JP2502123B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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JP2502123B2 JP11347088A JP11347088A JP2502123B2 JP 2502123 B2 JP2502123 B2 JP 2502123B2 JP 11347088 A JP11347088 A JP 11347088A JP 11347088 A JP11347088 A JP 11347088A JP 2502123 B2 JP2502123 B2 JP 2502123B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真方式で製版される電子写真式平版
印刷用原版に関するものであり、特に、該平版印刷用原
版の光導電層形成用組成物の改良に関する。
(従来の技術) 現在ダイレクト製版用のオフセツト原版には多種のも
のが提案され且つ実用化されているが、中でも、導電性
支持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子及び結着樹脂
を主成分とした光導電層を設けた感光体を通常の電子写
真工程を経て、感光体表面に親油性の高いトナー画像を
形成させ、続いて該表面をエツチ液と言われる不感脂化
液で処理し非画像部分を選択的に親水化することによつ
てオフセツト原版を得る技術が広く用いられている。
良好な印刷物を得るには、先ずオフセツト原版に、原
画が忠実に複写されると共に、感光体表面が不感脂化処
理液となじみ易く、非画像部が充分に親水化されると同
時に耐水性を有し更に印刷においては、画像を有する光
導電層が難脱しないこと、及び湿し水とのなじみがよ
く、印刷枚数が多くなつても、汚れが発生しない様に、
充分に非画像部の親水性が保持されること等の性能を有
する必要がある。
これらの性能には、光導電層中の酸化亜鉛と結着樹脂
の比率が影響することは、既に知られており、例えば、
光導電層の酸化亜鉛粒子に対する結着樹脂の比率を小さ
くすれば、光導電層表面の不感脂化性が向上し、地汚れ
は少なくなるが、他方で光導電層自体の内部凝集力が低
下し、機械的強度不足による耐刷力の低下が生じる。逆
に、結着樹脂の比率を大きくすると、耐刷力は向上する
が、地汚れが増大する。特に地汚れは、光導電層表面の
不感脂化性の良否に関係する現象であることは言うまで
もないが、光導電層表面の不感脂化性は、光導電層中の
酸化亜鉛と結着樹脂の比率のみによつて左右されるもの
ではなく、結着樹脂の種類によつても、大きく左右され
ることが明らかになつてきている。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂
(特公昭34-6670号)、スチレン−ブタジエン樹脂(特
公昭35-1950号)、アルキツド樹脂、マレイン酸樹脂、
ポリアミド(特公昭35-11219号)、酢酸ビニル樹脂(特
公昭41-2425号)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41-2426
号)、アクリル樹脂(特公昭35-11216号)、アクリル酸
エステル共重合体(例えば特公昭35-11219号、特公昭6-
8510号、特公昭41-13946号等)等が知られている。しか
し、これらの樹脂を用いた電子写真感光材料において
は、1)光導電層の帯電性が低い、2)複写画像の画像
部の品質(特に網点再現性・解像力)が悪い、3)露光
感度が低い、4)オフセツトマスターとして用いるため
に不感脂化処理しても不感脂化が行なわれず、このため
オフセツト印刷した際に印刷物に地汚れを生ずる、5)
感光層の膜強度が充分でなく、オフセツト印刷すると感
光層の脱離等が生じ、印刷枚数を多くできない、6)複
写画像作成時の環境(例えば高温高湿)にその画質が影
響されやすい、等のいずれかの問題があつた。
特にオフセツト原版としては、前記の様に不感脂化性
不充分による地汚れ発生が大きな問題であり、これを改
良するために不感脂化性を向上させる酸化亜鉛結着用樹
脂の開発が種々検討されてきている。例えば、特公昭50
-31011号では、フマル酸存在下で(メタ)アクリレート
系モノマーと他のモノマーと共重合させた、w1.8〜10
×104でTg10〜80℃の樹脂と、(メタ)アクリレート系
モノマーとフマル酸以外の他のモノマーとから成る共重
合体とを併用したもの、又特開昭53-54027号では、カル
ボン酸基をエステル結合から少なくとも原子数7個離れ
て有する置換基をもつ(メタ)アクリル酸エステルを含
む三元共重合体を用いるもの、又特開昭54-20735号・同
57-202544号では、アクリル酸及びヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートを含む4元又は5元共重合体を用
いるもの、又特開昭58-68046号では、炭素数6〜12のア
ルキル基を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル及
びカルボン酸含有のビニリモノマーを含む3元共重合体
を用いるもの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果が
あると記載されている。
しかし上記した不感脂化性向上に効果があるとされる
樹脂であつても現実に評価してみると、地汚れ、耐刷力
において未だ満足できるものではなかつた。
更に、結着樹脂として、分解により親水性基を生成す
る官能基を含有する樹脂を用いるものが検討されてお
り、例えば分解によりヒドロキシル基を生成する官能基
を含有するもの(特開昭62-195684、同62-210475、同62
-210476)や分解によりカルボキシル基を生成する官能
基を含有するもの(特開昭62-21269)等が開示されてい
る。
これらの樹脂は不感脂化液又は印刷時に用いる湿し水
により加水分解又は加水素分解されて親水性基を生成す
る樹脂であり、これらを平版印刷用原版の結着樹脂とし
て用いると、親水性基自身をはじめから含有する樹脂を
用いた場合に該親水性基と光導電性酸化亜鉛粒子表面と
の強い相互作用によつて生ずると思われる種々の問題
(平滑性の悪化、あるいは暗電荷保持量や光感度等の電
子写真特性の悪化等)を回避できるとともに、不感脂化
液により親水化される非画像部の親水性が、樹脂中にお
いて分解により生成される上記親水性基によつてより一
層高められる為、画像部の親油性と非画像部の親水性が
明確となり、印刷時に非画像部に印刷インキが付着する
のを防止し、その結果として地汚れのない鮮明な画質の
印刷物を多数枚印刷することが可能となると記載されて
いる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、これらの樹脂を用いても地汚れ、耐刷
力において未だ満足できるものではなく、上記の如き親
水性基生成官能基を含有する樹脂を用いた場合でも、非
画像部における親水性を更に向上させるべく、その含有
量を増大させた場合には、分解により生成した親水性基
により親水性が増大するとともに水溶性となつてしまう
