JPH10193933A - タイヤ空気圧推定装置 - Google Patents

タイヤ空気圧推定装置

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JPH10193933A
JPH10193933A JP336797A JP336797A JPH10193933A JP H10193933 A JPH10193933 A JP H10193933A JP 336797 A JP336797 A JP 336797A JP 336797 A JP336797 A JP 336797A JP H10193933 A JPH10193933 A JP H10193933A
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JP
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wheel
road surface
disturbance
speed
equation
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JP336797A
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English (en)
Inventor
Hideki Ohashi
秀樹 大橋
Masahiro Yonetani
正弘 米谷
Hiroyoshi Kojima
弘義 小島
Atsushi Tokumitsu
淳 徳満
Yukio Mori
雪生 森
Takeyasu Taguchi
健康 田口
Koji Umeno
孝治 梅野
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Denso Corp
Toyota Motor Corp
Toyota Central R&D Labs Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 片輪だけキャッツアイを踏んで走行する場
合、車輪速信号が影響を受けてタイヤ空気圧を誤推定す
るおそれがある。 【解決手段】 車両の左右輪夫々の車輪回転状態検出信
号に基づき左右輪の回転状態の変動成分を比較して左右
輪の路面状態に相違があるかどうかを判定する路面状態
判定手段と、左右輪の路面状態に相違があると判定され
たとき上記タイヤ空気圧推定手段のタイヤ空気圧の推定
を禁止する禁止手段とを有する。このため、片輪がキャ
ッツアイを踏んで走行する場合は路面状態が相違すると
判定されタイヤ空気圧の推定が禁止され、タイヤ空気圧
を誤って推定することが防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタイヤ空気圧推定装
置に関し、車輪回転状態の検出信号からタイヤ空気圧を
推定する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より車両の車輪速信号から共振周波
数の変化に基づいてタイヤ空気圧を推定する装置があ
る。例えば特開平6−122304号公報には、車両の
走行時にタイヤの振動周波数成分を含む信号を出力する
出力手段と、前記信号から共振周波数成分の信号を抽出
する抽出手段と、共振周波数成分の信号の信号レベルの
大きさを予め設定された値と比較して、共振周波数の演
算に用いる共振周波数成分の信号を選別する信号選別手
段と、選別された共振周波数成分の信号から共振周波数
を演算する演算手段と、共振周波数に基づいてタイヤの
空気圧の状態を検知する検知手段とよりなる装置が記載
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】道路には場所によって
対向車線の境界にライトを反射する所謂キャッツアイが
道路から突出して等間隔で埋め込まれている場合があ
る。車両がこのような道路を走行しているときに、片輪
だけ上記のキャッツアイを踏んで走行する場合、車両の
速度とキャッツアイの設けられた間隔とによっては、キ
ャッツアイを乗り越すことで生じた振動の周波数がタイ
ヤの共振周波数付近になる場合がある。
【0004】このような場合、キャッツアイを乗り越す
ことで生じた振動によって車輪速信号に影響を与え、タ
イヤの共振周波数を誤ってしまい、タイヤ空気圧を誤推
定するおそれがあるという問題があった。本発明は上記
の点に鑑みなされたもので、左右輪の回転状態の変動成
分を比較して左右輪の路面状態に相違があるかどうかを
判定し、相違があるときタイヤ空気圧の推定を禁止する
ことにより、タイヤ空気圧の推定を誤まることを防止
し、正確なタイヤ空気圧を推定できるタイヤ空気圧推定
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、車両の車輪の回転状態を検出する車輪回転状態検出
手段と、検出された車輪回転状態検出信号から車輪のタ
イヤ空気圧を推定するタイヤ空気圧推定手段とを有する
タイヤ空気圧推定装置において、車両の左右輪夫々の車
輪回転状態検出信号に基づき左右輪の回転状態の変動成
分を比較して左右輪の路面状態に相違があるかどうかを
判定する路面状態判定手段と、左右輪の路面状態に相違
があると判定されたとき上記タイヤ空気圧推定手段のタ
イヤ空気圧の推定を禁止する禁止手段とを有する。
【0006】このように、左右輪の回転状態の変動成分
から左右輪で路面状態が相違するか判定して相違がある
ときタイヤ空気圧の推定を禁止するため、片輪がキャッ
