JP3438599B2 - タイヤ空気圧推定装置 - Google Patents

タイヤ空気圧推定装置

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    • B60CVEHICLE TYRES; TYRE INFLATION; TYRE CHANGING; CONNECTING VALVES TO INFLATABLE ELASTIC BODIES IN GENERAL; DEVICES OR ARRANGEMENTS RELATED TO TYRES
    • B60C23/00Devices for measuring, signalling, controlling, or distributing tyre pressure or temperature, specially adapted for mounting on vehicles; Arrangement of tyre inflating devices on vehicles, e.g. of pumps or of tanks; Tyre cooling arrangements
    • B60C23/06Signalling devices actuated by deformation of the tyre, e.g. tyre mounted deformation sensors or indirect determination of tyre deformation based on wheel speed, wheel-centre to ground distance or inclination of wheel axle
    • B60C23/061Signalling devices actuated by deformation of the tyre, e.g. tyre mounted deformation sensors or indirect determination of tyre deformation based on wheel speed, wheel-centre to ground distance or inclination of wheel axle by monitoring wheel speed
    • B60C23/062Frequency spectrum analysis of wheel speed signals, e.g. using Fourier transformation

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等のタイヤ
の空気圧あるいは空気圧変化を間接的に推定するタイヤ
空気圧推定装置に関する。
【0002】
【従来技術】従来、タイヤ空気圧の状態を推定する装置
としては、車輪速度信号に含まれるタイヤの振動周波数
成分を含む信号を周波数解析してタイヤの共振周波数を
抽出し、その共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の状態
を検知するものが知られている。(特開平5−1338
31号公報) このように共振周波数に基づいてタイヤ空気圧を推定す
る場合に用いられる共振周波数は約30〜50Hzであ
るが、以下の如く、車両のおかれている環境によりタイ
ヤ空気圧を正確に推定できなくなるという問題がある。
たとえば、車両が市街地等を走行する際の低中速域の車
体速度では、前述の共振周波数範囲である約30〜50
Hzでタイヤ空気圧の推定が可能であるが、車両の速度
が高速度領域になると、タイヤの振動現象が発生しにく
くなり、共振のパワースペクトルレベルが低下してタイ
ヤ空気圧推定精度が低下する。
【0003】これに対して、たとえば特平7−217
23号(特開平8−219920号公報)に記載されて
いるように、車輪速度信号に含まれる振動周波数成分
を、約30〜50Hzと約60〜90Hzの如く複数の
周波数範囲に分けて共振周波数を選定し、高速度領域に
おけるタイヤ空気圧推定の精度を向上することが知られ
ている。すなわち高速度領域では、共振現象が強くなる
周波数範囲が低速中速域とは変化するが、これに追従し
てタイヤ空気圧推定を行うために用いる周波数範囲を選
定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本願出
願人は、車輪速度信号に含まれる高次の共振周波数(た
とえば約60〜90Hz)は、車両の駆動輪においては
タイヤ空気圧の変化に対する共振周波数の変化が大き
く、タイヤ空気圧推定に適した特性であることを確認し
たが、転動輪においてはこの高次の共振周波数において
も変化が少なく正確な空気圧推定が困難であることを見
出した。
【0005】したがって本願発明は、車両の各車輪の特
性に応じて、あるいは車両の環境が変化した場合におい
ても、タイヤ空気圧を精度良く検知可能な装置を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願発明にかかるタイヤ空気圧推定装置では、車両
走行時に、各輪の車輪速度を逐次演算する車輪速度検出
手段と、前記車輪速度検出手段の検出結果である車輪速
度信号に含まれる振動周波数成分からタイヤの共振周波
数もしくはタイヤのバネ定数を抽出する抽出手段と、こ
の抽出手段によって抽出された共振周波数もしくはタイ
ヤバネ定数に基づいて駆動輪のタイヤ空気圧のみを推定
する第1のタイヤ空気圧推定手段と、上記車輪速度検出
手段により検出された車輪速度に基づきタイヤの回転状
態値を演算する回転状態値演算手段と、前記回転状態値
演算手段によって演算された回転状態値の偏差に基づい
