JPH0755828A - 車両のヨーレイト検出装置 - Google Patents

車両のヨーレイト検出装置

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JPH0755828A
JPH0755828A JP19842993A JP19842993A JPH0755828A JP H0755828 A JPH0755828 A JP H0755828A JP 19842993 A JP19842993 A JP 19842993A JP 19842993 A JP19842993 A JP 19842993A JP H0755828 A JPH0755828 A JP H0755828A
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JP
Japan
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yaw rate
tire pressure
wheels
free rolling
value
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JP19842993A
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English (en)
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Shinsuke Sato
伸介 佐藤
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 左右の車輪の回転速度差から車両のヨーレイ
トを得るヨーレイト検出装置の検出精度を高める。 【構成】 左右の自由転動輪の角速度を角速度検出部
1,5で検出する。各自由転動輪のタイヤ圧をタイヤ圧
検出部2,6で検出する。タイヤ圧検出部2,6は、自
由転動輪についてリム側部とベルト側部との各慣性モー
メントがねじりばねで連結された力学モデルを考え、ね
じりばねのばね定数変化を外乱オブザーバにより推定
し、そのばね定数変化からタイヤ圧を得るものとするこ
とができる。得たタイヤ圧から実半径決定部3により自
由転動輪の実半径を決定し、その実半径と角速度検出部
1,5で検出した角速度とから自由転動輪の接地部周速
度を得、左右の接地部周速度の差に定数を掛けてヨーレ
イトを得る。得たヨーレイトは再帰型フィルタにより処
理してサスペンション振動の影響を除く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、左右車輪の回転速度差
に基づいて車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出
装置に関するものであり、特に、検出精度の向上に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ヨーレイトは車両の重要な運動であるヨ
ーの速度であり、車両の運動を制御するためにヨーレイ
トを検出することが必要になることが多い。そのため、
ヨーレイトを検出する装置が種々提案されているが、そ
の一種に、例えば特開昭63−218866号公報によ
り知られている種類のヨーレイト検出装置がある。この
ヨーレイト検出装置は、車両の左右車輪の回転速度をそ
れぞれの車輪に設けた回転速度センサにより検出し、検
出した左右車輪の回転速度差に一定の係数を掛けてヨー
レイトを求めるものである。
【0003】車両の車輪には、車速検出,アンチスキッ
ド制御,トラクション制御等の目的で、回転速度検出装
置が設けられることが多い。したがって、上記のように
左右車輪の回転速度差に基づいてヨーレイトを検出する
場合には、この回転速度検出装置をヨーレイトの検出に
利用することができ、安価に目的を達成することができ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、回転速度検出
装置を利用する場合にはヨーレイトを正確に検出し得な
いことがある。ヨーレイトによく対応するのは左右車輪
の接地部の周速度差であるが、回転速度検出装置は接地
部の周速度を直接検出するものではなく、車輪と一体的
に回転する回転体の角速度を検出し、その角速度と車輪
の公称半径とに基づいて周速度を求めるものであったか