ツアイを踏んで走行する場合は路面状態が相違すると判
定されタイヤ空気圧の推定が禁止される。このため、タ
イヤ空気圧を誤って推定することが防止される。
【0007】
【発明の実施の形態】図2は本発明装置の一実施例のブ
ロック図を示す。図2において10はロータ、12は電
磁ピックアップである。ロータ10は図3に示す車輪1
4と共に回転するものであり、外周に多数の歯16を備
えている。電磁ピックアップ12はそれらの歯16の通
過に応じて周期的に変化する電圧を発生する。この電圧
は波形整形器18によって矩形波に整形され、コンピュ
ータ20のI/Oポート22に供給される。車輪14は
4個あり、それらに設けられている各電磁ピックアップ
12が全て波形整形器18を経てコンピュータ20に接
続されるが、図2には代表的に1組のみが図示されてい
る。
【0008】車輪14は図3に示すように、ホイール2
4の外周にタイヤ26が取り付けられたタイヤ付ホイー
ルであるが、図4に示すように、相対回転可能なリム側
部28とベルト側部30とがねじりばね32によって連
結されたものと考えることができる。上記ロータ10は
ホイール24と一体的に回転するように取り付けられる
ため、電磁ピックアップ12は厳密にはリム側部28の
角速度を検出することになる。
【0009】コンピュータ20は図2に示すように処理
装置としてのCPU40、第一記憶装置としてのROM
42および第二記憶装置としてのRAM44を備えてお
り、ROM42に図5および図6のフローチャートで表
される制御プログラムが格納されることによって、図1
に示すリム側部回転速度演算・補正部45を構成してい
る。このコンピュータ20は別のコンピュータ47と接
続されている。このコンピュータ47は処理装置として
のCPU48、第一記憶装置としてのROM49、第二
記憶装置としてのRAM50および入出力装置としての
I/Oポート51を備えており、ROM49に相関演算
ルーチンを始めとする種々の制御プログラムが格納され
ることによって、図1に示す外乱オブザーバ52、前処
理部54、相関演算部56、正規化部58、定数補正部
60、判定部62および車輪速度出力部64を構成して
いる。
【0010】コンピュータ47のI/Oポート51には
判定部62の判定結果を運転者に知らせる表示装置66
が接続されている。表示装置66は本実施例においては
液晶ディスプレイであるが、点灯あるいは点滅するラン
プ等別の表示装置を用いることも可能であり、音声で運
転者に知らせる音声報知装置などを含めて種々の形態の
報知装置を採用することが可能である。コンピュータ4
7のI/Oポート51にはさらに、ホイール24(リム
側部28)に加えられる駆動・制動トルクを、ホイール
24の軸に取り付けられた歪みゲージ等により検出する
駆動・制動トルク検出装置68が接続されている。
【0011】リム側部回転速度演算・補正部45は上記
4個の車輪14に対応する各電磁ピックアップ12およ
び波形整形器18から供給される信号に基づいて各車輪
14の回転速度を算出するとともに、ドップラ式車速検
出装置等の実車速検出装置70により検出された実車
速、すなわち車体の移動速度に基づいて、各車輪14の
回転速度を補正する。各車輪14およびロータ10には
製造、組立誤差が存在し、これら誤差等に起因して周期
的な回転速度誤差が発生するため、この各車輪14に固
有の固有回転速度誤差を除いた回転速度を求めるのであ
る。
【0012】なお、車輪14の回転速度は周速度で演算
されるが、そのためにはタイヤ26の実質的な半径(タ
イヤが荷重で変形した状態における路面から車輪14の
中心までの距離)が必要であり、これはタイヤ26の空
気圧によって変わる。よって、当初は空気圧が正規であ
る場合の半径が使用されるが、後に説明する処理によっ
てタイヤ26の空気圧変化が判明した場合は、予めRO
M42に格納されているタイヤ径テーブルからその空気
圧変化に対応したタイヤ半径が読み出されて使用され
る。
【0013】リム側部回転速度演算・補正部45の機能
は図5に示す固有回転速度変化取得ルーチンと図6に示
す回転速度演算・補正ルーチンとの実行により果たされ
る。固有回転速度変化取得ルーチンはロータ10および
車輪14の組立後少なくとも1回実行されるようにすれ
ばよい。車両の組立工場や整備工場で実行されてもよ
く、使用者による使用中に実行されてもよい。後者の場
合には、例えば、一定距離走行する毎、一定時間毎ある
いは予め定められた条件が満たされる毎に実行されるよ
うにすればよい。いずれにしても、加速も制動も行われ
ておらず、かつ、予め定められた範囲の速度で走行して
いる時期に行われるようにすることが望ましい。
【0014】固有回転速度変化取得ルーチンにおいて
は、ステップS1において初期設定が行われ、ステップ
S2において実車速Vが実車速検出装置70から読み込
まれる。続いて、ステップS3でロータ10の個々の歯
16に基づく車輪14の回転速度Vn が演算される。波
形整形回路18からの矩形波の各立上がり間または各立
下がり間の時間間隔、もしくは立上がりと立下がりとの
各中点間の時間間隔は、車輪14の回転速度と反比例す
るため、これらのいずれかの時間間隔から車輪14の回
転速度(厳密にはベルト側部30がリム側部28の角速
度ωR と同じ角速度で回転していると仮定した場合のベ
ルト側部30の周速度)が演算されるのである。なお、
ここでは理解を容易にするために、回転速度vn はロー
タ10の1個の歯16が電磁ピックアップ12を通過す
る毎に演算されるものとするが、歯16が通過する時間
間隔と演算に要する時間との関係等で、複数個の歯16