ため、特にその持続性において問題のあることが判つ
た。
従つて、非画像部の親水性による効果がより向上し、
更に持続性が向上する技術の出現が望まれる。
より具体的にいえば、全結着樹脂中における上記の如
き親水性基生成官能基を含有する樹脂の含有量を減少さ
せても親水性向上の効果が変わらず維持でき、ないしは
向上し、あるいは印刷機の大型化又は印圧の変動等如き
印刷条件が厳しくなつた場合でも、地汚れのない鮮明な
画質の印刷物を多数枚印刷することのできる技術の出現
が望まれている。
(課題を解決するための手段及び作用) 本発明は、上記問題点を、導電性支持体上に、少なく
とも1層の光導電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する光
導電層を設けてなる電子写真式平版印刷用原版におい
て、前記光導電層中に、分解によりヒドロキシル基を生
成する官能基を少なくとも1種含有する樹脂粒子、ある
いは該樹脂粒子であつて且つその少なくとも一部分が架
橋されている樹脂粒子を少なくとも1種含有してなるこ
とを特徴とする電子写真式平版印刷用原版により解決す
るものである。
上記構成の本発明原版は、原画に対して忠実な複写画
像を再現し、非画像部の平滑性及び静電特性が良好であ
り、更に耐刷力が優れているという利点を有する。
更に、本発明の平版印刷用原版は製版処理時の環境に
左右されず、また処理前の保存性に優れているという特
長を有する。
以下に、本発明において用いられる分解して少なくと
も1個のヒドロキシル基を生成する官能基を少なくとも
1種含有する樹脂(以下単に、ヒドロキシル基生成官能
基含有樹脂と称することもある)について詳しく説明す
る。
本発明のヒドロキシル基生成官能基含有樹脂に含まれ
る官能基は分解によつてヒドロキシル基を生成するが、
1つの官能基から生成するヒドロキシル基は1個でも2
個以上でもよい。
本発明の1つの好ましい態様によればヒドロキシル基
生成官能基含有樹脂は、一般式(I):〔−O−L〕で
示される官能基を少なくとも1種含有する樹脂である。
一般式(I)〔−O−L〕において、Lは −CO−Y1、−CO−Z−Y2、−CH=CH−CH3又は を表わす。
但し、R1,R2,R3は互いに同じでも異なつていてもよ
く、水素原子、炭化水素基又は−O−R′(R′は炭化
水素基を示す)を表わし、Y1,Y2は炭化水素基を表わ
し、Zは酸素原子、イオウ原子又は−NH−基を表わし、
Xはイオウ原子又は酸素原子を表わす。
上記一般式〔−O−L〕の官能基は分解によつてヒド
ロキシル基を生成するものであり、以下更に詳しく説明
する。
Lが を表わす場合において、R1,R2,R3は互いに同じでも異
なつていてもよく、好ましくは水素原子、置換されても
よい炭素数1〜18の直鎖状又は分岐状アルキル基(例え
ばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ヘキシ
ル基,オクチル基,デシル基,ドデシル基,オクタデシ
ル基,クロロエチル基,メトキシエチル基,メトキシプ
ロピル基等)、置換されてもよい脂環式基(例えばシク
ロペチル基,シクロヘキシル基等)、置換されてもよい
炭素数7〜12のアラルキル基(例えばベンジル基,フエ
ネチル基,フロロベンジル基,クロロベンジル基,メチ
ルベンジル基,メトキシベンジル基,3−フエニルプロピ
ル基等)又は置換されてもよい芳香族基(例えばフエニ
ル基,ナフチル基,クロロフエニル基,トリル基,メト
キシフエニル基,メトキシカルボニルフエニル基,ジク
ロロフエニル基等)又は−O−R′(R′は炭化水素基
を表わし、具体的には上記R1,R2,R3の炭化水素基と同
一の置換基類を示す)を表わす。
Lが−CO−Y1を表わす場合において、Y1は好ましく
は置換されてもよい炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状ア
ルキル基(例えばメチル基,トリクロロメチル基,トリ
フルオロメチル基,メトキシメチル基,フエノキシメチ
ル基,2,2,2−トリフルオロエチル基,t−ブチル基,ヘキ
サフルオロ−i−プロピル基等)、置換されてもよい炭
素数7〜9のアラルキル基(例えばベンジル基,フエネ
チル基,メチルベンジル基,トリメチルベンジル基,ヘ
プタメチルベンジル基,メトキシベンジル基等)、置換
されてもよい炭素数6〜12のアリール基(例えばフエニ
ル基、ニトロフエニル基,シアノフエニル基,メタンス
ルホニルフエニル基,メトキシフエニル基,ブトキシフ
エニル基,クロロフエニル基,ジクロロフエニル基、ト
リフルオロメチルフエニル基等)を表わす。
Lが−CO−Z−Y2を表わす場合において、Zは酸素
原子、イオウ原子又は−NH−結合基を表わし、Y2は上
記したY1と同義である。
更にLが を表わす場合において、Xは酸素原子又はイオウ原子を
表わす。
本発明に用いられる一般式〔−O−L〕の群から選択
される官能基を少なくとも1種含有する樹脂は、重合体
に含有されるヒドロキシル基を高分子反応によつて一般
式〔−O−L〕の官能基に変換する方法、又は一般式
〔−O−L〕の官能基を1種又はそれ以上含有する1種
又はそれ以上の単量体の又は該単量体及びこれと共重合
し得る他の単量体の重合反応により重合する方法により
製造される。
例えば、上記高分子反応の製造法としては岩倉義男・
栗田恵輔著「反応性高分子」第158頁(講談社刊)等
に、又単量体のヒドロキシル基を一般式〔−O−L〕の
官能基に変換する製造法として日本化学会編「新実験化
学講座第14巻,有機化合物の合成と反応(V)」第2497
頁(丸善株式会社刊)特に記載されている方法が採用で
きる。
重合体中の一般式〔−O−L〕の官能基を任意に調整
し得ること、あるいは不純物を混入しないこと等の理由
から、予め一般式〔−O−L〕の官能基を含有する単量
体からの重合反応により製造する方法が好ましい。具体
的には、重合性の二重結合を含み、且つヒドロキシル基
を少なくとも1個含有する化合物に、例えば前記した公
知文献等に記載された方法に従つて、ヒドロキシル基を
一般式〔−O−L〕の官能基に変換するか、あるいは一
般式〔−O−L〕の官能基を含有した化合物を重合性の
二重結合を含む化合物と反応させる方法によつて製造す
ることができる。
前記した如く、重合反応で所望の樹脂を製造する方法
において用いられる一般式〔−O−L〕の官能基を含有
する単量体について更に具体的に述べると、例えば下記
一般式(II)の如き化合物が挙げられる。
一般式(II) 式(II)中、X′は−O−,−CO−,−COO−,−OCO
−, −CH2COO−,−CH2OCO−, 芳香族基、又はヘテロ環基を示す〔但し、Q1,Q2,Q3,Q4
は各々水素原子、炭化水素基、又は式(II)のY′−
O−L〕を表わし、b1,b2は同じでも異なつていてもよ
く、水素原子、炭化水素基又は式(II)中の(Y′−O
−L)を表わし、nは0〜18の整数を示す〕。
Y′は結合基X′と結合基〔−O−L〕を連結するヘ
テロ原子を介してもよい炭素−炭素結合を表わし(ヘテ
ロ原子としては酸素原子、イオウ原子又は窒素原子が挙
げられる)、 例えば −(CH=CH)−,−O−,−S−, −COO−,−CONH−,−SO2−,−SO2NH−,−NHCOO−,
−NHCONH−等の結合単位の単独又は組合せの構成より成
