JP3684726B2 - 路面状態判別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走行中の路面状態を判別する路面状態判別装置に関し、ドライバーへの危険情報の通知を目的とするシステムに関するもの、アンチスキッドブレーキ装置、トラクションコントロール装置等の走行系の制御へ路面情報を伝達することにより車両走行の安全性を向上するシステムに適用することもできる。
【0002】
【従来の技術】
従来、路面における摩擦係数μ(以下、μという)の判別方法として、車両の減速・加速状態におけるスリップ率に基づいて判別を行う方法や、旋回中の横加速度、回転モーメントに基づいて判別を行う方法が知られている。
また、検出された摩擦係数μに基づいて制御が行われる装置として、アンチスキッドブレーキ装置やトラクションコントロール装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの路面のμの判別方法によると、車両に加速度が発生していない一定速度状態であるとき、或いはステアリングによる操作が行われていないときには、路面のμの判別を行うことができない。
従って、上記したような状態においては、路面のμが低下したという情報等を運転者に伝達して注意を促したり、アンチスキッドブレーキ装置等の制御装置に早いタイミングで伝達することができなかった。
【0004】
本発明は上記点に鑑みて、車両に加速度が発生していない一定速度状態であるとき、或いはステアリングによる操作が行われていないときにおいても路面のμを判別可能にすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
円形のタイヤは、接地面で一度フラットな状態に変形するが、この時タイヤトレッド面に働く前後力は路面のμやタイヤ周上の各部の材料の強弱によって変化する。図1(a)は接地面でのゴムブロックが前後方向に受ける力を図示したものであるが、転動しているタイヤ100のゴムブロックは最初の接地部で前方向に引っ張られたのち、上下に圧縮され地面から離れようとするときに後部に引っ張られる。この力をΔFとする。
【0006】
前後に引っ張られる力ΔFは路面のμ特性及びタイヤ100のゴムブロックの剛性により異なる。一般には、路面のμまたはタイヤ剛性が高いほど、力ΔFの変動は大きくなる。また、路面のμが高く、剛性が高いほど或いはタイヤの剛性が高いほど力ΔFの変化率(勾配)も大きい。
ところで、一般にタイヤの各部の材料は回転中の共振を減らすため、材料の剛性に強弱をつけて製作される。このため、接地部にてタイヤ各部が異なる状態で変形してタイヤ回転毎に変動が起きる。また、タイヤ100のトレッド部及びカーカス部に振動や強弱の波を形成しながら転動する。このため、路面μが同様である場合にはタイヤ100の同一箇所で、つまりタイヤ100の回転と同一又はその整数倍の周波数毎に同様な波を形成する。
【0007】
このため、路面のμの大小及び路面の均一性は、上記タイヤ100の振動や剛性の強弱によってタイヤ100の回転やサスペンション系に発生するタイヤ100の回転と同期する変動(以下、タイヤ回転ピッチという)に基づいて計測することができる。つまり、タイヤ100の同一箇所に発生する変動を物差しとしてその大小、継続性を評価することで路面状態を判別することができる。
【0008】
具体的には、人工的に形成されたアスファルトのような路面では路面状態が安定して継続する。このため、タイヤ回転ピッチの情報が乱されない。また、路面μが大きいために力ΔFの変動が大きく、図1(b)に示すようにタイヤ100の前後歪みが大きくなり、タイヤ回転ピッチも大きくなる。
しかし、自然的に形成される低μ路面では路面のμが小さく、自然路面であるためバラツキがあり、また凹凸もアスファルトより不均一である。このため、タイヤ回転ピッチの情報が乱される。また路面μが小さいために力ΔFの変動が小さく、図1(c)に示すようにタイヤ100の前後歪みが小さくなり、タイヤ回転ピッチ成分も小さくなる。
【0009】
上記理由により車両の走行中、タイヤ回転ピッチを計測することにより路面のμの状態を判別することができる。即ち、アスファルト路のようにグリップがあり一定した路面と、雪や氷のようにμが小さくバラツキがある路面をタイヤ回転ピッチを計測することにより区別できる。
上記目的を達成するために、以下に示す手段を採用する。
【0010】