らである。車輪の回転軸線から路面までの距離である実
半径はタイヤ内の空気圧であるタイヤ圧の変化やタイヤ
の摩耗等によって変わり、常に公称半径に等しいとは限
らないため、従来、回転速度検出装置により検出されて
いた回転速度は実際の接地部周速度を表さないことがあ
ったのである。
【0005】本発明は、以上の事情を背景として、左右
車輪の回転速度差に基づいてヨーレイトを検出するヨー
レイト検出装置の精度を向上させることを課題としてな
されたもである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この課題は、車両の左右
車輪の回転速度差に基づいて車両のヨーレイトを検出す
る形式のヨーレイト検出装置を、左右車輪の各角速度を
検出する角速度検出手段と、左右車輪の各実半径を検出
する実半径検出手段と、検出された左右車輪の各角速度
と各実半径とからヨーレイトを決定するヨーレイト決定
手段とを含むものとすることにより解決される。左右車
輪は自由転動輪が望ましい。
【0007】
【作用】このように構成したヨーレイト検出装置におい
ては、角速度検出手段が左右車輪の各角速度を検出し、
実半径検出手段が左右車輪の実半径を検出し、それら各
角速度と各実半径とからヨーレイト演算手段がヨーレイ
トを演算する。実半径検出手段は、実際に左右車輪の各
回転軸線と路面との距離を検出するものでも、タイヤ
圧,タイヤ質量等実半径と関連した量を検出してその結
果から実半径を推定するものでもよい。タイヤ圧やタイ
ヤ質量の検出も、必ずしも直接行う必要はなく、実施例
の項において詳細に説明するように車輪の角速度等を入
力とする外乱オブザーバにより推定してもよい。また、
ヨーレイト決定手段は、左右車輪の角速度と実半径とか
ら直接ヨーレイトを演算し、あるいはテーブルを用いて
決定するものでもよく、車輪の公称半径を用いて左右車
輪の周速度を演算し、それら周速度の差からヨーレイト
を演算した後に、実半径によりヨーレイトを補正するも
のでもよい。勿論、公称半径を用いて演算した左右車輪
の周速度を実半径により補正した後、ヨーレイトを演算
するものでもよい。
【0008】
【発明の効果】このように、左右車輪の角速度と実半径
とを検出し、それらからヨーレイトを決定すれば、タイ
ヤ圧の変化やタイヤの摩耗等に起因する左右車輪の実半
径の変化にかかわらずヨーレイトを精度良く検出するこ
とが可能になる。
【0009】
【実施例】以下、本発明をFF車(フロントエンジン・
フロントドライブ車)のヨーレイト検出装置に適用した
場合を例として図面に基づいて詳細に説明する。本実施
例のヨーレイト検出装置は、図1に示すように、左自由
転動輪(ここでは左後輪)用の角速度検出部1,タイヤ
圧検出部2,実半径決定部3および接地部周速度演算部
4と、右自由転動輪(右後輪)用の角速度検出部5,タ
イヤ圧検出部6,実半径決定部7および接地部周速度演
算部8と、ヨーレイト演算部9とを備えている。以下、
各部について順次説明するが、角速度検出部,タイヤ圧
検出部,実半径決定部および接地部周速度演算部につい
ては、左自由転動輪用と右自由転動輪用とで同じである
ため、左自由転動輪用のみを代表的に説明する。
【0010】左自由転動輪用の角速度検出部1およびタ
イヤ圧検出部2は、図4の機能ブロック図および図5の
構成ブロック図で示すように構成されている。図5にお
いて10はロータ、12は電磁ピックアップである。ロ
ータ10は図6に示す左自由転動輪14と共に回転する
ものであり、外周に多数の歯16を備えている。電磁ピ
ックアップ12はそれらの歯16の通過に応じて周期的
に変化する電圧を発生する。この電圧は波形整形器18
によって矩形波に整形され、コンピュータ20のI/O
ポート22に供給される。
【0011】左自由転動輪14は図3および図6に示す
ように、ホイール24の外周にタイヤ26が取り付けら
れたタイヤ付ホイールであるが、図7に示すように、相
対回転可能なリム側部28とベルト側部30とがねじり
ばね32によって連結されたものと考えることができ
る。上記ロータ10はホイール24と一体的に回転する
ように取り付けられるため、電磁ピックアップ12は厳
密にはリム側部28の角速度を検出することになる。
【0012】コンピュータ20は図5に示すようにCP
U40,ROM42およびRAM44を備えており、R
OM42に図示しない角速度演算ルーチンが格納される
ことによって、上記ロータ10,電磁ピックアップ12
