JP3358323B2 - タイヤ空気圧検知装置 - Google Patents

タイヤ空気圧検知装置

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JP3358323B2
JP3358323B2 JP23944394A JP23944394A JP3358323B2 JP 3358323 B2 JP3358323 B2 JP 3358323B2 JP 23944394 A JP23944394 A JP 23944394A JP 23944394 A JP23944394 A JP 23944394A JP 3358323 B2 JP3358323 B2 JP 3358323B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誤判定することのないタ
イヤ空気圧検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】タイヤの空気圧が低下してタイヤの半径
が減少すると車輪速度が変動する。これを利用して、各
車輪の車輪速度を検出する車輪速度センサの検出信号に
基づいて、車両のタイヤの空気圧を間接的にタイヤ空気
圧を検知するタイヤ空気圧検知装置が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、検出対
象である上記タイヤの半径は、タイヤの摩耗やコーナリ
ング、制動等の走行状況により微妙に変化する。さら
に、ラジアルタイヤの場合は、タイヤ空気圧の変化によ
るタイヤ半径の変形量が少ない(例えば、タイヤ空気圧
が1kg/cm2低下したとき、タイヤ半径の変形量は
約1mmである。)。従って、タイヤ半径の変形量を空
気圧検知のパラメータとすると、検知精度が十分に確保
できないという問題がある。
【0004】そこで、本願発明者は上記問題を解決する
ため、ばね下の上下方向あるいは前後方向の共振周波数
kを抽出し、この共振周波数fkに基づく低下偏差(f
0−fk)と所定偏差△fを比較することにより、タイヤ
の空気圧の状態を検知する装置を発明して出願した(特
願平3−294622号)。また、車両の走行速度に応
じて、前記共振周波数成分信号と判定値との間の比較基
準を補正する補正手段を備えたタイヤ空気圧の検知装置
を提案した(特願平4−18983号)。
【0005】しかしながら、上記各装置においては、所
定偏差△fが一定値であって一定基準の比較しかできな
いという問題点や、高速走行時のみしか所定偏差△fを
補正することができなかったため、タイヤ空気圧の検知
精度が十分ではないという問題点があった。本発明は、
上記問題点を解決するためになされたものであり、タイ
ヤ空気圧の検知精度を高めたタイヤ空気圧検知装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めの請求項1記載の本発明のタイヤ空気圧検知装置は、
車両の走行時にタイヤの振動周波数成分を含む信号を出
力する出力手段と、前記信号から共振周波数成分の信号
を抽出する抽出手段と、前記共振周波数成分の信号を判
定値と比較することにより、前記タイヤの空気圧の状態
を検知する検知手段と、車両の走行時間に基づいてタイ
ヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態に応じて
記共振周波数成分の信号と前記判定値との間の比較基準
を補正する補正手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】上記問題点を解決するための請求項2記載
の発明は、請求項1記載のタイヤ空気圧検知装置におい
て、前記補正手段は、車両の走行時間と走行速度に基づ
いてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態に
応じて前記共振周波数成分の信号と前記判定値との間の
比較基準を補正することを特徴とする。
【0008】上記問題点を解決するための請求項3記載
の発明は、車両の走行時にタイヤの振動周波数成分を含
む信号を出力する出力手段と、前記信号から共振周波数
成分の信号を抽出する抽出手段と、前記共振周波数成分
の信号を判定値と比較することにより、前記タイヤの空