るものである(但しb3,b4,b5は各々前記b1,b2と同義
である)。
Lは式(I)と同じ意味を有する。
1,a2は同じでも異なつていてもよく、水素原子,炭
化水素基(例えば−COOH等で置換されてもよい炭素数1
〜12のアルキル基等)、−COOH又は−COO−W〔Wは一
般式(−O−L)基を含む置換基で置換されてもよい炭
素数1〜18のアルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、脂環式基、芳香族基を示す〕を表わす。
更に具体的には、一般式〔−O−L〕の官能基を含有
する単量体として以下の様な化合物例を挙げることがで
きる。
(但し、Meはメチル基を表わす) これらの単量体を単独で重合してもよいし、あるいは
これらの単量体と共重合しうる他の単量体と組合せて共
重合体としてもよい。共重合させる他の単量体として
は、例えば酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,酪酸ビニ
ル,酢酸アリル,プロピオン酸アリル等の如き脂肪族カ
ルボン酸ビニルあるいはアリルエステル類、アクリル
酸、メタクリル酸,クロトン酸,イタコン酸,マレイン
酸,フマール酸等の如き不飽和カルボン酸のエステル類
又はアミド類、スチレン,ビニルトルエン,α−メチル
スチレンの如きスチレン誘導体、α−オレフイン類、ア
クリロニトリル,メタクリロニトリル,N−ビニルピロリ
ドンの如きビニル基置換のヘテロ環化合物等が挙げられ
る。
本発明のもう1つの好ましい態様によればヒドロキシ
ル基生成官能基含有樹脂は、互いに立体的に近い位置に
ある少なくとも2つのヒドロキシル基を1つの保護基で
同時に保護した形で有する官能基を少なくとも1種含有
する樹脂である。
互いに立体的に近い位置にある少なくとも2つのヒド
ロキシル基を1つの保護した形で有する官能基の例とし
ては例えば下記一般式(III),(IV),(V),(V
I)で表わされるものを挙げることができる。
一般式(III) 式(III)中、R4,R5は互いに同じでも異なつてもよ
く、水素原子、炭化水素基又は−O−O−R″(−R″
は炭化水素基を示す)を表わし、Uはヘテロ原子を介し
てもよい炭素−炭素結合を表わす(但し、酸素原子間の
原子数は5個以内である)。
一般式(IV) 式(IV)中、Uは上記定義の通りである。
一般式(V) 式(V)中、R4,R5及びUは上記定義の通りである。
一般式(VI) 式(VI)中、R4,R5は上記定義通りである。R6は水
素原子、又は炭素数1〜8の脂肪族基(例えばメチル
基,エチル基,プロピル基ブチル基等のアルキル基、あ
るいはベンジル基,フエネチル基,メチルベンジル基,
メトキシベンジル基,クロロベンジル基等のアラルキル
基等を表わす)を表わす。
該官能基について更に詳しく説明すると以下の通りと
なる。
式(III)中、R4,R5は互いに同じでも異なつてもよ
く、好ましくは水素原子、炭素数1〜12の置換されても
よいアルキル基(例えばメチル基,エチル基,プロピル
基,ブチル基,ヘキシル基,2−メトキシエチル基,オク
チル基等)、炭素数7〜9の置換されてもよいアラルキ
ル基(例えばベンジル基,フエネチル基,メチルベンジ
ル基,メトキシベンジル基,クロロベンジル基等)、炭
素数5〜7の脂環式基(例えばシクロペンチル基,シク
ロヘキシル基等)、置換されてもよいアリール基(例え
ばフエニル基,クロロフエニル基,メトキシフエニル
基,メチルフエニル基,シアノフエニル基等)又は−O
−R(−RはR4,R5における炭化水素基と同義であ
る)を表わす。
Uはヘテロ原子を介してもよい炭素−炭素結合を表わ
し、且つ酸素原子間の原子数は5個以内である。
本発明に用いられる官能基を少なくとも1種含有する
樹脂は、重合体に含有される上記の如き互いに立体的に
近い位置にあるヒドロキシル基を高分子反応によつて保
護基により保護した形にする方法、又は予め保護基によ
り保護された形の少なくとも2つのヒドロキシル基を含
有する単量体の又は該単量体及びこれと共重合し得る他
の単量体の重合反応により重合する方法により製造され
る。
前者の高分子反応による製造法としては、例えば下記
に具体例として挙げられる様な少なくとも2つのヒドロ
キシル基を近接して有するかあるいは重合後近接して有
し得る重合体成分 (R″はH又はCH3等の置換基) (X′は結合基を示す) を含む重合体を、カルボニル化合物、オルトエステル化
合物、ハロゲン置換ギ酸エステル類、ジハロゲン置換シ
リル等の如き化合物と反応させることにより、該目的の
少なくとも2つのヒドロキシル基を1つの保護基で同時
に保護した形で有する官能基を形成することができる。
具体的には、日本化学会編「新実験化学講座第14巻有
機化合物の合成と反応〔V〕」第2505頁(丸善株式会社
刊)、J.F.W.McOmie「Protectivegroups in Organic Ch
emistry」第3章及び第4章(Plenum.Press刊)等に記
載の方法によつて製造することができる。
又後者の重合反応による方法としては、少なくとも2
つのヒドロキシル基を予め保護した単量体を前記の文献
に記載の公知の方法で合成した後、必要ならば該単量体
と共重合し得る他の単量体を共存させて、通常の重合方
法で重合することにより、ホモ重合体又は多元共重合体
を製造することができる。
更に具体的に、該官能基を含有する重合体成分の例を
挙げると以下の様なものがある。
本発明の樹脂におけるヒドロキシル基生成官能基を含
有する重合体成分は、樹脂が共重合体である場合には全
重合体中の1〜95重量%、特に5〜60重量%であること
が好ましい。また、樹脂の重合体の分子量は103〜106
特に5×103〜5×105であることが好ましい。
本発明樹脂が共重合体である場合、上述のヒドロキシ
ル基生成官能基を含有する単量体と共重合し得る単量体
として、例えば、α−オレフイン類、アルカン酸ビニル
又はアリルエステル類、アクリロニトリル、メタクリル
ニトリル、ビニルエーテル類、アクリルアミド類、メタ
クリルアミド類、スチレン類、複素環ビニル類(例えば
ビニルピロリドン,ビニルピリジン,ビニルイミダゾー
ル,ビニルチオフエン,ビニルイミダゾリン,ビニルピ
ラゾール,ビニル−ジオキサン,ビニルキリン,ビニル
テアゾール,ビニル−オキサジン等)等が挙げられる。
特に酢酸ビニル、酢酸アリル、アクリロニトリル、メタ
クリルニトリル、スチレン類等は、膜強度向上の点から
好ましい成分である。
また、本発明において、以上の樹脂は少くともその一
部が架橋されていてもよい。
重合体の少なくとも一部分が予め架橋された樹脂(重
合体中に架橋構造を有する樹脂)は、該樹脂中に含有さ
れる前記のヒドロキシル基生成官能基が分解によりヒド
ロキシル基を生成したときに、酸性及びアルカリ性の水
溶液に対して難溶もしくは不溶性である樹脂が好まし
い。
具体的には、蒸留水に対する溶解度が20〜25℃の温度
において好ましくは90重量%以下、より好ましくは70重
量%以下の溶解性を示すものである。
重合体中に架橋構造を導入する方法としては、通常知
られている方法を利用することができる。
即ち、分解によりヒドロキシル基を生成する官能基を
含有する重合体中に架橋反応を進行する官能基を含有さ
