効果を奏しうるものであ
る。更に好ましくは、フッ素原子のみが含有する場合
は、その総数が4ケ以上、ケイ素原子が存在する場合は
ケイ素原子の総数が2ケ以上が有効となる。
【0203】又、本発明の樹脂粒子は、分散安定用樹脂
である重合体部分が不溶化している重合体部分と物理化
学的あるいは化学的に結合していることから、該光導電
層の結着樹脂と相互作用する。
【0204】更に、光及び/又は熱硬化性官能基を含有
する成分を分散安定用樹脂に含む場合には、それ自身及
び結合樹脂と化学結合すること等から不感脂化処理で親
水性に改質された樹脂粒子の該光導電層からの溶出が抑
制され、非画像部の保水性効果が充分に保持される。
【0205】以下に、本発明における分散安定用樹脂、
及び樹脂粒子の製造方法を記載する。
【0206】分散安定用樹脂の製造例1:〔P−1〕 ドデシルメタクリレート97g、グリシジルメタクリレ
ート3g及びトルエン200gの混合溶液を、窒素気流
下撹拌しながら、温度75℃に加温した。2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル(略称A.I.B.N.)
1.0gを加え4時間撹拌し、更にA.I.B.N.
0.5gを加え4時間撹拌した。次に、この反応混合物
にメタクリル酸5g、N,N−ジメチルドデシルアミン
1.0g、t−ブチルハイドロキノン0.5gを加え、
温度110℃にて、8時間撹拌した。冷却後、メタノー
ル2リットル中に再沈し、やや褐色気味の油状物を捕集
後、乾燥した。収量73gで重量平均分子量(Mw)
3.6×104 であった。
【0207】
【化38】
【0208】分散安定用樹脂の製造例2:〔P−2〕 2−エチルヘキシルメタクリレート100g、トルエン
150g及びイソプロパノール50gの混合溶液を、窒
素気流下撹拌しながら温度75℃に加温した。2,2’
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)(略称A.C.V.)
2g加え4時間反応させ、更にA.C.V.0.8gを
加えて4時間反応させた。冷却後、メタノール2リット
ル中に再沈し、油状物を捕集し乾燥した。
【0209】得られた油状物50g、2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート6g、テトラヒドロフラン150g
の混合物を溶解し、これにジシクロヘキシルカルボジイ
ミド(略称 DCC)8g、4−(N,N−ジメチルア
ミノ)ピリジン0.2g及び塩化メチレン20gの混合
溶液を温度25〜30℃で滴下し、更にそのまま4時間
攪拌した。次にこの反応混合物にギ酸5gを加え1時間
攪拌した。析出した不溶物を濾別した後、濾液をメタノ
ール1リットル中に再沈し、油状物を濾集した。更に、
この油状物をテトラヒドロフラン200gに溶解し、不
溶物を濾別後再びメタノール1リットル中に再沈し、油
状物を捕集し乾燥した。収量32gでMw 4.2×1
4 であった。
【0210】
【化39】
【0211】分散安定用樹脂の製造例3:〔P−3〕 ブチルメタクリレート96g、チオグリコール酸4g及
びトルエン200gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しな
がら、温度70℃に加温した。A.I.B.N.1.0
gを加え8時間反応させた。次にこの反応溶液にグリシ
ジルメタクリレート8g、N,N−ジメチルドデシルア
ミン1.0g及びt−ブチルハイドロキノン0.5gを
加え、温度100℃にて、12時間攪拌した。冷却後こ
の反応溶液をメタノール2リットル中に再沈し、油状物
を82g得た。重合体の重量数平均分子量は5,600
であった。
【0212】
【化40】
【0213】分散安定用樹脂の製造例4:〔P−4〕 n−ブチルメタクリレート100g,β−メルカプトプ
ロピオン酸4g及びトルエン200gの混合溶液を、窒
素気流下撹拌しながら温度70℃に加温した。これに
A.I.B.N.1gを加え6時間反応させた。
【0214】この反応混合物を冷却し、温度25℃に設
定した後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート10g
