JPH0789304A - 車輪の外乱検出装置とその使用方法 - Google Patents

車輪の外乱検出装置とその使用方法

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JPH0789304A
JPH0789304A JP6109397A JP10939794A JPH0789304A JP H0789304 A JPH0789304 A JP H0789304A JP 6109397 A JP6109397 A JP 6109397A JP 10939794 A JP10939794 A JP 10939794A JP H0789304 A JPH0789304 A JP H0789304A
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弘義 小島
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Katsuhiro Asano
勝宏 浅野
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孝治 梅野
Toshimichi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】車輪に対する外乱を検出可能な装置を得る。 【構成】リム側部の慣性モーメントJR とベルト側部の
慣性モーメントJB とをばね定数Kのねじりばねで接続
した車輪のモデルに基づいて外乱オブザーバ52を構成
する。リム側部の角速度ωR を角速度検出装置で検出
し、これを入力として外乱オブザーバ52に車輪への外
乱w2 ,ベルト側部の角速度ωB ,リム側部−ベルト側
部間のねじり角θRB等を推定させる。前処理部54に角
加速度ωR ′,ωB ′を演算させ、相関演算部56にw
2 とθRBとの相互相関およびθRBの自己相関を演算さ
せ、正規化部58に相互相関と自己相関との除算による
正規化を行わせて、ばね定数Kの変化を調べ、その変化
からタイヤの空気圧の変化を推定する。w2 とωB ′と
の相互相関とωB ′の自己相関とからJB の変化を求
め、w1 とωR ′との相互相関とωR ′の自己相関とか
らJR の変化を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両のタイヤ付ホイール
(以下、単に車輪と称する)に作用する外乱を検出する
外乱検出装置、ならびにその使用方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】車輪は車両と路面とを直接結ぶ唯一の部
品であるため、それの特性変化や挙動を知ることは車両
の制御を行う上で有益である。しかし、車輪はサスペン
ションを介して車体に相対移動可能に取り付けられてい
る上、回転するため、車両の走行中に車輪の特性変化や
挙動を直接検出することは容易ではない。
【0003】例えば、内部に圧縮空気が封入されること
によって適度の弾性を維持する空気入りタイヤにおいて
は、タイヤの空気圧は車輪の特性に重要な影響を及ぼす
ため、これを検出することが望ましいのであるが、容易
ではない。タイヤに空気圧センサを取り付ければ空気圧
の検出は可能であるが、回転中のタイヤから検出結果を
車体側へ伝送することが容易ではないのである。また、
空気圧の低下によるタイヤの変形に起因する車体−路面
間の距離の変化から空気圧を検出すること、あるいは、
複数の車輪の回転速度を検出して回転速度の大きい車輪
のタイヤの空気圧が低いと推定することも可能である
が、検出精度を高めることが困難である。特に、後者で
は、全ての車輪の空気圧が低下した場合には空気圧の低
下を検出することができない。
【0004】そこで、特開昭62−149502号公報
には、車輪が路面上の突起を乗り越えるなどして、車輪
に対する外力が変化したときにおける車輪回転速度の変
化量(変化率を含む)が、タイヤの空気圧に対応して変
化することを利用して空気圧を検出する装置が提案され
ている。タイヤの空気圧が低くなるほど車輪回転速度の
変化量の極大値が小さくなるため、変化量の極大値を検
出すれば、その検出結果からタイヤ空気圧を推定するこ
とができるのであり、このタイヤ空気圧検出装置は、車
輪回転速度の変化量が所定値以上のときに空気圧判定指
令信号を発する指令信号発生手段と、その指令信号に応
じて車輪回転速度の変化量の極大値からタイヤの空気圧
を判定する空気圧判定手段とを含むように構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このタ
イヤ空気圧検出装置には、タイヤの空気圧を検出し得る
路面状況が限定されるという問題がある。車輪が単発の
突起を乗り越えた場合には車輪回転速度の変化量の極大
値からタイヤ空気圧を推定することができるのである
が、路面にランダムな凹凸が連続的に存在する場合には
タイヤ空気圧を検出し得ないのである。路面にランダム
な凹凸が連続的に存在する場合には、多数の突起の乗越
えに基づく車輪回転速度の変化が重なり合ってしまうた
め、車輪速度の変化量の極大値を検出してもその極大値
がタイヤの空気圧と一対一に対応するとは限らず、タイ
ヤ空気圧を正確に検出できないのである。
【0006】以上、タイヤの空気圧検出を例にとってタ
イヤの特性変化検出の困難性を説明したが、この他に
も、例えば、車輪の回転速度,回転加速度,偏心,ホイ
ールの交換,タイヤの摩耗や異物のかみ込み等を検出す
る場合にもやはり困難に突き当たる。車輪に対する外乱
を精度よく検出することができれば、車輪の特性変化や
挙動を精度よく推定することが容易になるのであるが、
この外乱を精度よく検出し得る装置は未だ知られていな
い。
【0007】そこで、本発明は、車輪に対する外乱を検
出し得る装置、ならびにその装置を使用して車輪の特性
変化,挙動等を検出する方法を得ることを課題としてな
されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の課
題は、車輪に対する外乱を検出し得る装置を得ることで
あり、この課題は、外乱検出装置を、少なくとも車輪の
角速度および慣性モーメントから車輪に対する外乱を推
定する外乱オブザーバと、車輪の角速度を検出して外乱
オブザーバに供給する角速度検出装置とを含むものとす
ることによって解決される。
【0009】また、請求項2に係る発明の課題は、請求
項1に記載の外乱検出装置を使用して車輪の角速度を正
確に取得する方法を得ることであり、この課題は、請求
項1に記載の外乱検出装置により検出された外乱に基づ
いて外乱に起因する角速度の変化量を求め、その角速度
変化量によって前記角速度検出装置により検出された角
速度を補正することによって解決される。
【0010】請求項3に係る発明の課題は、請求項1に
記載の外乱検出装置を使用して車輪の慣性モーメントの
変化を取得する方法を得ることであり、この課題は、請
求項1に記載の外乱検出装置に前記外乱と共に車輪の角
加速度を推定させ、それら外乱と角加速度との関係から
車輪の慣性モーメントの変化を取得することにより解決
される。
【0011】請求項4に係る発明の課題は、請求項1に
記載の外乱検出装置より正確に外乱を検出し得る装置を
得ることであり、この課題は、請求項1に記載の外乱検
出装置を、さらに、車輪の駆動トルクと制動トルクとの
少なくとも一方を検出して外乱オブザーバに供給する駆
動・制動トルク検出装置を含み、かつ、前記外乱オブザ
ーバが少なくとも車輪の角速度,慣性モーメントおよび
その車輪の駆動トルクと制動トルクとの少なくとも一方
から外乱を推定するものとすることによって解決され
る。
【0012】請求項5に係る発明の課題もまた、請求項
1に記載の外乱検出装置より正確に外乱を検出し得る装
置を得ることであり、この課題は、請求項1に記載の外
乱検出装置における外乱オブザーバを少なくとも車輪の
リム側部慣性モーメント,ベルト側部慣性モーメント,
リム側部−ベルト側部間のねじりばね定数およびリム側
部角速度から外乱を推定するものとするとともに、前記
角速度検出装置をリム側部角速度を検出するものとする
ことによって解決される。
【0013】請求項6に係る発明の課題もまた、請求項
1に記載の外乱検出装置より正確に外乱を検出し得る装
置を得ることであり、この課題は、請求項1に記載の外
乱検出装置における外乱オブザーバを少なくとも車輪の
リム側部慣性モーメント,ベルト側部慣性モーメント,
リム側部−ベルト側部間のねじりばね定数,リム側部−
ベルト側部間のダンパ係数およびリム側部角速度から外
乱を推定するものとするとともに、前記角速度検出装置
をリム側部角速度を検出するものとすることによって解
決される。
【0014】請求項7に係る発明の課題は、請求項5ま
たは6に記載の外乱検出装置を使用してタイヤの空気圧
の変化を取得する方法を得ることであり、この課題は、
請求項5または6に記載の外乱検出装置に前記外乱と共
にリム側部−ベルト側部間のねじり角を推定させ、それ
ら外乱とねじり角との関係から前記車輪のタイヤの空気
圧の変化を取得することによって解決される。
【0015】請求項8に係る発明の課題もまた、請求項
5または6に記載の外乱検出装置を使用してタイヤの空
気圧の変化を取得する方法を得ることであり、この課題
は、請求項7に記載のタイヤ空気圧取得方法において、
前記外乱オブザーバによる外乱推定値とねじり角推定値
との相互相関をねじり角推定値の自己相関で割り算した
値である相関正規化値を前記外乱とねじり角との関係を
表す変数として逐次取得してタイヤの空気圧の変化を取
得し、かつ、相関正規化値の前回値に外乱の今回推定値
とねじり角の今回推定値との積の影響とねじり角の今回
推定値の二乗の影響とをそれぞれ加えることにより相関
正規化値の今回値を取得することによって解決される。
【0016】請求項9に係る発明は、請求項1に記載の
外乱検出装置より正確に外乱を検出し得る装置を得るこ
とを課題としてなされたものであり、この課題は、請求
項1に記載の外乱検出装置に、前記車輪の慣性モーメン
トの変化量を検出する慣性モーメント変化量検出手段
と、その慣性モーメント変化量検出手段により検出され
た慣性モーメント変化量に基づいて前記外乱オブザーバ
の前記慣性モーメントを補正する慣性モーメント補正手
段とを付加することにより解決される。
【0017】請求項10に係る発明は、請求項1に記載
の外乱検出装置より信頼性の高い装置を得ることを課題
としてなされたものであり、この課題は、請求項1に記
載の外乱検出装置に、前記車輪の角速度に侵入する周期
的外乱の周波数である変動周波数と前記外乱オブザーバ
による外乱の推定に適した設定周波数との偏差が設定値
以下となる走行状態では外乱オブザーバによる外乱の推
定を禁止する推定禁止手段を付加することにより解決さ
れる。
【0018】請求項11に係る発明は、請求項1に記載
の外乱検出装置より正確に外乱を検出し得る装置を得る
ことを課題としてなされたものであり、この課題は、請
求項1に記載の外乱検出装置に、車体速度を検出する車
体速度検出手段と、その車体速度検出手段により検出さ
れた車体速度と前記角速度検出装置により検出された角
速度との偏差を演算する速度偏差演算手段と、演算され
た速度偏差から角速度の周期的変化量を推定する周期的
変化量推定手段と、その角速度の周期的変化量に基づい
て前記角速度検出装置により検出された角速度を補正
し、前記外乱オブザーバに供給する角速度補正手段とを
付加することにより解決される。
【0019】請求項12に係る発明は、請求項1に記載
の外乱検出装置より正確に外乱を検出し得る装置を得る
ことを課題としてなされたものであり、この課題は、請
求項1に記載の外乱検出装置における外乱オブザーバを
少なくとも車輪の慣性モーメント,質量および角速度と
サスペンションのばね定数とばね上質量とから外乱を推
定するものとすることによって解決される。
【0020】
【作用】請求項1に記載の外乱検出装置においては、外
乱オブザーバは少なくとも、角速度検出装置から供給さ
れる角速度と車輪の慣性モーメントとに基づいて外乱を
推定する。外乱オブザーバは外乱を状態変数の一つとし
て推定するものである。このような外乱オブザーバは、
例えば、車輪について、慣性モーメントを備えた一体的
な回転体に外乱が作用するモデルを想定して構成され
る。なお、外乱は路面から車輪に与えられる外乱に限ら
ない。通常はこれが最大のものであるが、その他にも、
車輪の慣性モーメントや空気圧の変化に起因する外乱も
あるのである。車輪の慣性モーメント変化は、タイヤの