せ、これら両官能基を含有する重合体を種々の架橋剤あ
るいは硬化剤によつて架橋する方法、あるいは、これら
重合体類を重合反応させる方法(高分子反応によつて架
橋する方法、又は分解によりヒドロキシル基を生成する
官能基を含有する重合体成分に相当する単量体を少なく
とも1種含有させて重合反応を行なう際に、重合性官能
基を2個以上含有する多官能性単量体あるいは多官能性
オリゴマーを共存させることにより分子間に架橋を行な
う方法等)により合成することができる。
本発明において、架橋反応を進行する官能基は、通常
の重合性二重結合基あるいは化学反応で結合する反応性
基であればいずれでもよい。
重合性二重結合基として、具体的には、 CH2=CH-CH2−、 CH2=CH−、 CH2=CH-CONH−、 CH2=CH-NHCO−、CH2=CH-CH2-NHCO−、 CH2=CH-SO2−、CH2=CH-CO−、 CH2=CH−O−,CH2=CH−S−等を挙げることができ
る。
又、反応性基同志の反応により化学結合を形成し、高
分子間の橋架けを行なう場合には、通常の有機低分子化
合物の反応と同様に行なうことができる。具体的には、
岩倉義男,栗田恵輔「反応性高分子」講談社1977年
刊)、小田良平「高分子フアインケミカル」講談社(19
76年刊)等に記載されている。
例えば、表−1において、A群の官能基とB群の官能
基の組合せによる化学結合が通常よく知られた方法とし
て挙げられる。
又、反応性基として−CONHCH2OR(Rは水素原子又は
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキ
ル基を示す)も挙げられ、この反応性基は自己縮合型反
応で結合する基として知られており、これを用いること
もできる。
本発明における架橋剤としては、通常架橋剤として用
いられる化合物を使用することができる。具体的には、
山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブツク」大成社刊
(1981年)高分子学会編「高分子データハンドブツク
「基礎編」」培風館(1986年)等に記載されている化合
物を用いることができる。
例えば、有機シラン系化合物(例えばビニルトリメト
キシシラン,ビニルトリブトキシシラン,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプトプロ
ピルトリエトキシシラン,γ−アミノプロピルトリエト
キシシラン等のシランカツプリング剤等)、ポリイソシ
アナート系化合物(例えばトルイレンジイソシアナー
ト,O−トルイレンジイソシアナート,ジフエニルメタン
ジイソシアナート,トリフエニルメタントリイソシアナ
ート,ポリメチレンポリフエニルイソシアナート,ヘキ
サメチレンジイソシアナート,イソホロンジイソシアナ
ート,高分子ポリイソシアナート等)、ポリオール系化
合物(例えば1,4−ブタンジオール,ポリオキシプロピ
レングリコール,ポリオキシアルキレングリコール,1,
1,1−トリメチロールプロパン等)ポリアミン系化合物
(例えばエチレンジアミン,γ−ヒドロキシプロピル化
エチレンジアミン,フエニレンジアミン,ヘキサメチレ
ンジアミン,N−アミノエチルピペラジン,変性脂肪族ポ
リアミン類等)、ポリエポキシ基含有化合物及びエポキ
シ樹脂〔例えば垣内弘編著「新エポキシ樹脂、昭晃堂
(1985年刊)、橋本邦之編著「エポキシ樹脂」日刊工業
新聞社(1969年刊)等に記載された化合物類〕、メラミ
ン樹脂〔例えば三輪一郎、松永英夫編著「エリア・メラ
ミン樹脂」日刊工業新聞社(1969年刊)等に記載された
化合物類〕、ポリ(メタ)アクリレート系化合物〔例え
ば大河原信、三枝武夫、東村敏延編「オリゴマー」講談
社(1976年刊)、大森英三「機能性アクリル系樹脂」テ
クノシステム(1985年刊)等に記載された化合物類が挙
げられ、具体的にはポリエチレングリコールジアクリラ
ート、ネオペンチルグリコールジアクリラート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリラート、トリメチロールプロ
パントリアクリラート、ペンタエリスリトールポリアク
リラート、ビスフエノールA−ジグリシジルエーテルジ
アクリラート、オリゴエステルアクリラート:これらの
メタクリラート体等〕等がある。
また、上記の重合反応に用いられる重合性官能基を2
個以上有した多官能性単量体又はオリゴマーとしては、
例えば同一の重合性官能基を有する単量体として、ジビ
ニルベンゼン、トリビニルベンゼン等のスチレン誘導
体:多価アルコール(例えばエチレングリコール,ジエ
チレングリコール,トリエチレングリコール,ポリエチ
レングリコール#200、#400、#600、1,3−ブチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ジプロピレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール
等)又はポリヒドロキシフエノール(例えばヒドロキノ
ン,レゾルシン,カテコールおよびそれらの誘導体)の
メタクリル酸、アクリル酸又はクロトン酸のエステル
類、ビニルエーテル類又はアリルエーテル類:二塩基酸
(例えばマロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン
酸,ピメリン酸,マレイン酸,フタル酸,イタコン酸
等)のビニルエステル類、アリルエステル類、ビニルア
ミド類又はアリルアミド類:ポリアミン(例えばエチレ
ンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレン
ジアミン等)とビニル基を含有するカルボン酸(例えば
メタクリル酸,アクリル酸,クロトン酸,アリル酢酸
等)との縮合体等が挙げられる。
又、異なる重合性官能基を有する多官能性単量体又は
オリゴマーとしては、例えばビニル基を含有するカルボ
ン酸〔例えばメタクリル酸,アクリル酸,メタクリロイ
ル酢酸,アクリロイル酢酸,メタクリロイルプロピオン
酸,アクリロイルプロピオン酸,イタコニロイル酢酸,
イタコニロイルプロピオン酸,カルボン酸無水物とアル
コール又はアミンの反応体(例えばアリルオキシカルボ
ニルプロピオン酸,アリルオキシカルボニル酢酸,2−ア
リルオキシカルボニル安息香酸,アリルアミノカルボニ
ルプロピオン酸等)等〕のビニル基を含有したエステル
誘導体又はアミド誘導体(例えばメタクリル酸ビニル,
アクリル酸ビニル,イタコン酸ビニル,メタクリル酸ア
リル,アクリル酸アリル,イタコン酸アリル,メタクリ
ロイル酢酸ビニル,メタクリロイルプロピオン酸ビニ
ル,メタクリロイルプロピオン酸アリル,メタクリル酸
ビニルオキシカルボニルメチルエステル,アクリル酸ビ
ニルオキシカルボニルメチルオキシカルボニルエチレン
エステル,N−アリルアクリルアミド,N−アリルメタクリ
ルアミド,N−アリルイタコン酸アミド,メタクリロイル
プロピオン酸アリルアミド等)又はアミノアルコール類
(例えばアミノエタノール,1−アミノプロパノール,1−
アミノブタノール,1−アミノヘキサノール,2−アミノブ
タノール等)と、ビニル基を含有したカルボン酸の縮合
体などが挙げられる。