て転動輪のタイヤ空気圧のみの推定を行う第2のタイヤ
空気圧推定手段と、を備える。
【0007】すなわち、車体速度等の車両環境にあまり
左右されずに車輪速度信号に含まれるタイヤの振動周波
数成分から共振周波数あるいはバネ定数を抽出できる駆
動輪については、第1のタイヤ空気圧推定手段のみによ
って車輪速度信号に対する周波数解析によりタイヤ空気
圧の推定を行う。そして、車体速度等の車両環境により
タイヤの振動周波数成分の振動レベルが可変する等し
て、車輪速度信号に対する周波数解析によりタイヤ空気
圧の推定では精度を各転動輪に対しては、動荷重半径
を用いてタイヤ空気圧推定を行う。これにより車両環
境あるいは転動輪、駆動輪にかかわらず精度良くタイヤ
空気圧を推定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に関わるタイヤ空気
圧推定装置の実施例を図面に基づき説明する。図1は、
本発明に関わるタイヤ空気圧推定装置全体の説明図であ
る。図1および図2に示すように、車両の各タイヤ1a
〜1dに対応して、車輪速度センサ2〜5が設けられて
いる。各車輪速度センサ2〜5は、それぞれロータ2a
〜5a及びピックアップコイル2b〜5bによって構成
されている。ロータ2a〜5aは、各タイヤ1a〜1d
の回転軸(図示せず)と同軸的に車輪の各タイヤ1a〜
1dと共に回動するように取り付けられており、円盤状
の磁性体からなっている。ピックアップコイル2b〜5
bは、それぞれロータ2a〜5a、すなわち、タイヤ1
a〜1dの回転速度に応じた周期を有する交流信号を出
力する。
【0009】ピックアップコイル2b〜5bから出力さ
れる交流信号は、CPU、ROM、RAMなどより構成
されるマイクロコンピュータ、波形整形回路を備えた公
知の電子制御装置(以下ECUという)6に入力され、
ピックアップコイル2b〜5b〜出力される交流信号の
波形整形を含む所定の信号処理が行われる。この信号処
理結果は、表示部7に出力され、運転者にたいし、各タ
イヤ1a〜1dの空気圧の状態を報知する。
【0010】この表示部7は、各タイヤ1a〜1dの空
気圧の状態を独立に表示しても良いし、一つの警告ラン
プを設けて、いずれか1つのタイヤの空気圧が基準の空
気圧よりも低下したことを運転者に報知するようにして
も良い。なお、図1における符号8は、タイヤ空気圧の
推定のためにメモリしている前回までの検知結果等を初
期化する初期化スイッチを表す。
【0011】次に、上記ECU6において実行される信
号処理の詳細について説明する。まず、図2のECUの
共振周波数演算部61において、行われる車輪速度信号
に基づく共振周波数推定の基本原理について説明する。
なお、符号62は回転状態値演算部であり、各車輪速度
センサからの信号をうけて、各車輪の車輪速度を演算す
る。また、判定部160a,bは回転状態値である各車
輪の車輪速度を比較することによってタイヤ空気圧の判
定を行ったり、共振周波数に基づいてタイヤ空気圧の判
定を行ったりする部位である。
【0012】タイヤ空気圧推定における物理モデルは、
図3のように表すことができる。すなわち、白色ノイズ
である路面外乱m(k)がタイヤ・サスペンション系に
入力として加わり、その結果として、車輪速度信号y
(k)には、タイヤ空気圧に依存した共振成分が含まれ
るようになる。同実施形態にかかるタイヤ空気圧推定装
置では、タイヤ・サスペンション系を線形予測モデルに
て近似し、そのモデルのパラメータを最小2乗法に用い
て同定する。なお、タイヤ毎にその空気圧に依存した共
振点は1つであることに鑑みれば、この線形予測モデル
の次数は「2次」で十分である。また、該モデルの次数
を2次とすることで、ECU6に必要とされる演算量並
びにデータメモリ(RAM)容量を最小とすることがで
きるようにもなる。
【0013】さて、サンプリング回数をkとし、それぞ
れ上述のように路面外乱をm(k)、車輪速度信号をy
(k)とおくと、2次の離散時間モデルは、次の数式1
のように表すことができる。
【0014】
【数1】 y(k)=-c1y(k-1)-c2y(k-1)+m(K) …(数式1) パラメータ同定の目的は、有限個の観測データy(k)
を用いて道のパラメータc1,c2を推定することであ
る。ここでは、最小2乗法を用いてこれら未知のパラメ
ータc1,c2の同定を行う。
【0015】すなわちいま、θをパラメータベクトル、
また、zを測定値ベクトルとして、次の数式2および数
式3の2次元ベクトルを定義する。
【0016】
【数2】
【0017】
【数3】
【0018】これにより、上記数式1は、
【0019】
【数4】
【0020】といった形で書くことができるようにな
る。この数式4において、m(k)は上述のように、路
面外乱であり、白色ノイズとみなすことができるから、
最小2乗法による未知のパラメータの推定は、評価関数
である
【0021】
【数5】
【0022】を最小にする上記数式2の値を求めること
である。この数式5を最小にする数式2の推定値は、ー
括型最小2乗法によると次式の数式6のように表すこと
ができる。(たとえば「ロバスト適応制御入門、金井喜
美雄著、オーム社、またはシステム制御情報ライブラリ
ー9「システム同定入門」、片山徹著、朝倉書店、参照
【0023】)
【数6】
【0024】次にこうして同定されるc1,c2から共
振周波数ωを求める。2次の離散時間モデルのパラメー
タc1,c2と共振種は数ω及び減衰係数ζとの関係
は、サンプリング周期をTとしてとの関係は、それぞれ
数式7、数式8となる。
【0025】
【数7】
【0026】
【数8】
【0027】よって、共振周波数ωおよび減衰係数ζ