摩耗,タイヤの異物かみ込み,タイヤやホイールの交換
等によって生じる。請求項1に記載の要件のみによって
はこれら複数の原因による外乱を各々分離して検出する
ことはできないため、必要があれば、外乱の変化状況等
に基づいて原因を推定し、特定の外乱を除去し、あるい
は特定の外乱以外の外乱を除去すればよい。
【0021】請求項3に記載の慣性モーメント変化取得
方法はその一例である。車輪の角速度から車輪の角加速
度を演算することができ、この角加速度と外乱との関係
から車輪の慣性モーメントの変化を求めることができる
のである。慣性モーメントの変化から種々の情報を取り
出すことができる。例えば、慣性モーメント変化が生じ
る原因がタイヤの摩耗のみであるような状況では、慣性
モーメント変化からタイヤの摩耗程度を推定することが
できる。また、車両走行中の慣性モーメントの増大から
タイヤの異物かみ込みを検出することができ、停車前後
での慣性モーメントの急変からタイヤとホイールとの少
なくとも一方が交換されたことを知ることができる。
【0022】特定の外乱を除去し、あるいは特定の外乱
以外の外乱を除去するために使用し得る情報は、請求項
3に記載の発明におけるように外乱オブザーバから得ら
れる情報に限らない。例えば、ホイールの交換が車両の
走行中に行われるはずはないため、車輪の角速度が0で
はない状態が継続しているという情報や、キースイッチ
ONの状態が継続しているという情報に基づいて、リム
側部慣性モーメントが変化するはずはないと判断するこ
とができる。また、ブレーキ操作中であることを検知す
るブレーキスイッチからの情報や、ブレーキ液圧を検出
する液圧センサからの情報に基づいて、車輪に制動力が
加えられているか否かを判断し、あるいはアクセルペダ
ルの操作状況に基づいて車輪に駆動力が加えられている
か否かを判断することができる。さらに、路面の凹凸や
反射率を検出するセンサからの情報に基づいて路面から
車輪に加えられる外乱の大小を推定することも可能であ
る。
【0023】請求項2に記載の角速度補正方法において
は、請求項1に記載の外乱検出装置により検出された外
乱に基づいて外乱に起因する角速度の変化量が求めら
れ、この変化量分だけ、角速度検出装置により検出され
た角速度が補正される。車体速度を推定するために車輪
角速度が使用されることがあり、この場合には平均的な
車輪角速度が精度よく得られればよいため、短周期の車
輪角速度変化は問題にならないのであるが、制動時や加
速時に車輪スリップが過大となることを防止するアンチ
スキッド制御やトラクション制御においては、路面から
車輪に与えられる外乱に起因する短周期の車輪角速度変
化を除去した車輪角速度が取得できることが望ましい。
請求項2に記載の角速度補正方法によればそれが可能に
なる。
【0024】請求項4に記載の外乱検出装置において
は、外乱オブザーバが、少なくとも車輪の角速度,慣性
モーメントおよびその車輪の駆動トルクと制動トルクと
の少なくとも一方から車輪に対する外乱を推定する。外
乱オブザーバは車輪の駆動トルクと制動トルクとの少な
くとも一方をも考慮して外乱を推定するため、車両が駆
動状態にあるか制動状態にあるか惰力走行状態にあるか
を問わず、外乱を精度よく推定することが可能となる。
【0025】請求項5に記載の外乱検出装置において
は、外乱オブザーバが、少なくとも車輪のリム側部慣性
モーメント,ベルト側部慣性モーメント,リム側部−ベ
ルト側部間のねじりばね定数およびリム側部角速度から
車輪に対する外乱を推定する。このような外乱オブザー
バは、車輪のモデルとして、例えば、相対回転可能なリ
ム側部とベルト側部とがねじりばねによって結合された
ものを想定して構成される。
【0026】請求項6に記載の外乱検出装置において
は、外乱オブザーバが、少なくとも車輪のリム側部慣性
モーメント,ベルト側部慣性モーメント,リム側部−ベ
ルト側部間のねじりばね定数,ダンパ係数およびリム側
部角速度から車輪に対する外乱を推定する。このような
外乱オブザーバは、車輪のモデルとして、例えば、相対
回転可能なリム側部とベルト側部とが互いに並列に接続
されたねじりばねおよびダンパによって結合されたもの
を想定して構成される。
【0027】請求項5または6に記載の外乱検出装置に
よれば、車輪の角速度をリム側部とベルト側部とに分け
て取得することができる。リム側部の角速度は検出可能
であり、従来から外周面に歯が形成されたロータとその
ロータの歯の通過を検知する電磁ピックアップとを用い
るなどして検出されている。しかし、ベルト側部の角速
度は検出することができない。請求項5または6に記載
の外乱検出装置はこのベルト側部の角速度を推定するこ
とができるのであり、さらに、ベルト側部の角加速度も
推定することができる。
【0028】また、リム側部とベルト側部とのねじり角
を推定することもできるのであって、外乱とねじり角と
の関係からねじりばねのばね定数の変化を知ることがで
きる。そして、このばね定数はタイヤの空気圧と密接な
関係があるため、請求項5または6に記載の外乱検出装
置を使用してタイヤ空気圧の変化を取得することができ
る。これが請求項7に記載のタイヤ空気圧変化取得方法
である。
【0029】外乱とねじり角との関係は例えば、外乱オ
ブザーバによる外乱推定値とねじり角推定値との相互相
関をねじり角推定値の自己相関で割り算した値である相
関正規化値として取得することができる。この相関正規
化値は外乱推定値およびねじり角推定値がそれぞれ設定
複数個取得される毎に取得することができるが、このよ
うにして取得する場合には取得した複数の外乱推定値お
よびねじり角推定値を蓄積しておくために記憶容量が余
分に必要になる。一方、相関正規化値を求める式は、例
えば、漸化式、すなわち前回値から今回値を導出する式
として記述することができる。したがって、相関正規化
値の前回値に外乱の今回推定値とねじり角の今回推定値
との積の影響とねじり角の今回推定値の二乗の影響とを
それぞれ加えることにより相関正規化値の今回値を取得
することができる。これが請求項8に記載のタイヤ空気
圧変化取得方法である。
【0030】請求項9に記載の外乱検出装置において
は、慣性モーメント変化量検出手段によって検出された
車輪の慣性モーメント変化量分だけ外乱オブザーバの慣
性モーメントが補正される。慣性モーメントは不変とみ
なして外乱を検出することも可能であるが、実際には変
化することもあるため、可変のものとして扱い、変化し
た場合にはその分慣性モーメントを補正した方が、外乱
の検出精度を高めることができる。
【0031】車体速度が一定である走行状態では本来、
角速度検出装置により検出される車輪の角速度も一定で
あり、時間と共に変動しないはずである。しかし、車輪
の製造誤差等が存在することを避け得ず、角速度検出装
置により検出される車輪の角速度は実際には時間と共に
変動する。すなわち、車輪の製造誤差等に起因する周期
的な角速度誤差が角速度検出装置による検出値に発生す
るのである。そのため、外乱オブザーバがそのような周
期的な角速度誤差の存在を全く考慮しないで外乱を推定
したのでは、常に精度よく推定が行われるとは限らな
い。
【0032】このような事情に鑑み、外乱オブザーバの
信頼性を向上させるために請求項10および請求項11
に係る発明がなされたのであり、請求項10に記載の外
乱検出装置においては、角速度検出装置により検出され
た角速度に侵入する周期的外乱の周波数である変動周波
数と外乱オブザーバによる外乱の推定に適した設定周波
数との偏差が設定値以下となる走行状態では外乱の推定
が禁止される。両周波数が近い場合には、間違った推定
結果が得られる可能性があるため、外乱の推定が禁止さ
れるのである。一方、請求項11に記載の外乱検出装置
においては、車体速度との関係において車輪角速度の周
期的変化量が検出され、その検出結果に基づいて角速度
検出装置により検出された角速度が補正され、その高精
度の角速度が外乱オブザーバに供給される。
【0033】外乱オブザーバを構成する際のモデルとし
て車輪のみならずサスペションも考慮に入れたモデルを
想定すれば、外乱オブザーバにより推定可能な量が多く
なり、一層多くの情報が得られるとともに、外乱の推定
精度が向上する。この考えに立って構成されたのが請求
項12に記載の外乱検出装置である。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に記載の外乱検出装置によれば、従来検出が不可能で
あったかまたは不可能ではなかったが困難であった車輪
の外乱を容易に検出することができる。請求項2に記載
の角速度補正方法によれば、車輪の変化率の大きい角速
度を従来より精度よく検出することが可能になる。請求
項3に記載の慣性モーメント変化取得方法によれば、車
輪の慣性モーメントの変化を取得することが可能にな
る。慣性モーメント変化はそれ自体、タイヤの摩耗や異
物のかみ込み,タイヤやホイールの交換を検知するため
に利用できる有用なものであるが、慣性モーメント変化
に基づいて外乱オブザーバの慣性モーメントを補正すれ
ば、外乱の推定精度を向上させることができる。
【0035】請求項4,5,6,9および12に記載の
装置によれば、請求項1に記載の装置によるより高い精
度で外乱の検出を行うことが可能になり、その上、請求
項5,6および12に記載の装置によれば請求項1に記
載の装置によるより多くの情報を得ることができる。さ
らに請求項4に記載の装置によれば、駆動系またはブレ
ーキから車輪に入力される力をも考慮して外乱が推定さ
れるため、車両が駆動状態にあるか制動状態にあるか惰
力走行状態にあるかを問わず外乱を精度よく推定するこ
とができる。請求項7および8に記載のタイヤ空気圧変
化取得方法によれば、タイヤ空気圧変化を、前記特開昭
62−149502に記載の装置におけるように路面状
況によって制限されることなく、いつでも取得すること
ができる。特に請求項8に記載の方法によれば、データ
記憶容量の増加を最小限に抑えつつタイヤ空気圧を連続
的に取得することが可能になる。請求項10または11
に記載の外乱検出装置によれば、誤った外乱の推定が行
われることを回避することができ、外乱検出装置の信頼
性を向上させることができる。
【0036】
【発明の望ましい実施態様】以下に各請求項の発明の望
ましい実施態様のいくつかを列挙する。 (1) 少なくとも車輪のリム側部慣性モーメントJR ,ベ
ルト側部慣性モーメントJB ,リム側部−ベルト側部間
のねじりばね定数Kおよびリム側部角速度ωRから、 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB ただし、 Td :路面からベルト側部に作用する外乱トルク ΔK:ねじりばね定数変化量 θRB:リム側部−ベルト側部間のねじり角 なる式で定義される外乱w2 とねじり角θRBとをそれぞ
れ推定する外乱オブザーバと、車輪のリム側部角速度ω
R を検出して外乱オブザーバに供給する角速度検出装置
とを含み、推定された外乱w2 とねじり角θRBとの関係
からねじりばね定数変化量ΔKを検出するねじりばね定
数変化量検出装置。
【0037】(2) (1) に記載のねじりばね定数変化量検
出装置を含み、ねじりばね定数変化量ΔKとタイヤ空気
圧変化量ΔPとの間に予め定められた関係に従い、ねじ
りばね定数変化量ΔKの今回推定値に対応するタイヤ空
気圧変化量ΔPを検出するタイヤ空気圧変化検出装置。
【0038】(3) 少なくとも車輪のリム側部慣性モーメ
ントJR ,ベルト側部慣性モーメントJB ,リム側部−
ベルト側部間のねじりばね定数Kおよびリム側部角速度
ωRから、 w2 =(−1/JB )Td −(ΔJB /JB )ωB ′ ただし、 Td :路面からベルト側部に作用する外乱トルク ΔJB :ベルト側部慣性モーメント変化量 ωB ′:ベルト側部角加速度 なる式で定義される外乱w2 とベルト側部角速度ωB
をそれぞれ推定する外乱オブザーバと、車輪のリム側部
角速度ωR を検出して外乱オブザーバに供給する角速度
検出装置とを含み、推定されたベルト側部角速度ωB
らベルト側部角加速度ωB ′を取得し、推定された外乱
2 と取得されたベルト側部角加速度ωB ′との関係か
らベルト側部慣性モーメント変化量ΔJB を検出するベ
ルト側部慣性モーメント変化検出装置。
【0039】(4) (3) に記載のベルト側部慣性モーメン
ト変化検出装置を含み、検出されたベルト側部慣性モー
メント変化量ΔJB からタイヤへの異物かみ込みを検出
する異物かみ込み検出装置。
【0040】(5) (3) に記載のベルト側部慣性モーメン
ト変化検出装置を含み、検出されたベルト側部慣性モー