請求項1に記載の発明においては、車両のタイヤ(1〜4)と路面の間の摩擦力に基づく変動であってタイヤの回転と同期した変動成分を含む車輪速度信号を出力する車輪速度センサ(11〜14)、この車輪速度信号から速度信号成分とピッチ成分とを分離することでピッチ成分として表される変動成分を抽出する手段とを備え、この変動成分に基づき路面状態を判別することを特徴とする。このように、車輪速センサからの車輪速度信号から車輪速度信号成分とタイヤ回転ピッチ成分とを分離して、分離されたタイヤ回転ピッチ成分から路面のμの判別を行う。
【0011】
上述したように、タイヤ回転ピッチ成分から路面のμを判別することができる。従って、路面判別をタイヤ回転ピッチで行うことにより車両にスリップが発生していない一定速度状態であるとき、或いはステアリングによる操作が行われていないときにおいても、路面のμを判別することができる。
具体的には、請求項2に示すように、タイヤ回転ピッチの抽出は、ケプストラム解析によって行うことができる。この場合、タイヤ回転ピッチ成分に基づき、路面のμの判別を行うことができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明では、車両のタイヤ(1〜4)と路面における摩擦力に基づく変動であってタイヤの回転と同期した変動成分を含む信号を出力する手段(11〜14)を備え、その信号からケプストラムの原理に基づき変動成分を抽出し、この変動成分に基づき路面状態を判別することを特徴としている。
このように、タイヤの回転と同期した変動成分を含む信号をケプストラム解析することで変動成分を抽出できる。そして、この変動成分に基づいて路面状態を判別することが可能である。なお、変動成分を含む信号としては、車輪加速度、ホイールトルク、サスペンション歪み又はホイールサスペンション振動等がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。
図2に、本実施形態における構成図を示す。図2に示すように各車輪1〜4に対応して車輪速センサ11〜14が取りつけられており、これらの車輪速センサ11〜14からの信号が路面状態判別用の電子制御装置(以下、ECUという)5に入力される。また、ECU5には、ステアリング6に取りつけられたステアリングセンサ7により検出されるステアリング角も入力され、これらに基づき路面状態判別が行われる。なお、ECU5によって判別された路面状態は、ウォーニングランプ8にて運転者に警告される。
【0014】
具体的には、上記路面状態判別は、ケプストラム解析を使用してタイヤ回転ピッチ成分を検出することにより行う。
ここで、ケプストラム解析とは、音声認識等で普及している技術であり(参考文献:斉藤 収三著 音声情報処理の基礎 オーム社)、音声においてケプストラムの原理に基づき各ピッチ成分を検出している。このケプストラムの原理に基づき、タイヤ回転数ピッチの成分を検出する。
【0015】
即ち、信号s(t)を周期Tのピッチ周期の信号とみなした場合、数式1のように、信号s(t)は信号成分s0(t)とピッチ成分Σδの積算値の畳み込み積分で表せる。
【0016】
【数1】
Figure 0003684726
【0017】
また、数式1をフーリエ変換(以下、FFTという)することにより、s(t)におけるパワースペクトル値:S(ω)が信号成分S0(ω)とピッチ成分の積で表せ、数式2のようになる。
【0018】
【数2】
Figure 0003684726
【0019】
さらに、数式2について対数変換を行うと信号成分とピッチ成分が分離でき、数式3で表される。
【0020】
【数3】
Figure 0003684726
【0021】
但し、S(t):入力信号、t:時間、n:整数、T:ピッチ周期、S0(t):ピッチ以外の信号成分、*:畳み込み積分
この数式3における第1項はs0(t)のパワースペクトル値であり、第2項の括弧内は線スペクトルを示す。ここで、このs0(t)のパワースペクトル値はωに対して比較的ゆるやかな変化を示し、線スペクトルはωに対して急激な変化を示す。
【0022】
このため、数式3を変数ωの信号列と見なしたとき、ピッチ成分は信号成分に比べてωに対して急激な変化を示す。また、一般には、s0(ω)はωに対して急な変化は少ないため数式3を逆フーリエ変換するとピッチ成分を高周波(高ケフレンシー)側に、信号成分を低周波(低ケフレンシー)に分離することができる。
【0023】
つまり、S0(ω)は、低周波成分が主体であるので高周波領域ではあまり波形として現れず、この領域ではタイヤピッチ成分を主体とした波形になるため、逆FFTを行うことにより、低周波の車輪速度信号成分と高周波のタイヤピッチ成分とを分離し、この波形からタイヤ回転ピッチ成分のみを抽出することができる。
【0024】
従って、車両においてはケプストラムにて車輪速度信号からタイヤ回転ピッチ成分及び車輪速度信号成分に分離して、このうちのタイヤ回転ピッチ成分から路面状態判別を行うことができる。
