JP5150327B2 - 液浸露光用レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

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本発明は、含フッ素化合物、該含フッ素化合物を含む液浸露光(Liquid Immersion Lithography)用レジスト組成物、および該液浸露光用レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。
半導体素子の微細化に伴い、露光光源の短波長化と投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、現在では193nmの波長を有するArFエキシマレーザーを光源とするNA=0.84の露光機が開発されている。露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
解像性の更なる向上のための手法の1つとして、露光機の対物レンズと試料との間に、空気よりも高屈折率の液体(液浸媒体)を介在させて露光(浸漬露光)を行うリソグラフィー法、所謂、液浸リソグラフィー(Liquid Immersion Lithography。以下、液浸露光ということがある。)が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は既存の露光装置を用いて行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
液浸露光はあらゆるパターン形状の形成において有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能であるとされている。現在、液浸露光技術としては、主に、ArFエキシマレーザーを光源とする技術が活発に研究されている。また、現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
近年、含フッ素化合物について、その撥水性、透明性等の特性が着目され、様々な分野での研究開発が活発に行われている。たとえばレジスト材料分野では、現在、ポジ型の化学増幅型レジストのベース樹脂として用いるために、含フッ素高分子化合物に、メトキシメチル基、tert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基等の酸不安定性基を導入することが行われている。しかし、かかるフッ素系高分子化合物をポジ型レジスト組成物のベース樹脂として用いた場合、露光後にアウトガスが多く生成したり、ドライエッチングガスへの耐性(エッチング耐性)が充分でなかったり等の欠点がある。
最近、エッチング耐性に優れた含フッ素高分子化合物として、環状炭化水素基を含有する酸不安定性基を有する含フッ素高分子化合物が報告されている(たとえば、非特許文献2参照)。
プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE)、第5754巻,第119−128頁(2005年). プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE)、第4690巻,第76−83頁(2002年).
液浸露光においては、通常のリソグラフィー特性(感度、解像性、エッチング耐性等)に加えて、液浸露光技術に対応した特性を有するレジスト材料が求められる。例えば、液浸露光においては、レジスト膜と液浸溶媒とが接触すると、レジスト膜中の物質の液浸溶媒中への溶出(物質溶出)が生じる。物質溶出は、レジスト層の変質、液浸溶媒の屈折率の変化等の現象を生じさせ、リソグラフィー特性を悪化させる。この物質溶出の量は、レジスト膜表面の特性(例えば親水性・疎水性等)の影響を受けるため、例えばレジスト膜表面の疎水性が高まることによって、物質溶出が低減され得る。また、液浸媒体が水である場合において、非特許文献1に記載されているようなスキャン式の液浸露光機を用いて浸漬露光を行う場合には、液浸媒体がレンズの移動に追随して移動する水追随性が求められる。水追随性が低いと、露光スピードが低下するため、生産性に影響を与えることが懸念される。この水追随性は、レジスト膜の疎水性を高める(疎水化する)ことによって向上すると考えられる。
このように、レジスト膜表面の疎水性を高めることにより、物質溶出の低減や水追随性の向上等の、液浸露光技術に特有の問題を解決することができると考えられる。しかしながら、単にレジスト膜を疎水化しても、リソグラフィー特性等に対する悪影響がみられる。たとえば、レジスト膜の疎水性が高まると、アルカリ現像後のレジスト膜に欠陥(ディフェクト)が発生しやすくなるという問題がある。特にポジ型レジスト組成物の場合、未露光部でディフェクトが発生しやすい。ディフェクトとは、例えばKLAテンコール社の表面欠陥観察装置(商品名「KLA」)により、現像後のレジスト膜を真上から観察した際に検知される不具合全般のことである。この不具合とは、例えば現像後のスカム、泡、ゴミ、ブリッジ(レジストパターン間の橋掛け構造)、色むら、析出物、残渣物等である。
浸漬露光時には疎水性であって、現像時には親水性となる特性を有する材料であれば、これらの問題を解決することができるのではないかと推測される。しかし、このような特性を備える材料は、ほとんど知られていないのが現状である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、液浸露光用レジスト組成物用の添加剤として有用な新規な含フッ素化合物、該含フッ素化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物、および該液浸露光用レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、下記一般式(C−1−1)〜(C−1−4)からなる群より選択される1の一般式で表される化合物である含フッ素化合物(C)とを含有することを特徴とする液浸露光用レジスト組成物である。
本発明の第二の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、下記一般式(c−1−1)〜(c−1−4)からなる群より選択される1の一般式で表される化合物である含フッ素化合物(C)とを含有することを特徴とする液浸露光用レジスト組成物である。
Figure 0005150327
[式中、R 51 は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R 52 〜R 55 はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であって、R 52 〜R 55 のうちの少なくとも1つはフッ素原子であり、R 56 はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。R 61 は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R 62 〜R 65 はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R 66 はフッ素原子を有する炭素数2以上の炭化水素基である。]
Figure 0005150327
[式中、R 51 は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R 52 〜R 55 はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であって、R 52 〜R 55 のうちの少なくとも1つはフッ素原子であり、R 56 はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。R 61 は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R 62 〜R 65 はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R 66 はフッ素原子を有する炭素数2以上の炭化水素基である。]
本発明の第の態様は、前記第一の態様の液浸露光用レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」とは、放射線の照射全般を含む概念とする。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は炭素原子数1〜5のアルキル基を意味する。
本発明によれば、液浸露光用レジスト組成物用の添加剤として有用な新規な含フッ素化合物、該含フッ素化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物、および該液浸露光用レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供できる。
本発明の含フッ素化合物(以下、含フッ素化合物(C)という。)は、記一般式(c)で表される基を有し、少なくとも1つのフッ素原子を含む。
Figure 0005150327
[式中、Qは1価の親水基から水素原子1つを除いた基であり、R はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。]
式(c)中、Qにおいて、1価の親水基としては、少なくとも1つの水素原子を有するものであればよく、たとえば水酸基(−OH)、カルボキシ基(−C(=O)OH)、アミノ基(−NH)等が挙げられる。
Qは、上述のような1価の親水基から水素原子1つを除いた基であり、たとえば1価の親水基が−OHである場合、Qは−O−である。また、Qが−C(=O)OHである場合、Qは−C(=O)O−である。また、Qが−NHである場合、Qは−NH−である。
Qとしては、−O−または−C(=O)O−が好ましく、−O−が最も好ましい。
はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。
含フッ素化合物(C)は、その構造中に少なくとも1つのフッ素原子を有するものである。そのため、該含フッ素化合物(C)のR以外の部分(たとえば後述する一般式(C−1)中のR)にフッ素原子が含まれない場合は、Rはフッ素置換炭化水素基である。該含フッ素化合物(C)のR以外の部分にフッ素原子が含まれる場合は、Rは無置換の炭化水素基であってもよく、フッ素置換炭化水素基であってもよい。
の炭化水素基は、炭素原子および水素原子のみからなる無置換の炭化水素基であってもよく、該無置換の炭化水素基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されたフッ素置換炭化水素基であってもよい。
炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義される。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を有さない炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。すなわち、脂肪族炭化水素基としては、無置換のアルキル基またはフッ素置換アルキル基が好ましい。
無置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、また、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
無置換の直鎖状のアルキル基としては、炭素数2〜10が好ましく、炭素数2〜8がより好ましい。具体的には、たとえば、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。
無置換の分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数3〜10が好ましく、炭素数3〜8がより好ましい。分岐鎖状のアルキル基としては、第3級アルキル基が好ましく、特に、下記一般式(c−1)で表される基が好ましい。
Figure 0005150327
[式中、R〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。]
〜Rのアルキル基としては、エチル基またはメチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
無置換の環状のアルキル基としては、例えば、モノシクロアルカン、またはビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のモノシクロアルキル基;アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等のポリシクロアルキル基などが挙げられる。
無置換の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組み合わせとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
フッ素置換アルキル基としては、上述した無置換のアルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
フッ素置換アルキル基は、無置換のアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換された基であってもよく、無置換のアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であってもよい。
において、フッ素置換アルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のフッ素置換アルキル基が好ましく、特に、−R41−R42[式中、R41は無置換の炭素数1〜9のアルキレン基であり、R42は炭素数1〜9のフッ素置換アルキル基である。但し、R41とR42との炭素数の合計は10以下である。]で表される基が好ましい。
式中、R41としては、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、特にメチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
42としては、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のフッ素置換アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。なかでも、トリフルオロメチル基、テトラフルオロエチル基が好ましい。
本発明の含フッ素化合物(C)は、上記一般式(c)で表される基を有し、かつフッ素原子を含むものであればよく、その構造は特に限定されない。たとえば一般式(c)で表される基を側鎖に有する高分子化合物(重合体、共重合体)であってもよく、低分子化合物(非重合体)であってもよい。
含フッ素化合物(C)が低分子化合物である場合、該含フッ素化合物(C)としては、下記一般式(C−1)で表される化合物(以下、化合物(C−1)という。)が好ましい。
含フッ素化合物(C)が高分子化合物である場合、該含フッ素化合物(C)としては、下記一般式(c1−1−1)、(c1−1−2)、(c1−1−3)または(c1−1−4)で表される構成単位を有する高分子化合物(以下、高分子化合物(C1)という。)が好ましい。
Figure 0005150327
[式中、Qは前記と同じであり、Rはフッ素原子を有していてもよい芳香族環式基を含む有機基であり、Rはフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基であり、RおよびRの少なくとも一方はフッ素原子を有する。]
Figure 0005150327
[式中、R51は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R52〜R55はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であって、R52〜R55のうちの少なくとも1つはフッ素原子であり、R56はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。R61は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R62〜R65はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R66はフッ素原子を有する炭素数2以上の炭化水素基である。]
以下、化合物(C−1)、高分子化合物(C1)について、より詳細に説明する。
[化合物(C−1)]
式(C−1)中、Rの有機基としては、芳香族環式基を含むものであり、芳香族環式基のみから構成されてもよく、芳香族環式基と、芳香族環式基以外の他の基とから構成されてもよい。
の有機基としては、置換基を有する芳香族炭化水素環から1個の水素原子を除いた基が好ましい。
前記芳香族炭化水素環の環骨格は、炭素数が6〜15であることが好ましく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環が特に好ましい。
芳香族炭化水素環が有する置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよく、好ましくは1つである。
前記芳香族炭化水素環が有する置換基として、好ましいものとしては、重合性基を含む置換基が挙げられる。
重合性基は、当該重合性基を有する化合物を、ラジカル重合等の重合を可能とする基である。重合性基としては、一般的に、単量体に用いられている重合性基を用いることができ、たとえば、エチレン性不飽和二重結合を有する基等が挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する基としては、たとえば、CH=C(R03)−(CH−で表される基、CH=C(R03)−C(=O)−O−で表される基等が挙げられる。これらの中でも、CH=C(R03)−(CH−で表される基、CH=C(R03)−C(=O)−O−で表される基が好ましい。
式中、R03は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基である。
03の低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
また、R03のハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記低級アルキル基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
03は、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましい。
bは0〜2の整数であり、0または1が好ましく、0が最も好ましい。
重合性基を含む置換基は、重合性基のみから構成される基であってもよく、重合性基と、重合性基以外の他の基とから構成される基であってもよい。
重合性基と、重合性基以外の他の基とから構成される基としては、たとえば、上述したような重合性基と、2価の連結基とから構成されるものが挙げられる。2価の連結基としては、たとえば、炭化水素基、ヘテロ原子を含む基等が挙げられる。炭化水素基としては、たとえば、上述したR01のアルキレン基と同様のものが挙げられる。ヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。ヘテロ原子を含む基としては、たとえば、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−NH−、−NR04(R04はアルキル基)−、−NH−C(=O)−、=N−、これらの基と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。
本発明において、Rの有機基は、置換基として、重合性基を含む置換基を有する芳香族炭化水素環から1個の水素原子を除いた基が好ましい。中でも、重合性基を含む置換基として、一般式CH=C(R03)−(CH−で表される基、または一般式CH=C(R03)−C(=O)−O−で表される基を有することが好ましい。式中、R03、bはそれぞれ前記と同じである。
また、Rにおいて、前記重合性基を含む置換基以外に、前記芳香族炭化水素環が有してもよい置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
本発明においては、前記芳香族炭化水素環が、置換基として、少なくとも1つのフッ素原子を有することが好ましい。この場合、芳香族炭化水素環のフッ素化率、つまり該芳香族炭化水素環に含まれる水素原子およびフッ素原子の合計数に対するフッ素原子数の割合(%)は、10〜100%が好ましく、50〜100%がさらに好ましく、100%が最も好ましい。すなわち、芳香族炭化水素環における水素原子が全てフッ素原子で置換されていることが最も好ましい。
としては、前記Rと同様のものが挙げられる。
化合物(C−1)は、その構造中に少なくとも1つのフッ素原子を有するものである。そのため、前記Rがフッ素原子を有さない場合は、Rがフッ素原子を有する。前記Rがフッ素原子を有する場合、Rはフッ素原子を有していてもよく、フッ素原子を有していなくてもよい。また、前記Rがフッ素原子を有さない場合は、Rがフッ素原子を有する。前記Rがフッ素原子を有する場合、Rはフッ素原子を有していてもよく、フッ素原子を有していなくてもよい。
化合物(C−1)としては、特に、下記一般式(C−1−1)、(C−1−2)、(C−1−3)または(C−1−4)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005150327