及びDCC 8g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピ
リジン0.2g及び塩化メチレン20gの混合溶液を温
度25〜30℃で滴下し、更にそのまま4時間攪拌し
た。次にこの反応混合物にギ酸5gを加え1時間攪拌し
た。析出した不溶物を濾別した後、濾液をメタノール1
リットル中に再沈し油状物を濾集した。更に、この油状
物をテトラヒドロフラン200gに溶解し、不溶物を濾
別後再びメタノール2リットル中に再沈し、油状物を捕
集し乾燥した。収量68gでMw 6.6×103 であ
った。
【0215】
【化41】
【0216】分散安定用樹脂の製造例5〜12:〔P−
5〜P−12〕 製造例4において、n−ブチルメタクリレート100g
の代わりに下記表に相当する単量体群に代えた他は、製
造例4と同様にして各樹脂を製造した。各樹脂のMwは
5.5×103 〜7×103 の範囲であった。
【0217】
【表2】
【0218】分散安定用樹脂の製造例13〜16:〔P
−13〜P−16〕 製造例4において、2−ヒドロキシメタクリレートの代
わりに下記表に相当する化合物を用いた他は、製造例4
と同様に操作して各樹脂を製造した。各樹脂のMwは6
×103 〜7×103 の範囲であった。
【0219】
【表3】
【0220】分散安定用樹脂の製造例17:〔P−1
7〕 ヘキシルメタクリレート80g、グリシジルメタクリレ
ート20g、2−メルカプトエタノール2g及びテトラ
ヒドロフラン300gの混合溶液を、窒素気流下撹拌し
ながら温度60℃に加温した。これに2,2’−アゾビ
ス(イソバレロニトリル)(略称:A.I.V.N.)
0.8gを加え4時間反応させ、更にA.I.V.N.
0.4gを加えて4時間反応させた。この反応物を温度
25℃に冷却した後、メタクリル酸4gを加え、撹拌下
にD.C.C:6g、4−(N,N−ジメチルアミノ)
ピリジン0.1g及び塩化メチレン15gの混合溶液を
1時間で滴下し、そのまま更に3時間撹拌した。次に、
水10gを加え、1時間撹拌し析出した不溶物を濾別
後、濾液をメタノール1リットル中に再沈し、油状物を
捕集した。更にこの油状物を、ベンゼン150gに溶解
し、不溶物を濾別後、再びメタノール1リットル中に再
沈し油状物を捕集し乾燥した。収量は56gでMw8×
103 であった。
【0221】
【化42】
【0222】分散安定用樹脂の製造例18〜22:〔P
−18〜P−22〕 製造例17に示した様な反応を行うことで、下記表の分
散安定用樹脂を各々合成した。各樹脂のMwは6×10
3 〜9×103 の範囲であった。
【0223】
【表4】
【0224】
【表5】
【0225】樹脂粒子の製造例1:〔L−1〕 上記分散安定用樹脂〔P−17〕10g及びn−オクタ
ン200gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら、温
度60℃に加温した。これに、下記単量体〔A−1〕4
7g、下記単量体〔B−1〕3g、エチレングリコール
ジメタクリレート5g、A.I.V.N.0.5g及び
n−オクタン240gの混合溶液を、2時間で滴下し、
そのまま2時間反応させた。更に、A.I.V.N.
0.5gを加え2時間反応させた。
【0226】冷却後、200メッシュのナイロン布を通
して白色分散物を得た。平均粒径0.18μmのラテッ
クスであった。(:CAPA−500(堀場製作所
(株)製で粒径測定)。
【0227】
【化43】
【0228】樹脂粒子の製造例2〜11:〔L−2〕〜
〔L−11〕 樹脂粒子の製造例1において、単量体〔A−1〕及び
〔B−1〕の代わりに下記表の各単量体に代えた他は、
製造例1と同様にして樹脂粒子を製造した。
【0229】各粒子の平均粒径は0.15〜0.30μ
mの範囲内であった。
【0230】
【表6】
【0231】
【表7】
【0232】
【表8】
【0233】樹脂粒子の製造例12:〔L−12〕 分散安定用樹脂AA−6〔東亜合成 (株)製マクロモノ
マー:メチルメタクリレートを繰り返し単位とするマク
ロモノマー:Mw1.5×104 〕7.5g及びメチル
エチルケトン133gの混合溶液を窒素気流下撹拌しな
がら60℃に加温した。これに、下記単量体〔A−1
2〕20g、下記単量体〔B−11〕5g、ジエチレン
グリコールジメタクリレート5g、A.I.V.N.