また、路面がドライ状態、圧雪状態、氷上状態である場合において、検出される波形の例を図3(a)〜(c)に示す。図3(a)に示されるように、ドライ状態においてはタイヤ回転ピッチ成分はタイヤ1回転周期となる波形として現れ、タイヤ回転ピッチ成分は大きく現れる。図3(b)に示されるように、圧雪状態においては凹凸や路面μが不均一であるため振動がランダムになり無秩序な波形となる。図3(c)に示されるように、氷上状態においてはタイヤ1回転周期となる波形として現れるが、タイヤ回転ピッチ成分は小さくしか現れない。このように、各状態で特徴ある波形となり、これらの波形に基づきケプストラム解析を行いタイヤ回転ピッチ成分を検出する。
【0025】
上述したケプストラム解析を使用した路面判別検出における各処理を、図4に示す。また、図5にこれらの処理に基づき演算される波形を示す。
まず、ステップ201では、回転角度センサからローターの歯車毎(1パルス毎)の車輪速度パルスを検出して、この車輪速度パルスから車輪速度パルス間隔を求めて入力する。なお、この車輪速度パルスの検出には汎用に普及している電磁ピックアップ方式又はフォトカプラ方式等が利用できる。
【0026】
ステップ202では、サンプルした車輪速度パルス間隔から、サンプル間隔が一定時間となる車輪速度Vw(t)を求める。具体的には、図6(a)に示すように、ローター50の歯車50a毎に発生する車輪速度パルス毎に、図6(b)に示すような車輪速度Vw(n)を求め、さらに車輪速度Vw(n)から2次スプライン関数で補間して、図6(c)に示すサンプリング間隔が一定時間となる車輪速度Vw(t)を求める。
【0027】
続くステップ203では、FFTを実行する際の誤差を減らすためにハイパスフィルター(以下、HPFという)によって速度の低周波成分を除いている。
ステップ204〜ステップ208は、ケプストラム演算における処理である。上記ケプストラムの原理に基づき、これらのステップについて説明する。
ステップ204でウィンドウ処理を行い、対象となるウィンドウエリアを決める。このエリアが狭いと計算精度が下がり、広いと応答性が下がるため適切な広さのエリアに設定する必要がある。なお、計算範囲をタイヤ回転速度に応じて切り替えることにより低速から高速までカバーできる。
【0028】
本実施形態では、このウィンドウエリアをTs=2πr/Vb*Nrot(但し、Ts:ウィンドウ時間、r:タイヤ半径、Vb:車体速度、Nrot:タイヤ回転数とする)に基づき決定している。基本的には計測エリアをタイヤが何回転するかで決定するものであり、Nrotは例えば約20回転ほどで実施する。
なお、図5(a)に示す波形は、検出された車輪速度Vw(t)を示す波形であり、図5(b)に示す波形は、HPFの処理後にウィンドウ処理によって決定されたウィンドウエリア内の車輪速度サンプルを拡大した波形である。そして、この図5(b)における波形が、数式1における信号s(t)によって表された波形としており、これにより信号s(t)が決定する。
【0029】
ステップ205では、ウィンドウエリア内において、上記した数式2に示すようなFFT演算を行いS(ω)を算出する。ステップ206ではFFT演算の結果からパワースペクトル値を演算する。続くステップ207では、数式3に示すように、このパワースペクトル値の対数値logVw(ω)を演算する。なお、この時のlogVw(ω)をプロットすると図5(c)の波形にて表される。そして、ステップ208では、この対数値を逆FFT演算する。
【0030】
ステップ209及びステップ210では、タイヤ回転ピッチ成分と関係した成分のみを取り出すために、ケフレンシー軸上で車体速度と関係したウィンドウをかける処理を行う。まず、ステップ209では、HPFによってノイズ等で発生したオフセット成分を取り除く。このとき、オフセット成分を取り除いた後の波形は図5(d)の波形にて表される。
【0031】
そして、ステップ210では、車輪速度信号成分を取り除きタイヤの回転ピッチのみを検出するためのウィンドウ処理を行う(図5(e)の波形に該当する)。ウィンドウはタイヤの回転周期にあわせて一定の間隔でn個並べられ、その配置間隔ΔTはΔT=2πr/Vbによって算出される。また、nはケプストラムグラフ上に発生するピッチの次数成分で決められるが、通常のタイヤでは4次程であるため、本実施形態においてはn=4で処理を行っている。また、ウィンドウにはハミングウィンドウ:Hw(i,q)を使用しており、数式4のような関数として表すことができる。
【0032】
また、一般に高μ路面の時には高次成分がでやすいため、この場合には数式5に示すように、ウィンドウゲイン:G(i)を高く設定する。