および波形整形器18と共に図1,図4の角速度検出部
1を構成している。
【0013】このコンピュータ20は別のコンピュータ
47と接続されている。このコンピュータ47もCPU
48,ROM49,RAM50およびI/Oポート51
を備えており、ROM49に後述の(12)式等の演算を行
うためのルーチンや図8のフローチャートで表される相
関演算ルーチン等、種々の制御プログラムが格納される
ことによって、図4に示す外乱オブザーバ52,相関演
算部56,正規化部58,タイヤ圧演算部60を構成し
ている。そして、これら各部によって図1のタイヤ圧検
出部1が構成されている。
【0014】コンピュータ20は電磁ピックアップ12
および波形整形器18から供給される信号に基づいて左
自由転動輪14のリム側部28の回転速度を算出する。
回転速度は、予め定められた一定のサンプリング時間内
における波形整形器18からの矩形波の立上がりの時間
間隔の平均から演算される。
【0015】まず、予め定められたサンプリング時間内
における矩形波の最初と最後の立上がりの時期とサンプ
リング時間内における立上がりの回数とが検出される。
立上がりが生じる毎に割り込みルーチンにより、コンピ
ュータ20に内蔵のタイマの示す時間が読み込まれると
ともに、立上がりの数がカウントされるのである。続い
て、サンプリング時間内における左自由転動輪14の平
均回転速度が演算される。サンプリング時間内における
全ての立上がり間の平均時間間隔が演算され、それから
リム側部28の角速度ωR が演算され、RAM44の角
速度メモリに格納されるのである。
【0016】外乱オブザーバ52は、左自由転動輪14
の図7に示すモデル化に基づいて構成されている。以
下、この外乱オブザーバ52の構成について説明する。
左自由転動輪14を、リム側部28の慣性モーメントJ
R とベルト側部30の慣性モーメントJB とがばね定数
Kのねじりばね32により接続されたものとモデル化す
れば、次の状態方程式が成立する。 JR ωR ′=−K(θR −θB )+T1 ・・・(1) JB ωB ′=K(θR −θB )−Td ・・・(2) θRB=θR −θB ・・・(3) ただし、ωR およびωR ′はリム側部28の角速度およ
び角加速度、ωB およびωB ′はベルト側部30の角速
度および角加速度、θRBはリム側部28とベルト側部3
0とのねじり角(リム側部回転角θR とベルト側部回転
角θB との差)、T1 はリム側部28に加えられる駆動
・制動トルク、Td は路面からのトルク(外乱トルクと
回転負荷トルクとの和)である。なお、実際にはリム側
部28の慣性モーメントJR とベルト側部30の慣性モ
ーメントJB との間にはダンパが存在するが、その影響
は比較的小さいため無視できる。
【0017】上記状態方程式をベクトルおよび行列を用
いて表せば(4) 式となる。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、タイヤ26の空気圧が変化し、ね
じりばね32のばね定数がKからK+ΔKに変化したと
きの左自由転動輪14の運動は(5) 式で表される。
【0020】
【数2】
【0021】すなわち、ばね定数KがΔKだけ変化する
ことは正常なタイヤ26に(5) 式の最終項で表される外
乱トルクが加えられたのと等価である。この外乱トルク
にはばね定数の変化量の情報が含まれており、かつ、タ
イヤ26の空気圧に応じて変化するので、この外乱トル
クを推定することによってタイヤの空気圧の変化量を推
定することができる。この外乱トルクの推定に外乱オブ
ザーバの手法を用いるのであり、推定すべき外乱トルク
は(6) 式で表される。
【0022】
【数3】
【0023】しかし、理論上ベクトル〔w〕の中の一つ
の要素しか推定できないため、第2要素であるw2 を推
定することとする。外乱トルクを(7) 式 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB・・・(7) で定義すれば、左自由転動輪14の状態方程式は(8) 式
のようになるため、この式に基づいて外乱オブザーバ5
2を構成する。
【0024】
【数4】
【0025】外乱オブザーバは外乱トルクをシステムの
状態変数の一つとして推定するものである。そこで、
(7) 式の外乱トルクw2 をシステムの状態に含めるため