0.5g及びメチルエチルケトン150gの混合溶液を
1時間で滴下し、更にA.I.V.N.0.25gを加
えて2時間反応させた。
【0234】冷却後、200メッシュのナイロン布を通
して得られた分散物の平均粒径は0.25μmであっ
た。
【0235】
【化44】
【0236】樹脂粒子の製造例13:〔L−13〕 分散安定用樹脂〔P−20〕7.5g及びメチルエチル
ケトン230gの混合溶液を窒素気流下・撹拌しながら
60℃に加温した。これに、単量体〔A−12〕22
g,単量体〔B−7〕3g、アクリルアミド15g、
A.I.V.N 0.5g及びメチルエチルケトン20
0gの混合溶液を2時間で滴下し、更にそのまま1時間
反応させた。
【0237】更に、A.I.V.N.0.25gを加
え、2時間反応した後、冷却し、200メッシュナイロ
ンを通して得られた分散物の平均粒径は0.25μmで
あった。
【0238】樹脂粒子の製造例14:〔L−14〕 単量体〔A−12〕46g、単量体〔B−7〕4g、エ
チレングリコールジアクリレート2g、分散安定用樹脂
〔P−19〕8g及びジプロピルケトン230gを窒素
気流下温度60℃に加温したジプロピルケトン200g
の溶液中に攪拌しながら2時間で滴下した。そのまま1
時間反応後、更にA.I.V.N.0.3gを加え2時
間反応した。冷却後200メッシュナイロン布を通して
得られた分散物の平均粒径は0.20μmであった。
【0239】樹脂粒子の製造例15〜25:〔L−15
〜L−25〕 樹脂粒子の製造例14において、エチレングリコールジ
アクリレート2gに代えて、下記表の多官能性化合物を
各4g 用いた他は製造例14と同様にして樹脂粒子〔L
−15〕〜〔L−25〕を製造した。各粒子とも重合率
は95〜98%で平均粒径は0.15〜0.25μmで
あった。
【0240】
【表9】
【0241】樹脂粒子の製造例26〜31:〔L−26
〜L−31〕 樹脂粒子の製造例12において、分散安定用樹脂AA−
6の代わりに、下記表の各分散安定用樹脂を用いた他
は、製造例12と同様にして、各粒子を製造した。
【0242】各粒子の平均粒径は0.20〜0.25μ
mの範囲であった。
【0243】
【表10】
【0244】樹脂粒子の製造例32〜35:〔L−32
〜L−35〕 樹脂粒子の製造例13において、単量体〔A−12〕、
アクリルアミド及び反応溶媒:メチルエチルケトンの代
わりに下記表の各々の化合物を用いた他は、製造例13
と同様にして各粒子を製造した。
【0245】各粒子の平均粒径は0.15〜0.30μ
mの範囲であった。
【0246】
【表11】
【0247】
【表12】
【0248】
【実施例1】下記構造の結着樹脂〔B−1〕40g、樹
脂粒子〔L−1〕2.0g(固形分量として)光導電性
酸化亜鉛200g、ウラニン0.03g、ローズベンガ
ル0.06g、テトラブロムフェノールブル−0.02
g、無水マレイン酸0.20g及びトルエン300gの
混合物を、ホモジナイザー(日本精機 (株)製)中、回
転数1×104 rpmで5分間分散した。更に、これ
に、無水フタル酸0.01g及びフェノール0.001
gを加えて、回転数1×103 rpmで1分間分散し
た。この感光層形成用分散物を導電処理した紙に乾燥付
着量が20g/m2 となるようにワイヤーバーで塗布
し、100℃で30秒間乾燥し、更に120℃で1時間
加熱した。
【0249】ついで暗所で、20℃、65%RHの条件
下で、24時間放置することにより電子写真感光材料を
作製した。
【0250】
【化45】
【0251】
【比較例1】実施例1において、樹脂粒子〔L−1〕2
gの代わりに下記構造の比較用樹脂〔R−1〕2gを用
いた他は、実施例1と同様にして電子写真感光材料を作
製した。
【0252】
【化46】
【0253】
【比較例2】比較用樹脂粒子の製造:LR−1 樹脂粒子の製造例14において、単量体〔B−7〕4g