[式中、R51は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R52〜R55はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であって、R52〜R55のうちの少なくとも1つはフッ素原子であり、R56はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。R61は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R62〜R65はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R66はフッ素原子を有する炭素数2以上の炭化水素基である。]
51としては、前記R03と同様のものが挙げられる。R51は、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
52〜R55はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であって、R52〜R55のうちの少なくとも1つはフッ素原子である。R52〜R55は、製造しやすさ等を考慮すると、すべてフッ素原子であることが最も好ましい。
56としては、前記Rと同様のものが挙げられる。特に、無置換またはフッ素置換の分岐鎖状のアルキル基が好ましく、無置換またはフッ素置換の第3級アルキル基、または前記−R41−R42で表される基がより好ましい。無置換またはフッ素置換の第3級アルキル基としては、前記一般式(c−1)で表される基が最も好ましい。
61としては、前記R51と同様のものが挙げられる。
62〜R65はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子である。R62〜R65は、製造しやすさ等を考慮すると、すべてフッ素原子であるか、またはすべて水素原子であることが好ましい。
66としては、前記R56で挙げたフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基のうち、フッ素原子を有するものと同様のものが挙げられる。
化合物(C−1)としては、上記の中でも、一般式(C−1−1)または(C−1−4)で表される化合物が好ましい。中でも、下記一般式(C−1−11)、(C−1−12)、(C−1−41)、または(C−1−42)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0005150327
[式中、R51、R〜R、R61〜R65、R41〜R42はそれぞれ前記と同じである。]
化合物(C−1)は、そのまま、レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができる。
また、化合物(C−1)が、前記一般式(C−1−1)、(C−1−2)、(C−1−3)または(C−1−4)で表される化合物のように、重合性基を含む化合物である場合、該化合物(C−1)は、単独で重合させるか、または他の重合性化合物と共重合させることにより、高分子化合物とすることができる。かかる高分子化合物は、化合物(C−1)と同様、液浸露光用レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができる。
上記のうち、一般式(C−1−1)、(C−1−2)、(C−1−3)または(C−1−4)で表される化合物は、後述する高分子化合物(C1)の製造用としても有用である。
[高分子化合物(C1)]
高分子化合物(C1)は、前記一般式(c1−1−1)、(c1−1−2)、(c1−1−3)または(c1−1−4)で表される構成単位(以下、構成単位(c1)という。)を有する。
一般式(c1−1−1)〜(c1−1−4)中のR51〜R56、R61〜R66はそれぞれ前記一般式(C−1−1)〜(C−1−4)中のR51〜R56、R61〜R66と同じである。
高分子化合物(C1)は、構成単位(c1)として、前記一般式(c1−1−1)または(c1−1−2)で表される構成単位を有することが好ましく、一般式(c1−1−1)で表される構成単位を有することがより好ましい。特に、下記一般式(c1−1−11)または(c1−1−12)で表される構成単位を有することが好ましい。
Figure 0005150327
[式中、R51、R〜R、R61〜R65、R41〜R42はそれぞれ前記と同じである。]
高分子化合物(C1)中、構成単位(c1)の割合は、高分子化合物(C1)を構成する全構成単位の合計に対し、30〜100モル%が好ましく、50〜100モル%がより好ましく、60〜100モル%がさらに好ましい。
高分子化合物(C1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位(c1)以外の構成単位を有していてもよい。かかる構成単位としては、特に限定されないが、前記一般式(C−1−1)〜(C−1−4)のいずれかで表される化合物と共重合可能な化合物から誘導される構成単位が好ましい。かかる構成単位としては、たとえば、後述する液浸露光用レジスト組成物において、樹脂成分(A1)が有していてもよいものとして挙げた構成単位(a1)〜(a4)、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位、スチレンから誘導される構成単位等が挙げられる。特に、構成単位(a1)であることが好ましい。
高分子化合物(C1)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
高分子化合物(C1)は、液浸露光用レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができる。
<含フッ素化合物(C)の製造方法>
本発明の含フッ素化合物(C)は、たとえば、−QH[Qは前記と同じである。]で表される親水基を有する化合物の親水基に、−C(=O)−R[Rは前記と同じである。]で表される基を導入することにより製造できる。
−C(=O)−Rで表される基の導入は、従来公知の方法を利用して行うことができる。たとえば前記一般式(C−1)で表される化合物(C−1)を例に挙げると、下記一般式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)という。)と、下記一般式(II)で表される化合物(II)とを反応させることにより化合物(C−1)を製造できる。
Figure 0005150327
[式中、R、Q、Rは、それぞれ、前記一般式(C−1)中のR、Q、Rと同じであり、Xはハロゲン原子または水酸基である。]
のハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。Xとしては、反応性に優れることから、臭素原子または塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
化合物(I)と化合物(II)とを反応させる方法としては、特に限定されないが、たとえば、反応溶媒中、塩基の存在下で、化合物(I)および化合物(II)を接触させる方法が挙げられる。該方法は、Xがハロゲン原子である場合は、たとえば、塩基の存在下、化合物(I)が反応溶媒に溶解した溶液に、化合物(II)を添加することにより実施できる。また、Xが水酸基である場合は、たとえば、塩基および縮合剤の存在下、化合物(II)が反応溶媒に溶解した溶液に、化合物(I)を添加することにより、化合物(I)と化合物(II)とを反応(縮合反応)させることができる。また、Xが水酸基である場合は、たとえば、酸の存在下、化合物(II)が反応溶媒に溶解した溶液に、化合物(I)を添加することにより、化合物(I)と化合物(II)とを反応(縮合反応)させることができる。
化合物(I)、化合物(II)としては、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
反応溶媒としては、原料である化合物(I)および化合物(II)を溶解できるものであればよく、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル等が挙げられる。
塩基としては、たとえばトリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン等の有機塩基;水素化ナトリウム、KCO、CsCO等の無機塩基等が挙げられる。
酸としては、脱水縮合で通常用いられるものを使用することができ、具体的には塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸類や、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。
縮合剤としては、例えばエチルジイソプロピルアミノカルボジイミド塩酸塩(EDCI)、ジシクロヘキシルカルボキシイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド、カルボジイミダゾール等のカルボジイミド試薬やテトラエチルピロホスフェイト、ベンゾトリアゾール−N−ヒドロキシトリスジメチルアミノホスホニウムヘキサフルオロリン化物塩(Bop試薬)等が挙げられる。
化合物(II)の添加量は、化合物(I)に対し、およそ1〜3モル倍量が好ましく、1〜2モル倍量がより好ましい。
反応温度は、−20〜40℃が好ましく、0〜30℃がより好ましい。
反応時間は、化合物(I)および化合物(II)の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、30〜240分間が好ましく、60〜180分間がより好ましい。
また、含フッ素化合物(C)が高分子化合物である場合、所望の構成単位を誘導するモノマー(たとえば前記一般式(C−1−1)〜(C−1−4)のいずれかで表される化合物)を、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、−QH[Qは前記と同じである。]で表される親水基を有する高分子化合物(ポチヒドロキシスチレン等のヒドロキシスチレン系樹脂、アクリル系樹脂等)の親水基に、上述のように、−C(=O)−R[Rは前記と同じである。]で表される基を導入することによっても製造できる。
上述した本発明の含フッ素化合物(C)は、従来知られていない新規なものである。
含フッ素化合物(C)は、レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができ、含フッ素化合物(C)が添加されたレジスト組成物は、液浸露光用として有用である。
