JP2615250B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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JP2615250B2
JP2615250B2 JP17744990A JP17744990A JP2615250B2 JP 2615250 B2 JP2615250 B2 JP 2615250B2 JP 17744990 A JP17744990 A JP 17744990A JP 17744990 A JP17744990 A JP 17744990A JP 2615250 B2 JP2615250 B2 JP 2615250B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電子写真方式で製版される電子写真式平版
印刷用原版に関するものであり、特に、該平版印刷用原
版の光導電層形成用組成物の改良に関する。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕
現在ダイレクト製版用のオフセット原版には多種のも
のが提案され且つ実用化されているが、中でも、導電性
支持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子及び結着樹脂
を主成分とした光導電層を設けた感光体を通常の電子写
真工程を経て、感光体表面に親油性の高いトナー画像を
形成させ、続いて該表面をエッチ液と言われる不感脂化
液で処理し非画像部分を選択的に親水化することによっ
てオフセット原版を得る技術が広く用いられている。
良好な印刷物を得るには、先ずオフセット原版に、原
画が忠実に複写されると共に、感光体表面が不感脂化処
理液となじみ易く、非画像部が充分に親水化されると同
時に耐水性を有し、更に印刷においては画像を有する表
面導電層が離脱しないこと、及び湿し水とのなじみがよ
く、印刷枚数が多くなっても汚れが発生しないように充
分に非画像部の親水性が保持されること、等の性能を有
する必要がある。
これらの性能には、光導電層中の酸化亜鉛と結着樹脂
の比率が影響することは、既に知られており、例えば、
光導電層の酸化亜鉛粒子に対する結着樹脂の比率を小さ
くすれば、光導電層表面の不感脂化性が向上し、地汚れ
は少なくなるが、他方で光導電層自体の内部凝集力が低
下し、機械的強度不足による耐刷力の低下が生じる。逆
に、結着樹脂の比率を大きくすると、耐刷力は向上する
が、地汚れが増大する。特に地汚れは、光導電層表面の
不感脂化性の良否に関係する現象であることは言うまで
もないが、光導電層表面の不感脂化性は、光導電層中の
酸化亜鉛と結着樹脂の比率のみによって左右されるもの
ではなく、結着樹脂の種類によっても、大きく左右され
ることが明らかになってきている。
特に、オフセット原版としては、前記のように不感脂
化性不充分による地汚れ発生が大きな問題であり、これ
改良するために、不感脂化性を向上させる酸化亜鉛結着
用樹脂の開発が種々検討されてきている。例えば、特公
昭50−31011号公報では、フマル酸存在下で(メタ)ア
クリレート系モノマーと他のモノマーとを共重合させ
た、重量平均分子量(w)1.8〜10×104で、ガラス転
移点(Tg)が10〜80℃の樹脂と、(メタ)アクリレート
系モノマーとフマル酸以外の他のモノマーとから成る共
重合体とを併用したもの、又特開昭53−54027号公報で
は、カルボン酸基をエステル結合から少なくとも原子数
7個離れて有する置換基をもつ(メタ)アクリル酸エス
テルを含む3元共重合体を用いるもの、又特開昭54−20
735、同57−202544各号公報では、アクリル酸及びヒド
ロキシエチル(メタ)アクリルレートを含む4元又は5
元共重合体を用いるもの、又特開昭58−68046号公報で
は、炭素数6〜12のアルキル基を置換基とする(メタ)
アクリル酸エステル及びカルボン酸含有のビニルモノマ
ーを含む3元共重合体を用いるもの等が光導電層の不感
脂化性の向上に効果があると記載されている。
しかし、上記した不感脂化性向上に効果があるとされ
る樹脂であっても、現実に評価してみると、地汚れ、耐
刷力において未だ満足できるものではなかった。
更に特開平1−232356、同1−261657各号公報では、
光導電層に親水性基を含有する樹脂粒子を添加すること
で保水性の向上に効果があると記載されている。
これら、光導電性組成物を改良することで明らかに保
水性は、著しく向上することが確認された。しかし、平
版印刷用原版として更に詳細に評価してみると、環境変
動(高温・高湿あるいは低温・低湿)時に、電子写真特
性(特に暗中電荷保持性、光感度等)が変動し、安定し
た良好な複写画像が得られなくなる場合が生じた。これ
により、結果として、これを印刷用原版として用いた印
刷物の印刷画像の劣化あるいは、地汚れ防止効果の減少
となってしまった。
また、デジタルダイレクト平版印刷用原板としての電
子写真式平版印刷用原版において、半導体レーザー光を
用いたスキャニング露光方式を採用した場合、可視光に
よる全面同時露光方式に比べ時間が長くなり、また露光
強度も制約があることから、静電特性、特に暗電荷保持
特性、光感度に対して、より高い性能が要求される。
これに対し、上記公知の原版では電子写真特性が劣化
し、実際の複写画像も地カブリが発生し易くなり、且つ
細線の飛びや文字のツブレが生じてしまい、結果とし
て、平版印刷用原版として印刷すると、印刷物の画質は
低下してしまい、結着樹脂の非画像部分の親水性向上に
よる地汚れ防止の効果がなくなってしまった。
本発明は、以上のような従来の電子写真式平版印刷用
原版の有する問題点を改良するものである。
すなわち、本発明の目的の1は、静電特性(特に暗電
荷保持性及び光感度)に優れ、原画に対して忠実な複写
画像を再現し、且つオフセット原版として全面一様な地
汚れは勿論、点状の地汚れをも発生させない、不感脂化
性の優れた平版印刷用原版を提供することである。
本発明の目的の2は、複写画像形成時の環境が低温低
湿あるいは高温高湿のように変動する場合でも、鮮明で
良質な画像を有する平版印刷用原版を提供することであ
る。
本発明の目的の3は、併用し得る増感色素の種類によ
る影響を受け難く、半導体レーザー光によるスキャニン
グ露光方式でも静電特性の優れた平版印刷用原版を提供
することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記目的は、導電性支持体上に、光導電性酸
化亜鉛と結着樹脂とを含有してなる光導電層を少なくと
も1層設けてなる電子写真式平版印刷用原版において、
該光導電層中に前記光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子径
と同じかそれより小さい粒子径を有する下記の非水溶媒
系分散樹脂粒子を少なくとも1種含有することを特徴と
する電子写真式平版印刷用原版によって達成する。
非水溶媒系分散樹脂粒子: 非水溶媒中において、該非水溶媒には可溶であるが重
合することにより不溶化する、カルボキシル基、スルホ
基、スルフィノ基、ホスホノ基、 〔R0は炭化水素基又は−OR10(R10は炭化水素基を表
す)を表す〕、ヒドロキシル基、ホルミル基、アミド
基、シアノ基、アミノ基、環状酸無水物含有基及び窒素
原子含有の複素環基から選ばれる少なくとも1種の極性
基を含有してなる一官能性単量体(A)と、ケイ素原子
及び/又はフッ素原子を含有する置換基を含む繰り返し
単位を少なくとも含んでなる重合体の主鎖の一方の末端
にのみ下記一般式(I)で示される重合性二重結合基を
結合してなる一官能性重合体〔M〕とを重合反応させる
ことにより得られる共重合体樹脂粒子。
一般式(I) 〔一般式(I)において、V0は−O−、−COO−、−OCO
−、−CH2OCO−、−CH2COO−、−SO2−、 −CONHCOO−、又は−CONHCONH−を表わし(但し、R1
水素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を表わす)、
a1,a2は、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、
ハロゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−R2又は
炭化水素基を介した−COO−R2(R2は水素原子又は置換
されてもよい炭化水素基を表わす)を表わす〕 更に、本発明においては上記分散樹脂粒子が高次の網
目構造を形成しているものであってもよい。
〔作用〕
本発明において、非水溶媒系分散粒子は(以下樹脂粒
子と略記する場合もある)前記特定の極性基を少なくと
も1種含有し重合後には該非水溶媒には不溶となる重合
体成分と、フッ素原子及び/又はケイ素原子を少なくと
も置換基として含有する繰り返し単位を含み重合後にも
該非水溶媒に可溶性となる重合体成分とが化学結合した
ことを特徴とするものである。
公知の親水性樹脂粒子が光導電層中に分散し存在する
のとは異なり、本発明の非水溶媒系分散樹脂粒子は光導
電層中に分散されているが、著しく親油性の大きなフッ
素原子及び/又はケイ素原子を含有する重合体成分の働
きにより、空気界面(親油性が高い)である光導電層の
表面部分に濃縮して存在する様になること、及びその平
均粒子径が光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子径と同じ
か、それよりも小さく且つ粒子径の分布が狭く粒子径が
そろっていることをも特徴とするものである。
そして本発明の樹脂粒子は、上記した平均粒子径を有
し、且つ該樹脂粒子を任意の可溶性溶媒に溶解したもの
を塗布して形成した該樹脂のフイルムが、蒸留水に対す
る接触角(ゴニオメーターにて測定)50度以下の値、好
ましくは30度以下の値を示す親水性のものである。
光導電性酸化亜鉛と結着樹脂とを少なくとも含有する
光導電層の非画像部を不感脂化液で処理することにより
表面を親水化して平版印刷原版とする方式の印刷用原版
において、本発明の樹脂粒子は上記のように表面部分に
濃縮して存在することから、少量(公知の親水性樹脂粒
子の技術に比べ50%〜10%の使用量)を分散させるだけ
で非画像部の保水性が飛躍的に向上するものである。更
に、光導電層中での存在量が微量で済むことから、電子
写真特性を全く阻害することもなく、且つ高温・高湿あ
るいは低温・低湿という過酷条件下でも良好な性能を安
定に維持できる様になった。
一方本発明の樹脂粒子において、酸化亜鉛粒子径より
も大きな粒径の該樹脂粒子が存在すると、電子写真特性
が劣化してくる(特に均一な帯電性が得られなくなる)
