JP2580245B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真方式で製版される電子写真平版印
刷用原版に関するものであり、特に、該平版印刷用原版
の光導電層形成用組成物の改良に関する。
(従来技術及びその問題点) 現在ダイレクト製版用のオフセツト原版には多種のも
のが提案され且つ実用化されているが、中でも、導電性
支持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子及び結着樹脂
を主成分とした光導電層を設けた感光体を通常の電子写
真工程を経て、感光体表面に親油性の高いトナー画像を
形成させ、続いて該表面をエツチ液と言われる不感脂化
液で処理し非画像部分を選択的に親水化することによつ
てオフセツト原版を得る技術が広く用いられている。
良好な印刷物を得るには、先ずオフセツト原版に、原
画が忠実に複写されると共に、感光体表面が不感脂化処
理液となじみ易く、非画像部が充分に親水化されると同
時に耐水性を有し更に印刷においては、画像を有する光
導電層が離脱しないこと、及び湿し水とのなじみがよ
く、印刷枚数が多くなつても、汚れが発生しない様に、
充分に非画像部の親水性が保持されること、等の性能を
有する必要がある。
これらの性能には、光導電層中の酸化亜鉛と結着樹脂
の比率が影響することは、既に知られており、例えば、
光導電層の酸化亜鉛粒子に対する結着樹脂の比率を小さ
くすれば、光導電層表面の不感脂化性が向上し、地汚れ
は少なくなるが、他方で光導電層自体の内部凝集力が低
下し、機械的強度不足による耐刷力の低下が生じる。逆
に、結着樹脂の比率を大きくすると、耐刷力は向上する
が、地汚れが増大する。特に地汚れは、光導電層表面の
不感脂化性の良否に関係する現象であることは言うまで
もないが、光導電層表面の不感脂化性は、光導電層中の
酸化亜鉛と結着樹脂の比率のみによつて左右されるもの
ではなく、結着樹脂の種類によつても、大きく左右され
ることが明らかになつてきている。
特に、オフセツト原版としては、前記の様に不感脂化
性不充分による地汚れ発生が大きな問題であり、これを
改良するために、不感脂化性を向上させる酸化亜鉛結着
用樹脂の開発が種々検討されている。例えば、特公昭50
−31011号では、フマル酸存在下で(メタ)アクリレー
ト系モノマーと他のモノマーと共重合させた、w1.8〜
10×104でTg10〜80℃の樹脂と、(メタ)アクリレート
系モノマーとフマル酸以外の他のモノマーとから成る共
重合体とを併用したもの、又特開昭53−54027号では、
カルボン酸基をエステル結合から少なくとも原子数7個
離れて有する置換基をもつ(メタ)アクリル酸エステル
を含む三元共重合体を用いるもの、又特開昭54−20735
号・同57−202544号では、アクリル酸及びヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレートを含む4元又は5元共重合体
を用いるもの、又特開昭58−68046号では、炭素数6〜1
2のアルキル基を置換基とする(メタ)アクリル酸エス
テル及びカルボン酸含有のビニルモノマーを含む3元共
重合体を用いるもの等が光導電層の不感脂化性の向上に
効果があると記載されている。
しかし上記した不感脂化性向上に効果があるとされる
樹脂であつても現実に評価してみると、地汚れ、耐刷力
において未だ満足できるものではなかつた。
更に、結着樹脂として、分解により親水性基を生成す
る官能基を含有する樹脂を用いるものが検討されてお
り、例えば分解によりヒドロキシル基を生成する官能基
を含有するもの(特開昭62−195684、同62−210475、同
62−210476)や分解によりカルボキシル基を生成する官
能基を含有するもの(特開昭62−21269)等が開示され
ている。
これらの樹脂は不感脂化液又は印刷時に用いる湿し水
により加水分解又は加水素分解されて親水性基を生成す
る樹脂であり、これらを平版印刷用原版の結着樹脂とし
て用いると、親水性基自身をはじめから含有する樹脂を
用いた場合に該親水性基と光導電性酸化亜鉛粒子表面と
の強い相互作用によつて生ずると思われる種々の問題
(平滑性の悪化、あるいは暗電荷保持量や光感度等の電
子写真特性の悪化等)を回避できるとともに、不感脂化
液により親水化される非画像部の親水性が、樹脂中にお
いて分解により生成される上記親水性基によつてより一
層高められる為、画像部の親油性と非画像部の親水性が
明確となり、印刷時に非画像部に印刷インキが付着する
のを防止し、その結果として地汚れのない鮮明な画質の
印刷物を多数枚印刷することが可能となると記載されて
いる。
今日、電子写真方式による平版印刷においても、より
一層の効率化が要求されており、具体的には製版スピー
ドの向上、エツチング処理スピードの向上等が重要な課
題となつている。
こうした要求性能に対し、これら分解により親水性基
を作成する結着樹脂を用いたオフセツト原版では、エツ
チング処理スピードの向上に対しては、未だその性能を
充分に達成しているとは言い難かつた。
(発明の目的) 本発明は、以上の様な、従来の電子写真式平版印刷用
原版の有する問題点を改良するものである。
本発明の目的は、原画に対して、忠実な複写画像を再
現し且つオフセツト原版として、全面一様な地汚れはも
ちろん、点状の地汚れも発生させない、不感脂化性の優
れた平版印刷原版を提供することである。
本発明の他の目的は、エツチング処理から印刷の行程
において迅速化を行なつても非画像部の親水性が充分保
たれ、地汚れが発生しない、高耐刷力を有する平版印刷
版を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記目的を導電性支持体上に、少なくとも
1層の光導電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する光導電
層を設けて成る電子写真式平版印刷用原版において、前
記光導電層中に、粒径が0.005μm〜10μmであり、分
解により少なくとも1つのカルボキシル基を生成する官
能基を少なくとも1種含有する重合体成分を少なくとも
1種含有する樹脂粒子を含有させてなることを特徴とす
る電子写真式平版印刷用原版によつて解決するものであ
る。
本発明において、上記の樹脂粒子は、光導電層中に、
光導電性酸化亜鉛の結着樹脂とは別個に、粒子の形態で
分散されており、しかも該酸化亜鉛粒子の最大粒子径と
同じか、それよりも小さい粒子径で分散されていること
が好ましい。
また、本発明において、上記の樹脂粒子は、光導電性
酸化亜鉛100重量部に対し0.1〜50重量%、好ましくは0.
