JP2010091731A - 液浸露光用レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜表面の疎水性が高いレジスト膜を形成でき、液浸露光用として好適なレジスト組成物、および該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および含フッ素化合物成分(F)を有機溶剤(S)に溶解してなる液浸露光用レジスト組成物であって、前記有機溶剤(S)は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)と、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)とを含有することを特徴とする液浸露光用レジスト組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)用レジスト組成物、および該液浸露光用レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。
半導体素子の微細化に伴い、露光光源の短波長化と投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、現在では193nmの波長を有するArFエキシマレーザーを光源とするNA=0.84の露光機が開発されている。
露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
解像性の更なる向上のための手法の1つとして、露光機の対物レンズと試料との間に、空気よりも高屈折率の液体(液浸媒体)を介在させて露光(浸漬露光)を行うリソグラフィー法、所謂、液浸リソグラフィー(Liquid Immersion Lithography。以下、液浸露光ということがある。)が知られている(たとえば、非特許文献1参照)。
液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は既存の露光装置を用いて行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
液浸露光はあらゆるパターン形状の形成において有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能であるとされている。現在、液浸露光技術としては、主に、ArFエキシマレーザーを光源とする技術が活発に研究されている。また、現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
近年、含フッ素化合物について、その撥水性、透明性等の特性が着目され、様々な分野での研究開発が活発に行われている。
たとえばレジスト材料分野では、現在、ポジ型の化学増幅型レジストのベース樹脂として用いるために、含フッ素高分子化合物に、メトキシメチル基、tert−ブチル基、tert−ブチルオキシカルボニル基等の酸不安定性基を導入することが行われている。
しかし、かかるフッ素系高分子化合物をポジ型レジスト組成物のベース樹脂として用いた場合、露光後にアウトガスが多く生成したり、ドライエッチングガスへの耐性(エッチング耐性)が充分でなかったり等の欠点がある。
最近、エッチング耐性に優れた含フッ素高分子化合物として、環状炭化水素基を含有する酸不安定性基を有する含フッ素高分子化合物が報告されている(たとえば、非特許文献2参照)。
また、液浸露光用レジスト組成物において、レジスト膜に撥水性を付与するため含フッ素高分子化合物が報告されている(たとえば、非特許文献3参照)。
プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE)、第5754巻,第119−128頁(2005年). プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE)、第4690巻,第76−83頁(2002年). ジャーナルオブフォトポリマーサイエンスアンドテクノロジー(Journal of Photopolymer.Sci.Technol.)、第19巻、No.4,第565−568頁(2006年).
液浸露光においては、通常のリソグラフィー特性(感度、解像性、エッチング耐性等)に加えて、液浸露光技術に対応した特性を有するレジスト材料が求められる。
例えば、液浸露光においては、レジスト膜と液浸溶媒とが接触すると、レジスト膜中の物質の液浸溶媒中への溶出(物質溶出)が生じる。物質溶出は、レジスト層の変質、液浸溶媒の屈折率の変化等の現象を生じさせ、リソグラフィー特性を悪化させる。この物質溶出の量は、レジスト膜表面の特性(例えば親水性・疎水性等)の影響を受けるため、例えばレジスト膜表面の疎水性が高まることによって、物質溶出が低減され得る。
また、液浸媒体が水である場合において、非特許文献1に記載されているようなスキャン式の液浸露光機を用いて浸漬露光を行う場合には、液浸媒体がレンズの移動に追随して移動する水追随性が求められる。水追随性が低いと、露光スピードが低下するため、生産性に影響を与えることが懸念される。この水追随性は、レジスト膜の疎水性を高める(疎水化する)ことによって向上すると考えられる。
このように、たとえば含フッ素化合物を用いてレジスト膜表面の疎水性を高めることにより、物質溶出の低減や水追随性の向上等の、液浸露光技術に特有の問題を解決することができると考えられる。
しかしながら、有機溶剤としてアルコール系有機溶剤を用いた従来のレジスト組成物においては、レジスト膜を形成した際、含フッ素化合物等を膜表面付近に偏在させる効果(以下「偏析効果」ということがある。)が充分でないという問題がある。この偏析効果が弱いと、レジスト膜表面の疎水性(撥水性)の効果が充分に得られず、仮に含フッ素化合物等の添加量を増やすことで膜表面の撥水性が得られたとしても、リソグラフィー特性の悪化やディフェクト数の増加といった問題を生ずることがある。
ここでいう「ディフェクト」とは、例えば、KLAテンコール社の表面欠陥観察装置(商品名「KLA」)により、現像後のレジストパターンを真上から観察した際に検知される不具合全般のことをいう。この不具合とは、例えば、現像後のスカム、泡、ゴミ、レジストパターン間のブリッジ、色むら、析出物等である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、膜表面の疎水性が高いレジスト膜を形成でき、液浸露光用として好適なレジスト組成物、および該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および含フッ素化合物成分(F)を有機溶剤(S)に溶解してなる液浸露光用レジスト組成物であって、前記有機溶剤(S)は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)と、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)とを含有することを特徴とする液浸露光用レジスト組成物である。
本発明の第二の態様は、支持体上に、前記第一の態様の液浸露光用レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および本特許請求の範囲において、「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
また、「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「構成単位」とは、高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明によれば、膜表面の疎水性が高いレジスト膜を形成でき、液浸露光用として好適なレジスト組成物、および該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法を提供できる。
≪液浸露光用レジスト組成物≫
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」という。)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」という。)および含フッ素化合物成分(F)(以下「(F)成分」という。)を有機溶剤(S)(以下「(S)成分」という。)に溶解してなるものである。
かかる液浸露光用レジスト組成物においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により(A)成分のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する一方、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性は変化しない。そのため、これをアルカリ現像することによりレジストパターンが形成される。
<(A)成分>
(A)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている有機化合物を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
ここで、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
前記基材成分として用いられる分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000未満の低分子量の有機化合物(低分子材料)と、分子量が2000以上の高分子量の有機化合物(高分子材料)とに大別される。前記低分子材料としては、通常、非重合体が用いられる。高分子材料としては樹脂(重合体、共重合体)が用いられる。樹脂の場合、「分子量」としてはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000以上の樹脂を示すものとする。
(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂を用いてもよく、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する低分子材料を用いてもよく、これらを併用してもよい。
[(A1)成分]
本発明の液浸露光用レジスト組成物がポジ型レジスト組成物である場合、(A)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A1)(以下「(A1)成分」という。)であることが好ましい。
該(A1)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により前記(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は、アルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
該(A1)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1−1)(以下「(A1−1)成分」ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子材料(A1−2)(以下「(A1−2)成分」ということがある。)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
本発明において、(A)成分としては、(A1−1)成分を含有するものが好ましく、特に、(A1−1)成分が好ましく用いられる。
・樹脂成分(A1−1)について
(A1−1)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている樹脂成分(ベース樹脂)を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明において、(A1−1)成分としては、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有するものが好ましい。
(A1−1)成分は、特に、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
また、(A1−1)成分は、構成単位(a1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
また、(A1−1)成分は、構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a1)および構成単位(a2)に加えて、さらに、後述の一般式(a3−1)で表される構成単位(a3)を有することが好ましい。
また、(A1−1)成分は、構成単位(a1)に加えて、構成単位(a1)および構成単位(a2)に加えて、構成単位(a1)および構成単位(a3)に加えて、または構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)に加えて、さらに、後述の一般式(a4−1)で表される構成単位(a4)を有することが好ましい。
また、(A1−1)成分は、構成単位(a1)に加えて、前記構成単位(a1)、構成単位(a2)、構成単位(a3)又は構成単位(a4)以外の、その他の構成単位を有していてもよい。
・・構成単位(a1)について
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A1−1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(A1−1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本明細書および本特許請求の範囲において、「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”−1)〜(a1”−6)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R15、R16はアルキル基(直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
一般式(a1”−1)〜(a1”−6)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは低級アルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2010091731
[式中、R’、n、Yは上記と同様である。]
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特に、R17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19が、それぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
Figure 2010091731
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示す。]
Figure 2010091731
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示し;Yは2価の連結基を示す。]
一般式(a1−0−1)において、Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されることはなく、例えば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基若しくはヘテロ原子を含む2価の連結基、又はこれらの組合せが挙げられる。
該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は、前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NR04−(R04はアルキル基、アシル基等)、−NH−C(=O)−、=N−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」等が挙げられる。
の−NR04−において、R04の炭素数としては、1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
が「−A−O−B−」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、2〜5がさらに好ましく、2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基又はエチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
の2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基、アルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基がより好ましく、アルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基が特に好ましい。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0〜3の整数を表し;Yは2価の連結基であり;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
前記式中、X’は、前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上記一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
上記式中Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
構成単位(a1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、一般式(a1−1)又は(a1−3)で表される構成単位が好ましく、具体的には、式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)、式(a1−1−20)〜式(a1−1−23)および式(a1−3−25)〜式(a1−3−28)からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−3)で表される構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるもの、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)および式(a1−1−20)〜(a1−1−23)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)で表されるもの、式(a1−3−25)〜(a1−3−26)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−01)で表されるもの、又は式(a1−3−27)〜(a1−3−28)の構成単位を包括する下記一般式(a1−3−02)で表されるものも好ましい。
Figure 2010091731
[式(a1−1−01)中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。式(a1−1−02)中、Rは前記と同じであり、R12は低級アルキル基を示し、h”は1〜6の整数を表す。]
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。h”は1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
Figure 2010091731
(式(a1−3−01)中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;R14は低級アルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、a”は1〜10の整数である。式(a1−3−02)中、Rは前記と同じであり、R14は低級アルキル基であり、R13は水素原子またはメチル基であり、a”は1〜10の整数であり、n’は1〜6の整数である。)
前記一般式(a1−3−01)または(a1−3−02)において、Rについては上記と同様である。
13は、水素原子が好ましい。
14の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
a”は、1〜8の整数が好ましく、2〜5の整数が特に好ましく、2が最も好ましい。
n’は、1〜6の整数であり、1〜4が好ましく、1または2がより好ましい。
(A1−1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1−1)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
前記一般式(a1−3−01)で表される構成単位、および前記一般式(a1−3−02)で表される構成単位を誘導するモノマー(以下、まとめて「モノマーW」という。)は、たとえば以下に示す製造方法により製造することができる。
モノマーWの製造方法:
塩基の存在下、下記一般式(X−1)で表される化合物が反応溶媒に溶解した溶液に、下記一般式(X−2)で表される化合物を添加し、反応させることにより、下記一般式(X−3)で表される化合物(以下、化合物(X−3)という。)を得た後、化合物(X−3)が溶解した溶液に、下記一般式(X−4)で表される化合物を塩基の存在下で添加し、反応させることにより、モノマーWが得られる。
塩基としては、たとえば水素化ナトリウム、KCO、CsCO等の無機塩基;トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、ピリジン等の有機塩基等が挙げられる。
反応溶媒としては、原料である化合物(X−1)および化合物(X−2)を溶解できるものであればよく、具体的には、テトラヒドロフラン(THF)、アセトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル等が挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Xは酸解離性溶解抑制基であり、X10およびX12はそれぞれ独立して水酸基またはハロゲン原子であって、X10およびX12のいずれか一方が水酸基であり、他方がハロゲン原子であり、X11はハロゲン原子である。]
前記式中、R、X、A、Bは、いずれも上記と同じである。
10、X11およびX12におけるハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。
10またはX12のハロゲン原子としては、反応性に優れることから、塩素原子、臭素原子が好ましい。
11としては、反応性に優れることから、臭素原子または塩素原子が好ましく、臭素原子が特に好ましい。
・・構成単位(a2)について
構成単位(a2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A1−1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基または−COOR”であり、前記R”は水素原子、または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基であり、mは0または1の整数であり、A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
A”の酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
上記式中Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
(A1−1)成分において、構成単位(a2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましい。なかでも、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−3−1)および(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
(A1−1)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜60モル%が好ましく、5〜50モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより、構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとることができる。
・・構成単位(a3)について
構成単位(a3)は、下記一般式(a3−1)で表される構成単位である。
Figure 2010091731
[式(a3−1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5の低級アルキル基、又は炭素原子数1〜5のハロゲン化低級アルキル基であり;Yはアルキレン基又は脂肪族環式基であり;g、hはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、iは1〜3の整数である。]
前記一般式(a3−1)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5の低級アルキル基、又は炭素原子数1〜5のハロゲン化低級アルキル基である。Rは、前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
は、アルキレン基又は脂肪族環式基である。
のアルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられる。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a3)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされないが、炭化水素環であることが好ましい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
の脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
構成単位(a3)における脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましい。また、Yとしては、基本の環(脂肪族環)の構造が後述の一般式(a4−1)におけるYと同じであることが好ましい。
gは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
hは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
iは〜3の整数であり、1であることが好ましい。
構成単位(a3)としては、特に、下記一般式(a3−1−1)で表される構成単位が好ましく、中でも、i個の−(CH−OHのうちの1つが、1−アダマンチル基の3位に結合していることが好ましい。
Figure 2010091731
[式中、R,g,h,iはそれぞれ前記と同じである。]
構成単位(a3)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1−1)成分中の構成単位(a3)の割合は、(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜40モル%であることが好ましく、1〜35モル%であることがより好ましく、5〜30モル%であることがさらに好ましく、5〜25モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、断面形状の矩形性が高く、良好な形状のレジストパターンを形成でき、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
・・構成単位(a4)について
構成単位(a4)は、下記一般式(a4−1)で表される構成単位である。
Figure 2010091731
[式(a4−1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5の低級アルキル基、又は炭素原子数1〜5のハロゲン化低級アルキル基であり;Yは脂肪族環式基であり、Zは第3級アルキル基含有基又はアルコキシアルキル基であり;aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、かつ、a+b=1〜3であり;c、d、eはそれぞれ独立して0〜3の整数である。]
前記一般式(a4−1)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5の低級アルキル基、又は炭素原子数1〜5のハロゲン化低級アルキル基である。
Rの低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基については、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。中でも、Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
前記一般式(a4−1)中、Yは脂肪族環式基である。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a4)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされないが、炭化水素環であることが好ましい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
構成単位(a4)における脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
前記一般式(a4−1)中、Zは、第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基である。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子等が挙げられる。
Zの第3級アルキル基含有基としては、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基、環状構造を有する第3級アルキル基含有基等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