が通過する毎に回転速度vn が演算されるようにしても
よい。
【0015】回転速度vn が演算されたならば、ステッ
プS4において実車速Vとの差、すなわち速度偏差(V
−vn )が演算されるとともに、速度偏差の累積値が演
算され、その速度偏差累積値が順次RAM44の速度偏
差累積値メモリの別々の番地(nに対応して予め定めら
れている番地)の内容に加算されることにより更新され
る。これらの番地は車輪14の1回転で得られる速度偏
差累積値の数だけ準備される。ここでは歯16が1個通
過する毎に1個の速度偏差累積値が演算されるものとし
ているため、番地の数は歯16の数と同じである。な
お、ここに「累積値」は、ロータ10の同一回転中にお
ける、第1番目の歯(基準位置における歯)から第n番
目の歯までの速度偏差の合計値を意味し、 Σ(V−vn )=(V−v1 )+(V−v2 )+・・・
+(V−vn ) で表される。
【0016】ステップS5で整数nが1増加させられつ
つステップS3およびS4が繰り返し実行され、車輪1
4が1回転してステップS6の判定がNOになったと
き、ステップS7で整数nが1にリセットされるととも
に整数iが1増加させられ、ステップS8で整数iが基
準値Nより小さいか否かの判定が行われる。ステップS
8の判定がYESの場合にはステップS2で新しい実車
速Vが読み込まれ、再び1回転分の速度偏差累積値が演
算、記憶される。これによって得られる各速度偏差累積
値はそれぞれ速度偏差累積値メモリの各nに対応する番
地の内容に加算される。車輪14が1回転する毎に各番
地の速度偏差累積値が更新されるのであり、これによっ
て、速度偏差累積値メモリの各番地には車輪14の回転
回数に対応する数の速度偏差累積値の和が記憶されるこ
ととなる。なお、本実施例では、実車速Vは車輪14が
1回転する間には変化しないとみなして車輪14が1回
転する毎に新しい実車速Vが読み込まれるようになされ
ているが、ステップS6の判定がYESとなる毎にステ
ップS2〜S5が実行されるようにして、毎回実車速V
が読み込まれるようにしてもよい。
【0017】車輪14の予定回転回数N分の速度偏差累
積値の演算、更新が終了したならば、ステップS8の判
定がNOとなり、ステップS9で各番地の速度偏差累積
値の和がNで割られて速度偏差累積値の平均値Δvn
求められる。この平均速度偏差累積値Δvn は、固有回
転速度変化取得ルーチンの開始後にステップS3および
ステップS4が始めて実行されるときの車輪14の回転
位置を基準とする各回転位置の回転速度誤差の累積値で
ある。固有回転速度変化取得ルーチンが車両走行中度
々、あるいは継続的に実行される場合には、どこが基準
位置とされても後述の回転速度演算・補正ルーチンにお
いて回転速度の補正を行い得るため差し支えないが、車
輪14等の組立後1回のみ実行される場合、キースイッ
チがONにされた後1回のみ実行される場合等には、ロ
ータ10の特定の位置に基準マークを設け、これを検出
する検出器を位置固定に設けて、基準マークの位置を速
度偏差累積値の基準位置とすることが必要である。基準
マークを設ける場合には、速度偏差累積値の演算自体を
基準マークの位置から行ってもよく、任意の位置から行
い、後に基準マークの位置を基準とする速度偏差累積値
に換算してもよい。
【0018】上記Nは路面の影響をキャンセルするに十
分な大きさに設定されるべきものであり、本実施例にお
いては図7に示すように実車速Vが大きいほど大きい値
に設定される。S9では平均速度偏差累積値ΔVn がさ
らに実車速Vで割られて速度偏差累積値率Δvn /Vが
求められ、RAM44の速度偏差累積値率メモリに記憶
される。速度偏差累積値率Δvn /Vはロータ10、車
輪14等の製造、組立誤差に起因する各車輪14に固有
の回転速度誤差を表す値であり、図6の回転速度演算・
補正ルーチンにおいて車輪14の回転速度の補正に使用
される。
【0019】回転速度演算・補正ルーチンは車両の走行
中継続的に実行される。ここでは予め定められた一定の
サンプリング時間内における波形整形器18からの矩形
波の立上がりの時間間隔の平均から車輪16の回転速度
が演算されるものとする。まず、ステップS11におい
て、予め定められたサンプリング時間内における矩形波
の最初と最後の立上がりの時期とサンプリング時間内に
おける立上がりの回数とが検出されるとともに、最初と
最後との立上がりがそれぞれロータ10のどの歯16に
対応したものであるかのデータが読み込まれる。すなわ
ち、立上がりが生じる毎に割り込みルーチンにより、コ
ンピュータ20に内蔵のタイマから立上がりの時期が読
み込まれるとともに、サンプリング時間内における立上
がりの数がカウントされる。また、立上がりの数を常時
カウントし、ロータ10の基準位置においてリセットさ
れる別のカウンタも設けられており、このカウンタのカ
ウント値も読み込まれる。このカウンタのカウント値が
各立上がりがロータ10のどの歯16の通過により生じ
たものであるかを示すのである。
【0020】続いて、ステップS12において、サンプ
リング時間内における車輪14の平均回転速度が演算さ
れる。サンプリング時間内における全ての立上がり間の
平均時間間隔が演算され、それから回転速度vが演算さ
れるのである。その後、ステップS13で回転速度vの
補正が行われる。ステップS11において読み込まれた
最初と最後との立上がりがロータ10のどの歯16に対
応したものであるかのデータに基づいて、速度偏差累積
値率メモリから、それら最初と最後との立上がりに対応
する歯16の速度偏差累積値率Δvn1/V,Δvn2/V
