JPH06297923A - タイヤ空気圧検知装置 - Google Patents

タイヤ空気圧検知装置

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JPH06297923A
JPH06297923A JP11389793A JP11389793A JPH06297923A JP H06297923 A JPH06297923 A JP H06297923A JP 11389793 A JP11389793 A JP 11389793A JP 11389793 A JP11389793 A JP 11389793A JP H06297923 A JPH06297923 A JP H06297923A
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祐一 井上
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健治 冨板
Shiyuusaku Fujimoto
周策 藤本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 検出原理の異なる空気圧の判定手段を併用す
ることで、ユーザによるタイヤの変更や経年変化を含め
たあらゆる走行状態に対応することができると共に、高
い検出精度を維持することができ、信頼性も高く、誤学
習の可能性やユーザの負担もないタイヤ空気圧検知装置
を提供する。 【構成】 共振周波数に基づく空気圧の判定結果と複数
のタイヤの回転速度成分の比較による空気圧の判定結果
に基づき、路面状態を含めた車両の走行状態によりいづ
れかの判定結果を選択、或いは重み付けを行って判断し
て空気圧を検知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のタイヤの空気圧
の減圧を検知するタイヤ空気圧検知装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、減圧警報装置はタイヤの特性、た
とえば内圧または温度を計測し、そして信号を車体へ転
送していた。転送はハブに設けられたスリップリングを
とおして電気信号または無線により行われていた。この
ようなシステムは高価でありそして非常に信頼性が悪
く、とりわけ車両にとって悪条件、まれなばあいにはタ
イヤがパンクするなどの条件のときは、信頼性が悪い。
【0003】理論的には、タイヤとりわけブレーカ付の
タイヤは一定の決まった円周のトレッドを有しており、
このトレッドは各ホイール上で、関係車体に関して道路
上での車両速度と同じ速度で走行している。決まった長
さの円周は、地面と接触する部分の減圧にもかかわら
ず、各ホイールが同じ角速度で回転することを意味して
いる。しかしながら、タイヤに圧力損失が生じた場合
は、ラジアルタイヤは増加した角速度で回転することが
見出された(特開昭63−305011号公報)。そし
て、タイヤの空気圧の減圧を検知する装置としてタイヤ
の回転速度の変化を利用した車両の減圧タイヤの検出法
が提案されている。
【0004】このような解決方法は、可変磁気リラクタ
ンス検知器のような、優れた信頼性を持ち、車輪のアン
チロッキング装置を具備した車両で既に広く利用されて
いる速度検知器を使用することを可能にすることができ
るので魅力的である。このような装置を既に備えている
車両においては、この解決方法はそのうえ特に経済的で
ある。このときには、それを実施するために、アンチロ
ッキング装置の計算機の中に植え込まれる補足の論理手
段と前に述べた警報手段しか必要としないからである。
【0005】それに反して、この解決方法は、タイヤ
(例えばラジアル・ケーシング・プライ付きの)空気抜
けによって誘起される転がり半径(したがって角速度)
の変化が車両の動力学のいくつかの現象によってそれら
のタイヤに通常誘起される変化に較べて1桁少ないこと
に起因する主要な困難を克服しなければならない。この
ような変化は例えば車両の制動または加速、車輪の方向
変換、車両の昇り坂または下り坂、凹凸またはカーブし
た道路での運転の結果生じる。そのようにして、通常の
充填圧力に対する0.2barの空気抜けに起因する角
速度の相対的な変化は0.1%のオーダであり、他方、
低速であっても、例えば、30mの曲率半径のカーブで
の車両の通過に起因する相対的な変化は約5%であるこ
とを測定することができた。
【0006】特開平4−232107号公報において
は、前記特開昭63−305011号公報による非自乗
の角速度の値に起因する誤差を乗り越えることを可能に
するため、角速度の自乗値の差を使用することが提案さ
れた。しかしながら、角速度の自乗値の差を使用する場
合でも検出対象であるタイヤ半径は、摩耗等による個体
差があったり、旋回、制動、発進等の走行状態の影響を
受けやすい。さらに、近年普及が著しいラジアルタイヤ
は、タイヤ空気圧の変化によるタイヤ半径の変形量が小
さい(例えば、タイヤの空気圧が1kg/cm2低下し
たとき、タイヤ半径の変形量は約1mmである)。この
ような理由から、タイヤ半径の変形量からタイヤ空気圧
の変化を間接的に検知する方式は、検知精度が充分に確
保できないという問題がある。
【0007】特願平3−294622号において、本出
願人は車両の走行時にタイヤの振動周波数成分を含む信
号を出力する出力手段と、前記タイヤの振動周波数成分
を含む信号から共振周波数を抽出する抽出手段と、前記
共振周波数に基づいて、前記タイヤの空気圧の状態を検
知する検知手段とを備えるタイヤ空気圧検知装置を提案
した。上記構成により、タイヤの振動周波数成分を含む
信号から共振周波数を抽出し、この抽出された共振周波
数に基づいて、タイヤの空気圧の状態が検知される。
【0008】ここで、タイヤの空気圧が変化すると、そ
れによってタイヤのばね定数も変化する。このタイヤの