メント変化量ΔJB からタイヤへのチェーン装着を検出
するチェーン装着検出装置。
【0041】(6) 少なくとも車輪のリム側部慣性モーメ
ントJR ,ベルト側部慣性モーメントJB ,リム側部−
ベルト側部間のねじりばね定数Kおよびリム側部角速度
ωRから、 w1 =−(ΔJR /JR )ωR ′ ただし、 ΔJR :リム側部慣性モーメント変化量 ωR ′:リム側部角加速度 なる式で定義される外乱w1 とリム側部角速度ωR とを
それぞれ推定する外乱オブザーバと、車輪のリム側部角
速度ωR を検出して外乱オブザーバに供給する角速度検
出装置とを含み、推定されたリム側部角速度ωR からリ
ム側部角加速度ωR ′を取得し、推定された外乱w1
取得されたリム側部角加速度ωR ′との関係からリム側
部慣性モーメント変化量ΔJR を検出するリム側部慣性
モーメント変化検出装置。
【0042】(7) (6) に記載のリム側部慣性モーメント
変化検出装置を含み、検出されたリム側部慣性モーメン
ト変化量ΔJR からホイール交換を検出するホイール交
換検出装置。
【0043】(8) 少なくとも車輪のリム側部等価慣性質
量mR ,ベルト側部等価慣性質量m B ,リム側部−ベル
ト側部間のばね定数KW ,リム側部−ベルト側部間のダ
ンパ係数DW およびリム側部等価直線変位速度xR ′か
ら、 w2 =(ΔDW /mB )(xR ′−xB ′)+(ΔKW /m
B )xRB+Fd /mB ただし、 ΔDW :ダンパ係数変化量 xB ′:ベルト側部等価直線変位速度 ΔKW :ばね定数変化量 xRB :ベルト側部−リム側部間の相対等価直線変位 Fd :路面からベルト側に作用する等価外乱力 なる式で定義される外乱w2 とベルト側部等価直線変位
速度xB ′と相対等価直線変位xRBとをそれぞれ推定す
る外乱オブザーバと、車輪のリム側部角速度を検出して
それをリム側部等価直線変位速度xR ′として外乱オブ
ザーバに供給する変位速度検出装置とを含み、推定され
た外乱w2 ,ベルト側部等価直線変位速度xB ′および
相対等価直線変位xRBと検出されたリム側部等価直線変
位速度xR ′とに基づいてダンパ係数変化量ΔDW とば
ね定数変化量ΔKW とをそれぞれ取得する車輪特性変化
検出装置。
【0044】(9) 少なくとも車輪の角速度と車輪特性値
の基礎値である車輪特性基礎値とから、車輪に対する外
乱を推定する外乱オブザーバと、車輪の角速度を検出し
て外乱オブザーバに供給する角速度検出装置と、推定さ
れた外乱に基づき、前記車輪特性値の実際値である車輪
特性実際値の、前記車輪特性基礎値からの変化量を推定
する車輪特性値変化量推定手段と、推定された車輪特性
基礎値変化量に基づいて前記車輪特性基礎値を補正する
車輪特性基礎値補正手段とを含むことを特徴とする外乱
検出装置。
【0045】なお、ここにおける「車輪特性値」には例
えば、車輪の慣性モーメント,ばね定数,ダンパ係数等
を選ぶことができる。
【0046】(10)請求項1,4〜6,9〜12,(1) 〜
(9) に記載の装置であって、前記外乱オブザーバが、少
なくとも前記車輪の角速度の変動成分から、車輪に対す
る外乱を推定するものであり、かつ、さらに、前記角速
度検出装置による検出値からそれの変動成分のみ抽出し
て外乱オブザーバに供給する変動成分抽出手段を含む装
置。
【0047】なお、ここにおける「変動成分抽出手段」
は例えば、角速度検出値のうち高周波成分のみを通過さ
せるアナログフィルタ,デジタルフィルタ等とすること
ができる。
【0048】
【実施例】以下、各請求項の発明を図示のいくつかの実
施例に基づいて具体的に説明する。図2において10は
ロータ、12は電磁ピックアップである。ロータ10は
図3に示す車輪14と共に回転するものであり、外周に
多数の歯16を備えている。電磁ピックアップ12はそ
れらの歯16の通過に応じて周期的に変化する電圧を発
生する。この電圧は波形整形器18によって矩形波に整
形され、コンピュータ20のI/Oポート22に供給さ
れる。車輪14は4個あり、それらに設けられている各
電磁ピックアップ12が全て波形整形器18を経てコン
ピュータ20に接続されるが、図2には代表的に1組の
みが図示されている。
【0049】車輪14は図3に示すように、ホイール2
4の外周にタイヤ26が取り付けられたタイヤ付ホイー
ルであるが、図4に示すように、相対回転可能なリム側
部28とベルト側部30とがねじりばね32によって連
結されたものと考えることができる。上記ロータ10は
ホイール24と一体的に回転するように取り付けられる
ため、電磁ピックアップ12は厳密にはリム側部28の
角速度を検出することになる。
【0050】コンピュータ20は図2に示すように処理
装置としてのCPU40,第一記憶装置としてのROM
42および第二記憶装置としてのRAM44を備えてお
り、ROM42に図5および図6のフローチャートで表
される制御プログラムが格納されることによって、図1
に示すリム側部回転速度演算・補正部45を構成してい
る。このコンピュータ20は別のコンピュータ47と接
続されている。このコンピュータ47は処理装置として
のCPU48,第一記憶装置としてのROM49,第二
記憶装置としてのRAM50および入出力装置としての
I/Oポート51を備えており、ROM49に図10〜
図12のフローチャートで表される相関演算ルーチンを
始めとする種々の制御プログラムが格納されることによ
って、図1に示す外乱オブザーバ52,前処理部54,
相関演算部56,正規化部58,定数補正部60,判定
部62および車輪速度出力部64を構成している。
【0051】コンピュータ47のI/Oポート51には
判定部62の判定結果を運転者に知らせる表示装置66
が接続されている。表示装置66は本実施例においては
液晶ディスプレイであるが、点灯あるいは点滅するラン
プ等別の表示装置を用いることも可能であり、音声で運
転者に知らせる音声報知装置などを含めて種々の形態の
報知装置を採用することが可能である。コンピュータ4
7のI/Oポート51にはさらに、ホイール24(リム
側部28)に加えられる駆動・制動トルクを、ホイール
24の軸に取り付けられた歪みゲージ等により検出する
駆動・制動トルク検出装置68が接続されている。
【0052】リム側部回転速度演算・補正部45は上記
4個の車輪14に対応する各電磁ピックアップ12およ
び波形整形器18から供給される信号に基づいて各車輪
14の回転速度を算出するとともに、ドップラ式車速検
出装置等の実車速検出装置70(図2参照)により検出
された実車速、すなわち車体の移動速度に基づいて、各
車輪14の回転速度を補正する。各車輪14およびロー
タ10には製造,組立誤差が存在し、これら誤差等に起
因して周期的な回転速度誤差が発生するため、この各車
輪14に固有の固有回転速度誤差を除いた回転速度を求
めるのである。
【0053】なお、車輪14の回転速度は周速度で演算
されるが、そのためにはタイヤ26の実質的な半径(タ
イヤが荷重で変形した状態における路面から車輪14の
中心までの距離)が必要であり、これはタイヤ26の空
気圧によって変わる。よって、当初は空気圧が正規であ
る場合の正規の半径が使用されるが、後に説明する処理
によってタイヤ26の空気圧変化が判明した場合は、予
めROM42に格納されているタイヤ径テーブルからそ
の空気圧変化に対応したタイヤ半径が読み出されて使用
される。
【0054】リム側部回転速度演算・補正部45の機能
は図5に示す固有回転速度変化取得ルーチンと図6に示
す回転速度演算・補正ルーチンとの実行により果たされ
る。固有回転速度変化取得ルーチンはロータ10および
車輪14の組立後少なくとも1回実行されるようにすれ
ばよい。車両の組立工場や整備工場で実行されてもよ
く、使用者による使用中に実行されてもよい。後者の場
合には、例えば、一定距離走行する毎、一定時間毎ある
いは予め定めれた条件が満たされる毎に実行されるよう
にすればよい。いずれにしても、加速も制動も行われて
おらず、かつ、予め定められた範囲の速度で走行してい
る時期に行われるようにすることが望ましい。
【0055】固有回転速度変化取得ルーチンにおいて
は、ステップS1(以下、単にS1で表す。他のステッ
プについても同様)において初期設定が行われ、S2に
おいて実車速Vが実車速検出装置70から読み込まれ
る。続いて、S3でロータ10の個々の歯16に基づく
車輪14の回転速度vn が演算される。波形整形回路1
8からの矩形波の各立上がり間または各立下がり間の時
間間隔、もしくは立上がりと立下がりとの各中点間の時
間間隔は、車輪14の回転速度と反比例するため、これ
らのいずれかの時間間隔から車輪14の回転速度(厳密
にはベルト側部30がリム側部28の角速度ωR と同じ
角速度で回転していると仮定した場合のベルト側部30
の周速度)が演算されるのである。なお、ここでは理解
を容易にするために、回転速度vn はロータ10の1個
の歯16が電磁ピックアップ12を通過する毎に演算さ
れるものとするが、歯16が通過する時間間隔と演算に
要する時間との関係等で、複数個の歯16が通過する毎
に回転速度vn が演算されるようにしてもよい。
【0056】回転速度vn が演算されたならば、S4に
おいて実車速Vとの差、すなわち速度偏差(V−vn
が演算されるとともに、速度偏差の累積値が演算され、
その速度偏差累積値が順次RAM44の速度偏差累積値
メモリの別々の番地(nに対応して予め定められている
番地)の内容に加算されることにより更新される。これ
らの番地は車輪14の1回転で得られる速度偏差累積値
の数だけ準備される。ここでは歯16が1個通過する毎
に1個の速度偏差累積値が演算されるものとしているた
め、番地の数は歯16の数と同じである。なお、ここに
「累積値」は、ロータ10の同一回転中における、第1
番目の歯(基準位置における歯)から第n番目の歯まで
の速度偏差の合計値を意味し、 Σ(V−vn )=(V−v1 )+(V−v2 )+・・・+(V−vn ) で表される。
【0057】S5で整数nが1増加させられつつS3お
よびS4が繰り返し実行され、車輪14が1回転してS
6の判定がNOになったとき、S7で整数nが1にリセ
ットされるとともに整数iが1増加させられ、S8で整
数iが基準値Nより小さいか否かの判定が行われる。S
8の判定がYESの場合にはS2で新しい実車速Vが読
み込まれ、再び1回転分の速度偏差累積値が演算,記憶
される。これによって得られる各速度偏差累積値はそれ
ぞれ速度偏差累積値メモリの各nに対応する番地の内容
に加算される。車輪14が1回転する毎に各番地の速度
偏差累積値が更新されるのであり、これによって、速度
偏差累積値メモリの各番地には車輪14の回転回数に対
応する数の速度偏差累積値の和が記憶されることとな
る。なお、本実施例では、実車速Vは車輪14が1回転
する間には変化しないとみなして車輪14が1回転する
毎に新しい実車速Vが読み込まれるようにされている
が、S6の判定がYESとなる毎にS2〜S5が実行さ
れるようにして、毎回実車速Vが読み込まれるようにし
てもよい。
【0058】車輪14の予定回転回数N分の速度偏差累
積値の演算,更新が終了したならば、S8の判定がNO
となり、S9で各番地の速度偏差累積値の和がNで割ら
れて速度偏差累積値の平均値Δvn が求められる。この
平均速度偏差累積値Δvn は、固有回転速度変化取得ル
ーチンの開始後にS3およびS4が始めて実行されると
きの車輪14の回転位置を基準とする各回転位置の回転
速度誤差の累積値である。固有回転速度変化取得ルーチ
ンが車両走行中度々、あるいは継続的に実行される場合
には、どこが基準位置とされても後述の回転速度演算・
補正ルーチンにおいて回転速度の補正を行い得るため差
し支えないが、車輪14等の組立後1回のみ実行される
場合,キースイッチがONにされた後1回のみ実行され
る場合等には、ロータ10の特定の位置に基準マークを
設け、これを検出する検出器を位置固定に設けて、基準
マークの位置を速度偏差累積値の基準位置とすることが
必要である。基準マークを設ける場合には、速度偏差累
積値の演算自体を基準マークの位置から行ってもよく、
任意の位置から行い、後に基準マークの位置を基準とす
る速度偏差累積値に換算してもよい。
【0059】上記Nは路面の影響をキャンセルするに十
分な大きさに設定されるべきものであり、本実施例にお
いては図7に示すように実車速Vが大きいほど大きい値
に設定される。S9では平均速度偏差累積値Δvn がさ
らに実車速Vで割られて速度偏差累積値率Δvn /Vが
求められ、RAM44の速度偏差累積値率メモリに記憶