は、それぞれ数式9、数式10のように計算することが
できる。
【0028】
【数9】
【0029】
【数10】
【0030】以下、本発明に関わるタイヤ空気圧推定装
置の第1の実施例をECU6の処理内容を示すフローチ
ャートに基づいて示す。なお、以下に示す第1〜第3実
施例においてはECU6が各タイヤ1a〜1dのうち転
動輪と駆動輪とにおいて異なるフローを実施するように
なっている。図4は駆動輪の処理内容を示すフローチャ
ートである。
【0031】まず、車両のイグニッションスイッチがO
Nされると、ステップ10に進み、図1に示す初期化ス
イッチ8がONされたか、否かの判定を行う。この初期
化スイッチの機能について簡単に説明する。本発明でタ
イヤ空気圧推定に使用するタイヤの共振周波数もしくは
タイヤのばね定数は、タイヤサイズやタイヤ銘柄による
影響を受けるため、タイヤが交換された時のみ、タイヤ
空気圧低下を判定する判定値を初期化、更新する必要が
ある。
【0032】以下の説明は、この初期化スイッチがON
状態でない、つまり、タイヤ空気圧低下を判定する判定
値が既に決定されている場合で、通常時のタイヤ空気圧
推定演算についての場合である。なお、ステップ10で
初期化スイッチがON状態となる場合についての処理の
説明は、後述するものとする。まず、ステップ100で
は、ピックアップコイル2bから出力された交流信号を
波形整形したパルス信号を読み込んで、そのパルス長を
パルス時間で除算し、各輪独立に車輪速度Vxを演算す
る。
【0033】フローチャートに示すように、以下線形予
測法に基づきタイヤの共振周波数もしくはタイヤのばね
定数を求める演算に入る訳であるが、既に、特開平7−
21723公報でも述べられているように、タイヤの共
振振動には、以下の特徴があることが解っている。つま
り、車両が市街地を走行するような低車速〜中車速領域
においては、各周波数に対する車輪速度の出力信号のパ
ワースペクトルは、図6(a)に示す如く、約30〜5
0Hzの範囲に共振ピークが現れる。
【0034】しかるに、車速が高車速領域へ移行するに
連れ、前記共振ピークは図6(b)に示すように、次第
に減少するため、タイヤ空気圧推定の検知対象とは成ら
なくなる。一方、前記共振ピーク(約30〜50Hz)
の減少と表裏の関係で、図6(d)に示すように、約6
0〜90Hzのところに、新たな共振ピークが現れる。
この約60〜90Hzの共振ピークは、図6(c)に示
すように、前記約30〜50Hzの共振ピークが現れる
低車速〜中車速領域では明確でない。
【0035】この第1の共振ピーク(約30〜50H
z)は、タイヤ回転方向のねじり共振周波数であり、第
2の共振ピーク(約60〜90Hz)は、前記ねじり共
振周波数の2次成分と考えられる。そして、タイヤの空
気圧が低下するとタイヤサイドウオール部の弾性変形が
発生するため、ねじり方向のばね定数も変化するので、
双方の共振ピークとも、タイヤ空気圧による依存性を有
するため、タイヤ空気圧推定の検知対象として、応用が
できる。
【0036】図7は、前記第1の共振ピーク(約30〜
50Hz)および第2の共振ピーク(約60〜90H
z)とタイヤ空気圧との関係を示したものである。そこ
で、第1の共振ピーク(約30〜50Hz)と第2の共
振ピーク(約60〜90Hz)のかかる関係から、車両
の車速如何に関わらず、車輪速度信号に含まれる共振周
波数により、タイヤ空気圧推定を可能ならしめるため
に、ステップ110では、車速Vが予め設定された車速
Vo以下か否かの判定を行う。
【0037】そして、車速Vが予め設定された基準の車
速Vo1より小さいと判定された場合、つまり、車両の
走行速度が低車速〜中車速領域にある場合は、ステップ
120へ進み、第1の共振ピーク(約30〜50Hz)
の信号強度をより強めるために、他の周波数帯の信号を
カットする。このため、予め設定された周波数範囲(f
11〜f12)の狭帯域フィルタ(以下、バンドパスフ
ィルタと言う)を用いる。なお、図7に示す如くこの基
準の周波数f11、f12等は、f11<f12<f2
1<f22の関係を有する。
【0038】前記バンドパスフィルタを通過した、車輪
速度信号は、前記原理の記載で定義した数式1の車輪速
度信号y(k)となる。また、パラメータ同定部として
のステップ130は、該バンドパスフィルタ部ステップ
120により抽出された車輪速度信号y(k)から、数
式6に基づいて、前記離散時間モデルのパラメータc
1、c2を同定する部分である。
【0039】次に、ステップ140の共振周波数変換部
では、前記ステップ130で出力されるパラメータc
1、c2に基づき、前記原理の記載で定義した数式9に
より、共振周波数ωを求める。また、ステップ150の
共振周波数−タイヤ空気圧変換部は、これらで求められ
た共振周波数ωをタイヤ空気圧に変換する部分である。
前述のように、タイヤ空気圧が高いとその共振周波数も
高くなり、逆にタイヤ空気圧が低いとその共振周波数も
低くなる。そこでステップ150において用いるタイヤ
空気圧と共振周波数の関係マップについて、図8に例示
する。すなわち、関係を予めテーブル(マップ)として
持ち、上記求められた共振周波数ωの値から、直接その
該当するタイヤ空気圧pを推定する。そして、共振周波
数ωの値から求められるタイヤ空気圧推定値pの値を、
その各車輪に対応する判定部160に出力する。
【0040】判定部160では、タイヤ空気圧異常を判
定するための閾値として、予め設定された判定値とステ
ップ150から出力されるタイヤ空気圧p値との比較に
より、各車輪に対応するタイヤの空気圧異常を各輪独立
に判定する。そして、ステップ150から出力されるタ
イヤ空気圧p値が、前記の予め設定された判定値よりも