ばね定数の変化により、タイヤの振動周波数成分におけ
る共振周波数が変化するので、抽出した共振周波数に基
づき、タイヤの空気圧の状態を検知することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、共振周
波数を検出する技術ではタイヤの共振が発生するような
路面入力が存在しない例えば非常に整備されたフラット
な路面では共振信号のゲインが小さすぎて検出結果の信
頼性が低下することが考えられる。従来の各検出方法に
はその検出原理上、各種走行状態における検出性能に優
劣が存在する。これら検出方法はその検出精度向上の為
の補正係数を別途用意しているが、ユーザによるタイヤ
の変更や経年変化を含めたあらゆる走行状態に対応する
ことは非常に困難であるなど解決すべき課題があった。
【0010】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、上述のような検出原理の異なる空気圧
の判定手段を併用することで、上記のような問題点に対
応しタイヤ空気圧検知装置の全体としての検出精度を総
合的に向上させることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するための具体的手段として、複数のタイヤの回転速
度成分を含む信号を検出するタイヤ回転速度検出手段
と、前記タイヤ回転速度信号から共振周波数を検出し、
このタイヤ共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の状態を
判定する第1の判定手段と、前記タイヤ回転速度信号を
比較し、その比較結果からタイヤ空気圧の状態を判定す
る第2のタイヤ空気圧判定手段と、車両の走行状態を検
出し、走行状態検出信号を出力する車両走行状態検出手
段と、その車両走行状態により前記第1及び第2のタイ
ヤ空気圧判定手段の判定値を切り換えて出力する切換出
力手段と、を具備することを特徴とするタイヤ空気圧検
知装置が提供される。
【0012】
【作用】上記したタイヤ空気圧検知装置によれば、公知
であるタイヤの回転数の変化を利用したタイヤ空気圧検
知装置及びタイヤの共振周波数の変化を利用したタイヤ
空気圧検知装置において、共振周波数の変化を検出する
検知装置では振動の発生しにくい均一な路面では検出精
度が低下するが、タイヤ回転数はこのような路面では比
較的安定しており、その検出能力を最大限発揮できる。
また、車両が曲線走行をする場合には旋回半径の差以外
に、荷重の移動や前後又は横方向へのGがかかるなどの
複雑な要因が絡みタイヤ回転数に影響を及ぼす。これに
対し、タイヤの共振周波数は車両が曲線走行する場合に
は旋回半径の差に起因する速度差の影響を受けず、荷重
移動や加減速による共振周波数の変動も比較的小さいこ
とから直進走行時と変わらない検出精度を維持できる。
従って、これら路面状態を含めた車両の走行状態により
各検知装置を切り換えて出力することであらゆる走行状
態に対応させることができる。
【0013】
【実施例】本発明のタイヤ空気圧検知装置の第1実施例
を添付図面を参照して説明する。図1はタイヤ空気圧検
知装置の全体の構成を示す構成図である。車両の各タイ
ヤ1a〜1dに対応してタイヤの回転速度センサが設けら
れている。各タイヤの回転速度センサは歯車2a〜2d及
びピックアップコイル3a〜3dによって構成されてい
る。前記歯車2a〜2dは各タイヤ1a〜1dの回転軸に取
り付けられており円盤状の磁性体によりなる。ピックア
ップコイル3a〜3dはこれらの歯車2a〜2dの近傍に所
定の間隔をおいて取り付けられ、歯車2a〜2dすなわち
タイヤ1a〜1dの回転速度に応じた周期を有する交流信
号を出力する。ピックアップコイル3a〜3dから出力さ
れる交流信号は波形整形回路、ROM、RAMなどより
なる公知の電子制御装置(ECU)4に入力され、波形
整形を含む所定の信号処理が行われる。この信号処理の
結果は表示部5に入力され、表示部5は各タイヤ1a〜
1dの空気圧の状態を独立に表示しても良いし、一つの
警告ランプを設けていずれか一つのタイヤ空気圧が基準
空気圧よりも低下したときに点灯させて、それを警告す
るようにしても良い。
【0014】上記構成によるタイヤ空気圧検知装置の作
動の概略について、まず図2のメイン処理を表すフロー
チャートに基づいて説明する。なおECU4は各タイヤ
1a〜1dについてステップ010、050、080、1
50〜170までの処理は4輪個別に行われ、他のステ
ップは4輪について一回だけ処理される。まずステップ
000でRAMの初期化及び初期値をセットする。ステ
ップ010ではピックアップコイル3から出力された交
流信号を波形整形してパルス信号とした後に、そのパル
ス間隔をその間の時間で除算することによりタイヤ回転
速度Vを演算する。このタイヤ回転速度Vは、通常、タ
イヤの振動周波数成分を含む多くの高周波成分を含んで
いる。ステップ020では演算された各タイヤの回転速
度Va〜Vdの値から平均速度VAVEを計算する。ステッ
プ030ではタイヤの回転速度演算の回数をカウントす
るカウンタがカウントアップされる。尚、N1はタイヤ
回転速度演算開始判定用、N2は共振周波数演算用のカ
ウンタである。ステップ040ではカウンタN1の値が
タイヤ回転速度を演算するための積算回数n1に到達し
たか否かを判定し、到達した場合にはステップ050の
後述するタイヤ回転速度による空気圧の検出処理200
が行われる。また積算回数がn1に達していない場合に
はステップ055に進み各タイヤ毎の積算速度及び平均
速度の積算値を順次計算する。
【0015】ステップ060はステップ050で空気圧
検出処理が終了した場合に次回の計算用にカウンタN1
及び各タイヤの積算速度及び平均速度の積算値をそれぞ
れゼロクリアする。次のステップ070では共振周波数
の積算タイミングを判定するために、ステップ040と
