JPH0690546B2 - 電子写真式平版印刷用原版 - Google Patents

電子写真式平版印刷用原版

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JPH0690546B2
JPH0690546B2 JP61054991A JP5499186A JPH0690546B2 JP H0690546 B2 JPH0690546 B2 JP H0690546B2 JP 61054991 A JP61054991 A JP 61054991A JP 5499186 A JP5499186 A JP 5499186A JP H0690546 B2 JPH0690546 B2 JP H0690546B2
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一夫 石井
良介 板倉
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    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/02Charge-receiving layers
    • G03G5/04Photoconductive layers; Charge-generation layers or charge-transporting layers; Additives therefor; Binders therefor
    • G03G5/05Organic bonding materials; Methods for coating a substrate with a photoconductive layer; Inert supplements for use in photoconductive layers
    • G03G5/0528Macromolecular bonding materials
    • G03G5/0589Macromolecular compounds characterised by specific side-chain substituents or end groups

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、電子写真方式で製版される電子写真平版印刷
用原版に関するものであり、特に、該平版印刷用原版の
光導電層形成用結着樹脂の改良に関する。
(従来技術) 現在ダイレクト製版用のオフセツト原版には多種のもの
が提案され且つ実用化されているが、中でも、導電性支
持体上に酸化亜鉛のごとき光導電性粒子及び結着樹脂を
主成分とした光導電層を設けた感光体を通常の電子写真
工程を経て、感光体表面に親油性の高いトナー画像を形
成させ、続いて該表面をエツチ液と言われる不感脂化液
で処理し非画像部分を選択的に親水化することによつて
オフセツト原版を得る技術が広く用いられている。
良好な印刷物を得るには、先ずオフセツト原版には、原
画が忠実に複写されると共に、感光体表面が不感脂化処
理液となじみ易く、非画像部が充分に親水化されると同
時に耐水性を有し更に印刷においては、画像を有する光
導電層が離脱しないこと、及び湿し水とのなじみがよ
く、印刷枚数が多くなつても、汚れが発生しない様に、
充分に非画像部の親水性が保持されること、等の性能を
有する必要がある。
これらの性能には、光導電層中の酸化亜鉛と結着樹脂の
比率が影響することは、既に知られており、例えば、光
導電層の酸化亜鉛粒子に対する結着樹脂の比率を小さく
すれば、光導電層表面の不感脂化性が向上し、地汚れは
少なくなるが、他方で光導電層自体の内部凝集力が低下
し、機械的強度不足による耐刷力の低下が生じる。逆
に、結着樹脂の比率を大きくすると、耐刷力は向上する
が、地汚れが増大する。特に地汚れは、光導電層表面の
不感脂化性の良否に関係する現象であることは言うまも
でないが、光導電層表面の不感脂化性は、光導電層中の
酸化亜鉛と結着樹脂の比率のみによつて左右されるもの
ではなく、結着樹脂の種類によつても、大きく左右され
ることが明らかになつてきている。
古くから公知の樹脂として、例えばシリコーン樹脂(特
公昭34-6670)、スチレン−ブタジエン樹脂(特公昭35-