Figure 2010091731
式(I)中、R21〜R23は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、上述した分岐鎖状の第3級アルキル基;上述した分岐鎖状の第3級アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基に結合してなる第3級アルキル基含有鎖状アルキル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。式(II)中のR21〜R23は、前記式(I)中のR21〜R23と同様である。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
Figure 2010091731
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、たとえば下記一般式(III)で表される基が挙げられる。式(III)中のR21〜R23は、前記式(I)中のR21〜R23と同様である。fは1〜3の整数であり、1または2が好ましい。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
Figure 2010091731
環状構造を有する第3級アルキル基含有基は、その構造内に、第3級炭素原子と環状構造とを有する基である。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基としては、例えば、第3級アルキル基として下記(1)または(2)の基を有する基等が挙げられる。
(1)環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
(2)シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
前記(1)の基における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることが最も好ましい。
(1)の基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロアルキル基、1−エチル−1−シクロアルキル基等が挙げられる。
前記(2)において、分岐鎖状のアルキレン基が結合しているシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
(2)の基としては、たとえば下記化学式(IV)で表される基が挙げられる。
Figure 2010091731
式(IV)中、R24は、置換基を有していてもよく有していなくてもよいシクロアルキル基である。該シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
25、R26は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基としては、前記式(I)中のR21〜R23のアルキル基と同様のものが挙げられる。
Zのアルコキシアルキル基としては、たとえば下記一般式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 2010091731
式中、R41は、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。
41が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
41が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
42は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
Zのアルコキシアルキル基としては、特に、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
Figure 2010091731
式(VI)中、R41は前記と同じであり、R43、R44はそれぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または水素原子である。
43、R44において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR43、R44の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
上記のなかでも、Zとしては、第3級アルキル基含有基が好ましく、前記一般式(II)で表される基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
前記一般式(a4−1)中、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、かつ、a+b=1〜3である。
aは1であることが好ましい。
bは0であることが好ましい。
a+bは1であることが好ましい。
cは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
dは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
eは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
構成単位(a4)としては、特に、下記一般式(a4−1−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2010091731
[式中、R,Z,b,c,d,eはそれぞれ前記と同じである。]
構成単位(a4)を誘導するモノマーは、例えば下記一般式(a4−1’)で表される化合物(1〜3個のアルコール性水酸基を有する脂肪族環式基を含有するアクリル酸エステル)の水酸基の一部または全部を、公知の手法を用いて、第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基で保護することにより合成することができる。
Figure 2010091731
[式中、R,Y,a,b,c,d,eはそれぞれ前記と同じである。]
(A1−1)成分中、構成単位(a4)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1−1)成分中の構成単位(a4)の割合は、(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して1〜45モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、5〜40モル%であることがさらに好ましく、5〜35モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、有機溶剤への溶解性が向上し、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
・・その他の構成単位について
(A1−1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a4)以外のその他の構成単位を含んでいてもよい。
その他の構成単位は、上述の構成単位(a1)〜(a4)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
その他の構成単位としては、例えば、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下「構成単位(a5)」という。)、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(ただし、前記構成単位(a3)と構成単位(a4)を除く。)(以下「構成単位(a6)」という。)などが好ましい。
・・・構成単位(a5)について
構成単位(a5)は、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特に、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a5)として、具体的には、下記一般式(a5−1)〜(a5−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 2010091731
(式中、Rは前記と同じである。)
かかる構成単位(a5)を(A1−1)成分に含有させる際には、(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a5)を1〜30モル%含有させることが好ましく、10〜20モル%含有させることがより好ましい。
・・・構成単位(a6)について
構成単位(a6)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(ただし、前記構成単位(a3)と構成単位(a4)を除く。)である。
(A1−1)成分が構成単位(a6)を有することにより、(A1−1)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a6)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a6−1)で表される構成単位、式(a6−2)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2010091731
(式中、Rは前記と同じであり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。)
前記式(a6−1)中、kは1であることが好ましい。シアノ基は、ノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
前記式(a6−2)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらは、アクリル酸のカルボキシ基の末端に、2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
かかる構成単位(a6)を(A1−1)成分に含有させる際には、(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a6)を5〜50モル%含有させることが好ましく、5〜40モル%含有させることがより好ましく、5〜25モル%含有させることがさらに好ましい。
本発明において、(A1−1)成分は、構成単位(a1)を有する樹脂成分であることが好ましい。
かかる樹脂成分のなかで好適なものとしては、構成単位(a1)および(a2)を有する共重合体;構成単位(a1)および(a4)を有する共重合体;構成単位(a1)、(a2)および(a4)を有する共重合体;構成単位(a1)および(a3)を有する共重合体;構成単位(a1)、(a2)および(a3)を有する共重合体;構成単位(a1)、(a4)および(a3)を有する共重合体;構成単位(a1)、(a2)、(a4)および(a3)を有する共重合体が挙げられる。
かかる共重合体としては、たとえば、構成単位(a1)、(a2)、(a4)および(a3)からなる共重合体;構成単位(a1)、(a2)、(a4)および(a6)からなる共重合体;構成単位(a1)、(a4)および(a6)からなる共重合体等が例示できる。
本発明において、(A1−1)成分としては、特に下記の様な構成単位の組み合わせを含む共重合体(高分子化合物(A1−1−10)、高分子化合物(A1−1−20))が好ましい。
Figure 2010091731
[式中、Rは上記と同じであり、複数のRは相互に同じであっても異なっていてもよい。R11は式(a1−1−01)におけるR11と同じである。R21〜R23は上記式(II)におけるR21〜R23とそれぞれ同じであり、eは上記式(a4−1)におけるeと同じである。]
Figure 2010091731
[式中、Rは上記と同じであり、複数のRは相互に同じであっても異なっていてもよい。R11は式(a1−1−01)におけるR11と同じである。]
(A1)成分において、(A1−1)成分は、1種の樹脂を単独で用いてもよく、2種以上を併用した混合樹脂組成物であってもよい。
(A1−1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A1−1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1−1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されず、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
・低分子材料(A1−2)について
(A1−2)成分としては、分子量が500以上2000未満であって、上述の(A1−1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(A1−2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
なお、酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
(A1)成分において、(A1−2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、(A1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物中、(A1)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
[(A2)成分]
本発明の液浸露光用レジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、(A)成分は、アルカリ現像液に可溶性の基材成分(A2)(以下「(A2)成分」という。)であることが好ましい。
かかるネガ型レジスト組成物においては、(A2)成分が用いられ、さらに、架橋剤成分(C)(以下「(C)成分」という。)を含有することが好ましい。
該ネガ型レジスト組成物は、露光により(B)成分から酸が発生すると、当該酸が作用して(A2)成分と(C)成分との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物がネガ型レジスト組成物である場合、(A2)成分は、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂成分(以下「アルカリ可溶性樹脂成分(A2−1)」という。)を含有することが好ましい。
・(A2−1)成分について
アルカリ可溶性樹脂成分(A2−1)(以下「(A2−1)成分」という。)としては、たとえば、後述する一般式(a1−1−1)で表される、フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有するアルカリ可溶性樹脂を含有していてもよい。
かかるフッ素化されたヒドロキシアルキル基を有するアルカリ可溶性樹脂の好適なものとして具体的には、たとえばフッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を主鎖に有する構成単位(a1’)と、好ましくは、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位(a2’)とを有する高分子化合物(A2−1−10)(以下「(A2−1−10)成分」という。)が挙げられる。
また、かかるフッ素化されたヒドロキシアルキル基を有するアルカリ可溶性樹脂の好適なものとしては、たとえばフッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を含有する構成単位(a1”)と、好ましくは、さらに、水酸基含有脂肪族環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2”)および/または環式構造を有さず、かつ、側鎖にアルコール性水酸基を有するアクリル酸から誘導される構成単位(a3”)とを含む高分子化合物(A2−1−20)(以下「(A2−1−20)成分」という。)も挙げられる。
・・高分子化合物(A2−1−10)について
(A2−1−10)成分は、フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を主鎖に有する構成単位(a1’)を有する。
また、当該(A2−1−10)成分は、構成単位(a1’)に加え、さらに、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位(a2’)(以下「構成単位(a2’)」と略記する。)を有することが好ましい。
・・・構成単位(a1’)について
(A2−1−10)成分は、フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を主鎖に有する構成単位(a1’)を有する。
かかる構成単位(a1’)において、「フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基」とは、脂肪族環式基の環を構成する炭素原子に、フッ素化されたヒドロキシアルキル基が結合した基を意味する。
また、「脂肪族環式基を主鎖に有する」とは、該脂肪族環式基の環上の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の炭素原子が、(A2−1−10)成分の主鎖を構成することを意味する。
本発明の液浸露光用レジスト組成物においては、(A2)成分が構成単位(a1’)を有する(A2−1−10)成分を含有することにより、レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性が高まって、解像性、レジストパターン形状、ラインエッジラフネス(LER)等のリソグラフィー特性が向上する。また、脂肪族環式基(たとえば、ノルボルナンまたはテトラシクロドデカンの構造など)を主鎖に有することにより、炭素密度が高まってエッチング耐性も向上する。
ここで、「フッ素化されたヒドロキシアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部がヒドロキシ基で置換されたヒドロキシアルキル基において、当該ヒドロキシアルキル基中の残りの水素原子の一部または全部がフッ素原子によって置換されているものである。
フッ素化されたヒドロキシアルキル基においては、フッ素化によって、ヒドロキシ基の水素原子が遊離しやすくなっている。
フッ素化されたヒドロキシアルキル基において、アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であることが好ましい。
該アルキル基の炭素数は、特に限定されるものではなく、1〜20が好ましく、4〜16がより好ましく、4〜12であることが最も好ましい。
ヒドロキシ基の数は、特に限定されるものではなく、1つであることが好ましい。
フッ素化されたヒドロキシアルキル基としては、なかでもヒドロキシ基が結合した炭素原子(ここではヒドロキシアルキル基のα位の炭素原子を指す。)に、フッ素化アルキル基および/またはフッ素原子が結合しているものが好ましい。
ここで、当該α位に結合するフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換されていることが好ましい。また、該フッ素化アルキル基のアルキル基としては、炭素数が1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1であることがより好ましい。
「フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基」における「脂肪族」とは、芳香族性に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。脂肪族環式基は、単環であっても多環であってもよい。
「単環の脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基であることを意味し、「多環の脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない多環式基であることを意味する。
構成単位(a1’)において、脂肪族環式基は、エッチング耐性等に優れることから、多環であることが好ましい。
脂肪族環式基は、炭素及び水素からなる炭化水素基(脂環式基)、および該脂環式基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロ環式基等が含まれる。これらの脂肪族環式基は置換基を有していてもよく、該置換基としては炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
ここで、「置換基を有する」とは、脂肪族環式基の環を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の原子または基)で置換されていることを意味する。本発明において、脂肪族環式基としては、脂環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、ArFエキシマレーザー等に対する透明性が高く、解像性や焦点深度幅(DOF)等にも優れることから、飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基の炭素数は、5〜15であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
単環式基としては、シクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンから2個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等から2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
なお、この様な脂肪族環式基は、例えばArFエキシマレーザープロセス用のホトレジスト組成物用樹脂において多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
これらの中でも、工業上入手しやすいことから、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
これら例示した脂環式基の中でも、後述する構成単位(a1’−1)のように、ノルボルナンまたはテトラシクロドデカンから3個の水素原子を除いた基が好ましく、特にノルボルナンから3個の水素原子を除いた基が好ましい。
かかる構成単位(a1’)に含まれるものとしては、なかでも下記一般式(a1’−1)で表される構成単位(a1’−1)が好ましく例示できる。当該構成単位(a1’−1)を有することにより、特にアルカリ現像液に対する溶解性が向上する。また、解像性等のリソグラフィー特性も向上する。
Figure 2010091731
[式(a1’−1)中、Z’はフッ素化されたヒドロキシアルキル基であり、r”は0又は1である。]
式(a1’−1)中、r”は0又は1であり、工業上入手が容易であることから、0であることが好ましい。
また、式(a1’−1)中、Z’で表される「フッ素化されたヒドロキシアルキル基」は、上述と同様である。なかでも、Z’としては、レジストパターン形状に優れ、ラインエッジラフネス(LER)等が低減されることから、下記一般式(a1’−1−0)で表される基であることが特に好ましい。
なお、「ラインエッジラフネス(LER)」とは、ライン側壁の不均一な凹凸のことをいう。
Figure 2010091731
[式(a1’−1−0)中、R11”,R12”はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜5の低級アルキル基であり;m”,n”はそれぞれ独立して1〜5の整数であり、qは1〜5の整数である。]
式(a1’−1−0)中、R11”,R12”は、それぞれ独立して水素原子又は低級アルキル基である。
低級アルキル基としては、炭素数5以下の直鎖状又は分岐鎖状の低級アルキル基が好ましく、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、メチル基が好ましい。
なかでも、R11”,R12”が共に水素原子であることが好ましい。
qは1〜5の整数であり、1〜3の整数であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
m”およびn”は、それぞれ独立して1〜5の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。特に、合成上の面において優れていることから、m”およびn”がいずれも1であるものが好ましい。
構成単位(a1’)は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(A2−1−10)成分中の構成単位(a1’)の含有割合は、(A2−1−10)成分を構成する全構成単位の合計に対して、50〜90モル%が好ましく、55〜90モル%がより好ましく、60〜80モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、構成単位(a1’)を含有することによる効果が向上し、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
・・・構成単位(a2’)について
(A2−1−10)成分は、構成単位(a1’)に加えて、さらに、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位(a2’)を有することが好ましい。
本発明においては、(A2)成分が、構成単位(a2’)を含む(A2−1−10)成分を有することにより、アルカリ現像液に対する溶解性が向上する。また、(C)成分との架橋性が高まり、露光部と未露光部とのアルカリ現像液に対する溶解性の差(コントラスト)が大きくなって、ネガ型レジストとしてより充分に機能することができる。
かかる構成単位(a2’)としては、たとえば、ヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を主鎖に有する構成単位(a210)、水酸基含有アルキル基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a220)等が好ましく用いられる。
・・・・構成単位(a210)について
本発明において、構成単位(a210)は、ヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を主鎖に有する構成単位をいう。
構成単位(a210)としては、前記構成単位(a1’)の「フッ素化されたヒドロキシアルキル基」において、フッ素化されていないヒドロキシアルキル基、すなわちアルキル基の水素原子の一部がヒドロキシ基で置換されたヒドロキシアルキル基中の残りの水素原子がフッ素原子によって置換されていない以外は、前記構成単位(a1’)と同様の構成単位が好適なものとして挙げられる。
かかる構成単位(a210)に含まれるものとしては、下記一般式(a2’−1)で表される構成単位(以下「構成単位(a2’−1)」という。)が好ましく例示できる。当該構成単位(a2’−1)を有することにより、解像性、レジストパターン形状、ラインワイズラフネス(LWR)等のリソグラフィー特性が向上する。また、良好なコントラストが得られやすく、エッチング耐性も向上する。
Figure 2010091731
[式(a2’−1)中、R13”、R14”はそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜5の低級アルキル基であり、Y’は水素原子又はヒドロキシアルキル基であり、rは0又は1であり、pは1〜3の整数である。]
前記一般式(a2’−1)で表される構成単位(a2’−1)は、ヒドロキシアルキル基を有するノルボルナンまたはテトラシクロドデカンの構造を主鎖に有する構成単位である。
式(a2’−1)中、R13”、R14”は、それぞれ独立して水素原子または低級アルキル基である。低級アルキル基としては、前記式(a1’−1−1)中のR11”,R12”で表される低級アルキル基と同様のものが挙げられる。なかでも、R13”、R14”が共に水素原子であることが好ましい。
Y’は、水素原子又はヒドロキシアルキル基である。
ヒドロキシアルキル基としては、炭素数が10以下の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、炭素数8以下の直鎖状または分岐鎖状のヒドロキシアルキル基であることがより好ましく、炭素数1〜3の直鎖状の低級ヒドロキシアルキル基であることがさらに好ましい。
ヒドロキシアルキル基における水酸基の数と結合位置は、特に限定されるものではなく、通常は1つであり、また、アルキル基の末端に結合していることが好ましい。
Y’としては、なかでも特に水素原子が好ましい。
rは0または1であり、0が好ましい。
pは1〜3の整数であり、1または2が好ましく、1が最も好ましい。
かかる構成単位(a2’−1)の具体例としては、下記化学式(a2’−1−1)〜(a2’−1−7)が挙げられる。
Figure 2010091731
これらの中でも、上記化学式(a2’−1−1)、(a2’−1−2)、(a2’−1−3)が好ましい。
構成単位(a210)は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(A2−1−10)成分中の構成単位(a210)の含有割合は、(A2−1−10)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜50モル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましく、20〜45モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、アルカリ溶解性が向上し、良好なコントラストが得られやすくなる等の構成単位(a210)を含有することによる効果が向上する。他方、上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好となる。
・・・・構成単位(a220)について
構成単位(a220)は、水酸基含有アルキル基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a220)が水酸基含有環状アルキル基を有する構成単位(以下かかる構成単位を「構成単位(a221)」と略記する。)の場合、レジストパターンの膨潤抑制効果が高くなる。また、解像性も向上する。さらに、良好なコントラストやエッチング耐性も得られやすくなる。