される。速度偏差累積値率Δvn /Vはロータ10,車
輪14等の製造,組立誤差に起因する各車輪14に固有
の回転速度誤差を表す値であり、図6の回転速度演算・
補正ルーチンにおいて車輪14の回転速度の補正に使用
される。
【0060】回転速度演算・補正ルーチンは車両の走行
中継続的に実行される。ここでは予め定められた一定の
サンプリング時間内における波形整形器18からの矩形
波の立上がりの時間間隔の平均から車輪16の回転速度
が演算されるものとする。まず、S11において、予め
定められたサンプリング時間内における矩形波の最初と
最後の立上がりの時期とサンプリング時間内における立
上がりの回数とが検出されるとともに、最初と最後との
立上がりがそれぞれロータ10のどの歯16に対応した
ものであるかのデータが読み込まれる。すなわち、立上
がりが生じる毎に割り込みルーチンにより、コンピュー
タ20に内蔵のタイマから立上がりの時期が読み込まれ
るとともに、サンプリング時間内における立上がりの数
がカウントされる。また、立上がりの数を常時カウント
し、ロータ10の基準位置においてリセットされる別の
カウンタも設けられており、このカウンタのカウント値
も読み込まれる。このカウンタのカウント値が各立上が
りがロータ10のどの歯16の通過により生じたもので
あるかを示すのである。
【0061】続いて、S12において、サンプリング時
間内における車輪14の平均回転速度が演算される。サ
ンプリング時間内における全ての立上がり間の平均時間
間隔が演算され、それから回転速度vが演算されるので
ある。その後、S13で回転速度vの補正が行われる。
S11において読み込まれた最初と最後との立上がりが
ロータ10のどの歯16に対応したものであるかのデー
タに基づいて、速度偏差累積値率メモリから、それら最
初と最後との立上がりに対応する歯16の速度偏差累積
値率Δvn1/V,Δvn2/Vが読み出され、次式 v=(1+(Δvn1−Δvn2)/2V)v・・・(1) により回転速度vが補正されるのであり、両速度偏差累
積値率Δvn1/V,Δv n2/Vの差の1/2に回転速度
vを掛けた量だけ回転速度vが補正されることとなる。
【0062】図1に示す外乱オブザーバ52,車輪速度
出力部64等においては、この補正後の回転速度vが使
用される。ただし、外乱オブザーバ52においては、回
転速度として角速度が使用されるため、図13のS13
では補正後の回転速度vからタイヤ半径Rを考慮してリ
ム側部28の角速度ωR が演算され、RAM44の角速
度メモリに格納される。
【0063】外乱オブザーバ52は、車輪14の図4に
示すモデルに基づいて構成されている。以下、この外乱
オブザーバ52の構成について説明する。車輪14を、
慣性モーメントJR のリム側部28と慣性モーメントJ
B のベルト側部30とがばね定数Kのねじりばね32に
より接続されたものとしてモデル化すれば、(2) 〜(4)
の状態方程式が成立し、これによって線形システムが構
成される。 JR ωR ′=−KθRB+T1 ・・・(2) JB ωB ′= KθRB−Td ・・・(3) θRB′=ωR −ωB ・・・(4) ただし、 ωR :リム側部28の角速度 ωR ′:リム側部28の角加速度 ωB :ベルト側部30の角速度 ωB ′:ベルト側部30の角加速度 θRB :リム側部28とベルト側部30とのねじり角 T1 :駆動・制動トルク検出装置68により検出され
る駆動・制動トルク Td :路面からのトルク(路面の段差等によって突発
的に発生するころがり抵抗力や路面の凹凸によって定常
的に発生するころがり抵抗力による外乱トルク)
【0064】なお、実際にはリム側部28とベルト側部
30との間にはダンパが存在するが、その影響は比較的
小さいため、本実施例においてはその存在が無視されて
いる。ダンパをも考慮する実施例については後に説明す
る。
【0065】上記状態方程式をベクトルおよび行列を用
いて表せば(5) 式となる。
【0066】
【数1】
【0067】ここで、タイヤ26の空気圧が変化し、ね
じりばね32のばね定数がKからK+ΔKに変化したと
きの車輪14の運動は(6) 式で表される。
【0068】
【数2】
【0069】すなわち、ばね定数KがΔKだけ変化する
ことは正常なタイヤ26に(6) 式の右辺の最終項で表さ
れる外乱が加えられるのと等価である。この外乱にはば
ね定数Kの変化量ΔKの情報が含まれており、かつ、ば
ね定数Kはタイヤ26の空気圧に応じて変化するので、
この外乱を推定することによってタイヤの空気圧の変化
量を推定することができる。この外乱の推定に外乱オブ
ザーバの手法を用いるのであり、いま路面からのトルク
d をも外乱として扱うことにすれば、推定すべき外乱
wは(7) 式で表される。
【0070】
【数3】
【0071】しかし、理論上、外乱[w]の中の一つの
要素しか推定することができないため、第2要素である
2 を推定することとする。外乱w2 を(8) 式で定義す
れば、車輪14の状態方程式は(9) 式のようになるた
め、この(9) 式に基づいて外乱オブザーバを構成する。 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB・・・(8)
【0072】
【数4】
【0073】外乱オブザーバは外乱をシステムの状態変
数の一つとして推定するものである。そこで、(8) 式の
外乱w2 をシステムの状態に含めるために、推定すべき
外乱のダイナミクスを(10)式で近似する。 w2 ′=0・・・(10) これは図8に示すように連続して変化する外乱を階段状
に近似(零次近似)することを意味し、外乱オブザーバ
52の外乱推定速度を推定すべき外乱の変化に比べて十
分速くすれば、この近似は十分に許容される。(10)式よ
り、外乱w2 をシステムの状態に含めると(11)式の拡張
系が構成される。
【0074】
【数5】
【0075】(11)式において[ωB θRB2T
検出することができない状態となる。したがって、この
システムに基づいて外乱オブザーバ52を構成すれば、
外乱w2 と元々測定できない状態変数ωB ,θRBとを推
定することができる。記述を簡単にするために、(11)式
のベクトルおよび行列を分解して次のように表すことと
する。
【0076】
【数6】
【0077】このとき、状態[z]=[ωB θRB
2T を推定する最小次元オブザーバの構成は(12)式で
表される。 [zp ′]=[A21][xa ]+[A22][zp ]+[B2 ][u]+[G]{ [xa ′]−([A11][xa ]+[A12][zp ]+[B1 ][u])}=( [A21]−[G][A11])[xa ]+([A22]−[G][A12])[zp ] +[G][xa ′]+([B2 ]−[G][B1 ])[u]・・・(12) ただし、 [zp ] :[z]の推定値 [zp ′]:推定値[zp ]の変化率 [G] :外乱オブザーバ52の推定速度を決めるゲ
イン この方程式をブロック線図で表わすと図9のようにな
る。なお、図において[I]は単位行列、sはラプラス
演算子である。また、真値[z]と推定値[zp ]との
誤差[e]を[e]=[z]−[zp]とおき、誤差
[e]の変化率を[e′]とすると、(13)式の関係を得
る。 [e′]=([A22]−[G][A12])[e]・・・(13) これは外乱オブザーバ52の推定特性を表しており、行
列([A22]−[G][A12])の固有値がすなわち外
乱オブザーバ52の極となる。したがって、この固有値
がs平面の左半面において原点から離れるほど外乱オブ
ザーバ52の推定速度が速くなる。オブザーバゲイン
[G]は希望の推定速度になるように決定すればよい。
【0078】以上は、外乱w2 が前記(8) 式、すなわち
2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRBで表さ
れるものとして、外乱オブザーバ52のうち、ねじりば
ね32のばね定数KがΔK変化した場合の外乱w2 を推
定する部分の構成を説明したが、外乱オブザーバ52
の、ベルト側部30の慣性モーメントJB がJB +ΔJ
B に変化した場合、ならびにリム側部28の慣性モーメ
ントJR がJR +ΔJRに変化した場合の外乱をそれぞ
れ推定する部分も同様にして構成することができる。
【0079】まず、ベルト側部30の慣性モーメントJ
B がJB +ΔJB に変化した場合について説明する。こ
の場合には車輪14の運動は(14)式で表される。
【0080】
【数7】
【0081】推定すべき外乱は(14)式の右辺の最終項の
第2要素であるので、外乱w2 を(15)式で定義すれば、
(16)式で表される状態方程式から前記(11)式で表される
拡張系を得、外乱オブザーバ52の、ベルト側部30の
慣性モーメントJB が変化した場合の外乱を推定する部
分を構成することができる。 w2 =(−1/JB )Td −(ΔJB /JB )ωB ′・・・(15)
【0082】
【数8】
【0083】次にリム側部28の慣性モーメントJR
R +ΔJR に変化した場合について説明する。なお、
通常はリム側部28の慣性モーメントJR が変化するこ
とはないが、ホイール24が交換されることがあり、そ
のためにリム側部28の慣性モーメントJR が変わった
にもかかわらず、慣性モーメントJR をそれまで通りの
値にして外乱の推定を行えば大きな誤差が生じるおそれ
があるために、本実施例においては慣性モーメントJR
の変化に起因する外乱も推定されるようにされているの
である。慣性モーメントJR がJR +ΔJR に変化した
場合の車輪14の運動は(17)式で表される。
【0084】
【数9】
【0085】推定すべき外乱は(17)式の右辺の最終項の
第1要素であるので、外乱w1 を次の(18)式で定義すれ
ば、(19)式で表される状態方程式から(20)式で表される
拡張系を得、外乱オブザーバ52の、リム側部28の慣
性モーメントJR が変化した場合の外乱を推定する部分
を構成することができる。 w1 =−(ΔJR /JR )ωR ′・・・(18)
【0086】
【数10】
【0087】
【数11】
【0088】以上のように構成された外乱オブザーバ5
2においては、リム側部回転速度演算・補正部45にお
いて演算,補正された車輪14の回転速度vからタイヤ
半径Rを考慮して演算された角速度ωR を入力として、
ねじりばね32のばね定数KがΔK変化した場合の(8)
式で表される外乱w2 、ベルト側部30の慣性モーメン
トJB がΔJB 変化した場合の(15)式で表される外乱w
2 、およびリム側部28の慣性モーメントJR がΔJR
変化した場合の(18)式で表される外乱w1 が推定され、
外乱推定値w2p,w2p,w1pが取得されるが、それら外
乱と共に、検出が不可能であるベルト側部30の角速度
ωB ,リム側部−ベルト側部間のねじり角θRBも推定さ
れ、それぞれ推定値ωBp,θRBp が取得される。
【0089】前処理部54は、相関演算部56における
演算の前処理を行う部分である。検出されたリム側部2
8の角速度ωR と外乱オブザーバ52において推定され
たベルト側部30の角速度推定値ωBpとから角加速度ω
R ′と角加速度推定値ω Bp′とが求められるのである。
【0090】上記外乱w2p,w2p,w1p,角速度ωR
ωBp,角加速度ωR ′,ωBp′,ねじり角θRBp 等を用
いて相関演算部56において相関演算が行われ、正規化
部58で正規化が行われて、ねじりばね32のばね定数
Kの変化,リム側部28の慣性モーメントJR の変化,
ベルト側部30の慣性モーメントJB の変化等が求めら
れる。
【0091】まず、ねじりばね32のばね定数Kの変化
の取得について説明する。相関演算部56において、図
10のフローチャートで表されるばね定数変化取得用相
関演算ルーチンが実行される。S21の初期設定におい
て、整数iが1にリセットされ、前記(8) 式で表される
外乱w2 の推定値w2pとねじり角推定値θRBp との相互
相関C(w2p,θRBp)とねじり角推定値θRBp の自己
相関C(θRBp ,θRBp )とが0にリセットされる。R
AM50の相互相関メモリおよび自己相関メモリの内容
が0にされるのである。
【0092】続いて、S22で現時点の外乱推定値w
2p(i) およびねじり角推定値θRBp(i)が読み込まれ、S
23で外乱推定値w2p(i) とねじり角推定値θRBp(i)
の積が演算され、相互相関C(w2p,θRBp )に加算さ
れる。ただし、最初にS23が実行される際には相互相
関C(w2p,θRBp )が0であるため、相互相関メモリ