5〜20重量%の使用量とすることが適している。なお、
このとき、上記の結着樹脂は、該酸化亜鉛100重量部に
対し10〜60重量%、好ましくは15〜40重量%使用され
る。
(作用) 本発明の原版は、通常の電子写真式平版印刷用原版と
同様に、コロナ帯電,露光,現像の後、エツチング処理
により非画像部を不感脂化して親水性にする。
このエツチング処理時の不感脂化液、あるいは印刷時
の湿し水によつて、非画像部に存在する樹脂中の官能性
基が分解して親水性基(すなわちカルボキシル基)を生
成する。このカルボキシル基により非画像部の親水性が
充分になり、印刷時に地汚れのない鮮明な画質の印刷物
が得られる。
上記の官能性基を有する樹脂は、結着樹脂とは別に使
用されるため、その量が少なく、かつ粒子の状態で分散
されているため、先願の分子の状態で分散させているも
のに比して比表面積が大きくなり、不感脂化液と結着樹
脂との接触、ひいては反応を阻害せず、この結果、エツ
チング処理速度を高めても非画像部の不感脂化を充分な
ものとすることができる。
この樹脂粒子が、光導電層中に、光導電性酸化亜鉛の
粒子径よりも大きな粒子径で存在すれば、電子写真特定
が劣化し(特に均一な帯電性が得られなくなり)、その
結果、複写画像において、画像部の濃度ムラ、文字、細
線の切れ、飛びあるいは、非画像部の地カブリ等が発生
してしまう。
従つて、本発明では、前述の通り、樹脂粒子は、光導
電層中において、光導電性酸化亜鉛粒子の最大粒子径と
同じかそれよりも小さい粒子径で分散されていることが
好ましいとしたのである。
具体的には、本発明の樹脂粒子は最大粒子の粒径が10
μm以下であり、好ましくは5μm以下である。そし
て、粒子の平均粒径は1.0μm以下であり、好ましくは
0.5μm以下である。
なお、この樹脂粒子は、粒子径が小さい程比表面積が
大きくなり、上記の電子写真特性上良好な作用を持たら
し、コロイド粒子(0.01μm以下)程度でも充分である
が、余り小さくなり過ぎると分子分散の場合と同様の弊
害が生じて来るため、0.005μm以上で用いるのが好ま
しい。
また、この樹脂粒子は、余り少量であると効果がなく
なり、逆に多過ぎると非画像部の親水性は向上するが、
前述のようにエツチング速度の低下をもたらし、しかも
電子写真特性を劣化させて複写画像を悪化させるため、
本発明では前述のように、光導電性酸化亜鉛100重量部
に対して、0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%の
使用量で用いる。
以上により本発明の平版印刷用原版は、原画に対して
忠実な複写画像を再現し、非画像部の親水性が良好であ
るため地汚れも発生せず、光導電層の平滑性及び静電特
性が良好であり、更に耐刷力が優れているという利点を
有する。
更に、本発明の平版印刷用原版は製版処理時の環境に
左右されず、また処理前の保存性に優れているという特
徴を有する。
以下に、本発明において用いられる分解して少なくと
も1個のカルボキシル基を生成する官能基(以下単に、
カルボキシル基生成官能基と称することもある)につい
て詳しく説明する。
本発明のカルボキシル基生成官能基は分解によつてカ
ルボキシル基を生成するが、1つの官能基から生成する
カルボキシル基は1個でも2個以上でもよい。
本発明の1つの好ましい態様によれば、カルボキシル
基生成官能基含有樹脂は、一般式(I)〔−COO−L1
で示される官能基を少なくとも1種含有する樹脂であ
る。
一般式(I)〔−COO−L1〕において、L1は、 −N=CH−Q1, −NH−OH, 表わす。
但し、R1,R2は互いに同じでも異なつていてもよく、
水素原子又は脂肪族基を表わし、Xは、芳香族基を表わ
し、Zは、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル
基、アルキル基、−CN、−NO2、−SO2R1′(但し、R1
は炭化水素基を示す)、−COOR2′(但し、R2′は炭化
水素基を示す)又は−O−R3′(但し、R3′は炭化水素
基を示す)を表わし、n,mは、0,1,又は2を表わす。
R3,R4,R5は、互いに同じでも異なつていてもよく、炭
化水素基又は−O−R4′(但し、R4′は炭化水素基を示
す)を表わし、Mは、Si,Sn又はTiを表わす。
Q1,Q2は、各々炭化水素基を表わす。
Y1は酸素原子又はイオウ原子を表わし、R6,R7,R8は同
じでも異なつてもよく、各々水素原子又は脂肪族基を表
わし、pは3または4の整数を表わす。Y2は環状イミド
基を形成する有機残基を表わす。
一般式〔−COO−L1〕の官能基は、分解によつてカル
ボキシル基を生成するものであり、以下更に詳しく説明
する。
L1を表わす場合において、R1,R2は、互いに同じでも異な
つていてもよく、好ましくは水素原子、又は置換されて
もよい炭素数1〜6の直鎖状又は分枝状アルキル基(例
えばメチル基,エチル基,プロピル基,クロロメチル
基,ジクロロメチル基,トリクロロメチル基,トリフル
オロメチル基,ブチル基,ヘキシル基,ヒドロキシエチ
ル基,3−クロロプロピル基等)を表わし、Xは好ましく
は置換されてもよいフエニル基又はナフチル基(例えば
フエニル基,メチルフエニル基,クロロフエニル基,ジ
メチルフエニル基,クロロメチルフエニル基,ナフチル
基等)を表わし、Zは好ましくは水素原子、ハロゲン原
子(例えば塩素原子,フツ素原子等)、トリハロメチル
基(例えばトリクロロメチル基,トリフルオロメチル基
等)、炭素数1〜12の置換されてもよい直鎖状又は分枝
状アルキル基(例えばメチル基,クロロメチル基,ジク
ロロメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキ
シル基,テトラフルオロエチル基,オクチル基,シアノ
エチル基,クロロエチル基等)、−CN,−NO2,−SO2R1
〔R1′は脂肪族基(例えば炭素数1〜12の置換されても
よいアルキル基:具体的にはメチル基,エチル基,プロ
ピル基,ブチル基,クロロエチル基,ペンチル基,オク
チル基等、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルキル
基:具体的にはベンジル基,フエネチル基,クロロベン
ジル基,メトキシベンジル基,クロロフエネチル基,メ
チルフエネチル基等)又は芳香族基(例えば置換基を含
有してもよいフエニル基又はナフチル基:具体的には、
フエニル基,クロロフエニル基,ジクロロフエニル基,
メチルフエニル基,メトキシフエニル基,アセチルフエ
ニル基,アセトアミドフエニル基,メトキシカルボニル
フエニル基,ナフチル基等)を表わす〕、−COOR2′(R
2′は上記R1′と同義である)又は−O−R3′(R3′は
上記R1′と同義である)を表わす。n,mは0,1又は2を表
わす。
以上詳述したL1を表わす場合について、より具体的に説明すると、以下
の様な置換基例を挙げることができる。
例えば、β,β,β−トリクロロエチル基、β,β,
β−トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロ−i−プロ
ピル基、−CH2CF2CF2 n′H基(n′は1〜5を示
す)、2−シアノエチル基、2−ニトロエチル基、2−
ブタンスルホニルエチル基,ベンゼンスルホニルエチル
基、4−ニトロベンゼンスルホニルエチル基、4−シア
ノベンゼンスルホニルエチル基、4−メチルベンゼンス
ルホニルエチル基、置換基を含有してもよいベンジル基
(例えばベンジル基,メトキシベンジル基,トリメチル
ベンジル基,ペンタメチルベンジル基,ニトロベンジル