1960)、アルキツド樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド
(特公昭35-11219)、酢酸ビニル樹脂(特公昭41-242
5)、酢酸ビニル共重合体(特公昭41-2426)、アクリル
樹脂(特公昭35-11216)、アクリル酸エステル共重合体
(例えば特公昭35-11219、特公昭36-8510、特公昭41-13
946等)等が知られている。しかし、これらの樹脂を用
いた電子写真感光材料においては、1)光導電層の帯電
性が低い、2)複写画像の画像部の品質(特に、網点再
現性・解像力)が悪い、3)露光感度が低い、4)オフ
セツトマスターとして用いるために、不感脂化処理して
も、不感脂化が充分に行なわれず、このためオフセツト
印刷した際に、印刷物に地汚れを生ずる、5)感光層の
膜強度が充分でなく、オフセツト印刷すると、感光層の
脱離等が生じ、印刷枚数を多くできない等のいずれかの
問題があつた。
特に、オフセツト原版としては、前記の様に、不感脂化
性不充分による地汚れ発生が大きな問題であり、これを
改良するために、不感脂化性を向上させる酸化亜鉛結着
用樹脂の開発が種々検討されてきている。例えば、特公
昭50-31011では、フマル酸存在下で(メタ)アクリレー
ト系モノマーと他のモノマーと共重合させた、w1.8〜
10×104でTg10〜80℃の樹脂と、(メタ)アクリレート
系モノマーとフマル酸以外の他のモノマーとから成る共
重合体とを併用したもの、又特開昭53-54027では、カル
ボン酸基をエステル結合から少なくとも原子数7個離れ
て有する置換基をもつ(メタ)アクリル酸エステルを含
む三元共重合体を用いるもの、又特開昭54-20735・特開
昭57-202544では、アクリル酸及びヒドロキシエチル
(メタ)アクリレートを含む4元又は5元共重合体を用
いるもの、又特開昭58-68046では、炭素数6〜12のアル
キル基を置換基とする(メタ)アクリル酸エステル及び
カルボン酸含有のビニルモノマーを含む3元共重合体を
用いるもの等が光導電層の不感脂化性の向上に効果があ
ると記載されている。
(発明が解決しようとする問題点) しかし上記した不感脂化性向上に効果があるとされる樹
脂であつても現実に評価してみると、地汚れ、耐刷力に
おいて未だ満足できるものではなかつた。
本発明は、以上の様な、従来の電子写真式平版印刷用原
版の有する問題点を改良するものである。
本発明の目的は、原画に対して、忠実な複写画像を再現
し且つオフセツト原版として、全面一様な地汚れはもち
ろん、点状の地汚れをも発生させない、不感脂化性の優
れた平版印刷原刷を提供することである。
本発明の他の目的は、印刷において印刷枚数が増加して
も、非画像部の親水性が充分保たれ、地汚れが発生しな
い、高耐刷力を有する平版印刷原版を提供するものであ
る。
(問題点を解決するための手段) 上記諸目的は、導電性支持体上に、少なくとも1層の光
導電性酸化亜鉛と結着樹脂を含有することから成る光導
電層を設けてなる電子写真感光体を利用した平版印刷用
原版において、前記結着樹脂が、一般式〔−COO−L〕
の群から選択される官能基を少なくとも1種含有する樹
脂を、少なくとも1種含有して成ることを特徴とする電
子写真式平版印刷用原版により達成されることが見出さ
れた。
一般式〔−COO−L〕において Lは、 又は、−NH−OHを表わす。
但し、R1,R2は互いに同じでも異なつていてもよく、水
素原子又は脂肪族基を表わし、Xは、芳香族基を表わ
し、Zは、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル
基、アルキル基、−CN,−NO2,−SO2R6(但し、R6は炭
化水素基を示す)、−COOR7(但しR7は炭化水素基を示
す)又は−O−R8(但し、R8は炭化水素基を示す)を表
わし、n,mは、0,1,又は2を表わす。
又、R3,R4,R5は、互いに同じでも異なつていてもよ
く、炭化水素基又は−O−R9(但し、R9は炭化水素基を
示す)を表わし、MはSi,Sn又はTiを表わす。
Q1,Q2は各々炭化水素基を表わす。
一般式〔−COO−L〕の官能基は、分解によつてカルボ
キシ基を生成するものであり、以下更に詳しく説明す
る。
Lが を表わす場合において、R1,R2は、互いに同じでも異な
つていてもよく好ましくは水素原子、又は置換されても