を除いた他は、製造例14と同様にして粒子を製造し
た。粒子の平均粒径は0.18μmであった。
【0254】比較用感光体の製造 実施例1において、樹脂粒子〔L−1〕2gの代わり
に、上記樹脂粒子〔LR−1〕2g(固形分量として)
を用いた他は、実施例1と同様に操作して感光体を作成
した。
【0255】これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑
度)、撮像性、光導電層の不感脂化性(不感脂化処理後
の光導電層の水との接触角で表わす)及び印刷性を調べ
た。印刷性は、全自動製版機ELP404V(富士写真
フイルム (株)製)に現像剤ELP−Tを用いて、露光
・現像処理して画像を形成し、不感脂化処理をして得ら
れた平板印刷板を用いて調べた。(なお印刷機にはハマ
ダスター (株)製ハマダスター800SX型を用い
た。)以上の結果をまとめて、下記表に示す。
【0256】
【表13】
【0257】表に記した評価項目の実施の態様は以下の
通りである。
【0258】注1)光導電層の平滑性:得られた感光材
料を、ベック平滑度試験機(熊谷理工 (株)製)を用
い、空気容量1ccの条件にて、その平滑度(sec/
cc)を測定した。
【0259】注2)撮像性:各感光材料及び全自動製版
機ELP404V(富士写真フイルム (株)製)を1昼
夜常温・常湿(20℃、65%)に放置した後、製版し
て複写画像を形成し、得られた複写原版の画像(カブ
リ、画像の画質)を目視で観察する(これをAとす
る)。複写画像の画質Bは、製版を高温・高湿(30
℃、80%)で行う他は、前記Aと同様の方法で試験す
る。
【0260】注3)保水性:各感光材料を不感脂化処理
液ELP−EX(富士写真フイルム (株)製)を用いて
エッチングプロセッサー中を1回通した後、下記処方の
不感脂化処理液:E−1中に、3分間浸漬した後水洗
し、これをオフセット印刷機(桜井製作所 (株)オリバ
ー52型)にかけ、湿し水として下記不感脂化処理液E
−1を50倍に希釈した溶液を用いて、印刷し、刷り出
しから50枚目の印刷物の地汚れの有無を目視で評価し
た。
【0261】 不感脂化処理液(E−1) ・モノエタノールアミン 65g ・ニューマールB4SN(日本乳化剤 (株)製) 20g ・ベンジルアルコール 80g を蒸留水で全量を1リットルとし水酸化カリウムでpH
10.5に調整した。
【0262】注4)耐刷性:各感光材料を、上記注2)
と同条件で製版して、トナー画像を形成し、上記注3)
と同条件で不感脂化処理し、これをオフセットマスター
として上記注3)と同条件で印刷し、印刷物の非画像部
の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じないで印刷でき
る枚数を示す(印刷枚数が多い程耐刷性が良好なことを
表わす)。
【0263】本発明の感光材料、比較例1及び比較例2
ともに、撮像性は良好であった。
【0264】次に、不感脂化処理したオフセットマスタ
ー原版として親水化の程度を調べてみると、本発明の原
版は親水化が充分なされ、保水性が良好で且つ製版後の
印刷物の地汚れ、画像部の画質も良好で5千枚の印刷が
可能であった。しかし、比較例1及び比較例2は保水性
が充分でなく、このことで印刷画質も、地汚れが顕著で
原版としては不適なものであった。
【0265】このことは、比較例1、及び比較例2で
は、表面層全体に親水基を発現する重合体成分を含む、
樹脂又は樹脂粒子が均一に分散されているため、少ない
使用量では、保水性を発揮することができず、本発明の
原版では単量体(B)を共重合した粒子とすることで、
表面層の表面層部分に充分に濃縮され有効な保水性を示
したと推定される。
【0266】以上のことより、本発明の原版のみが良好
な性能を示すことが確認された。