低ければ、空気圧異常として、表示部170を駆動す
る。表示部170では、判定部160から駆動信号が与
えられることにより、ランプを点灯し、タイヤ空気圧異
常を運転者に知らしめることになる。なお、ランプの実
施形態は、4輪のタイヤ空気圧異常をそれぞれ独立に4
灯表示することも可能であるし、どれかのタイヤが異常
であることを知らしめるだけの単灯表示も可能である。
【0041】このような実施形態によるタイヤ空気圧推
定装置によれば、車両が実際に使用される広範囲な車速
領域においても、4輪がほぼ同時に低下する自然漏洩や
釘踏みなどのパンクまで、高信頼に検出することが可能
になる。なお、本実施形態によるタイヤ空気圧推定装置
によりタイヤの共振周波数を演算した結果を図9に示
す。これによれば、推定されたタイヤの共振周波数がそ
のタイヤ空気圧に対し、ほぼ直線的に変化していること
を読みとることが可能である。
【0042】次に、車速Vが予め設定された基準の車速
Vo1より大きいと判定された場合、つまり、車両の走
行速度が高車速領域にある場合は、ステップ220へ進
み、第2の共振ピーク(約60〜90Hz)の信号強度
をより強めるために、他の周波数帯の信号をカットする
目的のために、予め設定された周波数範囲(f21〜f
22)のバンドパスフィルタを用いる。
【0043】以下の処理(ステップ230〜260)
は、前記した第1の共振ピーク(約30〜50Hz)の
処理(ステップ130〜160)と同一のため、説明は
省略する。次に、転動輪の実施例について、図5を用い
て説明する。まず、図5のフローチャートの説明に入る
前に、前記駆動輪の実施例で説明した第2の共振ピーク
(約60Hz〜90Hz)の特徴について、本発明者ら
が詳細に調査した結果を図10を用いて説明する。
【0044】図10は第2の共振ピークを駆動輪と転動
輪について、タイヤ空気圧をパラメータとして整理した
ものである。図から明らかなように、タイヤ空気圧変化
に対する第2の共振周波数の変化は、駆動輪においては
大きくてタイヤ空気圧推定に使用できるレベルである
が、転動輪においては第2の共振周波数の変化は非常に
僅かであり、走行によるバラツキ等を考慮すると、タイ
ヤ空気圧推定に使用するのは、かなりの困難性が伴うこ
とが本発明者らの研究により判明した。
【0045】前記した第2の共振ピークのタイヤ空気圧
変化に対する共振周波数の変化の割合が、駆動輪におい
ては顕著であるが、転動輪においては僅かであることの
確認は、本発明者らは、後輪駆動車、前輪駆動車ならび
に4輪駆動車において調査し、いずれの駆動形式におい
ても、この傾向が存在することから、タイヤ空気圧変化
に対する第2の共振ピーク(約60〜90Hz)の依存
性は、一般性のあるものと考えられる。また、その原因
としては、車両の高速走行時のタイヤと路面との接地状
態を考えると、駆動輪においては、路面とタイヤ間には
常時駆動力が作用しており、この駆動力が作用すること
により、タイヤ外周部のトレッド部が安定して路面に接
することになるため、空気圧変化に対する共振周波数の
変化が顕著に出るものと推定できる。
【0046】一方、検出された車輪速度に基づき、各タ
イヤの回転状態値(車輪速度、車輪角速度及び回転パル
ス数などを一定時間積算した値)を求め、4輪におけ
る、それぞれのタイヤの回転状態値の相対関係から、主
に1輪の空気圧が低下するパンク警報を目的としたタイ
ヤ空気圧低下装置が多く提案されている。この回転状態
値により、パンクなどの空気圧低下が判定できる基本的
な原理は、タイヤ空気圧が低下した車輪においては、そ
の車両の荷重のため、路面に接しているタイヤゴム部
は、正常なタイヤ空気圧に比較してたわむ。この結果、
タイヤの回転中心(ホイール中心)と路面との距離が短
くなり、タイヤの有効転がり半径の低下に伴い、前記タ
イヤ回転状態値(車輪速度、車輪角速度及び回転パルス
数などを一定時間積算した値)が他のタイヤ空気圧が正
常な輪に対して増加するため、タイヤ空気圧低下が検知
可能になるというものである。
【0047】しかし、本発明者らは、上記検出メカニズ
ムを詳細に調査することにより、タイヤ回転状態値によ
るタイヤ空気圧低下判定の長所、短所を明確にした。図
5では、前記の転動輪では、第2の共振ピーク(約60
〜90Hz)でタイヤ空気圧推定が難しいという課題に
対し、この長所を応用することで転動輪においても、車
両が実際に使用される広範囲な車速領域において、タイ
ヤ空気圧低下判定が可能となるECU6内の処理を示し
ている。
【0048】前記のタイヤ回転状態値の長所、短所につ
いて、図11を用いて説明する。図11に示す二つのチ
ャート(a)(b)は、後輪駆動車の転動輪および駆動
輪、それぞれの各タイヤの回転状態値、つまり車輪速度
の左右輪(FR:前輪右、FL:前輪左、RR:後輪
右、RL:後輪左)の比をプロットしたもので、それぞ
れの右輪を正常な圧力(例示では2.0kg/cm2)
とし、左輪を2.0,1.6,1.2kg/cm2と空
気圧を低下させた場合を示してある。
【0049】転動輪(FR/FL)について示すチャー
トでは、前輪左(FL)のタイヤ空気圧低下に対し、左
右車輪速度の比(FR/FL)は、タイヤ空気圧低下に
対し変化し、車速に対しても影響を受けることなく安定
しており、このような状態においては、タイヤ空気圧低
下判定が可能となる。一方、駆動輪(RR/RL)につ
いて示すチャートでは、後輪左(RL)のタイヤ空気圧
低下に対し、左右車輪速度の比(RR/RL)は、高車
速領域でも比較的低い車速では、タイヤ空気圧低下に対
し、明確に変化しているが、より高速領域になるに従
い、1輪のタイヤ空気圧低下があるにも関わらず、変化