よい炭素数1〜12の直鎖状又は分枝状アルキル基(例え
ばメチル基、エチル基、プロピル基、クロロメチル基、
ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロ
メチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル
基、ヒドロキシエチル基、3−クロロプロピル基等)を
表わし、Xは好ましくは置換されてもよいフエニル基又
はナフチル基(例えばフエイル基、メチルフエニル基、
クロロフエニル基、ジメチルフエニル基、クロロメチル
フエニル基、ナフチル基等)を表わし、Zは好ましくは
水素原子、ハロゲン原子(例えば塩素原子、フツ素原子
等)、トリハロメチル基(例えばトリクロロメチル基、
トリフルオロメチル基等)、炭素数1〜12の置換されて
もよい直鎖状又は分枝状アルキル基(例えばメチル基、
クロロメチル基、ジクロロメチル基、エチル基、プロピ
ル基、ブチル基、ヘキシル基、テトラフルオロエチル
基、オクチル基、シアノエチル基、クロロエチル基
等)、−CN,−NO2,−SO2R6〔R6は脂肪族基(例えば炭
素数1〜12の置換されてもよいアルキル基:具体的には
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、クロロエ
チル基、ペンチル基、オクチル基等、炭素数7〜12の置
換されてもよいアラルキル基:具体的にはベンジル基、
フエネチル基、クロロベンジル基、メトキシベンジル
基、クロロフエネチル基、メチルフエネチル基等)又は
芳香族基(例えば置換基を含有してもよいフエニル基又
はナフチル基:具体的には、フエニル基、クロロフエニ
ル基、ジクロロフエニル基、メチルフエニル基、メトキ
シフエニル基、アセチルフエニル基、アセトアミドフエ
ニル基、メトキシカルボニルフエニル基、ナフチル基、
等)を表わす〕、−COOR7(R7は上記R6と同義である)
又は−O−R8(R8は上記R6と同義である)を表わす。n,
mは0,1又は2を表わす。
以上記述したLが を表わす場合について、より具体的に説明すると、以下
の様な置換基例を挙げることができる。
例えば、β,β,β−トリクロロエチル基、β,β,β
−トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロ−i−プロピ
ル基、−CH2CF2CF2 n′H基(n′は1〜5を示
す)、2−シアノエチル基、2−ニトロエチル基、2−
メタンスルホニルエチル基、2−エタンスルホニルエチ
ル基、2−ブタンスルホニルエチル基、ベンゼンスルホ
ニルエチル基、4−ニトロベンゼンスルホニルエチル
基、4−シアノベンゼンスルホニルエチル基、4−メチ
ルベンゼンスルホニルエチル基、置換基を含有してもよ
いベンゼン基(例えばベンジル基、メトキシベンジル
基、トリメチルベンジル基、ペンタメチルベンジル基、
ニトロベンジル基等)、置換基を含有してもよいフエナ
シル基(例えばフエナシル基、プロモフエナシル基
等)、置換基を含有してもよいフエニル基(例えばフエ
ニル基、ニトロフエニル基、シアノフエニル基、メタン
スルホニルフエニル基、トリフルオロメチルフエニル
基、ジニトロフエニル基、等)等を表わす。
又Lが を表わす場合において、R3,R4,R5は互いに同じでも異
なつていてもよく、好ましくは炭素数1〜18の置換され
てもよい脂肪族基〔脂肪族基はアルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、又は脂環式基を示し、置換基として
は例えばハロゲン原子、−CN基、−OH基、−O−Q′
(Q′はアルキル基、アラルキル基、脂環式基、アリー
ル基を示す)等が挙げられる〕、炭素数6〜18の置換さ
れてもよい芳香族基(例えばフエニル基、トリル基、ク
ロロフエニル基、メトキシフエニル基、アセトアミドフ
エニル基、ナフチル基等)、又は−O−R9〔R9は置換さ
れてもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換されてもよ
い炭素数2〜12のアルケニル基、置換されてもよい炭素
数7〜12のアラルキル基、炭素数5〜18の置換されても
よい脂環式基、炭素数6〜18の置換されてもよいアリー
ル基を示す〕を表わす。