結果として、複写画像において画像部の濃度ムラ、文字
・細線の切れ、飛び、あるいは非画像部の地カブリ等が
発生してしまう。
具体的には、本発明の樹脂粒子は最大粒子の粒子径が
5μm以下であり、好ましくは1μm以下である。そし
て、粒子の平均粒子径は1.0μm以下であり、好ましく
は0.5μm以下である。
なお、樹脂粒子は、粒子径が小さい程比表面積が大き
くなり、上記の電子写真特性上良好な作用をもたらし、
コロイド粒子(0.01μm以下)程度でも充分であるが、
余り小さくなり過ぎると分子分散の場合と類似してしま
い、保水力向上への粒子であることの効果が薄れてくる
ため、0.001μm以上で用いるのが好ましい。
また、本発明において樹脂粒子は疎水性の重合体成分
を結合したものであり、この疎水性部分が光導電層の結
着樹脂と相互作用していることから、この部分のアンカ
ー効果によって印刷時の湿し水で溶出することはなく、
かなり多数枚の印刷を行っても良好な印刷特性を維持す
ることができる。
更に、本発明において、高次の網目構造を形成してい
る樹脂粒子であれば更に水での溶出性が抑えられ、他方
水膨潤性が発現し、更に保水性が良好となる。
本発明において、上記のような高次の網目構造を形成
していない樹脂粒子又は高次の網目構造を形成している
樹脂粒子(以下、単に網目樹脂粒子)は、光導電性酸化
亜鉛100重量部に対して0.01〜5重量%の使用量で用い
ることが好ましい。樹脂粒子又は網目樹脂粒子が0.01重
量%より少ないと非画像部の親水性が充分とならず、逆
に5重量%より多いと非画像部の親水性の向上は更に図
られるが、厳しい条件下での電子写真特性が劣化し、複
写画像が悪化してしまう。
以下に本発明で用いられる非水溶媒系分散樹脂粒子に
ついて更に詳細に説明する。本発明の樹脂粒子は、いわ
ゆる非水系分散重合によって製造されたものである。
まず、非水溶媒には可溶であるが重合することによっ
て不溶化する一官能性単量体(A)について説明する
と、該単量体(A)は、その分子構造中に、−CO2H、−
SO3H、−PO3H2、−SO2H、−OH、−CN、−CHO、−CON
H2、−SO2NH2環状酸無水物基、窒素原子含有の複素環基から選ばれた
極性基を少なくとも1個含有するものである。
上記極性基において、−R0は、炭素数1〜6の置換さ
れてもよい炭化水素基(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−ブロ
ムエチル基、2−フロロエチル基、3−クロロプロピル
基、3−メトキシプロピル基、2−メトキシブチル基、
ベンジル基、フェニル基、プロペニル基、メトキシメチ
ル基、エトキシメチル基、2−メトキシエチル基等)又
は−R10基(R10はR0の炭化水素基と同一の内容を表わ
す)。
R11及びR12は各々同じでも異なってもよく、水素原子
又は炭素数1〜6の置換されてもよい炭化水素基(具体
的には、R0と同一の内容の炭化水素基を表わす)を表わ
す。但し、R11及びR12の炭素数の総和は8以内のものを
表わす。より好ましくはR11及びR12の炭素数の総和は4
以内のものを表わす。
また、環状酸無水物含有基とは、少なくとも1つの環
状酸無水物を含有する基であり、含有される環状酸無水
物としては、脂肪族ジカルボン酸無水物、芳香族ジカル
ボン酸無水物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸無水物の例としては、コハク酸無
水物環、グルタコン酸無水物環、マレイン酸無水物環、
シクロペンタン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロ
ヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物環、シクロヘキセ
ン−1,2−ジカルボン酸無水物環、2,3−ビシクロ〔2,2,
2〕オクタンジカルボン酸無水物環等が挙げられ、これ
らの環は、例えば塩素原子、臭素原子等のハロゲン原
子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基等のア
ルカリ基等が置換されていてもよい。
また、芳香族ジカルボン酸無水物の例としては、フタ
ル酸無水物環、ナフタレン−ジカルボン酸無水物環、ピ
リジン−ジカルボン酸無水物環、チオフェン−ジカルボ
ン酸無水物環等が挙げられ、これらの環は、例えば、塩
素原子、臭素原子等のハロゲン原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、ヒドロキシ
ル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシカルボニル基
(アルコキシ基として、例えば、メトキシ基、エトキシ
基等)等が置換されていてもよい。
又、上記の窒素原子を少なくとも1個含有する複素環
としては、好ましくは4員〜6員環形成の複素環が挙げ
られ、例えば、ピリジン環、ピペリジン環、ピロール
環、イミダゾール環、ピラジン環、ピロリジン環、ピロ
リン環、イミダゾリン環、ピラゾリジン環、ピペラジン
環、モルホリン酸、ピロリドン環等が挙げられる。これ
らの複素環は置換基を含有してもよく、置換基として
は、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭
素原子等)、炭素数1〜8の置換されてもよい炭化水素
基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル基、2−ヒ
ドロキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシ
エチル基、2−エトキシエチル基、2−ブトキシエチル
基、2−カルボキシエチル基、カルボキシメチル基、3
−スルホプロピル基、4−スルホブチル基、2−メトキ
シカルボニルエチル基、2−エトキシカルボニルエチル
基、2−メタンスルホニルエチル基、ベンジル基、カル
ボキシベンジル基、カルボキシメチルベンジル基、フェ
ニル、カルボキシフェニル基、スルホフェニル基、メタ
ンスルホニルフェニル基、エタンスルホニルフェニル
基、カルボキシメチルフェニル基、メトキシフェニル
基、クロロフェニル基等)、−OR13(R13は、上記炭素
数1〜8の置換されてもよい炭化水素基と同一の内容を
表わす)又は−COOR14基(R14はR13と同一の内容を表わ
す)等が挙げられる。
又、上記−COOH基、−SO2H基、SO3H基、−PO3H2基、 は各々、アルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウ
ム、カリウム等)、アルカリ土類金属(例えば、カルシ
ウム、マグネシウム等)、亜鉛、アルミニウム等の金属
塩又は有機塩基(例えば、トリエチルアミン、ピリジ
ン、モルホリン、ピペラジン等)との塩を形成していて
もよい。
本発明の樹脂粒子の主要成分を構成する単量体(A)
は以上の如き極性基の少なくとも1種を含有するもので
且つ、重合性二重接合基を1個分子中に有するものであ
ればいずれでもよい。更に具体的に該単量体(A)の例
を一般式(II)で示す。
一般式(II) 式中、X1は、直接結合もしくは−COO−,−OCO−,−
O−,−SO2−, −CONHCOO−,−CONHCONH−, を表わす。
R15は各々水素原子又は炭素数1〜7の置換されても
よい炭化水素基(好ましくは、例えば、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2
−ヒドロキシエチル基、3−ブロム−2−ヒドロキシプ
ロピル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプ
ロピル基、4−カルボキシブチル基、3−スルホプロピ
ル基、ベンジル基、スルホベンジル基、メトキシベンジ
ル基、カルボキシベンジル基、フェニル基、スルホフェ
ニル基、カルボキシフェニル基、ヒドロキシフェニル
基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、
2−メタンスルホニルエチル基、2−シアノエチル基、
N,N(ジクロロエチル)アミノベンジル基、N,N(ジヒド
ロキシエチル)アミノベンジル基、クロロベンジル基、
メチルベンジル基、N,N(ジヒドロキシエチル)アミノ
フェニル基、メタンスルホニルフェニル基、シアノフェ
ニル基、ジシアノフェニル基、アセチルフェニル基等)
を表わし、 R16,R17は同一でも異なってもよく、水素原子、ハロ
ゲン原子(好ましくは、例えばフッ素原子、塩素原子、
臭素原子等)又は炭素数1〜4の脂肪族基(好ましく
は、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基
等)を表わし、iは1〜6の整数を表わす。〕 Wは前記した単量体(A)の極性基を表わす。
L1は、 −COO−,−OCO−,−O−,−S−,−SO2−, −NHCOO−, −NHCONH−又は から選択される連結基又はこれらの連結基の組合せによ
って形成される結合基を表わす。
〔ここで、11〜14は各々同じでも異なってもよく、水素
原子、ハロゲン原子(好ましくは、例えば、フッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜7の炭化水
素基(好ましくは、例えば、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、2−クロロエチル基、2−メトキシ
エチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、ベンジル
基、メトキシベンジル基、フェニル基、メトキシフェニ
ル基、メトキシカルボニルフェニル基等)又は式(II)
の−〔L1−W〕基を表わし、15〜19は上記のR15の内容
と同一のものを表わす。〕 b1,b2は同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハ
ロゲン原子(好ましくは、例えば、フッ素原子、塩素原
子、臭素原子等)、−COOH基、−COOR18基、−CH2COOR
18基(R18は炭素数1〜7の炭化水素基を表わし、具体
的には、前記R15の炭化水素基と同様の内容が挙げられ
る)又は炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)を
表わす。
以下に、更に具体的に上記の単量体(A)を例示する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
(a−47) CH2=CH−CH2OCO(CH2 nCOOH n:1〜3の整数 以上の様な極性基含有の単量体(A)とともに、共重
