JP2004517314A - 自動車の走行性を制御および/または調整する方法とシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】自動車の走行性を最適に制御のに必要な正確な基準速度を推定可能な方法およびシステムを提供する。
【解決手段】車輪軸受および/または車輪に取り付けられるタイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)には、センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の少なくとも1つのセンサ要素が設けられ、かつセンサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の出力信号が、自動車の走行性を制御するために用いられる、とくに全輪駆動、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車の走行性を制御および/または調整する方法において、a)車輪および/またはタイヤに作用する力をセンサによって検出し、b)車輪および/またはタイヤに作用する力を考慮して、車両の縦方向速度を表す基準速度(FZ_REF)を決定し、c)自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度(FZ_REF)を考慮するステップを含む。
【選択図】図1
【解決手段】車輪軸受および/または車輪に取り付けられるタイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)には、センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の少なくとも1つのセンサ要素が設けられ、かつセンサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の出力信号が、自動車の走行性を制御するために用いられる、とくに全輪駆動、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車の走行性を制御および/または調整する方法において、a)車輪および/またはタイヤに作用する力をセンサによって検出し、b)車輪および/またはタイヤに作用する力を考慮して、車両の縦方向速度を表す基準速度(FZ_REF)を決定し、c)自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度(FZ_REF)を考慮するステップを含む。
【選択図】図1
Description
【0001】
〔発明の属する技術分野〕
本発明は、車輪、とくに車輪軸受および/または車輪に取り付けられるタイヤには、センサの少なくとも1つのセンサ要素がそれぞれ設けられ、かつセンサの出力信号が、自動車の走行性を制御および/または調整するために用いられる、とくに全輪駆動、自動車の走行性を制御および/または調整する方法に関する。本発明はさらに、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車、車輪、とくに車輪軸受および/または車輪に取り付けられるタイヤには、センサの少なくとも1つのセンサ要素がそれぞれ設けられ、かつセンサの出力信号が、自動車の走行性を制御および/または調整するために用いられる、とくに全輪駆動、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車の走行性を制御および/または調整するシステムに関する。また本発明は、全輪駆動と、少なくとも2つのタイヤおよび/または2つの車輪とを有する自動車の走行性を制御および/または調整するシステムにも関する。
【0002】
[従来の技術]
この種の方法およびこの種のシステムは、たとえば駆動スリップ調整あるいは走行動特性調整と関連して使用される。その場合に、自動車の車輪の個々の車輪速度はセンサを介して検出され、検出された車輪速度が自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮されることは既知である。既知の方法およびシステムを用いることで、すでに十分な結果が達成されるが、とくに交通安全性に関して、この種の方法およびシステムをさらに改善することは有益である。
【0003】
さらに、この種において備えられるセンサに関連して、様々なタイヤ製造業者が今後いわゆるインテリジェントタイヤの使用を考案していることは知られている。その際に、新規のセンサおよび解析評価回路がタイヤに直に取り付けられる場合がある。このようなタイヤを使用することで、たとえばタイヤで走行方向に対し縦方向および横方向に発生するトルク、タイヤ空気圧、あるいはタイヤ温度の測定などのさらなる機能が可能になる。これに関連して、たとえば各タイヤ内において、好ましくは磁力線が円周方向に延在する磁気領域もしくは磁気ストライプが組み込まれるタイヤが備えられてよい。磁化は、たとえば部分ごとに常に同じ方向に、しかし逆の配向で、すなわち極性を交互にして行われる。磁気ストライプは、好ましくはリムフランジ付近およびタイヤ接触付近に延在する。したがって、トランスデューサは車輪速度に応じて回転する。対応のレシーバは、好ましくは回転方向で異なる2点またはそれ以上の点で車体に固定されて設けられ、加えて回転軸からの異なる径方向間隔をさらに有する。それによって、内側測定信号および外側測定信号を得ることができる。その場合、タイヤの回転は測定信号あるいは円周方向の測定信号の極性変化を介して検知されることができる。回転円周と、内側測定信号および外側測定信号の時間的変化とから、たとえば車輪速度を推定することができる。