同様にカウンタN2を所定回数n2と比較する。このn2
は後述する周波数解析演算(以下単にFFT演算とい
う)を行うためのデータ個数を意味する。ステップ07
0でFFT演算を開始可能と判断された場合はステップ
080に進みFFT演算を実行して後述する共振周波数
による空気圧の検出処理300を行う。ステップ090
は次回の検出用にカウンタN2をゼロクリアする処理で
ある。次のステップ100はタイヤの回転速度や共振周
波数などの情報から車両の走行状態を推定する後述する
処理400である。ステップ100では車両の走行状態
について、タイヤ回転速度または共振周波数のどちらの
検出手段の検出精度の信頼性が高いかを判定するため
A、B、Cの3段階の走行状態に分類される。
【0016】走行状態Aはタイヤ回転速度の判定結果の
信頼性がより高い場合で出力する空気圧を計算するため
の各空気圧判定結果P1、P2の重み付け係数K1、K2に
対しK1側にウエイトを置いたKA1、KA2が設定されス
テップ150に進む。また走行状態がBであると判断さ
れた場合には共振周波数の判定精度の方が信頼性が高い
ため、ステップ140でK2にウエイトを持たせた係数
KB1、KB2が設定されステップ150に進む。また、走
行状態がCである場合はタイヤ回転速度または共振周波
数いずれの検出手段の判定値も信頼性が低い状態として
ステップ170へ進むことにより空気圧の表示を更新し
ない。尚、ここでステップ170には進まず空気圧判定
が困難であることをユーザに警告するため、所定の表示
状態をステップ160で表示させることも可能である。
ステップ150はステップ120または140で設定さ
れた係数K1、K2を用いて出力する空気圧Pを計算す
る。
【0017】尚、2つの検出手段の判定値を重み付けで
なく切り換えて出力したい場合には、設定係数KA1=
1.0、KA2=0.0といった設定値を代入してやるこ
とで容易に実現可能である。ステップ160の処理は計
算された空気圧Pを基に表示回路の更新を行う処理であ
る。次のステップ170は2つの検出手段の判定値から
タイヤの摩耗やサスペンション等の経年変化及びユーザ
によるタイヤやホイール交換のいずれかといった空気圧
以外の変動要因が発生した場合を検出して正常時のタイ
ヤ回転速度及び共振周波数を変更するように学習する後
述する処理500であり、このような変動が発生した場
合にも空気圧の検出を正確に行うことを可能としてい
る。以上が本発明装置の全体的な流れを示した説明であ
り、以下に各処理に関する詳細な説明を行う。
【0018】図3はタイヤ回転速度に基づいて空気圧の
計算を行う処理200であり、各タイヤについてステッ
プ220及びステップ230により空気圧P1iが計算さ
れる。まずステップ210では各タイヤ番号を示す変数
iに前輪右タイヤ(以下FRタイヤという)であるaが
設定される。次にステップ220ではそのタイヤの積算
値と前後輪左右タイヤの平均速度積算値の差DViが計
算される。荷重移動や旋回半径の影響及びタイヤ摩耗と
いったタイヤ回転速度に影響を及ぼす他の要因が存在し
ない場合にはこのDViは空気圧による変動分であるた
め、ステップ230で示すように補正係数KG1を乗ずる
ことで空気圧変化量△P1を計算できる。この△P1と正
常圧P0iとの差を求めれば現在の空気圧P1iが算出可能
となる。ステップ240では変数iをインクリメントし
て次のタイヤについて同様の判定をする。ステップ25
0は変数iが最後のタイヤである後輪左タイヤ(以下R
Lタイヤという)を示すdであるかどうかを判定し、d以
上になった場合に前後輪左右タイヤの計算が終了したと
して空気圧検出処理からメイン処理000に復帰する。
ここでは前後輪左右タイヤの平均回転速度と各タイヤ回
転速度を比較して空気圧の判定を行っているが、例えば
対角タイヤや前後及び左右タイヤ間の回転速度を平均、
差分処理などを併用することにより空気圧の検出を行っ
てもよい。
【0019】図4は共振周波数に基づいて空気圧を検出
する処理300であり、各タイヤについてステップ32
0〜370の処理により空気圧P2iが計算される。まず
ステップ310では各タイヤ番号を示す変数iにFRタ
イヤであるaが設定される。次にステップ320では時
間軸データであるn1個のタイヤ回転速度から周波数分布
を求めるためにFFT演算(周波数解析演算)を行う。
次にステップ330で周波数データの獲得個数をカウン
トするカウンタN21をカウントアップする。これはタイ
ヤ回転速度センサの精度や路面などの影響により発生す
る特定のノイズを加算平均処理により除去するためのも
のであり、ステップ340で所定の回数n21に到達した
か否かを判定し、未到達の場合はステップ345にて周
波数情報について周波数毎の加算処理を行い、空気圧の
判定は行わずに次のタイヤに進む(その場合、今回の共
振周波数による空気圧判定値としては前回までの最新の
判定値が保持されている)。
【0020】ステップ340で共振周波数を検出可能な
積算回数n21に到達したと判断されると、ステップ35
0に進み周波数領域のデータ積算値を各周波数について
平均化する処理が行われる。次にステップ360では加
算平均された周波数分布から共振周波数を算出する処理
が行われる。具体的には例えば、予め適合等により設定
された周波数範囲における各周波数のゲイン比較を行
い、その最大値を取る周波数を共振周波数fKとする。
次にステップ370で求められた共振周波数fKから所
定の変換により空気圧P2iを算出する。具体的には図1
5に示すように、その車両(タイヤを含む)の特性に基
づいた共振周波数−空気圧の変換マップをCPUのRO
Mなどに設定することで簡単に実現できる。ステップ3
80では変数iをインクリメントして次のタイヤについ
て同様の判定をする。ステップ390は変数iが最後の
タイヤであるRLタイヤを示すdであるかどうかを判定