MはSi,Ti,又はSnの各原子を表わし、より好ましくはSi
原子を表わす。又Lが−N=CH−Q1又は を表わす場合においては、Q1,Q2は好ましくは各々炭素
数1〜18の置換されてもよい脂肪族基(脂肪族基として
は、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、脂環式
基を示す。置換基としては例えば、ハロゲン原子、CN
基、アルコキシ基等を挙げることができる)又は炭素数
6〜18の置換されてもよいアリール基(例えばフエニル
基、メトキシフエニル基、トリル基、クロロフエニル
基、ナフチル基等)を表わす。
Lは、より好ましくは から選ばれた原子団基を示す。
本発明に用いられる一般式〔−COO−L〕の群から選択
される官能基を少なくとも1種含有する樹脂は、重合体
に含有されるカルボキシル基を反応によつて一般式〔−
COO−L〕の官能基に変換する、いわゆる高分子反応に
よる方法、又は、一般式〔−COO−L〕の官能基を1種
又はそれ以上含有する1種又はそれ以上の単量体又は、
該単量体及びこれと共重合し得る他の単量体の重合反応
により重合体とする方法により得られる。
これらの単量体と共重合しうる他の単量体としては、例
えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、
酢酸アリル、プロピオン酸アリル等の如き脂肪族カルボ
ン酸ビニルあるいはアリルエステル類、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フ
マール酸等の如き不飽和カルボン酸のエステル類又はア
ミド類、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレ
ンの如きスチレン誘導体、α−オレフイン類、アクリロ
ニトリル、メタクロニトリル、N−ビニルピロリドンの
如きビニル基置換のヘテロ環化合物等が挙げられる。
これらの方法は、例えば、日本化学会編、「新実験化学
講座第14巻、有機化合物の合成と反応〔V〕」第2535頁
(丸善株式会社刊)、岩倉義男:栗田恵輔著、「反応性
高分子」第170頁(講談社刊)等の総説引例の公知文献
等に詳細に記載されている。
重合体中の一般式〔−COO−L〕の官能基を任意に調整
し得ることあるいは、不純物を混入しないこと等の理由
から、一般式〔−COO−L〕の官能基を1種又はそれ以
上含有する単量体から重合反応により製造する方法が好
ましい。具体的には重合性の二重結合を含むカルボン酸
類を、例えば前記した公知文献等に記載された方法に従
つて、そのカルボキシル基を一般式〔−COO−L〕の官
能基に変換した後、重合反応を行ない製造することがで
きる。
本発明の樹脂の分子量は103〜106、好ましくは5×103
〜105である。
又、本発明の一般式〔−COO−L〕の官能基を含有する
樹脂は、該〔−COO−L〕を含有する重合体成分が0.5〜
100重量%から成るホモ重合体あるいは多元共重合体で
あり、好ましくは、1〜99.9重量%の該成分を含有する
多元共重合体である。
本発明に使用される樹脂とともに、従来公知の樹脂を併
用することができる。例えば、前記した如きシリコーン
樹脂、アルキツド樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル
樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、アクリル樹脂等があ
げられ、具体的には、栗田隆治:石渡次郎、高分子、第
17巻第278頁(1968年)、宮本晴視、武井秀彦、イメー
ジング1973(No.8)第9頁等の総説引例の公知材料等が
挙げられる。
本発明に使用される樹脂と、公知の樹脂とは任意の割合
で混合することができるが、全樹脂量中の一般式〔−CO
O−L〕の官能基の成分は、0.5〜60重量%、好ましくは
1〜30重量%含有されている必要がある。
一般式〔−COO−L〕の官能基の成分の含有量が0.5重量
%より少ないと、得られた平版印刷用原版は不感脂化液
・湿し水による、不感脂化処理により生ずる親水性が充
分でなく印刷時の汚れが発生する。一方、60重量%より
多いと、複写時の画像形成性が良くなり且つ、印刷時の
光導電層の被膜強度が弱くなり耐久性が劣化する。
本発明による一般式〔−COO−L〕の群から選択される