基等)、置換基を含有してもよいフエナシル基(例えば
フエナシル基,ブロモフエナシル基等)、置換基を含有
してもよいフエニル基(例えばフエニル基,ニトロフエ
ニル基,シアノフエニル基,メタンスルホニルフエニル
基,トリフルオロメチルフエニル基,ジニトロフエニル
基等)を表わす。
又L1を表わす場合において、R3,R4,R5は互いに同じでも異な
つていてもよく、好ましくは炭素数1〜8の置換されて
もよい脂肪族基〔脂肪族基はアルキル基,アルケニル
基,アラルキル基,又は脂環式基を示し、置換基として
は例えばハロゲン原子,−CN基,−OH基,−O−Q′
(Q′はアルキル基,アラルキル基,脂環式基,アリー
ル基を示す)等が挙げられる〕、炭素数6〜12の置換さ
れてもよい芳香族基(例えばフエニル基,トリル基,ク
ロロフエニル基,メトキシフエニル基,アセトアミドフ
エニル基,ナフチル基等)又は−O−R4′〔R4′は置換
されてもよい炭素数1〜6のアルキル基,置換されても
よい炭素数2〜6のアルケニル基,置換されてもよい炭
素数7〜8のアラルキル基,炭素数5〜8の置換されて
もよい脂環式基,炭素数6〜12の置換されてもよいアリ
ール基を示す〕を表わす。
MはSi,Ti,又はSnの各原子を表わし、より好ましくは
Si原子を表わす。
又L1が−N=CH−Q1又は を表わす場合においては、Q1,Q2は好ましくは各々炭素
数1〜8の置換されてもよい脂肪族基(脂肪族基として
は、アルキル基,アルケニル基,アラルキル基,脂環式
基を示す。置換基としては例えば、ハロゲン原子,CN
基,アルコキシ基等を挙げることができる)又は炭素数
6〜12の置換されてもよいアリール基(例えばフエニル
基,メトキシフエニル基,トリル基,クロロフエニル
基,ナフチル基等)を表わす。
L1が、 を表わす場合において、Y1は酸素原子又はイオウ原子を
表わす。R6,R7,R8は互いに同じでも異なつていてもよ
く、好ましくは水素原子、置換されてもよい炭素数1〜
8の直鎖状又は分岐状アルキル基(例えばメチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,オクチル
基,クロロエチル基,メトキシエチル基,メトキシプロ
ピル基等)、置換されてもよい脂環式基(例えばシクロ
ペンチル基,シクロヘキシル基等)、置換されてもよい
炭素数7〜8のアラルキル基(例えばベンジル基,フエ
ネチル基,クロロベンジル基,メトキシベンジル基等)
又は置換されてもよい芳香族基(例えばフエニル基,ナ
フチル基,クロロフエニル基,トリル基,メトキシフエ
ニル基,メトキシカルボニルフエニル基,ジクロロフエ
ニル基等)又は−O−R5′(R5′は炭化水素基を表わ
し、具体的には上記R6,R7,R8の炭化水素基と同一と置換
基類を示す)を表わす。
pは3または4の整数を表わす。
L1が、 を表わす場合において、Y2は環状イミド基を形成する有
機残基を表わす。好ましくは、一般式(II)又は(II
I)で示される有機残基を表わす。
一般式(II) 一般式(III) 式(II)中、R9,R10は各々同じでも異なつてもよく、
各々水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子,臭素原
子等)、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,
ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,ヘキ
サデシル基,オクタデシル基,2−クロロエチル基,2−メ
トキシエチル基,2−シアノエチル基,3−クロロプロピル
基,2−(メタンスルホニル)エチル基,2−(エトキシオ
キシ)エチル基等),炭素数7〜12の置換されてもよい
アラルキル基(例えばベンジル基,フエネチル基,3−フ
エニルプロピル基,メチルベンジル基,ジメチルベンジ
ル基,メトキシベンジル基,クロロベンジル基,ブロモ
ベンジル基等)、炭素数3〜18の置換されてもよいアル
ケニル基(例えばアリル基,3−メチル−2−プロペニル
基,2−ヘキセニル基,4−プロピル−2−ペンテニル基,1
2−オクタデセニル基等)、−S−R6′〔R6′は上記R9
又はR10のアルキル基,アラルキル基,アルケニル基と
同一の内容を表わす置換基,又は置換されてもよいアリ
ール基(例えばフエニル基,トリル基,クロロフエニル
基,ブロモフエニル基,メトキシフエニル基,エトキシ
フエニル基,エトキシカルボニルフエニル基等)〕、又
は−NHR7′(R7′は上記R6′と同一の内容を表わす)を
表わす。又、R9とR10で環を形成する残基を表わしても
よい〔例えば5〜6員環の単環(例えばシクロペンチル
環,シクロヘキシル環)、又は5〜6員環のビシクロ環
(例えば、ビシクロヘブタン環,ビシクロヘプテン環,
ビシクロオクタン環,ビシクロオクテン環等),更には
これらの環は置換されてもよく、置換基としてはR9,R10
で上記した内容と同一のものを含む。) qは2又は3の整数を表わす。
式(III)中、R11,R12は同一でも異なつてもよく、前
記R9,R10と同一の内容のものを表わす。更には、R11とR
12は連続して芳香族環を形成する有機残基を表わしても
よい(例えばベンゼン環,ナフタレン環等)。
本発明の好ましい他の1つの態様として、一般式(I
V)〔−CO−L2〕で示される官能基を少なくと1種含有
する樹脂である。
一般式(IV)〔−CO−L2〕において、L2を表わす。但し、R13,R14,R15,R16,R17は、各々水素原
子又は脂肪族基を表わす。
脂肪族基としては、好ましくは前記R6,R7,R8の置換基
と同一の内容を表わす。又、R14とR15及びR16とR17は連
結して、縮合環を形成してもよい有機残基を表わす。好
ましくは5〜6員環の単環(例えばシクロペンチル環,
シクロヘキシル環等)、5員〜12員環の芳香族環(例え
ばベンゼン環,ナフタレン環,チオフエン環,ピロール
環,ビラン環,キノリン環等)等を表わす。
更に、本発明の好ましい他の1つの態様として、下記
一般式(V)で示されるオキサゾロン環を少なくとも1
種含有する樹脂である。
一般式(V) 一般式(V)において、R18,R19は、互いに同じでも
異なつていてもよく、各々水素原子、炭化水素基を表わ
すか、又はR18とR19とが一緒に環を形成してもよい。
好ましくは、R18,R19は、互いに同じでも異なつても
よく、各々水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜
12の直鎖状又は分岐状アルキル基(例えばメチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシル基,2−クロロ
エチル基,2−メトキシエチル基,2−メトキシカルボニル
エチル基,3−ヒドロキシプロピル基等)、置換されてい
てもよい炭素数7〜12のアラルキル基(例えばベンジル
基,4−クロロベンジル基,4−アセトアミドベンジル基,
フエネチル基,4−メトキシベンジル基等)、置換されて
いてもよい炭素数2〜12のアルケニル基(例えばエチレ
ン基,アリル基,イソプロペニル基,ブテニル基,ヘキ
セニル基等),置換されていてもよい5〜7員環の脂環
式基(例えばシクロペンチル基,シクロヘキシル基,ク
ロロシクロヘキシル基等)、置換されてもよい芳香族基
(例えばフエニル基,クロロフエニル基,メトキシフエ
ニル基,アセトアミドフエニル基,メチルフエニル基,
ジクロロフエニル基,ニトロフエニル基,ナフチル基,
ブチルフエニル基,ジメチルフエニル基等)を表わす
か、又はR18とR19とが一緒に環(例えばテトラメチレン