本発明に用いられる2個以上の重合性官能基を有する
単量体又はオリゴマーは、全単量体の10重量%以下、好
ましくは5重量%以下用いて重合し、樹脂を形成する。
以上のように、分解によりヒドロキシル基を少なくと
も1種生成する官能基を少なくとも1種含有する樹脂
は、本発明において粒子状態を呈する。
この樹脂粒子は、光導電層中において光導電性酸化亜
鉛粒子の最大粒子径に対し同じか、それよりも小さい粒
子径で分散されていることが重要である。酸化亜鉛粒子
径よりも大きな粒径の該樹脂粒子が存在すると、電子写
真特性が劣化してくる(特に、均一な帯電性が得られな
くなる)結果として、複写画像において、画像部の濃度
ムラ、文字・細字の切れ、飛び、あるいは非画像部に地
カブリ等が発生してしまう。
具体的には、本発明の樹脂粒子は、最大粒子の粒径が
10μm以下であり、好ましくは5μm以下である。そし
て、樹脂粒子の平均粒径は1.0μm以下であり、好まし
くは0.5μm以下である。樹脂粒子の粒径は、小さい程
比表面積が大きくなり、上記の電子写真特性上良好な作
用をもたらし、コロイド粒子(0.01μm以下)程度でも
充分であるが、余り小さくなり過ぎると分子分散の場合
と同様の弊害が生じて来るため、0.005μm以上で用い
るのが好ましい。
このような微小粒径の本発明の樹脂粒子は、光導電層
形成用組成物を調製する際に、樹脂粉体をそのまま共存
させて分散することで所望の粒子サイズとすることがで
きる。あるいは、従来公知の乾式及び湿式の微粒子化方
法、又は高分子ゲルラテツクスとする方法を用いること
もできる。
すなわち、樹脂粉体を、従来公知の粉砕機・分散機で
直接粉砕し、微粒子とする方法(例えばボールミル,ペ
イントシユーカー,サウンドミル,ハンマーミル,ジエ
ツトミル,ケデイミル等)と、従来公知の塗料あるいは
静電写真用液体現像剤のラテツクス粒子を製造する方法
を用いることができる。後者の高分子ラテツクスとする
方法は、樹脂粉体を分散用ポリマーを併用して分散する
方法であり、樹脂粉体と分散補助ポリマーを予め混練し
て混練物とした後、粉砕し、次に分散ポリマーを共存さ
せて分散する方法等の機械的方法によるものがある。
具体的には例えば、植木憲二監訳「塗料の流動と顔料
分散」共立出版(1971年)「ソロモン,塗料の化学」,
「Paint and Surface Coating theory and practic
e」,原崎勇次「コーテイング工学」朝倉書店(1971
年),原崎勇次「コーテイングの基礎科学」槙書店(19
77年),特開昭62-96954号,同62-115171号,同62-7565
1号等に記載されている。
また、懸濁重合法,分散重合法等の従来公知の重合反
応で容易にラテツクス粒子を得る方法を用いることもで
きる。
具体的には、室井宗一「高分子ラテツクスの化学」高
分子刊行会(1970年),奥田,平稲垣寛「合成樹脂エマ
ルジヨン」高分子刊行会(1978年),室井宗一「高分子
ラテツクス入門」工文社(1983年)等に記載されてい
る。
本発明においては、高分子ラテツクス粒子とする方法
が好ましく、この方法により容易に平均粒子径1.0μm
以下の樹脂粒子とすることができる。
ところで、本発明の電子写真式平版印刷用原版におい
ては、光導電層を形成する場合、光導電性酸化亜鉛を水
系で分散する方法(例えば特開昭51-450号,同47-18599
号,同46-41350号等)及び非水溶媒系で分散する方法
(例えば特公昭50-31011号,特開昭53-54027号,同54-2
0735号,同57-202544号,同58-68046号等)のいずれで
もよいが、光導電層中に水が残留すると電子写真特性を
阻害するため、非水溶媒系で分散する方法が好ましい。
従つて、本発明のラテツクス粒子を非水系で分散された
光導電層中に充分に分散させるために、該ラテツクス粒
子も非水系ラテツクスであることが好ましい。
非水系ラテツクスに用いられる非水溶媒としては、沸
点200℃以下の有機溶媒であればいずれもよく、それは
単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
この有機溶媒の具体例は、メタノール,エタノール,
プロパノール,ブタノール,フツ化アルコール,ベンジ
ルアルコール等のアルコール類、アセトン,メチルエチ
ルケトン,シクロヘキサノン,ジエチルケトン等のケト
ン類,ジエチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキ
サン等のエーテル類、酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブ
チル,プロピオン酸メチル等のカルボン酸エステル類、
ヘキサン,オクタン,デカン,ドデカン,トリデカン,
シクロヘキサン,シクロオクタン等の炭素数6〜14の脂
肪族炭化水素類、ベンゼン,トルエン,キシレン,クロ
ロベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロリド,
ジクロロエタン,テトラクロロエタン,クロロホルム,
メチルクロロホルム,ジクロロプロパン,トリクロロエ
タン等のハロゲン化炭化水素類等が挙げられる。
これらの非水溶媒系で、高分子ラテツクスを分散重合
法で合成する方法は、ラテツクス粒子の平均粒子径が容
易に1μm以下となり、しかも粒径の分布が非常に狭
く、且つ単分散の粒子とすることができる。具体的に
は、K.E.J.Barrett,「Dispersion Polymerization in O
rganic Media」John Wiley(1975年),村田耕一朗,高
分子加工,23,20(1974),松本恒隆・丹下豊吉 日本
接着協会誌」,183(1973),丹下豊吉 日本接着協会
誌」23,26(1987),D,J,Walbridge,NATO.Adv.study.Ins
t.Ser.E.No67,40(1983),B.P.893429号,B.P.934038号,
USP1122397号,USP390412号,USP4606989号,特開昭60-17
9051号,同60-1859063号等にその方法が開示されてい
る。
以上の本発明における樹脂粒子は、不感脂化液あるい
は印刷時に用いる湿し水により加水分解あるいは加水素
分解されてヒドロキシル基を生成する。
従つて、該樹脂粒子を光導電層に含有している本発明
原版は、不感脂化液により親水化される非画像部の親水
性が、該樹脂粒子によつて生成される上記ヒドロキシル
基によつて、より一層高められるため、画像部の親油性
と非画像部の親水性が明確となり、印刷時に非画像部に
印刷インキが付着するのを防止するものである。その結
果として、地汚れのない鮮明な画質の印刷物を多数枚印
刷することが可能となる。
更に、その一部が架橋されている上記の樹脂粒子の場
合、親水性が保持したまま水への溶解性が著しく低下
し、難溶性もしくは不溶性となる。
従つて、非画像部の親水性が、該樹脂粒子によつて生
成されるヒドロキシル基によつて、より一層高められる
効果が向上し且つ持続性が向上する。
より具体的な効果で言うならば、上記の樹脂粒子中の
上記の官能基の量を減じても、親水性向上の効果が変わ
らず維持できること、あるいは、印刷機の大型化あるい
は印圧の変動等印刷条件が厳しくなつた場合でも地汚れ