含フッ素化合物(C)が添加されるレジスト組成物としては、液浸露光用として用いられるものであればよく、特に限定されないが、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分、および放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分を含有する化学増幅型のレジスト組成物が好適である。
含フッ素化合物(C)は、特に、下記本発明の液浸露光用レジスト組成物用として好適である。
≪液浸露光用レジスト組成物≫
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下、(A)成分という。)、放射線の照射により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)、および前記一般式(c)で表される基を有し、少なくとも1つのフッ素原子を含む含フッ素化合物(C)(以下、(C)成分という。)を含有する。
<(A)成分>
(A)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている有機化合物を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
ここで、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
前記分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000未満の低分子量の有機化合物(以下、低分子化合物という。)と、分子量が2000以上の高分子量の樹脂(高分子材料)とに大別される。前記低分子化合物としては、通常、非重合体が用いられる。樹脂(重合体、共重合体)の場合は、「分子量」としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000以上の樹脂を示すものとする。
(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂を用いることができ、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する低分子材料を用いることもできる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、(A)成分としてはアルカリ現像液に可溶性の基材成分が用いられ、さらに当該ネガ型レジスト組成物に架橋剤が配合される。
かかるネガ型レジスト組成物は、露光により(B)成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
ネガ型レジスト組成物の(A)成分としては、通常、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂という。)が用いられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合、(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分が用いられる。該(A)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により前記(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は、アルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
本発明のレジスト組成物において、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分であることが好ましい。すなわち、本発明のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であることが好ましい。
該(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)(以下、(A1)成分ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子化合物(A2)(以下、(A2)成分ということがある。)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
[(A1)成分]
(A1)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている樹脂成分(ベース樹脂)を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、(A1)成分としては、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有するものが好ましい。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
また、ハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記「α位の置換基としての低級アルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
(A1)成分は、特に、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a1)および(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
・構成単位(a1)
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”−1)〜(a1”−6)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 0005150327
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R15、R16はアルキル基(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
一般式(a1”−1)〜(a1”−6)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 0005150327
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは低級アルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 0005150327
[式中、R’、n、Yは上記と同様である。]
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 0005150327
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
Figure 0005150327
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示す。]
Figure 0005150327
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示し;Yはアルキレン基または脂肪族環式基を示す。]
一般式(a1−0−1)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、例えば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基、又は2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
が炭素数1〜10のアルキレン基である場合、炭素数1〜6であることが更に好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基であることが特に好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005150327
[上記式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0〜3の整数を表し;Yはアルキレン基または脂肪族環式基を表し;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
式中、X’は前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
上記の中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)および(a1−1−35)〜(a1−1−41)なる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
Figure 0005150327
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。)
Figure 0005150327
(式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R12は低級アルキル基を示す。hは1〜3の整数を表す)
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。
11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。
12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1または2が好ましく、2が最も好ましい。
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 0005150327
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基であり、mは0または1の整数であり、Aは炭素数1〜5のアルキレン基または酸素原子である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
Aの炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
Figure 0005150327
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なかでも、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a2)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、(A1)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、(a3−2)で表される構成単位、(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 0005150327