基,ペンタメチレン基,ヘキサメチレン基等)を形成し
てもよい。
本発明に用いられる一般式(I)〜(V)で示される
官能基の群から選択される官能基を少なくとも1種含有
する樹脂は、重合体に含有されるカルボキシル基を反応
によつて一般式〔−COO−L1〕あるいは〔−CO−L2〕の
官能基に変換するいわゆる高分子反応による方法、又は
一般式〔−COO−L1〕あるいは〔−CO−L2〕の官能基を
1種又はそれ以上含有する1種又はそれ以上の単量体
の、又は該単量体及びこれと共重合し得る他の単量体の
重合反応により重合体とする方法により得られる。
これらの方法は、例えば、日本化学会編、「新実験化
学講座第14巻、有機化合物の合成と反応〔V〕」第2535
頁(丸善株式会社刊)、岩倉義男:栗田恵輔著、「反応
性高分子」第170頁(講談社刊)等の総説引例の公知文
献等に詳細に記載されている。
重合体の一般式〔−COO−L1〕あるいは〔−CO−L2
の官能基を任意に調整し得ること、あるいは不純物を混
入しないこと等の理由から、一般式〔−COO−L1〕ある
いは〔−CO−L2〕の官能基を1種又はそれ以上含有する
単量体から重合反応により製造する方法が好ましい。具
体的には重合性の二重結合を含むカルボン酸類あるいは
その酸ハライド類を、例えば前記した公知文献等に記載
された方法に従つて、そのカルボキシル基を一般式〔−
COO−L1〕あるいは〔−CO−L2〕の官能基に変換した
後、重合反応を行ない製造することができる。
また、一般式(V)で示されるオキサゾロン環を含有
する樹脂は、該オキサゾロン環を含有する1種又はそれ
以上の単量体又は該単量体及びこれと共重合し得る他の
単量体の重合反応により重合体とする方法により得られ
る。
このオキサゾロン環を含有する単量体は、重合性不飽
和結合を含有するN−アシロイル−α−アミノ酸類の脱
水閉環反応により製造することができる。具体的には、
岩倉義男.柴田恵輔、「反応性高分子」第3章(講談社
刊)の総説引例の文献記載の方法によつて製造すること
ができる。
これらの単量体と共重合しうる他の単量体としては、
例えば、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,酪酸ビニ
ル,酢酸ビニル,プロピオン酸アリル等の如き脂肪族カ
ルボン酸ビニルあるいはアリルエステル類、アクリル
酸,メタクリル酸,クロトン酸,イタコン酸,マレイン
酸,フマール酸等の如き不飽和カルボン酸のエステル類
又はアミド類,スチレン,ビニルトルエン,α−メチル
スチレンの如きスチレン誘導体、α−オレフイン類等が
挙げられる。
前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法
において用いられる一般式(I)〜(V)の官能基を含
有する共重合体成分について更に具体的に述べると、例
えば下記一般式(VI)の如き成分が挙げられる。但しこ
れらの共重合体成分に限定されるものではない。
一般式(VI) 式(VI)中、X′は、−O−,−CO−,−COO−,−O
CO−, −SO2, −CH2COO−,−CH2OCO−, 芳香族基、又はヘテロ環基を示す〔但し、d1,d2,d3,d4
は、各々水素原子、炭化水素基又は式(VI)のY′−
W〕を表わし、b1,b2は同じでも異なつていてもよく、
水素原子、炭化水素基又は式(VI)中のY′−W〕を
表わし、lは0〜18の整数を示す〕。
Y′は、結合基X′と結合基〔W〕を連結する、ヘテ
ロ原子を介していてもよい炭素−炭素結合を表わし(ヘ
テロ原子としては、酸素原子,イオウ原子,窒素原子を
示す)、 例えば CH=CH,−O−,−S−, −COO−,−CONH−,−SO2,−SO2NH−,NHCOO−,−NHCO
NH−等の結合単位の単独又は組合せの構成より成るもの
である(但しb3,b4,b5は、各々前記b1,b2と同義であ
る)。
Wは、式(I)〜(V)で表わされる官能基を表わ
す。
a1,a2は、同じでも異なつていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子(例えば塩素原子,臭素原子等)、シアノ
基、炭化水素基(例えばメチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,メトキシカルボニル基,エトキシカルボ
ニル基,プロポキシカルボニル基,ブトキシカルボニル
基,ヘキシルオキシカルボニル基,メトキシカルボニル
メチル基,エトキシカルボニルメチル基,ブトキシカル
ボニルメチル基等の置換されてもよい炭素数1〜12のア
ルキル基,ベンジル基,フエネチル基等のアラルキル
基,フエニル基,トリル基,シリル基,クロロフエニル
基等のアリール基等)又は式(VI)中の−W基を含む置
換基で置換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル
基,アルケニル基,アラルキル基,脂環式基,芳香族基
を示す)を表わす。
又、式(VI)中の〔−X′−Y′−)結合残基は 部と−Wは直接連結させてもよい。
このときのWは、前記のWと同様に一般式(I)〜
(V)で表わされる記号内容を表わす。
本発明の一般式(I)〜(V)で表わされる官能基
〔式(VI)中のW基〕について具体的例を以下に述べ
る。但し、本発明の範囲はこれらに限定されるものでは
ない。
(12) −COOCH2CF3 (48) −COOCH2OCH3 (50) −COOC(C6H5 (51) −COOC(C6H5 本発明の樹脂におけるカルボキシル基生成官能基を含
有する重合体成分は、樹脂が共重合体である場合には全
重合体中の1〜95重量%、特に5〜60重量%であること
が好ましい。また、樹脂の重合体の分子量は103〜106
特に5×103〜5×105であることが好ましい。
本発明の樹脂は、従来公知の環式及び湿式の方法によ
つて微粒子とすることができる。即ち、該樹脂粉体を従
来公知の粉砕機で直接粉砕し、微粒子とする方法(例え
ばボールミル,ペイントシエーカー,ハンマーミル,ジ
エツトミル等を使用する方法)と、高分子ラテツクス粒
子とする方法を用いることができる。
後者の高分子ラテツクス粒子とする方法としては、従
来公知の塗料あるいは静電写真用液体現像剤のラテツク
ス粒子を製造する方法を用いることができる。即ち、本
発明の樹脂を分散用ポリマーを併用して分散する方法
で、該樹脂と分散補助ポリマー(又は被覆ポリマー)を
予め混練して混練用とした後、粉砕し、次に分散ポリマ
ーを共存させて分散する方法等である。
具体的には例えば、植木憲二監訳(塗料の流動と顔料
分散」共立出版(1971年)、「ソロモン,塗料の化
学」,「Paint and Surface Coating theory and pract
ice」,原崎勇次「コーテイング工学」朝倉書店(1971
年),原崎勇次「コーテイングの基礎科学」槙書店(19
77年),特開昭62−96954号,同62−115171号,同62−7
5651号等の成書に記載されている。
また、懸濁重合法,分散重合法等の従来公知の重合反
応で容易にラテツクス粒子を得る方法を用いることもで
きる。
具体的には、室井宗一,「高分子ラテツクスの化学」
高分子刊行会(1970年),奥田平,稲垣寛,「合成樹脂
エマルジヨン」高分子刊行会(1978年),室井宗一,
「高分子ラテツクス入門」工文社(1983年)等の成書に
記載されている。
本発明においては、高分子ラテツクス粒子とする方法
が好ましく、この方法により容易に平均粒子径1.0μm
以下の樹脂粒子とすることができる。
ところで、本発明の電子写真式平版印刷用原版におい
ては、光導電層を形成する場合、光導電性酸化亜鉛を水