のない鮮明な画質の印刷物を多数枚印刷することが可能
となる。
本発明の樹脂粒子は、余り少量であると上記のような
効果がなくなり、逆に多過ぎると非画像部の親水性は向
上するが、エッチング速度の低下をもたらし、しかも電
子写真特性を悪化させるため、光導電性酸化亜鉛100重
量部に対して一般的に0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜
20重量%である。
また、本発明に供される結着樹脂としては、従来知ら
れている全てのものが利用できる。代表的なものは塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−メタクリレート共重合体、メタクリ
レート共重合体、アクリレート共重合体、酢酸ビニル共
重合体、ポリビニルブチラール、アルキド樹脂、シリコ
ーン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシエステル樹脂、ポリ
エステル樹脂等である。
具体的には、栗田隆治・石渡次郎,高分子,第17巻,
第278頁(1968年),宮本晴視,武井秀彦,イメージン
グ,1973(No.8)第9頁,中村孝一編,「記録材料用バ
インダーの実際技術」第10章,C.H.C.出版(1985年刊),
D.D.Tatt,S.C.Heidecker,Tappi,49(No.10),439(196
6),E.S.Baltazzi,R.G.Blanclotte etal,Photo.Sci En
g.16(No.5),354(1972),グエン・チヤン・ケー,清
水勇,井上英一,電子写真学会誌18(No.2),28(198
0),特公昭50-31011号,特開昭53-54027号,同54-2073
5号,同57-202544号,同58-68046号等に開示の材料が挙
げられる。
更に具体的には、下記一般式(VI)で示される単量体
を共重合体成分として、その共重合体総量の30重量%以
上含有する(メタ)アクリル系共重合体、あるいは一般
式(VI)で示される単量体の単独重合体を挙ることがで
きる。
一般式(VI) 一般式(VI)において、Xは水素原子、ハロゲン原子
(例えば塩素原子、臭素原子)、シアノ基、炭素数1〜
4のアルキル基又は−CH2COOR″基〔R″は炭素数1〜
6の置換されてもよいアルキル基(例えばメチル基,エ
チル基,プロピル基,ブチル基,ヘプチル基,ヘキシル
基,2−メトキシエチル基,2−クロロエチル基等)、炭素
数7〜12の置換されてもよいアラルキル基(例えばベン
ジル基,フエネチル基,3−フエニルプロピル基,2−フエ
ニルプロピル基,クロロベンジル基,ブロモベンジル
基,メトキシベンジル基,メチルベンジル基等)又は炭
素数6〜12の置換されてもよいアリール基(例えばフエ
ニル基,トリル基,キシリル基、クロロフエニル基,ジ
クロロフエニル基,メトキシフエニル基,ブロモフエニ
ル基,ナフチル基等)を表わす〕を表わす。
R′は、炭素数1〜18の置換されてもよいアルキル基
(例えばメチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,
ペンチル基,ヘキシル基,オクチル基,デシル基,ドデ
シル基,トリデシル基,テトラデシル基,2−メトキシエ
チル基,2−エトキシエチル基等)、炭素数2〜18の置換
されてもよいアルケニル基(例えばビニル基,アリル
基,イソプロペニル基,ブテニル基,ヘキセニル基,ヘ
プテニル基,オクテニル基等)、炭素数7〜12の置換さ
れてもよいアラルキル基(例えばベンジル基,フエネチ
ル基,メトキシベンジル基,エトキシベンジル基,メチ
ルベンジル基等)、炭素数5〜8の置換されてもよいシ
クロアルキル基(例えばシクロペンチル基,シクロヘキ
シル基,シクロヘプチル基等)、アリール基(例えばフ
エニル基,トリル基,キシル基,メシチル基,ナフチル
基,メトキシフエニル基,エトキシフエニル基,クロロ
フエニル基,ジクロロフエニル基等)を表わす。
一般式(VI)で示される単量体と共重合させる他の単
量体としては、例えば、酢酸ビニル,プロピオン酸ビニ
ル,酪酸ビニル,酢酸アリル,プロピオン酸アリル等の
ような脂肪族カルボン酸ビニルあるいはアリルエステル
類、クロトン酸,イタコン酸,マレイン酸,フマール酸
等のような不飽和カルボン酸あるいは、これら不飽和カ
ルボン酸のエステル類又はアイド類、スチレン,ビニル
トルエン,α−メチルスチレンのようなスチレン誘導
体、α−オレフイン類、アクリロニトリル,メタクリロ
ニトリル,N−ビニルピロリドンのようなビニル基置換の
ヘテロ環化合物等が挙げられる。
本発明に供される結着樹脂の分子量は、好ましくは10
3〜106、より好ましくは5×103〜5×105である。又こ
の結着樹脂のガラス転移点は好ましくは−10℃〜120
℃、より好ましくは0℃〜85℃である。
上記した結着用樹脂は、光導電性酸化亜鉛と前述の分
解によりヒドロキシル基を生成する樹脂粒子とを光導電
層中に固着させると共に、該光導電層と支持体とを密着
させる作用をなし、少な過ぎればこれらの固着・密着強
度を低下させ印刷版としての耐刷力を減じるのみなら
ず、原版の繰返し使用が不可能になる。逆に多過ぎれば
耐刷力や繰返し使用性は向上するが、前述のように電子
写真特性が低減する。
従つて、本発明では、光導電性亜鉛100重量部に対し
て上記した結着用樹脂は10〜60重量%、好ましくは15〜
40重量%で使用する。
このように、本発明は、分解によりヒドロキシル基を
生成する官能性基を有する樹脂を、結着樹脂とは別に使
用するため、その量が少なく、かつ粒子の状態で分散さ
せているため、分子の状態で分散させるものに比し比表
面積が大きくなり、不感脂化液と結着樹脂との接触、ひ
いては反応を阻害せず、この結果、エツチング処理速度
を高めても非画像部の不感脂化を充分なものとすること
ができるのである。
また本発明では、必要に応じて各種の色素を分光増感
剤として併用することができる。例えば、宮本晴視,武
井秀彦,イナージング1973(No.8)第12頁、C.J.Young
等,RCA Review15,469(1954)、清田航平等,電気通信
学会論文誌J 63-C(No.2),97(1980)、原崎勇次等,
工業化学雑誌66 78及び188(1963)、谷忠昭,日本写
真学会誌35,208(1972)等の総説引例のカーボニウム系
色素、ジフエニルメタン色素、トリフエニルメタン色
素、キサンテン系色素、フタレイン系色素、ポリメチン
色素(例えばオキソノール色素,メロシアニン色素,シ
アニン色素,ロダシアニン色素,スチリル色素等)、フ
タロシアニン色素(金属含有してもよい)等が挙げられ
る。
更に具体的には、カーボニウム系色素、トリフエニル
メタン色素、キサンテン系色素、フタレイン系色素を中
心に用いたものとしては、特公昭51-452号、特開昭50-9
0334号、同50-114227号、同53-39130号、同53-82353
号、USP3,052,540号、USP4,054,450号、特開昭57-16456
号等に記載のものが挙げられる。
オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、ロダシアニン色素等のポリメチン色素としては、F.