気圧の状態を検知する検知手段と、車両の走行距離に基
づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態
に応じて前記共振周波数成分の信号と前記判定値との間
の比較基準を補正する補正手段とを備えたことを特徴と
する。
【0009】上記問題点を解決するための請求項4記載
の発明は、請求項3記載のタイヤ空気圧検知装置におい
て、前記補正手段は、車両の走行速度と走行距離に基づ
いてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態に
応じて前記共振周波数成分の信号と前記判定値との間の
比較基準を補正することを特徴とする。
【0010】上記問題点を解決するための請求項5記載
の本発明のタイヤ空気圧検知装置は、車両の走行時にタ
イヤの振動周波数成分を含む信号を出力する出力手段
と、前記タイヤの振動周波数成分を含む信号からタイヤ
のばね定数を推定する推定手段と、前記ばね定数を判定
値と比較することにより、前記タイヤの空気圧の状態を
検知する検知手段と、車両の走行時間に基づいてタイヤ
の発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態に応じて前記
ばね定数と前記判定値との間の比較基準を補正する補正
手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】上記問題点を解決するための請求項6記載
の発明は、請求項5記載のタイヤ空気圧検知装置におい
て、前記補正手段は、車両の走行時間と走行速度に基づ
いてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態に
応じて前記ばね定数と前記判定値との間の比較基準を補
正することを特徴とする。
【0012】上記問題点を解決するための請求項7記載
の発明は、車両の走行時にタイヤの振動周波数成分を含
む信号を出力する出力手段と、前記タイヤの振動周波数
成分を含む信号からタイヤのばね定数を推定する推定手
段と、前記ばね定数を判定値と比較することにより、前
記タイヤの空気圧の状態を検知する検知手段と、車両の
走行距離に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイ
ヤの発熱状態に応じて前記ばね定数と前記判定値との間
の比較基準を補正する補正手段とを備えたことを特徴と
する。
【0013】上記問題点を解決するための請求項8記載
の発明は、請求項記載のタイヤ空気圧検知装置におい
て、前記補正手段は、車両の走行速度と走行距離に基づ
いてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態に
応じて前記ばね定数と前記判定値との間の比較基準を補
正することを特徴とする。
【0014】上記問題点を解決するための請求項9記載
の発明は、請求項1、3、5、7のいずれか1つに記載
のタイヤ空気圧検知装置において、前記出力手段は、車
輪の回転速度に応じた信号を出力する車輪速度センサで
あることを特徴とする。
【0015】
【0016】
【作用及び発明の効果】 上記請求項1、2記載のタイヤ
空気圧検知装置は、抽出手段が抽出した共振周波数成分
の信号と判定値とを比較してタイヤ空気圧を検知する際
の比較基準を、補正手段が走行時間に基づいてタイヤの
発熱状態を検知し、該タイヤの発熱状態に応じて補正す
る。従って、タイヤの状態の変化を的確に把握でき、タ
イヤ空気圧を一層精度よく検知できる効果がある。
【0017】
【0018】上記請求項3、4記載のタイヤ空気圧検出
装置は、抽出手段が抽出した共振周波数成分の信号と判
定値とを比較してタイヤ空気圧を検知する際の比較基準
を、補正手段が走行距離に基づいてタイヤの発熱状態を
検知し、該タイヤの発熱状態に応じて補正する。従っ
て、タイヤの状態の変化を的確に把握でき、タイヤ空気
圧を一層精度よく検知できる効果がある。
【0019】
【0020】上記請求項5、6記載のタイヤ空気圧検知
装置は、推定手段がタイヤの振動周波数成分を含む信号
から推定したタイヤのばね定数と判定値とを比較してタ
イヤ空気圧を検知する際の比較基準を、補正手段が走行