しなくなる特性を示している。
【0050】この原因は、以下のように考えている。車
両の空気圧抵抗と車速がバランスしている高車速領域で
は、車両の推力出力は高い状態が維持されており、駆動
輪には大きな駆動力が作用しているものと考えられる。
つまり、タイヤが左右両輪とも2.0kg/cm2の正常圧力
においても、スリップが発生していると考えられる。
【0051】ここで、タイヤ空気圧を低下させた左輪の
スリップ状態を考えると、タイヤは空気圧の低下に伴い
たわむため、タイヤと路面との接地面積は増大し、トラ
クションが回復し、タイヤ空気圧が正常な状態よりも、
よりスリップしにくい状態になることは、良く知られた
ことである。一方、このようなタイヤのスリップ状態か
ら、先に述べたタイヤの回転状態値(車輪速度の積算
値)への影響を考察すると、タイヤ空気圧低下輪におい
ては、タイヤ空気圧低下による有効転がり半径の減少か
ら、車輪速度積算値は増加する方向にあるものの、トラ
クションの回復によるスリップの減少から、この車輪速
度積算値の増加分を打ち消す方向に作用することにな
る。
【0052】つまり、このことはタイヤ空気圧低下と車
輪速度積算値との間には、一定の関係が成立しなくなる
ことを意味しており、タイヤ空気圧低下判定が困難にな
ることを意味している。先に記したタイヤの回転状態値
(車輪速度の積算値など)を用いたタイヤ空気圧低下装
置は、4輪のタイヤ回転状態値の相互比較により、タイ
ヤ空気圧低下を判定するため、上記の駆動輪の影響は避
けられず、タイヤ空気圧低下を検知可能な車速域が、原
理的に制限されると言う基本的問題点を内包しているこ
とになる。
【0053】図5のフローチャートに示す本発明は、第
2の共振ピーク(約60〜90Hz)によるタイヤ空気
圧推定が困難な転動輪のタイヤ空気圧低下判定に際し、
タイヤの回転状態値(車輪速度積算値など)によるタイ
ヤ空気圧低下判定の長所、つまり駆動力の作用しない転
動輪においては、先のタイヤ状態量値は、タイヤ空気圧
低下に対し、良好な特性を有することに着目し、転動輪
のタイヤ回転状態値の左右比をパラメータとして、タイ
ヤ空気圧低下判定に導入することにより、車両が実際に
使用される広範囲な車速領域においても、タイヤ空気圧
低下判定を可能ならしめることを目的とした発明であ
る。
【0054】以下本発明について、図5のフローチャー
トの各ステップごとに説明する。まず、車両のイグニッ
ションスイッチがONされると、ステップ90に進む。
前記駆動輪の項で説明したように、以下の説明は、この
初期化スイッチがON状態でない、つまり、タイヤ空気
圧低下を判定する判定値が既に決定されている場合で、
通常時のタイヤ空気圧推定演算についての場合である。
なお、ステップ10で初期化スイッチがON状態となる
場合についての処理の説明は、駆動輪の場合と同様に後
述するものとする。
【0055】ステップ100では、ピックアップコイル
2bから出力された交流信号を波形整形したパルス信号
を読み込んで、そのパルス長をパルス時間で除算し、各
輪独立に車輪速度Vxを演算する。次にステップ110
では、車輪速度Vxから求められる車速Vが予め設定さ
れた車速Vo2より小さいと判定された場合、つまり、
車両の走行速度が低車速〜中車速領域にある場合は、ス
テップ120に進む。なお、予め設定された車速Vo2
は、前記の車速Vo1と同一でも、異なっていても良
い。
【0056】ここで、図5に記載のステップ100から
ステップ160までは、すでに駆動輪の実施例で説明し
た処理内容と同一であるので省略するものとして、以下
の記述では、ステップ110において演算される車速V
が予め設定された車速Vo2以上、つまり前記した第1
の共振ピーク(約30〜40Hz)では、タイヤ空気圧
推定が困難な場合についての処理(ステップ320〜3
30)で、各タイヤの回転状態値によるタイヤ空気圧低
下判定の長所を応用した処理についての説明を行う。ス
テップ320の処理内容について、タイヤ回転状態値と
して、車輪速度積算値を例に説明する。ここのステップ
は、転動輪の右側車輪と左側車輪それぞれについて、検
出された車輪速度Vxを用い、転動輪の車輪速度偏差で
あるDを下記数式11により、求めるものである。な
お、車輪速度偏差Dの演算は、車輪速度の演算周期ご
と、例えば5msごとに実施される。
【0057】
【数11】 D=Vxfr/Vxfl (数式11) Vxfr : 転動輪右の車輪速度 Vxfl : 転動輪左の車輪速度 ステップ330は、以下の式のように、前記で求められ
た車輪速度偏差Dを、ECU6のメモリにn個記憶し、
平均化する処理である。
【0058】
【数12】 この処理の目的は、駆動力の作用しない転動輪のため、
走行状況による影響は少ないものの、旋回や登降坂など
の影響を除くためのものである。ステップ340は、前
記で求めた平均車輪速度偏差Doに対し、予め設定され
た基準値に対し大小判定を行い、平均車輪速度偏差Do
が基準値をうわまった場合、タイヤ空気圧の低下が発生
したものと判断する処理である。
【0059】ステップ170では、既に駆動輪の実施例
で説明したとうり、ステップ340からの駆動信号に基
づき、ランプなどの表示装置を点灯する処理である。こ
こでの表示方法としては、転動輪の左右比較で空気圧低
下を判定するため、タイヤ空気圧の低下輪が左右どちら
かかも判定できるので、駆動輪の実施例と同様に、4輪
独立の4灯表示も可能であり、また1灯のみの表示も可
能である。
【0060】以下、図4、図5における初期かスイッチ
ONの場合について説明する。上記の処理内容は、駆動
輪、転動輪の実施例とも初期化スイッチがONでない場
合についての説明であるが、以下では初期化スイッチが