し、d以上になった場合に前後輪左右タイヤの計算が終
了したとして空気圧検出処理300からメイン処理00
0に復帰する。
【0021】図5には走行状態の検出方法の一例である
処理400を示す。これは路面入力を検出してその荒れ
具合により各検出手段の判定値に重み付けを行うための
ものである。まずステップ410にてタイヤ回転速度情
報から路面の荒れ具合を判断するための振動成分を抽出
するために所定の帯域(ここではタイヤ回転速度成分の
絶対値としての直流成分)をカットすることができる以
下の演算式のように、予め設定された係数を持つ高域通
過デジタルフィルタによってタイヤ回転速度の高域通過
フィルタ(H,P,F)処理を行う。ただし、Ka1〜K
b2はフィルタカットオフ周波数で決定される定数であ
る。
【数1】VAC(n)=Ka1・Vi(n)+Ka2・Vi(n-1)+Ka3・
Vi(n-2)+Kb1・VAC(n-1)+Kb2・VAC(n-2) 尚、このViは各タイヤについて個別に求めても良いし、
駆動系固有の振動を除去する目的で転動タイヤのみの平
均値またはどちらか一タイヤの情報を代表値として用い
ても良い。次にステップ420では求められた振動成分
VACの所定時間内の平均振動幅DVACを計算し、ステッ
プ430でまず、所定のスレッシュレべルTHR1との比
較を行う。このスレッシュレベルTHR1はタイヤ回転速
度による空気圧の検出精度が共振周波数のそれよりも優
れている上限の振動レベルを設定したもので、DVACが
それより小さい場合にはステップ450に進み重み付け
係数をタイヤ回転速度側を有利にするための状態である
走行状態Aをセットしてメイン処理000に戻る。
【0022】ステップ430で振動レベルがTHR1以上
であると判断された場合にはステップ440に進みTH
R1よりも大きな値の設定されたスレッシュレべルTHR2
との比較が行われる。このスレッシュレベルTHR2は共
振周波数で検出可能な最大の振動レベルを設定したもの
で、ある振動レベルを超過した極悪路などでは共振周波
数が路面による振動ノイズレベルと混合され分離不可能
となってしまうため共振周波数の検出が困難となってし
まうためである(共振周波数の路面入力レベルに対する
特性は図17に示す)。また原理上明らかなようにタイ
ヤ回転速度による空気圧の検出手段ではこれらの悪路で
はランダム振動の影響で各タイヤ同士の回転速度比較が
不可能となり、やはり検出精度は確保できない(タイヤ
回転速度の路面入力レベルに対する特性は図18に示
す)。従って、このような極悪路レベルの路面を通過し
ている場合はステップ470にて走行状態Cを設定する
ことで空気圧の更新または表示を中止する。尚、この共
振周波数を見られなくなるような荒れた路面は一般路走
行においてはその頻度及び継続時間ともに十分に小さい
ためシステム性能の低下にはつながらないと思われる。
ステップ440でDVACがTHR2よりも小さいと判断さ
れた場合は共振周波数から求めた空気圧の精度が十分確
保された状態とみなして走行状態Bをステップ460で
設定する。
【0023】図6は経年変化などによるタイヤ回転速度
または共振周波数の変化による空気圧の誤検出を防止す
るために、2種類の検出値から正常圧に対する変更をす
るように学習を行う処理500である。ステップ510
は各検出値の相互比較をできるだけ外乱性ノイズの少な
い所定の条件下で行うために、学習を行うかどうかの判
定処理である。ここでは例えば各タイヤの回転速度に基
づいて直進状態や加減速度合いを判断し、加減速の度合
いが小さい直進走行状態にあるか否かを判定し、前記直
進走行時のような一定条件下での走行状態時を学習許可
状態と定義する。ステップ510で学習許可状態でない
と判定された場合にはメイン処理000に戻る。逆に学
習許可状態である場合、まずステップ520でタイヤ回
転速度による空気圧判定値P1が正常圧であるかどうか
を判断する。ここで空気圧が正常圧である場合はステッ
プ530へ進み共振周波数による空気圧判定結果P2に
ついて同様に正常圧か否かの判断を行う。両方の検出圧
が共に正常値である場合は経年変化等が発生していない
正常圧の状態と判断してメイン処理000に戻る。
【0024】ステップ530で共振周波数の判定値が正
常値と異なっている場合、前記走行状態において考えら
れる原因としてはタイヤ及びホイールのいずれかの変更
による偏平率の変更、軽量化、またはサスペンションブ
ッシュなどの経年変化もしくはラジアルタイヤからスタ
ッドレスタイヤへの変更であることが判別できる。従っ
てステップ550では共振周波数から空気圧を算出する
ための変換マップ2を変更する。具体的な変更の方法と
しては現在の共振周波数を正常圧として、図16に示す
ように前後の共振周波数についても線形変更することに
より空気圧検出値を変更する。またステップ520でタ
イヤ回転速度による空気圧の検出値が正常圧でない場合
は、ステップ540で共振周波数による検出圧が正常値
であるか否かの判定を行う。ここで空気圧P2が正常値
を示す場合は、タイヤの摩耗やタイヤ径の変化を伴った
タイヤの変更などが発生したことを検出できる。この場
合はステップ560に進みタイヤ径を変更する。具体的
には前後輪左右タイヤの平均速度VAVE及び前回までに
補正された各輪のタイヤ径Ri(n-1)及び各タイヤ回転速
度Viとから次に示す演算式によって補正された各輪タ
イヤ径Ri(n)を算出する。
【数2】Ri(n)=Ri(n-1)・(Vi/VAVE)
【0025】この新たに変更されたRiに基づき以降の
タイヤ回転速度計算が行われるため純粋な空気圧の変化
を検出し続けることが可能となる。またステップ540
で空気圧P2も正常圧でないと判断された場合は、空気
圧の低下と経年変化などを分離不可能なため変更を行わ
ずメイン処理000に戻る。尚、ここで参照される空気
圧検出値P1及びP2は各タイヤについて個別に行われ
ても良いし、判定精度の向上や経年変化、タイヤ等の変