構成単位(a221)としては、たとえば、後述の(A2−1−20)成分を構成する「水酸基含有脂肪族環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2”)」についての説明において例示する構成単位のうち、脂肪族環式基が飽和炭化水素基であるものが挙げられる。なかでも、アクリル酸エステルのα位に結合している置換基が、フッ素化アルキル基であるものが特に好ましく、トリフルオロメチル基(−CF)であるものが最も好ましい。
また、構成単位(a220)が水酸基含有鎖状アルキル基を有する構成単位(以下かかる構成単位を「構成単位(a222)」と略記する。)の場合、(A2−1−10)成分全体の親水性が高くなってアルカリ現像液に対する溶解性が高まり、解像性が向上する。また、レジストパターン形成時の架橋反応の制御性が良好となり、パターン形状や解像性が向上する。さらに、膜密度が向上する傾向があり、これにより、エッチング時の膜減りが抑制でき、耐熱性も向上する傾向がある。
構成単位(a222)としては、たとえば、後述の(A2−1−20)成分を構成する「環式構造を有さず、かつ、側鎖にアルコール性水酸基を有するアクリル酸から誘導される構成単位(a3”)」についての説明において例示する構成単位のうち、ヒドロキシアルキル基を有するものが挙げられる。なかでも、アクリル酸エステルのエステル部にヒドロキシアルキル基を有するものが好ましく、そのなかでもアクリル酸エステルのα位に結合している置換基がフッ素化アルキル基であるものが特に好ましく、トリフルオロメチル基(−CF)であるものが最も好ましい。
構成単位(a220)は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(A2−1−10)成分中の構成単位(a220)の含有割合は、(A2−1−10)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜80モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより構成単位(a220)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより他の構成単位とのバランスが良好となる。
なお、構成単位(a220)が、前記構成単位(a221)と前記構成単位(a222)との両方を含む場合、両者の混合割合はモル比で、構成単位(a221):構成単位(a222)=9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましく、6:4〜7:3であることがさらに好ましい。
構成単位(a221)と構成単位(a222)とを、前記混合割合でバランスよく配合することによって良好な露光余裕度が得られる。また、適度なコントラストが得られ、解像性が向上する。さらに、エッチング耐性も向上する。
・・・その他の構成単位について
本発明のネガ型レジスト組成物において、(A)成分は、前記の各構成単位(a1’)、(a2’)以外の構成単位として、従来化学増幅型レジスト組成物用として公知の樹脂成分に用いられている構成単位を適宜用いることができる。
ただし、本発明において、(A2−1−10)成分は、構成単位(a1’)と構成単位(a2’)とを有する高分子化合物であることが好ましく、構成単位(a1’)及び(a2’)を主成分とする高分子化合物であることがより好ましい。
ここで、「主成分」とは、構成単位(a1’)と構成単位(a2’)との合計の割合が、(A2−1−10)成分を構成する全構成単位の合計に対して70モル%以上を占めることを意味し、80モル%以上を占めることがより好ましく、100モル%であってもよい。なかでも、(A2−1−10)成分としては、構成単位(a1’)と構成単位(a2’)とからなる高分子化合物であることが最も好ましい。
(A2−1−10)成分における構成単位(a1’)と構成単位(a2’)との組合せとしては、構成単位(a1’)と構成単位(a210)との組み合わせが好ましい。
(A2−1−10)成分としては、たとえば下記化学式(A2−1−11)〜(A2−1−14)で表される構成単位の組合せを含むものが好ましく挙げられる。
Figure 2010091731
上記のなかでも、(A2−1−10)成分としては、前記化学式(A2−1−11)〜(A2−1−14)で表される構成単位の組合せから選択される少なくとも一種の組合せを含む高分子化合物が好ましく、前記化学式(A2−1−11)で表される構成単位の組合せを含む高分子化合物が最も好ましい。
本発明において、(A2−1−10)成分の質量平均分子量(Mw;ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値)は2000〜10000であることが好ましく、3000〜6000であることがさらに好ましく、3000〜5000であることが特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であることにより良好なコントラストを得ることができ、上限値以下であることによりレジストパターンの膨潤を抑制することができる。その結果、解像性が向上する。また、パターンの膨潤を抑制できることから、焦点深度幅(DOF)特性の向上効果や、ラインエッジラフネス(LER)の抑制効果を得ることができる。また、上記質量平均分子量をこの範囲とすることは、レジストパターンの膨潤抑制効果も高い点から好ましい。質量平均分子量は、この範囲内において低い方が、良好な特性が得られる傾向がある。
また、分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0であることが好ましく、1.0〜2.5であることがさらに好ましい。
(A2)成分においては、(A2−1)成分を用いる場合、上記(A2−1−10)成分の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
ただし、(A2−1−10)成分を用いる場合、(A2−1)成分中に含まれる(A2−1−10)成分の割合は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
・・高分子化合物(A2−1−20)について
(A2−1−20)成分は、フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を含有する構成単位(a1”)を含む。
また、当該(A2−1−20)成分は、構成単位(a1”)に加え、さらに、水酸基含有脂肪族環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2”)を含むことが好ましい。
また、当該(A2−1−20)成分は、構成単位(a1”)に加え、または、構成単位(a1”)と構成単位(a2”)とに加え、さらに、環式構造を有さず、かつ、側鎖にアルコール性水酸基を有するアクリル酸から誘導される構成単位(a3”)を含むことが好ましい。
・・・構成単位(a1”)について
構成単位(a1”)は、フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基を含有する構成単位である。構成単位(a1”)を含むことにより、アルカリ現像液に対する溶解性が向上する。また、レジストパターンの膨潤が抑制されて、解像性、パターン形状、LWR等のリソグラフィー特性が向上する。
フッ素化されたヒドロキシアルキル基を有する脂肪族環式基は、前記構成単位(a1’)についての説明において例示したものと同様であり、脂肪族環式基(フッ素化されたヒドロキシアルキル基が結合する前の状態)としては、なかでもシクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、テトラシクロドデカンから2個の水素原子を除いた基が工業上入手しやすく、好ましい。
これら例示した単環式基、多環式基の中でも、特にノルボルナンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。
構成単位(a1”)は、アクリル酸から誘導される構成単位であることが好ましく、特に、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基[−C(O)−O−]の末端の酸素原子(−O−)に上記脂肪族環式基が結合した構造(アクリル酸のカルボキシ基の水素原子が上記脂肪族環式基で置換されている構造)が好ましい。
構成単位(a1”)としてより具体的には、下記一般式(1)で表される構成単位(a1”−1)が好ましい。
Figure 2010091731
[式(1)中、Rは水素原子、低級アルキル基、又はハロゲン化低級アルキル基であり;u、t、t”はそれぞれ独立して1〜5の整数である。]
式(1)中、Rは水素原子、低級アルキル基、又はハロゲン化低級アルキル基である。
Rの低級アルキル基又はハロゲン化アルキル基については、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基又はハロゲン化アルキル基と同様である。
本発明において、Rは、水素原子または低級アルキル基であることが好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
uは、それぞれ独立して1〜5の整数であり、1〜3の整数であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
tは1〜5の整数であり、1〜3の整数であることが好ましく、1であることが最も好ましい。
t”は1〜5の整数であり、1〜3の整数であることが好ましく、1〜2の整数であることがより好ましく、1であることが最も好ましい。
前記一般式(1)で表される構成単位(a1”−1)は、(α−低級アルキル)アクリル酸のカルボキシ基の末端に、2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールは、ノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a1”)は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(A2−1−20)成分中の構成単位(a1”)の含有割合は、(A2−1−20)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜90モル%が好ましく、20〜90モル%がより好ましく、40〜90モル%が特に好ましく、45〜85モル%が最も好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、構成単位(a1”)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスが良好である。
・・・構成単位(a2”)について
(A2−1−20)成分は、構成単位(a1”)に加えて、さらに水酸基含有脂肪族環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2”)を有することが好ましい。
構成単位(a2”)を含む(A2−1−20)成分をネガ型レジスト組成物に配合すると、この構成単位(a2”)の水酸基(アルコール性水酸基)が、(B)成分から発生する酸の作用によって、(C)成分と反応し、これにより(A2−1−20)成分がアルカリ現像液に対して可溶性の性質から不溶性の性質に変化する。
「水酸基含有脂肪族環式基」とは、脂肪族環式基に水酸基が結合している基である。
脂肪族環式基に結合している水酸基の数は、1〜3個が好ましく、1個がさらに好ましい。
脂肪族環式基は、単環でも多環でもよいが、多環式基であることが好ましい。また、脂環式炭化水素基であることが好ましい。また、飽和であることが好ましい。また、脂肪族環式基の炭素数は5〜15であることが好ましい。
脂肪族環式基(水酸基が結合する前の状態)の具体例としては、上記構成単位(a1”)の脂肪族環式基と同様のものが挙げられる。
構成単位(a2”)の脂肪族環式基としては、なかでも、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上入手しやすいことから、好ましい。そのなかでも、シクロヘキシル基、アダマンチル基がより好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
脂肪族環式基には、水酸基以外に、炭素数1〜4の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合していてもよい。
構成単位(a2”)において、水酸基含有脂肪族環式基は、アクリル酸エステルのエステル基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子と結合していることが好ましい。
この場合、構成単位(a2”)において、アクリル酸エステルのα位(α位の炭素原子)には、水素原子に代わって、他の置換基が結合していてもよい。置換基としては、好ましくは、低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基が挙げられる。
これらの説明は、上記構成単位(a1”)の一般式(1)中のRの説明と同様であって、α位に結合可能なもののうち、好ましいものは水素原子または低級アルキル基であって、特に水素原子またはメチル基が好ましい。
構成単位(a2”)の具体例として、例えば下記一般式(2)で表される構成単位(a2”−1)が好ましい。
Figure 2010091731
[式(2)中、Rは前記と同じであり;Rは水素原子、低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基であり;r’は1〜3の整数である。]
Rは、上記一般式(1)におけるRの説明と同様である。
の低級アルキル基は、Rの低級アルキル基と同じである。
前記一般式(2)において、R、Rはいずれも水素原子であることが最も好ましい。
r’は1〜3の整数であり、1であることが好ましい。
水酸基の結合位置は、特に限定されないが、アダマンチル基の3位の位置に結合していることが好ましい。
構成単位(a2”)は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(A2−1−20)成分中の構成単位(a2”)の割合は、(A2−1−20)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜70モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜40モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、構成単位(a2”)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスが良好である。
・・・構成単位(a3”)について
(A2−1−20)成分は、構成単位(a1”)に加えて、または、構成単位(a1”)および構成単位(a2”)に加えて、さらに、環式構造を有さず、かつ、側鎖にアルコール性水酸基を有するアクリル酸から誘導される構成単位(a3”)を有することが好ましい。
構成単位(a3”)を含む(A2−1−20)成分をネガ型レジスト組成物に配合すると、構成単位(a3”)のアルコール性水酸基が、前記構成単位(a2”)の水酸基とともに、(B)成分から発生する酸の作用によって(C)成分と反応する。
そのため、(A2−1−20)成分が、アルカリ現像液に対して可溶性の性質から不溶性の性質に変化しやすくなり、解像性等のリソグラフィー特性向上の効果が得られる。また、膜減りが抑制できる。また、パターン形成時の架橋反応の制御性が良好となる。さらに、膜密度が向上する傾向がある。これにより、耐熱性が向上する傾向がある。さらにはエッチング耐性も向上する。
構成単位(a3”)において、「環式構造を有さない」とは、脂肪族環式基や芳香族基を有さないことを意味する。
構成単位(a3”)は、環式構造を有さないことにより、前記構成単位(a2”)と明らかに区別される。
側鎖にアルコール性水酸基を有する構成単位としては、例えば、ヒドロキシアルキル基を有する構成単位が挙げられる。
ヒドロキシアルキル基としては、上記構成単位(a1”)の「フッ素化されたヒドロキシアルキル基」におけるヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基は、例えば主鎖(アクリル酸のエチレン性二重結合が開裂した部分)のα位の炭素原子に直接結合していてもよいし、アクリル酸のカルボキシ基の水素原子と置換してエステルを構成していてもよい。
構成単位(a3”)においては、これらのうち少なくとも一方あるいは両方が存在していることが好ましい。
なお、α位にヒドロキシアルキル基が結合していない場合、α位の炭素原子には、水素原子に代わって、低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基が結合していてもよい。
これらについては、一般式(1)中のRの説明と同様である。
構成単位(a3”)としては、下記一般式(3)で表される構成単位(a3”−1)が好ましい。
Figure 2010091731
[式(3)中、Rは水素原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基、またはヒドロキシアルキル基であり;Rは、水素原子、アルキル基、またはヒドロキシアルキル基であり、かつR、Rの少なくとも一方はヒドロキシアルキル基である。]
におけるヒドロキシアルキル基は、炭素数が10以下のヒドロキシアルキル基であることが好ましく、直鎖状、分岐鎖状であることがより好ましく、炭素数2〜8のヒドロキシアルキル基であることがさらに好ましく、ヒドロキシメチル基またはヒドロキシエチル基であることが最も好ましい。
水酸基の数、結合位置は、特に限定されるものではなく、通常は1つであり、また、アルキル基の末端に結合していることが好ましい。
における低級アルキル基は、炭素数が10以下のアルキル基であることが好ましく、炭素数2〜8のアルキル基であることがさらに好ましく、エチル基、メチル基であることが最も好ましい。
におけるハロゲン化低級アルキル基は、好ましくは、炭素数が5以下の低級アルキル基(好ましくはエチル基、メチル基)において、その水素原子の一部または全部がハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)で置換された基である。
におけるアルキル基、ヒドロキシアルキル基としては、Rの低級アルキル基、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
一般式(3)で表される構成単位(a3”−1)として、具体的には、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸から誘導される構成単位(ただし、ここではアクリル酸エステルから誘導される構成単位は含まない。)、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸アルキルエステルから誘導される構成単位、(α−アルキル)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルから誘導される構成単位が挙げられる。
これらの中で、構成単位(a3”)が、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸アルキルエステルから誘導される構成単位を含むと、膜密度の向上の点から好ましく、中でもα−(ヒドロキシメチル)−アクリル酸エチルエステルまたはα−(ヒドロキシメチル)−アクリル酸メチルエステルから誘導される構成単位が好ましい。
また、構成単位(a3”)が、(α−アルキル)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルから誘導される構成単位を含むと、架橋効率の点で好ましい。中でも、α−メチル−アクリル酸ヒドロキシエチルエステルまたはα−メチル−アクリル酸ヒドロキシメチルエステルから誘導される構成単位が好ましい。
構成単位(a3”)は、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
(A2−1−20)成分中の構成単位(a3”)の割合は、(A2−1−20)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜30モル%が特に好ましく、10〜25モル%が最も好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、構成単位(a3”)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
・・・その他の構成単位について
(A2−1−20)成分は、前記の各構成単位(a1”)〜(a3”)以外の構成単位として、共重合可能な他の構成単位を有していてもよい。
かかる構成単位としては、従来化学増幅型レジスト組成物用として公知の樹脂成分に用いられている構成単位が使用でき、たとえば、ラクトン含有単環または多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4”)が挙げられる。
構成単位(a4”)としては、特に限定されるものではなく、任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a4”)は、1種または2種以上を混合して用いることができる。
構成単位(a4”)を(A2−1−20)成分に含有させる場合、(A2−1−20)成分中の構成単位(a4”)の割合は、(A2−1−20)成分を構成する全構成単位の合計に対して、10〜70モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、10〜25モル%が最も好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、構成単位(a4”)を含有することによる効果が得られ、上限値以下であることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
ただし、本発明においては、(A2−1−20)成分は、特に構成単位(a1”)〜(a3”)を主成分とする高分子化合物であることが好ましい。
ここでいう「主成分」とは、構成単位(a1”)〜(a3”)の合計が50モル%以上を占めることを意味し、好ましくは70モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上である。最も好ましくは100モル%、すなわち(A2−1−20)成分は、構成単位(a1”)、構成単位(a2”)および構成単位(a3”)からなる高分子化合物であることが好ましい。
(A2−1−20)成分としては、特に下記式(A2−1−21)の様な構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。
Figure 2010091731
[式中、Rは前記と同じである。複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。]
(A2−1−20)成分の質量平均分子量(Mw)は、2000〜30000であることが好ましく、2000〜10000であることがより好ましく、3000〜8000であることがさらに好ましい。この範囲とすることにより、アルカリ現像液に対する良好な溶解速度が得られ、高解像性の点からも好ましい。当該質量平均分子量は、この範囲内において低い方が、良好な特性が得られる傾向がある。
また、分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜2.5がより好ましい。
(A2)成分においては、(A2−1)成分を用いる場合、上記(A2−1−20)成分の1種又は2種以上を混合して用いることができる。
ただし、(A2−1−20)成分を用いる場合、(A2−1)成分中に含まれる(A2−1−20)成分の割合は、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることが特に好ましい。
(A2−1−10)成分又は(A2−1−20)成分は、いずれも、例えば国際公開第2004/076495号パンフレットに記載の方法、各構成単位を誘導するモノマーを常法によりラジカル重合する方法等により合成することができる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、(A2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、(A2)成分は、(A2−1−10)成分、(A2−1−20)成分以外に、従来のネガ型レジスト組成物に用いられている他の高分子化合物(ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、アクリル樹脂など)等を用いることもできる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物中、(A2)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、(B)成分は、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2010091731
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアルキル基を表し;式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよく;R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つは前記アリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つは前記アリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
また、R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてが、アリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20の無置換のアリール基、該無置換のアリール基の水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基等で置換された置換アリール基、−(R’)−C(=O)−R’が挙げられる。R’は炭素数1〜5のアルキレン基である。R’はアリール基である。R’のアリール基としては、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換アリール基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが特に好ましい。
置換アリール基におけるハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシアルキルオキシ基としては、たとえば、
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]で表される基が挙げられる。
47、R48において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
47、R48は、少なくとも一方が、水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。
具体的には、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
置換アリール基におけるアルコキシカルボニルアルキルオキシ基としては、たとえば、一般式:−O−R45−C(=O)−O−R46[式中、R45は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R46は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
45における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
46における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
”〜R”のアリール基としては、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、イオウ原子を含めて3〜10員環を形成していることが好ましく、5〜7員環を形成していることが特に好ましい。
”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
式(b−1)で表されるカチオン部の具体例としては、たとえば、トリフェニルスルホニウム、(3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−アダマントキシメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−アダマントキシメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルオキシ)フェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−(2−メチル−2−アダマンチルオキシカルボニルメチルオキシ)−3,5−ジメチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウム、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウム、モノフェニルジメチルスルホニウム、ジフェニルモノメチルスルホニウム、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウム、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウム、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウム、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウム、1−フェニルテトラヒドロチオフェニウム、1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−メトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−エトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−(4−n−ブトキシナフタレン−1−イル)テトラヒドロチオフェニウム、1−フェニルテトラヒドロチオピラニウム、1−(4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウム、1−(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオピラニウム、1−(4−メチルフェニル)テトラヒドロチオピラニウム等が挙げられる。