合し得る他の単量体を重合体成分として含有してもよ
い。他の単量体の例としては例えば、α−オレフィン
類、アルカン酸ビニル又はアリルエステル類、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、ビニルエーテル類、ア
クリルアミド類、メタクリルアミド類、ステレン類、複
素環ビニル類〔例えば窒素原子以外の非金属原子(酸素
原子、イオウ原子等)を1〜3個含有する5員〜7員環
の複素環であり、具体的な化合物として、ビニルチオフ
ェン、ビニルジオキサン、ビニルフラン等〕等が挙げら
れる。好ましい例としては、例えば、炭素数1〜3のア
ルカン酸ビニル又はアリルエステル類、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、スチレン及びスチレン誘導体
(例えばビニルトルエン、ブチルスチレン、メトキシス
チレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモス
チレン、エトキシスチレン等)等が挙げられる。しか
し、これらに限定されるものではない。
該樹脂中の重合成分として、単量体(A)の存在割合
は、30重量%以上好ましくは50重量%以上であり、特に
好ましくは、該樹脂は単量体(A)と一官能性重合体
〔M〕のみで構成されているものである。
次に一官能性重合体〔M〕について説明する。このケ
イ素原子及び/又はフッ素原子を含有する置換基を含む
繰り返し単位を少なくとも含んでなり重合体主鎖の一方
の末端にのみ一般式(I)で示される重合性二重結合基
を結合して成ることを特徴とする重合体は、単量体
(A)と共重合し且つ、該非水溶媒と溶媒和し可溶性で
あることが重要であり、いわゆる非水系分散重合におけ
る分散安定用樹脂の働きをするものである。
本発明の一官能性重合体〔M〕は、該非水溶媒に可溶
性であり、具体的には該溶媒100重量部に対し、温度25
℃において少なくとも5重量%溶解するものであればよ
い。
又該重合体〔M〕の重量平均分子量は1×103〜1×1
05であり好ましくは2×103〜5×104、特に好ましくは
3×103〜2×104である。
重合体〔M〕の重合平均分子量が1×103未満になる
と、生成した分散樹脂粒子の凝集が発生し、平均粒径が
揃った微粒子が得られなくなってしまう。
一方1×105を越えると、光導電層中に添加した時に
電子写真特性を満足しつつ保水性向上するという本発明
の効果が薄れてしまう。
一官能性重合体〔M〕において、重合体主鎖の片末端
にのみ結合する一般式(I)で表わされる重合性二重結
合基成分について以下に説明する。
一般式(I) 一般式(I)において、V0は−O−、−COO−、−OCO
−、−CH2OCO−、−CH2COO−、−SO2−、 を表わす。
ここでR1は水素原子のほか、好ましい炭化水素基とし
ては、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘ
プチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシ
ル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、2−クロロエ
チル基、2−ブロモエチル基、2−シアノエチル基、2
−メトキシカルボニルエチル基、2−メトキシエチル
基、3−ブロモプロピル基等)、炭素数4〜18の置換さ
れてもよいアルケニル基(例えば2−メチル−1−プロ
ペニル基、2−ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メ
チル−2−ペンテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキ
セニル基、2−ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセ
ニル基、等)、炭素数7〜12の置換されていてもよいア
ラルキル基(例えば、ベンジル基、フェネチル基、3−
フェニルプロピル基、ナフチルメチル基、2−ナフチル
エチル基、クロロベンジル基、ブロモベンジル基、メチ
ルベンジル基、エチルベンジル基、メトキシベンジル
基、ジメチルベンジル基、ジメトキシベンジル基等)、
炭素数5〜8の置換されていてもよい脂環式基(例え
ば、シクロヘキシル基、2−シクロヘキシルエチル基、
2−シクロペンチルエチル基、等)、又は、炭素数6〜
12の置換されていてもよい芳香族基(例えばフェニル
基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、プロピルフェ
ニル基、ブチルフェニル基、オクチルフェニル基、ドデ
シルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニ
ル基、ブトキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、
クロロフェニル基、ジクロロフェニル基、ブロモフェニ
ル基、シアノフェニル基、アセチルフェニル基、メトキ
シカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル
基、ブトキシカルボニルフェニル基、アセトアミドフェ
ニル基、プロピオアミドフェニル基、ドデシロイルアミ
ドフェニル基等)があげられる。
V0を表わす場合、ベンゼン環は、置換基を有してもよい。
置換基としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素
原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、クロロメチル基、メトキシメチ
ル基、等)、アルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキ
シ基、プロピオキシ基、ブトキシ基等)等が挙げられ
る。
a1及びa2は、互いに同じでも異なっていてもよく、好
ましくは水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭
素原子等)、シアノ基、炭素数1〜4のアルキル基(例
えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)
−COO−R2又は炭化水素を介したCOOR2(R2は、水素原子
又は炭素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、アラル
キル基、脂環式基又はアリール基を表わし、これらは置
換されていてもよく、具体的には、上記R1について説明
したものと同様の内容を表わす)を表わす。
上記炭化水素を介した−COO−R2基における炭化水素
としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が
挙げられる。
更に好ましくは、一般式(I)において、V0は、−CO
O−、−OCO−、−CH2OCO−、−CH2COO−、−O−、−CO
NH−、−SO2NH−、又は を表わし、a1,a2は互いに同じでも異なっても良く、水
素原子、メチル基、−COOR2又は−CH2COOR2を表し、(R
2は、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基等を表わす)を表わす。更により好ましくはa1,a2
おいていずれか一方が必ず水素原子を表わす。
即ち、一般式(I)で表わされる重合性二重結合基と
して、具体的には 等が挙げられる。
次に一官能性重合体〔M〕における、フッ素原子及び
/又はケイ素原子を含有した置換基を有する繰り返し単
位について説明する。
繰り返し単位の化学構造としては、ラジカル付加重合
性単量体から得られるもの、ポリエステル構造から成る
ものあるいはポリエーテル構造から成るもの等が挙げら
れ、これら重合体構造の繰り返し単位中に側鎖に、フッ
素原子及び/又はケイ素原子が含有されるものであれば
いずれでもよい。
フッ素原子含有の置換基としては、例えば−ChF2h+1
(hは1〜12の整数を表わす)、−(CF2jCF2H(jは
1〜11の整数を表わす)、 (lは1〜6の整数を表わす)等が挙げられる。
ケイ素原子含有の置換基としては例えば、 (kは1〜20の整数を表わす)、ポリシロキサン構造等
が挙げられる。
但し、R3,R4,R5は、同じでも異なってもよく、置換さ
れていてもよい炭化水素基又は−OR9基(R9は、R3の炭
化水素基と同一の内容を表わす)を表わす。
R3は、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、
ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ヘキ
サデシル基、2−クロロエチル基、2−ブロモエチル
基、2,2,2−トリフロロエチル基、2−シアノエチル
基、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−メトキシエチ
ル基、3−ブロモプロピル基、2−メトキシカルボニル
エチル基、2,2,2,2′,2′,2′−ヘキサフロロイソプロ
ピル基、等)、炭素数4〜18の置換されてもよいアルケ
ニル基(例えば、2−メチル−1−プロペニル基、2−
ブテニル基、2−ペンテニル基、3−メチル−2−ペン
テニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−
ヘキセニル基、4−メチル−2−ヘキセニル基等)、炭
素数7〜12の置換されていてもよいアラルキル基(例え
ば、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル
基、ナフチルメチル基、2−ナフチルエチル基、クロロ
ベンジル基、ブロモベンジル基、メチルベンジル基、エ
チルベンジル基、メトキシベンジル基、ジメチルベンジ
ル基、ジメトキシベンジル基等)、炭素数5〜8の置換
されていてもよい脂環式基(例えば、シクロヘキシル
基、2−シクロヘキシル基、2−シクロペンチルエチル
基等)又は炭素数6〜12の置換されていてもよい芳香族
基(例えば、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシ
リル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、オク
チルフェニル基、ドデシルフェニル基、メトキシフェニ
ル基、エトキシフェニル基、ブトキシフェニル基、デシ
ルオキシフェニル基、クロロフェニル基、ジクロロフェ
ニル基、ブロモフェニル基、シアノフェニル基、アセチ
ルフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキ
シカルボニルフェニル基、ブトキシカルボニルフェニル
基、アセトアミドフェニル基、プロピオアミドフェニル
基、ドデシロイルアミドフェニル基等)があげられる。
−OR9基において、R9は、上記R3の炭化水素基と同一
の内容を表わす。
R6,R7,R8は同じでも異なってもよく、R3,R4,R5と同一
の記号の内容を表わす。
次に、以上の様なフッ素原子及び/又はケイ素原子を
含有した置換基を有する繰り返し単位の具体例を以下に
示す。しかし、本発明の範囲がこれらに限定されるもの
ではない。
本発明の一官能性重合体〔M〕は前記した一般式
(I)で示される重合性二重結合基と、フッ素原子及び
/又はケイ素原子を含有する置換基を有する繰り返し単
位を少なくとも含む重合体の主鎖の片末端とが直接結合
さえるか又は任意の連結基で結合されたものである。連
結する基として具体的には二価の有機残基であって、−
O−、−S−、 −SO−、−SO2−、−COO−、−OCO−、−CONHCO−、−N
HCONH−、 及び から選ばれた結合基を介在させてもよい、二価の脂肪族
基もしくは二価の芳香族基、又はこれらの二価の残基の
組合せにより構成された有機残基を表わす。ここで、d1
〜d5は式(I)におけるR1と同一の内容を表わす。
二価の脂肪族基として、例えば C≡C、 が挙げられる{e8及びe9は、互いに同じでも異なっても
よく、各々水素原子、ハロゲン原子(例えばフッ素原
子、塩素原子、臭素原子等)又は炭素数1〜12のアルキ
ル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル基、クロロ
メチル基、ブロモメチル基、ブチル基、ヘキシル基、オ
クチル基、ノニル基、デシル基等)を表わす。Qは−O
−、−S−又は−NR20−を表わし、R20は炭素数1〜4
のアルキル基、−CH2Cl又は−CH2Brを表わす}。
二価の芳香族基としては、例えばベンゼン環基、ナフ
タレン環基及び5又は6員の複素環基(複素環を構成す
るヘテロ原子として、酸素原子、イオウ原子、窒素原子
から選ばれたヘテロ原子を少なくとも1種含有する)が
挙げられる。これらの芳香族基は置換基を有していても
よく、例えばハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原
子、臭素原子等)、炭素数1〜8のアルキル基(例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル
基、オクチル基等)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例
えばメトキシ基、エトキシ基、プロピオキシ基、ブトキ
シ基等)が置換基の例として挙げられる。
複素環基としては、例えばフラン環、チオフェン環、
ピリジン環、ピラジン環、ピペラジン環、テトラヒドロ
フラン環、ピロール環、テトラヒドロピラン環、1,3−
オキサゾリン環等が挙げられる。
以上述べた如き、一官能性重合体〔M〕の一般式
(I)で示される重合性二重結合基と、これに連結する
有機残基で構成される部分の具体例として各々次のもの
が挙げられるが、これらに限定されるものではない。但
し、以下の各例において、P1は−H、−CH3、−CH2COOC
H3、−Cl、−Br又は−CNを示し、P2は−H又は−CH3
示し、Xは−Cl又は−Brを示し、nは2〜12の整数を示
し、mは1〜4の整数を示す。
(C−3) CH2=CH− (C−4) CH2=CH−CH2 (C−17) CH2=CH−CH2−COO−(CH2 (C−25) CH2=CH−CH2OCO(CH2−S− 本発明の一官能性重合体〔M〕を繰り返し単位の総和
において、フッ素原子又は/及びケイ素原子を含有する
置換基を有する繰り返し単位は、全体の40重量%以上含
有されていることが好ましく、より好ましくは60〜100
重量%である。
本発明の上記成分が全体の40重量%未満になると、樹
脂粒子が光導電層に分散された時に表面部分への濃縮効
果が低下し、結果として、印刷原版としての保水性向上
の効果が薄れてしまう。
本発明の一官能性重合体〔M〕は、従来公知の合成方
法によって製造することができる。例えば、アニオン
重合あるいはカチオン重合によって得られるリビングポ
リマーの末端に種々の試薬を反応させて一官能性重合体
〔M〕を得る、イオン重合法による方法、分子中に、
カルボキシル基、ヒドロキシ基、アミノ基等の反応性基
を含有した重合開始剤及び/又は連鎖移動剤を用いて、
ラジカル重合して得られる末端反応性結合の重合体と種
々の試薬を反応させて一官能性重合体〔M〕を得るラジ
カル重合法による方法、重付加あるいは重縮合反応に
より得られた重合体に上記ラジカル重合方法と同様にし
て、重合性二重結合基を導入する重付加縮合法による方
法等が挙げられる。
具体的には、P.Dreyfuss & R.P.Quirk,Encycl.Poly
m.Sci.Eng.,,551(1987)、P.F.Rempp,E.Franta,Adv.
Polym.Sci.,58,1(1984)、V.Percec,Appl.Poly.Sci.,2
85,95(1984)、R.Asami,M.Takari,Makromol.Chem.Supp
l.,12,163(1985)、P.Rempp.etal,Makromol.Chem.Supp
l.,,3(1984)、川上雄資,化学工業,38,56(198
7)、山下雄也,高分子、31、988(1982)、小林四郎,
高分子、30,625(1981)、東村敏延、日本接着協会誌、
18,536(1982)、伊藤浩一、高分子加工、35,262(198
6)、東貴四郎,津田隆、機能材料、1987,No.10,5等に
総説及びそれに引例の文献・特許等に記載に方法に従っ
て合成することができる。
更に、本発明の分散樹脂粒子が網目構造を有する場合
は、上記した極性基含有一官能性単量体(A)を重合体
成分〔重合体成分(A)と略記する〕として成る重合体
の重合体間が橋架けされており、高次の網目構造を形成
している。
すなわち、本発明の分散樹脂粒子は、重合体成分
(A)から構成される非水分散溶媒に不溶な部分と、該
溶媒に可溶となる一官能性重合体〔M〕とで構成され
る、非水系ラテックスであり、網目構造を有する場合
は、この該溶媒に不溶な部分を形成している重合体成分
(A)の分子間が橋架けされているものである。
これにより、網目樹脂粒子は水に対して難溶性あるい
は不溶性となったものである。具体的には、該樹脂の水
への溶解性は、80重量%以下好ましくは50重量%以下で
ある。
本発明の架橋は、従来公知の架橋方法によって行うこ
とができる。即ち、該重合体成分(A)を含有する重
合体を種々の架橋剤あるいは硬化剤によって架橋する方
法、該重合体成分(A)に相当する単量体を少なくと
も含有させて重合反応を行う際に、重合性官能基を2個
以上含有する多官能性単量体あるいは多官能性オリゴマ
ーを共存させることにより分子間に網目構造を形成する
方法、及び該重合体成分(A)と反応性基を含有する
成分を含む重合体類とを重合反応あるいは高分子反応に
よって架橋させる方法等の方法によって行うことができ
る。
上記の方法の架橋剤としては、通常架橋剤として用
いられる化合物を挙げることができる。具体的には、山
下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」大成社刊
(1981年),高分子学会編「高分子データハンドブック
基礎編」培風館(1986年)等に記載されている化合物
を用いることができる。
例えば、有機シラン系化合物(例えば、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン等のシランカップリング剤等)、ポリイソ
シアナート系化合物(例えば、トルイレンジイソシアナ
ート、o−トルイレンジイソシアナート、ジフェニルメ
タンジイソシアナート、トリフェニルメタントリイソシ
アナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、
ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシ
アナート、高分子ポリイソシアナート等)、ポリオール
系化合物(例えば、1,4−ブタンジオール、ポリオキシ
プロピレングリコール、ポリオキシアルキレングリコー
ル、1,1,1−トリメチロールプロパン等)、ポリアミン
系化合物(例えば、エチレンジアミン、γ−ヒドロキシ
プロピル化エチレンジアミン、フェニレンジアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、
変性脂肪族ポリアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合
物及びエポキシ樹脂(例えば、垣内弘編著「新エポキシ
樹脂」昭晃堂(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹
脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された化合物
類)、メラミン樹脂(例えば,三輪一郎、松永英夫編著
「ユリア・メラミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)
等に記載された化合物類)、ポリ(メタ)アクリレート
系化合物(例えば、大河原信、三枝武夫、東村敏延編
「オリゴマー」講談社(1976年刊)、大森英三「機能性
アクリル系樹脂」テクノシステム(1985年刊)等に記載
された化合物類が挙げられ、具体的には、ポリエチレン
グリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ
アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタ
エリスリトールポリアクリレート、ビスフエノールA−
ジクリシジルエーテルジアクリレート、オリゴエステル
アクリレート及びこれらのメタクリレート体等がある。
又、上記の方法で共存させる重合性官能基を2個以
上含有する多官能性単量体〔多官能性単量体(D)とも
称する〕あるいは多官能性オリゴマーの重合性官能基と
しては、具体的にはCH2=CH−CH2−、 CH2=CH−、 CH2=CH−CONH−、 CH2=CH−NHCO−、CH2=CH−CH2−NHCO−、CH2=CH−SO
2−、CH2=CH−CO−、CH2=CH−O−、CH2=CH−S−等
を挙げることができる。これらの重合性官能基の同一の