ONとなった場合の処理内容であり、図12、13に基
づき、説明する。まず、図12に基づき、駆動輪の初期
化について説明する。ステップ100では、前記の実施
例と同様に、ピックアップコイル2bから出力された交
流信号を波形整形し、その処理波形であるパルス信号を
読み込み、そのパルス長をパルス時間で除算して、各輪
独立に車輪速度Vxを演算する。
【0061】前記したように初期化スイッチ設定の目的
は、タイヤが交換された時、タイヤ空気圧推定に必要
な、そのタイヤ固有の共振周波数とタイヤ空気圧との関
係を決定するためのものである。したがって、初期化ス
イッチをONとするときは、タイヤ空気圧が既知である
ことが前提なので、タイヤ交換したときは、その車両の
ユーザが標準空気圧にタイヤ空気圧を設定することが前
提である。その為、ステップ410では、タイヤが標準
空気圧のときのタイヤ共振周波数(第1の共振ピーク)
を演算し、ωk1として、ECU6のメモリーに記憶す
る。
【0062】第1の共振ピークがステップ410で求ま
ったので、ステップ420ではタイヤが標準空気圧のと
きのタイヤ共振周波数ωK2(第2の共振ピーク)を求
めることになるが、ここでは、第1の共振ピークと第2
の共振ピークとの物理的関係が判明しているので、この
関係から求めることになる。ステップ430では、ステ
ップ410で求めた標準空気圧の共振周波数(第1の共
振ピーク)から、下記式で警告圧に相当する共振周波数
(ωL1)を求め、車速がVo以下の場合のタイヤ空気
低下判定を行うときの、新しい空気圧低下判定値とする
ために、ECU6内のメモリを書き換える。
【0063】
【数13】 ωL1=ωK1−Δω1 (数式13) (なお、Δω1は定数) 同様に、ステップ440では、車速がVo以上の場合の
タイヤ空気圧低下判定値ωL2をステップ420で求め
た共振周波数ωK2(第2の共振ピーク)から、下記式
により求め、新しい空気圧低下判定値とする。
【0064】
【数14】 ωL2=ωK2−Δω2(定数) (数式14) 以上が初期化スイッチONの時の駆動輪における処理内
容である。次に、図13に基づき、転動輪の初期化につ
いて説明する。ステップ100では、上記と同様に車輪
速度Vxを演算する。
【0065】ステップ510では、タイヤ交換時にタイ
ヤ空気圧が標準圧力に設定されていることを前提とし、
下記式により、標準圧力時の車輪速度偏差Dkを求め
る。
【0066】
【数15】 Dk=Vxfr/Vxfl (数式15) Vxfr : 転動輪右の車輪速度 Vxfl : 転動輪左の車輪速度 そして、ステップ520では、数式15で求められた車
輪速度偏差Dkを(22式)に示すようにn個加算し、
平均車輪速度偏差Dkoを求め、それをタイヤ空気圧
低下判定値DLとして、ECU6内のメモリを更新す
る。なお、ステップ530では空気圧低下判定値DLを
更新する。
【0067】図14、15にて第2の実施例について説
明する。図14は車輪速度信号の振動成分より、タイヤ
の共振周波数を求め、これに基づき、駆動輪のタイヤ空
気圧を推定する第1のタイヤ空気圧推定手段において、
共振周波数の振動周波数範囲を選定する選定手段とし
て、周波数範囲を二つの範囲に分け、それぞれの周波数
範囲における信号強度を演算し、この信号強度に基づい
て、共振周波数の抽出対象とする周波数範囲を選定する
実施例である。
【0068】図14のフローチャートに基づき、以下説
明する。なお、図14のフローは駆動輪に対して行われ
るものである。ステップ100までは、いままでの実施
例で既に述べているので説明を省略する。ステップ10
1、102は前記した第1の共振ピーク(約30〜50
Hz)および第2の共振ピーク(約60〜90Hz)の
信号強度をより強める目的で、他の周波数帯の信号をカ
ットするために、図7に示されるような、周波数範囲
(f11〜f12)、(f21〜f22)のバンドパス
フィルタを設定する。
【0069】ステップ103は、ステップ101で抽出
された第1の共振ピーク(約30〜50Hz)および第
2の共振ピーク(約60〜90Hz)の信号強度Ga、
Gb演算し、その大きさを比較する処理である。信号強
度の具体的演算方法を図18を用いて以下、説明する。
図18は、車輪速度Vx演算結果でCバンドパスフィル
タ通過後の波形であり、横軸時間、縦軸は第1の共振ピ
ークの振動成分の大きさを示すゲインを表している。こ
こで、車輪速度Vxの演算周期(例えば5ms)ごとの
Vxの値をVx(i)とすると第1の共振ピークの信号
強度Gaは、以下の式で表すことが出来る。
【0070】
【数16】 つまり、車輪速度演算周期毎に演算されるVx(i)の
2乗値をn個加算したものと表すことが可能になる。
【0071】また第2の共振点ピークについても、同様
に信号強度Gbが演算される。そして、前記演算された
GaとGbを比較し、信号強度Gaが大きい場合は、タ
イヤ空気圧推定に用いる共振周波数範囲を第1の共振ピ
ーク(約30〜50Hz)とし、ステップ130に進
む。ステップ130以下は、既に図4で説明した駆動輪
についての処理を行う。
【0072】また、信号強度Gbが大きい場合は、タイ
ヤ空気圧推定に使用する共振周波数範囲は、第2の共振
ピークとなり、既に前述したステップ230以下の処理
を行う。図15は転動輪の車輪速度信号の振動成分よ
り、タイヤの共振周波数を求め、これに基づき、駆動輪
のタイヤ空気圧を推定する第2のタイヤ空気圧推定手段
において、タイヤの回転状態値によるタイヤ空気圧判定
手段を用いるか否かの判別手段として、車輪速度信号の
振動成分から得られる周波数を2つに分けると共に、そ
れぞれの振動周波数における信号強度Ga、Gbを演算