式(b−1)で表されるカチオン部としては、特に、下記式(b−1−1)〜(b−1−10)で表されるカチオンが好ましい。その中でも、式(b−1−1)〜(b−1−8)で表されるカチオン部等の、トリフェニル骨格のカチオン部がより好ましい。
下記式(b−1−9)〜(b−1−10)中、R、R10は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基または炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、水酸基である。
wは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
Figure 2010091731
上記式(b−2)中、R”〜R”は、それぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)で表されるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
上記式(b−1)又は(b−2)中、R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基;置換基を有していてもよいハロゲン化アルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
前記R”としての直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記R”としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記R”としてのハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものであり、該アルキル基は、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、又はイソペンチル基であることがさらに好ましい。そして、水素原子が置換されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ハロゲン化アルキル基において、アルキル基(ハロゲン化前のアルキル基)の水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていることがより好ましい。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したもの(パーフルオロアルキル基)が、酸の強度が強くなるため好ましい。
このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
”が、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、又はハロゲン化アルキル基である場合、R”のなかで好適なものとしては、たとえば、トリフルオロメタンスルホネート、ヘプタフルオロプロパンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート;メタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート等が挙げられる。
前記R”としてのアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”としてのアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基における水素原子の一部又は全部が置換基(水素原子以外の他の原子又は基)で置換されていてもよいことを意味する。
”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q−[式中、Qは酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
−Q−で表される基において、Qは酸素原子を含む2価の連結基である。
は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合:−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R85−O−、−R86−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R87−O−C(=O)−(式中、R85〜R87はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
85〜R87におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R85−O−、−R86−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R87−O−C(=O)−が好ましい。
−Q−で表される基において、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R88−または−S−R89−であり、R88およびR89はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R88およびR89におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R85〜R87におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L5)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
上記の中でも、前記R”としては、ハロゲン化アルキル基、または置換基としてX−Q−を有することが好ましい。
置換基としてX−Q−を有する場合、R”としては、X−Q−Y−[式中、QおよびXは前記と同じであり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
−Q−Y−で表される基において、Yのアルキレン基としては、前記Qで挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
”がX−Q−Y−で表される基であるR”−SO の具体例としては、たとえば下記式(b1)〜(b7)で表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、yは1〜3の整数であり、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、r7は0〜3の整数であり、xは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、m1〜m5はそれぞれ独立に0または1であり、v1〜v5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w5はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は前記と同じである。]
の置換基としては、前記Xにおいて、脂肪族炭化水素基が有していてもよい置換基、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
に付された符号(r7、w1〜w5)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)または(b−4)で表されるアニオンに置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)または(b−2)で表されるカチオン部と同様)。
Figure 2010091731
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、下記一般式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩をオニウム塩系酸発生剤として用いることもできる。
Figure 2010091731
[式中、R90は水素原子またはアルキル基であり、R91はアルキル基、アセチル基、カルボキシ基、またはヒドロキシアルキル基であり、R92〜R96はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、ただし、n+nは5以下であり、nは0〜2の整数である。]
一般式(b−5)または(b−6)中のR90〜R96において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
OR90に付された符号nが2以上の整数である場合、複数のOR90は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
91〜R96に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR91〜R96は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0〜2である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1である。
以下に、式(b−5)又は(b−6)で表されるカチオンの好適な具体例を例示する。
Figure 2010091731
式(b−5)または(b−6)で表されるカチオンをカチオン部に有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。
かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン等が挙げられる。
これらの中でも、フッ素化アルキルスルホン酸イオンが好ましく、炭素数1〜4のフッ素化アルキルスルホン酸イオンがより好ましく、炭素数1〜4の直鎖状のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンが特に好ましい。具体例としては、トリフルオロメチルスルホン酸イオン、ヘプタフルオロ−n−プロピルスルホン酸イオン、ノナフルオロ−n−ブチルスルホン酸イオン等が挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2010091731
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010091731
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2010091731
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2010091731
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、中でも(B)成分として、フッ素化アルキルスルホン酸イオン又は置換基としてX−Q−を有するフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜60質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましく、2〜30質量部が最も好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(F)成分>
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、含フッ素化合物成分(F)((F)成分)は、特に限定されず、構成単位の繰返しからなる高分子量の高分子化合物(重合体、共重合体)であってもよく、低分子量の低分子化合物(非重合体)であってもよい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物においては、当該(F)成分を含有することによってレジスト膜表面の疎水性が高まり、後述の(S)成分と併用することによってさらにレジスト膜表面の疎水性が高まり、液浸露光用として好適なレジスト組成物が得られる。
(F)成分は、たとえば高分子化合物(重合体、共重合体)として、フッ素原子を含む構成単位を有する高分子化合物が挙げられ、具体的には、フッ素原子を含む構成単位の1種又は2種以上の繰返しからなる高分子化合物;フッ素原子を含む構成単位と、フッ素原子を含まない構成単位との繰返しからなる高分子化合物等が挙げられる。
また、(F)成分は、たとえば低分子化合物(非重合体)として、前記高分子化合物(重合体、共重合体)を構成するフッ素原子を含む構成単位を誘導するモノマーが挙げられる。
これらのなかでも、(F)成分としては、高分子化合物(重合体、共重合体)であることが好ましい。
・フッ素原子を含む構成単位(構成単位(f1))について
フッ素原子を含む構成単位(以下「構成単位(f1)」という。)は、フッ素原子を含むものであれば特に制限されず、たとえば、フッ素原子が側鎖に含まれているものでもよく、フッ素原子が主鎖に直接結合しているものでもよく、主鎖に結合している置換基にフッ素原子が含まれているものでもよい。
なかでも、構成単位(f1)としては、フッ素原子が側鎖に含まれているものが好ましく、具体的には、
下記一般式(f1−1−0)で表される基を含む構成単位、
フッ素原子を含有する酸解離性溶解抑制基含有基を含む構成単位、
非酸解離性の炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を含む構成単位
が挙げられる。
Figure 2010091731
[式(f1−1−0)中、Rはフッ素原子を有する有機基である。ただし、−C(=O)−の炭素原子は主鎖に直接結合していないものとする。]
(一般式(f1−1−0)で表される基を含む構成単位)
前記式(f1−1−0)中、Rは、フッ素原子を有する有機基である。
「有機基」とは、少なくとも1つの炭素原子を含む基をいう。
のフッ素原子を有する有機基において、Rの構造は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
において、有機基の炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましく、炭素数1〜5が最も好ましい。
において、有機基は、レジスト膜の疎水性が高まることから、フッ素化率が25%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることが特に好ましい。
「フッ素化率」とは、当該有機基における(水素原子とフッ素原子との合計数)に対する(フッ素原子数)の割合(%)をいう。
として具体的には、置換基を有していてもよいフッ素化炭化水素基が好適に挙げられる。
当該フッ素化炭化水素基において、炭化水素基(フッ素化されていないもの)は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、なかでも脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を有さない炭化水素基である。脂肪族炭化水素基は、飽和又は不飽和のいずれでもよく、通常は飽和であることが好ましい。
すなわち、Rとしては、フッ素化飽和炭化水素基又はフッ素化不飽和炭化水素基であることが好ましく、フッ素化飽和炭化水素基、すなわちフッ素化アルキル基であることが特に好ましい。
フッ素化アルキル基としては、下記に挙げる無置換のアルキル基(後述の置換基を有さないもの)の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
フッ素化アルキル基は、無置換のアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換された基であってもよく、無置換のアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であってもよい。
無置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、また、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
無置換の直鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10が好ましく、炭素数1〜8がより好ましい。具体的には、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基等が挙げられる。
無置換の分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数3〜10が好ましく、炭素数3〜8がより好ましい。分岐鎖状のアルキル基としては、第3級アルキル基が好ましい。
無置換の環状のアルキル基としては、例えば、モノシクロアルカン、またはビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が挙げられる。具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のモノシクロアルキル基;アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等のポリシクロアルキル基などが挙げられる。
無置換の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
フッ素化炭化水素基が有していてもよい置換基としては、たとえば炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
において、フッ素化アルキル基としては、直鎖状または分岐鎖状のフッ素化アルキル基が好ましい。特に、下記一般式(VII−1)または(VII−2)で表される基が好ましく、中でも、式(VII−1)で表される基が好ましい。
Figure 2010091731
[式(VII−1)中、R41’は無置換の炭素数1〜9のアルキレン基であり、R42’は炭素数1〜9のフッ素化アルキル基である。但し、R41’とR42’との炭素数の合計は10以下である。また、式(VII−2)中、R81〜R83は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基であり、R81〜R83の少なくとも1つはフッ素原子を有するアルキル基である。]
式(VII−1)中、R41’のアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。また、その炭素数は1〜5が好ましい。
41’としては、特に、メチレン基、エチレン基、プロピレン基が好ましい。
42’としては、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。なかでも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基が好ましい。
式(VII−2)中、R81〜R83のアルキル基としては、それぞれエチル基またはメチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。R81〜R83のアルキル基のうち、いずれか1つがフッ素化アルキル基であればよく、全てがフッ素化アルキル基であってもよい。
ただし、前記式(f1−1−0)中、−C(=O)−の炭素原子は、主鎖に直接結合していないものとする。これによって、弱塩基性のアルカリ現像液の作用により基「−O−R」が充分に解離し得る。
すなわち、「−O−R」は、アルカリ現像液の作用により加水分解が生じ、前記一般式(f1−1−0)で表される基から解離する。そのため、前記一般式(f1−1−0)で表される基においては、「−O−R」が解離すると同時に親水基[−C(=O)−OH]が形成される。そして、(F)成分の親水性が高まり、アルカリ現像液に対する親和性が向上する。これにより、現像の際にレジスト膜表面の親水性が高くなる。
(フッ素原子を含有する酸解離性溶解抑制基含有基)
酸解離性溶解抑制基含有基における「酸解離性溶解抑制基」とは、露光により(B)成分から酸が発生した際に、該酸が作用して、(F)成分から解離し、露光後に脱離する基を意味する。
酸解離性溶解抑制基は、解離前は(F)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離して、この(F)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものである。これにより、レジストパターンを形成した際、現像残渣を生じることが抑制され、解像性等のリソグラフィー特性が向上する効果が得られる。
本明細書および本特許請求の範囲において、「酸解離性溶解抑制基含有基」とは、酸解離性溶解抑制基と、酸解離性溶解抑制基を有する有機基とを含む概念とする。
「酸解離性溶解抑制基を有する有機基」とは、酸解離性溶解抑制基と、酸で解離しない基又は原子(すなわち酸により解離せず、酸解離性溶解抑制基が解離した後も(F)成分に結合したままの基又は原子)とから構成される基を意味する。
酸解離性溶解抑制基含有基は、酸解離性溶解抑制基含有基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子又はフッ素化アルキル基等で置換される。フッ素原子又はフッ素化アルキル基等は、酸解離性溶解抑制基に含まれていてもよく、酸解離性溶解抑制基以外の基に含まれていてもよい。好ましくは、フッ素原子又はフッ素化アルキル基等が酸解離性溶解抑制基に含まれている場合である。
酸解離性溶解抑制基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
具体的には、下記酸解離性溶解抑制基(I)および(II)、並びに酸解離性溶解抑制基含有基(IV)において例示する鎖状第3級アルコキシカルボニル基、鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基を有する有機基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。具体的には、上記「酸解離性溶解抑制基を有する有機基」で挙げた基などが挙げられ、たとえば酸解離性溶解抑制基(II)を有する有機基、すなわち、後述の酸解離性溶解抑制基を有する有機基(III)等が挙げられる。
以下、基(I)〜(IV)について説明する。なお、基(II)〜(IV)において、フッ素原子又はフッ素化アルキル基等は、酸解離性溶解抑制基に含まれていてもよく、酸解離性溶解抑制基以外の基に含まれていてもよい。
・・酸解離性溶解抑制基(I)
酸解離性溶解抑制基(I)は、鎖状または環状の第3級アルキル基である。
該第3級アルキル基としては、本発明の効果に優れることから、下記一般式(f1−2−1)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 2010091731
[式(f1−2−1)中、R71〜R73はそれぞれ独立してアルキル基またはフッ素化アルキル基であって、前記フッ素化アルキル基はR71〜R73が結合している第三級炭素原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子が結合していない基であり、かつ、R71〜R73の少なくとも一つは前記フッ素化アルキル基である。ただし、R72およびR73は相互に結合して、R72とR73と前記第三級炭素原子とからなる一つの環構造を形成していてもよい。]
前記式(f1−2−1)中、R71〜R73は、それぞれ独立して「アルキル基」またはフッ素化アルキル基である。
ここで、「アルキル基」とは、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
直鎖状、分岐鎖状の場合、該アルキル基は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
環状の場合、該アルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
これらのうち、「アルキル基」としては直鎖状のものが特に好ましい。
71〜R73において、フッ素化アルキル基は、メチル基を除くアルキル基中の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換されている基である。ただし、R71〜R73が結合している第三級炭素原子に隣接する炭素原子にはフッ素原子が結合していない基である。ここで、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
直鎖状、分岐鎖状の場合、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、炭素数が2〜7であることが好ましく、炭素数が2〜5であることがより好ましく、n−ブチル基が特に好ましい。
環状の場合、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基としては、上記「アルキル基」で説明したものと同様のものが挙げられる。
該フッ素化アルキル基中のフッ素原子が結合している炭素原子は、R71〜R73が結合している第三級炭素原子から離れている方が好ましい。すなわち、フッ素原子により置換される位置は、アルキル基の中間部よりもアルキル基の末端側であることが好ましく、アルキル基の末端であることが特に好ましい。
このようなフッ素化アルキル基のなかで好ましいものとしては、例えば4,4,4−トリフルオロ−n−ブチル基等が挙げられる。
式(f1−2−1)においては、R71〜R73の少なくとも一つは、前記フッ素化アルキル基である。なかでも、R71〜R73のいずれか一つが前記フッ素化アルキル基であり、残りの2つはアルキル基であることが好ましく、R71〜R73がいずれも直鎖状のフッ素化アルキル基または直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。
ただし、式(f1−2−1)中、R72およびR73は相互に結合して、R72とR73と前記第三級炭素原子とからなる一つの環構造を形成していてもよい。かかる場合は、R72およびR73はフッ素化されていないことが好ましく、この場合、R71は前記フッ素化アルキル基となる。この時のR72、R73および前記第三級炭素原子が形成する環状アルキル基としては、上記「アルキル基」で説明したものと同様のものが挙げられる。
・・酸解離性溶解抑制基(II)
酸解離性溶解抑制基(II)は、下記一般式(f1−2−2)で表される基である。
Figure 2010091731
[式(f1−2−2)中、R61、R62はそれぞれ独立して水素原子又は低級アルキル基を表し;R63は脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基、又は低級アルキル基を表す。ただし、R61およびR63がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、R61の末端とR63の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
前記一般式(f1−2−2)中、R61、R62は、それぞれ独立して水素原子又は低級アルキル基を表す。
61、R62の低級アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。工業的には、メチル基又はエチル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
本発明においては、R61,R62のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。
63は脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基、又は低級アルキル基を表す。
63において、「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味し、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
63における脂肪族環式基は1価の脂肪族環式基である。脂肪族環式基は、たとえば、従来のArFレジストにおいて多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、炭素数5〜7の脂肪族単環式基、炭素数10〜16の脂肪族多環式基が挙げられる。
炭素数5〜7の脂肪族単環式基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
炭素数10〜16の脂肪族多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
63の芳香族環式炭化水素基としては、炭素数10〜16の芳香族多環式基が挙げられる。具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ピレンなどから1個の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、1−ピレニル基等が挙げられ、2−ナフチル基が工業上特に好ましい。
63の低級アルキル基としては、上記R61、R62の低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
ただし、R61およびR63がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、R61の末端とR63の末端とが結合して環を形成していてもよい。
この場合、前記一般式(f1−2−2)においては、R61と、R63と、R63が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR61が結合した炭素原子とにより環式基が形成される。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