(式中、Rは前記に同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。)
式(a3−1)中、jは1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a3)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a4)
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 0005150327
(式中、Rは前記と同じである。)
かかる構成単位(a4)を(A1)成分に含有させる場合、(A1)成分中の構成単位(a4)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜30モル%が好ましく、10〜20モル%がより好ましい。
本発明において、(A1)成分は、構成単位(a1)、(a2)および(a3)を有する共重合体を含有することが好ましい。該共重合体としては、構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体、構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a4)からなる共重合体等が挙げられる。
(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
[(A2)成分]
(A2)成分としては、分子量が500以上2000未満であって、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(A2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
(A)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0005150327
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”は、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。なお、式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
また、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”は、置換基を有していても良いアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表す。
”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであっても良い。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していても良い」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていても良いことを意味する。
”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、R−O−[式中、Rは1価の芳香族有機基、1価の脂肪族炭化水素基またはヒドロキシアルキル基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
前記R−O−で表される基において、Rの1価の芳香族有機基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いたアリール基;これらのアリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基;ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。
前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
これらのアリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
の1価の芳香族有機基としては、アリールアルキル基が好ましく、アリールメチル基がより好ましく、ナフチルメチル基が最も好ましい。
の1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状の1価の飽和炭化水素基、又は、炭素数2〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状の1価の脂肪族不飽和炭化水素基が挙げられる。
直鎖状の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状の1価の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
の1価の脂肪族炭化水素基の炭素数は、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。
のヒドロキシアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状の1価の飽和炭化水素基の少なくとも1つの水素原子が水酸基に置換されたものである。直鎖状又は分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基の1つまたは2つの水素原子が水酸基に置換されたものが好ましい。具体的にはヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
の1価のヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6が特に好ましく、1〜3が最も好ましい。
式(b−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−フェニルテトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート;1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート等が挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 0005150327
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、下記一般式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩をオニウム塩系酸発生剤として用いることもできる。
Figure 0005150327
[式中、R41〜R46はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
41〜R46において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
41〜R46に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R4”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 0005150327
(式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。)
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0005150327
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 0005150327
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
これらの中でも、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 0005150327
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、(B)成分として、置換基を有していてもよいフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(C)成分>
(C)成分は、上述した本発明の含フッ素化合物(C)である。
(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物における(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜15質量部がより好ましく、0.5〜10質量部がさらに好ましく、1〜5質量部が最も好ましい。上記範囲の下限値以上であると、当該液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の疎水性が向上し、液浸露光用として好適な疎水性を有するものとなり、上限値以下であると、リソグラフィー特性が向上する。
<任意成分>
本発明の液浸露光用レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンが好ましく、トリ−n−ペンチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
<有機溶剤(S)>
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
材料の(S)成分への溶解としては、たとえば、上記各成分を通常の方法で混合、撹拌するだけでも行うことができ、また、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
上記本発明の液浸露光用レジスト組成物は、液浸露光に用いられるレジスト組成物に求められる特性である、良好なリソグラフィー特性と、液浸露光用として好適な疎水性(親水性)とを有することから、液浸露光用として好適に用いられる。
すなわち、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、上記(C)成分(すなわち本発明の含フッ素化合物(C))を含有する。
(C)成分は、フッ素原子を有することから高い疎水性を有するとともに、Qに結合した基−CO−Rを有することにより、塩基性条件下にて親水性が増大する性質を有する。これは、塩基の作用により−CO−Rが解離し、親水基(−QH)が生成するためである。
したがって、(C)成分が(A)成分および(B)成分とともに配合されている本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されたレジスト膜は、アルカリ現像液と接触する前(たとえば浸漬露光時)は高い疎水性を有する一方、アルカリ現像液との接触により親水性が高まる。