【0267】
【実施例2〜19】実施例1において分散樹脂粒子L−
1の代わりに、下記表の本発明の各樹脂粒子〔L〕を用
いた他は、実施例1と同様にして各感光材料を作製し
た。
【0268】撮像性及び印刷特性を実施例1と同様に操
作して評価した。
【0269】
【表14】
【0270】各感光材料とも、撮像性、印刷特性とも
に、実施例1とほぼ同等の特性を示し、良好な結果であ
った。
【0271】
【実施例20】各々、下記構造の結着樹脂〔B−2〕2
8g、結着樹脂〔B−3〕12g、光導電性酸化亜鉛2
00g、ウラニン0.03g、下記構造の色素〔A〕
0.05g、ブロムフェノールブルー0.025g、サ
リチル酸0.20g及びトルエン300gの混合物を、
ホモジナイザー中、回転数6×103r.p.m.で1
0分間分散した。この分散物に樹脂粒子〔L−13〕3
g(固形分量として)、3.3′,5,5′−ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸ジ無水物0.01g及びo−ク
ロロフェノール0.005gを加えて、回転数1×10
3 r.p.m.で1分間分散した。この感光層形成用分
散物を、導電処理した紙に乾燥付着量が25g/m2
なる様にワイヤーバーで塗布し100℃で30秒間乾燥
し、更に120℃で1時間加熱した。
【0272】ついで暗所で20℃、65%RHの条件下
で24時間放置することにより電子写真感光材料を作製
した。
【0273】
【化47】
【0274】この感光材料をELP−FX(富士写真フ
ィルム (株)製)を用いてエッチングプロセッサー中を
1回通した後、下記処方で調製した不感脂化処理液(E
−2)に3分間浸して不感脂化処理した。
【0275】 不感脂化処理液(E−2) ・ジエタノールアミン 52g ・ニューマールB4SN(日本乳化剤 (株)製) 10g ・メチルエチルケトン 80g これらを蒸留水に溶解し、水酸化ナトリウムでpH1
0.5に調整し、全量1.0リットルとした。
【0276】これに蒸留水2μリットルの水滴を乗せ、
形成された水との接触角をゴニオメーターで測定したと
ころ10°以下であった。尚、不感脂化処理前の接触角
は106°であり、明らかに、本感光材料の表面層が非
常に良好に親水化されたことを示す。
【0277】一方、この電子写真感光材料をELP−T
を現像剤として用いて全自動製版機ELP404V(富
士写真フィルム (株)製)で製版してトナー画像を形成
し、上記と同条件で不感脂化処理しこれをオフセットマ
スターとし、湿し水として上記E−2を水で50倍に希
釈した溶液を用いて、オフセット印刷機(桜井製作所
(株)製、52型)にかけ上質紙上に印刷した。
【0278】印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画
質に問題を生じないで印刷できる枚数は、5,000枚
であった。
【0279】更に、この感光材料を(45℃、75%R
H)の環境条件下に3週間放置した後全く同様の処理を
行ったが、経時前と全く変わらなかった。
【0280】
【実施例21〜32】実施例20において、樹脂粒子
〔L−13〕の代わりに、下記表の樹脂粒子を各々用い
た他は、実施例17と同様にして各感光材料を作製し
た。
【0281】
【表15】
【0282】各感光材料を実施例20と同様にして各特
性を調べた所、撮像性は良好であった。又、保水性も良
好で実際に製版後の原版での耐刷性でも5千枚以上の印
刷が可能であった。
【0283】
【実施例33】実施例1において、樹脂粒子(L−1〕
2gの代わりに樹脂粒子〔L−10〕2g(固形分量と
して)を用いた他は、実施例1と同様にして電子写真感
光材料を作製した。
【0284】次に、実施例1と同様にELP−Tの現像
剤を用いてELP−404Vで製版した。この版を、4