し、第1の共振ピークの振動周波数成分から共振周波数
を求め、タイヤ空気圧推定を行うか、もしくはタイヤの
回転状態値を求め、転動輪のタイヤ空気圧低下判定を行
うかを選定する選定手段についての例である。
【0073】各ステップでの処理内容は、前述の例と全
く同一のため、省略する。図16、17にて第3の実施
例について説明する。図16は車輪速度信号の振動成分
より、タイヤの共振周波数を求め、これに基づき、駆動
輪のタイヤ空気圧を推定する第1のタイヤ空気圧推定手
段において、タイヤ振動現象に起因する路面からの振動
周波数成分から、振動入力強度を演算し、この振動入力
強度に基づいて、共振周波数の抽出対象とする周波数範
囲を選定する実施例である。なお図16のフローは駆動
輪に対して適用される。
【0074】図16のフローチャートに基づき、以下説
明する。ステップ100までは、いままでの実施例で既
に述べているので説明を省略する。ステップ104は前
記したタイヤ振動現象に起因する路面からの振動入力の
信号強度をより強める目的で、他の周波数帯の信号をカ
ットするために、設定されたバンドパスフィルタであ
る。
【0075】ステップ105は、ステップ104で抽出
された路面からの振動周波数成分から振動入力強度Gc
を演算し、その大きさを予め設定された基準値Gcoと
比較する処理である。信号強度の具体的演算方法を図1
9を用いて以下、説明する。路面からの振動入力は、適
当なバンドパスフィルタを用いることにより、車輪速度
変動から抽出できることは、既に特開平6−27061
8号公報に例示されており、 図19ではその具体的演
算方法につき例示する。
【0076】図19は、車輪速度Vx演算結果でEバン
ドパスフィルタ通過後の波形であり、横軸時間、縦軸は
路面からの振動成分の大きさを示すゲインを表してい
る。ここで、車輪速度Vxの演算周期(例えば5ms)
ごとのVxの値をVx(i)とすると振動入力強度Gc
は、以下の式で表すことが出来る。
【0077】
【数17】 つまり、車輪速度演算周期毎に演算されるVx(i)の
2乗値をm個加算したものと表すことが可能になる。
【0078】また、図20は路面からの振動入力強度の
演算方法の他の実施形態を示すものである。そして、前
記演算されたGcと予め設定された基準値Gcoを比較
し、振動入力強度Gcが大きい場合は、タイヤ空気圧推
定に用いる共振周波数範囲を第1の共振ピーク(約30
〜50Hz)とし、ステップ130に進む。ステップ1
30以下は、既に図4において説明した駆動輪について
の処理を行う。
【0079】また、振動入力強度Gcが基準値Gcoよ
り小さい場合は、タイヤ空気圧推定に使用する共振周波
数範囲は、第2の共振ピークとなり、既に前述したステ
ップ230以下の処理を行う。図17は転動輪における
車輪速度信号の振動成分より、タイヤの共振周波数を求
め、これに基づき、駆動輪のタイヤ空気圧を推定する第
2のタイヤ空気圧推定手段において、タイヤの回転状態
値によるタイヤ空気圧判定手段を用いるか否かの判別手
段として、タイヤ振動現象に起因する路面からの振動周
波数成分から、振動入力強度Gcを演算し、この振動入
力強度Gcに基づいて、転動輪の空気圧異常判定する実
施例である。
【0080】本発明は上述の実施例に限定されることな
く、以下のように種々変形可能である。たとえば、上述
までの実施例では、駆動輪と転動輪とにおいてあらかじ
め異なるフローに進むようにECU6内が構成されてい
た(すなわち駆動輪と転動輪とにおいて平行演算処理可
能な独立した演算部および判定部が設けられている例)
が、これに関わらず、右駆動輪→左駆動輪→右転動輪→
左転動輪の如くECU6内にて演算処理を行うように
し、イグニッションON後の初期化スイッチのONか否
かの判定後、制御対象輪が駆動輪か転動輪かを判定し、
駆動輪であればたとえば第1の実施例においては図4の
フローに、転動輪であれば図5のフローに進むようにし
てもよい。なお、第2、第3実施例においても同様であ
る。
【0081】また、上述の実施例では、車体速度、信号
強度あるいは信号入力強度に基づいて、転動輪における
空気圧推定あるいは空気圧異常の判定方法を切り換えて
いた。すなわち、車体速度、信号強度あるいは信号入力
強度に基づいて、共振周波数を用いて判定をするかある
いは車輪速度差等の回転状態値の偏差に基づいて判定を
するかを切り換えていたが、これに関わらず、転動輪は
全て回転状態値の偏差に基づく判定を行い、駆動輪は共
振周波数に基づく判定を行うようにしてもよい。たとえ
ば、第1の実施例における図5において、ステップ11
0〜ステップ160を略し、転動輪であればステップ1
00からステップ320、330、340、170の順
に進むようにしてもよい。これは第2、第3の実施例に
ついても同様である。
【0082】また、上述の実施例では、駆動輪の空気圧
推定あるいは空気圧異常判定に共振周波数の変化を用い
てきたが、これに代わってバネ定数の変化を推定するこ
とにより空気圧推定あるいは空気圧異常判定を行うよう
にしてもよい。なお、バネ定数の変化は、たとえば共振
周波数の変化を検出することにより検出することができ
る。
【0083】また、上述の実施例における共振周波数の
検出に際して行う車輪速度信号の信号解析処理として
は、FFT演算(高速フーリエ変換)、線形予測法等あ
らゆる解析手法を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の主要構成のモデル図である。
【図2】本発明の主要構成のブロック図である。
【図3】タイヤ空気圧推定における物理モデルを表す図
である。
【図4】第1の実施例における駆動輪に対する処理フロ