[発明の利点]
本発明の自動車の走行性を制御および/または調整する方法は、次のようなステップを含むことで、この種の従来技術に基づいている。
(a)車輪および/またはタイヤに作用する力をセンサによって検出するステップ。
(b)車輪および/またはタイヤに作用する力を考慮して、車両の縦方向速度を表す基準速度を決定するステップ。
(c)自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度を考慮するステップ。
【0004】
車輪および/またはタイヤに作用する力、もしくはそこから発生するモメントが、走行性の制御および/または調整に関わることで、自動車の走行性を最適に制御および/または調整するために必要な、非常に正確な基準速度を推定することができる。このことはとくに、全輪駆動を備える自動車に関して有用であるので、この場合は、全輪基準回転速度に関する。自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度を非常に正確に考慮することによって、従来技術と比較すると、より良い結果を伴って走行性を制御および/または調整できる。さらに、空転の検知、および基準、とくに全輪の基準の一定維持が可能である。
【0005】
本発明の方法はさらに、ステップ(b)においてさらにセンサを介して検出された車輪速度を考慮することを含んでよい。車輪速度の検出は、たとえば冒頭に述べた各タイヤ内に備えられる磁気領域を介して行われてもよい。
【0006】
本発明の方法の好ましい実施形態では、センサを介して検出された車輪速度は、アンチブロックシステムをフィルタリング処理された車輪速度であることが含まれる。こうして、好ましくは備えられるアンチブロックシステムの効果が考慮される。
【0007】
本発明の方法はさらに、センサを介して検出される車輪速度から、第1のPT1フィルタリングされた車輪速度が決定されることを含んでよい。この時、この第1のPT1フィルタリングは、たとえば80ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0008】
さらに本発明の方法は、センサを介して検出される車輪速度から、第2のPT1フィルタリングされた車輪速度が決定されることを含んでよい。この第2のPT1フィルタリングは、たとえば160ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0009】
本発明の方法の好ましい実施形態では加えて、ステップ(b)においてさらに車輪加速度が考慮されることを含んでよい。
これに関連して、本発明の方法はさらに、車輪加速度がセンサを介して検出される車輪速度から決定されることを含んでよい。その場合たとえば、各車輪差が生成されるごとの車輪加速度を決定することができ、そのためにたとえば、差が現在から前回までの測定サイクルのアンチブロックシステムをフィルタリングされた車輪速度から決定される。測定サイクルのタイムベースは、たとえば20ミリ秒であってよい。このように決定された差は次いで、たとえば80ミリ秒の時定数で、PT1フィルタリングすることができる。
【0010】
本発明の方法は好ましくはさらに、ステップ(b)において第1のフィルタリングされた車輪速度において最も遅い車輪速度ならびに付随する車輪加速度がさらに考慮されることを含む。このことはたとえば、第1のフィルタリングされた車輪速度ならびに車輪加速度に対して適宜の比較操作を実行することで行われてよい。
【0011】
本発明はさらに、ステップ(b)において、2番目に遅い車輪速度、駆動軸の平均車両速度、ポジティブな最大車輪加速度、ネガティブな最大車輪加速度、最大の車輪速度のような変数の1つまたは複数が考慮されることを含んでよい。2番目に遅い車輪速度は、この場合たとえば第2のフィルタリングされた車輪速度に対して実行される比較操作によって決定することができる。非駆動軸の平均車両速度は、たとえば第1のフィルタリングされた車輪速度の演算手段から決定することができる。ポジティブな最大車輪加速度は、個々の車輪加速度の最大値に相当する。同様に、ネガティブな最大車輪加速度は、個々の車輪加速度の最小値に相当する。最大車輪速度は、個々の車輪速度の最大値に相当し、それに対して実行される比較操作によって決定することができる。
【0012】
本発明の方法はさらに、ステップ(b)においてフィルタリングされない基準速度が考慮されることを含んでよい。その場合、フィルタリングされない基準速度は、出力変数を生成して基準速度を決定することができる。
【0013】