が読み出され、次式 v=(1+(Δvn1−Δvn2)/2V)v ・・・(1) により回転速度vが補正されるのであり、両速度偏差累
積値率Δvn1/V,Δv n2/Vの差の1/2に回転速度
vを掛けた量だけ回転速度vが補正されることとなる。
【0021】図1に示す外乱オブザーバ52、車輪速度
出力部64等においては、この補正後の回転速度vが使
用される。ただし、外乱オブザーバ52においては、回
転速度として角速度が使用されるため、図6のステップ
S13では補正後の回転速度vからタイヤ半径Rを考慮
してリム側部28の角速度ωR が演算され、RAM44
の角速度メモリに格納される。
【0022】外乱オブザーバ52は、車輪14の図4に
示すモデルに基づいて構成されている。以下、この外乱
オブザーバ52の構成について説明する。車輪14を、
慣性モーメントJR のリム側部28と慣性モーメントJ
B のベルト側部30とがばね定数Kのねじりばね32に
より接続されたものとしてモデル化すれば、(2)〜
(4)の状態方程式が成立し、これによって線形システ
ムが構成される。
【0023】 JR ωR ′=−KθRB+T1 ・・・(2) JB ωB ′= KθRB−Td ・・・(3) θRB′=ωR −ωB ・・・(4) ただし、 ωR :リム側部28の角速度 ωR ′:リム側部28の角加速度 ωB :ベルト側部30の角速度 ωB ′:ベルト側部30の角加速度 θRB :リム側部28とベルト側部30とのねじり角 T1 :駆動・制動トルク検出装置68により検出され
る駆動・制動トルク Td :路面からのトルク(路面の段差等によって突発
的に発生するころがり抵抗力や路面の凹凸によって定常
的に発生するころがり抵抗力による外乱トルク) なお、実際にはリム側部28とベルト側部30との間に
はダンパが存在するが、その影響は比較的小さいため、
本実施例においてはその存在が無視されている。ダンパ
をも考慮する実施例については後に説明する。
【0024】上記状態方程式をベクトルおよび行列を用
いて表せば(5)式となる。
【0025】
【数1】
【0026】ここで、タイヤ26の空気圧が変化し、ね
じりばね32のばね定数がKからK+ΔKに変化したと
きの車輪14の運動は(6)式で表される。
【0027】
【数2】
【0028】すなわち、ばね定数KがΔKだけ変化する
ことは正常なタイヤ26に(6)式の右辺の最終項で表
される外乱が加えられるのと等価である。この外乱には
ばね定数Kの変化量ΔKの情報が含まれており、かつ、
ばね定数Kはタイヤ26の空気圧に応じて変化するの
で、この外乱を推定することによってタイヤの空気圧の
変化量を推定することができる。この外乱の推定に外乱
オブザーバの手法を用いるのであり、いま路面からのト
ルクTd をも外乱として扱うことにすれば、推定すべき
外乱wは(7)式で表される。
【0029】
【数3】
【0030】しかし、理論上、外乱[w]の中の一つの
要素しか推定することができないため、第2要素である
2 を推定することとする。外乱w2 を(8)式で定義
すれば、車輪14の状態方程式は(9)式のようになる
ため、この(9)式に基づいて外乱オブザーバを構成す
る。
【0031】 w2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRB ・・・(8)
【0032】
【数4】
【0033】外乱オブザーバは外乱をシステムの状態変
数の一つとして推定するものである。そこで、(8)式
の外乱w2 をシステムの状態に含めるために、推定すべ
き外乱のダイナミクスを(10)式で近似する。 w2 ′=0 ・・・(10) これは図8に示すように連続して変化する外乱を階段状
に近似(零次近似)することを意味し、外乱オブザーバ
52の外乱推定速度を推定すべき外乱の変化に比べて十
分速くすれば、この近似は十分に許容される。(10)
式より、外乱w2をシステムの状態に含めると(11)
式の拡張系が構成される。
【0034】
【数5】
【0035】(11)式において、[ωB θRB
2 T が検出することができない状態となる。したが
って、このシステムに基づいて外乱オブザーバ52を構
成すれば、外乱w2 と元々測定できない状態変数ωB
θRBとを推定することができる。記述を簡単にするため
に、(11)式のベクトルおよび行列を分解して次のよ
うに表すこととする。
【0036】
【数6】
【0037】このとき、状態[z]=[ωB θRB
2 T を推定する最小次元オブザーバの構成は(12)
式で表される。 [zp ′]=[A21][xa ]+[A22][zp ]+[B2 ][u]+[G]{ [xa ′]−([A11][xa ]+[A12][zp ]+[B1 ][u])}=( [A21]−[G][A11])[xa ]+([A22]−[G][A12])[zp ] +[G][xa ′]+([B2 ]−[G][B1 ])[u]・・・(12) ただし、 [zp ] :[z]の推定値 [zp ′]:推定値[zp ]の変化率 [G] :外乱オブザーバー52の推定速度を決める
ゲイン この方程式をブロック線図で表わすと図9のようにな
る。なお、図において[I]は単位行列、sはラプラス
演算子である。また、真値[z]と推定値[zp ]との
誤差[e]を[e]=[z]−[zp ]とおき、誤差
[e]の変化率を[e′]とすると、(13)式の関係
を得る。
【0038】 [e′]=([A22]−[G][A12])[e] ・・・(13) これは外乱オブザーバ52の推定特性を表しており、行
列([A22]−[G][A12])の固有値がすなわち外