時間に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの
発熱状態に応じて補正する。従って、タイヤの状態の変
化を的確に把握でき、タイヤ空気圧を一層精度よく検知
できる効果がある。
【0021】上記請求項7、8記載のタイヤ空気圧検知
装置は、推定手段がタイヤの振動周波数成分を含む信号
から推定したタイヤのばね定数と判定値とを比較してタ
イヤ空気圧を検知する際の比較基準を、補正手段が走行
時間に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの
発熱状態に応じて補正する。従って、タイヤの状態の変
化を的確に把握でき、タイヤ空気圧を一層精度よく検知
できる効果がある。
【0022】
【0023】上記請求項9記載のタイヤ空気圧検知装置
は、車両の走行時にタイヤの振動周波数成分を含む信号
を出力する出力手段が、車輪の回転速度に応じた信号を
出力する車輪速度センサで構成されているため、信号の
処理を迅速かつ的確に行うことができ、タイヤ空気圧を
精度よく検知できる効果がある。
【0024】
【実施例】
(第1実施例)本発明の第1実施例を図面を参照して説
明する。図1はタイヤ空気圧検知装置の概略構成図であ
る。車両に装着される前後左右の4個のタイヤ1a〜1
dに対応してそれぞれ車輪速度センサが設置される。車
輪速度センサは、磁性体よりなる歯車形状のパルサ2a
〜2d及びピックアップコイル3a〜3dにより構成さ
れる。パルサ2a〜2dは、各タイヤ1a〜1dの回転
車軸(図示せず)に固定される。ピックアップコイル3a
〜3dは、パルサ2a〜2dと所定の間隔を置いて取り
付けられ、パルサ2a〜2dの回転、即ち前記各タイヤ
1a〜1dの回転速度に応じた周期を有する交流信号を
出力する。
【0025】ピックアップコイル3a〜3dから出力さ
れる交流信号は、ECU4に入力される。ECU4は、
CPU、波形成形回路、ROM、RAM等から構成さ
れ、所定のプログラムに従い入力される各種信号を処理
する。そして、その処理結果は表示部5に入力され、該
表示部5は運転者に対して各タイヤ1a〜1dの空気圧
の状態を報知する。報知態様は、各タイヤ1a〜1dの
空気圧の状態を格別に表示するようにしてもよく、また
1個の警告ランプにより、いずれか1個のタイヤの空気
圧が基準空気圧よりも低下したとき、前記警告ランプを
点灯して警告するようにしてもよい。
【0026】ここで、本実施例におけるタイヤ空気圧の
検知原理について説明する。車両が舗装されたアスファ
ルト路面を走行した場合、その路面表面の微小な凹凸に
より上下及び前後方向の力を受け、その力によってタイ
ヤは上下及び前後方向に振動する。このタイヤ振動時の
車両のばね下の加速度の周波数特性は、図2に示すよう
にa点、b点でピーク値を示す。a点は車両のばね下に
おける上下方向の共振周波数であり、b点は車両のばね
下における前後方向の共振周波数である。
【0027】タイヤの空気圧が変化すると、タイヤゴム
部のばね定数も変化するため、上記の上下方向及び前後
方向の共振周波数がともに変化する。例えば、図3に示
すように、タイヤの空気圧が低下すると、タイヤゴム部
のばね定数も低下するので、上下方向及び前後方向の共
振周波数が全体的に低周波側に移行し、ピーク値a点は
a′点にピーク値b点はb′点に移行する。従って、タ
イヤの振動周波数より、車両のばね下における上下方向
及び前後方向の共振周波数の少なくとも一方を抽出すれ
ば、この共振周波数に基づいてタイヤの空気圧の状態を
検知することができる。
【0028】一方、本発明者らの詳細な検討の結果、車
輪速度センサの検出信号には、タイヤの振動周波数成分
が含まれていることが解明された。即ち、車輪速度セン
サの検出信号を周波数解析した結果は、図4に示すよう
に2点でピーク値を示すとともに、タイヤの空気圧の低
下に伴い、その2点のピーク値も低下することが明らか
となった。このため、本実施例では車輪速度センサの検
出信号から、車両のばね下における上下方向及び前後方
向の共振周波数を抽出することで、タイヤ空気圧を検知
しようとするものである。
【0029】上記により、本実施例によれば、近年搭載
車両の増加しているアンチロックブレーキシステム(以
下ABSという)を備える車両等は、既に各タイヤに車