ものあるいは異なったものを2個以上有した単量体ある
いはオリゴマーであればよい。
重合性官能基を2個以上有した単量体の具体例は、例
えば同一の重合性官能基を有する単量体あるいはオリゴ
マーとして、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン等
のスチレン誘導体:多価アルコール(例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール#200、#400、#60
0、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、
ペンタエリスリトールなど)、又はポリヒドロキシフェ
ノール(例えばヒドロキノン、レゾルシン、カテコール
およびそれらの誘導体)のメタクリル酸、アクリル酸又
はクロトン酸のエステル類、ビニルエーテル類又はアリ
ルエーテル類:二塩基酸(例えばマロン酸、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、マレイン酸、フ
タル酸、イタコン酸等)のビニルエステル類、アリルエ
ステル類、ビニルアミド類又はアリルアミド類:ポリア
ミン(例えばエチレンジアミン、1,3−プロピレンジア
ミン、1,4−1ブチレンジアミン等)とビニル基を含有
するカルボン酸(例えば、メタクリル酸、アクリル酸、
クロトン酸、アリル酢酸等)との縮合体などが挙げられ
る。
又、異なる重合性官能基を有する単量体あるいはオリ
ゴマーとしては、例えば、ビニル基を含有するカルボン
酸(例えばメタクリル酸、アクリル酸、メタクリロイル
酢酸、アクリロイル酢酸、メタクリロイルプロピオン
酸、アルリロイルプロピオン酸、イタコニロイル酢酸、
イタコニロイルプロピオン酸、カルボン酸無水物等)と
アルコール又はアミンの反応体(例えばアリルオキシカ
ルボニルプロピオン酸、アリルオキシカルボニル酢酸、
2−アリルオキシカルボニル安息香酸、アリルアミノカ
ルボニルプロピオン酸等)等のビニル基を含有したエス
テル誘導体又はアミド誘導体(例えばメタクリル酸ビニ
ル、アクリル酸ビニル、イタコン酸ビニル、メタクリル
酸アリル、アクリル酸アリル、イタコン酸アリル、メタ
クリロイル酢酸ビニル、メタクリロイルプロピオン酸ビ
ニル、メタクリロイルプロピオン酸アリル、メタクリル
酸ビニルオキシカルボニルメチルエステル、アクリル酸
ビニルオキシカルボニルメチルオキシカルボニルエチレ
ンエステル、N−アリルアクリルアミド、N−アリルメ
タクリルアミド、N−アリルイタコン酸アミド、メタク
リロイルプロピオン酸アリルアミド等)又はアミノアル
コール類(例えばアミノエタノール、1−アミノプロパ
ノール、1−アミノブタノール、1−アミノヘキサノー
ル、2−アミノブタノール等)とビニル基を含有したカ
ルボン酸との縮合体などが挙げられる。
本発明に用いられる2個以上の重合性官能基を有する
単量体あるいはオリゴマーは、単量体(A)及び(A)
と共存する他の単量体との総量に対して10モル%以下、
好ましくは5モル%以下用いて重合し、樹脂を形成す
る。
更には、上記の方法の高分子間の反応性基同志の反
応により化学結合を形成し高分子間の橋架けを行う場合
には、通常の有機低分子化合物の反応と同様に行うこと
ができる。具体的には、岩倉義男、栗田恵輔、「反応性
高分子」講談社(1977年刊)、小田良平、「高分子ファ
インケミカル」講談社(1976年刊)等の成書に詳細に記
載されている。例えば、下表のA群(親水性基重合体成
分)の官能基とB群(反応性基を含有する成分を含む重
合体類)の官能基の組合わせによる高分子反応が通常よ
く知られた方法として挙げられる。なお表−1のR21,R
22は炭化水素基で、前出の式(II)のL1における18,19
と同一の内容を表す。
以上の如く、本発明の網目分散樹脂粒子は、極性基を
含有する重合体成分とフッ素原子及び/又はケイ素原子
含有置換基を有する繰り返し単位を含む重合体成分とを
含有し、且つ分子鎖間が高次に橋架けされた構造を有す
る重合体の粒子である。
分散重合において、粒子の粒径が揃った単分散性の粒
子が得られること及び0.5μm以下の微小粒子が得られ
易いこと等から、網目構造形成の方法としては、多官能
性単量体を用いるの方法が好ましい。
非水溶媒系分散樹脂粒子の製造に用いられる非水溶媒
としては、沸点200℃以下の有機溶媒であればいずれで
もよく、それは単独であるいは2種以上を混合して使用
してもよい。
この有機溶媒の具体例は、メタノール、エタノール、
プロパノール、ブタノール、フッ化アルコール、ベンジ
ルアルコール等のアルコール類、アセトン、メチルエチ
ルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケトン等のケト
ン類、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル類、
ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、トリデカン、
シクロヘキサン、シクロオクタン等の炭素数6〜14の脂
肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロ
ロベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド、
ジクロロエタン、テトラクロロエタン、クロロホルム、
メチルクロロホルム、ジクロロプロパン、トリクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。ただ
し、以上述べた化合物例に限定されるものではない。
これらの非水溶媒系で分散樹脂粒子を分散重合法で合
成することにより、樹脂粒子の平均粒子径は容易に1μ
m以下となり、しかも粒子径の分布が非常に狭く且つ単
分散の粒子とすることができる。
具体的には、K.E.J.Barrett「Dispersion Polymeriza
tion in Organic Media」John Wiley(1975年)、村田
耕一郎、高分子加工、23、20(1974)、松本恒隆・丹下
豊吉、日本接着協会誌、183(1973)、丹下豊吉、日
本接着協会誌23、26(1987)、D.J.Walbridge.NATO.Ad
v.study.Inst.Ser.E.No.67、40(1983)、英国特許第89
3429、同934038各号明細書、米国特許第1122397、同390
0412、同4606989各号明細書、特開昭60−179751、同60
−185963各号公報等にその方法が開示されている。
本発明の分散樹脂は、単量体(A)と一官能性重合体
〔M〕の少なくとも各々1種以上から成り、網目構造を
形成する場合には必要に応じて多官能性単量体(D)を
共存させて成り、いずれにしても重要な事は、これら単
量体から合成された樹脂が該非水溶媒に不溶であれば、
所望の分散樹脂を得ることができる。より具体的には、
不溶化する単量体(A)に対して、一官能性重合体
〔M〕を1〜50重量%使用することが好ましく、さらに
好ましくは5〜25重量%である。又本発明の分散樹脂の
分子量は104〜106であり、好ましくは104〜5×105であ
る。
以上の如き本発明で用いられる分散樹脂粒子を製造す
るには、一般に、単量体(A),一官能性重合体〔M〕
更には、多官能性単量体(D)とを非水溶媒中で過酸化
ベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリル、ブチルリチ
ウム等の重合開始剤の存在下に加熱重合させればよい。
具体的には、単量体(A)及び一官能性重合体
〔M〕、多官能性単量体(D)の混合溶液中に重合開始
剤を添加する方法、非水溶媒中に、上記重合性化合物
及び重合開始剤の混合物を滴下又は任意に添加する方法
等があり、これらに限定されずいかなる方法を用いても
製造することができる。
重合性化合物の総量は非水溶媒100重量部に対して5
〜80重量部程度であり、好ましくは10〜50重量部であ
る。
重合開始剤の量は、重合性化合物の総量の0.1〜5重
量%である。又、重合温度は50〜180℃程度であり、好
ましくは60〜120℃である。反応時間は1〜15時間が好
ましい。
以上の如くして本発明により製造された非水系分散樹
脂は、微細でかつ粒度分布が均一な粒子となる。
本発明の結着樹脂としては、従来公知の樹脂のいずれ
も用いることができる。例えば従来技術の説明において
引例した如き、アルキッド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ
エステル樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹
脂等があげられ、具体的には栗田隆治・石渡次郎、高分
子、第17巻、第278頁(1968年)、宮本晴視、武井秀
彦、イメージング、1973(No.8)第9頁等の総説引例の
公知材料等が挙げられる。
好ましくは、無機光導電体として光導電性酸化亜鉛を
用いる電子写真感光体の結着樹脂として知られるメタク
リレートを重合体成分として含有するランダム共重合体
群がその1つとして挙げられる。例えば特公昭50−224
2、同50−31011、特開昭50−98324、同50−98325、特公
昭54−13977、同59−35013、特開昭54−20735、同57−2
02544各号公報等に記載されるものが挙げられる。
更に重量平均分子量が2万以下でメタクリレートと酸
性分含有モノマーとのランダム共重合体と重量平均分子
量が3万以上の他の樹脂又は熱及び/又は光で硬化する
化合物とを組み合せで構成される結着樹脂:例えば特開
昭63−220148、特開昭63−220149、特開平2−34860、
同2−40660、同2−53064、同1−102573各号公報に記
載されるもの等が挙げられる。あるいは重量平均分子量
が2万以下でメタクリレート成分含有の重合体であり且
つその重合体主鎖の片末端に酸性基を含有して成る重合
体と、重量平均分子量が3万以上の他の樹脂又は熱及び
/又は光で硬化する化合物との組み合せで構成される結
着樹脂:例えば特開平1−169455、同1−280761、同1
−214865、同2−874各号公報、特開昭63−221485、同6
3−220442、同63−220441各号明細書に記載のもの等が
挙げられる、等の重合体群も挙げられる。
本発明に使用する無機光導電材料は、光導電性酸化亜
鉛である。さらに他の無機光導電体として酸化チタン、
硫化亜鉛、硫化カドミウム、炭酸カドミウム、セレン化
亜鉛、セレン化カドミウム、セレン化テルル、硫化鉛、
等を併用してもよい。