乱オブザーバ52の極となる。したがって、この固有値
がs平面の左半面において原点から離れるほど外乱オブ
ザーバー52の推定速度が速くなる。オブザーバゲイン
[G]は希望の推定速度になるように決定すればよい。
【0039】以上は、外乱w2 が前記(8)式、すなわ
ちw2 =(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRBで表
されるものとして、外乱オブザーバ52のうち、ねじり
ばね32のばね定数KがΔK変化した場合の外乱w2
推定する部分の構成を説明したが、外乱オブザーバ52
の、ベルト側部30の慣性モーメントJB がJB +ΔJ
B に変化した場合、ならびにリム側部28の慣性モーメ
ントJR がJR +ΔJ R に変化した場合の外乱をそれぞ
れ推定する部分も同様にして構成することができる。
【0040】まず、ベルト側部30の慣性モーメントJ
B がJB +ΔJB に変化した場合について説明する。こ
の場合には車輪14の運動は(14)式で表される。
【0041】
【数7】
【0042】推定すべき外乱は(14)式の右辺の最終
項の第2要素であるので、外乱w2を(15)式で定義
すれば、(16)式で表される状態方程式から前記(1
1)式で表される拡張系を得、外乱オブザーバ52の、
ベルト側部30の慣性モーメントJB が変化した場合の
外乱を推定する部分を構成することができる。
【0043】 w2 =(−1/JB )Td −(ΔJB /JB )ωB ′・・・(15)
【0044】
【数8】
【0045】次にリム側部28の慣性モーメントJR
R +ΔJR に変化した場合について説明する。なお、
通常はリム側部28の慣性モーメントJR が変化するこ
とはないが、ホイール24が交換されることがあり、そ
のためにリム側部28の慣性モーメントJR が変わった
にもかかわらず、慣性モーメントJR をそれまでの通り
の値にして外乱の推定を行えば大きな誤差が生じるおそ
れがあるために、本実施例においては慣性モーメントJ
R の変化に起因する外乱も推定されるようにされている
のである。慣性モーメントJR がJR +ΔJR に変化し
た場合の車輪14の運動は(17)式で表される。
【0046】
【数9】
【0047】推定すべき外乱は(17)式の右辺の最終
項の第1要素であるので、外乱w1を次の(18)式で
定義すれば、(19)式で表される状態方程式から(2
0)式で表される拡張系を得、外乱オブザーバ52の、
リム側部27の慣性モーメントJR が変化した場合の外
乱を推定する部分を構成することができる。
【0048】 w1 =−(ΔJR /JR )ωR ′ ・・・(18)
【0049】
【数10】
【0050】以上のように構成された外乱オブザーバ5
2においては、リム側部回転速度演算・補正部45にお
いて演算、補正された車輪14の回転速度vからタイヤ
半径Rを考慮して演算された角速度ωR を入力として、
ねじりばね32のばね定数KがΔK変化した場合の
(8)式で表される外乱w2 、ベルト側部30の慣性モ
ーメントJB がΔJB 変化した場合の(15)式で表さ
れる外乱w2 、およびリム側部28の慣性モーメントJ
R がΔJR 変化した場合の(18)式で表される外乱w
1 が推定され、外乱推定値w2p,w2p1pが取得され
るが、それら外乱と共に、検出が不可能であるベルト側
部30の角速度ωB 、リム側部一ベルト側部間のねじり
角θRBも推定され、それぞれ推定値ωBp,θRBp が取得
される。
【0051】前処理部54は、相関演算部56における
演算の前処理を行う部分である。検出されたリム側部2
8の角速度ωR と外乱オブザーバ52において推定され
ベルト側部30の角速度推定値ωBpとから角加速度
ωR ′と角加速度推定値ωBp′とが求められるのであ
る。そして、上記ωR ,ωBp,ωR ′,ωBp′夫々につ
いてフィルタリングを行い、タイヤ振動の共振周波数付
近の周波数帯域(例えば周波数20Hz〜50Hz)の
成分だけを取り出す。
【0052】上記外乱w2p,w2p,w1p,角速度ωR
ωBp,角加速度ωR ′,ωBp′、ねじり角θRBp 等を用
いて相関演算部56において相関演算が行われ、正規化
部58で正規化が行われて、ねじりばね32のばね定数
Kの変化、リム側部28の慣性モーメントJR の変化、
ベルト側部30の慣性モーメントJB の変化等が求めら
れる。
【0053】まず、ねじりばね32のばね定数Kの変化
の取得について説明する。相関演算部56において、図
10のフローチャートで表されるばね定数変化取得用相
関演算ルーチンが実行される。ステップS21の初期設
定において、整数iが1にリセットされ、前記(8)式
で表される外乱w2 の推定値w2pとねじり角推定値θ
RBp との相互相関C(w2p,θRBp )とねじり角推定値
θRBp の自己相関C(θ RBp ,θRBp )とが0にリセッ
トされる。RAM50の相互相関メモリおよび自己相関
メモリの内容が0にされるのである。
【0054】続いて、ステップS22で現時点の外乱推
定値w2p(i) およびねじり角推定値θRBp(i)が読み込ま
れ、ステップS23で外乱推定値w2p(i) とねじり角推
定値θRBp(i)との積が演算され、相互相関C(w2p,θ
RBp )に加算される。ただし、最初にステップS23が
実行される際には相互相関C(w2p,θRBp )が0であ
るため、相互相関メモリに外乱推定値w2p(i) とねじり
角推定値θRBp(i)との積が格納されるのみである。同様
にステップS24でねじり角推定値θRBp(i)の二乗が演