これに関連して、本発明の方法はたとえば、選択される所定の変数に応じて、最大車輪速度値、2番目に遅い車輪速度値、あるいは駆動軸の平均車両速度値が、フィルタリングされない基準速度に与えられることを含んでよい。このことは次のようにして行われる。制御および/または調整装置の作動時、あるいはエンジントルクがゼロであるとき、フィルタリングされない基準速度には最大車輪速度値が与えられる。別の場合では、制御中および/または調整中、および最も遅い車輪速度が基準速度と所定の値(たとえば、1.38m/s)との差よりも大きい場合、最も遅い車輪速度値がフィルタリングされない基準速度に用いられる。上述の要求条件がいずれも満たされない場合、最も遅い車輪の車輪加速度が所定の値(たとえば、0m/s2)よりも小さいかどうかが検査される。この場合、フィルタリングされない基準速度には、最大の車輪速度値が与えられ、REFLフラグがセットされる。車輪加速度が先程述べた所定の値(たとえば、0m/s2)よりも大きい場合、REFLフラグがセットされる際には、駆動軸の平均車両速度が用いられる。別の場合では、REFLフラグがリセットされ、最も遅い基準速度が、フィルタリングされない基準速度の出力変数として用いられる。REFLフラグがセットされない場合は、同様に最も遅い車輪速度が用いられる。
【0014】
本発明の方法は、好ましくは、車輪および/またはタイヤに作用する力を、ステップ(b)に従い車輪圧の形で、車輪および/またはタイヤに作用する車輪制動トルクを介して考慮することを含む。
【0015】
これに関連して、好ましくはさらに、車輪制動トルクが車輪圧とブレーキ係数との乗算により得られることが含まれる。
本発明の方法はさらに、ステップ(b)において車輪制動トルクの合計値が考慮されることを含んでよい。この場合、後にさらに詳述するように、制動トルクの合計値はとくに、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出される。
【0016】
本発明の方法は、好ましくはさらに、ステップ(b)において車輪の慣性トルクならびに車輪の慣性トルクの合計値が考慮されることを含む。車輪の慣性トルクの合計値もまた、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出すことができる。
【0017】
さらに本発明の方法は、好ましくは、ステップ(b)において、実際のトルクと変速機のギア比との積に対応する駆動トルクが考慮されることを含む。駆動トルクもまた、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出される。
【0018】
さらに本発明の方法は、好ましくは、ステップ(b)において、空気抵抗(ドラッグ)トルクが考慮されることを含む。空気抵抗トルクは、空気抵抗係数、車両当接面(abutting face)、空気密度、車輪もしくはタイヤの回転半径、および基準速度の二乗からなる積である。
【0019】
本発明の方法の好ましい実施形態においてさらに、ステップ(b)において、上述の論理的な縦方向加速度が次のように決定されることを含む。
【0020】
【数3】
このとき、MAは駆動トルク、SumMBremsは車輪制動トルクの合計値、MJ_SUMは車輪の慣性トルクの合計値、MWLは空気抵抗トルク、Rは車輪もしくはタイヤのロール径、またmは質量を示す。これによって、たとえば全車輪が空転する場合に論理的な加速度へと変化することができるので、従来技術と比較してはるかに正確な基準速度が決定され得る。
【0021】
本発明の方法は、好ましくは、ステップ(b)において空転検知が考慮されることをさらに含む。空転検知の判定、および全ての車輪が空転している状態を示すALLSLIPフラグのセットは、たとえば次のようにして行われてよい。まず、加速する車輪(たとえば4つ)の回転慣性トルクが、推定される基準速度を基本として決定される。さらに、基準速度に相関する縦方向加速度が、現在の基準速度と前サイクルの基準速度との差が生成されることにより導き出され、その際のタイムベースは、たとえば20ミリ秒であってよい。加速する車輪の回転慣性トルク値は、全車輪の慣性トルクの合計値と比較すると、駆動輪(たとえば4つ)の基準速度によって補正された車輪慣性トルクを生成する。それとともにALLSLIPフラグのセットが制御される。ALLSLIPフラグは、補正された車輪慣性トルクがある所定の値(たとえば、100Nm)より大きい場合にセットされる。ALLSLIPフラグをリセットするためには、セットされているALLSLIPフラグにおいて、カウンタがある所定の値(たとえば、10)より大きいかどうかが検査される。そうであればカウンタはリセットされ、ALLSLIPフラグは保存される。その際、カウンタのインクリメントは、ALLSLIPフラグがセットされていない場合、補正された車輪の慣性トルクがある所定の帯域にある(たとえば、−100Nmより大きく100Nmより小さい)限り、各サイクルごとにカウンタが1ずつインクリメントするように行われる。補正された車輪の慣性トルクが、その帯域外にある場合、カウンタ状態は変化しない。
【0022】
本発明の方法は好ましくは、ステップ(b)において基準上昇が考慮されることをさらに含む。