このように、浸漬露光時における疎水性が高いことから、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、非特許文献1に記載されているようなスキャン式の液浸露光機を用いて浸漬露光を行う場合等に求められる水追随性に非常に優れている。
また、アルカリ現像時に親水性が高まることから、本発明の液浸露光用レジスト組成物によれば、液浸露光におけるディフェクトを効果的に低減できる。すなわち、液浸露光においては、レジスト膜に対して浸漬露光を行うと、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する。たとえばポジ型の場合は露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高まり、ネガ型の場合は露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する。そして、アルカリ現像を行うことにより、ポジ型の場合は露光部が除去され、ネガ型の場合は未露光部が除去されてレジストパターンが形成される。
このとき、レジスト膜の、浸漬露光により放射線が照射されなかった部分(たとえばポジ型の場合は未露光部)の表面には、現像後に、水等の浸漬媒体の影響によるディフェクト(ウォーターマークディフェクト等)が生じやすいが、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、現像時に親水性が高まることから、ディフェクトの発生を低減できる。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、浸漬露光時のレジスト膜中からの物質溶出を抑制することができる。
すなわち、液浸露光は、上述したように、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光(浸漬露光)を行う工程を有する方法である。液浸露光においては、レジスト膜と液浸溶媒とが接触すると、レジスト膜中の物質((B)成分、(D)成分等)の液浸溶媒中への溶出(物質溶出)が生じる。物質溶出はレジスト層の変質、液浸溶媒の屈折率の変化等の現象を生じさせ、リソグラフィー特性を悪化させる。
この物質溶出の量はレジスト膜表面の特性(たとえば親水性・疎水性等)の影響を受ける。そのため、たとえばレジスト膜表面の疎水性が高まることによって、物質溶出が低減されると推測される。
本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、フッ素原子を有する(C)成分を含むことから、該(C)成分を含まない場合に比べて、露光および現像を行う前の疎水性が高い。したがって、本発明の液浸露光用レジスト組成物によれば、浸漬露光時の物質溶出を抑制できる。
物質溶出を抑制できることから、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、液浸露光において、レジスト膜の変質や、液浸溶媒の屈折率の変化を抑制することができる。液浸溶媒の屈折率の変動が抑制されること等により、形状等が良好なレジストパターンを形成することができる。また、露光装置のレンズの汚染を低減でき、そのため、これらに対する保護対策を行わなくてもよく、プロセスや露光装置の簡便化に貢献することができる。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物により形成されたレジスト膜は、水により膨潤しにくいため、微細なレジストパターンを精度よく形成することができる。
さらに、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、感度、解像性、エッチング耐性等のリソグラフィー特性も良好であり、液浸露光においてレジストとして使用した際に、実用上問題なくレジストパターンを形成できる。例えば、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、寸法120nm以下の微細なレジストパターンを形成できる。
レジスト膜の疎水性は、水に対する接触角、たとえば静的接触角(水平状態のレジスト膜上の水滴表面とレジスト膜表面とのなす角度)、動的接触角(レジスト膜を傾斜させていった際に水滴が転落し始めたときの接触角(転落角)、水滴の転落方向前方の端点における接触角(前進角)、転落方向後方の端点における接触角(後退角)、とがある。)等を測定することにより評価できる。たとえばレジスト膜の疎水性が高いほど、静的接触角、前進角、および後退角は大きくなり、一方、転落角は小さくなる。
ここで、前進角は、図1に示すように、その上に液滴1が置かれた平面2を次第に傾けていった際に、当該液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるときの当該液滴1の下端1aにおける液滴表面と、平面2とがなす角度θである。また、このとき(当該液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるとき)、当該液滴1の上端1bにおける液滴表面と、平面2とがなす角度θが後退角であり、当該平面2の傾斜角度θが転落角である。
本明細書において、前進角、後退角および転落角は以下の様にして測定される。
まず、シリコン基板上に、レジスト組成物溶液をスピンコートした後、110℃の温度条件で60秒間加熱してレジスト膜を形成する。
次に、上記レジスト膜に対して、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学社製)、AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(製品名、協和界面科学社製)、AUTO DISPENSER:AD−31(製品名、協和界面科学社製)等の市販の測定装置を用いて測定することができる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の後退角の測定値が50度以上であることが好ましく、50〜150度であることがより好ましく、50〜130度であることが特に好ましく、53〜100度であることが最も好ましい。該後退角が下限値度以上であると、浸漬露光時の物質溶出抑制効果が向上する。その理由は明らかではないが、主な要因の1つとして、レジスト膜の疎水性との関連が考えられる。つまり、液浸媒体は水等の水性のものが用いられているため、疎水性が高いことにより、浸漬露光を行った後、液浸媒体を除去した際に速やかにレジスト膜表面から液浸媒体を除去できることが影響していると推測される。また、後退角が上限値以下であると、リソグラフィー特性等が良好である。
同様の理由により、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の静的接触角の測定値が60度以上であることが好ましく、63〜95度であることがより好ましく、65〜95度であることが特に好ましい。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の転落角の測定値が36度以下であることが好ましく、10〜36度であることがより好ましく、7〜30度であることが特に好ましく、14〜27度であることが最も好ましい。転落角が上限値以下であると、浸漬露光時の物質溶出抑制効果が向上する。また、転落角が下限値以上であると、リソグラフィー特性等が良好である。
上述の各種角度(動的接触角(前進角、後退角、転落角等)、静的接触角)の大きさは、液浸露光用レジスト組成物の組成、たとえば(C)成分の種類や配合量、(A)成分の種類等を調整することにより調整できる。たとえば(C)成分の含有量が多いほど、得られるレジスト組成物の疎水性が高まり、前進角、後退角、静的接触角が大きくなり、転落角が小さくなる。
このように、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、液浸露光においてレジスト材料に求められる種々の特性を充分に備えたものであるから、液浸露光用として好適に用いられる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターンの形成方法の好ましい一例を下記に示す。
まず、支持体上に、本発明の液浸露光用レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB)処理)を行うことにより、レジスト膜を形成する。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
レジスト膜の形成後、レジスト膜上にさらに有機系の反射防止膜を設けて、支持体と、レジスト膜と、反射防止膜とからなる3層積層体とすることもできる。レジスト膜上に設ける反射防止膜はアルカリ現像液に可溶であるものが好ましい。
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用する液浸露光用レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
次いで、上記で得られたレジスト膜に対して、所望のマスクパターンを介して選択的に液浸露光(Liquid Immersion Lithography)を行う。このとき、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fレーザーなどの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるレジスト組成物は、KrFまたはArFエキシマレーザー、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ上記本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、特に水による悪影響を受けにくく、感度、レジストパターン形状等のリソグラフィー特性にも優れることから、本発明においては、液浸媒体として、水が好ましく用いられる。また、水は、コスト、安全性、環境問題および汎用性の観点からも好ましい。
次いで、浸漬露光工程を終えた後、露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク(PEB))を行い、続いて、アルカリ性水溶液からなるアルカリ現像液を用いて現像処理する。そして、好ましくは純水を用いて水リンスを行う。水リンスは、例えば、支持体を回転させながら、該支持体表面に水を滴下または噴霧して、支持体上の現像液および該現像液によって溶解した液浸露光用レジスト組成物を洗い流すことにより実施できる。そして、乾燥を行うことにより、レジスト膜(液浸露光用レジスト組成物の塗膜)がマスクパターンに応じた形状にパターニングされたレジストパターンが得られる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