ーを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施例における転動輪に対する処理フロ
ーを示すフローチャートである。
【図6】車体速度との関係における車輪速度信号のパワ
ースペクトルを示す特性図である。
【図7】車体速度との関係における共振周波数と空気圧
の関係を示す特性図である。
【図8】共振周波数と空気圧との関係を示すマップであ
る。
【図9】車輪速度信号に周波数解析を施して共振周波数
を演算した際の共振周波数とタイヤ空気圧との関係の波
形を示す波形図である。
【図10】駆動輪と転動輪における第2の共振ピークの
空気圧に依存する変化を示す特性図であり、(a)は駆
動輪の特性図、(b)は転動輪の特性図を表す。
【図11】転動輪と駆動輪における回転状態値偏差(回
転状態値比)によるタイヤ空気圧の判定特性を示し、
(a)は転動輪、(b)は駆動輪における左右車輪速度
比の車体速度に対する変化を示す特性図である。
【図12】駆動輪における初期化スイッチON時のフロ
ーを示すフローチャートである。
【図13】転動輪における初期化スイッチON時のフロ
ーを示すフローチャートである。
【図14】第2の実施例における駆動輪に対するフロー
チャートである。
【図15】第2の実施例における転動輪に対するフロー
チャートである。
【図16】第3の実施例における駆動輪に対するフロー
チャートである。
【図17】第3の実施例における転動輪に対するフロー
チャートである。
【図18】車輪速度Vx演算結果でCバンドパスフィル
タ通過後の波形である。
【図19】信号強度の具体的演算方法を示す際の参考特
性図である。
【図20】路面からの振動入力強度の演算方法の他の実
施形態を示す特性図である。
【符号の説明】
1a〜1d 車輪 2〜4 車輪速度センサ 6 ECU 61 共振周波数演算部 62 回転状態値演算部 160a,160b 判定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−297923(JP,A) 特開 平9−2031(JP,A) 特開 平9−249009(JP,A) 特開 平5−133831(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 23/00 - 23/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両走行時に、各輪の車輪速度を逐次演
    算する車輪速度検出手段と、 前記車輪速度検出手段の検出結果である車輪速度信号に
    含まれる振動周波数成分からタイヤの共振周波数もしく
    はタイヤのバネ定数を抽出する抽出手段と、 この抽出手段によって抽出された共振周波数もしくはタ
    イヤバネ定数に基づいて駆動輪のタイヤ空気圧のみを推
    定する第1のタイヤ空気圧推定手段と、 上記車輪速度検出手段により検出された車輪速度に基づ
    きタイヤの回転状態値を演算する回転状態値演算手段
    と、 前記回転状態値演算手段によって演算された回転状態値
    の偏差に基づいて転動輪のタイヤ空気圧のみの推定を行
    う第2のタイヤ空気圧推定手段と、 を備えることを特徴とするタイヤ空気圧推定装置。
  2. 【請求項2】 前記第1のタイヤ空気圧推定手段は、 前記抽出手段によって抽出される前記共振周波数もしく
    は前記バネ定数の抽出対象とする前記車輪速度信号に含
    まれる振動周波数成分の振動周波数範囲を選定する選定
    手段を備え、 前記選定手段により選定された周波数範囲において、前
    記共振周波数もしくは前記バネ定数を抽出して前記駆動
    輪のタイヤ空気圧を推定することを特徴とする請求項1
    に記載のタイヤ空気圧推定装置
  3. 【請求項3】 前記選定手段は、車両の走行速度を検出
    する走行速度検出手段を備え、この走行速度に基づいて
    前記振動周波数範囲を選定することを特徴とする請求項
    2に記載のタイヤ空気圧推定装置。
  4. 【請求項4】 前記選定手段は、 前記周波数範囲を複数の周波数範囲に分割する分割手段
    と、 各周波数範囲における信号強度を演算する信号強度演算
    手段と、を備え、 前記信号強度演算手段によって演算された信号強度に基
    づいて、前記共振周波数もしくは前記バネ定数の抽出対
    象とする周波数範囲を前記複数設けられた周波数範囲か
    ら選定することを特徴とする請求項2もしくは請求項3
    に記載のタイヤ空気圧推定装置。
  5. 【請求項5】 前記選定手段は、路面からのタイヤへの
    振動入力強度を演算して、この演算結果である振動入力
    強度に基づいて前記周波数範囲を選定することを特徴と
    する請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のタイヤ空
    気圧推定装置。
  6. 【請求項6】 前記第2のタイヤ空気圧推定手段は、前
    記タイヤの回転状態値に基づいてタイヤ空気圧を推定に
    対する許可条件を満足しているか否かを判定する条件判
    定手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項5
    のいずれかに記載のタイヤ空気圧推定装置。
  7. 【請求項7】 前記条件判定手段は、車両の走行速度を
    検出する走行速度検出手段を備え、前記走行速度を許可
    条件として判定することを特徴とする請求項6に記載の
    タイヤ空気圧推定装置。
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