これに関連して、本発明の方法はさらに、基準上昇が複数の所定の基準上昇値から選択されることを含んでよい。これはたとえば、次のようにして行われ得る。異なる4つの上昇限度の中から選択されて、フィルタリングされない基準速度を基準速度に適合する。さらに、空転を検知する(ALLSLIPフラグがセットされる)際に、理論的な縦方向加速度についての適合がなされる。次に、最も優先度の高い上昇限度の選択についての説明を行う。1)最大の車輪速度と最も遅い車輪速度との差がある所定の値(たとえば、2m/s)よりも小さく、ポジティブな最大車輪加速度が所定の値(たとえば、6m/s2)よりも小さく、ネガティブな最大車輪加速度がある所定の値(たとえば、2.5m/s2)よりも小さい場合、基準上昇としては、第4の所定基準上昇値(たとえば、0.194m/s)が選択される。2)ALLSLIPフラグがセットされている場合、上昇限度としては、理論的な縦方向加速度と、たとえば20ミリ秒であってよいタイムベースとの積が選択される。3)後軸の車輪が双方とも制御されている場合、基準上昇としては、第2の所定基準上昇(たとえば、0.05m/s)が選択される。4)車輪のいずれも制御されていないか、または1つの車輪だけが制御されており、その車輪制動トルクがあるパラメータ閾値(たとえば、25Nm)よりも小さい場合、第1の所定基準上昇値(たとえば0.104m/s)が選択される。5)条件1)〜4)のいずれも満たされない場合、第3の所定基準上昇値(たとえば、0.104m/s)が基準上昇に選択される。基準上昇あるいは上昇限度が選択されると、基準速度が次のように想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が基準上昇よりも大きい場合、基準速度:=基準速度+基準上昇 と想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が、ある所定の値(たとえば、−0.137m/s)よりも小さい場合、基準速度:=基準速度+所定の値(たとえば、 −0.137m/s) であると想定される。前述の条件が双方とも満たされない場合、基準速度:=フィルタリングされない基準速度 と想定される。
【0023】
本発明の方法を実施するための全ての装置は、従属する特許請求項の保護範囲内にある。
本発明の自動車の走行性を制御および/または調整するためのシステムは、センサが車輪および/またはタイヤに作用する力を検出することと、自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮される、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定するための手段を含むということとにより、この種の従来技術に基づいている。この場合、車輪および/またはタイヤに作用する力が、基準速度を決定するために考慮される。車輪および/またはタイヤに作用する力、もしくはそこから発生するモメントが、自動車の走行性の制御および/または調整に関わることによって、本発明の方法の場合と同様に、自動車の走行性を最適に制御および/または調整するために必要な非常に正確な基準速度を推定することができる。このことはとくに、全輪駆動を備える自動車に関して有用であるので、この場合もまた、全輪基準回転速度に関する。自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度を非常に正確に考慮することによって、従来技術と比較すると、より良い結果を伴って走行性を制御および/または調整できる。さらに、空転検知、および基準、とくに全輪の基準の一定維持が可能である。
【0024】
本発明のシステムにおいて好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、センサを介して検出された車輪速度をさらに考慮することを含む。車輪速度の検出は、本発明の方法と同様、たとえば冒頭に述べた各タイヤ内に備えられる磁気領域を介して行われてもよい。
【0025】
これに関連して、本発明のシステムは、好ましくは、センサを介して検出された車輪速度が、アンチブロックシステムをフィルタリングされる車輪速度であることをさらに含む。こうして、好ましくは備えられるアンチブロックシステムの効果が本発明のシステムによってもまた考慮される。
【0026】
本発明のシステムの好ましい実施形態においてはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、センサを介して検出される車輪速度から、第1のPT1フィルタリングされた車輪速度を決定することを含む。この場合も、この第1のPT1フィルタリングは、たとえば80ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0027】
さらにこれも本発明のシステムに関連して、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、センサを介して検出される車輪速度から、第2のPT1フィルタリングされた車輪速度を決定することが含まれてよい。この第2のPT1フィルタリングは、本発明の方法と同様に、たとえば160ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0028】
本発明の方法のシステムにおいて、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、さらに車輪加速度を考慮することを含む。
これに関連して、本発明のシステムは、好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が車輪加速度を、センサを介して検出される車輪速度から決定することを含む。その際、本発明の方法と同様に、たとえば、各車輪差が生成されるごとの車輪加速度を決定することができ、この場合たとえば、差は現在から前回までの測定サイクルのアンチブロックシステムをフィルタリングされた車輪速度から判定される。この場合も、測定サイクルのタイムベースは、たとえば20ミリ秒であってよい。このように判定された差は次いで、たとえば80ミリ秒の時定数で、PT1をフィルタリングすることができる。