官能基を少なくとも1種含有する樹脂は、不感脂化液あ
るいは印刷時に用いる湿し水により、加水分解あるいは
加水素分解されてカルボキシル基を生成する樹脂であ
る。
従つて、該樹脂を平版印刷用原版の結着樹脂として用い
ると、不感脂化液により親水化される非画像部の親水性
が、樹脂中に生成される上記カルボキシル基によつて、
より一層高められる為、画画部の親油性と非画像部の親
水性が明確となり、印刷時に、非画像部に印刷インキが
付着するのを防止するものである。
従来のカルボキシル基自身をはじめから含有する樹脂を
用いた場合には、酸化亜鉛/樹脂分散物の粘度が高くな
り支持体上へ塗布できなくなるかあるいは塗布できたと
しても得られた原版は、光導電層の平滑性が著しく悪化
し、膜強度及び電子写真特性が良くなるとともに印刷時
の汚れの発生を生じるものであつた。
これは、結着樹脂中のカルボキシル基と光導電性酸化亜
鉛粒子表面との相互作用が強いため、粒子表面の樹脂被
着量が増大し、結果として、不感脂化液あるいは湿し水
とのなじみ易さが損なわれてしまうものと推定される。
本発明の樹脂は、上記の如く、カルボキシル基を保護し
て〔−COO−L〕基とすることにより、酸化亜鉛粒子と
の強固な相互作用を抑制し、一方で不感脂化処理により
親水性基であるカルボキシル基を生成させることによ
り、非画像部の親水性をより良好にするものである。
本発明の平版印刷用原版は、光導電性亜鉛100重量部に
対して上記した結着用樹脂を10〜60重量部なる割合、好
ましくは15〜30重量部なる割合で使用し、必要に応じ
て、キサンテン系色素、シアニン色素等の如き増感色素
(例えばローズベンガル)あるいは酸無水物等の如き化
学増感剤等の従来知られている電子写真感光層用各種添
加剤を併用することができる(例えば、宮本晴視・武井
秀彦、イメージング1973(No.8)第12頁等の総説引例の
公知材料)。その添加量は光導電体100重量部に対して
0.0005〜2.0重量部である。
本発明による光導電層は、通常用いられる公知の支持体
上に設けることができる。一般に言つて電子写真感光層
の支持体は、導電性であることが好ましく、導電性支持
体としては従来と全く同様、例えば、金属、紙プラスチ
ツクシート等の基体に低抵抗性物質を含浸させるなどし
て導電処理したもの、基体の裏面(感光層を設ける面と
反対面)に導電性を付与し、更にはカール防止を図る等
の目的で少なくとも1層以上をコートしたもの、前記支
持体の表面に耐水性接着層を設けたもの、前記支持体の
表面層に必要に応じて少なくとも1層以上のプレコート
層が設けられたもの、Al等を蒸着した基体化プラスチツ
クを紙にラミネートしたもの等が使用できる。
具体的に、導電性基体あるいは導電化材料の例として、
坂本幸男、電子写真、14、(No.1)、第2〜11頁(197
5)、森賀弘之「入門特殊紙の化学」高分子刊行会(197
5)、M.F.Hoover,J.Macromol.Sci.Chem.A−4(6)、
第1327〜1417頁(1970)等に記載されているもの等を用
いることができる。
(実施例) 以下に本発明の実施例を例示するが、本発明の内容がこ
れらに限定されるものではない。
実施例1及び比較例A〜C n−ブチルメタクリレート32g、エチルメタクリレート4
8g、2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート20g、ア
クリル酸0.2g及びトルエン200gの混合溶液を窒素気流下
70℃の温度に加温した後、アゾビスイソブチロニトリル
(AIBN)1.0gを加え、8時間反応した。
得られた共重合体の重量平均分子量は65000であつた。
続いて、この共重合物400g(固形分量として)、酸化亜
鉛200g、ローズベンガル0.05g、無水フタル酸0.01g及び
トルエン300gの混合物をボールミル中で2時間分散して
感光層形成物を調整し、これを導電処理した紙に、乾燥
付着量が25g/m2となるようにワイヤーバーで塗布し、11
0℃で1分間乾燥し、ついで暗所で20℃、65%RHの条件
下で24時間放置することにより電子写真感光材料を作製
した。
上記製造例において、感光層形成物を以下の共重合体に
代えて、比較用の感光材料A,B,Cの3種を作製した。
比較用感光材料A: n−ブチルメタクリレート40g、エチルメタクリレート6