に外乱推定値w2p(i) とねじり角推定値θRBp(i)との積
が格納されるのみである。同様にS24でねじり角推定
値θRBp(i)の二乗が演算され、自己相関メモリの自己相
関C(θRBp ,θRBp )に加算される。
【0093】S25において整数iが予め定められた整
数M以上になったか否かが判定されるが、当初は判定が
NOであるため、S26で整数iが1増加させられ、再
びS22〜S24が実行される。この実行がM回繰り返
されたときS25の判定がYESとなり、ばね定数変化
取得用相関演算ルーチンの1回の実行が終了する。
【0094】相関演算部56において以上のようにして
相互相関C(w2p,θRBp )と自己相関C(θRBp ,θ
RBp )とが求められた後、正規化部58において(21)式
によりLK 値が求められ、RAM50のLK 値メモリに
格納される。 Lk =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(21) このLK 値は前記(8) 式に基づき、(22)式で表される。 Lk =(−1/JB )C0 +ΔK/JB ・・・(22) ただし、C0 はC(Tdp,θRBp )/C(θRBp ,θ
RBp )で表される値であり、ばね定数Kの変化とは無関
係であるので、タイヤ空気圧が正常の状態で予め求めて
おくことによって補償することができる。また、C(T
dp,θRBp )は外乱トルクTd の推定値とねじり角θRB
の推定値との相互相関を表している。
【0095】リム側部28の慣性モーメントJR の変化
およびベルト側部30の慣性モーメントJB の変化につ
いても同様の処理が行われる。リム側部28の慣性モー
メントJR の変化については、図11のフローチャート
で表される慣性モーメントJR 変化取得用相関演算ルー
チンの実行により、(18)式で表される外乱w1 の推定値
1pとリム側部28の角加速度ωR ′とから相互相関C
(w1p,ωR ′),自己相関C(ωR ′,ωR ′)が取
得され、正規化部58で(23)式によりLJR値が演算さ
れ、RAM50のLJR値メモリに格納される。 LJR=C(w1p,ωR ′)/C(ωR ′,ωR ′)・・・(23) このLJR値は前記(18)式に基づき、(24)式で表される。 LJR=−ΔJR /JR ・・・(24)
【0096】ベルト側部30の慣性モーメントJB の変
化については、図12のフローチャートで表される慣性
モーメントJB 変化取得用相関演算ルーチンの実行によ
り、(15)式で表される外乱w2 の推定値w2pとベルト側
部30の角加速度推定値ωBp′とから相互相関(w2p
ωBp′),自己相関C(ωBp′,ωBp′)が取得され、
正規化部58で(25)式によりLJB値が演算され、RAM
50のLJB値メモリに格納される。 LJB=C(w2p,ωBp′)/C(ωBp′,ωBp′)・・・(25) このLJB値は前記(15)式に基づき、(26)式で表される。 LJB=(−1/JB )C1 −ΔJB /JB ・・・(26) ただし、C1 はC(Tdp,ωBp′)/C(ωBp′,
ωBp′)を意味する。
【0097】なお、本実施例においては図10〜図12
のフローチャートで表される相関演算がそれぞれ1回ず
つ順次実行されるが、並行して行われるようにしてもよ
い。例えば、整数M,P,Qを等しくし、図10のフロ
ーチャートにおけるS21、図11のフローチャートに
おけるS31、および図11のフローチャートにおける
S41が順次実行され、次にS22,S32,S42が
順次行われるというように、図10〜図12の互いに対
応するステップがそれぞれ並行して行われるようにする
のである。
【0098】定数補正部60においては、以上のように
して取得され、各L値メモリに格納されているLK =C
(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp ),LJR=C
(w1p,ωR ′)/C(ωR ′,ωR ′),LJB=C
(w2p,ωBp′)/C(ωBp′,ωBp′)に基づいてね
じりばね32のばね定数K,リム側部28の慣性モーメ
ントJR およびベルト側部30の慣性モーメントJB
補正が行われる。LK ,LJR,LJBは前述のようにそれ
ぞれ LK =(−1/JB )C0 +ΔK/JBJR=−ΔJR /JRJB=(−1/JB )C1 −ΔJB /JB で表されるため、予めLK とΔK,LJRとΔJR ,LJB
とΔJB の関係がそれぞればね定数変化テーブル,慣性
モーメントJR 変化テーブル,慣性モーメントJ B 変化
テーブルとしてROM49に格納されており、これらの
テーブルに基づいてばね定数変化量ΔK,慣性モーメン
ト変化量ΔJR および慣性モーメント変化量ΔJB が求
められ、これらの変化量だけ外乱オブザーバ52のばね
定数K,慣性モーメントJR および慣性モーメントJB
が補正されるのである。
【0099】キースイッチがONにされて後始めて外乱
オブザーバ52が作動させられる際にはばね定数K,慣
性モーメントJR および慣性モーメントJB として正規
の値が使用されるが、一旦補正が行われれば、ばね定数
K,慣性モーメントJR および慣性モーメントJB とし
て補正後の値が使用される。したがって、その状態で得
られたばね定数変化量ΔK,慣性モーメント変化量ΔJ
R および慣性モーメント変化量ΔJB は補正後の値から
の補正量となる。しかるに、判定部62においては正規
の値からの変化量が必要であるため、キースイッチがO
Nにされたとき、ばね定数補正値メモリ,慣性モーメン
トJR 補正値メモリおよび慣性モーメントJB 補正値メ
モリがクリアされ、定数補正部60において補正が行わ
れる毎に補正値ΔK,ΔJR およびΔJB がそれぞれの
メモリの内容に加算される。
【0100】判定部62においては、ばね定数補正値メ
モリに記憶されている補正値ΔKがROM49に格納さ
れている基準値ΔK0 と比較される。補正値ΔKが負の
値である基準値ΔK0 より小さい場合にはタイヤ26の
空気圧が異常に低いと判定されて、表示装置66により
運転者に知らされる。なお、補正値ΔKと空気圧変化量
ΔPとの関係が空気圧変化テーブルとして予めROM4
9に格納されており、その関係に従って今回の補正値Δ
Kに対応する空気圧変化量ΔPが取得される。同様に、
慣性モーメントJB 補正値メモリに記憶されている補正
値ΔJB が正の値である基準値ΔJB0より大きいか否か
が判定され、判定がYESであれば、タイヤ26が異物
をかみ込んだことが表示装置66により運転者に知らさ
れる。また、補正値ΔJB が基準値−ΔJB0より小さい
か否かが判定され、判定がYESであれば、タイヤ26
の摩耗が許容限度に達して交換が必要であることが表示
装置66により運転者に知らされる。そして、上記2つ
の判定の結果がいずれもNOであった場合には、タイヤ
26の慣性モーメントJB に大きな変化はないと判定さ
れ、運転者に対する報知は行われない。
【0101】車輪速度出力部64においては、リム側部
回転速度演算・補正部45から供給される回転速度vが
外乱オブザーバ52により推定された外乱に基づいて補
正された上で出力される。前述のように、外乱オブザー
バ52の(11)式に基づいて構成される部分によって推定
される外乱w2pは、(8) 式に示すように、w2p=(−1
/JB )Td +(ΔK/JB )θRBで表されるが、この
式の右辺の第2項は定数補正部62において前述のよう
に継続的に補正され、かつ、急激に変化するものではな
いため、第1項に比較して無視できるほど小さい。した
がって、車輪速度出力部64においては、外乱オブザー
バ52の(11)式に基づいて構成される部分によって推定
される外乱w2pが(−1/JB )Td であるとみなして
車輪速度vの補正が行われる。
【0102】具体的には、外乱w2p=(−1/JB )T
d に−JB を掛けて外乱トルクTdが求められ、(27)式
で、その外乱トルクTd にのみ起因するリム側部28の
角速度推定値ωRpが求められる。 ωRp(s) ={[D](s[I]−[E])-1[F]}Td (s) ・・・(27) ただし、 [I] :単位行列 s :ラプラス演算子 ωRp(s) :角速度推定値ωRpをラプラス変換した値 Td (s) :外乱トルクTd をラプラス変換した値 また、[D],[E],[F]はそれぞれ次式で表され
るベクトルおよび行列である。
【0103】
【数12】
【0104】上記角速度推定値ωRpは、車輪14の回転
速度の乱れの、路面から車輪14に加えられる外乱によ
る成分であるから、この角速度推定値ωRpを車輪14の
周速度に換算した値だけ、リム側部回転速度演算・補正
部45から供給される回転速度vが補正され、路面から
の外乱に起因する回転速度のノイズが除去される。
【0105】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ロータ10,電磁ピックアップ12,波形
整形器18と、リム側部回転速度演算・補正部45の回
転速度を演算する部分とによって、車輪14の回転速度
を検出する回転速度検出装置(各請求項の発明における
「角速度検出装置」の一例)が構成されている。また、
相関演算部56および正規化部58のリム側部28の慣
性モーメントJ R およびベルト側部30の慣性モーメン
トJB の変化量を求める部分により慣性モーメント変化
量検出手段が構成され、定数補正部60の慣性モーメン
トJR およびJB を補正する部分によって慣性モーメン
ト補正手段が構成されている。実車速検出装置70によ
り車体速度検出手段が構成され、リム側部回転速度演算
・補正部45の実車速Vと回転速度vとの差である固有
回転速度誤差を演算する部分によって速度偏差演算手段
が構成され、その演算された固有回転速度誤差をロータ
10の各歯16毎に求める部分によって周期的変化量推
定手段が構成され、電磁ピックアップ12からの信号に
基づく回転速度vを補正する部分によって回転速度補正
手段(各請求項の発明における「角速度補正手段」の一
例)が構成されている。
【0106】以上詳記した実施例においては、図10〜
図12の相関演算ルーチンが一定の時間(iがM,P,
Qに達するに必要な時間)ごとに1組の相互相関および
自己相関を取得し、その結果に基づいて正規化部58が
正規化を行うようになっていたが、例えばばね定数変化
を取得するための演算が図13に示すように行われるよ
うに変更し、得られたLK (i) を前記LK と同様に用い
て定数補正部60による定数補正ならびに判定部62に
よる判定が随時行われるようにすることも可能である。
K (i) は、前記のように、
【0107】
【数13】
【0108】で表され、この式は、
【0109】
【数14】
【0110】に変形することができる。また、この式
は、LK (i-1) を用いれば、
【0111】
【数15】
【0112】で表すことができる。また、F(i-1) は、
【0113】
【数16】
【0114】に変形することができ、この式は、K
(i-2) を用いれば、
【0115】
【数17】
【0116】で表すことができる。以上の理論に基づ
き、図13のばね定数変化取得ルーチンにおいては、ま
ず、S51において、整数iの値が1、LK (0) の値が
0、F(0) の値が最大値MAXとされる。続いて、S5
2において、RAM50から最新の外乱推定値w2pとね
じり角推定値θRBp がそれぞれw2p(i) とθRBp (i)
して読み込まれる。その後、S53においてF
(i-1) が、S54においてLK (i) がそれぞれ算出され
る。続いて、S55において整数iの値が1増加させら
れる。以上でS52〜S55の一回の実行が終了し、そ
の後S52に戻る。
【0117】前記実施例においては、車輪14やロータ
10の製造,組立誤差等に起因する周期的な回転速度変
化がリム側部回転速度演算・補正部45において除去さ
れた後に外乱オブザーバ52に供給されるようにされ
て、外乱オブザーバ52の推定精度向上が図られていた
が、このようにすることは各請求項の発明を実施する上
において不可欠なことではない。しかし、外乱オブザー
バ52は回転速度のとり得る周波数(回転速度の時間的
変化をグラフで表した場合にそのグラフが表す波の周波
数)すべての領域において常に精度よく推定を行うよう
に設計することは困難であり、推定に適した周波数領域
が存在する。したがって、何らかの方法で周期的外乱に
よる不都合を回避することが必要である。一方、車輪1
4自体の周期的外乱によって回転速度に発生する周期的
外乱の周波数である変動周波数fdは計算によって推定