酸解離性溶解抑制基(II)としては、本発明の効果に優れることから、R62が水素原子であり、かつ、R61が水素原子又は低級アルキル基であることが好ましい。
具体例としては、たとえばR63が低級アルキル基である基、すなわち1−アルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基等が挙げられる。
また、R63が脂肪族環式基である基としては、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2−アダマンチル)オキシメチル基、下記式(II−a)で表される1−(1−アダマンチル)オキシエチル基等が挙げられる。
63が芳香族環式炭化水素基である基としては、下記式(II−b)で表される1−(2−ナフチル)オキシエチル基等が挙げられる。
Figure 2010091731
また、酸解離性溶解抑制基(II)としては、本発明の効果に優れることから、下記一般式(f1−2−3)で表される基であることも好ましい。
Figure 2010091731
[式(f1−2−3)中、R21’及びR22’はそれぞれ独立して水素原子又は炭素数1〜5の低級アルキル基であり、a’は0〜3の整数であり、R23’は下記一般式(II−1)で表される構造(II−0)を有する脂肪族環式基である。]
Figure 2010091731
[式(II−1)中、R24’及びR25’はそれぞれ独立してフッ素原子又はフッ素化アルキル基であり、X21及びX22はそれぞれ当該構造(II−0)を有する脂肪族環式基の環骨格を構成する炭素原子である。]
式(f1−2−3)中、R21’およびR22’の低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R21’およびR22’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましく、R21’およびR22’の両方が水素原子であることが最も好ましい。
a’は、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
23’は、上記一般式(II−1)で表される構造(II−0)を有する脂肪族環式基である。
式(II−1)中、R24’およびR25’のフッ素化アルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3がより好ましく、炭素数1が最も好ましい。
該フッ素化アルキル基は、フッ素化率(当該フッ素化アルキル基中の「フッ素原子の数と水素原子の数との合計」に対する「フッ素原子の数」の割合(%))が、50〜100%であることが好ましく、70〜100%がより好ましく、100%が特に好ましい。
24’およびR25’としては、フッ素化アルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基が特に好ましい。
21およびX22はそれぞれ当該構造(II−0)を有する脂肪族環式基の環骨格を構成する炭素原子である。
つまり、R23’の脂肪族環式基は、構造(II−0)におけるX21−O−C−X22によって、その環骨格の一部または全部が構成されるものである。
23’の脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、多環式基であることが好ましい。
ここで、R23’の脂肪族環式基における単環式基は、その環骨格の一部または全部が、構造(II−0)におけるX21−O−C−X22によって構成される1つの脂肪族環(以下「特定環」ということがある。)から1つ以上の水素原子を除いた基である。前記多環式基は、前記特定環と、該特定環と2個以上の炭素原子を共有する脂肪族環とからなる縮合環から1つ以上の水素原子を除いた基である。
前記特定環としては、構造(II−0)におけるX21−O−C−X22によってその環骨格の全部が構成される環(4員環)であってもよく、構造(II−0)におけるX21−O−C−X22によってその環骨格の一部が構成される環(5員環以上の環)であってもよい。
5員環以上の環としては、たとえば、シクロペンタン、シクロヘキサン等の炭素数5以上のモノシクロアルカンの環骨格を構成する炭素原子のうち、連続する4つの炭素原子(C−C−C−C)が、構造(II−0)におけるX21−O−C−X22で置換されてなる環が挙げられる。
前記特定環としては、4〜6員環が好ましい。
23’の脂肪族環式基が多環式基である場合において、前記特定環とともに縮合環を構成する脂肪族環としては、単環であってもよく、多環であってもよい。また、該脂肪族環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、飽和であることが好ましい。飽和の脂肪族環の具体例としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカン;ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカン等が挙げられる。これらの中でも、シクロヘキサンおよび/またはノルボルナンが好ましく、特にノルボルナンが好ましい。
23’の脂肪族環式基は、置換基を有していてもよい。
ここで、「置換基を有する」とは、当該脂肪族環式基の環骨格に結合した水素原子が置換基で置換されていることを意味する。該置換基としては、たとえば、低級アルキル基等が挙げられる。
23’の脂肪族環式基が多環式基である場合、R23’に隣接する原子(a’が0である場合は酸素原子であり、a’が1〜3の整数である場合は炭素原子である。)は、前記特定環ではなく、当該特定環とともに縮合環を構成する脂肪族環を構成する炭素原子に結合していることが好ましい。
本発明においては、前記R23’が、下記一般式(II−2)で表される基であることが好ましい。
Figure 2010091731
[式(II−2)中、R24’及びR25’はそれぞれ独立してフッ素原子又はフッ素化アルキル基であり、R26’は炭素数1〜5のアルキレン基であり、R29’は炭素数1〜5の低級アルキル基である。b’は0〜2の整数であり、c’は0〜2の整数であり、かつ、b’+c’は0〜2の整数であり、d’は0又は1であり、e’は0〜2の整数である。]
式(II−2)中、R24’およびR25’は、式(II−1)中のR24’およびR25’と同じである。
26’は炭素数1〜5のアルキレン基であり、炭素数1〜3のアルキレン基が好ましく、たとえばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基(−C(CH−)等の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が挙げられる。これらの中でも特にメチレン基が好ましい。
29’は、炭素数1〜5の低級アルキル基であり、上記一般式(f1−2−3)におけるR21’およびR22’の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。R29’が複数存在する場合、それら複数のR29’は、それぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
b’およびc’は、それぞれ独立に0〜2の整数であって、b’+c’が0〜2の整数となる値であればよい。b’=0であり、c’=0であること、つまりb’+c’=0であることが最も好ましい。
d’は0または1であり、1であることが好ましい。
e’は0〜2の整数であり、0または1であることが好ましく、0が最も好ましい。
上記一般式(II−2)で表される基は、環骨格上に置換基を有していてもよい。該置換基としては、上記R23’の脂肪族環式基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
・・酸解離性溶解抑制基を有する有機基(III)
酸解離性溶解抑制基を有する有機基(III)は、たとえば、下記一般式(f1−2−4)で表される基が挙げられる。
かかる構造を有する有機基(III)においては、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸により、R64’に結合した酸素原子と、R61’およびR62’が結合した炭素原子との間の結合が切れて、−C(R61’)(R62’)−OR63’が解離する。
Figure 2010091731
[式(f1−2−4)中、R61’、R62’はそれぞれ独立して水素原子又は低級アルキル基を表し;R63’は脂肪族環式基、芳香族環式炭化水素基、又は低級アルキル基を表す。ただし、R61’およびR63’がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であって、R61’の末端とR63’の末端とが結合して環を形成していてもよい。R64’はアルキレン基又は2価の脂肪族環式基を表す。]
前記一般式(f1−2−4)中、R61’、R62’、 R63’としては、上記一般式(f1−2−2)中のR61、R62、 R63とそれぞれ同様のものが挙げられる。
64’は、アルキレン基又は2価の脂肪族環式基を表す。
64’が該アルキレン基である場合、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。該アルキレン基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
64’が該2価の脂肪族環式基である場合、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記R63における脂肪族環式基の説明と同様のものを用いることができ、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
・・酸解離性溶解抑制基含有基(IV)
酸解離性溶解抑制基含有基(IV)は、上記酸解離性溶解抑制基(I)〜(II)および酸解離性溶解抑制基を有する有機基(III)(以下、これらをまとめて「酸解離性溶解抑制基等(I)〜(III)」ということがある。)に分類されない酸解離性溶解抑制基含有基である。
酸解離性溶解抑制基含有基(IV)としては、従来公知の酸解離性溶解抑制基含有基のうち、上記酸解離性溶解抑制基等(I)〜(III)に分類されない任意の酸解離性溶解抑制基含有基が使用できる。
具体的には、たとえば、鎖状第3級アルコキシカルボニル基、鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
鎖状第3級アルコキシカルボニル基の炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状第3級アルコキシカルボニル基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基の炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−ペンチルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
上記のなかでも、フッ素原子を含有する酸解離性溶解抑制基含有基としては、本発明の効果に優れることから、酸解離性溶解抑制基等(I)〜(III)および酸解離性溶解抑制基含有基(IV)からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。そのなかでも、レジストパターンを形成した際、現像残渣を生じることが抑制され、解像性等のリソグラフィー特性がより向上することから、酸解離性溶解抑制基(I)又は酸解離性溶解抑制基(II)であることがより好ましい。
(非酸解離性の炭素数1〜20のフッ素化アルキル基)
非酸解離性のフッ素化アルキル基としては、特に限定されず、たとえばKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているフッ素化アルキル基の中から適宜選択して用いることができる。
前記側鎖における該フッ素化アルキル基において、好ましくは炭素数1〜20であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
該フッ素化アルキル基が直鎖状、分岐鎖状の場合、炭素数は1〜8であることがより好ましく、1〜5であることがさらに好ましい。
該フッ素化アルキル基が環状の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。たとえば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタン、ノルボルナンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
上記のなかでも、非酸解離性のフッ素化アルキル基としては、環状のフッ素化アルキル基であることが好ましく、多環状のフッ素化アルキル基であることがより好ましい。
また、該フッ素化アルキル基中の水素原子は、その一部がフッ素原子で置換されていてもよく、全部がフッ素原子で置換されていてもよい。
前記側鎖において、該フッ素化アルキル基としては、本発明の効果が良好であることから、下記一般式(f1−3−0)で表される基であることが特に好ましい。
Figure 2010091731
[式(f1−3−0)中、X20はフッ素化された脂肪族多環式基である。m’は0または1である。]
前記式(f1−3−0)中、X20のフッ素化された脂肪族多環式基としては、上述したうちのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。特に、アダマンタン、ノルボルナンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。脂肪族多環式基のフッ素化率は、50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましく、100%であってもよい。
前記式(f1−3−0)中、m’は、0または1である。
構成単位(f1)の「主鎖」は、特に限定されず、たとえば、主鎖が環状型の構成単位(以下「主鎖環状型構成単位」という。)、アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好適なものとして挙げられる。これらの中では、アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。
「主鎖環状型構成単位」とは、単環または多環式の環構造を有し、該環構造の環上の少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の炭素原子が主鎖を構成する構成単位をいう。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
前記式(f1−1−0)において「主鎖に直接結合する」とは、前記式(f1−1−0)における−C(=O)−の炭素原子と、たとえば該環構造の環上の炭素原子であって主鎖を構成するもの又はアクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂する前に当該二重結合を形成していた炭素原子とが直接結合することを意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
また、ハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記「α位の置換基としての低級アルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、構成単位(f1)としては、有機溶剤への溶解性が良好であり、レジスト膜表面の疎水性がより高いことから、
下記一般式(f1−1−1)で表される構成単位(f1−1)、
フッ素原子を含有する酸解離性溶解抑制基含有基を側鎖に含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(f1−2)、
非酸解離性の炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を側鎖に含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(f1−3)が好適なものとして挙げられる。
Figure 2010091731
[式(f1−1−1)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜5の低級アルキル基、又は炭素原子数1〜5のハロゲン化低級アルキル基であり;Qは単結合又は二価の連結基であり、Rはフッ素原子を有する有機基である。]
・・・構成単位(f1−1)について
構成単位(f1−1)は、前記一般式(f1−1−1)で表される構成単位である。
前記式(f1−1−1)中、Rは、水素原子、炭素原子数1〜5の低級アルキル基、又は炭素原子数1〜5のハロゲン化低級アルキル基である。
Rの低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基は、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよい低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基と同様である。
前記式(f1−1−1)中、Qは、単結合又は二価の連結基である。
における二価の連結基は、たとえば、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基等が好適なものとして挙げられる。
(置換基を有していてもよい炭化水素基)
における二価の連結基において、炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
ここでいう脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。かかる脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、その構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
における、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が特に好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状(直鎖状、分岐鎖状)の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
における、環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子2個を除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか又は鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。
単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
における、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、1価の芳香族炭化水素基の芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた2価の芳香族炭化水素基;
当該2価の芳香族炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された芳香族炭化水素基;
ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等でかつその芳香族炭化水素の核から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基等が挙げられる。
なかでも、前記2価の芳香族炭化水素基が好ましく、フェニル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基、ナフチル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基が特に好ましい。
前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
上記のなかでも、置換基を有していてもよい炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状の脂肪族炭化水素基、2価の芳香族炭化水素基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、−CH(CH)−、テトラシクロドデカニル基から水素原子をさらに1つ除いた基、フェニル基から水素原子をさらに1つ除いた芳香族炭化水素基が特に好ましい。
(ヘテロ原子を含む基)
ヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む基としては、たとえば、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−、−NR05(R05はアルキル基)−、−NH−C(=O)−、=N−、または「これらの基」と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。
2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
なかでも、ヘテロ原子を含む基としては、前記「これらの基」と2価の炭化水素基との組み合わせがより好ましく、具体的には、前記「これらの基」と上記脂肪族炭化水素基との組み合わせ、上記脂肪族炭化水素基と前記「これらの基」と上記脂肪族炭化水素基との組み合わせが特に好ましい。
前記式(f1−1−1)中、Rは、フッ素原子を有する有機基であり、上記式(f1−1−0)におけるRと同じである。
構成単位(f1−1)の好適なものとしては、たとえば、下記一般式(f1−1−10)又は一般式(f1−1−20)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2010091731
[式中、Rはそれぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜5の低級アルキル基、又は炭素原子数1〜5のハロゲン化低級アルキル基であり;Xは二価の有機基であり、Aarylは置換基を有していてもよい二価の芳香族環式基であり、X01は単結合又は二価の連結基であり;Rはそれぞれ独立してフッ素原子を有する有機基である。]
式(f1−1−10)または(f1−1−20)中、Rは前記と同じである。
式(f1−1−10)または(f1−1−20)において、Rとしては、フッ素化炭化水素基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がさらに好ましく、−CH−CF、−CH−CF−CF、−CH(CF、−CH−CF−CF−CF、−CH−CH−CF−CF−CF、−CH−CH−CF−CF−CF−CFが特に好ましい。
Rにおける低級アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、ハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記「低級アルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
本発明において、Rとしては、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基がより好ましい。
一般式(f1−1−10)中、Xは、二価の有機基である。
Xとしては、置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基等が好適なものとして挙げられ、それぞれ、上記Qの二価の連結基についての説明における置換基を有していてもよい炭化水素基、ヘテロ原子を含む基と同様のものが挙げられる。
一般式(f1−1−20)中、Aarylは、置換基を有していてもよい二価の芳香族環式基である。Aarylとして具体的には、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素環から2個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
arylにおける芳香族環式基の環骨格としては、炭素数が6〜15であることが好ましく、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環等が挙げられる。これらの中でも、ベンゼン環又はナフタレン環が特に好ましい。
arylにおいて、芳香族環式基が有してもよい置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。Aarylの芳香族環式基が有してもよい置換基としては、フッ素原子であることが好ましい。
arylの芳香族環式基としては、置換基を有さないものであってもよく、置換基を有するものでもよく、置換基を有さないものであることが好ましい。
arylにおいて、芳香族環式基が置換基を有するものである場合、置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよく、1つ又は2つであることが好ましく、1つであることがより好ましい。
一般式(f1−1−20)中、X01は、単結合または二価の連結基である。
二価の連結基としては、炭素数1〜10のアルキレン基、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)、−NH−C(=O)−、又はこれらの組み合わせなどが挙げられ、−O−と炭素数1〜10のアルキレン基との組み合わせ、−C(=O)−O−と炭素数1〜10のアルキレン基との組み合わせがより好ましい。
炭素数1〜10のアルキレン基としては、直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキレン基が挙げられ、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基、炭素数4〜10の環状のアルキレン基が好ましい。
前記一般式(f1−1−10)で表される構成単位の中で好適なものとして、下記一般式(f1−1−11)〜(f1−1−16)で表される構成単位が挙げられる。
また、前記一般式(f1−1−20)で表される構成単位の中で好適なものとして、下記一般式(f1−1−21)〜(f1−1−26)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
Figure 2010091731
前記一般式(f1−1−11)〜(f1−1−16)、(f1−1−21)〜(f1−1−26)中、RおよびRはそれぞれ前記と同じであり;R51〜R52はそれぞれ独立して炭素数1〜10のアルキル基であり;R53〜R54はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基であり;a1、a2、a3、a5、a7、a9、およびa11〜a13はそれぞれ独立して1〜5の整数であり;a4、a6、a8、およびa10はそれぞれ独立して0〜5の整数であり;a14〜a16は0〜5の整数であり;b1〜b5はそれぞれ独立して0または1であり;Rは置換基であり、e1は0〜2の整数である。Aは、炭素数4〜20の環状アルキレン基である。
式(f1−1−11)〜(f1−1−16)、(f1−1−21)〜(f1−1−26)中、Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
式(f1−1−11)中、a1は1〜3の整数が好ましく、1又は2がより好ましい。
式(f1−1−12)中、a2、a3は、それぞれ独立して、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b1は、0であることが好ましい。
式(f1−1−13)中、a4は、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0または1が最も好ましい。
a5は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、低級アルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。低級アルキル基としては、前記Rで挙げた低級アルキル基と同様のものが挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。ハロゲン化低級アルキル基としては、前記Rで挙げたハロゲン化低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
e1は、0または1であることが好ましく、特に工業上、0であることが好ましい。
b2は、0であることが好ましい。
式(f1−1−14)中、a6は、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0または1が最も好ましい。
a7は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b3は、0であることが好ましい。
およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−15)中、a14は、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0または1が最も好ましい。
51〜R52は、それぞれ独立して直鎖、分岐鎖状または環状の炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tertーブチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基等が挙げられ、これらの中でも炭素数1〜6がより好ましく、炭素数1〜4が特に好ましく、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
53〜R54は、それぞれ独立して水素原子または直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。R53〜R54における直鎖、分岐または環状の炭素数1〜10のアルキル基としては、前記R51〜R52と同様である。
式(f1−1−16)中、Aは、炭素数4〜20の環状アルキレン基であり、炭素数5〜15の環状のアルキレン基が好ましく、炭素数6〜12の環状のアルキレン基がより好ましい。具体例としては、上述した置換基を有していていもよい炭化水素基における「環状の脂肪族炭化水素基」に例示したものが挙げられ、かかる環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