系で分散する方法(例えば特公昭51−450号,同47−185
99号,同46−41350号等)及び非水溶媒系で分散する方
法(例えば前記した特公昭50−31011号,特開昭53−540
27号,同54−20735号,同57−202544号,同58−68046号
等)のいずれでもよいが、光導電層中に水が残留すると
電子写真特性を阻害するため、非水溶媒系で分散する方
法が好ましい。従つて、本発明のラテツクス粒子を非水
系で分散された光導電層中に充分に分散させるために、
該ラテツクス粒子も非水系ラテツクスであることが好ま
しい。
非水系ラテツクスに用いられる非水溶媒としては、沸
点200℃以下の有機溶媒であればいずれでもよく、それ
は単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
この有機溶媒の具体例は、メタノール,エタノール,
プロパノール,ブタノール,フツ化アルコール,ベンジ
ルアルコール等のアルコール類、アセトン,メチルエチ
ルケトン,シクロヘキサノン,ジエチルケトン等のケト
ン類、ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキ
サン等のエーテル類、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブ
チル,プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル類、
ヘキサン,オクタン,デカン,ドデカン,トリデカン,
シクロヘキサン,シクロオクタン等の炭素数6〜14の脂
肪族炭化水素類,ベンゼン,トルエン,キシレン,クロ
ロベンゼン等の芳香族炭化水素類,メチレンクロリド,
ジクロロエタン,テトラクロロエタン,クロロホルム,
メチルクロロホルム,ジクロロプロパン,トリクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
これらの非水溶液媒系で、高分子ラテツクスを分散重
合法で合成する方法は、ラテツクス粒子の平均粒子径が
容易に1μm以下となり、しかも粒径の分布が非常に狭
く、且つ単分散の粒子とすることができる。具体的に
は、K.E.J.Barrett,「Dispersion Polymerization in O
rganic Media」John Wiley(1975年),村田耕一郎,高
分子加工,23,20(1974),松求恒隆・丹化豊吉,日本
接着協会誌,183(1973),丹下豊吉,日本接着協会誌
23,26(1987),D.J.Walbridge,NATO.Adv.study.Inst.Se
r.E.No67,40(1983),B.P.893429号,B.P.934038号,USP1
122397号,USP390412号,USP4606989号,特開昭60−17905
1号,同60−185963号等にその方法が開示されている。
本発明に供される結着樹脂としては、従来知られてい
る全てのものが利用できる。代表的なものは塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合
体、スチレン−メタクリレート共重合体、メタクリレー
ト共重合体、アクリレート共重合体、酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、アルキド樹脂、シリコーン
樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリエス
テル樹脂等である。
具体的には、栗田隆治・石渡次郎,高分子,第17巻,
第278頁(1968年),宮本晴視,武井秀彦,イメージン
グ,1973(No.8)第9頁,中村孝一編,「記録材料用バ
インダーの実際技術」第10章,C.H.C出版(1985年刊),
D.D.Tatt,S.C.Heidecker,Tappi,49(No.10),439(196
6),E.S.Baltazzi,R.G.Blanclotte,Photo.Sci Eng.16
(No.5),354(1972),グエン・チヤン・ケー,清水
勇,井上英一,電子写真学会誌18(No.2),28(198
0),特公昭50−31011号,特開昭53−54027号,同54−2
0735号,同57−202544号,同58−68046号等に開示の材
料が挙げられる。
更に具体的には、下記一般式(VII)で示される単量
体を共重合体成分として、その共重合体総量の30重量%
以上含有する(メタ)アクリル系共重合体、あるいは一
般式(VII)で示される単量体の単独重合体を挙ること
ができる。
一般式(VII) 一般式(VII)において、Xは水素原子、ハロゲン原
子(例えば塩素原子,臭素原子)、シアノ基、炭素数1
〜4のアルキル基、又は−CH2COOR″基〔R″は炭素数
1〜6の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル
基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘプチル基,ヘ
キシル基,2−メトキシエチル基,2−クロロエチル基
等)、炭素数7〜12の置換されてもよいアラルチル基
(例えばベンジル基,フエネチル基,3−フエニルプロピ
ル基,2−フエニルプロピル基,クロロベンジル基,ブロ
モベンジル基,メトキシベンジル基,メチルベンジル基
等)又は炭素数6〜12の置換されてもよいアリール基
(例えばフエニル基,トリル基,キシリル基,クロロフ
エニル基,ジクロロフエニル基,メトキシフエニル基,
ブロモフエニル基,ナフチル基等)を表わす〕を表わ
す。
R′は、炭素数1〜18の置換されていてもよいアルキ
ル基(例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル
基,ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,
ドデシル基,トリデシル基,テトラデシル基,2−メトキ
シエチル基,2−エトキシエチル基等)、炭素数2〜18の
置換されていてもよいアルケニル基(例えばビニル基,
アリル基,イソプロペニル基,ブテニル基,ヘキセニル
基,ヘプテニル基,オクテニル基等)、炭素数7〜12の
置換されていてもよいアラルキル基(例えばベンジル
基,フエネチル基,メトキシベンジル基,エトキシベン
ジル基,メチルベンジル基等)、炭素数5〜8の置換さ
れていてもよいシクロアルキル基(例えばシクロペンチ
ル基,シクロヘキシル基,シクロヘプチル基等)、アリ
ール(例えばフエニル基,トリル基,キシル基,メシチ
ル基,ナフチル基,メトキシフエニル基,エトキシフエ
ニル基,クロロフエニル基,ジクロロフエニル基等)を
表わす。
一般式(VII)で示される単量体と共重合させる他の
単量体としては、例えば、酢酸ビニル,プロピオン酸ビ
ニル,酪酸ビニル,酢酸アリル,プロピオン酸アリル等
のような脂肪族カルボン酸ビニルあるいはアリルエステ
ル類、クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸,フマール
酸等のような不飽和カルボン酸あるいは、これら不飽和
カルボン酸のエステル類又はアミド類、スチレン,ビニ
ルトルエン,α−メチルスチレンのようなスチレン誘導
体、α−オレフイン類、アクロリロニトリル,メタクリ
ロニトル,N−ビニルピロリドンのようなビニル基置換の
ヘテロ環化合物等が挙げられる。
本発明に供される結着樹脂の分子量は、好ましくは10
3〜106、より好ましくは、5×103〜5×105である。又