更の実状を考慮して前輪タイヤまたは後輪タイヤについ
て平均処理やAND処理を行ってやることで経年変化な
どの状況をより詳細に解析可能となる。以上の処理によ
り従来のシステムに対しあらゆる面で精度の向上した空
気圧検知が可能になると共に、従来のシステムで最大の
問題点と考えられるイニシャル状態の学習をユーザの手
を煩わせることなく実現可能なメンテナンスフリーのシ
ステムとすることができる。
【0026】次に本発明の第2実施例について説明す
る。図7に走行状態として旋回状態を検出して空気圧の
検出手段を切り換える場合の方法600を示す。ステッ
プ610では、まず旋回状態で発生する左右タイヤ間の
速度差が演算される。一般的に旋回状態では前後輪タイ
ヤ共に速度差が発生するため、DVF、DVRという前
輪タイヤ、後輪タイヤそれぞれのパラメータを演算する
ことにより正確な検出を行うことが可能である。尚、こ
こで利用する各タイヤの回転速度は前後輪左右タイヤと
も正常圧であれば以下の処理で正確に旋回状態を判定で
きるが、いずれかのタイヤに空気圧の異常が発生してい
る場合には、そのタイヤの回転速度に影響を与えてしま
うために正確に旋回状態を判定することが不可能になっ
てしまう。その場合の対応策として前回の判定までに既
に空気圧の異常が検出されている場合には、対応するタ
イヤの回転速度に対してタイヤ径の変化分を考慮した変
更を施したタイヤ回転速度を用いることで解決できる
(変更方法については、図6で説明したタイヤ径の変更
方式と同様の方法で対応可能)。
【0027】次のステップ620では前輪タイヤの回転
速度差DVFが所定以上の旋回状態で現れる回転速度差
以下であるかを判断する。このスレッシュレベルTHV
FAは横Gや荷重移動の影響でタイヤ回転速度や共振周
波数が非線形に変化する旋回領域での回転速度差を表し
たものであり、実験データなどから得られる定数である
(共振周波数と旋回半径の特性については図20に示
す。タイヤ回転速度の左右輪差と旋回半径の特性につい
ては図19に示す)。またタイヤの回転速度により定数
を切り換えても良い。それは以下に示す各スレッシュレ
ベルについても同様である。ここでDVFがTHVFA
を上回っている場合は、両方式の検出結果とも信頼でき
ないものとしてステップ680にて走行状態Cを設定す
る。DVFがTHVFA以下の場合にはステップ630
に進み後輪タイヤについて同様の判定を行う。前後輪タ
イヤとも上記スレッシュレベル以下の場合はステップ6
40に進み再度前輪タイヤの回転速度差のレベル判定を
行う。ここで設定されたTHVFは旋回によるタイヤ回
転速度の差が発生しないほぼ直進状態での回転速度差レ
ベルを表している。
【0028】ステップ650で後輪タイヤに関する同様
の判定を行って、前後輪タイヤ共に直進状態を検出して
いる場合には、タイヤ回転速度による空気圧の判定結果
が利用できるためステップ660で走行状態Aを選択す
る。それ以外の旋回状態は共振周波数の検出結果を利用
するために、ステップ670で走行状態Bを設定する。
このようにして比較的直進に近い安定した走行状態にあ
る場合にはタイヤ回転速度の検出結果を、共振現象に変
化の現れない程度の旋回状態では共振周波数の検出結果
をそれぞれ利用し、それ以上の急激な旋回状態(実走行
に占める割合は十分小さく検出性能の低下にはつながら
ない)では前回の検出結果を保持する処理が実現でき
る。尚、本実施例における他の処理は実施例1と同様と
する。また、今回の旋回状態の判定にはタイヤ回転速度
情報を用いたが、これとは別に直接旋回状態を検出可能
なセンサ(たとえば、ハンドル角センサやヨーレートセ
ンサなど)を用いることにより更に旋回状態の検出精度
を向上させることも可能である。
【0029】次に本発明の第3実施例について説明す
る。図8に走行状態としてエンジンに連結していない転
動輪の加減速度状態を検出してタイヤ空気圧の検出手段
を切り換える方法700を示す。まず、現在の車体速度
を求めるためにステップ710でVT0を演算する。一般
的に加速状態では前記転動輪の回転速度には何等のスリ
ップも発生していないため、転動輪の回転速度情報の利
用が可能である。また減速状態では低μ路などでの各タ
イヤ落ち込み状態のばらつきが想定されるが所定の減速
度ガードを併用することで十分実用的な推定精度を達成
できる(ABS,TRCで実証済み)。また、旋回状態
での内外輪タイヤの回転速度差を補正するためには左右
の転動輪回転速度を加算平均する方法が有効である。こ
のようにして演算された推定車体速度VT0について、
その時間変化を観測することにより車体の加減速度(D
VT)を算出する。ステップ720ではこの算出された
DVTを次のスレッシュレベルよりも大きい所定の定数
THVT1と比較する。旋回状態と同様に所定のレベル
以上の加減速を行った場合、接地荷重の変化による共振
現象の変動が発生するため共振周波数の検出結果の信頼
性も低下する。
【0030】THVT1,T2ともに実験データから得
られる定数である。ステップ720で加減速度がTHV
T1より大きいと判定された場合にはステップ760で
走行状態をCとして前回の検出結果を保持する。それ以
外はステップ730に進み次のスレッシュレベルTHV
T2との比較を行う。このスレッシュレベルTHVT2
はほぼ一定走行に近い値を設定した定数であり、このよ
うな状態では各タイヤのスリップレベルが十分に小さい
ためタイヤ回転速度による空気圧検出精度は安定する。
従って、THVT2より小さい加減速度である場合はス
テップ740に進み走行状態をAに設定する。それ以上
の加減速度を行っている場合には共振現象の検出結果を
利用するためステップ750で走行状態Bを設定する。
尚、これらのスレッシュレベルTHVT1,T2は路面
−タイヤ間の摩擦係数に影響を受けるため、別途路面μ
状態を検出する手段を設けて、その検出結果によるスレ