輪速度センサが装備されているため、何ら新たなセンサ
類を追加しなくともタイヤ空気圧の検知が可能となる。
車両の実用範囲では、上記共振周波数の変化量は殆どタ
イヤ空気圧の変化に起因するタイヤゴム部のばね定数の
変化に基づくものであり、タイヤの摩耗等の他の要因の
影響を受けることなく安定した空気圧検知が可能とな
る。
【0030】以下図5のフローチャートを参照して、タ
イヤの空気圧が所定空気圧以下に低下したことを検知し
て警報を発するECU4の信号処理について説明する。
尚、ECU4は各車輪について同様の処理を行うため、
前記フローチャートは一つの車輪に対しての信号処理の
みを示している。また、処理内容は、特にタイヤの空気
圧が基準値以下に低下したことを検知し、運転者に警告
する例について示す。前記は、以下の各実施例について
も同様である。
【0031】イグニッションスイッチオンによりECU
4による信号処理がスタートするとステップ100で
は、ピックアップコイル3から出力された交流信号(図
6)を波形整形してパルス信号とした後、そのパルス間
隔を所定の時間で除算することにより車輪速度vを演算
する。この車輪速度vは図7に示すように、通常タイヤ
の振動周波数成分を含む多くの高周波成分を含んでい
る。ステップ110では、演算された車輪速度vの変動
幅△vが基準値v0以上か否かを判定する路面状態判定
処理を行う。車輪速度vの変動幅△vが、基準値v0
上と判定されるとステップ120に進む。
【0032】ステップ120では、車輪速度vの変動幅
△vが基準値v0以上となっている時間△Tが、所定時
間t0以上か否かを判定する路面長判定処理を行う。前
記ステップ110の路面状態判定処理、及びステップ1
20の路面長判定処理は、車両が走行している路面が、
本実施例の検知手法によってタイヤ空気圧の検知が精度
よく可能な路面か否かを判定するために行うものであ
る。つまり、本実施例ではタイヤの空気圧の検知を、タ
イヤの振動周波数成分に含まれる共振周波数の変化に基
づいて行う。このため、車輪速度vがある程度変動しか
つそれが継続されなければ、上記共振周波数を精度よく
算出するための充分なデータを得ることができない。
尚、前記ステップ120における判定では、車輪速度v
の変動幅△vが基準値v0以上となった時点で所定時間
△tが設定される。また、この所定時間△t内に再び車
輪速度vの変動幅△vがv0以上になると、時間△Tの
計測が継続される。
【0033】続くステップ130では、FFT演算回数
Nを積算する。実際に車両が一般道を走行して得られる
車輪速度に対してFFT演算を実施すると、図8に示す
ように非常にランダムな周波数特性となることが通常で
ある。これは、路面に存在する微妙な凹凸の形状(大き
さや高さ)が全く不規則なためであり、車輪速度データ
毎にその周波数特性は変動することとなる。従って、本
実施例では、この周波数特性の変動をできるだけ低減す
るために、複数回のFFT演算結果の平均値を求める。
【0034】そのため、ステップ140では、このFF
T演算の演算回数Nが所定回数n0に達したか否かを判
定する。達していない場合は、ステップ100〜ステッ
プ130の処理が繰り返される。演算回数Nが所定回数
0に達したときには、続くステップ150で平均化処
理を行う。この平均化処理は図9に示すように、各FF
T演算結果の平均値を求めるものであり、各周波数成分
のゲインの平均値が算出される。この平均化処理によっ
て、路面によるFFT演算結果の変動を低減することが
可能となる。
【0035】しかし、上述の平均化処理だけでは、ノイ
ズ等によって車両のばね下の上下方向及び前後方向の共
振周波数のゲインが、その近辺の周波数のゲインに比較
して必ずしも最大ピーク値になるとは限らないという問
題がある。そこで、上述の平均化処理に引き続き、ステ
ップ160において移動平均処理を実施する。この移動
平均処理は、n番目の周波数のゲインYを以下の演算
式によって求めることにより実施される。
【0036】
【数1】Yn=(yn+1+Yn-1)/2 つまり、移動平均処理では、n番目の周波数のゲインY
が、前回の演算結果におけるn+1番目のゲインy
n+1 と既に演算されたn−1番目の周波数のゲインY
n-1 との平均値とされる。これにより、FFT演算結果
は、滑らかに変化する波形を示すことになる。この移動