M.Harmmer「The Cyanine Dyes and Related Compound
s」等に記載の色素類が使用可能であり、更に具体的に
は、USP3,047,384号、USP3,110,591号、USP3,121,008
号、USP3,125,447号、USP3,128,179号、USP3,132,942
号、USP3,622,317号、BP1,226,892号、BP1,309,274号、
BP1,405,898号、特公昭48-7814号、同55-18892号等に記
載の色素が挙げられる。
更に、700nm以上の長波長の近赤外〜赤外光域を分光
増感するポリメチン色素として、特開昭47-840号、同47
-44180号、特公昭51-41061号、特開昭49-5034号、同49-
45122号、同57-46245号、同56-35141号、同57-157254
号、同61-26044号、同61-27551号、USP3,619,154号、US
P4,175,956号、「Research Disclo-sure」1982年、21
6、第117〜118頁等に記載のものが挙げられる。
本発明の感光体は種々の増感色素を併用させても、そ
の性能が増感色素により変動しにくい点において優れて
いる。更には、必要に応じて、化学増感剤等の従来知ら
れている電子写真感光層用各種添加剤を併用することも
できる。例えば、前記したイメージング1973(No.8)、
p12等の電子受容性化合物(例えばハロゲン,ベンゾキ
ノン,クロラニル,酸無水物,有機カルボン酸等)、小
門宏等「最近の光導電材料と感光体の開発・実用化」第
4章〜第6章:日本科学情報(株)出版部(1986年)の
ポリアリールアルカン化合物、ヒンダートフエノール化
合物、p−フエニレンジアミン化合物等が挙げられる。
これら各種添加剤の添加量は、特に限定的ではない
が、通常、光導電性酸亜鉛100重量部に対して0.0001〜
2.0重量%である。
光導電層の厚さは1〜100μ、特に10〜50μが好適で
ある。
また、電荷発生層と電荷輸送層の積層型感光体の電荷
発生層として光導電層を使用する場合は電荷発生層の厚
さは0.01〜1μ、特には0.05〜0.5μが好適である。
本発明による光導電層は、従来公知の支持体上に設け
ることができる。一般に電子写真感光層の支持体は、導
電性であることが好ましく、導電性支持体としては、従
来と全く同様の、例えば金属、紙、プラスチツクシート
等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどして導電処理
したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と反対面)に
導電性を付与し、更にはカール防止を図る等の目的で少
なくとも1層以上をコートしたもの、前記支持体の表面
に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の表面層に必
要に応じて少なくとも1層以上のプレコート層が設けら
れたもの、Al等を蒸着した基体導電化プラスチツクを紙
にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例として
は、坂本幸男,電子写真,14,(No.1),p2〜11(197
5)、森賀弘之「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(197
5)、M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4(6),p
−1327〜1417(1970)等に記載されているもの等を用い
る。
(実施例) 樹脂粒子の製造例1 ドデシルメタクリレート95g、アクリル酸5g及びトル
エン200gの混合溶液を、窒素気流下攪拌しながら70℃に
加温した。これに2,2′−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)(略称A.I.B.N.)1.5gを加え、8時間反応した。こ
の反応混合溶液にグリシジルメタクリレート12g、t−
ブチルハイドロキノン1g及びN,N−ジメチルドデシルア
ミン0.8gを加え、100℃で15時間反応した(分散樹脂
〔I〕)。
次に、上記分散樹脂〔I〕8.5g(固形分量として)、
下記単量体(M−1)40g、2−シアノエチルメタクリ
レート10g及びn−ヘプタン250gの混合溶液を窒素気流
下攪拌しながら60℃に加温した。2,2′−アゾビス(イ
ソバレロニトリル)(略称A.I.V.N.)0.3gを加え6時間
反応した。
開始剤(A.I.V.N.)添加20分後、均一溶液が白濁を始
め、反応温度は90℃まで上昇した。冷却後、200メツシ
ユのナイロン布を通して白色分散物を得た。平均粒径0.
25μmのラテツクスであつた。
樹脂粒子の製造例2〜13 樹脂粒子の製造例1において、単量体M−1の代わり
に下記表−2の単量体を用いた他は、製造例1と同様に
して樹脂粒子を製造した。
樹脂粒子の製造例14 ドデシルメタクリレート95g、トルエン150g及びイソ
プロピルアルコール50gの混合溶液を窒素気流下攪拌し
ながら70℃に加温した。これに、2,2′−アゾビス(4
−シアノ吉草酸)(略称A.C.V.)5gを加え、8時間反応
した。この混合溶液をメタノール1.5l中で再沈殿処理
し、沈殿物(樹脂)を40℃で減圧乾燥した。
この樹脂80g、グリシジルメタクリレート10g、N,N−
ジメチルドデシルアミン0.7g、t−ブチルハイドロキノ
ン1g及びトルエン200gの混合物を95℃に加温し、均一に
溶解した。そのまま48時間攪拌した。この反応物をメタ
ノール1.2l中で再沈殿処理し、沈殿物を30℃で減圧乾燥
した(分散樹脂〔II〕)。
この分散樹脂〔II〕を10g、下記単量体(M−14)50
g、ジビニルベンゼン0.4g及びn−オクタン280gの混合
物を、窒素気流下で60℃に加温し、均一に溶解した。こ
れにA.I.V.N.0.04gを加え、5時間反応して、白色分散
物を得た。冷却後、200メツシユのナイロン布を通して
得られた分散物の平均粒径は0.25μmであつた。
樹脂粒子の製造例15〜23 樹脂粒子の製造例14において、単量体M−1及びジニ
ブルベンゼンの代わりに下記表−3の単量体及び架橋モ
ノマーを用いた他は、製造例14と同様にして樹脂粒子を
製造した。
樹脂粒子の製造例24 分散樹脂〔II〕を7.5g、下記単量体M−20を45g、ス
チレンを5g、ジビニルベンゼンを1.0g、n−オクタンを
300g混合した溶液を、窒素気流下に50℃に加温した。こ
れに、n−ブチルリチウム0.5g(固形分量として)を加
え、6時間反応した。得られた白色分散物の平均粒径は
0.15μmであつた。
樹脂粒子の製造例25 単量体M−1を20g、ジエチレングリコールジメタク
リレートを0.5g及びテトラヒドロフランを100g混合した
溶液を、窒素気流下75℃に加温した。これに、A.I.B.N.
0.2gを加え、6時間反応した。
冷却後、メタノール500ml中で再沈殿処理し、白色物
を集し、乾燥した。収量は15gであつた。
実施例1 光導電性酸化亜鉛200g、〔エチルメタクリレート/ア
クリル酸共重合体(重量組成比97/3)重量平均分子量6
3,000〕40g、樹脂粒子の製造例1で得られた粒子8g(固
形分として)、ローズベンガル0.06g、無水フタール酸
0.20g及びトルエン300gの混合物を、ボールミル中で2
時間分散処理した。この感光層形成物を、導電処理した
紙に、乾燥付着量が25g/m2となる様にワイヤーバーで塗
布し、110℃で30秒間乾燥した。次いで、暗所で20℃、6
5%RHの条件下で24時間放置することにより、電子写真
感光材料を作製した。
比較例A 樹脂粒子の製造例1で得られた粒子8gを除いた他は、
実施例1と同様に操作して、電子写真感光材料を作製し
た。
比較例B エチルメタクリレートを15g、単量体M−1を35g及び
トルエンを100g混合した溶液を、窒素気流下に75℃に加
温した。これに2,2′−アゾビス(イソブチロニトリ
ル)0.5gを加え、8時間反応し、共重合体溶液を得た。
次に、光導電性酸化亜鉛200g、〔エチルメタクリレー
ト/2−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体(重量
組成比85/15)重量平均分子量63,000〕を40g、上記共重
合体を8g(固形分量として)、ローズベンガルを0.06
g、無水フタル酸を0.20g及びトルエンを300g混合し、こ