式(f1−1−21)中、a8は、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0または1が最も好ましい。
a9は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b4は、0であることが好ましい。
およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−22)中、a10は、0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましく、0または1が最も好ましい。
a11は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
b5は、0であることが好ましい。
およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−23)中、a12は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−24)中、a13は、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
およびe1は、それぞれ前記と同様である。
式(f1−1−25)〜(f1−1−26)中、a15、a16は、それぞれ、0〜3が好ましく、0〜2がより好ましく、0または1が最も好ましい。
51〜R52、およびR53〜R54は、それぞれ前記と同様である。
およびe1は、それぞれ前記と同様である。
以下に、上記一般式(f1−1−11)〜(f1−1−16)、一般式(f1−1−21)〜(f1−1−26)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2010091731
[式中、Rαは水素原子またはメチル基を表す。]
Figure 2010091731
[式中、Rαは水素原子またはメチル基を表す。]
Figure 2010091731
[式中、Rαは水素原子またはメチル基を表す。]
Figure 2010091731
[式中、Rαは水素原子またはメチル基を表す。]
Figure 2010091731
[式中、Rαは水素原子またはメチル基を表す。]
構成単位(f1−1)としては、前記一般式(f1−1−11)〜(f1−1−16)および(f1−1−21)〜(f1−1−26)のいずれかで表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、前記一般式(f1−1−11)〜(f1−1−13)、(f1−1−21)および(f1−1−22)のいずれかで表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前記一般式(f1−1−11)および(f1−1−22)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましく、前記一般式(f1−1−11)で表される構成単位が最も好ましい。
・・・構成単位(f1−2)について
構成単位(f1−2)は、フッ素原子を含有する酸解離性溶解抑制基含有基を側鎖に含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
以下に、構成単位(f1−2)の具体例、すなわち、化学式(f1−2−11)〜(f1−2−20)で表される構成単位を示す。
Figure 2010091731
Figure 2010091731
上記の中でも、構成単位(f1−2)としては、前記式(f1−2−11)〜式(f1−2−20)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、式(f1−2−13)、式(f1−2−14)、式(f1−2−19)、又は式(f1−2−20)で表される構成単位を含むことがさらに好ましく、式(f1−2−19)又は式(f1−2−20)で表される構成単位を含むことが特に好ましい。
・・・構成単位(f1−3)について
構成単位(f1−3)は、非酸解離性の炭素数1〜20のフッ素化アルキル基を側鎖に含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
以下に、構成単位(f1−3)の具体例、すなわち、化学式(f1−3−11)〜(f1−3−17)で表される構成単位を示す。
なお、式(f1−3−14)〜(f1−3−17)におけるFは、アダマンタン骨格のすべての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアダマンチル基になっていることを意味する。
Figure 2010091731
上記の中でも、構成単位(f1−3)としては、前記式(f1−3−11)〜式(f1−3−17)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を含むことがより好ましく、式(f1−3−11)又は式(f1−3−12)で表される構成単位を含むことが特に好ましい。
(F)成分中、構成単位(f1)は、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
(F)成分中の構成単位(f1)の割合は、(F)成分を構成する全構成単位の合計に対して、30〜95モル%が好ましく、35〜90モル%がより好ましく、40〜85モル%がさらに好ましい。構成単位(f1)の割合が前記範囲の下限値以上であることにより、レジストパターンの形成において、レジスト膜の疎水性がより高くなる特性がより向上する。上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(f1)として構成単位(f1−1)を用いる場合、(F)成分中の構成単位(f1−1)の割合は、(F)成分を構成する全構成単位の合計に対して、30〜95モル%が好ましく、40〜90モル%がより好ましく、50〜85モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、レジスト膜の疎水性がより高くなる特性がより向上する。上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(f1)として構成単位(f1−2)を用いる場合、(F)成分中の構成単位(f1−2)の割合は、(F)成分を構成する全構成単位の合計に対して、30〜95モル%が好ましく、40〜90モル%がより好ましく、50〜85モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、レジスト膜の疎水性がより高くなる特性がより向上する。上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(f1)として構成単位(f1−3)を用いる場合、(F)成分中の構成単位(f1−3)の割合は、(F)成分を構成する全構成単位の合計に対して、30〜90モル%が好ましく、35〜85モル%がより好ましく、40〜80モル%がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であることにより、レジスト膜の疎水性がより高くなる特性がより向上する。上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
構成単位(f1)において、側鎖が前記一般式(f1−2−1)で表される酸解離性溶解抑制基(I)である構成単位(f1−2)を誘導するモノマーの製造方法は、特に限定されず、好ましい方法として、例えば、下記一般式(I−0−1)で表される化合物(I−0−1)と、下記一般式(I−0−2)で表される化合物(I−0−2)とを反応させる方法が挙げられる。
Figure 2010091731
[式(I−0−1)中、Rは前記と同じであり、X71はハロゲン原子を表す。式(I−0−2)中、R71〜R73は前記一般式(f1−2−1)中のR71〜R73と同じである。]
一般式(I−0−1)中、X71のハロゲン原子としては、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等が挙げられる。なかでも反応性に優れることから、塩素原子が好ましい。
化合物(I−0−1)と化合物(I−0−2)との反応において、反応溶媒としては特に限定されず、原料である上記化合物をそれぞれ溶解できるものが好ましく、具体的には、アセトニトリル、アセトンなどが挙げられる。
反応は、塩基の存在下で行うことが好ましく、この時の塩基としては特に限定されず、求核性の低いものが好ましく、例えば、トリエチルアミンなどが挙げられる。
また、反応がより円滑に進行することから、触媒存在下で反応を行うことが好ましい。
触媒としては従来公知のものでよく、好ましいものとして例えば、4−ジメチルアミノピリジンなどが挙げられる。
反応を行う際は、化合物(I−0−2)と、好ましくは塩基や触媒を溶媒に混合しておき、ここへ化合物(I−0−1)を滴下することが好ましい。化合物(I−0−1)は、あらかじめ溶媒に溶解させて希釈しておいてもよい。
滴下時の温度および時間は、用いる原料に応じて適宜選択すればよいが、温度は−10〜100℃であることが好ましく、−5〜90℃であることがより好ましく、0〜80℃であることが特に好ましい。滴下時間は5〜90分であることが好ましく、10〜60分であることがより好ましく、20〜40分であることが特に好ましい。
化合物(I−0−1)添加後の反応温度および時間も適宜選択すればよいが、反応温度は上記の化合物(I−0−1)添加時の温度が好ましい。反応時間も用いる原料に応じて適宜選択すればよいが、0.5〜15時間であることが好ましく、1〜10時間であることがより好ましく、1.5〜8時間であることが特に好ましい。
反応終了後は、従来公知の方法で本発明の化合物を取り出せばよく、例えば、必要に応じて水、塩基性水溶液、食塩水等で反応液を洗浄して、有機層を濃縮した後、目的物を結晶化させてもよい。濃縮した有機層または結晶化させた目的物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ等で精製してもよい。
化合物(I−0−2)としては、市販品があればこれを用いればよいし、合成品を用いてもよい。化合物(I−0−2)の合成方法は、従来公知の第三級アルコールの合成方法を適用すればよく、例えば、グリニヤール反応や、フッ素化アルキル基を有するシラン化合物とケトンとを反応させてもよい。
・その他の構成単位(構成単位(f2))について
(F)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、構成単位(f1)以外の構成単位(以下「構成単位(f2)」という。)を有していてもよい。
構成単位(f2)としては、構成単位(f1)を誘導する化合物と共重合可能な化合物から誘導される構成単位であればよく、特に限定されない。
かかる構成単位(f2)としては、これまで化学増幅型レジスト用のベース樹脂の構成単位として提案されているものが挙げられ、たとえば、上述した(A1−1)成分における構成単位(a1)〜(a6)が挙げられる。なかでも、構成単位(a1)、(a3)、(a4)が好適なものとして挙げられる。
(F)成分中、構成単位(f2)は、1種単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
たとえば、構成単位(f2)として構成単位(a1)を用いる場合、構成単位(a1)のなかでも、一般式(a1−2)又は(a1−4)で表される構成単位が好ましく、一般式(a1−2)で表される構成単位がより好ましく、一般式(a1−2−9)〜(a1−2−11)、一般式(a1−2−21)〜(a1−2−24)が特に好ましい。
(F)成分中の構成単位(a1)の割合は、(F)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜65モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましく、10〜60モル%がさらに好ましく、15〜60モル%が最も好ましい。
構成単位(a1)の割合が前記範囲の下限値以上であることにより、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスが良好となる。
たとえば、構成単位(f2)として構成単位(a3)を用いる場合、(F)成分中の構成単位(a3)の割合は、(F)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜40モル%であることが好ましく、1〜35モル%であることがより好ましく、5〜30モル%であることがさらに好ましく、5〜25モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、(F)成分のレジスト溶剤への溶解性、特にアルコール系有機溶剤への溶解性が向上する。また、(F)成分の親水性が高まり、アルカリ現像液との親和性が高まってアルカリ溶解性が向上する。上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
たとえば、構成単位(f2)として構成単位(a4)を用いる場合、(F)成分中の構成単位(a4)の割合は、(F)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜45モル%であることが好ましく、5〜45モル%であることがより好ましく、5〜40モル%であることがさらに好ましく、5〜35モル%が最も好ましい。下限値以上とすることにより、有機溶剤への溶解性が向上し、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、(F)成分は、構成単位(f1)を有する高分子化合物(以下「含フッ素樹脂(F1−1)」という。)であることが好ましい。
かかる含フッ素樹脂(F1−1)としては、構成単位(f1)および構成単位(f2)を有する共重合体が挙げられ、具体的には、構成単位(f1)と構成単位(a1)とを有する共重合体、構成単位(f1)と構成単位(a3)と構成単位(a4)とを有する共重合体が好適なものとして挙げられる。
そのなかでも、含フッ素樹脂(F1−1)としては、構成単位(f1−3)と構成単位(a1)とからなる共重合体、構成単位(f1−2)と構成単位(a3)と構成単位(a4)とからなる共重合体が特に好ましい。
(F)成分中、含フッ素樹脂(F1−1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、含フッ素樹脂(F1−1)としては、特に下記の様な構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。
Figure 2010091731
[式中、Rは前記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。R20は炭素数1〜5の低級アルキル基であり、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。h”は1〜6の整数であり、1又は2が好ましく、2が最も好ましい。]
Figure 2010091731
[式中、Rは前記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。Qは前記式(f1−1−1)におけるQと同じであり、R71〜R73は前記式(f1−2−1)におけるR71〜R73と同じであり;R21、R22、R23は前記式(I)におけるR21、R22、R23と同じであり、eは前記式(f3−1)におけるeと同じである。]
Figure 2010091731
[式中、Rは前記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。XおよびRは前記式(f1−1−10)におけるXおよびRと同じであり;R21、R22、R23は前記式(I)におけるR21、R22、R23と同じであり、eは前記式(f3−1)におけるeと同じである。]
前記式で表される含フッ素樹脂(F1−1−40)の中でも、下記式で表される含フッ素樹脂(F1−1−41)が好ましい。
Figure 2010091731
[式中、Rは前記と同じであり、複数のRはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。R、R21、R22、R23、eは前記と同じであり;a1は前記式(f1−1−11)におけるa1と同じである。]
(F)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定されず、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、4000〜25000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
(F)成分の分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(F)成分は、当該(F)成分を構成する各構成単位を誘導するモノマーを、たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)等のラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることにより得ることができる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物における(F)成分の含有割合は、後述の(A)成分100質量部に対して0.5〜30質量部の範囲内であることが好ましく、1〜20質量部がより好ましく、1.5〜15質量部が特に好ましく、2〜15質量部が最も好ましい。上記範囲の下限値以上とすることで、当該液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の疎水性が向上し、液浸露光用として好適な疎水性を有するレジスト膜が形成される。上限値以下であると、レジスト溶剤(有機溶剤)への溶解性がより向上する。また、リソグラフィー特性が向上する。
<(S)成分>
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、有機溶剤(S)((S)成分)は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)(以下「(S1)成分」という。)と、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)(以下「(S2)成分」という。)とを含有する。
本明細書および本特許請求の範囲において、「アルコール系有機溶剤」とは、脂肪族炭化水素の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された化合物であって、常温、常圧下で液体である化合物をいう。
「沸点」は、常圧下で測定した標準沸点をいう。
[(S1)成分]
(S1)成分は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤である。
(S1)成分の沸点は150℃以上であり、150℃以上250℃以下であることが好ましく、155℃〜240℃であることがより好ましく、155℃〜235℃であることが特に好ましい。
沸点が150℃以上であると、レジスト膜を形成した際、(F)成分を膜表面付近に偏在させる効果(偏析効果)に優れる。また、(F)成分等のレジスト材料の有機溶剤への溶解性に優れる。また、後述の(S2)成分との併用により、(S2)成分単独の場合に比べて、レジスト材料、特に(F)成分の溶解性が格段に向上し、(F)成分の配合効果であるレジスト膜表面の疎水性を高める効果が充分に得られ、液浸露光用として好適なレジスト組成物が提供できる。また、第二のレジスト膜形成用のレジスト組成物に用いることにより、支持体上に形成された第一のレジストパターンがより溶解しにくく、ダブルパターニングによるレジストパターンを安定に形成できる。
また、下限値を150℃以上、上限値を好ましくは250℃以下とすることにより、レジスト組成物の特性として支持体への塗布性(ぬれ性)に優れる。また、レジスト材料の溶解性に優れることから、(A)成分又は(F)成分である高分子化合物等のレジスト材料の選択肢が広がり、リソ特性の向上に寄与する。かかる点は、ダブルパターニング用途においても有効である。
(S1)成分としては、たとえば1価アルコール、2価アルコールが挙げられ、1価アルコールが好ましく、1級又は2級の1価アルコールがより好ましく、なかでも1級の1価アルコールがさらに好ましく、炭素数5以上(より好ましくは炭素数7以上)の1級の1価アルコールが上記偏析効果に優れるため特に好ましい。さらに、(S1)成分としては、炭素数5以上(より好ましくは炭素数7以上)の環状構造を有しているもの、または、炭素数5以上(より好ましくは炭素数7以上)の鎖状構造のものが好ましい。該環状構造または鎖状構造は、エーテル結合をその構造中に含むものであってもよい。
炭素数5以上(より好ましくは炭素数7以上)の鎖状構造について、−OHを含む最長の主鎖が炭素数5以上であるとさらに好ましい。該主鎖は、エーテル結合をその構造中に含むものであってもよい。
(S1)成分として特に好ましくは、炭素数5以上(より好ましくは7以上)の鎖状構造の1価アルコールである。
ここで「1価アルコール」とは、アルコール分子に含まれるヒドロキシ基の数が1個の場合を意味するものであり、2価アルコール、または3価アルコールおよびその誘導体は含まれない。
(S1)成分として具体的には、鎖状構造のものとしてプロピレングリコール(PG;沸点188℃);1−ブトキシ−2−プロパノール(BP;沸点170℃)、n−ヘキサノール(沸点157.1℃)、2−ヘプタノール(沸点160.4℃)、3−ヘプタノール(沸点156.2℃)、1−ヘプタノール(沸点176℃)、5−メチル−1−ヘキサノール(沸点167℃)、6−メチル−2−ヘプタノール(沸点171℃)、1−オクタノール(沸点196℃)2−オクタノール(沸点179℃)、3−オクタノール(沸点175℃)、4−オクタノール(沸点175℃)、2−エチル−1−ヘキサノール(沸点185℃)、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール(沸点231℃)等の1価アルコールなどが挙げられる。
また、(S1)成分として具体的には、環状構造を有するものとしてシクロペンタンメタノール(沸点162℃)、1−シクロペンチルエタノール(沸点167℃)、シクロヘキサノール(沸点160℃)、シクロヘキサンメタノール(CM;沸点183℃)、シクロヘキサンエタノール(沸点205℃)、1,2,3,6−テトラヒドロベンジルアルコール(沸点191℃)、exo−ノルボルネオール(沸点176℃)、2−メチルシクロヘキサノール(沸点165℃)、シクロヘプタノール(沸点185℃)、3,5−ジメチルシクロヘキサノール(沸点185℃)、ベンジルアルコール(沸点204℃)等の1価アルコールなどが挙げられる。
上記のなかでも、鎖状構造の1価アルコールが好ましく、鎖状構造の1級の1価アルコールがより好ましく、−OHを含む最長の主鎖が炭素数5以上9以下(好ましくは炭素数5以上8以下)である1級の1価アルコールがさらに好ましく、1−ブトキシ−2−プロパノールが最も好ましい。
(S1)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
(S1)成分の含有量は、(S)成分中、1質量%以上であることが好ましく、3〜80質量%であることがより好ましく、5〜60質量%であることが特に好ましい。
該範囲の下限値以上であることにより、偏析効果がより得られやすくなり、レジスト膜表面の疎水性をさらに向上させることができる。
上限値以下であることにより、(S2)成分との配合バランスをとることができ、液浸露光工程における浸漬溶媒への溶出の低減効果に優れる。また、ダブルパターニング用途において、(S1)成分および(S2)成分を併用することにより、ダブルパターニング用(好ましくは第2のレジスト膜形成用)のレジスト材料の溶解性がより良好になる。さらに、第1のレジスト膜形成用のレジスト材料(第1のレジストパターン)への影響がより低減される。
[(S2)成分]
(S2)成分は、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤である。
(S2)成分の沸点は150℃未満であり、90℃以上150℃未満であることが好ましく、95℃以上150℃未満であることがより好ましく、100℃〜140℃であることが特に好ましい。
沸点が150℃未満であると、前述の(S1)成分との併用により、(F)成分の配合効果であるレジスト膜表面の疎水性を高める効果が充分に得られ、液浸露光用として好適なレジスト組成物が提供できる。
また、下限値を好ましくは90℃以上、上限値を150℃未満とすることにより、前述の(S1)成分との併用によって得られる効果がさらに向上する。
(S2)成分として具体的には、n−ペンチルアルコール(沸点138.0℃)、s−ペンチルアルコール(沸点119.3℃)、t−ペンチルアルコール(101.8℃)、イソペンチルアルコール(沸点130.8℃)、イソブタノール(イソブチルアルコール又は2−メチル−1−プロパノールとも呼ぶ。)(沸点108℃)、イソプロピルアルコール(沸点82.3℃)、2−エチルブタノール(沸点147℃)、ネオペンチルアルコール(沸点114℃)、n−ブタノール(沸点117.7℃)、s−ブタノール(沸点99.5℃)、t−ブタノール(沸点82.5℃)、1−プロパノール(沸点97.2℃)、2−メチル−1−ブタノール(沸点128.0℃)、2−メチル−2−ブタノール(沸点112.0℃)、4−メチル−2−ペンタノール(沸点132℃)等が挙げられる。
上記のなかでも、イソブタノールが最も好ましい。
(S2)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
(S2)成分の含有量は、(S)成分中、30質量%以上であることが好ましく、30〜99質量%であることがより好ましく、40〜95質量%であることが特に好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、(S2)成分を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下であることにより、(S1)成分との配合バランスをとることができる。
(S1)成分と(S2)成分との合計の含有量は、(S)成分中、50質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、100質量%であってもよく、100質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより、本発明の効果がより向上する。
(S1)成分と(S2)成分との混合割合は、質量比で(S1)/(S2)=1/99〜99/1であることが好ましく、5/95〜95/5であることがより好ましく、10/90〜80/20であることがさらに好ましく、10/90〜60/40であることが特に好ましい。(S2)成分に対する(S1)成分の割合が上記範囲内であると、レジスト材料の溶解性やレジスト膜表面の疎水性を高める効果がより向上する。また、第二のレジスト膜形成用のレジスト組成物に用いた際、第一のレジストパターンがより溶解しにくく、ダブルパターニングによるレジストパターンを安定に形成できる。
(S1)成分と(S2)成分との好適な組合せとしては、たとえば、イソブタノールと1−ブトキシ−2−プロパノールとの組合せ、イソブタノールとシクロヘキサンメタノールとの組合せ、イソブタノールとプロピレングリコールとの組合せが挙げられる。
(S)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、(S1)成分および(S2)成分に加えて、これら以外の有機溶剤を併用することができる。
[(S3)成分]
(S1)成分および(S2)成分以外の有機溶剤としては、たとえば、水酸基を有さないエーテル系有機溶剤(以下「(S3)成分」という。)を用いてもよい。
ここで、「水酸基を有さないエーテル系有機溶剤」とは、水酸基を有さず、その構造中にエーテル結合(C−O−C)を有し、かつ、常温常圧下で液体である化合物をいう。
(S3)成分のなかでも、水酸基とカルボニル基のいずれも有さないものがより好ましい。
(S3)成分としては、下記一般式(s1’−1)で表される化合物が好適なものとして挙げられる。
74−O−R75 ・・・(s1’−1)
[式中、R74、R75はそれぞれ独立して炭化水素基である。または、R74とR75とが結合して環を形成していてもよい。−O−はエーテル結合を示す。]
前記式(s1’−1)中、R74、R75の炭化水素基としては、たとえばアルキル基、アリール基等が挙げられ、アルキル基が好ましい。なかでも、R74、R75のいずれもアルキル基であることが好ましく、R74とR75とが同じアルキル基であることがより好ましい。
74、R75の各アルキル基としては、特に制限はなく、たとえば炭素数1〜20の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。該アルキル基は、その水素原子の一部または全部がハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
該アルキル基としては、レジスト組成物の塗布性が良好なこと等から、炭素数1〜15であることが好ましく、炭素数1〜10であることがより好ましい。具体的には、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、n−ブチル基、イソペンチル基が特に好ましい。
前記アルキル基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
74、R75の各アリール基としては、特に制限はなく、たとえば炭素数6〜12のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。
該アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることがより好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基がより好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
また、上記式(s1’−1)においては、R74とR75とが結合して環を形成していてもよい。