算され、自己相関メモリの自己相関C(θRBp
θRBp )に加算される。
【0055】ステップS25において整数iが予め定め
られた整数M以上になったか否かが判定されるが、当初
は判定がNOであるため、ステップS26で整数iが1
増加させられ、再びステップS22〜S24が実行され
る。この実行がM回繰り返されたときステップS25の
判定がYESとなり、ばね定数変化取得用相関演算ルー
チンの1回の実行が終了する。
【0056】リム側部28の慣性モーメントJR の変化
及びベルト側部30の慣性モーメントJB の変化につい
ても同様の処理が行われる。リム側部28の慣性モーメ
ントJR の変化については図11のフローチャートで表
わされる慣性モーメントJR変化取得用相関演算ルーチ
ンの実行により、(18)で表わされる外乱w1 の推定
値w1pとリム側部28の角加速度ωR ′とから相互相関
C(w1p,ωR ′)、自己相関C(ωR ′,ωR ′)が
取得される。ベルト側部30の慣性モーメントJB の変
化については、図12のフローチャートで表わされる慣
性モーメントJ B 変化取得用相関演算ルーチンの実行に
より、(15)式で表わされる外乱w2の推定値w2p
ベルト側部30の角加速度推定値ωBp′とから相互相関
C(w2p′,ωBp′)、自己相関C(ωBp′,ωBp′)
が取得される。
【0057】なお、本実施例においては図10〜図12
のフローチャートで表される相関演算がそれぞれ1回ず
つ順次実行されるが、並行して行われるようにしてもよ
い。例えば、整数M,P,Qを等しくし、図10のフロ
ーチャートにおけるステップS21、図11のフローチ
ャートにおけるS31、および図11のフローチャート
におけるステップS41が順次実行され、次にステップ
S22,S32,S42が順次行われるというように、
図10〜図12の互いに対応するステップがそれぞれ並
行して行われるようにするのである。
【0058】路面状態判定部55は前処理部54の出力
する左右輪夫々のリム側部28の角速度ωR (左前輪の
角速度をωRL、右前輪の角速度をωRRと表わす)を供給
されて、図13のフローチャートで表わされる路面状態
判定ルーチンを実行する。ステップS47では次式によ
り右輪の自乗積和GR及び左輪の自乗積和GLを演算す
る。
【0059】GR=ΣωRL 2 GL=ΣωRR 2 次にステップS48で右輪の自乗積和GRが左輪の自乗
積和GLのN倍を越えるか、又は左輪の自乗積和GLが
右輪の自乗積和GRのN倍を越えるかどうかを判定され
る。ここでNは例えば8又は10倍程度の定数である。
【0060】ステップS48でGR>N・GL又はGL
>N・GRの場合は左右輪の自乗積和GL,GRの差が
大きく、例えばキャッツアイを踏んで走行中である、又
はそれに類する左右輪で路面状態が相違する状態(路面
異常)であるとみなし、ステップS49で路面異常判定
を行う。一方、ステップS48でGR≦N・GLかつG
L≦N・GRの場合は左右輪の自乗積和GL,GRの差
が小さいため左右輪で路面状態に相違がない状態(路面
正常)であるとみなし、ステップS50で路面正常判定
を行う。この路面判定結果は正規化部58に通知され
る。
【0061】ところで、図14(A),(B)は右前輪
(FR)、左前輪(FL)夫々のリム側部28の角速度
ωR の周波数スペクトラムを示す。ここでは左前輪だけ
がキャッツアイ等を踏んで走行しているため、図14
(A)の周波数30Hz〜38Hzの帯域にキャッツア
イを踏むことで発生したノイズNSが現われている。こ
のような場合、路面状態判定部55は路面異常判定を行
う。
【0062】正規化部58は路面状態判定部55から正
常判定が通知されると、相関演算部56から供給される
相互相関及び自互相関から(21)式を用いてLk 値を
求め、また(23)式を用いてLJR値を求め、また(2
5)式を用いてLJB値を求める。
【0063】 Lk =C(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp )・・・(21) このLk 値は前記(8)式に基づき、(22)式で表わ
される。 Lk =(1−1/Jb )C0 +ΔK/JB ・・・(22) LJR=C(w1p,ωR ′)/C(ωR ′,ωR ′)・・・(23) このLJR値は前記(18)式に基づき、(24)式で表
わされる。
【0064】 LJR=−ΔJR /JR ・・・(24) LJB=C(w2p,ωBp′)/C(ωBP′,ωBP′)・・・(25) このLJB値は前記(15)式に基づき、(26)式で表
わされる。 LJB=(−1/JB )C1 −ΔJB /JB ・・・(26) 但し、C1 はC(Tdp,ωBp′)/C(ωBp′,
ωBp′)を意味する。
【0065】定数補正部60においては、以上のように
して取得され、各L値メモリに格納されているLk =C
(w2p,θRBp )/C(θRBp ,θRBp ),LJR=C
(w1p,ωR ′)/C(ωR ′,ωR ′),LJB=C
(w2p,ωBp′)/C(ωBp′,ωBp′)に基づいてね
じりばね32のばね定数K,リム側部28の慣性モーメ
ントJR およびベルト側部30の慣性モーメントJB
補正が行われる。Lk ,L JR,LJBは前述のようにそれ
ぞれ Lk =(−1/JB )C0 +ΔK/JBJR=−ΔJR /JRJB=(−1/JB )C1 −ΔJB /JB で表されるため、予めLk とΔK,LJRとΔJR ,LJB
とΔJB の関係がそれぞればね定数変化テーブル、慣性
モーメントJR 変化テーブル、慣性モーメントJ B 変化