なお、所定の定数はハミングウィンドウに用いられる所定の定数であり、qはケフレンシー、Mはウィンドウ幅である。
【0033】
【数4】
Figure 0003684726
【0034】
【数5】
Figure 0003684726
【0035】
また、上記数式4、5に基づきウィンドウ処理後のケプストラム値:Cw(q)は数式6により求められる(図5(f)の波形に該当する)。なお、C(q)はオフセットをHPFで取り除いた後のケプストラム値である。
【0036】
【数6】
Figure 0003684726
【0037】
そして、ステップ211では、ウィンドウ領域における2乗和を算出して、タイヤ回転ピッチの各次数成分の総和(タイヤ回転ピッチパラメータ):Cpを求める。
【0038】
【数7】
Figure 0003684726
【0039】
なお、実験的に設定された各種路面状態について、図7(a)に示すような速度で走行した場合における各々のケプストラム解析結果Cpを図7(b)に示す。このように、路面の種類に応じてケプストラム解析の結果が異なる。このため、ケプストラム解析によって路面状態の判別を行うことができる。
ステップ212では、先程求めたタイヤ回転ピッチ成分と車体加速度及びステアリング角をもとに路面判別を実施する。つまり、タイヤ回転ピッチ成分はステアリング角や車体加速度によって変化するため、より完全に路面状態を判別するためである。
【0040】
具体的には、この判別は路面の状態に基づき設定された図8に示す路面状態選択マップに基づいて行い、タイヤ回転ピッチパラメータCp、ステアリング角及び車体加速度により表される座標A(タイヤ回転ピッチパターン,ステアリング角,車体加速度)が図8に示される座標軸上のどこに位置するかによって路面判別を行う。なお、車体加速度は、4輪の車輪速度に基づいて算出している。
【0041】
具体的には、図8に示されるようにアスファルトやコンクリート等の高μ路と雪道や氷上等の低μ路とを区別するしきい面Bがあり、座標Aがこのしきい面Bの上側にあれば高μ路と判別され、逆に下側にあれば低μ路と判別される。
このとき、運転者がステアリングを操作していない場合にはステアリング角は零であり、また車速が一定である場合には車体加速度は零である。このような場合には、座標Aは(Cp,0,0)となる。
【0042】
ステップ213では、判別結果に基づき運転者への通知を行う。通知には、路面μ低下を示すウォーニングランプを使用し、例えば高μ路から低μ路に移行した場合に数秒間ウォーニングランプが点灯させる等して通知する。また、アンチロックブレーキ装置やトラクションコントロール装置等に対しても予め低μ路である旨の信号を送ることにより、これらの制御初期におけるスリップを有効に抑えることができる。
【0043】
このように、車両に加速度が発生していない一定速度状態であるとき、或いはステアリングによる操作が行われていないときにおいても路面の摩擦係数μを検出することができる。
(第2の実施形態)
本実施形態においては、第1実施形態と異なるサンプル間隔でケプストラム解析を行う。
【0044】
ケプストラム解析は音声処理に使用する都合上通常は時間軸上で解析を行うため、第1実施形態においてはこの時間軸上で上記解析を行ったが、本実施形態においては距離軸上で解析を行う。この場合、タイヤ回転ピッチは、タイヤの回転する距離に比例してピッチが発生するため、距離軸上で解析を行った方が直接的な解析を行うことができる。
【0045】
具体的には、図5(b)に示すように、第1実施形態においては車輪速度におけるサンプリング間隔を一定時間の周期毎にしているため、車輪速度Vw(t)をローター50の歯車50a毎に取り出された車輪速度Vw(n)から補間する必要がある。しかし、図5(c)に示すように、車輪速度におけるサンプリング間隔を一定距離の周期毎にすると、距離はローター50の歯車50aの移動に比例しているため、サンプリング間隔をローター50の歯車50a毎(1パルス毎)にすることができ、上記補間の必要がなくなる。
【0046】
このように距離に比例した解析を行うことによりケプストラム値もタイヤ回転に同期した距離の位置に並ぶ。ケプストラム解析を使用した路面判別検出における各処理を図9に示す。以下、図9に基づきこれらの処理を説明する。
ステップ301にて、1個分のパルスが伝達されるのに所要時間を1周期として、この周期毎の車輪速度に対応した車輪速度パルスを検出する。次に、ステップ302では、車輪速度パルスに基づき、V=k×Δn/ΔTの関係から車輪速度Vw(n)を演算する。
【0047】