可能である。したがって、各請求項の発明は例えば、実
際の回転速度から実際の変動周波数fd を推定し、それ
と推定に適した適正周波数f opt との偏差が設定値以下
となる回転速度領域では外乱オブザーバの作動を禁止す
ることにより、外乱オブザーバの信頼性を向上させる態
様で実施することが可能である。
【0118】その一例を図14に示す。この推定許可・
禁止装置は、適正周波数記憶部80,車輪速度演算部8
2,車輪速度変動周波数演算部84,周波数比較部86
および外乱オブザーバ88を備えている。
【0119】適正周波数記憶部80は、外乱オブザーバ
88がねじりばね定数K,慣性モーメントJR ,JB
の変化量を精度よく推定するのに適した適正周波数f
opt を記憶しているものである。なお、ねじりばね定数
K,慣性モーメントJR ,JB等の推定すべてについて
共通の適正周波数fopt を記憶するものとすることも、
それぞれの推定対象毎に異なる適正周波数fopt を記憶
するものとすることもできる。
【0120】車輪速度変動周波数演算部84は、回転速
度の変動周波数fd を次のようにして算出する。まず、
n=TV/(2πR)により車輪14の回転数nを演算
する。ただし、 T:定数 V:現在車速 R:タイヤ26の空気圧が正常である状態における車輪
14の実質的半径 そして、f0 =1/nにより、現在車速Vに対する車輪
速度基本周波数f0 を演算する。車輪速度基本周波数f
0 は、車輪速度の時間的変化を表す波が周波数が互いに
異なる複数の正弦波の複合波であると考えた場合のそれ
ら正弦波の周波数のうち最小のものである。周期的外乱
による変動周波数fd はその他にも存在し、車輪速度の
基本波を基礎とする複数の高調波がそれである。それら
高調波は車輪速度基本周波数f0 の整数倍であることを
考慮して、fd =if0 (iは2以上の自然数)を計算
する。
【0121】車輪速度演算部82,車輪速度変動周波数
演算部84,周波数比較部86および外乱オブザーバ8
8は、コンピュータ47のROM49に図15のフロー
チャートにより表される外乱オブザーバ制御ルーチンが
格納されることにより構成されている。S61において
電磁ピックアップ12からの信号に基づいて車輪14の
回転速度vが演算される。この演算は前記リム側部回転
速度演算・補正部45による回転速度演算・補正ルーチ
ンのS12における平均回転速度vの演算と同様である
ため、説明を省略する。
【0122】続いて、S62において、S61で演算さ
れた回転速度vから上記のようにして複数の変動周波数
d が演算され、S63において、適正周波数記憶部8
0から適正周波数fopt が読み出され、各変動周波数f
d と適正周波数fopt との偏差の絶対値Δfが演算され
る。S64において、この偏差の絶対値Δfが基準値α
と比較され、いずれかの変動周波数fd についてΔf≦
αである場合にはS65において外乱オブザーバ88の
作動が禁止され、それ以外の場合にはS66において外
乱オブザーバ88の作動が許容される。外乱オブザーバ
88の構成は前記実施例と同様であるため、説明を省略
する。
【0123】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、ロータ10,電磁ピックアップ12,波形
整形器18および車輪速度演算部82によって角速度検
出装置が構成され、適正周波数記憶部80,車輪速度変
動周波数演算部84および周波数比較部86によって推
定禁止手段が構成されている。
【0124】なお、車輪速度の周期的外乱は車輪14ま
たはロータ10にのみ起因すると仮定する場合には、そ
の周期的外乱の周波数は回転速度すなわち車体速度にの
み依存すると考えることができるから、車輪速度の現在
の変動周波数fd が適正周波数fopt に近すぎる推定困
難状態にあるか否かの判定は車輪速度または車体速度の
現在値にのみ着目して行うこともできる。
【0125】外乱オブザーバを構成する際のモデルは図
4のモデルに限定されるわけではない。例えば、図16
に示すように、サスペンションをも考慮に入れたモデル
を採用することも可能である。ただし、 MV :ばね上部(車体)の質量 mR :リム側部28の質量 mB :ベルト側部30の質量 KS :サスペンションのばね定数 DS :サスペンションの減衰係数 xV :ばね上部の変位 xR :リム側部28の変位 xB :ベルト側部30の変位 xVR:ばね上部の変位xV とリム側部28の変位xR
【0126】また、JR ,JB ,θRBはそれぞれ前記実
施例におけると同様に、リム側部28の慣性モーメン
ト,ベルト側部30の慣性モーメント,リム側部−ベル
ト側部間のねじり角である。なお、KT はねじりばね3
2のばね定数Kと同じであるが、サスペンションばねの
ばね定数KS と区別するために添字Tが付けられてい
る。
【0127】以下、このモデルを用いた外乱オブザーバ
を有する実施例に基づいて各請求項の発明を具体的に説
明する。なお、本実施例は図1に示す実施例と共通する
部分が多いため、同一の部分については同一の符号を使
用することによって説明を省略し、異なる部分について
のみ詳細に説明することとする。図16のモデルの状態
方程式は(30)式となる。
【0128】
【数18】
【0129】ここにおいて、JR =γmR ,JB =βm
B の関係があり、aij,bijは車輪モデルとサスペンシ
ョンモデルとの干渉を示す定数であり、サスペンション
の構造に依存する。いま、リム側部28の質量mR (慣
性モーメントJR )およびねじりばね定数KT が共に変
化し、mR =mR +ΔmR (JR =JR +ΔJR )およ
びKT =K T +ΔKT となった場合、(30)式は(31)式と
なり、正常状態に外乱が加えられるのと等価となる。
【0130】
【数19】
【0131】ただし、 Δ(KT /JR )=(KT +ΔKT )/(JR +Δ
R )−KT /JR Δ(DS /mR )=DS /(mR +ΔmR )−DS /m
R Δ(KS /mR )=KS /(mR +ΔmR )−KS /m
R
【0132】いま(31)式の右辺の第3項をも外乱として
扱い、かつ、その外乱のうちの第5要素を推定すること
にすれば、推定すべき外乱w5 は(32)式で表され、状態
方程式は(33)式となる。 w5 =Δ(DS /mR )xVR′+Δ(KS /mR )xVR+n・・・(32) ここに「n」は、外乱を第5要素についてしか推定しな
いために生ずる誤差項である。
【0133】
【数20】
【0134】(32)式で表される外乱w5 からリム側部2
8の質量mR の変化(ひいては慣性モーメントJR の変
化)を抽出するための相互相関C(w5 ,xVR)は(34)
式で表される。 C(w5 ,xVR)=Δ(DS /mR )C(xVR′,xVR)+Δ(KS /mR )C (xVR,xVR)+C(n,xVR)・・・(34) ここで、C(xVR′,xVR)=0となり、自己相関で割
って正規化すると C(w5 ,xVR)/C(xVR,xVR)=C(n,xVR)/C(xVR,xVR)+Δ (KS /mR )・・・(35) となる。この(35)式の右辺の第1項は質量mR (慣性モ
ーメントJR )の変化とは無関係であり、予め求めてお
くことで補償することができる。このようにして求めた
質量mR の変化から対応する慣性モーメントJR の変化
を求めることができる。このようにして抽出された慣性
モーメントJR の変化量ΔJR により外乱オブザーバ5
2の慣性モーメントJR が補正される。
【0135】外乱オブザーバ52の構成方法は前記実施
例と同様であるため、異なる部分のみを説明する。推定
すべき外乱のダイナミクスを w5 ′=0 と近似すると拡張系は(36)式で表される。
【0136】
【数21】
【0137】(36)式においてリム側部28の角速度ωR
のみが検出可能である。この式の行列を次のように分解
して定義すれば、前記実施例におけると同様にして外乱
オブザーバを構成することができる。
【0138】
【数22】
【0139】なお、本実施例においてはリム側部28の
角速度ωR のみが検出可能であったが、他の量を検出す
る検出装置を設ければそれからの情報により外乱オブザ
ーバ52の推定精度を向上させることができる。
【0140】以上要するに、本実施例においては、外乱
オブザーバ52によりリム側部慣性モーメントJR ,ベ
ルト側部慣性モーメントJB ,リム側部質量mR ,ベル
ト側部質量mB ,リム側部角速度ωR ,サスペンション
のばね定数KS と減衰係数D S およびばね上質量MV
ら外乱w5 が推定され、その後、相関演算・正規化によ
ってその外乱w5 からリム側部質量mR の変化量ΔmR
が抽出され、その変化量ΔmR とリム側部慣性モーメン
トJR の変化量ΔJR との間に予め設定された関係に従
い、抽出された変化量ΔmR に対応する変化量ΔJR
取得されるのである。そして、本実施例によれば、タイ
ヤ空気圧の変化などによるねじりばねのばね定数KT
変化とリム側部質量mR の変化とが同時に起こったとし
ても、リム側部質量mR の変化量ΔmR をばね定数KT
の変化量ΔKT から分離して正しく取得することができ
る。
【0141】モデルを図17に示す単純なものとするこ
とも可能である。前記実施例においては、車輪14がリ
ム側部28とベルト側部30との2つの部分に分けら
れ、それぞれの部分の慣性モーメント,角速度等に基づ
いて外乱が推定されるようになっていたが、図17のモ
デルにおいては、車輪14が慣性モーメントJを有する
単純な回転体としてモデル化されており、このモデルに
よっても慣性モーメントJ,角速度に基づいて外乱トル
クTd を推定することができる。例えば、図4のモデル
においてねじりばね定数Kにできる限り大きな値を与え
ることによって図17のモデルを実現することができ
る。この態様が、請求項1記載の発明の、前記実施例と
は別の実施例である。
【0142】また、前記実施例においては、タイヤ26
の空気圧が異常に低くなってから、あるいは摩耗の許容
限度に達してからそれらの事実が表示装置66により運
転者に知らされるようになっていたが、タイヤ26の空
気圧や慣性モーメントの変化率から車両が走行可能な時
間や距離が表示されるようにすることも可能である。例
えば、ばね定数Kの変化量ΔKをその変化が生じた時間
で割って、時間当たりのばね定数Kの変化率を求め、そ
の変化率から車両の走行可能時間を推定して、表示装置
66に表示させるのである。タイヤ26の摩耗に関して
は、慣性モーメントJB の変化量ΔJB をそれが生じた
走行距離で割って、走行距離当たりの変化率を求め、そ
の変化率から車両の走行可能距離を推定して表示装置6
6に表示させればよい。
【0143】さらに、前記実施例においては、車体速度
が専用の実車速検出装置70によって検出されるように
なっていたが、角速度検出装置を利用して車体速度検出
装置を構成することも可能である。車輪14の回転速度
vに基づいて車体速度Vを決定するのである。車輪14
は慣性モーメントが小さいため回転速度vの変化率の絶
対値が大きいが、車体は慣性質量が大きいため変化率の
絶対値が小さい。したがって、車輪の回転速度vが実車
速Vとしてはあり得ない大きさの変化率絶対値で変化す
る場合には変化率絶対値を上限値に固定して実車速を推
定すること、あるいは車輪14の回転速度vの比較的長
い時間の平均値を実車速Vとして使用することが可能な
のである。この場合、車輪14は複数あるため、複数の
車輪14の回転速度vに基づいて実車速Vを推定するこ
とが望ましい。
【0144】さらにまた、前記実施例においては、慣性
モーメントJB の正規値からの増加量ΔJB が正の値で
ある基準値ΔJB0より大きい場合には、タイヤ26が異
物をかみ込んだことが表示装置66により運転者に知ら
されるようになっているが、慣性モーメントJB の増加
は、タイヤ26にスリップ防止のためのチェーンが装着
されることによっても発生し得る。したがって、各請求
項の発明は例えば、慣性モーメントJB の変化からチェ
ーン装着の有無を判定する態様で実施することが可能で
ある。
【0145】その一例を実現するためのチェーン装着判
定ルーチンを図18のフローチャートに基づいて説明す
る。なお、このルーチンは各車輪ごとに実行される。ま
ず、S71において、RAM50から最新の慣性モーメ
ントJB が読み出され、次に、S72において、その読
み出された慣性モーメントJB がしきい値J Bth より大
きいか否かが判定される。しきい値JBth は各車輪にチ
ェーンが装着された場合に一般的に慣性モーメントJB