に、外乱トルクのダイナミクスを(9) 式で近似する。 w2 ′=0・・・(9) これは図9に示すように連続して変化する外乱トルクを
階段状に近似(零次近似)することを意味し、外乱オブ
ザーバ52の外乱推定速度を推定すべき外乱トルクの変
化に比べて十分速くすれば、この近似は十分に許容され
る。(9) 式より、外乱トルクをシステムの状態に含める
と(10)式の拡張系が構成される。
【0026】
【数5】
【0027】上記(10)式において〔ωB θRB2
T が検出できない状態となる。したがって、このシステ
ムに基づいて外乱オブザーバ52を構成すれば、外乱ト
ルクw2 と検出できない状態変数ωB ,θRBとを推定す
ることができる。記述を簡単にするために、(10)式のベ
クトルおよび行列を分解して次のように表すこととす
る。
【0028】
【数6】
【0029】このとき、状態〔z〕=〔ωR θRB
2T を推定する最小次元オブザーバの構成は(11)式で
表される。 〔zp ′〕=〔A21〕〔xa 〕+〔A22〕〔zp 〕+〔G〕{〔xa ′〕−(〔 A11〕〔xa 〕+〔A12〕〔zp 〕)}=(〔A21〕−〔G〕〔A11〕)〔xa 〕+(〔A22〕−〔G〕〔A12〕)〔zp 〕+〔G〕〔xa ′〕・・・(11) ただし、〔zp 〕は〔z〕の推定値、〔zp ′〕は推定
値〔zp 〕の変化率、〔G〕は外乱オブザーバ52の推
定速度を決めるゲインである。これをブロック線図で表
わすと図10のようになる。また、真値と推定値との誤
差〔e〕を〔e〕=〔z〕−〔zp 〕とおき、誤差
〔e〕の変化率を〔e′〕とすると、(13)式の関係を得
る。 〔e′〕=(〔A22〕−〔G〕〔A12〕)〔e〕・・・(12) これは外乱オブザーバの推定特性を表しており、行列
(〔A22〕−〔G〕〔A12〕)の固有値がすなわち外乱
オブザーバ52の極となる。したがって、この固有値が
s平面の左半面において原点から離れるほど外乱オブザ
ーバ52の推定速度が速くなる。オブザーバゲイン
〔G〕は希望の推定速度になるように決定すればよい。
【0030】以上のように構成された外乱オブザーバ5
2においては、角速度検出部1において演算されたリム
側部28の角速度ωR を入力として、ねじりばね32の
ばね定数KがΔK変化した場合の(7) 式で表される外乱
トルクw2 が推定され、外乱トルク推定値w2pが取得さ
れるが、それとともに検出が不可能であるベルト側部3
0の角速度ωB ,リム側部−ベルト側部間のねじり角θ
RBも推定され、それぞれ推定値ωBp,θRBp が取得され
る。
【0031】上記外乱トルクおよびねじり角の推定値w
2p,θRBp を用いて相関演算部56において相関演算が
行われ、正規化部58で正規化が行われて、ねじりばね
32のばね定数Kの変化が求められる。
【0032】まず、相関演算部56において、図8のフ
ローチャートで表される相関演算ルーチンが実行され
る。S21の初期設定において、整数iが1にリセット
され、前記(7) 式で表される外乱トルクw2 の推定値w
2pとねじり角推定値θRBp との相互相関値C(w2p,θ
RBp )とねじり角推定値θRBp の自己相関値C
(θRBp ,θRBp )とが0にリセットされる。相互相関
値メモリおよび自己相関値メモリの内容が0にされるの
である。
【0033】続いて、S22で現時点の外乱推定値w
2pi およびねじり角推定値θRBpiが読み込まれ、S23
で外乱推定値w2pi とねじり角推定値θRBpiとの積が演
算され、相互相関値C(w2p,θRBp )に加算される。
ただし、最初にS23が実行される際には相互相関値C
(w2p,θRBp )が0であるため、相互相関値メモリに
外乱推定値w2pi とねじり角推定値θRBpiとの積が格納
されるのみである。同様にS24でねじり角推定値θ
RBpiの2乗が演算され、自己相関値メモリの自己相関値
C(θRBp ,θRBp )に加算される。
【0034】S25において整数iが予め定められた整
数M以上になったか否かが判定されるが、当初は判定が
NOであるため、S26で整数iが1増加させられ、再
びS22〜S24が実行される。この実行がM回繰り返
されたときS25の判定がYESとなり、ばね定数変化
取得用相関演算ルーチンの1回の実行が終了する。
【0035】相関演算部56において以上のようにして
相互相関値C(w2p,θRBp )と自己相関値C
(θRBp ,θRBp )とが求められた後、正規化部58に