平均処理により求められた演算結果を図10に示す。
尚、ここでの波形処理は上記移動平均処理に限らず、前
記ステップ130のFFT演算を実施する前に、車輪速
度vの微分演算を行い、その微分演算結果に対してFF
T演算を実施してもよい。続くステップ170では、上
記移動平均処理によりスムージングされたFFT演算結
果に基づいて、車両のばね下の前後方向の共振周波数f
Kを算出する。尚、ステップ170の処理が実行され
て、最初に演算された共振周波数fkを初期共振周波数
0として記憶しておく。
【0037】続くステップ180では、車両の走行時に
発生するタイヤの発熱を考慮して、タイヤ空気圧の許容
上下限値(例えば上限値2.5kgf/cm2、下限値
1.4kgf/cm2)に対応して設定されたばね下共
振周波数上限値fH及びばね下共振周波数下限値fLを補
正する処理を行う。これは、タイヤが発熱するとタイヤ
内の空気量は変わらないにもかかわらず、タイヤ内の空
気が膨張してタイヤ空気圧が上昇することから、実際の
タイヤ内の空気量に対応した空気圧が検知できないため
である。尚、ステップ180の補正処理の内容について
は、後に詳細に説明する。
【0038】続くステップ190では、共振周波数fK
をばね下共振周波数上限値fH及びばね下共振周波数下
限値fLと比較する。共振周波数fKがばね下共振周波数
上限値fHより大きい場合は、タイヤ空気圧が許容上限
値を上回ったと判定し、共振周波数fKがばね下共振周
波数下限値fLより小さい場合は、タイヤ空気圧が許容
下限値を下回ったと判定して、ステップ200へ進み表
示部5により運転者に対して警告表示を行う。ばね下共
振周波数下限値fL≦共振周波数fK≦ばね下共振周波数
上限値fHと判定された場合は、前記ステップ100以
下の処理を行う。
【0039】車両走行によるタイヤの発熱は、図11に
示すようにタイヤの屈曲による発熱量Q1とタイヤ周囲
に放熱される熱量Q2とが等しくなることにより、タイ
ヤ内の空気の温度はある温度に漸近していくと考えられ
る。この関係は、タイヤ内の空気の温度をQ(t)とす
ると以下の関係式により表すことができる。
【数2】Q(t)=A・exp-(Bt)+C ここで、A,B及びCの係数は、車両の走行速度及び車
両諸元に依存する値である。また、tは上記関係式が成
立した時点からの経過時間である。この関係式よりタイ
ヤ内の空気温度が計算できる。
【0040】ボイル・シャルルの法則によれば圧力と温
度が比例するから、上記関係式は以下のように書き換え
られる。
【数3】 ここで、A′,B′及びC′の係数は、車両の走行速度
及び車両諸元に依存する値である。また、tは上記関係
式が成立した時点からの経過時間である。この関係式よ
りタイヤの空気圧が求められる。
【0041】図12は前記ステップ180の補正処理の
内容を示したフローチャートである。ステップ181で
は、予め設定された所定時間t1内の平均車速VAVEを求
める(図13(a)参照)。続いてステップ182へ進
み、平均車速VAVE及び車両諸元からA′,B′及び
C′を求めて、ステップ183でタイヤ発熱によるタイ
ヤ空気圧の変化量△Pを上記関係式から計算する(図1
3(b)参照)。この関係式の係数A′,B′及びC′
は、初期圧力P0と車両速度及び車両諸元から決定され
るものであるため、図14に示される関係を予め求めて
おくことにより、VAVEに対応して求めることができ
る。
【0042】ステップ184では、タイヤ発熱によるタ
イヤ空気圧の変化量△Pに対応する共振周波数補正量△
fを求める。この変化量△Pと△fとの関係は、予めマ
ップとして記憶しておく。続いてステップ185へ進
み、ばね下共振周波数下限値の初期値fL0に共振周波数
補正量△fを加えて、ばね下共振周波数下限値fLを求
める。同様に、ばね下共振周波数上限値の初期値fH0
共振周波数補正量△fを加えて、ばね下共振周波数上限
値fHを求める。そして、前記ステップ190へリター
ンする。
【0043】尚、上記実施例では、車両のばね下の前後
方向の共振周波数のみに基づいて、タイヤの空気圧の低
下を検知する例を示したが、これに代えて上下方向の共
振周波数のみに基づきタイヤ空気圧の低下を検知するこ
ともできる。また、前後方向及び上下方向の共振周波数