が超えることとなる大きさに設定されている。今回は慣
性モーメントJB がしきい値JBth を超えないと仮定す
れば、判定がNOとなり、S74において、OFF状態
で各車輪にチェーンが装着されていないことを示し、O
N状態で各車輪にチェーンが装着されていることを示す
チェーン装着フラグがOFF状態とされる。これに対
し、今回は慣性モーメントJB がしきい値JBth を超え
ていると仮定すれば、S72の判定がYESとなり、S
73において、チェーン装着フラグがON状態とされ
る。いずれの場合にも以上でこのルーチンの一回の実行
が終了する。
【0146】チェーン装着フラグはRAM50に設けら
れていて、コンピュータ47に接続された車両運動制御
装置によって監視可能とされている。したがって、各車
輪運動制御装置はチェーン装着状態と未装着状態とで異
なる制御特性で車両の運動状態を制御することが可能と
なる。
【0147】車両運動制御装置の一例は後輪舵角を電気
的に制御する後輪舵角制御装置であり、この後輪舵角制
御装置を例にとり、チェーン装着判定結果の一利用例を
説明する。チェーンの装着状態においては非装着状態に
おけるより、タイヤ26とそれを覆う車体の部分である
ホイールハウスとのクリアランスが狭くなる。そのた
め、後輪にチェーンが装着されているか否かを問わず一
律に後輪舵角を制御する場合には、チェーン装着状態に
おいて後輪がホイールハウスに接近し過ぎてしまい、最
悪の場合には干渉する。そこで、後輪舵角制御装置は上
記の判定結果に基づき、チェーン装着状態においては後
輪舵角制御を禁止するか、またはチェーンの装着状態に
おいて非装着状態におけるより後輪舵角が小さくなるよ
うに後輪舵角を制御するのである。
【0148】図19に示すモデルは、リム側部28とベ
ルト側部30との間に存在するダンパをも考慮したモデ
ルである。すなわち、このモデルは、相対回転可能なリ
ム側部28とベルト側部30とが互いに並列に接続され
たねじりばね32およびダンパ100を介して結合され
たモデルなのである。
【0149】このモデルは図20に示すように、いわゆ
る2慣性モデルに単純化することができる。ただし、 mR :リム側部28の等価慣性質量 mB :ベルト側部30の等価慣性質量 KW :ねじりばね32のばね定数 DW :ダンパ100の減衰係数 xR :リム側部28の等価直線変位 xB :ベルト側部30の等価直線変位 xRB:リム側部28の等価直線変位xR とベルト側部3
0の等価直線変位xBとの差である相対等価直線変位 Fd :路面からタイヤ26への等価外乱力
【0150】この2慣性モデルと図19のモデルとの関
係について説明すれば、リム側部28およびベルト側部
30の等価慣性質量mR ,mB は図19のモデルの慣性
モーメントJR ,JB にそれぞれ等価的に対応し、ま
た、リム側部28およびベルト側部30の等価直線変位
速度xR ,xB は図19のモデルの角速度ωR ,ωB
各積分値に等価的に対応し、また、相対等価直線変位x
RBは図19のモデルのねじれ角θRBに等価的に対応し、
また、等価外乱力Fd は図19のモデルの外乱トルクT
d に等価的に対応している。以下、この2慣性モデルを
用いた一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0151】図20のモデルの状態方程式は(37)式とな
る。
【0152】
【数23】
【0153】なお、この状態方程式には、エンジンまた
はブレーキからリム側部28に作用する駆動・制動トル
クT1 に対応するパラメータが存在しないが、これは、
その状態方程式は図20のモデルの運動のうち特に振動
に着目し、各パラメータについてはそれの変動成分をも
って記述することとし、一方、駆動・制動トルクT1
他のパラメータとの関係において固定値とみなすことが
できるからである。すなわち、この状態方程式において
は、等価直線変位xR ,xB ,それの一回微分値
R ′,xB ′,二回微分値xR ″,xB ″,ばね定数
W および減衰係数D W の各々が固定成分を除いた変動
成分を意味しているのである。
【0154】いま、タイヤ26の空気圧が変化し、ばね
定数KW および減衰係数DW が共に変化し、KW =KW
+ΔKW およびDW =DW +ΔDW となった場合、(37)
式は(38)式となり、正常状態に外乱が加えられるのと等
価となる。
【0155】
【数24】
【0156】等価外乱力Fd を測定できない未知量と
し、これをも外乱として扱うとすれば、推定すべき外乱
は(39)式で表される。
【0157】
【数25】
【0158】この外乱のうち第2要素を推定することに
すれば、外乱は(40)式で表される。 w2 =(ΔDW /mB )(xR ′−xB ′)+(ΔKW /mB )xRB+Fd /m B +n・・・(40) ここに「n」は、外乱を第2要素しか推定しないために
生ずる誤差項である。
【0159】したがって、この場合の状態方程式は(41)
式となる。
【0160】
【数26】
【0161】本実施例は、それらの事実に基づき、その
外乱w2 を外乱オブザーバで求めてタイヤ26の空気圧
の変化を取得するが、以下の構成とされる。
【0162】すなわち、図21に機能ブロック図で示す
ように、リム側部28の等価直線変位速度xR ′を検出
する変位速度検出装置110が設けられ、それにコンピ
ュータ120が接続されているのである。変位速度検出
装置110は前記実施例におけると同様に、ロータ10
の外周に形成された各歯16の通過を電磁的に検出し、
リム側部28の角速度ωR を検出してリム側部28の等
価直線変位速度xR ′を演算する方式とされている。コ
ンピュータ120は、図22に示すように、処理装置と
してのCPU122,第一記憶装置としてのROM12
4および第二記憶装置としてのRAM126を含むよう
に構成されている。このコンピュータ120により、図
21に示すように、外乱オブザーバ130,定数変化量
演算部132,定数補正部134および判定部136が
構成されている。
【0163】外乱オブザーバ130の構成方法は前記実
施例と同様であるため、異なる部分のみを説明する。推
定すべき外乱w2 のダイナミクスを w2 ′=0 と近似すると、前記(41)式で記述される線形システムの
拡張系は(42)式で記述される。
【0164】
【数27】
【0165】上式においてリム側部28の等価直線変位
速度xR ′のみが検出可能である。上式の行列を次のよ
うに分解して定義すれば、前記実施例におけると同様に
して外乱オブザーバ130を構成することができる。
【0166】
【数28】
【0167】すなわち、外乱オブザーバ130は、少な
くとも変位速度検出装置110から入力されたリム側部
28の等価直線変位速度xR ′に基づき、車輪回転に関
する線形システムにおける状態としてベルト側部30の
等価直線変位速度xB ′と相対等価直線変位xRBとをそ
れぞれ推定することに加えて、その線形システムにおけ
る外乱としてw2 をも推定するのである。なお、本実施
例においては、変位速度検出装置110が各請求項の発
明における「角速度検出装置」の一例を構成している。
【0168】以上のようにして推定された外乱w2 は前
記定数変化量演算部132に供給され、変化量ΔKW
よびΔDW がそれぞれ演算される。
【0169】前記のように、w2 =(ΔDW /mB
(xR ′−xB ′)+(ΔKW /mB)xRB+Fd /m
B +nであり、この式を用いて最小二乗法によりばね定
数KWの変化量ΔKW と減衰係数DW の変化量ΔDW
がそれぞれ取得される。最小二乗の和が(43)式で表さ
れ、それが最小になるように、すなわち、最小二乗和S
を変化量ΔKW で偏微分した場合の値と変化量ΔDW
偏微分した場合の値とがそれぞれ0となるように変化量
ΔKW およびΔDW をそれぞれ取得するのである。
【0170】
【数29】
【0171】具体的には、変化量ΔKW およびΔDW
(44)式を用いて演算する。
【0172】
【数30】
【0173】取得された変化量ΔKW およびΔDW は定
数補正部134に供給され、それらに応じてばね定数K
W および減衰係数DW が補正される。
【0174】補正されたばね定数KW および減衰係数D
W は判定部136に供給される。この判定部136にお
いては、まず、ばね定数KW および減衰係数DW の現在
値の正規値からの偏差が演算され、それが絶対的な変化
量ΔKW およびΔDW とされる。続いて、それら変化量
ΔKW およびΔDW に基づき、変化量ΔKW およびΔD
W とタイヤ空気圧Pとの間に成立する一定の関係であっ
てROM124に予め格納されているものに従い、タイ
ヤ空気圧Pの現在値の正規値からの変化量ΔPが推定さ
れる。その後、その推定された変化量ΔPが適正範囲に
あるか否かが判定され、適正範囲にない場合には現在の
タイヤ空気圧Pが異常であることが表示装置138を介
して運転者に報知される。
【0175】以上の内容はコンピュータ120のROM
124に格納されたタイヤ空気圧検出ルーチンにより実
現される。以下、図23に示すフローチャートに基づい
てこのルーチンの内容を具体的に説明する。
【0176】まず、S81において、整数iの初期値が
1とされ、変化量ΔKW (i) およびΔDW (i) の初期値
がともに0とされる。次に、S82において、変位速度
検出装置110からリム側部28の等価直線変位速度x
R (i) が読み出され、RAM126に記憶される。そ
の後、S83において、今回の等価直線変位速度xR
(i) と前回の等価直線変位速度xR (i-1) との差として
リム側部28の等価直線変位加速度xR (i) が演算さ
れる。これもRAM126に記憶される。
【0177】続いて、S84において、それら等価直線
変位速度xR (i) および等価直線変位加速度xR
(i) に基づき、外乱オブザーバ130によって外乱w
2 (i) ,ベルト側部30の等価直線変位速度xB (i)
および相対等価直線変位xRB(i)が推定され、RAM1
26に記憶される。
【0178】なお、等価直線変位速度xR (i) のみな
らず等価直線変位加速度xR (i)にも基づいて外乱w
2(i)等が推定されるようになっているが、等価直線変位
速度xR (i) にのみ基づいて推定するようにしてもよ
い。
【0179】また、それら等価直線変位速度xR (i)
および等価直線変位加速度xR (i ) はハイパスフィル
タ処理を経た後に外乱オブザーバ130に供給されるよ
うになっており、これにより、それら等価直線変位速度
R (i) および等価直線変位加速度xR (i) の変動
成分のみが外乱オブザーバ130に供給されることにな
る。
【0180】その後、S85において、整数iの現在値
が基準値N以上であるか否かが判定され、基準値N以上
ではない場合には、判定がNOとなり、S86において
整数iの値が1増加させられてS82に戻る。S82〜
S86の実行がN回繰り返されることにより、等価直線
変位速度xR (i) ,xB (i) ,外乱w2 (i) および
相対等価直線変位xRB(i) を1組とするデータがN組蓄
積されたならば、S85の判定がYESとなり、S87
において、定数変化量演算が行われる。すなわち、それ
らN組のデータに基づき、前記最小二乗法を利用して変
化量ΔKW (i)およびΔDW (i) がそれぞれ算出される
のである。続いて、S88において、それら算出された
変化量ΔKW (i) およびΔDW (i) によって外乱オブザ
ーバ130におけるばね定数KW および減衰係数DW
補正する定数補正が行われる。
【0181】その後、S89およびS90において、タ
イヤ空気圧Pが異常であるか否かの判定が行われる。具
体的には、まずS89において、ばね定数KW の現在値
の正規値からの変化量ΔKW が算出され、その変化量Δ
W に基づいてタイヤ空気圧Pの現在値の正規値からの
変化量ΔPが推定される。変化量ΔPの推定は例えば、 ΔP=A(ΔKW /KW ) の如き式(ただし、Aは定数)を用いて行うことができ
るが、変化量ΔPおよびΔKW 相互間の関係を表すテー
ブルを用いて行うこともできる。
【0182】次にS90において、変化量ΔPが設定値
ΔPthを超えたか否かが判定される。タイヤ空気圧Pが
異常であるか否かが判定されるのである。今回は変化量
ΔPが設定値ΔPthを超えないと仮定すれば、今回のタ
イヤ空気圧Pは正常であると判定され、表示装置138
によるタイヤ空気圧異常警告は行われない。この場合、
S90の判定がNOとなり、S91において整数iの値
が1にリセットされた後にS82に戻り、このルーチン