74およびR75は、それぞれ独立に、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基)であって、R74の末端と、R75の末端とが結合して環を形成する。また、アルキレン基の炭素原子は、酸素原子で置換されていてもよい。
かかるエーテル系有機溶剤の具体例としては、たとえば1,8−シネオール、テトラヒドロフラン、ジオキサン等が挙げられる。
(S3)成分の沸点(常圧下)は、30〜300℃であることが好ましく、100〜200℃であることがより好ましく、140〜180℃であることがさらに好ましい。該温度範囲の下限値以上であることにより、レジスト組成物の塗布時のスピンコート中、(S)成分が蒸発しにくくなって塗布ムラが抑制され、塗布性が向上する。一方、上限値以下であることにより、プリベークによって(S)成分がレジスト膜中から充分に除かれ、レジスト膜の形成性が向上する。また、該温度範囲であると、レジストパターンの膜減り低減効果、保存時の組成の安定性がより向上する。また、PAB工程やPEB工程の加熱温度の観点からも好ましい。
(S3)成分の具体例としては、たとえば1,8−シネオール(沸点176℃)、ジブチルエーテル(沸点142℃)、ジイソペンチルエーテル(沸点171℃)、ジオキサン(沸点101℃)、アニソール(沸点155℃)、エチルベンジルエーテル(沸点189℃)、ジフェニルエーテル(沸点259℃)、ジベンジルエーテル(沸点297℃)、フェネトール(沸点170℃)、ブチルフェニルエーテル、テトラヒドロフラン(沸点66℃)、エチルプロピルエーテル(沸点63℃)、ジイソプロピルエーテル(沸点69℃)、ジヘキシルエーテル(沸点226℃)、ジプロピルエーテル(沸点91℃)等が挙げられる。
(S3)成分としては、レジストパターンの膜減り低減効果等が良好なことから、環状または鎖状のエーテル系有機溶剤が好ましく、なかでも1,8−シネオール、ジブチルエーテルおよびジイソペンチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
(S3)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
[(S4)成分]
また、(S)成分は、(S1)成分、(S2)成分および(S3)成分以外の有機溶剤として、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のもの(以下「(S4)成分」という。)を1種または2種以上適宜選択して用いてもよい。
下記の(S4)成分を用いると、レジスト材料の溶解性やリソグラフィー特性などを調整することができる。
(S4)成分の具体例としては、たとえばγ−ブチロラクトン(沸点204℃)等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;上記(S1)成分以外の多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;沸点146℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;沸点120℃)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤;ジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
(S)成分全体の使用量は、特に限定されず、本発明の液浸露光用レジスト組成物が支持体上に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が好ましくは1〜20質量%、より好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
レジスト材料の(S)成分への溶解としては、たとえば、上記各成分を通常の方法で混合、撹拌するだけでも行うことができ、また、必要に応じディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
<任意成分>
[(C)成分]
本発明の液浸露光用レジスト組成物において、ネガ型レジスト組成物である場合、(A)成分が(A2−1)成分を含有し、さらに、架橋剤成分(C)(以下「(C)成分」という。)を含有することが好ましい。
(C)成分としては、特に限定されず、これまでに知られている化学増幅型のネガ型レジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意に選択して用いることができる。
具体的には、例えば2,3−ジヒドロキシ−5−ヒドロキシメチルノルボルナン、2−ヒドロキシ−5,6−ビス(ヒドロキシメチル)ノルボルナン、シクロヘキサンジメタノール、3,4,8(又は9)−トリヒドロキシトリシクロデカン、2−メチル−2−アダマンタノール、1,4−ジオキサン−2,3−ジオール、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサンなどのヒドロキシル基又はヒドロキシアルキル基あるいはその両方を有する脂肪族環状炭化水素又はその含酸素誘導体が挙げられる。
また、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素、グリコールウリルなどのアミノ基含有化合物にホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドと低級アルコールを反応させ、該アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基又は低級アルコキシメチル基で置換した化合物、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。
これらのうち、メラミンを用いたものをメラミン系架橋剤、尿素を用いたものを尿素系架橋剤、エチレン尿素、プロピレン尿素等のアルキレン尿素を用いたものをアルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリルを用いたものをグリコールウリル系架橋剤、エポキシ基を有する化合物を用いたものをエポキシ系架橋剤という。
(C)成分としては、メラミン系架橋剤、尿素系架橋剤、アルキレン尿素系架橋剤、グリコールウリル系架橋剤、およびエポキシ系架橋剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、特にグリコールウリル系架橋剤が好ましい。
メラミン系架橋剤としては、メラミンとホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基で置換した化合物、メラミンとホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させて、アミノ基の水素原子を低級アルコキシメチル基で置換した化合物等が挙げられる。具体的には、ヘキサメトキシメチルメラミン、ヘキサエトキシメチルメラミン、ヘキサプロポキシメチルメラミン、ヘキサブトキシブチルメラミン等が挙げられ、なかでもヘキサメトキシメチルメラミンが好ましい。
尿素系架橋剤としては、尿素とホルムアルデヒドとを反応させて、アミノ基の水素原子をヒドロキシメチル基で置換した化合物、尿素とホルムアルデヒドと低級アルコールとを反応させて、アミノ基の水素原子を低級アルコキシメチル基で置換した化合物等が挙げられる。具体的には、ビスメトキシメチル尿素、ビスエトキシメチル尿素、ビスプロポキシメチル尿素、ビスブトキシメチル尿素等が挙げられ、なかでもビスメトキシメチル尿素が好ましい。
アルキレン尿素系架橋剤としては、下記一般式(C−1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2010091731
[式(C−1)中、R’とR’はそれぞれ独立に水酸基又は低級アルコキシ基であり、R’とR’はそれぞれ独立に水素原子、水酸基又は低級アルコキシ基であり、vは0又は1〜2の整数である。]
’とR’が低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状でもよく分岐状でもよい。R’とR’は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。同じであることがより好ましい。
’とR’が低級アルコキシ基であるとき、好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基であり、直鎖状でもよく分岐状でもよい。R’とR’は同じであってもよく、互いに異なっていてもよい。同じであることがより好ましい。
vは、0又は1〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。
アルキレン尿素系架橋剤としては、特に、vが0である化合物(エチレン尿素系架橋剤)および/またはvが1である化合物(プロピレン尿素系架橋剤)が好ましい。
上記一般式(C−1)で表される化合物は、アルキレン尿素とホルマリンを縮合反応させることにより、また、この生成物を低級アルコールと反応させることにより得ることができる。
アルキレン尿素系架橋剤の具体例としては、例えば、モノ及び/又はジヒドロキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化エチレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化エチレン尿素等のエチレン尿素系架橋剤;モノ及び/又はジヒドロキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジメトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジエトキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジプロポキシメチル化プロピレン尿素、モノ及び/又はジブトキシメチル化プロピレン尿素等のプロピレン尿素系架橋剤;1,3−ジ(メトキシメチル)4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ(メトキシメチル)−4,5−ジメトキシ−2−イミダゾリジノンなどを挙げられる。
グリコールウリル系架橋剤としては、N位がヒドロキシアルキル基および炭素数1〜4のアルコキシアルキル基の一方又は両方で置換されたグリコールウリル誘導体が挙げられる。かかるグリコールウリル誘導体は、グリコールウリルとホルマリンとを縮合反応させることにより、また、この生成物を低級アルコールと反応させることにより得ることができる。
グリコールウリル系架橋剤の具体例としては、例えばモノ,ジ,トリ及び/又はテトラヒドロキシメチル化グリコールウリル;モノ,ジ,トリ及び/又はテトラメトキシメチル化グリコールウリル;モノ,ジ,トリ及び/又はテトラエトキシメチル化グリコールウリル;モノ,ジ,トリ及び/又はテトラプロポキシメチル化グリコールウリル;モノ,ジ,トリ及び/又はテトラブトキシメチル化グリコールウリルなどが挙げられる。
エポキシ系架橋剤としては、エポキシ基を有するものであれば特に限定されず、任意に選択して用いることができる。その中でも、エポキシ基を2つ以上有するものが好ましい。エポキシ基を2つ以上有することにより、架橋反応性が向上する。
エポキシ基の数は、2つ以上であることが好ましく、より好ましくは2〜4つであり、最も好ましくは2つである。
エポキシ系架橋剤として好適なものを以下に示す。
Figure 2010091731
(C)成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(C)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましく、3〜30質量部がより好ましく、3〜15質量部がさらに好ましく、5〜10質量部が最も好ましい。(C)成分の含有量が下限値以上であると、架橋形成が充分に進行し、膨潤の少ない良好なレジストパターンが得られる。また、この上限値以下であると、レジスト塗布液の保存安定性が良好であり、感度の経時的劣化が抑制される。
[(D)成分]
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、任意の成分として、さらに、含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであれば特に限定されず、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよく、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。
これらの中でも、アルキルアルコールアミン又は炭素数5〜10のトリアルキルアミンが特に好ましい。アルキルアルコールアミンのなかでもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが好ましく、炭素数5〜10のトリアルキルアミンのなかでもトリ−n−ペンチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
(D)成分は、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
[(E)成分]
本発明の液浸露光用レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
以上説明した、本発明の第一の態様である液浸露光用レジスト組成物によれば、膜表面の疎水性が高いレジスト膜を形成でき、液浸露光用として好適である、という効果が得られる。本発明において、含フッ素化合物は、有機溶剤に充分に溶解し、たとえばレジスト膜表面の疎水性を高める効果などが向上することから、物質溶出の低減や水追随性の向上等の、液浸露光技術に特有の問題の解決を図ることができる。
かかる効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。本発明の液浸露光用レジスト組成物は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)と、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)とを含有する。アルコール系有機溶剤として従来用いられている(S2)成分に比べて沸点が高く、また、有機性が比較的高い(S1)成分を(S2)成分と併用することにより、含フッ素化合物等のレジスト材料と有機溶剤(混合溶剤)との相溶性が、(S1)成分を含まない有機溶剤の場合よりも向上していると推測される。これにより、含フッ素化合物等は、有機溶剤(混合溶剤)に充分に溶解されるため、かかる効果が得られると考えられる。
また、(S1)成分と(S2)成分とを併用することにより、液浸露光工程における浸漬溶媒への溶出の低減効果に優れる。また、リソグラフィー特性も向上すると考えられる。これは、(S1)成分を(S2)成分と併用することにより、レジスト膜中における(S1)成分のベーク後の残存率が制御される(残存量が少なくなる)ためと考えられる。
さらに、ダブルパターニング用途において、(S1)成分および(S2)成分を併用することにより、ダブルパターニング用(好ましくは第2のレジスト膜形成用)のレジスト材料の溶解性を良好にするだけでなく、第1のレジスト膜形成用のレジスト材料(第1のレジストパターン)への影響を低減させることが可能となる。
また、本発明の第一の態様である液浸露光用レジスト組成物においては、支持体上に塗布する際の濡れ性が良好である。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物によれば、支持体上にレジスト膜を形成した際の成膜性が良好で、かつ、塗布ムラが少なく、ストリエーションの発生が抑制される。
上記本発明の液浸露光用レジスト組成物は、液浸露光に用いられるレジスト組成物に求められる特性である、良好なリソグラフィー特性と、液浸露光用として好適な特性(親疎水性)とを有することから、液浸露光用として好適である。
本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、(F)成分を含有することにより、浸漬露光時においては疎水性が高く、浸漬露光後の各種処理(PEB処理、アルカリ現像等)により親水性が増大する性質を有する。
すなわち、まず、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、露光前は、(F)成分がフッ素原子を有することから、(F)成分を含まない場合に比べて、高い疎水性を有する。かかるレジスト膜は、非特許文献1に記載されているような、スキャン式の液浸露光機を用いて浸漬露光を行う場合等に求められる水追随性に非常に優れている。
浸漬露光後、PEB処理を行うと、当該レジスト膜の露光部においては(B)成分から酸が発生し、該酸の作用により(A)成分の、ひいては当該レジスト膜のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する。
また、アルカリ現像を行うと、ポジ型の場合は露光部、ネガ型の場合は未露光部のレジスト膜が溶解除去され、レジストパターンが形成される。
レジスト膜の疎水性は、水に対する接触角、たとえば静的接触角(水平状態のレジスト膜上の水滴表面とレジスト膜表面とのなす角度)、動的接触角(レジスト膜を傾斜させていった際に水滴が転落し始めたときの接触角(転落角)、水滴の転落方向前方の端点における接触角(前進角)、転落方向後方の端点における接触角(後退角)、とがある。)等を測定することにより評価できる。たとえばレジスト膜の疎水性が高いほど、静的接触角、前進角、および後退角は大きくなり、一方、転落角は小さくなる。
ここで、前進角は、図1に示すように、その上に液滴1が置かれた平面2を次第に傾けていった際に、当該液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるときの当該液滴1の下端1aにおける液滴表面と、平面2とがなす角度θ1である。また、このとき(当該液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるとき)、当該液滴1の上端1bにおける液滴表面と、平面2とがなす角度θ2が後退角であり、当該平面2の傾斜角度θ3が転落角である。
本明細書において、前進角、後退角および転落角は以下の様にして測定される。
まず、シリコン基板上に、レジスト組成物溶液をスピンコートした後、110℃の温度条件で60秒間加熱してレジスト膜を形成する。次に、上記レジスト膜に対して、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学社製)、AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(製品名、協和界面科学社製)、AUTO DISPENSER:AD−31(製品名、協和界面科学社製)等の市販の測定装置を用いて測定することができる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の静的接触角の測定値が70度以上であることが好ましく、70〜100度であることがより好ましく、75〜100度であることが特に好ましい。該静的接触角が下限値度以上であると、浸漬露光時の物質溶出抑制効果が向上する。その理由は明らかではないが、主な要因の1つとして、レジスト膜の疎水性との関連が考えられる。つまり、液浸媒体は水等の水性のものが用いられているため、疎水性が高いことにより、浸漬露光を行った後、液浸媒体を除去した際に速やかにレジスト膜表面から液浸媒体を除去できることが影響していると推測される。また、静的接触角が上限値以下であると、リソグラフィー特性等が良好である。
同様の理由により、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の後退角の測定値が50度以上であることが好ましく、50〜150度であることがより好ましく、50〜130度であることが特に好ましく、53〜100度であることが最も好ましい。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の転落角の測定値が30度以下であることが好ましく、5〜30度であることがより好ましく、5〜25度であることが特に好ましい。転落角が上限値以下であると、浸漬露光時の物質溶出抑効果が向上する。また、転落角が下限値以上であると、リソグラフィー特性等が良好である。
上述の各種角度(動的接触角(前進角、後退角、転落角等)、静的接触角)の大きさは、液浸露光用レジスト組成物の組成、たとえば(F)成分の種類や配合量、(A)成分の種類、(S1)成分と(S2)成分との混合割合等を調整することにより制御できる。たとえば(F)成分の含有量が多いほど、(S1)成分の含有割合が高いほど、得られるレジスト組成物の疎水性が高まり、前進角、後退角、静的接触角が大きくなり、転落角が小さくなる。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、浸漬露光時のレジスト膜中からの物質溶出を抑制することができる。
すなわち、液浸露光は、詳しくは後述するが、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光(浸漬露光)を行う工程を有する方法である。液浸露光においては、レジスト膜と液浸溶媒とが接触すると、レジスト膜中の物質((B)成分、(D)成分等)の液浸溶媒中への溶出(物質溶出)が生じる。物質溶出はレジスト層の変質、液浸溶媒の屈折率の変化等の現象を生じさせ、リソグラフィー特性を悪化させる。この物質溶出の量はレジスト膜表面の特性(たとえば親水性・疎水性等)の影響を受ける。たとえばレジスト膜表面の疎水性が高まることによって、物質溶出が低減されると推測される。
本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、フッ素原子を有する(F)成分を含むことから、該(F)成分を含まない場合に比べて、露光および現像を行う前の疎水性が高い。したがって、本発明の液浸露光用レジスト組成物によれば、浸漬露光時の物質溶出を抑制できる。
物質溶出を抑制できることから、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、液浸露光において、レジスト膜の変質や、液浸溶媒の屈折率の変化を抑制することができる。液浸溶媒の屈折率の変動が抑制されること等により、形状等が良好なレジストパターンを形成することができる。また、露光装置のレンズの汚染を低減でき、そのため、これらに対する保護対策を行わなくてもよく、プロセスや露光装置の簡便化に貢献することができる。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物により形成されたレジスト膜は、水により膨潤しにくい。そのため、微細なレジストパターンを精度よく形成することができる。
さらに、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、感度、解像性、レジストパターン形状、露光量マージン、マスク再現性(マスクリニャリティ)、エッチング耐性等のリソグラフィー特性も良好であり、液浸露光においてレジストとして使用した際に、実用上問題なくレジストパターンを形成できる。例えば、本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、たとえば寸法120nm以下の微細なレジストパターンを形成できる。
このように、本発明の液浸露光用レジスト組成物は、液浸露光においてレジスト材料に求められる種々の特性を充分に備えたものであるから、液浸露光用として好適に用いることができる。
また、本発明の液浸露光用レジスト組成物に含有される(S1)成分と(S2)成分との混合溶剤は、(A)成分、(B)成分又は(F)成分等のレジスト材料を充分に溶解することができ、かつ、ダブルパターニングプロセスにおいて形成される第一のレジスト膜が溶解しにくい有機溶剤である。したがって、当該混合溶剤を含有する本発明の液浸露光用レジスト組成物を第二のレジスト膜形成に用いることにより、支持体上に形成された第一のレジストパターンへの影響が小さく、ダブルパターニング法によりレジストパターンを安定に形成することができる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、上記本発明の第一の態様の液浸露光用レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターンの形成方法の好ましい一例を下記に示す。
まず、支持体上に、本発明の液浸露光用レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB)処理)を行うことにより、レジスト膜を形成する。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。
配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体として、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものを用いてもよい。
無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
レジスト膜の形成後、レジスト膜上にさらに有機系の反射防止膜を設けて、支持体と、レジスト膜と、反射防止膜とからなる3層積層体とすることもできる。レジスト膜上に設ける反射防止膜はアルカリ現像液に可溶であるものが好ましい。
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用する液浸露光用レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
次いで、上記で得られたレジスト膜に対して、所望のマスクパターンを介して選択的に液浸露光(Liquid Immersion Lithography)を行う。このとき、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fレーザーなどの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるレジスト組成物は、KrFまたはArFエキシマレーザー、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ上記本発明の液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
本発明の液浸露光用レジスト組成物は、特に水による悪影響を受けにくく、感度、レジストパターン形状等のリソグラフィー特性にも優れることから、本発明においては、液浸媒体として、水が好ましく用いられる。また、水は、コスト、安全性、環境問題および汎用性の観点からも好ましい。
次いで、浸漬露光工程を終えた後、露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク(PEB))を行う。PEBは、通常、80〜150℃の温度条件下、40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施される。
続いて、アルカリ性水溶液からなるアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いて現像処理する。
現像後、好ましくは純水を用いて水リンスを行う。水リンスは、例えば、支持体を回転させながら、該支持体表面に水を滴下または噴霧して、支持体上の現像液および該現像液によって溶解した液浸露光用レジスト組成物を洗い流すことにより実施できる。
次いで、乾燥を行うことにより、レジスト膜(液浸露光用レジスト組成物の塗膜)がマスクパターンに応じた形状にパターニングされたレジストパターンが得られる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<樹脂成分(A1)の合成>
本実施例に用いた(A1)成分の共重合体(A1−1−11)、共重合体(A1−1−21)は、下記化学式で表されるモノマー(1)〜(5)を用いて、以下に示す合成例1〜2によりそれぞれ合成した。
Figure 2010091731
[合成例1:共重合体(A1−1−11)の合成例]
9.92gのモノマー(2)と、1.70gのモノマー(3)と、4.72gのモノマー(4)と、10.1gのモノマー(5)とを、106gのメチルエチルケトンに溶解させた。この溶液に、重合開始剤(商品名:V−601、和光純薬製)3.02mmolを加え、溶解させた。これを、窒素雰囲気下、6時間かけて、75℃に加熱したメチルエチルケトン30gに滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱撹拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。その後、反応液を大量のメタノール/水混合溶液に滴下し、反応生成物を析出させる操作を3回繰り返した。このようにして得られた反応生成物を室温下で減圧乾燥し、白色粉体として共重合体(A1−1−11)を得た。
上記合成例1により得られた共重合体(A1−1−11)の構造を以下に示す。
上記合成例1により得られた共重合体の質量平均分子量(Mw)と分散度(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準で求めた。
また、共重合体中の各モノマーから誘導される構成単位の割合(モル%)は、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により算出した。下記化学式中、構成単位の右下に付した符号は、共重合体中の各構成単位の割合(モル%)を示す。
Figure 2010091731
[a1/a2/a3/a4=50/10/20/20、Mw=7000、Mw/Mn=1.7]
[合成例2:共重合体(A1−1−21)の合成例]
共重合体(A1−1−21)の合成は、上記共重合体(A1−1−11)の合成例において、モノマー(1)とモノマー(3)とモノマー(4)を所定のモル比で用いた以外は、上記共重合体(A1−1−11)の合成例と同様の方法により合成した。
得られた共重合体(A1−1−21)の構造、質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)、各構成単位の割合(モル%)を以下にそれぞれ示す。
Figure 2010091731