しかし、これら他の光導電材料は、光導電性酸化亜鉛
の40重量%以下であり、好ましくは20重量%以下であ
る。
他の光導電材料が40重量%を越えると、平版印刷用原
版としての非画像部の親水性向上の効果が薄れてしま
う。
無機光導電材料に対して用いる結着樹脂の総量は、光
導電体100重量部に対して、結着樹脂を10〜100重量部な
る割合、好ましくは15〜50重量部なる割合で使用する。
本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感剤と
して併用することができる。例えば、宮本晴視,武井秀
彦:イメージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young等:RC
A Review15,469頁(1954)、清田航平等:電気通信学会
論文誌J 63−C(No.2)97頁(1980)、原崎勇次等、工
業化学雑誌66,78及び188頁(1963)、谷忠昭、日本写真
学会誌35、208頁(1972)等の総説引例のカーボニウム
系色素、ジフェニルメタン色素、トリフェニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素、
シアニン色素、ロダシアニン色素、スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属を含有してもよい)等が挙げ
られる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフェニル
メタン系色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を
中心に用いたものとしては、特公昭51−452、特開昭50
−90334、同50−114227、同53−39130、同53−82353各
号公報、米国特許第3052540、同第4054450各号明細書、
特開昭57−16456号公報等に記載のものが挙げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Harmmer「The Cyanine Dyes and Related Compound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、米国特許第3047384、同3110591、同3121008、同312
5447、同3128179、同3132942、同3622317各号明細書、
英国特許第1226892、同1309274、同1405898各号明細
書、特公昭48−7814、同55−18892各号公報等に記載の
色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840、同47
−44180、特公昭51−41061、特開昭49−5034、同49−45
122、同57−46245、同56−35141、同57−157254、同61
−26044、同61−27551各号公報、米国特許第361954、同
4175956各号明細書、「Research Disclosure」1982年、
216、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。本発
明の感光体は種々の増感色素を併用させても、その性能
が増感色素により変動しにくい点においても優れてい
る。更には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知られ
ている電子写真感光層用各種添加剤を併用することもで
きる。例えば、前記した総説:イメージング1973(No.
8)第12頁等の総説引例の電子受容性化合物(例えば、
ハロゲン、ベンゾキノン、クロラニル、酸無水物、有機
カルボン酸等)、小門宏等、「最近の光導電材料と感光
体の開発・実用化」第4章〜第6章:日本科学情報
(株)出版部(1986年)の総説引例のポリアリールアル
カン化合物、ヒンダートフェノール化合物、p−フェニ
レンジアミン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常光導電体100重量部に対して0.001〜2.0重量部
である。
光導電層の厚さは1〜100μ、特には10〜50μが好適
である。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特には0.05〜0.5μが好適である。
積層型感光体の電荷輸送材料としてはポリビニルカル
バゾール、オキサゾール系色素、ピラゾリン系色素、ト
リフェニルメタン系色素などがある。電荷輸送層の厚さ
としては5〜40μ、特には10〜30μが好適である。
電荷輸送層の形成に用いる樹脂としては、代表的なも
のは、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、セルロー
ス樹脂、ポリエーテル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニ
ル樹脂、塩ビー酸ビ共重合体樹脂、ポリアクリル樹脂、
ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹
脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、シリンコン樹脂の熱
可塑性樹脂及び硬化性樹脂が適宜用いられる。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云って電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチック
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチックを
紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男、電子写真、14、(No.1)、p2〜11(197
5)、森賀弘之,「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1
975)、M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem、A−4
(6),第1327〜1417頁(1970)等に記載されているも
の等を用いる。
実際に本発明の平版印刷用原板を作るには、常法に従
って導電性支持体上に本発明の樹脂、更には必要により
前記した添加剤等を沸点が200℃以下の揮発性炭化水素
溶剤に溶解又は分散し、これを塗布・乾燥することによ
って電子写真感光層(光導電層)を形成して製造するこ
とができる。用いる有機溶剤としては、具体的には特に
ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタ
ン、テトラクロロエタン、ジクロロプロパンまたはトリ
クロロエタンなどの如き、炭素数1〜3のハロゲン化炭
化水素が好ましい。その他クロロベンゼン、トルエン、
キシレンまたはベンゼンなどの如き芳香族炭化水素、ア
セトンまたは2−ブタノン等の如きケトン類、テトラヒ
ドロフランなどの如きエーテルおよびメチレンクロリド
など、塗布用組成物に用いられる各種の溶剤及び上記溶
剤の混合物も使用可能である。
本発明の平版印刷用原版を用いた印刷版の作製は、上
記した構成から成る電子写真用原版に常法により複写画
像を形成後、非画像部を不感脂化処理する事で作製され
る。本発明に供される不感脂化処理は、従来公知の方法
に従がい、酸化亜鉛の不感脂化反応を行なえばよい。
酸化亜鉛の不感脂化方法としては、従来公知の処理液
のいずれをも用いることができる。例えば、フェロシア
ン系化合物を不感脂化の主剤として用いた、特開昭62−
239158、同62−292492、同63−99993、同63−9994、特
公昭40−7334、同45−33683、特開昭57−107889、特公
昭46−21244、同44−9045、同47−32681、同55−9315、
特開昭52−101102各号公報等が挙げられる。
また、フィチン酸系化合物を主剤として用いた、特公
昭43−28408、同45−24609、特開昭51−103501、同54−
10003号、同53−83805、同53−83806、同53−栄12700
2、同54−44901、同56−2189、同57−2796、同57−2039
4、同59−207290各号公報に記載のもの、金属キレート
形成可能な水溶性ポリマーを主剤として用いた、特公昭
38−9665、同39−22263、同40−763、同43−28404、同4
7−29642、特開昭52−126302、同52−134501、同53−49
506、同53−59502、同53−104302各号公報等に記載のも
の、金属錯体系化合物を主剤として用いた、特開昭53−
104301、特公昭55−15313、同54−41924各号公報等に記
載のもの、あるいは無機及び有機酸系化合物を主剤とし
て用いた、特公昭39−13702、同40−10308、同46−2612
4、特開昭51−118501、同56−111695各号公報等に記載
されたもの等が挙げられる。
処理の条件は、温度15℃〜60℃で浸漬時間は10秒〜5
分間が好ましい。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容が
これらに限定されるものではない。なお、以下は一官能
性重合体〔M〕をマクロモノマーと称する。
マクロモノマーの製造例1:〔M−1〕 2,2,2,2′,2′,2′−ヘキサフロロイソプロピルメタ
クリレート95g、チオグリコール酸5g及びトルエン200g
の混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら、温度70℃に加
温した。アゾビスイソブチロニトリル(略称A.I.B.N.)
1.0gを加え、8時間反応した。次にこの反応溶液にグリ
シジルメタクリレート8g、N,N−ジメチルドデシルアミ
ン1.0g及びt−ブチルハイドロキノン0.5gを加え、温度
100℃にて、12時間撹拌した。冷却後この反応溶液をメ
タノール2リットル中に再沈し、白色粉末を82g得た。
重合体〔M−1〕の重量平均分子量(略称w)は4000
であった。
マクロモノマーの製造例2:〔M−2〕 下記構造の単量体(A−1)96g、β−メルカプトプ
ロピオン酸4g、トルエン200gの混合溶液を、窒素気流下
温度70℃に加温した。A.I.B.N. 1.0gを加え、8時間反
応した。次にこの反応溶液を水浴中で冷却して、温度25
℃とし、これに2−ヒドロキシエチルメタクリレート10
gを加えた。ジシクロヘキシルカルボンアミド(略称D.