テーブルとしてROM49に格納されており、これらの
テーブルに基づいてばね定数変量ΔK,慣性モーメント
変化量ΔJR および慣性モーメント変化量ΔJB が求め
られ、これらの変化量だけ外乱オブザーバー52のばね
定数K、慣性モーメントJR および慣性モーメントJB
が補正されるのである。
【0066】キースイッチがONにされて後始めて外乱
オブザーバ52が作動させられる際にはばね定数K、慣
性モーメントJR および慣性モーメントJB として正規
の値が使用されるが、一旦補正が行われれば、ばね定数
K、慣性モーメントJR および慣性モーメントJB とし
て補正後の値が使用される。したがって、その状態で得
られたばね定数変化量ΔK、慣性モーメント変化量ΔJ
R および慣性モーメント変化量ΔJB は補正後の値から
の補正量となる。しかるに、判定部62においては正規
の値からの変化量が必要であるため、キースイッチがO
Nにされたとき、ばね定数補正値メモリ、慣性モーメン
トJR 補正値メモリおよび慣性モーメントJB 補正値メ
モリがクリアされ、定数補正部60において補正が行わ
れる毎に補正値ΔK,ΔJR およびΔJB がそれぞれの
メモリの内容に加算される。
【0067】判定部62においては、ばね定数補正値メ
モリに記憶されている補正値ΔKがROM49に格納さ
れている基準値ΔK0 と比較される。補正値ΔKが負の
値である基準値ΔK0 より小さい場合にはタイヤ26の
空気圧が異常に低いと判定されて、表示装置66により
運転者に知らされる。なお、補正値ΔKと空気圧変化量
ΔPとの関係が空気圧変化テーブルとして予めROM4
9に格納されており、その関係に従って今回の補正値Δ
Kに対応する空気圧変化量ΔPが取得される。同様に、
慣性モーメントJB 補正値メモリに記憶されている補正
値ΔJB が正の値である基準値ΔJB0より大きいか否か
が判定され、判定がYESであれば、タイヤ26が異物
をかみ込んだことが表示装置66により運転者に知らさ
れる。また、補正値ΔJB が基準値−ΔJB0より小さい
か否かが判定され、判定がYESであれば、タイヤ26
の摩耗が許容限度に達して交換が必要であることが表示
装置66により運転者に知らされる。そして、上記2つ
の判定の結果がいずれもNOであった場合には、タイヤ
26の慣性モーメントJB に大きな変化はないと判定さ
れ、運転者に対する報知は行われない。
【0068】車輪速度出力部64においては、リム側部
回転速度演算・補正部45から供給される回転速度vが
外乱オブザーバ52により推定された外乱に基づいて補
正された上で出力される。前述のように、外乱オブザー
バ52の(11)式に基づいて構成される部分によって
推定される外乱w2pは、(8)式に示すように、w2p
(−1/JB )Td +(ΔK/JB )θRBで表される
が、この式の右辺の第2項は定数補正部62において前
述のように継続的に補正され、かつ、急激に変化するも
のではないため、第1項に比較して無視できるほど小さ
い。したがって、車輪速度出力部64においては、外乱
オブザーバ52の(11)式に基づいて構成される部分
によって推定される外乱w2pが(−1/JB )Td であ
るとみなして車輪速度vの補正が行われる。
【0069】具体的には、外乱w2p=(−1/JB )T
d に−JB を掛けて外乱トルクTdが求められ、(2
7)式でその外乱トルクTd にのみ起因するリム側部2
8の角速度推定値ωRpが求められる。 ωRp(s)={[D](s[I]−[E])1[F]}Td (s)・・・(27) ただし、[I]:単位行列 s :ラプラス演算子 ωRp(s):角速度推定値ωRpをラプラス変換した相 Td (s):外乱トルクTd をラプラス変換した値 また、[D],[E],[F]はそれぞれ次式で表され
るベクトルおよび行列である。
【0070】
【数11】
【0071】上記角速度推定値ωRpは、車輪14の回転
速度の乱れの、路面から車輪14に加えられる外乱によ
る成分であるから、この角速度推定値ωRpを車輪14の
周速度に換算した値だけ、リム側部回転速度演算・補正
部45から供給される回転速度vが補正され、路面から
の外乱に起因する回転速度のノイズが除去される。
【0072】以上の説明から明らかなように、ロータ1
0、電磁ピックアップ12、波形整形器18、リム側部
回転速度演算・補正部45によって車輪の回転状態とし
ての回転速度を検出する回転状態検出手段が構成されて
いる。また路面状態判定部55が路面状態判定手段及び
禁止手段を構成している。更に、外乱オブザーバ52、
相関演算部56、正規化部58、定数補正部60、判定
部62によってタイヤ空気圧推定手段が構成されてい
る。
【0073】なお、上記実施例では車輪の周速度を補正
するものであるが、車輪の周速度の代りに車輪の角速度
を補正するものであっても良い。また、本実施例では駆
動・制動トルク検出装置68を設けなくてもタイヤ空気
圧を推定でき、上記実施例に限定されない。
【0074】
【発明の効果】上述の如く、請求項1に記載の発明は、
車両の車輪の回転状態を検出する車輪回転状態検出手段
と、検出された車輪回転状態検出信号から車輪のタイヤ
空気圧を推定するタイヤ空気圧推定手段とを有するタイ
ヤ空気圧推定装置において、車両の左右輪夫々の車輪回
転状態検出信号に基づき左右輪の回転状態の変動成分を
比較して左右輪の路面状態に相違があるかどうかを判定
する路面状態判定手段と、左右輪の路面状態に相違があ
ると判定されたとき上記タイヤ空気圧推定手段のタイヤ
空気圧の推定を禁止する禁止手段とを有する。
【0075】このように、左右輪の回転状態の変動成分