おいて次式 Lk =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(13) によりLK 値が求められ、RAM50のLK 値メモリに
格納される。このLK 値は次式 Lk =(−1/JB )C0 +ΔK/JB ・・・(14) ただし、C0 はC(Tdp,θRBp )/C(θRBp ,θ
RBp )で表される値であり、ばね定数Kの変化とは無関
係であるので、タイヤ空気圧が正常の状態で予め求めて
おくことによって補償できる。
【0036】タイヤ圧演算部60においては、以上のよ
うにして取得され、LK 値メモリに格納されているLK
値に基づいてねじりばね32のばね定数Kの変化量ΔK
が演算される。LK 値は前述のように(−1/JB )・
0 +ΔK/JB に対応する値であるため、LK 値とば
ね定数変化量ΔKとの間には一定の関係があり、さらに
この変化量ΔKとタイヤ圧の変化量Δpとの間にも一定
の関係があるため、結局、LK値とタイヤ圧変化量Δp
との間に一定の関係がある。この関係が予めタイヤ圧変
化量テーブルとしてROM49に格納されており、この
テーブルに基づいてLK値からタイヤ圧変化量Δpが求
められるのである。このタイヤ圧変化量Δpは正規のタ
イヤ圧p0 からの変化量であるから、正規のタイヤ圧p
0 からこのタイヤ圧変化量Δpを引いた値p=p0 −Δ
pが現在のタイヤ圧pとして演算され、RAM50のタ
イヤ圧メモリに格納される。
【0037】タイヤ圧検出部1において以上のようにし
て検出(推定)されたタイヤ圧pは図1の実半径決定部
3に供給される。実半径決定部3は前記コンピュータ4
7のROM49に図11のグラフで表されるタイヤ圧p
と実半径Rとの関係がテーブル化された実半径テーブル
と、タイヤ圧pと実半径テーブルとに基づいて実半径R
を決定するための図示しない実半径決定ルーチンとが格
納されることにより構成されている。タイヤ26はタイ
ヤ圧pが低下するほど図3に示すように変形が大きくな
り、実半径Rが小さくなる。このタイヤ圧pと実半径R
との関係が予め測定され、実半径テーブルとしてROM
49に格納されているのである。
【0038】この実半径決定部3で決定された実半径R
は、前記角速度検出部1において検出された角速度ωR
と共に接地部周速度演算部4に供給され、ここで左自由
転動輪14の接地部周速度vl が(15)式によって演算さ
れ、RAM50の左接地部周速度メモリへ格納される。 vl =ωR R・・・(15)
【0039】以上と同様にして、右自由転動輪用の角速
度検出部5,タイヤ圧検出部6,実半径決定部7および
接地部周速度演算部8においても右自由転動輪の接地部
周速度vr が演算され、右接地部周速度メモリへ格納さ
れる。
【0040】ヨーレイト演算部9においては、これら左
右自由転動輪の接地部周速度vl ,vR に基づいてヨー
レイトYが演算される。ヨーレイト演算部9は図2に示
すように、減算部64,乗算部66およびフィルタ68
を備えている。これらも前記コンピュータ47に図示し
ないヨーレイト演算ルーチンが格納されることにより構
成されている。
【0041】減算部64において左右自由転動輪の接地
部周速度vl ,vr の差が演算され、乗算部66におい
て定数Dが掛けられることにより、濾波前ヨーレイトy
=v l −vr )Dが演算される。定数Dは原則的には左
右自由転動輪間のトレッドであるが、実験結果に基づい
て多少修正を加えることも可能であり、実車速Vに応じ
て変更することも可能である。例えば、実車速Vの領域
を大,中,小の3段階に分け、各段階毎に適正な値を予
め定めておくのである。このように、実車速Vに応じて
定数Dを修正することによって、旋回時における横方向
の荷重移動に基づく実半径Rの変化や、車輪のスリップ
角の影響を軽減することができる。
【0042】上記濾波前ヨーレイトyは、サスペンショ
ンの振動に基づく接地部周速度vl,vR の変動の影響
を除去するためにフィルタ68により処理され、濾波後
ヨーレイトYとされる。フィルタ68は(16)式の計算を
行うものであり、再帰型フィルタとなっている。 Yn =α1n-1 +α2n-2 +α3n-3 +β1n +β2n-1 +β3n- 2 ・・・(16) ただし、添字n,n−1,n−2,n−3はそれぞれ今
回,前回,前々回,さらにその前の回のヨーレイト値を
意味する。また、α1 〜α3 ,β1 〜β3 は実験により