この結着樹脂のガラス転移点は好ましくは−10℃〜120
℃、より好ましくは0℃〜85℃である。
上記した結着用樹脂は、光導電性酸化亜鉛と前述の分
解によりカルボキシル基を生成する樹脂粒子とを光導電
層中に固着させると共に、該光導電層と支持体とを密着
させる作用をなし、少な過ぎれはこれらの固着・密着強
度を低下させ印刷版としての耐刷力を減じるのみなら
ず、原版の繰返し使用が不可能になる。逆に多過ぎれ
ば、耐刷力や繰返し使用性は向上するが、前述のように
電子写真特性が低減する。
従つて、本発明では、前述のように、光導電性亜鉛10
0重量部に対して上記した結着用樹脂を10〜60重量%、
好ましくは15〜40重量%で使用する。
また本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感
剤として併用することができる。例えば、宮本晴視,武
井秀彦、イナーシング1973(No.8)第12頁,C.J.Young
等,RCA Review15,469(1954)、清度航平等,電気通信
学会論文誌J63−C(No.2),97(1980)、原崎勇次等,
工業化学雑誌66 78及び188(1963)、谷忠昭,日本写
真学会誌35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフエニルメタン色素、トリフエニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えば、オキソノール色素、メロシアニン色素,
シアニン色素,ロダシアニン色素,スチリル色素等)、
フタロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げら
れる。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフエニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51−452号、特開昭50
−90334号、同50−114227号、同53−39130号、同53−82
353号、USP3,052,540号、USP4,054,450号、特開昭57−1
6456号等に記載のものが挙げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Harmmer「The Cyanine Dyes and Related Compound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、USP3,047,384号、USP、3,110,591号、USP3,121,008
号、USP3,125,447号、USP3,128,179号、USP3,132,942
号、USP3,622,317号、BP1,226,892号、BP1,309,274号、
BP1,405,898号、特公昭48−7814号、同55−18892号等に
記載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47−840号、同4
7−44180号、特公昭51−41061号、特開昭49−5034号、
同49−45122号、同57−46245号、同56−35141号、同57
−157254号、同61−26044号、同61−27551号、USP3,61
9,154号、USP4,175,956号、「Reserrch Disclosure」19
82年、216、第117〜118頁等に記載のものが挙げられ
る。
本発明の感光体は種々の増感色素を併用させても、そ
の性能が増感色素により変動しにくい点において優れて
いる。更には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知ら
れている電子写真感光層用各種添加剤を併用することも
できる。例えば、前記したイメージング1973(No.8)P1
2等の電子受容性化合物(例えばハロゲン,ベンゾキノ
ン,クロラニル,酸無水物,有機カルボン酸等)、小門
宏等、「最近の光導電材料と感光体の開発・実用化」第
4章〜第6章:日本科学情報(株)出版部(1986年)の
ポリアリールアルカン化合物、ヒンダートフエノール化
合物、p−フエニレンジアミン化合物が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常、光導電性酸亜鉛100重量部に対して0.0001〜
2.0重量%である。
光導電層の厚さは1〜100μ、特に10〜50μが好適で
ある。
また、電荷発生層と電荷輸送量の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特には0.05〜0.5μが好適である。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に云つて電子写真感光層の支持体
は、導電性であることが好ましく、導電性支持体として
は、従来と全く同様、例えば、金属、紙、プラスチツク
シート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導
電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対
面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目
的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体
の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面
層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が
設けられたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチツ
クを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例とし
て、坂本幸男,電子写真,14,(No.1),p2〜11(197
5),森賀弘之,「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(1
975),M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4(6),p
1327〜1417(1970)等に記載されているもの等を用い
る。
(実施例) (ラテツクス粒子の製造例1):L−1 ドデシルメタクリレート95g、アクリル酸5g及びトル
エン200gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら70℃に
加温した。これに2,2′−アゾビス(イソプテロニトリ
ル)(略称A.I.B.N.)1.5gを加え8時間反応した。この
反応混合溶液にグリシジルメタクリレート12g、t−ブ
チルハイドロキノ1g及びN,N−ジメチルドデシルアミン
0.89gを加え、100℃で15時間反応した(分散樹脂
(I)。
次に、上記分散樹脂(I)7g(固形分量として)、2
−シアノエチルメタクリレート20g、下記単量体(M−
1)30g及びn−オクタン200gの混合溶液を窒素気流下
撹拌しながら65℃に加温した。これに、2,2′−アゾビ
ス(イソバレロニトリル)(略称A.I.V.N.)0.3gを加え
6時間反応した。
開始剤(A.I.V.N.)添加20分後均一溶液が白濁を始
め、反応温度は90℃まで上昇した。冷却後200メツシユ
のナイロン布を通して白色分散物を得た。平均粒子径0.