0g、アクリル酸0.2g及びトルエン200gの混合溶液とした
以外は、実施例1と同様の操作で電子写真感光材料Aを
製造した。但し、得られた共重合体の固形分濃度は33.2
8%で、この共重合体の重量平均分子量は、68000であつ
た。
比較用感光材料B: n−ブチルメタクリレート38g、エチルメタクリレート5
7g、アクリル酸5.0g及びトルエン200gの混合溶液とした
以外は、実施例1と同様の操作で感光材料Bを製造し
た。但し、得られた共重合体の固形分濃度は33.3%で、
この共重合体の重量平均分子量は72000であつた。
比較用感光材料C: n−ブチルメタクリレート34g、エチルメタクリレート5
1g、アクリル酸15g及びトルエン200gの混合溶液とした
以外は実施例1と同様の操作で感光材料Cを製造した。
但し、得られた共重合体の固形分濃度は33.3%で、この
共重合体の重量平均分子量は67000であつた。
これらの感光材料の皮膜性(表面の平滑度)、静電特
性、光導電層の不感脂化性(不感脂化処理後の光導電層
の水との接触角で表わす)及び印刷性(地汚れ、耐刷性
等)を調べた。印刷性は、全自動製版機ELP404V(富士
写真フイルム(株)製)に現像剤ELP−Tを用いて、露
光・現像処理して、画像を形成し、不感脂化液ELP−E
を用いて、エツチングプロセツサーでエツチングして得
られた平版印刷版を用いて調べた(なお、印刷機にはハ
マダスター(株)製ハマダスター800SX型を用いた)。
以上の結果をまとめて、表−1に示す。
表−1に記した評価項目の実施の態様は以下の通りであ
る。
注1)光導電層の平滑性: 得られた感光材料を、ベツク平滑度試験機(熊谷理工
(株)製)を用い、空気容量1ccの条件にて、その平滑
度(sec/cc)を測定した。
注2)静電特性: 温度20℃、65%RHの暗室中で、各感光材料にペーパーア
ナライザー(川口電機(株)製ペーパーアナライザーSP
-428型)を用いて−6kVで20秒間コロナ放電をさせた
後、10秒間放置し、この時の表面電位V0を測定し、つい
で光導電層表面を照度2.0ルツクスの可視光で照射し、
表面電位(V0)が1/10に減衰するまでの時間を求めこれ
から露光量E1/10(ルツクス・秒)を算出する。
注3)水との接触角: 各感光材料を不感脂化処理液ELP−E(富士写真フイル
ム(株)製)を用いて、エツチングプロセツサーに1回
通して光導電層面を不感脂化処理した後、これに蒸留水
2μlの水滴を乗せ、形成された水との接触角を、ゴニ
オメーターで測定する。
注4)印刷物の地汚れ 各感光材料を、全自動製版機ELP404V(富士写真フイル
ム(株)製)で製版して、トナー画像を形成し、上記
(注3)と同条件で不感脂化処理しこれをオフセツトマ
スターとして、オフセツト印刷機(ハマダスター(株)
製ハマダスター800SX型)にかけ上質紙上に500枚印刷
し、全印刷物の地汚れを目視により判定する。これを印
刷物の地汚れIとする。
印刷物の地汚れIIは、不感脂化処理液を5倍に希釈し、
且つ、印刷時の湿し水を2倍に希釈した他は、前記の地
汚れIと同様の方法で試験する。IIの場合は、Iよりも
厳しい条件で印刷したことに相当する。
注5)耐刷性 上記注4)の印刷汚れIの評価条件で、各感光材料を処
理し、印刷物の非画像部の地汚れ及び画像部の画質に問
題を生じないで印刷できる枚数を示す(印刷枚数が多い
程、耐刷性が良好なことを表わす)。
本発明及び比較例Aの感光材料を用いて得られた、複写
画像はいずれも鮮明な画質であつたが、比較例B及び比
較例Cのそれは非画像部のカブリが多く、画質が鮮明で
なかつた。更に、比較例Cは、感導電層表面の平滑性が
著しく悪化した。
更に、不感脂化液で不感脂化処理した各感光材料の水と
の接触角は、本発明の材料がその値が小さく、比較例の
材料はいずれも15°以上と大きくなつた(通常、接触角
の値が小さい程、親水性が高い)。又、これらをオフセ
ツト印刷用マスタープレートとして印刷してみると、非
画像部の地汚れの発生しない、良好なものは、本発明の
プレートのみであつた。
更に、本発明のプレートは1万枚印刷しても、印刷物の
画質は良好で地汚れも発生しなかつたが、比較例A〜C
のプレートは、地汚れの発生が生じ、特にCOOH基含有量
が多い共重合体を結着樹脂として用いたプレート;比較
例B、及びCは、地汚れの発生が著しかつた。