の混合物をボールミル中で2時間分散処理した。この感
光層形成物を、以下実施例1と同様に操作して電子写真
感光材料を作製した。
これらの感光材料の静電特性、撮像性、及び環境条件
を30℃,80%RHとした時の撮像体を調べた。
更に、これらの感光材料をオフツトマスターA用原版
として用いた時の光導電層の不感脂化性(不感脂化処理
後の光導電層の水との接触角で表わす)及び印刷性(地
汚れ、耐刷性等)を調べた。
撮像性及び印刷性は、全自動製版ELP404V(富士写真
フイルム(株)製)に現像剤ELP−T(富士写真フイル
ム(株)製)を用いて露光・現像処理して画像を形成
し、不感脂化液ELP-EXを用いてエツチングプロセツサー
でエツチングして得られた平版印刷版を用いて調べた
(なお、印刷機には桜井製作所製オリバー52型を用い
た)。
以上の結果をまとめて、表−4に示す。
表−4に記した評価項目の実施の態様は以下の通りで
ある。
注1) 静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパー
アナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザー
SP-428型)を用いて6kVで20秒間コロナ放電をさせた直
後の表面電位V0(−Vはマイナスに帯電させたの意)
とし、10秒間放置した時の表面電位V10を測定した。次
いで、そのまま暗室で60秒間静置した後の電位V70を測
定し、60秒間暗減衰させた後の電位の保持性、即ち暗減
衰保持率〔DRR(%)〕を(V70/V10)×100(%)で求
めた。又、コロナ放電により光導電層表面を−400Vに帯
電させた後、該光導電層表面を照度2.0ルツクスの可視
光で照射し、表面電位(V10)が1/10に減衰するまでの
時間を求め、これから露光量E1/10(ルツクス・秒)を
算出する。
注2) 撮像性: 各感光材料を以下の環境条件で1昼夜放置した後、全
自動製版機ELP-404Vで製版して得られた複写画像(カブ
リ、画像の画質)を目視評価した。撮像時の環境条件
は、20℃、65%RH(I)と30℃,80%RH(II)で実施し
た。
注3) 水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP−E(富士写真フイ
ルム(株)製)を蒸留水で5倍に希釈したものを用い
て、エツチングプロセツサーに1回通して光導電層面を
不感脂化処理した後、これに蒸留水2μlの水滴を乗
せ、形成された水との接触角をゴニオメーターで測定す
る。
注4) 印刷物の地汚れ: 各感光材料を全自動製版機ELP-404Vで製版してトナー
画像を形成し、上記(注3)と同条件で不感脂化処理
し、これをオフセツトマスターとしてオフセツト印刷機
(桜井製作所製オリバー52型)にかけ、上質紙上に500
枚印刷し、全印刷物の地汚れを目視により判定する。こ
れを印刷物の地汚れIとする。
印刷物の地汚れIIは、印刷時の湿し水を2倍に希釈し
た他は、前記の地汚れIと同様の方法で試験する。IIの
場合は、Iよりも厳しい条件で印刷したことに相当す
る。
注5) 耐刷性: 上記注4)の印刷汚れIIの評価条件で、印刷物の非画
像部の地汚れ及び画像部の画質に問題が生じないで印刷
できる枚数を示す(印刷枚数が多い程、耐刷性が良好な
こと表わす)。
表−4に示す様に、本発明の感光材料は、光導電層の
静電特性が良好で、実際の複写画像も地カブリがなく複
写画質も鮮明であつた。このことは光導電体と結着樹脂
が充分に吸着し、且つ添加された樹脂粒子が静電特性に
悪影響を及ぼさないことを示している。
オフセツト原版として用いた場合、非画像部の水との
接触角が10°以下と小さく、充分に親水化されているこ
とが判る。実際に印刷して印刷物の地汚れを観察しても
地汚れは全く認められず、印刷枚数は1万枚を越えるこ
とが判つた。
比較例Aは、電子写真特性(撮像性)は良好であつた
が、オフセツトマスター原版としては、不感脂化処理し
ても非画像部の親水化が不充分であり、実際に印刷して
も印刷物の地カブリが最初から著しく発生した。
比較例Bは、電子写真特性において光感度(E1/10
の低下が見られ、実際の複写画像においても30℃,80%R
Hの環境条件では画像部の細線等の飛び等の発生が見ら
れた。
又、オフセツト原版としては、不感脂化処理して印刷
した所、7000枚程度の印刷で非画像部に地汚れが発生し
た。
以上により、本発明の場合にのみ静電特性及び印刷適
正を満足する電子写真感光体が得られることが判る。
実施例2〜12 樹脂粒子の製造例1で得られ粒子の代わりに、表−5
の樹脂粒子を各々10g(固形分量として)用いた他は、
実施例1と同様に操作して、各電子写真感光材料を作製
した。
各感光材料について、実施例1と同様にして、静電特
性、撮像性及び印刷特性を測定した。
いずれの感光材料も電子写真特性が良好で、且つ印刷
しても印刷物は地汚れの全く認められないものであつ
た。
実施例15 樹脂粒子の製造例25で得られた粉末10g、〔ドデシル
メタクリレート/アクリル酸共重合体(重量組成比(95
/5)〕1.8g及びトルエン100gの混合物をボールミルで56
時間分散処理し、平均粒径0.33μmのラテツクスを得
た。
樹脂粒子の製造例1で得られた粒子の代わりに、上記
樹脂粒子を8g(固形分量として)用いた他は実施例1と
同様に操作して、感光材料を作製した。
この感光材料を実施例1と同様にして静電特性、撮像
性及び印刷特性を測定した。
撮像性は良好であり、エツチング後の非画像部の水と
の接触角は10°と小さかつた。又、印刷した所、刷り出
しから地汚れの発生がなく、1万枚印刷後の印刷物にも
地汚れの発生は見られなかつた。
実施例16 樹脂粒子の製造例1で得られた粒子の代わりに、樹脂
粒子の製造例10で得られた粒子8g(固形分として)を用
いた他は実施例1と同様に操作して感光材料を製作し
た。
この感光材料を実施例1と同様にして静電特性を測定
したところ、V0:−550(V),D.R.R.87%、E1/10:9.
6(ルツクス・秒)であつた。
更に、実施例1と同様にしてELP-404Vにて製版しオフ
セツトマスター用原版を作製した。
この原版をホウ酸水溶液(0.5モル/l水溶液)中で30
秒間浸漬処理した後、ELP-EXを用いてエツチングプロセ
ツサーを1回通して不感脂化処理して平版印刷原版とし
た。
一方、比較例Aの感光材料を、上記と同様の操作で不
感脂化処理した。
本発明の感光材料及び比較例Aの感光材料の各々で作
製した各原版を用いて印刷したところ、本発明の原版
は、刷り出しから全く地汚れが発生しない鮮明な画質の
印刷物が1万枚以上得られた。
これに対し、比較例Aの原版は、刷り出しから地汚の
発生が著しかつた。
以上のように、本発明の材料のみが良好な結果を考え
た。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、極めて優れた印刷特
性を発現する平版印刷用原版を提供することができる。
また、本発明の樹脂粒子は、該樹脂中の官能基が不感
脂化処理時の不感脂化液あるいは印刷時の湿し水により
分解してヒドロキシル基を生成するため、非画像部の不
感脂化を最適に保つ。
更に、この樹脂粒子は、一部分が架橋されており、上
記の湿し水中に溶解してしまうことはない。従つて、本
発明原版による平版印刷版の耐刷力は著しく向上すると
共に、本発明原版は平版印刷用原版として繰返し良好な
状態で使用することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも1層の光導
    電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する光導電層を設けて
    なる電子写真式平版印刷用原版において、前記光導電層
    中に、分解によりヒドロキシル基を生成する官能基を少
    なくとも1種含有する樹脂粒子を少なくとも1種含有し
    てなることを特徴とする電子写真式平版印刷用原版。
  2. 【請求項2】導電性支持体上に、少なくとも1層の光導
    電性酸化亜鉛と結着樹脂とを含有する光導電層を設けて
    なる電子写真式平版印刷用原版において、前記光導電層
    中に、分解によりヒドロキシル基を生成する官能基を少
    なくとも1種含有し且つ少なくとも一部分が架橋されて
    いる樹脂粒子を少なくとも1種含有してなることを特徴
    とする電子写真式平版印刷用原版。
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