定められる定数であり、接地部周速度vl ,vr の変動
周波数は10Hz程度であるのに対し、ヨーレイトYの変
動周波数範囲は0〜2Hzであるため、2Hz以上が減衰域
となるように決定される。
【0043】以上の説明から明らかなように、本実施例
においては、図5のロータ10,電磁ピックアップ1
2,波形整形器18およびコンピュータ20によって構
成される図1の角速度検出部1,5が角速度検出手段と
して機能し、図4の外乱オブザーバ52,相関演算部5
6,正規化部58およびタイヤ圧演算部60により構成
されるタイヤ圧検出部2と、実半径決定部3とによって
実半径検出手段が構成されている。また、接地部周速度
演算部4,8とヨーレイト演算部9とによってヨーレイ
ト演算手段が構成されている。
【0044】なお付言すれば、上記実施例においては、
図8の相関演算ルーチンが一定の時間(iがMに達する
に必要な時間)ごとに1組の相互相関値および自己相関
値を取得し、その結果に基づいて正規化部58が正規化
を行うようになっていたが、例えばばね定数変化を取得
するための演算が図12に示すように行われるように変
更し、得られたLK ( i)を前記LK と同様に用いてタ
イヤ圧演算部60によるタイヤ圧の演算が随時行われる
ようにすることも可能である。
【0045】また、タイヤ圧の変化による実半径の変化
の検出について説明したが、タイヤの摩耗による実半径
の変化も外乱オブザーバを使用して検出(推定)するこ
とができる。前記(4) 式の状態方程式にはベルト側部3
0の慣性モーメントJB が含まれており、これの変化も
前記ばね定数Kの変化と同様に外乱としてとらえること
ができ、変化量ΔJB が判ればタイヤ26の摩耗量も判
り、ひいては実半径Rも判るのである。
【0046】ベルト側部30の慣性モーメントJB がJ
B +ΔJB に変化した場合には左自由転動輪車輪14の
運動は(17)式で表される。
【0047】
【数7】
【0048】推定すべき外乱トルクは(17)式の最終項の
第2要素であるので、外乱w2 を(18)式で定義すれば、
前記(8) 式で表される状態方程式から前記(10)式で表さ
れる拡張系を得、ベルト側部30の慣性モーメントが変
化した場合の外乱トルクを推定する外乱オブザーバ52
を構成することができる。 w2 =(−Td /JB )−(ΔJB /JB )ωB ′・・・(18)
【0049】外乱オブザーバ52においてはこの外乱ト
ルクw2 と共にベルト側部30の角速度ωB も推定でき
るので、この角速度推定値ωBpから角加速度推定値
ωBp′が演算されるとともに、角速度検出部1において
検出されたリム側部28の角速度ωR から角加速度
ωR ′が演算される。
【0050】そして、図13のフローチャートで表され
る慣性メーメントJB 変化取得用の相関演算ルーチンの
実行により、(18)式で表される外乱トルクw2 の推定値
2pとベルト側部30の角速度推定値ωBp′とから相互
相関値(w2p,ωBp′),自己相関値C(ωBp′,
ωBp′)が取得され、正規化部58で(19)式によりLJB
値が演算され、LJB値メモリに格納される。 LJB=C(w2p,ωBp′)/C(ωBp′,ωBp′)・・・(19)
【0051】このLJB値は前記(18)式で表されるもので
あり、その第2項はベルト側部30の慣性モーメント変
化量ΔJB に応じたものであるが、第1項は前述のよう
に(−1/JB ){C(Tdp,θRBp )/C(θRBp
θRBp )}で表される値であって慣性メーメントJB
変化とは無関係であるので、慣性モーメントJB が正規
の状態で予め求めておくことによって補償できる。そし
て、慣性モーメント変化量ΔJB とタイヤ26の質量変
化量(すなわち摩耗量)、ひいては実半径変化量ΔRと
の間には一定の関係があるため、予めLJB値と実半径変
化量ΔRとの関係を調べ、自由転動輪の公称実半径から
摩耗に起因する実半径変化量ΔRを差し引いた実半径R
とLJB値との関係をテーブル化した実半径テーブルをコ
ンピュータ47のROM49に格納しておけば、LJB
から実半径Rを求めることができる。
【0052】さらに付言すれば、前記実施例において
は、実半径Rが、リム側部28の角速度ωR を入力とす
る外乱オブザーバを用いて検出(推定)されたタイヤ圧
pから決定されるようになっていたが、タイヤ圧を他の
手段、例えば、実開昭59−72530号公報に記載さ