合成例1]
窒素雰囲気下、0℃にて、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシスチレン5g(26mmol)、トリエチルアミン5.3g(52mmol)が溶解したテトラヒドロフラン(THF)溶液15mlに、ピバロイルクロライド3.8g(31.2mmol)のTHF溶液6mlを滴下した。滴下終了後、反応液の温度を室温まで戻し、さらに1時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)にて原料の消失を確認した後、反応液を0℃に冷却し、水を加えて反応を停止した。その後、反応液に水及び酢酸エチルを加えて抽出を3回行い、得られた有機層を飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水でそれぞれ1回ずつ洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。その後、減圧下で溶媒留去して得られた生成物をヘプタン−酢酸エチルで再結晶して、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−トリメチルアセトキシスチレン(以下、化合物(1)という。)を無色固体として5.9g得た(収率82%)。
Figure 0005150327
得られた化合物(1)について、H−NMRを測定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(溶媒:CDCl、400MHz):δ(ppm)=6.6(dd,1H(H)),6.1(d,1H(H)),5.7(d,1H(H)),1.4(s,9H(H))。
上記の結果から、化合物(1)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005150327
得られた化合物(1)について、以下の評価を行った。
[塩基性条件下での反応]
化合物(1)20mgに対し、THF/2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液=1/1(質量比)の混合液0.5mlを加え、10秒間振とうした。その後、取り出した有機層および脱保護体と予想される2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシスチレンをTLC(ヘプタン:酢酸エチル=8:2)にて展開した。
その結果、一部の化合物(1)で脱保護(ピバロイル基(−CO−C(CH)の解離)が生じ、脱保護体(2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシスチレン)が生成したことが確認できた(脱保護体と2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシスチレンのRf値が同じであった。化合物(1)のRf値:0.77、脱保護体のRf値:0.42)。
合成例2]
合成例1で合成した1.00g(3.62mmol)の化合物(1)を、1.00gのトルエンに溶解させた。この溶液に、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.54mmol加え、溶解させた。この溶液を、窒素雰囲気下にて80℃−2時間重合反応を行った。反応終了反応液を室温まで冷却した。その後、反応液を大量のメタノール溶液に滴下し、重合体を析出させる操作を2回繰り返した。
このようにして得られた重合体を室温下で減圧乾燥し、白色粉体を0.6g得た(収率60%)。これを含フッ素化合物(C)−1とする。
この(C)−1について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量は9,900であり、分散度は2.29であった。
Figure 0005150327
[比較合成例1]
撹拌機、温度計、滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに、7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプタノール7.9g、4−ジメチルアミノピリジン0.2g、トリエチルアミン7.1g、アセトリトニル10gを入れ、撹拌溶解した。その溶解液にメタクリル酸クロリド6.7gを約75℃で30分間かけて滴下し、さらに同温度で2時間撹拌した。反応液を室温まで冷却したのち、炭酸カリウム8.8gと水100mlの混合液で1回、10%食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプチルメタクリレート5.7gを得た。
得られた7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプチルメタクリレートのH−NMRデータは以下の通りである。
H−NMR(CDCl)δ: 0.82〜0.87(tr,6H,−CH)、1.46〜1.58(m,2H,−CH−)、1.78〜1.97(m,9H,=C−CH,−C−CH−)、1.98〜2.16(m,2H,CFCH−)、5.49(s,1H,C=CH)、6.01(s,1H,C=CH
上記の結果より、下記式で示される構造であることが認められた。
Figure 0005150327
次に、窒素吹き込み管、還流器、滴下ロート、温度計を取り付けた4口フラスコに、テトラヒドロフラン27g、上記で得られた7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプチルメタクリレート11.98gを入れ、窒素置換した後、67℃に昇温した。その温度を維持しつつ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.30gをテトラヒドロフラン3gに溶解させた溶解液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、その温度を維持しつつ6時間撹拌を続けた後、室温まで冷却した。得られた重合反応液を大量のメタノール/水の混合溶液中に滴下し、沈殿した樹脂を濾別、洗浄、乾燥して、白色固体の下記化学式(C)−2に示す含フッ素化合物4.0gを得た。(C)−2の標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は6500、分散度(Mw/Mn)は1.4であった。
Figure 0005150327
合成例3]
窒素雰囲気下、0℃にて、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸8g(62mmol)、エチルジイソプロピルアミノカルボジイミド塩酸塩(EDCl)14g(75mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.5g(4mmol)のTHF溶液40mlに、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−ヒドロキシスチレン8g(42mmol)を加え、室温まで戻し、3時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)にて原料の消失を確認した後、反応液を0℃に冷却し、水を加えて反応を停止した。その後、反応液に酢酸エチルを加えて抽出を3回行い、得られた有機層を水で2回洗浄した。その後、減圧下で溶媒留去して得られた生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘプタン−酢酸エチル)で精製し、下記式(3)で表される化合物(3)を無色油状物質として9g得た(収率72%)。
Figure 0005150327
得られた化合物(3)について、H−NMRを測定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(溶媒:CDCl、400MHz):δ(ppm)=6.6(dd,1H(H)),6.1(d,1H(H)),5.7(d,1H(H)),3.5(m,2H(H))。
上記の結果から、化合物(3)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005150327
合成例4]
合成例3で合成した化合物(3)2.50g(8.28mmol)を、5.83gのトルエンに溶解させた。この溶液に、重合開始剤V−601(和光純薬製)を0.41mmol加え、溶解させた。この溶液を、窒素雰囲気下にて90℃で3時間重合反応を行った。反応終了後、反応液を室温まで冷却した。その後、反応液を大量のメタノール溶液に滴下し、重合体を析出させる操作を2回繰り返した。
このようにして得られた重合体を室温下で減圧乾燥し、白色粉体を1.45g得た(収率58%)。これを含フッ素化合物(C)−3とする。
この(C)−3について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量は13,300であり、分散度は1.67であった。
Figure 0005150327
合成例5]
窒素雰囲気下、0℃にて、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸4g(30mmol)、エチルジイソプロピルアミノカルボジイミド塩酸塩(EDCl)6.2g(33mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.5g(4mmol)のTHF溶液60mlに、ポリヒドロキシスチレン(製品名:VP8000、日本曹達株式会社製)3g(25mmol相当)を加え、室温まで戻し、3時間撹拌した。その後、反応液を0℃に冷却し、水を加えて反応を停止した。得られた有機層を水で3回洗浄し、減圧下で溶媒留去した。得られた生成物のTHF溶液をヘプタン中に滴下する再沈操作により、下記式(4)で表される含フッ素化合物(C)−4を無色固体として4.3g得た(収率75%)。
得られた含フッ素化合物(C)−4について、13C−NMRを測定した。その結果、原料のポリヒドロキシスチレンの水酸基の74.1モル%に、−C(=O)−CH−CFが導入されている(導入率74.1モル%)ことが確認できた。したがって、下記式(C)−4中のm:nは74.1:25.9(モル比)である。
また、この(C)−4について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量は14,000であり、分散度は1.08であった。
Figure 0005150327
[実施例6〜9、比較例1〜2]
下記表1に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物を調製した。
Figure 0005150327
表1中の各略号はそれぞれ以下のものを示す。