ッシュレベルTHVT1,T2を補正することも可能で
ある(二輪駆動車における加速度のタイヤ回転速度の前
後輪タイヤ差に与える影響を図21に示す)。また、タ
イヤ速度情報による推定演算の代わりに対地速度計など
の直接検知する手段を利用しても良い。
【0031】次に本発明の第4実施例について説明す
る。図9に走行状態として車両の姿勢変化(ロール、ピ
ッチ、ヨー)による荷重移動の検出結果を検出してタイ
ヤ空気圧の検出方法を切り換える方法800について示
す。ステップ810では各走行状態でのロール、ピッ
チ、ヨーを直接検知するセンサを用いてそれぞれの状態
量を検出する。ステップ820では、まずロール量を所
定の定数KMRAと比較する。このスレッシュレベルは
荷重移動によりタイヤ回転速度、共振周波数ともに変動
を発生するレベルが設定されており、これ以上の場合は
ステップ895に進み走行状態Cを設定して前回の検出
結果を保持する。ロール量がKMRAよりも小さいレベ
ルである場合、ステップ830でそれよりも小さいスレ
ッシュレベルKMRとの比較を行う。もし、ロール量が
このスレッシュレベルKMR以上の場合は荷重移動によ
りタイヤ回転速度に変動が発生してしまうためタイヤ回
転速度による検出結果の信頼性が低下する。従ってステ
ップ880に進み走行状態をBと設定することで共振周
波数の検出結果にウエイトを置いた検出結果を算出す
る。ステップ850〜870の処理はピッチ、ヨーにつ
いてのロールの場合と同様の判定を行う処理である。全
ての検出結果が所定値以下の状態になった場合、タイヤ
回転速度の荷重移動による変化が無視できるレベルであ
るため、ステップ890で走行状態Aを設定する。尚、
この各モーメントの検出はタイヤ回転速度やGセンサの
出力を組み合わせることにより代用可能である。タイヤ
回転速度及び共振周波数の接地荷重特性は図22、及び
図23に示す。
【0032】次に本発明の第5実施例について説明す
る。図10に走行状態として車両の走行速度を検出して
空気圧の検出方法を切り換える方法900について説明
する。実際の路面では高速道路など比較的高い速度での
走行を想定された路面では路面状態が良好であるため、
共振現象を引き起こす路面凹凸の頻度が低下する。従っ
て、まずステップ910〜930で実施例1及び3で利
用した路面入力、車体速度を算出する。ステップ940
ではこの演算された走行速度VT0に基づいて現在の走
行状態に合った路面入力を検索する。この検索方法とし
ては予めプログラム内に設定した車体速度とスレッシュ
レベルの関係を示すマップを利用することで簡単に実現
できる。各速度でのスレッシュレベルは実験データなど
から得られる。このようにして検索されたスレッシュレ
ベルTHRについてステップ950で現在の路面入力D
VACとの比較を行う。
【0033】ここでDVACの値がTHRよりも小さい
場合には、実施例1の場合と同様タイヤ回転速度への影
響が無視できるレベルにありステップ960で走行状態
Aを設定する。その反対にDVACがTHR以上である
路面では共振現象が正確に把握できるためステップ97
0で走行状態Bを設定する。このようにして各走行状態
に最適な空気圧の検出方法が選択される。また、ここで
は詳細な解説は行わないが、一般的に車両の走行速度が
上昇するとタイヤに発生する遠心力のタイヤ回転速度へ
の影響が無視できないレベルになるため、走行速度のみ
を所定のスレッシュレベルと比較し、該スレッシュレベ
ル以上である場合には走行状態をBとして共振周波数の
検出結果を優先させることも可能である。図24に走行
速度による遠心力のタイヤ回転速度への影響を示す。
【0034】次に本発明の第6実施例について説明す
る。図11に各種の走行状態を検出しこれらの総合評価
を行って空気圧の検出方法を切り換えるための方法10
00を示す。実際の車両では前述の各走行状態はそれぞ
れ単独で発生する場合は少なく、各種の状態が複合した
走行状態が一般的である。複数の走行状態がいずれもど
ちらか一方の空気圧検出手段のみを有利にさせる状態で
は何等問題ないが、例えば良好な路面での旋回走行など
どちらの空気圧検出方法にも一長一短があり一概には選
択できない。本実施例はこれら現実の走行状態での正確
な空気圧の検出方法を説明する。ここでは各走行状態に
ついて、その度合いからいずれの検出手段が有利である
かを判定するための評価量を導入する。評価量としては
走行状態Aを基準として、各走行状態の度合いから順次
評価量を走行状態B、C側へ補正していく、具体的に
は、例えば評価値の初期設定値を0として,ステップ1
010で示すように実施例1〜5で示すような方法で各
走行状態を検出する。次のステップ1020〜1050
ではそれぞれの検出結果に基づいて共振周波数が有利な
場合の所定量を加算する。
【0035】また各状態の検出結果の内1つでも共振現
象に影響を与えるような状態が現れる場合には別途設定
したスレッシュレベルTHLBを評価値に加算すること
により以降の処理で自動的に設定する。このようにして
全ての状態に関して評価の終わった評価値に関してステ
ップ1060でスレッシュレベルTHLAとの比較を行
う。このスレッシュレベルはタイヤ回転速度による検出
結果に何等影響の発生しない走行状態である場合の評価
量が設定される。そして評価量がこれら2つのスレッシ
ュレベルの間にある場合にのみ走行状態Bを選択する。
また、これとは別にそれぞれの走行状態について各空気
圧検出手段への影響の高い状態から優先順位を設定し、
その順に判定を行って走行状態A〜Cを切り換える処理
とすることも可能である。またこれら走行状態の3状態
への分離を行わずに前記の評価量に基づいて各空気圧検
出結果への重み付け係数であるK1、K2を連続的に切
り換える方法でも良いし、これらの方法の組み合わせで
も良い。
【0036】次に本発明の第7実施例について説明す
る。図12に経年変化等で発生する正常圧の検出値(タ