れているタイヤ圧検出装置によって検出し、そのタイヤ
圧から実半径を決定するようにしてもよい。
【0053】さらに、サスペンションの自由転動輪と一
体的に上下する部材に距離センサを設け、その出力信号
から実半径を求めることも可能である。距離センサとし
ては、例えば、超音波を路面に向かってほぼ直角に送信
する送信器と路面からの反射波を受信する受信器とを備
え、送信から受信までの経過時間に基づいて距離を求め
るものが使用可能である。
【0054】また、前記実施例の減算部64において左
右自由転動輪の接地部周速度vl ,vR の差に掛けられ
る定数Dの値を実車速Vに応じて変えれば、旋回時にお
ける横方向の荷重移動に基づく実半径の変化の影響を軽
減し得ることを述べたが、横方向の荷重移動に基づく左
右自由転動輪の実半径の変化をヨーレイトの検出にとり
入れれば、さらに検出精度を向上させることができる。
例えば、ステアリングホイールの操舵角と実車速とから
横荷重移動量を推定し、横荷重移動量から実半径の変化
量を演算し、あるいはテーブルを用いて決定するのであ
る。
【0055】その他、いちいち例示することはしない
が、種々の改良,変形を加えた態様で本発明を実施する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるヨーレイト検出装置の
機能ブロック図である。
【図2】上記ヨーレイト検出装置のヨーレイト演算部の
詳細を示す機能ブロック図である。
【図3】自由転動輪のタイヤ圧低下に基づく実半径の変
化を示す図である。
【図4】上記ヨーレイト検出装置の一部であるタイヤ圧
検出部の詳細を角速度検出部と共に示す機能ブロック図
である。
【図5】上記ヨーレイト検出装置の構成ブロック図であ
る。
【図6】上記ヨーレイト検出装置によって角速度および
実半径を検出される自由転動輪の一部を示す示す断面図
である。
【図7】上記自由転動輪の力学モデルを示す図である。
【図8】上記タイヤ圧検出部の一部を構成するためにコ
ンピュータに格納されている相関演算ルーチンを示すフ
ローチャートである。
【図9】上記タイヤ圧検出部の一部である外乱オブザー
バにおける外乱トルクのダイナミクスの近似を説明する
ための図である。
【図10】上記外乱オブザーバを示すブロック図であ
る。
【図11】前記ヨーレイト検出装置を構成するコンピュ
ータのROMに格納されている実半径テーブルの内容を
示すグラフである。
【図12】本発明の別の実施例における相関演算ルーチ
ンを示すフローチャートである。
【図13】本発明のさらに別の実施例における相関演算
ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1,5 角速度検出部 2,6 タイヤ圧検出部 3,7 実半径決定部 4,8 接地部周速度演算部 9 ヨーレイト演算部 10 ロータ 12 電磁ピックアップ 14 左自由転動輪 20 コンピュータ 24 ホイール 26 タイヤ 28 リム側部 30 ベルト側部 32 ねじりばね 47 コンピュータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の左右車輪の回転速度差に基づいて
    車両のヨーレイトを検出するヨーレイト検出装置であっ
    て、 前記左右車輪の各角速度を検出する角速度検出手段と、 前記左右車輪の各回転軸線と路面との距離である各実半
    径を検出する実半径検出手段と、 検出された左右車輪の各角速度と各実半径とからヨーレ
    イトを決定するヨーレイト決定手段とを含むことを特徴
    とする車両のヨーレイト検出装置。
JP19842993A 1993-08-10 1993-08-10 車両のヨーレイト検出装置 Pending JPH0755828A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100892360B1 (ko) * 2007-11-29 2009-04-08 현대자동차주식회사 티피엠에스를 이용한 요레이트 연산방법
KR20220161074A (ko) * 2021-05-28 2022-12-06 군산대학교산학협력단 타이어동하중반경을 반영한 차량 하중 측정 장치와 방법 및 타이어동하중반경 측정 방법

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