C.C.)15g、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン0.2g
及び塩化メチレン50gの混合溶液を30分間で撹拌下に滴
下し、更に4時間撹拌した。次に、ギ酸5gを加え1時間
撹拌後、析出した不溶物を濾別し、濾液をn−ヘキサン
1中に再沈した。沈殿した粘稠物をデカンテーション
で補集し、テトラヒドロフラン100mlに溶解し、再び不
溶物を濾別後n−ヘキサン1中に再沈した。沈殿した
粘稠物を乾燥して得られた重合体は収量60gでw 5.2
×103であった。
マクロモノマーの製造例3:〔M−3〕 下記構造の単量体(A−2)95g、ベンゾトリフロリ
ド150g、エタノール50gの混合溶液を窒素気流下、撹拌
しながら温度75℃に加温した。4,4′−アゾビス(4−
シアノ吉草酸)(略称A.C.V.)2gを加え8時間反応し
た。冷却後メタノール1中に再沈し得られた重合体を
乾燥した。次のこの重合体50g及び2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート11g、ベンゾトリフロリド150gに溶解
し、温度25℃とた。この混合物に撹拌下、D.C.C.15g、
4−(N,N−ジメチルアミノピリジン)0.1g及び塩化メ
チレン30gの混合溶液を30分間で滴下し、そのまま更に
4時間撹拌した。後、ギ酸3gを加え1時間撹拌した後、
析出した不溶物を濾別し、濾液をメタノール800ml中に
再沈した。沈殿物を補集し、ベンゾトリフロリド150gに
溶解し、再び再沈操作を行ない、粘稠物30gを得た。重
合体〔M−3〕のwは3.3×104であった。
マクロモノマーの製造例4〜22:〔M−4〕〜〔M−2
2〕 製造例2において単量体(A−1)の代わりに他の単
量体(表−2に記された重合体成分に相当する単量体)
に代えた他は、製造例2と同様にして、各マクロモノマ
ー〔M〕を製造した。各wは4×103〜6×108であっ
た。
マクロモノマーの製造例23〜30:〔M−23〕〜〔M−3
0〕 マクロモノマーの製造例2において、単量体(A−
1)及び2−ヒドロキシエチルメタクリレートを各々、
下記表−3の重合体の各々に相当する化合物に代えて、
他は同様の方法により、各マクロモノマー〔M〕を製造
した。各wは5×103〜6×103であった。
樹脂粒子の製造例1:〔L−1〕 アクリル酸20g、マクロモノマーの製造例1の重合体
〔M−1〕5g及びメチルエチルケトン110gの混合溶液
を、窒素気流下に温度60℃に加温した。2,2′−アゾビ
ス(イソバレロニトリル)(略称A.B.V.N.)0.2gを加え
2時間反応し、更にA.B.V.N. 0.1gを加えて2時間反応
した。得られた分散物を200メッシュナイロン布で濾過
して得た樹脂粒子〔L−1〕は重合率100%で平均粒径
(堀場製作所(株)製:CAPA500で測定)0.20μmであっ
た。
樹脂粒子の製造例2:〔L−2〕 アクリル酸20g、マクロモノマーAK−5(東亜合成
(株)製ポリシロキサン構造のマクロモノマーとしての
市販品)5g、ジビニルベンゼン2g及びメチルエチルケト
ン120gの混合溶液とし、他は樹脂粒子の製造例1と同様
にして反応した。得られた分散物〔L−2〕の重合率は
100%で平均粒径0.28μmであった。
樹脂粒子の製造例3〜26:〔L−3〕〜〔L−26〕 下記表−4に各々記載の単量体(A)20g、マクロモ
ノマー〔M〕4g及び有機溶媒150gの混合溶液とし、他は
製造例1と同様にして各分散樹脂粒子を製造した。各分
散物とも重合率は95〜100%であった。
樹脂粒子の製造例27〜37:〔L−27〕〜〔L−37〕 製造例2において、ジビニルベンゼン2gに代えて、下
記表−5の多官能性化合物を用いた他は製造例2と同様
にして樹脂粒子を製造した。各粒子とも重合率は100%
で平均粒径は0.25〜0.35μmであった。
実施例1及び比較例A〜B 実施例1 下記構造の結着樹脂〔B−1〕40g、光導電性酸化亜
鉛200g、ウラニン0.03g、ローズベンガル0.06g、テトラ
ブロムフェノールブルー0.02g、無水マレイン酸0.20g及
びトルエン300gの混合物を、ボールミル中で4時間分散
した。これに分散樹脂粒子〔L−1〕0.2g(固形分量と
して)を添加し、更に10分間分散した。この感光層形成
用分散物を導電処理した紙に乾燥付着量が20g/m2となる
ようにワイヤーバーで塗布し、100℃で3分間乾燥し
た。ついで暗所で20℃、65%RHの条件下で24時間放置す
ることにより、電子写真感光材料を作製した。
比較例A 実施例1において、分散樹脂粒子〔L−1〕2.0gを加
えない他は、実施例1と同様の操作して電子写真感光材
料を作製した。
比較例B 比較用樹脂粒子の製造:〔LR−1〕 アクリル酸20g、下記構造のマクロモノマー〔MR−
1〕5g及びメチルエチルケトン110gの混合溶液とした
後、以降は、樹脂粒子の製造例1と同様に操作して樹脂
粒子〔LR−1〕を製造した。重合率は100%で平均粒径
は0.23μmであった。
比較用感光体の製造 実施例1において、樹脂粒子〔L−1〕2.0gの代わり
に、上記樹脂粒子〔LR−1〕0.2g(固形分量として)を
用いた他は、実施例1と同様に操作して感光体を作成し
た。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、光導電層の不感脂化性(不感脂化処理後の光導電層
の水との接触角で表わす)及び印刷性を調べた。印刷性
は、全自動製版機ELP404V(富士写真フイルム(株)
製)に現像剤ELP−Tを用いて、露光・現像処理して画
像を形成し、不感脂化処理をして得られた平版印刷板を
用いて調べた。(なお印刷機にはハマダスター(株)製
ハマダスター800SX型を用いた) 以上の結果をまとめて、表−6に示す。
表−6に記した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1) 光導電層の平滑性: 得られた感光材料を、ベック平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2) 静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
−SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせ
た後10秒間放置し、この時の表面電位をV10を測定し
た。ついでそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70
を測定し、60秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即
ち、暗減衰保持率〔D.R.R(%)〕を〔(V70/V10)×10
0(%)〕で求めた。又コロナ放電により光導電層表面
を−400Vに帯電させた後、ついで光導電層表面を照度2.