の実行が継続される。これに対し、変化量ΔPが設定値
ΔPthを超えた場合にはS90の判定がYESとなり、
S92において、その事実が表示装置138を介して運
転者に報知される。タイヤ空気圧異常警告が行われるの
である。その後、このルーチンの実行が終了する。
【0183】なお、図23のタイヤ空気圧検出ルーチン
においては、等価直線変位速度xR(i)
B (i) ,外乱w2 (i) および相対等価直線変位x
RB(i) を1組とするデータがN組蓄積される毎に変化量
ΔKW ,ΔDW が演算されるようになっているが、前記
式(44)を漸化式で表すことにより、N組のデータが蓄積
される毎にではなく、N組のデータが一旦蓄積された後
には1組のデータが取得される毎に変化量ΔKW ,ΔD
W が演算されるようにすることができる。そのためのタ
イヤ空気圧検出ルーチンの一例を図24にフローチャー
トで表す。以下、このルーチンの内容を説明するが、図
23のルーチンと共通する部分については簡単に説明す
る。
【0184】まず、S101において、整数iの初期値
が1とされ、変化量ΔKW (i) およびΔDW (i) の初期
値がともに0とされ、行列LD およびLN の初期値もと
もに0とされる。行列LD は前記(44)式の右辺における
左側の項を表す行列であり、行列LN はその右側の項を
表す行列である。
【0185】次に、S102において、変位速度検出装
置110から等価直線変位速度xR(i) が読み込ま
れ、S103において、等価直線変位加速度xR (i)
が演算される。続いて、S104において、それら等価
直線変位速度xR (i) および等価直線変位加速度
R (i) のそれぞれの変動成分に基づき、外乱オブザ
ーバ130によって外乱w2 (i) ,等価直線変位速度x
B (i) および相対等価直線変位xRB(i) が推定され
る。
【0186】その後、S105において、行列LD の現
在値に、今回の等価直線変位速度x R (i) ,xB
(i) および相対等価直線変位xRB(i) に基づく増分が加
算され、続いて、S106において、行列LN の現在値
に、今回の等価直線変位速度x R (i) ,xB (i)
相対等価直線変位xRB(i) および外乱w2 (i) に基づく
増分が加算される。それぞれ行列LD およびLN が更新
されるのである。続いて、S107において、前記(44)
式にそれら行列LD およびLN の値を代入することによ
り、今回の変化量ΔKW (i) およびΔDW (i) が算出さ
れる。さらに、このステップにおいては、算出された変
化量ΔKW (i) およびΔDW (i) によって外乱オブザー
バ130におけるばね定数KW および減衰係数DW を補
正する定数補正も行われる。
【0187】その後、S108において、ばね定数KW
の現在値(補正後の値)と正規値との関係からタイヤ空
気圧Pが異常であるか否かの判定が行われ、異常である
場合にはS109においてその旨が表示装置66によっ
て運転者に報知されることによってタイヤ空気圧の異常
警告が行われる。その後、S102に戻る。
【0188】その他、いちいち例示することはしない
が、種々の改良,変形を加えた態様で本発明を実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である外乱検出装置の機能ブ
ロック図である。
【図2】上記外乱検出装置の構成ブロック図である。
【図3】上記外乱検出装置により外乱を検出される車輪
の一部を示す断面図である。
【図4】上記車輪の力学モデルを示す図である。
【図5】上記外乱検出装置の一構成要素であるコンピュ
ータのROMに格納されている制御プログラムを示すフ
ローチャートである。
【図6】上記外乱検出装置の一構成要素であるコンピュ
ータのROMに格納されている別の制御プログラムを示
すフローチャートである。
【図7】上記外乱検出装置における速度偏差累積値の検
出回数Nと実車速Vとの関係を示す図である。
【図8】上記外乱検出装置における外乱のダイナミクス
の近似を説明するためのグラフである。
【図9】上記外乱検出装置における外乱オブザーバを示
すブロック線図である。
【図10】上記外乱検出装置の一構成要素であるコンピ
ュータのROMに格納されている制御プログラムを示す
フローチャートである。
【図11】上記外乱検出装置の一構成要素であるコンピ
ュータのROMに格納されている別の制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図12】上記外乱検出装置の一構成要素であるコンピ
ュータのROMに格納されているさらに別の制御プログ
ラムを示すフローチャートである。
【図13】本発明の別の実施例である外乱検出装置の一
構成要素であるコンピュータのROMに格納されている
制御プログラムを示すフローチャートである。
【図14】本発明のさらに別の実施例である外乱検出装
置の一部を示す機能ブロック図である。
【図15】図14の外乱検出装置の一構成要素であるコ
ンピュータのROMに格納されている制御プログラムを
示すフローチャートである。
【図16】本発明のさらに別の実施例である外乱検出装
置における外乱オブザーバを構成するための力学モデル
を示す図である。
【図17】本発明のさらに別の実施例である外乱検出装
置における外乱オブザーバを構成するための力学モデル
を示す図である。
【図18】本発明の一利用態様であるチェーン装着判定
装置におけるコンピュータのROMに格納されているチ
ェーン装着判定ルーチンである。
【図19】本発明のさらに別の実施例である外乱検出装
置における外乱オブザーバを構成するための力学モデル
を示す図である。
【図20】図19のモデルを簡略化して示す図である。
【図21】上記外乱検出装置の機能ブロック図である。
【図22】上記外乱検出装置の一構成要素であるコンピ
ュータの構成ブロック図である。
【図23】図22のROMに格納されているタイヤ空気
圧検出ルーチンを示すフローチャートである。
【図24】本発明のさらに別の実施例である外乱検出装
置の一構成要素であるコンピュータのROMに格納され
ている制御プログラムを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 ロータ 12 電磁ピックアップ 14 車輪(タイヤ付ホイール) 20 コンピュータ 24 ホイール 26 タイヤ 28 リム側部 30 ベルト側部 32 ねじりばね 47,120 コンピュータ 52,88,130 外乱オブザーバ 100 ダンパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河井 弘之 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小島 弘義 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 平岩 信男 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 浅野 勝宏 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 (72)発明者 高橋 俊道 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤ付ホイールである車輪の少なくとも
    角速度および慣性モーメントから車輪に対する外乱を推
    定する外乱オブザーバと、 車輪の角速度を検出して外乱オブザーバに供給する角速
    度検出装置とを含むことを特徴とする外乱検出装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の外乱検出装置により検出
    された外乱に基づいてその外乱に起因する角速度の変化
    量を求め、その角速度変化量によって前記角速度検出装
    置により検出された角速度を補正することを特徴とする
    角速度補正方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の外乱検出装置に前記外乱
    と共に前記車輪の角加速度を推定させ、それら外乱と角
    加速度との関係から車輪の慣性モーメントの変化を取得
    することを特徴とする慣性モーメント変化取得方法。
  4. 【請求項4】請求項1に記載の外乱検出装置であって、
    さらに、前記車輪の駆動トルクと制動トルクとの少なく
    とも一方を検出して前記外乱オブザーバに供給する駆動
    ・制動トルク検出装置を含み、かつ、前記外乱オブザー
    バが少なくとも車輪の角速度,慣性モーメントおよびそ
    の車輪の駆動トルクと制動トルクとの少なくとも一方か
    ら前記外乱を推定するものである外乱検出装置。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の外乱検出装置であって、
    前記外乱オブザーバが少なくとも車輪のリム側部慣性モ
    ーメント,ベルト側部慣性モーメント,リム側部−ベル
    ト側部間のねじりばね定数およびリム側部角速度から前
    記外乱を推定するものであり、かつ、前記角速度検出装
    置がリム側部角速度を検出するものである外乱検出装
    置。
  6. 【請求項6】請求項1に記載の外乱検出装置であって、
    前記外乱オブザーバが少なくとも車輪のリム側部慣性モ
    ーメント,ベルト側部慣性モーメント,リム側部−ベル
    ト側部間のねじりばね定数,リム側部−ベルト側部間の
    ダンパ係数およびリム側部角速度から前記外乱を推定す
    るものであり、かつ、前記角速度検出装置がリム側部角
    速度を検出するものである外乱検出装置。
  7. 【請求項7】請求項5または6に記載の外乱検出装置に
    前記外乱と共にリム側部−ベルト側部間のねじり角を推
    定させ、それら外乱とねじり角との関係から前記車輪の
    タイヤの空気圧の変化を取得することを特徴とするタイ
    ヤ空気圧変化取得方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のタイヤ空気圧変化取得方
    法であって、前記外乱オブザーバによる外乱推定値とね
    じり角推定値との相互相関をねじり角推定値の自己相関
    で割り算した値である相関正規化値を前記外乱とねじり
    角との関係を表す変数として逐次取得してタイヤの空気
    圧の変化を取得し、かつ、相関正規化値の前回値に外乱
    の今回推定値とねじり角の今回推定値との積の影響とね
    じり角の今回推定値の二乗の影響とをそれぞれ加えるこ
    とにより相関正規化値の今回値を取得するものであるタ
    イヤ空気圧変化取得方法。
  9. 【請求項9】請求項1に記載の外乱検出装置であって、
    さらに、 前記車輪の慣性モーメントの変化量を検出する慣性モー
    メント変化量検出手段と、 その慣性モーメント変化量検出手段により検出された慣
    性モーメント変化量に基づいて前記外乱オブザーバの前
    記慣性モーメントを補正する慣性モーメント補正手段と
    を含む外乱検出装置。
  10. 【請求項10】請求項1に記載の外乱検出装置であっ
    て、さらに、前記車輪の角速度に侵入する周期的外乱の
    周波数である変動周波数と前記外乱オブザーバによる外
    乱の推定に適した設定周波数との偏差が設定値以下とな
    る走行状態では外乱オブザーバによる外乱の推定を禁止
    する推定禁止手段を含む外乱検出装置。
  11. 【請求項11】請求項1に記載の外乱検出装置であっ
    て、さらに、 車体速度を検出する車体速度検出手段と、 車体速度と前記角速度検出手段により検出された角速度
    との偏差を演算する速度偏差演算手段と、 演算された速度偏差から角速度の周期的変化量を推定す
    る周期的変化量推定手段と、 その角速度の周期的変化量に基づいて前記角速度検出装
    置により検出された角速度を補正し、前記外乱オブザー
    バに供給する角速度補正手段とを含む外乱検出装置。
  12. 【請求項12】請求項1に記載の外乱検出装置であっ
    て、前記外乱オブザーバが少なくとも車輪の慣性モーメ
    ント,質量および角速度とサスペンションのばね定数と
    ばね上質量とから前記外乱を推定するものである外乱検
    出装置。
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