(A)−1:下記化学式(A)−1で表される共重合体。式中、( )の右下の数値は各構成単位の割合(モル%)を示す。
(B)−1:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(C)−1:合成例2で合成した含フッ素化合物(C)−1。
(C)−2:比較合成例1で合成した含フッ素化合物(C)−2。
(C)−3:合成例4で合成した含フッ素化合物(C)−3。
(C)−4:合成例5で合成した含フッ素化合物(C)−4。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
Figure 0005150327
(Mw7000、Mw/Mn1.8)
次に、8インチシリコンウェーハ上に、表2で示す組成のレジスト組成物を、それぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜(露光前のレジスト膜)の表面に水を滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、接触角(静的接触角)の測定を行った(接触角の測定:水2μL)。この測定値を「Coat後接触角(°)」とした。
接触角測定後のウェーハを、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間の現像処理を行い、その後15秒間、純水を用いて水リンスした後、上記と同様にして接触角を測定した。この測定値を「現像後接触角(°)」とした。また、Coat後接触角と現像後接触角の差をΔ(°)で示した。
その結果を表2に示す。
Figure 0005150327
上記の結果より、本願発明の含フッ素化合物を用いた実施例6〜9、および含フッ素化合物(C)−2を配合した比較例1は、いずれも、含フッ素化合物を配合しなかった比較例に比べて、Coat後接触角が高くなった。
これらのうち、本願発明の含フッ素化合物を用いた実施例6〜9においては、現像後に接触角が低下しており、特に実施例8〜9では、含フッ素化合物を配合しなかった比較例と同等以下にまで低下していた。従って、浸漬露光時には疎水性であって、現像時には親水性となる特性を有することが確認された。一方、比較例1においては現像液によって保護基は解離せず、接触角が低下しなかった。
合成例10]
窒素雰囲気下、0℃にて、3,3,3−トリフルオロプロピオン酸11g(84mmol)、エチルジイソプロピルアミノカルボジイミド塩酸塩(EDCl)19g(101mmol)、ジメチルアミノピリジン(DMAP)0.5g(4mmol)のTHF溶液150mlに、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート15g(84mmol)を加え、室温まで戻し、3時間撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)にて原料の消失を確認した後、反応液を0℃に冷却し、水を加えて反応を停止した。その後、反応液に酢酸エチルを加えて抽出を3回行い、得られた有機層を水で2回洗浄した。その後、減圧下で溶媒留去して得られた粗生成物をヘプタン−酢酸エチルで再結晶して精製し、下記式(5)で表される化合物(5)を無色油状物質として22g得た(収率91%)。
Figure 0005150327
得られた化合物(5)について、H−NMRを測定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(溶媒:DMSO−6d):7.2−7.1(m,4H(H)),6.35(s,1H(H)),5.78(s,1H(H)),3.46(m,2H(H)),2.08(s,3H(H))。
上記の結果から、化合物(5)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 0005150327
得られた化合物(5)について、TLCの展開液として、ヘプタン:酢酸エチル=7:3の組成の溶液を用いた以外は、合成例1と同様にして、一部の化合物(5)で脱保護((−CO−CH−CF)の解離)が生じ、脱保護体が生成したことを確認した。
合成例11]
温度計、還流管を取り付けた3つ口フラスコに、合成例10で合成した化合物(5)2.27g(11.57mmol)、化合物(6)5.00g(17.36mmol)、THF41.20gを入れ、撹拌溶解した。その溶解液に重合開始剤V−601(和光純薬製)を1.74mmol加え、溶解させた。この溶液を、窒素雰囲気下にて80℃6時間化加熱撹拌により重合反応を行った後、反応液を室温まで冷却した。その後、重合反応液を減圧濃縮後、大量のn−ヘプタンに滴下し、重合体を析出させる操作を行い、沈殿した重合体を濾別、洗浄、乾燥し、目的の含フッ素化合物(C)−5を4.50g得た。
得られた含フッ素化合物(C)−5について、13C−NMR(600MHz)を測定した結果、下記式(C)−5中のl:mは68.7:31.3(モル比)であった。また、この(C)−5について、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量は18,600であり、分散度は1.84であった。
Figure 0005150327
[実施例12]
下記表3に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物を調製した。
なお、表3中の、(A)−1、(B)−1、(D)−1、(S)−1は表1と同じである。また、表中(C)−5は合成11で合成した含フッ素化合物(C)−5を示す。
Figure 0005150327
次に、8インチシリコンウェーハ上に、実施例12のレジスト組成物を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜(露光前のレジスト膜)の表面に水を滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、接触角(静的接触角)の測定を行った(接触角の測定:水2μL)。この測定値を「Coat後接触角(°)」とした。
接触角測定後のウェーハを、23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間または60秒間の現像処理を行い、その後15秒間、純水を用いて水リンスした後、上記と同様にして接触角を測定した。この測定値を、それぞれ、「現像30秒後接触角(°)」、「現像60秒後接触角(°)」とした。また、Coat後接触角と現像後の接触角との差をΔ(°)で示した。
その結果を表4に示す。
Figure 0005150327
上記の結果より、本願発明の含フッ素化合物(C)−5を配合した実施例12は、Coat後接触角に比べて、現像後に接触角が低下していた。従って、浸漬露光時には疎水性であって、現像時には親水性となる特性を有することが確認された。
前進角(θ)、後退角(θ)および転落角(θ)を説明する図である。
符号の説明
1…液滴、1a…下端、1b…上端、2…平面、θ…前進角、θ…後退角、θ…転落角

Claims (8)

  1. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、下記一般式(C−1−1)〜(C−1−4)からなる群より選択される1の一般式で表される化合物である含フッ素化合物(C)とを含有することを特徴とする液浸露光用レジスト組成物
    Figure 0005150327
    [式中、R51は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R52〜R55はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であって、R52〜R55のうちの少なくとも1つはフッ素原子であり、R56はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。R61は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R62〜R65はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R66はフッ素原子を有する炭素数2以上の炭化水素基である。]
  2. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分と、下記一般式(c1−1−1)〜(c−1−4)からなる群より選択される1の一般式で表される構成単位を有する高分子化合物である含フッ素化合物(C)とを含有することを特徴とする液浸露光用レジスト組成物。
    Figure 0005150327
    [式中、R51は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R52〜R55はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であって、R52〜R55のうちの少なくとも1つはフッ素原子であり、R56はフッ素原子を有していてもよい炭素数2以上の炭化水素基である。R61は水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R62〜R65はそれぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、R66はフッ素原子を有する炭素数2以上の炭化水素基である。]
  3. 前記基材成分(A)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分である請求項1または2に記載の液浸露光用レジスト組成物。
  4. 前記基材成分(A)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1)を含有し、該樹脂成分(A1)が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
  5. 前記樹脂成分(A1)が、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
  6. 前記樹脂成分(A1)が、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項またはに記載の液浸露光用レジスト組成物。
  7. 含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜のいずれか一項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
  8. 請求項1〜のいずれか一項に記載の液浸露光用レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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