35μmのラテツクス(L−1)であつた。
(単量体M−1) (ラテツクス粒子の製造例2〜12):L−2〜L−12 ラテツクス粒子の製造例1において、単量体(M−
1)30gの代わりに、下記表−1の各単量体30gを用いた
他は、製造例1と同様にしてラテツクス粒子L−2〜L
−12を製造した。
(ラテツクス粒子の製造例13):L−13 エチレングリコール31.5g、無水フタル酸51.8g、メタ
クリル酸6.0g、トリクロロエチレン10g、p−トルエン
スルホン酸0.7gの混合物を加温し、6時間反応した。反
応温度は107℃から開始し、6時間で150℃に上昇する様
にした(反応により副生する水は、Dean−Stark法で除
去した)。
メチルメタクリレート10g、下記構造の単量体(M−1
3)40g、上記で得た共重合体5g(固形分として)及びイ
ソデカン200gの混合溶液を、窒素気流下に70℃に加温
し、過酸化ベンゾイル0.4gを加え、4時間反応した。
冷却後200メツシユのナイロン布を通して得られた白
色分散物の平均粒子径は0.18μmであつた。
(単量体M−13) (ラテツクス粒子の製造例14):L−14 ポリ〔ドデシルメタクリレート〕8.5g、単量体(M−
1)50g及びn−オクタン250gの混合溶液を、窒素気流
下に65℃に加温した。これにA.I.V.N.0.2gを加え、4時
間反応した。冷却後200メツシユのナイロン布を通して
得られた分散物は平均粒子径0.30μmのラテツクスであ
つた。
(ラテツクス粒子の製造例15):L−15 〔ドデシルメタクリレート/アクリル酸共重合体(95
/5)重量組成比〕4g、下記単量体(M−14)30g及びn
−ヘキサン200gの混合溶液を窒素気流下に60℃に加温し
た。これに、A.I.V.N.0.2gを加え4時間反応した。冷却
後200メツシユのナイロン布を通し、得られた分散物は
0.35μmのラテツクスであつた。
(単量体M−14) 実施例1 光導電性酸化亜鉛200g、(エチルメタクリレート/ア
クリル酸)共重合体(重量組成比97/3,重量平均分子量6
3,000)40g、ラテツクス粒子(L−1)5g(固形分とし
て)、ローズベンガル0.06g、無水フタール酸0.05g及び
トルエン300gの混合物を、ボールミル中で2時間分散処
理した。この感光層形成物を、導電処理した紙に、乾燥
付着量が22g/m2となる様にワイヤーバーで塗布し、110
℃で3秒間乾燥した。次いで、暗所で20℃,65%RHの条
件下で24時間放置することにより電子写真感光材料を作
製した。
比較例A 実施例1において、ラテツクス粒子(L−1)5g(固
形分として)を除いた他は、実施例1と同様にして操作
して、電子写真感光材料を作製した。
比較例B ブチルメタクリレート60g、単量体M−140g及びトル
エン200gの混合溶液を、窒素気流下撹拌しながら75℃に
加温した。これに、A.I.B.N. 1.0gを加え、8時間反応
した。重合体はトルエンに溶解した溶液として得られ
た。
実施例1において、ラテツクス粒子(L−1)5gの代
わりに、上記重合体5g(固形分として)を用いた他は、
実施例1と全く同様に操作して、電子写真感光材料を作
製した。
これらの感光材料の静電特性、撮像性及び環境条件を
30℃,80%−RHとした時の撮像体を調べた。
更に、これらの感光材料をオフツトマスタA−用原版
として用いた時の光導電層の不感脂化性(不感脂化処理
後の光導電層の水との接触角で表わす)及び印刷性(地
汚れ、耐刷性等)を調べた。
撮像制及び印刷性は、全自動製版機ELP404V(富士写
真フイルム(株)製)に現像剤ELP−T(富士写真フイ
ルム(株)製)を用いて露光・現像処理して画像を形成
し、不感脂化液ELP−EXを用いてエツチングプロセツサ
ーでエツチングして得られた平版印刷版を用いて調べた
(なお、印刷機にはオリバー52型((桜井製作所))型を用
いた)。
以上の結果をまとめて、表−2に示す。
表−2に記した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1)静電特性: 温度20℃,65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP−428型)を用いて6kVで20秒間コロナ放電をさせた直
後の表面電位V0(−Vはマイナスに帯電させたの意)と
し、10秒間放置した時の表面電位V10を測定した。次い
でそのまま暗中で60秒間静置した後の電位V70を測定
し、60秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即ち、暗減
衰保持率〔DRR(%)〕を(V70/V10)×100(%)で求
めた。又、コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯
電させた後、該光導電層表面を照度2.0ルツクスの可視
光で照射し、表面電位(V10)が1/10に減衰するまでの
時間を求め、これから露光量E1/10(ルツクス・秒)を
算出する。
注2)撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、全
自動製版機ELP−404Vで製版して得られた複写画像(カ
ブリ、画像の画質)を目視評価した。撮像時の環境条件
は、20℃65%RH(I)と30℃80%RH(II)で実施した。
注3)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP−EXを蒸留水で5倍
に希釈したもの(富士写真フイルム(株)製)を用い
て、エツチングプロセツサーに2回通して光導電層面を
不感脂化処理した後、これに蒸留水2μの水滴を乗
せ、形成された水との接触角をゴニオメーターで測定す
る。
注4)印刷物の地汚れ: 各感光材料を全自動製版機ECP−404Vで製版してトナ
ー画像を形成し、上記(注3)と同条件で不感脂化処理
し、これをオフセツトマスターとしてオフセツト印刷機
(オリバー52型((桜井製作所))にかけ上質紙上に500枚