また、ステップ303〜ステップ309については、第1実施形態におけるステップ203〜ステップ209と同様の処理を行う(図10(a)の波形に該当する)。
そして、ステップ310では、タイヤ回転ピッチを検出するためのウィンドウ処理を行う(図10(b)の波形に該当する)。但し、この際には算出されたケフレンシーの単位がパルス数となるため、タイヤ1回転の検出パルス数(歯数)をNsとすると、このパルス数Nsの定数倍でウィンドウ位置を決定する。
【0048】
この後、ステップ311〜ステップ313について、第1実施形態におけるステップ211〜ステップ213と同様の処理を行い処理を終了する。
なお、このように距離軸上でケプストラム解析を行っているため回転と同期していないノイズを除くという効果が得られる。つまり、距離軸上でケプストラム解析を行う場合、サンプリング時に取り出される信号は、回転と同期した成分を持っている。このため、その信号における最大周波数は、回転周期に比例する周波数となる。従って、サンプル周波数を回転に比例した値とすれば、サンプリング時に取り出される信号と一定の比例関係を保つことができ、車速によらずエリアスが発生しにくくなる。
【0049】
(他の実施形態)
第1、第2実施形態においては、タイヤ回転ピッチ成分の検出を、車輪速センサからの信号(車輪速度信号)に基づき行ったが、タイヤと路面の摩擦力に基づく変動を信号出力できるもの、例えば上下加速度センサやホイールトルクセンサ、サスペンション歪み検出センサ又はホイールサスペンション振動検出センサ等からの信号に基づき行うこともできる。
【0050】
また、ケプストラム解析によって、タイヤ回転ピッチ成分を求めたが、LPCケプストラムの係数によって求めることもできる。
また、スタッドレスタイヤ、サマータイヤ等タイヤの種類に応じてもタイヤ回転ピッチが変化するため、タイヤの種類別に路面状態の判別を行うこともできる。例えば、タイヤの種類別に図6に示すような路面状態判別用マップを設定しておき、車両走行時には予めこのタイヤの種類を示す記号などを入力することで、タイヤの種類に応じた路面状態判別用マップに補正すればよい。
【0051】
さらに、これと同様にアスファルト等の路面が均一な高μ路を車両が走行中に、状態設定用のスイッチ等を押すことにより、初期状態として入力してその時のタイヤ回転ピッチパラメータCpを保存し、この値を基準値として路面状態判別を行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はタイヤが路面からうける力を示す模式図であり、(b)及び(c)は路面状態に対するタイヤ回転ピッチの大きさを示す模式図である。
【図2】車両各センサにおける回路的な構成を示す模式図である。
【図3】路面状態に応じてサンプルとして検出される波形を示した説明図である。
【図4】第1実施形態における路面状態判別処理のフローチャートである。
【図5】図4における処理に対応した波形を示す特性図である。
【図6】サンプル間隔として、時間又は距離を採用した場合における比較図である。
【図7】各種の路面状態に応じたケプストラム解析の結果を示す説明図である。
【図8】路面状態判別を行う基準とする選択マップを示す説明図である。
【図9】第2実施形態における路面状態判別処理のフローチャートである。
【図10】図9における処理に対応した波形を示す特性図である。
【符号の説明】
1〜4…車輪、5…電子制御装置、6…ステアリングセンサ、
7…ウォーニングランプ、11〜14…車輪速センサ、50…ローター。

Claims (4)

  1. 車両のタイヤ(1〜4)と路面における摩擦力に基づく変動であって前記タイヤの回転と同期した変動成分を含む車輪速度信号を出力する車輪速度センサ(11〜14)
    前記車輪速度信号から車輪速度信号成分とピッチ成分とを分離することで前記ピッチ成分として表される前記変動成分を抽出する手段とを備え、
    前記抽出された変動成分に基づき路面状態を判別することを特徴とする路面状態判別装置。
  2. 前記信号をケプストラム解析して前記変動成分の抽出を行うことを特徴とする請求項1に記載の路面状態判別装置。
  3. 車両のタイヤ(1〜4)と路面における摩擦力に基づく変動であって前記タイヤの回転と同期した変動成分を含む信号を出力する手段(11〜14)を備え、
    ケプストラムの原理に基づき前記信号から前記変動成分を抽出し、この変動成分に基づき路面状態を判別することを特徴とする路面状態判別装置。
  4. 前記信号を出力する手段は、車輪速センサ(11〜14)であることを特徴とする請求項3に記載の路面状態判別装置。
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