イヤ回転速度、共振周波数)の変化を学習するためのも
う1つの実施例1100を示す。この実施例ではユーザ
などで操作されるマニュアルのスイッチなどを設置する
ことにより、このスイッチが押されている場合にタイヤ
の空気圧が正常であることをシステムに伝達する装置の
追加を前提とする。ステップ1110では、この変更要
求がシステム側に伝達されているかどうかの判定を行
う。ここで変更要求がない場合は一切の変更を行わずに
実施例同様のメイン処理000に戻る。変更要求が発生
していることが検出された場合には、ステップ1120
で変更可能な走行状態にあるか否かの判定が行われる。
【0037】ここでの変更可能な走行状態とはタイヤ変
更や共振周波数に影響を及ぼす要素の存在しない走行状
態であり、このような走行状態は前述の各実施例で説明
した走行状態検出手段を用いて判断される。ステップ1
120で変更可能な走行状態にあることが判別された場
合、ステップ1130に進んで現在のタイヤ回転速度、
共振周波数検出値を用いて実施例1の様に正常圧に対す
る検出値の変更を行う。また、一般的にタイヤ径を安定
して検出可能な走行状態と共振周波数のそれとは異なる
場合が多いため、学習許可状態を個々に設けて独立して
変更を行う方法でも良い。
【0038】次に本発明の第8実施例について説明す
る。図13にタイヤ回転速度及び共振周波数を用いた空
気圧の判定手段の判定結果が一致した場合にのみ空気圧
の表示または更新を行う方法1200について示す。ス
テップ1210〜1290までの処理は実施例1におけ
るステップ010〜090までの処理と同一であり、そ
の部分の内容の説明を省略する。ステップ1293では
各判定手段による検出圧P1、P2を相互比較する。こ
の比較の結果、それぞれの判定結果が等しい(所定のレ
ンジ内にある場合も含めることも可能)場合にのみステ
ップ1295に進み空気圧の表示を行う。
【0039】次に本発明の第9実施例について説明す
る。図14にタイヤ回転速度及び共振周波数を用いた空
気圧の判定結果について、それぞれの安定性を評価して
安定した判定結果を持つ判定手段を採用する方法130
0について示す。ステップ1310〜1390までの処
理は実施例1におけるステップ010〜090までの処
理と同一であり、その部分の内容の説明をを省略する。
ステップ1391では、それぞれの検出結果についてそ
の安定性を評価する。具体的な安定性の評価方法として
は、例えば各検出タイミングでの検出圧について検出圧
毎にカウンタを設けその分布状態を所定時間観測する。
所定時間が経過した後、それぞれの空気圧分布状態を評
価する評価量を算出する。例えば検出された空気圧のレ
ンジなどを評価量A1、A2とする。ステップ1392
ではその評価量を相互比較する。この場合は空気圧検出
値のばらつきであるため、評価量の小さい方が安定であ
ると判断される。このようにしてステップ1393、1
394で安定した検出方法での空気圧が表示用空気圧P
にセットされる。この場合の設定すべき空気圧としては
前記分布状態から判定された平均空気圧を用いるのがよ
い。
【0040】
【発明の効果】本発明のタイヤ空気圧検知装置は上記し
た構成を有し、タイヤ回転速度及び共振周波数という検
出原理の異なる空気圧の判定手段を併用して判定するた
め、ユーザによるタイヤの変更や経年変化を含めたあら
ゆる走行状態に対応することができると共に、高い検出
精度を維持することができる。また、信頼性も高く、誤
学習の可能性やユーザー負担もないという優れた効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す概略構成図で
ある。
【図2】本発明の第1実施例のメイン処理を示すフロー
チャートである。
【図3】タイヤ回転速度に基づいて空気圧の計算を行う
処理を示すフローチャートである。
【図4】共振周波数に基づいて空気圧を判定する処理を
示すフローチャートである。
【図5】路面入力を検出してその荒れ具合により各空気
圧判定手段の判定値に重み付けを行う処理を示すフロー
チャートである。
【図6】2種類の検出値から正常圧に対する変更の学習
を行う処理を示すフローチャートである。
【図7】旋回状態を検出して空気圧の判定手段を切り換
える処理を示すフローチャートである。
【図8】車体の加減速度を検出して空気圧の判定手段を
切り換える処理を示すフローチャートである。
【図9】車両の姿勢変化による荷重移動を検出して空気
圧の判定手段を切り換える処理を示すフローチャートで
ある。
【図10】車両の走行速度を検出して空気圧の判定手段
を切り換える処理を示すフローチャートである。
【図11】各種の走行状態の総合評価によって空気圧の
判定手段を切り換える処理を示すフローチャートであ
る。
【図12】経年変化等で発生する正常圧の検出値の変更
を学習するための別の実施例の処理を示すフローチャー
トである。
【図13】二つの空気圧判定手段の検出結果が一致した
場合にのみ空気圧の表示または更新を行う処理を示すフ
ローチャートである。
【図14】各空気圧の判定結果について、それぞれの安
定性を評価して安定した判定結果を持つ判定手段を採用
する処理を示すフローチャートである。
【図15】車両の特性に基づいた共振周波数−空気圧の
変換マップである。
【図16】上記図15における共振周波数−空気圧の変
換マップを共振周波数について線形補正した変換マップ
である。
【図17】共振周波数と路面入力レべルの関係を示す特
性図である。
【図18】タイヤ回転速度と路面入力レべルの関係を示
す特性図である。
【図19】タイヤ回転速度の左右タイヤ差と旋回半径の
関係を示す特性図である。
【図20】共振周波数と旋回半径の関係を示す特性図で
ある。
【図21】二輪駆動車における加速度とタイヤ回転速度
の前後タイヤ差の関係を示す特性図である。
【図22】接地荷重とタイヤ回転速度の関係を示す特性
図である。