[a1/a2/a3=35/45/20、Mw=7000、Mw/Mn=1.7]
<酸発生剤成分(B)の合成>
本実施例に用いた(B)成分の酸発生剤(B1−1−7)、酸発生剤(B1−1−1)は、以下に示す合成例3〜4によりそれぞれ合成した。
[合成例3:酸発生剤(B1−1−7)の合成例]
(i)中間体化合物(1)の合成
Figure 2010091731
20℃以下で制御したメタンスルホン酸(60.75g)に酸化リン(8.53g)と2,6−ジメチルフェノール(8.81g)とジフェニルスルホキシド(12.2g)を少量ずつ添加した。温度を15〜20℃で制御しながら30分熟成した後、40℃まで昇温し2時間熟成した。その後、15℃以下に冷却した純水(109.35g)に反応液を滴下した。滴下終了後、ジクロロメタン(54.68g)を加え、攪拌後、ジクロロメタン層を回収した。別容器に20〜25℃のヘキサン(386.86g)を仕込み、ジクロロメタン層を滴下した。滴下終了後、20〜25℃で30分間熟成した後、ろ過することによって目的の中間体化合物(1)を得た(収率70.9%)。
得られた中間体化合物(1)について、H−NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、600MHz):δ(ppm)=7.61−7.72(m,10H,phenyl),7.14(S,2H,H),3.12(S,3H,H),2.22(s,6H,H)。
上記分析の結果から、得られた中間体化合物(1)が下記に示す構造を有することが確認できた。
Figure 2010091731
(ii)中間体化合物(B1−1−71)〜(B1−1−73)の合成
Figure 2010091731
中間体化合物(1)(4g)をジクロロメタン(79.8g)に溶解させた。溶解確認後、炭酸カリウム(6.87g)を添加し、ブロモ酢酸2−メチル−2−アダマンタン(3.42g)を添加した。還流下、24時間反応後、ろ過、水洗浄を行い、ヘキサンで晶析した。得られた粉体を減圧乾燥することによって目的化合物3.98gを得た(収率66%)。
該化合物について、H−NMRによる分析を行った。その結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl、600MHz):δ(ppm)=7.83−7.86(m,4H,phenyl),7.69−7.78(m,6H,phenyl),7.51(s,2H,Hd),4.46(s,2H,Hc),2.39(s,6H,Ha),2.33(s,2H,Adamantane),2.17(s,2H,Adamantane),1.71−1.976(m,11H,Adamantane),1.68(s,3H,Hb),1.57−1.61(m,2H,Adamantane)。
上記分析の結果から、得られた化合物には下記に示す構造を有する化合物(B1−1−71)が含まれることが確認された。さらに、得られた化合物には、カチオン部のNMRデータが上記と同じである化合物(B1−1−72)および(B1−1−73)が含まれることが、イオンクロマトグラフィーの測定結果から確認された。これら化合物の比率は、化合物(B1−1−71)21.4mol%、化合物(B1−1−72)11.4mol%、(B1−1−73)67.2mol%であった。
Figure 2010091731
(iii)酸発生剤(B1−1−7)の合成
Figure 2010091731
化合物(B1−1−71)21.4mol%と、化合物(B1−1−72)11.4mol%と、(B1−1−73)67.2mol%との混合物25.5gを、200gの純水に溶解させ、そこへジクロロメタン(127.4g)およびノナフルオロ−n−ブタンスルホン酸カリウム(16.0g)を添加し、室温にて14時間撹拌した。その後、ジクロロメタン層を分液した後、希塩酸洗、アンモニア洗、水洗を行い、ジクロロメタン層を濃縮および乾固することによって、白色固体として目的物の酸発生剤(B1−1−7)(32.9g)を得た。
得られた化合物について、H−NMR、19F−NMRによる分析を行った。
H−NMR(DMSO−d6、400MHz):δ(ppm)=7.75−7.86(m,10H,ArH),7.61(s,2H,ArH),4.62(s,2H,CH),2.31(s,6H,CH),1.49−1.97(m,17H,Adamantane)。
19F−NMR(DMSO−d6、376MHz):δ(ppm)=−77.8,−112.2,−118.7,−123.0。
上記分析の結果から、得られた化合物が上記構造を有することが確認できた。
[合成例4:酸発生剤(B1−1−1)の合成例]
5.0gの2−ナフチルメチルオキシテトラフルオロエタンスルホニルフルオライドに16.7mlのテトラヒドロフランを添加し、氷浴中でその溶液に0.98gの水酸化リチウムを13.6mlの純水に溶かした水溶液を滴下した。その後、氷浴中で攪拌した。
−SOFによる−217.6ppmでの19F−NMRの吸収がなくなったことにより、全てのフッ素化スルホニル基がスルホン酸リチウムに転化したことが確認された。その後、反応溶液を濃縮、乾燥することによって白色の粘性固体を得た。得られた粗生成物を14.2mlのアセトンに溶解させ、副生成物であるLiFを除去するために濾過し、濾液を濃縮することによって5.50gの前駆体化合物(X)を得た。
Figure 2010091731
次に、6.99gのトリフェニルスルホニウムブロミドを125mlの純水に溶解させ、その溶液に5.50gの前駆体化合物(X)を添加し、室温にて19時間攪拌した後、125gのジクロロメタンを添加して攪拌し、有機相を分液して取り出した。さらに有機相を40mlの純水にて水洗いした後、分液し、有機相を取り出した。取り出した有機相を濃縮後、乾燥することによって7.09gの目的化合物(XI)、すなわち酸発生剤(B1−1−1)を得た(収率:75.2%)。
Figure 2010091731
化合物(XI)について、NMRによる分析を行った。
H−NMR(アセトン−d6、400MHz):δ(ppm)=8.01〜7.47(m,22H,H),5.23(s,2H,H)。
19F−NMR(アセトン−d6、376MHz):δ(ppm)=79.2,111.8。
上記分析の結果から、化合物(XI)が下記に示す構造を有する酸発生剤(B1−1−1)であることが確認できた。
Figure 2010091731
<含フッ素化合物成分(F)の合成>
本実施例に用いた(F)成分の含フッ素樹脂(F1−1−11)、含フッ素樹脂(F1−1−31)は、以下に示す合成例5〜6によりそれぞれ合成した。
[合成例5:含フッ素樹脂(F1−1−11)の合成例]
含フッ素樹脂(F1−1−11)は、公知の合成方法(特開2006−131879号公報、特開2007−086731号公報参照)により合成した。
上記合成例により得られた含フッ素樹脂(F1−1−11)の構造、質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)、各構成単位の割合(モル%)を以下にそれぞれ示す。
Figure 2010091731
[a1/f1−3=60/40、Mw=15000、Mw/Mn=1.8]
[合成例6:含フッ素樹脂(F1−1−31)の合成例]
含フッ素樹脂(F1−1−31)は、下記化学式で表されるモノマー(4)〜(6)を用いて、以下に示す合成例により合成した。
なお、モノマー(6)については、以下に示す合成例により合成した。
Figure 2010091731
・モノマー(6)の合成例
(i)7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプタノールの合成
窒素吹き込み管、還流器、滴下ロート、温度計を取り付けた4口フラスコに、マグネシウム1.3g、1−ブロム−4,4,4−トリフルオロブタン10.0g、テトラヒドロフラン20gを入れ、常法によりグリニヤール試薬を調製した。得られたグリニヤール試薬に3−ペンタノン5.0gとテトラヒドロフラン4gの混合液を、25〜35℃で30分間かけて滴下し、さらに同温度で1時間攪拌した。反応混合物を常法により処理し、得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮し、7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプタノールを淡黄色油状物として7.9g得た。
(ii)7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプチルメタクリレートの合成
撹拌機、温度計、滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコに、上記で得られた7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプタノール7.9g、4−ジメチルアミノピリジン0.2g、トリエチルアミン7.1g、アセトリトニル10gを入れ、攪拌溶解した。その溶解液に、メタクリル酸クロリド6.7gを、約75℃で30分間かけて滴下し、さらに同温度で2時間攪拌した。反応液を室温まで冷却したのち、炭酸カリウム8.8gと水100mlの混合液で1回、10質量%食塩水で1回洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィで精製し、モノマー(6)(7,7,7−トリフルオロ−3−エチル−3−ヘプチルメタクリレート)5.7gを得た。
モノマー(6)についてのH−NMRを測定した。その結果を以下に示す。
H−NMR(CDCl)δ: 0.82〜0.87(tr,6H,−CH)、1.46〜1.58(m,2H,−CH−)、1.78〜1.97(m,9H,=C−CH,−C−CH−)、1.98〜2.16(m,2H,CFCH−)、5.49(s,1H,C=CH)、6.01(s,1H,C=CH
上記測定の結果より、上記化学式で表されるモノマー(6)であることが確認できた。
・含フッ素樹脂(F1−1−31)の合成例
窒素吹き込み管、還流器、滴下ロート、温度計を取り付けた4口フラスコに、テトラヒドロフラン30gと、前記モノマー(6)5.05g(18.99mmol)と、前記モノマー(4)1.66g(7.02mmol)と、前記モノマー(5)2.36g(7.02mmol)とを入れ、窒素置換した後、67℃に昇温した。その温度を維持しつつ、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.37gをテトラヒドロフラン3gに溶解させた溶解液を10分間かけて滴下した。滴下終了後、その温度を維持しつつ6時間撹拌を続けた後、室温まで冷却した。得られた重合反応液を大量のメタノール/水の混合溶液中に滴下し、沈殿した樹脂を濾別、洗浄、乾燥して白色固体の目的物(F1−1−31)を得た。
上記合成例により得られた含フッ素樹脂(F1−1−31)の構造、質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)、各構成単位の割合(モル%)を以下にそれぞれ示す。
Figure 2010091731
[f1−2/a3/a4=80/10/10、Mw=8000、Mw/Mn=1.7]
<レジスト材料の有機溶剤に対する溶解性の評価>
以下に示すレジスト材料と有機溶剤とを用いて、下記評価方法により、レジスト材料の有機溶剤に対する溶解性の評価を行った。
・レジスト材料
(A)−1:下記化学式(A2−1−11)で表される高分子化合物(プロメラス社製)。なお、下記化学式(A2−1−11)において、質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)、各構成単位の割合(a1’:a2’、モル比)をそれぞれ併記した。
Figure 2010091731
[a1’:a2’=60:40(モル比)、Mw:4000、Mw/Mn:1.4]
(A)−2:前記共重合体(A1−1−11)。
(B)−1:下記化学式(B1−1−2)で表される酸発生剤。
Figure 2010091731
(B)−2:前記酸発生剤(B1−1−7)。
(B)−3:トリフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
・有機溶剤
(S)−1:イソブタノール(IBA)。
(S)−2:IBA/BP=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−3:IBA/BP=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−4:1−ブトキシ−2−プロパノール(BP)。
(S)−5:IBA/シクロヘキサンメタノール(CM)=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−6:IBA/CM=90/10(質量比)の混合溶剤。
[評価方法]
レジスト材料の固形分濃度で20質量%溶液となるように、レジスト材料の各粉末0.1gに、前記有機溶剤0.4gをそれぞれ添加して混合し、室温(23℃)条件で溶解するか否かについて確認した。
溶解しなかった場合には、当該濃度で10質量%溶液となるように、さらに、前記有機溶剤0.5gを添加して混合し、前記条件で溶解するか否かを確認した。
溶解しなかった場合には、当該濃度で5質量%溶液となるように、さらに、アルコール系有機溶剤1.0gを添加して混合し、前記条件で溶解するか否かを確認した。
溶解しなかった場合には、当該濃度で2質量%溶液となるように、さらに、アルコール系有機溶剤3.0gを添加して混合し、前記条件で溶解するか否かを確認した。
溶解しなかった場合には、当該濃度で1質量%溶液となるように、さらに、アルコール系有機溶剤5.0gを添加して混合し、前記条件で溶解するか否かを確認した。
得られた評価結果を表1、2に示す。
表中、「○」は溶解したこと、「×」は溶解しなかったこと、をそれぞれ意味する。
Figure 2010091731
Figure 2010091731
表1、2の結果から、レジスト材料の有機溶剤に対する溶解性は、いずれのレジスト材料も同程度に、アルコール系有機溶剤の種類又は混合割合に因らず、良好であることが確認できた。
<高分子化合物溶液の調製>
(試験例1〜7)
下記の表3に示す各成分を混合し、溶解して、高分子化合物溶液を調製した。
Figure 2010091731
表3中、各略号はそれぞれ以下のものを示し、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。「−」は未配合であることを意味する。
(A)−1:前記化学式(A2−1−11)で表される高分子化合物。
(F)−1:前記含フッ素樹脂(F1−1−11)。
(S)−1:IBA。
(S)−2:IBA/BP=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−3:IBA/BP=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−5:IBA/CM=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−6:IBA/CM=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−7:IBA/BP=47/53(質量比)の混合溶剤。
<高分子化合物からなる膜における接触角の測定>
上記試験例1〜7の高分子化合物溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコンウェーハ上に、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で90℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚160nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜(露光前のレジスト膜)の表面に水を滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、接触角(静的接触角、転落角、前進角、後退角)の測定を行った(接触角の測定:水2μL)。これらの測定値を「現像前の接触角(°)」とした。これらの結果を表4に示す。
Figure 2010091731
表4の結果から、(F)成分を含有する試験例2は、(F)成分を含有しない試験例1に比べて、たとえば静的接触角が高く、転落角が低いことから、膜表面の疎水性が高いことが確認できた。
また、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)と、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)とを含有する試験例3〜7は、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)のみを含有する試験例2よりも、静的接触角がさらに高く、転落角がさらに低いことから、膜表面の疎水性がより高いことが確認できた。
したがって、試験例3〜7の高分子化合物溶液に、さらに酸発生剤成分と、好ましくは架橋剤成分とを加えたレジスト組成物は、膜表面の疎水性が高いレジスト膜を形成でき、液浸露光用として好適であると考えられる。
<レジスト組成物の調製>
(実施例1〜10、比較例1〜2)
表5に示す各成分を混合し、溶解して、レジスト組成物を調製した。
Figure 2010091731
表5中、各略号はそれぞれ以下のものを示し、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。「−」は未配合であることを意味する。
(A)−1:前記共重合体(A2−1−11)。
(A)−2:前記共重合体(A1−1−11)。
(A)−3:前記共重合体(A1−1−21)。
(B)−2:前記酸発生剤(B1−1−7)。
(B)−4:トリフェニルスルホニウムヘプタフルオロ−n−プロパンスルホネート。
(B)−5:前記酸発生剤(B1−1−1)。
(F)−2:前記含フッ素樹脂(F1−1−31)。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(C)−1:下記化学式で表される化合物(テトラメトキシメチル化グリコールウリル、製品名:ニカラックMX−270、三和ケミカル社製)。
Figure 2010091731
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:IBA。
(S)−2:IBA/BP=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−3:IBA/BP=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−5:IBA/CM=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−6:IBA/CM=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−9:IBA/プロピレングリコール(PG)=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−10:IBA/PG=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−11:γ−ブチロラクトン。
(S)−12:PGMEA/PGME=60/40(質量比)の混合溶剤、混合溶剤の沸点136℃。
<レジスト膜における接触角の測定>
上記各例のレジスト組成物を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコンウェーハ上に、スピンナーを用いてそれぞれ塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜(露光前のレジスト膜)の表面に水を滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて、接触角(静的接触角、転落角、前進角、後退角)の測定を行った(接触角の測定:水2μL)。これらの測定値を「現像前の接触角(°)」とした。その結果を表6に示す。
Figure 2010091731
表6の結果から、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(IBA)に、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(BP、CM、PG)を添加した有機溶剤を含有する実施例1〜10のレジスト組成物を用いて形成されたレジスト膜は、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(IBA)を単独で含有する比較例1〜2のレジスト組成物を用いて形成されたレジスト膜と比べて、たとえば静的接触角は高く、かつ、ほとんどの例の転落角は低いことが確認できた。
このことより、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)と、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)とを含有することにより、レジスト膜の疎水性が高まり、液浸露光用として好適であることが分かる。これにより、液浸スキャン露光時のスキャン追従性および溶出低減の効果がいずれも向上することが期待される。
<溶出物の測定>
8インチのシリコンウェーハ上に、表7に示す実施例と比較例のレジスト組成物を、それぞれスピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間プレベーク(PAB)して、乾燥させることにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、VRC310S(商品名、エス・イー・エス株式会社製)を用いて、純水1滴(150μl)を室温下で、ウェーハの中心から円を描くように等線速で液滴を移動させた(液滴が接触したレジスト膜の総接触面積221.56cm)。
その後、その液滴を採取して、分析装置Agilent−HP1100 LC−MSD(商品名、Agilent Technologies社製)により分析して、露光前の(B)成分および(D)成分の溶出量(×10−12mol/cm・s)をそれぞれ求めた。
上記(B)成分又は(D)成分の各溶出量について、
溶出量が1.0×10−12mol/cm・s以下の場合を○、
溶出量が1.0×10−12mol/cm・sより大きい場合を×とした。その結果を表7に併記した。
Figure 2010091731
表7の結果から、本発明に係る混合溶剤を含有する実施例のレジスト組成物を用いて形成されたレジスト膜は、(B)成分および(D)成分の各溶出量がいずれも少ないことが確認できた。これは、偏析効果が向上しているためと考えられる。
一方、有機溶剤としてIBAを単独で含有する比較例のレジスト組成物を用いて形成されたレジスト膜は、実施例と同様に含フッ素樹脂10質量部を含有するものの、(B)成分および(D)成分の各溶出量を低減することができていないことが確認された。これは、偏析効果が充分でないためと考えられる。
<残膜試験>
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に均一に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、上記レジスト組成物(PR)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、110℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することによりレジスト膜を形成した。このとき形成されるレジスト膜の膜厚(Å)を測定し、「initial(1)」とした。
次いで、以下に示す各有機溶剤を、該レジスト膜上の全面に行き渡るようにそれぞれ塗布し、その後、80℃で60秒間の加熱処理を行った。該加熱処理の後、形成されるレジスト膜の膜厚(Å)を測定し、「after(1)」とした。そして、有機溶剤を塗布した後の膜厚を、有機溶剤を塗布する前の膜厚で除して残膜率(%)を求めた。その結果を表8に示す。
・有機溶剤
(S)−1:IBA。
(S)−2:IBA/BP=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−3:IBA/BP=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−4:BP。
(S)−5:IBA/CM=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−6:IBA/CM=90/10(質量比)の混合溶剤。
(S)−9:IBA/PG=95/5(質量比)の混合溶剤。
(S)−10:IBA/PG=90/10(質量比)の混合溶剤。
Figure 2010091731
表8の結果から、(S)−4以外の有機溶剤を用いた場合、いずれも、レジスト膜への塗布前後で残膜率はほとんど変化が認められないことから、これらの有機溶剤はレジストパターンへの影響が小さいことが確認できた(なお、残膜率の変化の小さい有機溶剤の方が、ダブルパターニング用途においては特に有効であることを示す)。
(S)−4を用いた場合、レジスト膜への塗布前後で残膜率が他の有機溶剤を用いた場合に比べて、若干低下する傾向にあることが確認された。
<パターン溶解性試験>
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に均一に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、上記レジスト組成物(PR)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、110℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜に対して、ArF露光装置NSR−S302(製品名、Nikon社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して、選択的に照射した。
その後、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(商品名:NMD−3、東京応化工業(株)製)で30秒間アルカリ現像し、その後30秒間水洗し、乾燥した。
その結果、ターゲットをライン幅160nm、ピッチ320nmとするラインアンドスペースのレジストパターン(LSパターン)が形成された。このとき形成されたLSパターンのライン幅(nm)を実際に測定したところ、163.8nmであった。この値を「initial(2)」とした。
次いで、各有機溶剤を、該LSパターン上の全面に行き渡るようにそれぞれ塗布し、その後、80℃で60秒間の加熱処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液(商品名:NMD−3、東京応化工業(株)製)で30秒間アルカリ現像し、その後30秒間水洗し、乾燥した。乾燥の後、形成されているLSパターンのライン幅(nm)を測定し、「after(2)」とした。そして、ライン幅の寸法変化量(CD shift)(nm)を求めた。その結果を表9に示す。
Figure 2010091731
表9の結果から、沸点150℃未満のイソブタノール(沸点108℃)に、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)を添加した有機溶剤を用いることにより、ライン幅の寸法変化量が低減され、当該有機溶剤はレジストパターンへの影響が小さいことが確認できた。
したがって、たとえばダブルパターニングプロセスにおいて、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)と、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)とを併用したレジスト組成物を第二のレジスト膜形成に用いることにより、支持体上に形成された第一のレジストパターンが溶解しにくく、ダブルパターニングによるレジストパターンを安定に形成し得ることが期待される。
前進角(θ)、後退角(θ)および転落角(θ)を説明する図である。
符号の説明
1…液滴、1a…下端、1b…上端、2…平面、θ…前進角、θ…後退角、θ…転落角

Claims (8)

  1. 酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)および含フッ素化合物成分(F)を有機溶剤(S)に溶解してなる液浸露光用レジスト組成物であって、
    前記有機溶剤(S)は、沸点150℃以上のアルコール系有機溶剤(S1)と、沸点150℃未満のアルコール系有機溶剤(S2)とを含有することを特徴とする液浸露光用レジスト組成物。
  2. 前記アルコール系有機溶剤(S1)の沸点が150℃以上250℃以下である請求項1記載の液浸露光用レジスト組成物。
  3. 前記アルコール系有機溶剤(S2)の沸点が90℃以上150℃未満である請求項1又は2記載の液浸露光用レジスト組成物。
  4. 前記基材成分(A)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分(A1)である請求項1〜3のいずれか一項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
  5. 前記基材成分(A1)が、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(A1−1)を含有し、該樹脂成分(A1−1)が、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項4記載の液浸露光用レジスト組成物。
  6. 前記基材成分(A)がアルカリ可溶性樹脂成分(A2−1)を含有し、さらに、架橋剤成分(C)を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
  7. さらに、含窒素有機化合物成分(D)を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載の液浸露光用レジスト組成物。
  8. 支持体上に、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液浸露光用レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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