00Wの高圧水銀灯を光源として、10cmの距離から5
分間光照射した。
【0285】更に、ELP−EXを水で2倍に希釈した
不感脂化処理液を用いて、エッチングプロセッサーを1
回通した。この様に、不感脂化処理した印刷用原版の非
画像部は、水との接触角は10°以下と充分に親水化さ
れていた。更に、実施例1と同様にして印刷した所、
5,000枚目でも印刷物は、地汚れもなく鮮明な画質
のものが得られた。
【0286】
【実施例34〜37】実施例20において、樹脂〔B−
3〕の12gを10gとし、又、樹脂粒子〔L−13〕
3gの代わりに、下記表の各樹脂粒子〔L〕を5g(固
形分量として)とした他は、実施例20と同様にして各
電子写真感光材料を作製した。
【0287】
【表16】
【0288】これらを実施例1と同様に、全自動製版機
ELP404Vで、アイソパーH(エッソスタンダード
社)1リットル中に、ポリメチルメタクリレート粒子
(粒子サイズ0.3μm)5gをトナー粒子として分散
し、荷電調節剤として大豆油レシチン0.01gを添加
して作製した液体現像剤を用いて製版したところ、得ら
れたオフセット印刷用のマスター用原版の濃度は1.0
以上で画質は鮮明であった。
【0289】更に、下記処方で調製した不感脂化処理液
(E−3)中にこの製版後のマスター用原版を30秒間
浸した後水洗して、不感脂化処理をした。
【0290】不感脂化処理液(E−3) ・ホウ酸 55g ・ネオソープ(松本油脂 (株)製) 8g ・ベンジルアルコール 80g これらを蒸留水に溶解し、全量で1.0リットルとし、
更に水酸化ナトリウムでこの液がpH11.0となる様
に調製した。非画像部の蒸留水での接触角は10°以下
で充分に親水化されていた。
【0291】これらのオフセット印刷用原版を印刷機で
印刷したところ、5千枚印刷後の印刷物は、非画像部の
カブリがなく、画像も鮮明であった。
【0292】
【発明の効果】本発明の電子写真式平版印刷用原版は、
静電特性(特に暗電荷保持性及び光感度)に優れ、原画
に対して忠実な複写画像を再現し、且つオフセット原版
として全面一様な地汚れは勿論、点状の地汚れをも発生
させない、不感脂化性の優れた平版印刷用原版であり、
又、複写画像形成時の環境が低温・低湿あるいは高温・
高湿のように変動する場合でも、鮮明で良質な画像を有
するものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛と
    結着樹脂とを含有する光導電層を少なくとも1層設けて
    なる電子写真式平版印刷用原版において、前記光導電層
    中に、下記の非水溶媒系分散樹脂粒子を少なくとも1種
    含有すると共に、該非水溶媒系分散樹脂粒子が前記光導
    電層の表面部分に濃縮して存在することを特徴とする電
    子写真式平版印刷用原版。非水溶媒系分散樹脂粒子; 非水溶媒中において、分解により、少なくとも1つのカ
    ルボキシル基を生成する官能基を少なくとも1種含有す
    る一官能性単量体(A)と、ケイ素原子及び/又はフッ
    素原子を含有する置換基を含み且つ前記単量体(A)と
    共重合する一官能性単量体(B)とを、前記非水溶媒に
    可溶性の分散安定用樹脂の存在下に分散重合反応させる
    ことにより得られる共重合体樹脂粒子。
  2. 【請求項2】 上記非水溶媒系分散樹脂粒子が高次の網
    目構造を形成していることを特徴とする請求項1記載の
    電子写真式平版印刷用原版。
  3. 【請求項3】 上記分散安定用樹脂が、高分子鎖中に、
    下記一般式(1)で示される重合性二重結合基部分を少
    なくとも1種含有していることを特徴とする請求項1記
    載の電子写真式平版印刷用原版。 【化1】
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