【図23】接地荷重と共振周波数の関係を示す特性図で
ある。
【図24】走行速度による遠心力のタイヤ回転速度への
影響を示す特性図である。
【符号の説明】
1a〜1d...タイヤ、 2a〜2d...歯車、 3a〜3d...ピックアップコイル、 4...電子制御装置(ECU)、 5...表示部、 000〜1395...ステップ。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のタイヤの回転速度成分を含む信号
    を検出するタイヤ回転速度検出手段と、 前記タイヤ回転速度信号から共振周波数を検出し、この
    タイヤ共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の状態を判定
    する第1の判定手段と、 前記タイヤ回転速度信号を比較し、その比較結果からタ
    イヤ空気圧の状態を判定する第2のタイヤ空気圧判定手
    段と、 車両の走行状態を検出し、走行状態検出信号を出力する
    車両走行状態検出手段と、 その車両走行状態により前記第1及び第2のタイヤ空気
    圧判定手段の判定値を切り換えて出力する切換出力手段
    と、 を具備することを特徴とするタイヤ空気圧検知装置。
  2. 【請求項2】 前記第1及び第2のタイヤ空気圧判定手
    段の判定値に所定の重み付けを行った後に判定結果を出
    力する重み付け手段と、前記車両走行状態検出手段の信
    号に基づいて前記重み付け手段の重み付け状態を切り換
    える重み付け切換手段とを具備することを特徴とする請
    求項1記載のタイヤ空気圧検知装置。
  3. 【請求項3】 前記車両走行状態検出手段の信号に基づ
    いて前記切換出力手段の働きを停止させ、前記第1及び
    第2のタイヤ空気圧判定手段の判定値を更新及び表示の
    いずれかを行わない手段を具備することを特徴とする請
    求項1記載のタイヤ空気圧検知装置。
  4. 【請求項4】 前記車両走行状態検出手段が路面の凹凸
    度合いを検出する手段であることを特徴とする請求項
    1、2または3記載のタイヤ空気圧検知装置。
  5. 【請求項5】 前記車両走行状態検出手段が直進状態を
    検出する手段であることを特徴とする請求項1、2また
    は3記載のタイヤ空気圧検知装置。
  6. 【請求項6】 前記車両走行状態検出手段が車両の前後
    方向及び横方向のいずれかの加速度を検出する手段であ
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載のタイヤ
    空気圧検知装置。
  7. 【請求項7】 前記車両走行状態検出手段が車両のロー
    ル方向、ピッチ方向及びヨー方向いずれかの回転を検出
    する手段であることを特徴とする請求項1、2または3
    記載のタイヤ空気圧検知装置。
  8. 【請求項8】 前記車両走行状態検出手段が車両の走行
    速度を検出する手段であることを特徴とする請求項1、
    2または3記載のタイヤ空気圧検知装置。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2のタイヤ空気圧判定手
    段の判定値が一致するときを検出する一致検出手段と、
    この一致が検出された場合に前記切換出力手段を働かせ
    判定結果を出力することを特徴とする請求項1記載のタ
    イヤ空気圧検知装置。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の空気圧判定手段の
    判定値について、それぞれの判定結果の安定性を監視す
    る安定性監視手段を設け、前記切換出力手段が各走行状
    態における前記安定性の優れている空気圧判定手段の出
    力結果を採用する請求項1記載のタイヤ空気圧検知装
    置。
  11. 【請求項11】 前記第1及び第2の空気圧判定手段の
    判定値に基づいて、一方の空気圧判定手段の正常値を補
    正する補正手段を具備することを特徴とする請求項1記
    載のタイヤ空気圧検知装置。
  12. 【請求項12】 前記第2の空気圧判定手段である複数
    のタイヤの回転速度成分から求めた空気圧の判定結果が
    異常値を示している場合に、前記第1の空気圧判定手段
    である共振周波数から求められた該当するタイヤの空気
    圧が正常値を示している場合には、タイヤ径の恒常的な
    変化が発生したことを検出すると共にタイヤの回転速度
    の正常圧相当成分を変更する学習手段を具備することを
    特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧検知装置。
  13. 【請求項13】 前記第2の空気圧判定手段である複数
    のタイヤの回転速度成分から求めた空気圧の判定結果が
    正常値を示している場合に、前記第1の空気圧判定手段
    である共振周波数から求められた該当するタイヤの空気
    圧が異常値を示している場合には、タイヤ及びホイール
    のいずれかの取り替え、並びにサスペンションブッシュ
    の劣化などの経年変化が発生したことを検出すると共に
    共振周波数の正常圧相当成分を変更する学習手段を具備
    することを特徴とする請求項1記載のタイヤ空気圧検知
    装置。
  14. 【請求項14】 タイヤの空気圧が正常であることをシ
    ステムに連絡する連絡手段を有し、前記連絡手段が行使
    された場合に、前記第1及び第2の空気圧判定手段の正
    常圧相当成分を変更する学習手段を具備することを特徴
    とする請求項1記載のタイヤ空気圧検知装置。
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