の両者に基づいて検知することもできる。
【0044】(第2実施例)第2実施例は、タイヤの空
気圧を直接検知するものである。このため、図15に示
すようなタイヤ空気圧とばね下共振周波数fKとの関係
を各タイヤ毎にマップとして記憶しておく。そして、上
記第1実施例と同様にばね下共振周波数fKを演算し、
記憶されたマップからタイヤ空気圧を直接求める。この
第2実施例におけるECU4の処理内容は、第1実施例
の場合と一部分相違するのみであるので、その相違点を
以下に説明する。
【0045】図16に示すように、第1実施例のステッ
プ190の処理内容を変更したもので、ステップ290
ではステップ170で演算されたばね下共振周波数fK
とステップ180で求められたばね下共振周波数下限値
Lとばね下共振周波数上限値fHを用いて、前記図15
に示した関係から対応するタイヤ空気圧P、タイヤ空気
圧の許容上限値PH及び許容下限値PLを求める。続くス
テップ291では、タイヤ空気圧Pが許容上限値PHよ
り大きい場合、又はタイヤ空気圧Pが許容下限値PLよ
り小さい場合は、ステップ200へ進み表示部5により
運転者に対して警告表示を行う。許容下限値PL≦タイ
ヤ空気圧P≦許容上限値PHと判定された場合は、前記
ステップ100以下の処理を行う。
【0046】この第2実施例では、表示部5の表示形態
を変えてステップ290で求められた各タイヤ空気圧P
をタイヤ毎に直接表示するようにしてもよい。尚、上記
各実施例では、共振周波数の上限値及び下限値を補正し
ているが、これらを一定にしておいて、ステップ170
で演算される共振周波数fKを補正するようにしてもよ
い。尚、上記図5のステップ180(図12のステップ
181〜185)の補正処理は、上記実施例のようにF
FT演算結果を用いる代わりに、直接ばね定数を演算し
てばね定数と判定値との間の比較基準を補正するように
してタイヤ空気圧を検知する方法にも用いることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタイヤ空気圧検知装置の概略構成
図である。
【図2】車両のばね下の加速度の周波数特性を示す特性
図である。
【図3】タイヤ空気圧の変化に伴う車両のばね下の上下
方向及び前後方向の共振周波数の変化の様子を示す特性
図である。
【図4】タイヤ空気圧の検知原理を示す説明図である。
【図5】ECUの処理内容を示すフローチャートであ
る。
【図6】車輪速度センサの出力電圧波形を示す波形図で
ある。
【図7】車輪速度センサの検出信号に基づいて演算され
た車輪速度vの変動状態を示す波形図である。
【図8】車輪速度vの時間波形に対するFFT演算結果
を示す特性図である。
【図9】平均化処理を示した説明図である。
【図10】移動平均処理を行った後のFFT演算結果を
示す特性図である。
【図11】走行に伴うタイヤの発熱量と放熱量とを示し
た説明図である。
【図12】補正処理の内容を示したフローチャートであ
る。
【図13】平均車速及び圧力補正値と時間との関係を示
した特性図である。
【図14】タイヤ空気圧と時間との関係を示した特性図
である。
【図15】タイヤ空気圧とばね下共振周波数との関係を
示した特性図である。
【図16】第2実施例の特徴部分を示したフローチャー
トである。
【符号の説明】
1a〜1d タイヤ 2a〜2d パルサ 3a〜3d ピックアップコイル 4 EUC
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 冨板 健治 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−213018(JP,A) 特開 平8−15069(JP,A) 特開 平5−133831(JP,A) 特開 平7−156621(JP,A) 特表 平3−501715(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60C 23/00 - 23/06 G01H 13/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行時にタイヤの振動周波数成分
    を含む信号を出力する出力手段と、前記信号から共振周
    波数成分の信号を抽出する抽出手段と、前記共振周波数