印刷し、全印刷物の地汚れを目視により判定する。これ
を印刷物の地汚れIとする。
印刷物の地汚れIIは、印刷時の湿し水を2倍に希釈し
た他は、前記の地汚れIと同様の方法で試験する。IIの
場合は、Iよりも厳しい条件で印刷したことに相当す
る。
注5)耐刷性: 上記注4)の印刷汚れIIの評価条件で各感光材料を処
理し、印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問
題が生じないで印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い
程、耐刷性が良好なことを表わす)。
表−2に示す様に、本発明の感光材料は、光導電層の
静電特性が良好で、実際の複写画像も地カブリがなく複
写画質も鮮明であつた。このことは光導電体と結着樹脂
が充分に吸着し、且つ、添加された樹脂粒子が、静電特
性に悪影響を及ぼさないことを示している。
オフセツト原版として用いた場合、不感脂化処理によ
つて、非画像部の不感脂化が進み、非画像部の水との接
触角が7゜以下と小さく、充分に親水化されていること
が判る。実際に印刷して印刷物の地汚れを観察しても地
汚れは全く認められず、印刷枚数は1万枚を越えること
が判つた。
比較例Aは、電子写真特性(撮像性)は良好であつた
が、オフセツトマスター原版として不感脂化処理しても
非画像部の親水化が不充分で、実際に印刷しても印刷物
の地カブリが最初から著しく発生した。
比較例Bは、本発明の分解によりカルボキル基を生成
する官能基を含有する単量体を含有する重合体を粒子化
せずに結着樹脂として、実施例1と同じ結着樹脂に併用
した場合であるが、実施例1と比べ、その効果は不充分
であつた。このことは、本発明の様に粒子分散したもの
と比らべ、オフセツトマスター原版としての非画像部の
親水化の効率が低いことによると考えられる。
以上のことにより、本発明の場合にのみ静電特性及び
印刷適正を満足する電子写真感光体が得られる。
実施例2〜11 実施例1において、ラテツクス粒子(L−1)の代わ
りに、表−3の樹脂粒子を各々用いた他は、実施例1と
同様に操作して、各電子写真感光材料を作製した。
各感光材料を実施例1と同様にして、静電特性、撮像
性及び印刷性を測定した。
その結果はいずれも電子写真特性が良好で、且つ印刷
しても印刷物は地汚れの全く認められないものであつ
た。
実施例12 単量体(M−2)50g及びメチルセルソルブ200gの混
合溶液を、窒素気流下75℃に加温した。これに、A.I.B.
N. 0.5gを加え、8時間反応した。冷却後、ヘキサン1.
5中で再沈殿処理し、白色粉末を集後、乾燥した。
白色粉末の収量は38gであつた。
アクリル系樹脂ダイヤナールLR−009(三菱レーヨン
(株)製)38g(固形分量として)、上記で得た白色粉
末5g、光導電性酸化亜鉛(実施例1のものと最大粒子
径,平均粒子径とも同一のもの)200g、ローズベンガル
0.02g、テトラブロムフエノールブルー0.03g、無水マレ
イン酸0.10g及びトルエン300gの混合物をボールミル中
で2時間分散処理して感光層形成物を調製し、これを導
電処理した紙に、乾燥付着量が25g/m2となるようにワイ
ヤーバーで塗布し、110℃で1分間乾燥し、ついで暗所
で20℃,65%RHの条件下に24時間放置することにより電
子写真感光材料を作製した。
この感光材料を実施例1と同様にして、静電特性、撮
像性及び印刷特性を測定した。
撮像性は良好であり、エツチング後の非画像部の水と
の接触角は5℃以下と小さかつた。又、印刷に供したと
ころ、刷り出しからの地汚れの発明もなく、1万枚印刷
後の印刷物にも地汚れの発生は見られなかつた。
なお、本実施例の結果から明らかなように、本発明に
おいて、分解によりカルボキシル基を生成する樹脂は、
予め粒子化することなく、粉末の形態で酸化亜鉛感光層
形成物の組成物に含有させておき、この樹脂粉末含有組
成物をボールミル等で分散処理する方法でも、所期の微
粒子状に充分分散することが判る。
実施例13〜18 実施例12において用いた、白色粉末の代わりに下記表
−4の繰り返し単位で示される樹脂粉末を用いた他は、
実施例12と全く同様に操作して、各電子写真感光材料を
作製した。
各感光材料を実施例1と同様にして、静電特性及び印
刷特性を各々測定した。得られた結果は、いずれも良好
で、印刷においては1万枚を越えても印刷物に地汚れを
発生しなかつた。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、極めて優れた印刷特
性を発現する平版印刷用原版を提供できる。
また、本発明では、分解してカルボキシル基を生成す
る官能性基を有する樹脂を粒子化して、光導電性酸化亜
鉛用結着樹脂とは別個に用いるため、非画像部の不感脂
化処理の際に、上記官能性基の部分のみが不感脂化液と
強く反応してしまうといつた事態は発生せず、エツチン
グ処理速度を向上させても非画像部は万偏なく良好に不
感脂化できる。
そして、この不感脂化液及び印刷時の湿し水により、
非画像部の存在する上記樹脂粒子の官能性基が徐々に分
解され、印刷開始から終了までの間を通して非画像部の
親水性が良好に維持され、損紙を激減することができ
る。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも1層の光導
    電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する光導電層を設けて
    成る電子写真式平版印刷用原版において、前記光導電層
    中に、粒径が0.005μm〜10μmであり、分解により少
    なくとも1つのカルボキシル基を生成する官能基を少な
    くとも1種含有する重合体成分を少なくとも1種含有す
    る樹脂粒子を含有させてなることを特徴とする電子写真
    式平版印刷用原版。
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