0ルックスの可視光で照射し、表面電位V10が1/10に減衰
するまでの時間を求め、これから露光量E1/10(ルック
ス・秒)を算出する。同様にV10が1/100に減衰するまで
の時間を求め、これから露光量E1/100(lux・sec)を
算出する。
注3) 撮像性: 各感光材料及び全自動製版機ELP404V(富士写真フイ
ルム(株)製)を1昼夜常温・常湿(20℃,65%)に放
置した後、製版して複写画像を形成し、得られた複写原
版の画像(カブリ、画像の画質)を目視で観察する(こ
れをIとする)。複写画像の画質IIは、製版を高温・高
湿(30℃,80%)で行なう他は、前記Iと同様の方法で
試験する。
注4) 生版保水性: 各感光材料そのものを(製版しない原版:即ち、生版
と略称)富士写真フイルム(株)製不感脂化処理液ELP
−EXを蒸留水で5倍に希釈した水溶液を用いて、エッチ
ングマシーンを1回通した。次に、これらの版をハマダ
スター(株)製ハマダスター8005X型を用いて印刷し、
刷り出しから50枚目の印刷物の地汚れの有無を目視で評
価した。
注5) 印刷物の地汚れ: 各感光材料を上記注3)と同一の操作で製版した後、
ELP−EXを蒸留水で2倍に希釈した水溶液を用いて、エ
ッチングマシーンを1回通した後、これらのオフセット
マスター用原版を印刷し、印刷物の地汚れが目視で判別
できるまでの印刷枚数を調べた。
本発明及び比較例A〜Bの静電特性は良好で実際の撮
像性も、複写画像はいずれも鮮明な画質であった。
これら各感光体を不感脂化処理して、非画像部の親水
化の度合を評価した所、比較例A及びBは、ともに印刷
インキ付着による地汚れが著しく、非画像部の親水化が
充分に行なわれなかった。
更に実際に製版した後不感脂化処理して印刷した所、
本発明の平版は地汚れの発明も見られず且つ鮮明な画像
の印刷画質の印刷物が6000枚得られた。
他方、比較例A及びBは、刷り出しから非画像部の地
汚れが著しくなった。
以上の様に、非画像部の親水性が充分進行し地カブリ
を発生しない電子写真式平版印刷用原版は、本発明のも
ののみであった。
実施例2 実施例1において結着樹脂〔B−1〕38gの代わり
に、下記構造の結着樹脂〔B−2〕5.7g及び結着樹脂
〔B−3〕32.3gを用いた他は、実施例1と同様に操作
して電子写真感光材料を作製した。
実施例1と同様にして各特性を測定した。以下に特に
過酷な環境条件である(30℃,80%RH)下での測定結果
を示す。
静電特性V10:−560V D.R.R:90% E1/10:11.3lux・sec E1/100:32 lux・sec 撮像性:非常に良好(◎) 生版保水性:非常に良好(◎) 印刷物の地汚れ:6000枚まで地汚れなし 本発明の各感光材料は、いずれも帯電性、暗電荷保持
率、光感度に優れ、実際の複写画像及び印刷物も高温高
湿(30℃、80%RH)の過酷な条件においても、地カブリ
の発生のない鮮明な画像を得た。
実施例3〜12 実施例2において分散樹脂粒子0.2gの代わりに、下記
表−7の本発明の樹脂粒子〔L〕各0.5g(固形分量とし
て)を用いた他は、実施例2と同様にして各感光材料を
作製した。
静電特性及び印刷特性を実施例2と同様に操作して評
価した。
各感光材料とも、静電特性、撮像性ともに、実施例2
とほぼ同等の特性を示した。
又、不感脂化処理してオフセット平版原版の性能を評
価した所、いずれも生版保水性は良好で実際の製版後の
印刷結果でも6000枚印刷できた。
実施例12及び比較例C〜D 下記構造の樹脂〔B−5〕6.0g、下記構造の樹脂〔B
−6〕34g、酸化亜鉛200g、下記構造のシアニン色素
〔A〕0.018g及びトルエン300gの混合物をボールミル中
で4時間分散した後、これに樹脂粒子〔L−28〕0.3g
(固形分量として)を添加し更に5分間分散した。これ
を導電処理した紙に、乾燥付着量が20g/m2となる様に、
ワイヤーバーで塗布し、100℃で3分間乾燥し、ついで
暗所で20℃、65%RHの条件下で24時間放置することによ
り、電子写真感光材料を作製した。
比較例C 実施例12において樹脂粒子〔L−28〕0.3gを加えない
他は、実施例1と同様に操作して電子写真感光材料を作
製した。
比較例D 実施例12において樹脂粒子〔L−28〕0.3gの代わり
に、樹脂粒子〔LR−1〕3gを加えた他は、実施例12と同
様に操作して電子写真感光材料を作製した。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、膜強
度、静電特性、撮像性及び環境条件を30℃,80%RHとし
た時の静電特性撮像体を調べた。更に、これらの感光材
料をオフセットマスター用原版として用いた時の光導電
性の不感脂化性(保水性)及び印刷性(地汚れ、耐刷性
等)を調べた。
以上の結果をまとめて、表−8に示す。
表−8に示した評価項目において、光導電層の平滑性
及び印刷物の地汚れの項目については、実施例1と同様
にして行なった。
静電特性及び撮像性については以下の態様で実施し
た。
注6) 静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V10を測定した。
次いでそのまま暗中で180秒間静置させた後の電位V190
を測定し、180秒間暗減衰させた後の電位を保持性、即
ち、暗減衰保持率〔DRR(%)〕を、(V190/V10)×100
(%)で求めた。
又、コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯電さ
せた後、波長780nmの単色光で照射し、表面電位(V10
が1/10に減衰するまでの時間を求め、これから露光量E
1/10(erg/cm2)を算出する。
又表面電位(V10)が1/100に減衰するまでの時間を求
め、これから露光量E1/100(erg/cm2)を算出する。
注7) 撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した。次に
−5kVで帯電し、光源として2.0mW出力のガリウム−アル
ミニウム−ヒ素半導体レーザー(発振波長780nm)を用
いて、感光材料表面上で、45erg/cm2の照射量下、ピッ
チ25μm及びスキャニング速度330m/secのスピード露光
後、液体現像剤として、ELP−T(富士写真フイルム
(株)製)を用いて現像し、定着することで得られた複
写画像(カブリ、画像の画質)を目視評価した。
本発明実施例12及び比較例Cの感光体は、静電特性及
び撮像性ともに良好であった。
一方比較例Dは、静電特性が低下し、特に環境条件が
変動した時にその影響を著しく受け、実際の複写画像で
も、地カブリや文字・細線の切れが発生した。
一方、不感脂化処理した原版では、本発明のものの
み、非画像部の親水化が充分で印刷インキ等の付着が見
られず6000枚まで印刷できた。
比較例Cは、親水化が不充分であり、比較例Dは生版
保水性は充分であったが、実際に製版後の原版では、複
写画像が劣化しているため、印刷物でもその影響が刷り
出しから不充分な印刷物しか得られなかった。
実施例13〜18 実施例12において、本発明の結着樹脂粒子〔L−28〕
2gの代わりに下記表−9の樹脂粒子〔L〕各2gを用いた
他は、実施例12と同様にして各感光材料を作成した。
表−9に示す様に、常温常湿(20℃,65%RH)のみな
らず、高温高湿(30℃,80%RH)下でも、本発明では優
れた静電特性が得られた。
又撮像性及び保水性はいずれも良好で、オフセットマ
スター原版として用いて印刷した所、地汚れのない鮮明
な画質の印刷物が6000枚以上得られた。
実施例19〜26 下記構造の樹脂〔B−7〕6.0g、下記構造の樹脂〔B
−8〕34g、光導電性酸化亜鉛200g、無水フタル酸0.20
g、下記構造のシアニン色素〔B〕0.018g及びトルエン3
00gの混合物をボールミル注で4時間分散した後、下記
表−10の樹脂粒子3.0g(固形分量として)を添加して5
分間分散した。これを導電処理した紙に、乾燥付着量が
20g/m2となる様に、ワイヤーバーで塗布し、100℃で3
分間乾燥し、ついで暗所で20℃、65%RHの条件下で24時
間放置することにより、電子写真感光材料を作製した。
実施例19〜26で作製した各感光材料について、実施例
12と同様に操作して静電特性、印刷特性を測定したとこ
ろ、いずれも帯電性、暗電荷保持率、光感度に優れ、実
際の複写画像も高温高湿(30℃,80%RH)の苛酷な条件
においても地カブリの発生や細線飛びの発生等のない鮮
明な画像を与えた。更にオフセットマスター原版として
印刷したところ、非画像部に地カブリのない鮮明な画像
の印刷物を6000〜8000枚以上印刷することができた。
〔発明の効果〕
本発明によれば、苛酷な条件下においても優れた静電
特性と機械的特性を有する電子写真感光体を得ることが
でき、また、平版印刷用原版としても、地汚れのない鮮
明な画質の印刷物を多数枚印刷することができる。
更にまた、本発明の原版は半導体レーザー光を用いた
スキャニング露光方式に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−266547(JP,A) 特開 平1−284856(JP,A) 特開 平1−287571(JP,A) 特開 昭62−217256(JP,A) 特開 平1−261657(JP,A) 特開 平1−232356(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、光導電性酸化亜鉛と結
    着樹脂とを含有してなる光導電層を少なくとも1層設け
    てなる電子写真式平版印刷用原版において、該光導電層
    中に前記光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子径と同じかそ
    れより小さい粒子径を有する下記の非水溶媒系分散樹脂
    粒子を少なくとも1種含有することを特徴とする電子写
    真式平版印刷用原版。 非水溶媒系分散樹脂粒子: 非水溶媒中において、該非水溶媒には可溶であるが重合
    することにより不溶化する、カルボキシル基、スルホ
    基、スルフィノ基、ホスホノ基、 〔R0は炭化水素基又は−OR10(R10は炭化水素基を表
    す)を表す〕、ヒドロキシル基、ホルミル基、アミド
    基、シアノ基、アミノ基、環状酸無水物含有基及び窒素
    原子含有の複素環基から選ばれる少なくとも1種の極性
    基を含有してなる一官能性単量体(A)と、ケイ素原子
    及び/又はフッ素原子を含有する置換基を含む繰り返し
    単位を少なくとも含んでなる重合体の主鎖の一方の末端
    にのみ下記一般式(I)で示される重合性二重結合基を
    結合してなる一官能性重合体〔M〕とを分散重合反応さ
    せることにより得られる共重合体樹脂粒子。 一般式(I) 〔一般式(I)において、V0は−O−、−COO−、−OCO
    −、−CH2OCO−、−CH2COO−、−SO2−、 −CONHCOO−、又は−CONHCONH−を表わし(但し、R1
    素原子又は炭素数1〜18の炭化水素基を表わす)、a1,a
    2は、互いに同じでも異なってもよく、水素原子、ハロ
    ゲン原子、シアノ基、炭化水素基、−COO−R2又は炭化
    水素基を介した−COO−R2(R2は水素原子又は置換され
    てもよい炭化水素基を示す)を表わす〕
  2. 【請求項2】上記非水溶媒系分散樹脂粒子が高次の網目
    構造を形成していることを特徴とする請求項(1)記載
    の電子写真式平版印刷用原版。
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