以上の事実より、本発明の感光材料は、電子写真特性を
満足し且つ地汚れの発生しない印刷物を、しかも多数枚
得るオフセツト印刷用マスタープレートとして極めて優
れたものであつた。
実施例2 ベンジルメタクリレート51g、ブチルメタクリレート34
g、ヘキサフルオロ−iso−プロピルメタクリレート15
g、メタクリル酸0.3g及びトルエン200gの混合溶液を、
窒素気流下75℃の温度に加温した後A.I.B.N.1.0gを加
え、8時間反応した。
得られた共重合体の重量平均分子量は67000であつた。
以下は、実施例1と同一の条件で同様に操作し、感光材
料を作製した。これを実施例1と同様に、全自動製版機
ELP404Vで製版した所、得られたオフセツト印刷用マス
タープレートの濃度は1.0以上で画質は鮮明であつた。
更に、エツチング処理をして、印刷機で印刷した所、一
万枚印刷後の印刷物は、非画像部のカブリがなく、画像
も鮮明であつた。
実施例3 スチレン20g、エチルメタクリレート65g、2−シアノエ
チルメタクリレート15g及びトルエン200gの混合溶液を
窒素気流下、80℃の温度に加温した後、A.I.B.N.1.5gを
加え、8時間反応した。得られた共重合体の重量平均分
子量は53000であつた。
実施例1における共重合体の代わりに、各々固形分量と
してこの共重合体30g及び〔エチルメタクリレート/ア
クリル酸(99/1)重量比〕共重合体10gを用い、以下は
実施例1と同様にして感光材料を作製した。これを実施
例1と同様の装置で製版した所、得られた、オフセツト
印刷用マスタープレートの濃度は0.9以上で画質は鮮明
であつた。更に、エツチング処理して印刷機で印刷した
所、1万枚印刷後の印刷物は、カブリのない、鮮明な画
質であつた。
更に、この感光材料を1年間放置した後、上記と全く同
様の処理を行なつたが、経時前と全く変わらなかつた。
実施例4 ブチルメタクリレート30g、エチルメタクリレート45g、
4−(ヘキサフルオロイソプロピルカルボニルオキシ)
スチレン25g、イタコン酸0.1g及びトルエン200gの混合
溶液を窒素気流下75℃の温度に加温した後、A.I.B.N.1.
0gを加え、8時間反応した。得られた共重合体の重量平
均分子量は68000であつた。
以下は、実施例1と同様に操作し、感光材料を作製し
た。これを、実施例1と同様の装置で製版し、次いでエ
ツチング処理して印刷機で印刷した。製版後得られたオ
フセツト印刷用マスタープレートの濃度は1.0以上で、
画質は鮮明であつた。又1万枚印刷後の印刷物の画質は
地カブリのない鮮明な画像のものであつた。
(発明の効果) 以上の結果から、本発明による平版用原版は、原画に対
して忠実な複写画像を再現し、非画像部の親水性が良好
であるため地汚れも発生せず、光導電層の平滑性及び静
電特性が良好であり、しかも耐刷力が優れていることが
判る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性支持体上に、少なくとも1層の光導
    電性酸化亜鉛と結着樹脂を含有することから成る光導電
    層を設けてなる電子写真感光体を利用した平版印刷用原
    版において、前記結着樹脂が、一般式〔−COO−L〕の
    群から選択される官能基を少なくとも1種含有する樹脂
    を少なくとも1種含有して成ることを特徴とする電子写
    真式平版印刷用原版。 一般式〔−COO−L〕において Lは、 又は、−NH−OHを表わす。 但し、R1,R2は互いに同じでも異なつていてもよく、水
    素原子又は脂肪族基を表わし、Xは、芳香族基を表わ
    し、Zは、水素原子、ハロゲン原子、トリハロメチル
    基、アルキル基、−CN,−NO2,−SO2R6(但し、R6は炭
    化水素基を示す)、−COOR7(但しR7は炭化水素基を示
    す)、又は、−O−R8(但し、R8は炭化水素基を示す)
    を表わし、n,mは、0,1,又は2を表わす。 R3,R4,R5は、互いに同じでも異なつていてもよく、炭
    化水素基又は−O−R9(但し、R9は炭化水素基を示す)
    を表わし、Mは、Si,Sn又はTiを表わす。 Q1,Q2は、各々、炭化水素基を表わす。
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