    成分の信号を判定値と比較することにより、前記タイヤ
    の空気圧の状態を検知する検知手段と、車両の走行時間
    に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱
    状態に応じて前記共振周波数成分の信号と前記判定値と
    の間の比較基準を補正する補正手段とを備えたことを特
    徴とするタイヤ空気圧検知装置。
  2. 【請求項2】 前記補正手段は、車両の走行時間と走行
    速度に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの
    発熱状態に応じて前記共振周波数成分の信号と前記判定
    値との間の比較基準を補正することを特徴とする請求項
    1記載のタイヤ空気圧検知装置。
  3. 【請求項3】 車両の走行時にタイヤの振動周波数成分
    を含む信号を出力する出力手段と、前記信号から共振周
    波数成分の信号を抽出する抽出手段と、前記共振周波数
    成分の信号を判定値と比較することにより、前記タイヤ
    の空気圧の状態を検知する検知手段と、車両の走行距離
    に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの発熱
    状態に応じて前記共振周波数成分の信号と前記判定値と
    の間の比較基準を補正する補正手段とを備えたことを特
    徴とするタイヤ空気圧検知装置。
  4. 【請求項4】 前記補正手段は、車両の走行速度と走行
    距離に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの
    発熱状態に応じて前記共振周波数成分の信号と前記判定
    値との間の比較基準を補正することを特徴とする請求項
    記載のタイヤ空気圧検知装置。
  5. 【請求項5】 車両の走行時にタイヤの振動周波数成分
    を含む信号を出力する出力手段と、前記タイヤの振動周
    波数成分を含む信号からタイヤのばね定数を推定する推
    定手段と、前記ばね定数を判定値と比較することによ
    り、前記タイヤの空気圧の状態を検知する検知手段と、
    車両の走行時間に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、
    該タイヤの発熱状態に応じて前記ばね定数と前記判定値
    との間の比較基準を補正する補正手段とを備えたことを
    特徴とするタイヤ空気圧検知装置。
  6. 【請求項6】 前記補正手段は、車両の走行時間と走行
    速度に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの
    発熱状態に応じて前記ばね定数と前記判定値との間の比
    較基準を補正することを特徴とする請求項5記載のタイ
    ヤ空気圧検知装置。
  7. 【請求項7】 車両の走行時にタイヤの振動周波数成分
    を含む信号を出力する出力手段と、前記タイヤの振動周
    波数成分を含む信号からタイヤのばね定数を推定する推
    定手段と、前記ばね定数を判定値と比較することによ
    り、前記タイヤの空気圧の状態を検知する検知手段と、
    車両の走行距離に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、
    該タイヤの発熱状態に応じて前記ばね定数と前記判定値
    との間の比較基準を補正する補正手段とを備えたことを
    特徴とするタイヤ空気圧検知装置。
  8. 【請求項8】 前記補正手段は、車両の走行速度と走行
    距離に基づいてタイヤの発熱状態を検知し、該タイヤの
    発熱状態に応じて前記ばね定数と前記判定値との間の比
    較基準を補正することを特徴とする請求項記載のタイ
    ヤ空気圧検知装置。
  9. 【請求項9】 前記出力手段は、車輪の回転速度に応じ
    た信号を出力する車輪速度センサであることを特徴とす
    る請求項1、3、5、7のいずれか1つに記載のタイヤ
    空気圧検知装置。
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