から左右輪で路面状態が相違するか判定して相違がある
ときタイヤ空気圧の推定を禁止するため、片輪がキャッ
ツアイを踏んで走行する場合は路面状態が相違すると判
定されタイヤ空気圧の推定が禁止される。このため、タ
イヤ空気圧を誤って推定することが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の機能ブロック図である。
【図2】本発明装置の構成ブロック図である。
【図3】車輪の一部を示す断面図である。
【図4】車輪の力学モデルを示す図である。
【図5】制御プログラムを示すフローチャートである。
【図6】制御プログラムを示すフローチャートである。
【図7】速度偏差累積値の検出回数Nと実車速Vとの関
係を示す図である。
【図8】外乱のダイナミクスの近似を説明するためのグ
ラフである。
【図9】外乱オブザーバーを示すブロック線図である。
【図10】制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図11】制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図12】制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図13】制御プログラムを示すフローチャートであ
る。
【図14】本発明を説明するための図である。
【符号の説明】
10 ロータ 12 電磁ピックアップ 14 車輪(タイヤ付ホイール) 20,47 コンピュータ 24 ホイール 26 タイヤ 28 リム側部 30 ベルト側部 32 ねじりばね 52 外乱オブザーバ 54 前処理部 55 路面状態判定部 56 相関演算部 58 正規化部 60 定数補正部 62 判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000003609 株式会社豊田中央研究所 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 (72)発明者 大橋 秀樹 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 米谷 正弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 小島 弘義 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 徳満 淳 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 森 雪生 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内 (72)発明者 田口 健康 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 梅野 孝治 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の車輪の回転状態を検出する車輪回
    転状態検出手段と、 検出された車輪回転状態検出信号から車輪のタイヤ空気
    圧を推定するタイヤ空気圧推定手段とを有するタイヤ空
    気圧推定装置において、 車両の左右輪夫々の車輪回転状態検出信号に基づき左右
    輪の回転状態の変動成分を比較して左右輪の路面状態に
    相違があるかどうかを判定する路面状態判定手段と、 左右輪の路面状態に相違があると判定されたとき上記タ
    イヤ空気圧推定手段のタイヤ空気圧の推定を禁止する禁
    止手段とを有することを特徴とするタイヤ空気圧推定装
    置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6768418B2 (en) 2001-02-08 2004-07-27 Denso Corporation Tire air pressure detection device for detecting air pressure based on vehicle speed signal
US6940399B2 (en) 2001-02-08 2005-09-06 Nippon Soken Inc. Tire air pressure detection device for detecting air pressure based on vehicle speed signal
KR101683729B1 (ko) * 2015-06-30 2016-12-07 현대오트론 주식회사 노면을 고려한 타이어 압력 모니터링 장치 및 그 방법

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6768418B2 (en) 2001-02-08 2004-07-27 Denso Corporation Tire air pressure detection device for detecting air pressure based on vehicle speed signal
US6940399B2 (en) 2001-02-08 2005-09-06 Nippon Soken Inc. Tire air pressure detection device for detecting air pressure based on vehicle speed signal
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