【0029】
本発明のシステムにおいて、好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段がさらに、第1のフィルタリングされた車輪速度において最も遅い車輪速度ならびに付随する車輪加速度を考慮することが含まれる。このことはたとえば、すでに説明した本発明の方法に関してと同様、第1のフィルタリングされた車輪速度ならびに車輪加速度に対して適宜の比較操作を実行することで行われてよい。当然、対応する車輪速度値から付随する車輪加速度を決定することは同様に可能である。
【0030】
本発明のシステムに関してさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、2番目に遅い車輪速度、駆動軸の平均車両速度、ポジティブな最大車輪加速度、ネガティブな最大車輪加速度、最大の車輪速度のような変数の1つまたは複数を考慮することを含むことが好ましい。2番目に遅い車輪速度は、この場合も、たとえば第2のフィルタリングされた車輪速度に対して実行される比較操作によって決定することができる。駆動軸の平均車両速度は、たとえば第1のフィルタリングされた車輪速度の演算手段から決定することができる。ポジティブな最大車輪加速度は、前述のように個々の車輪加速度の最大値に相当する。同様に、ネガティブな最大車輪加速度は、前述のように個々の車輪加速度の最小値に相当する。前述した本発明の方法に関してと同様に、最大の車輪速度は、個々の車輪速度の最大値に相当し、それに対して実行される比較操作によって決定することができる。
【0031】
本発明のシステムにおいて、好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、フィルタリングされない基準速度を考慮することを含む。
【0032】
これに関連して、本発明の方法と同様、本発明のシステムはたとえば、選択される所定の変数に応じて、最大の車輪速度値、2番目に遅い車輪速度値、あるいは駆動軸の平均車両速度値が、フィルタリングされない基準速度に与えられることを含むことが好ましい。このことは、本発明の方法に関してと同様、次のように行われてよい。制御および/または調整装置の作動時、あるいはエンジントルクがゼロであるとき、フィルタリングされない基準速度には最大車輪速度値が与えられる。別の場合では、制御中および/または調整中、および最も遅い車輪速度が基準速度と所定の値(たとえば、1.38m/s)との差よりも大きい場合、最も遅い車輪速度値がフィルタリングされない基準速度に用いられる。上述の要求条件がいずれも満たされない場合、最も遅い車輪の車輪加速度が所定の値(たとえば、0m/s2)よりも小さいかどうかが検査される。この場合、フィルタリングされない基準速度には、最大の車輪速度値が与えられ、REFLフラグがセットされる。車輪加速度が先程述べた所定の値(たとえば、0m/s2)よりも大きい場合、REFLフラグがセットされる際、駆動軸の平均車両速度が用いられる。別の場合では、REFLフラグがリセットされ、最も遅い基準速度が、フィルタリングされない基準速度の出力変数として用いられる。REFLフラグがセットされない場合は、同様に最も遅い車輪速度が用いられる。
【0033】
本発明のシステムにおいては、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、車輪および/またはタイヤに作用する力を車輪圧の形で、車輪および/またはタイヤに作用する車輪制動トルクを介して考慮することが含まれる。
【0034】
さらに本発明のシステムは、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、車輪制動トルクを車輪圧とブレーキ係数との乗算により得ることを含む。
【0035】
本発明のシステムは、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が車輪制動トルクの合計値を考慮するように構成される。ここでも、後にさらに詳述するように、その際、制動トルクの合計値はとくに、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出される。
【0036】
さらに本発明のシステムにおいては、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、車輪の慣性トルクならびに車輪の慣性トルクの合計値を考慮することが含まれてよい。車輪の慣性トルクの合計値もまた、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出すことができる。
【0037】
本発明のシステムにおいて好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、実際のトルクと変速機のギア比とからなる積に対応する駆動トルクを考慮することを含む。前述した本発明の方法に関してと同様、駆動トルクは、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出されてよい。
【0038】
さらに本発明のシステムにおいて好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、空気抵抗トルクを考慮することをさらに含む。空気抵抗トルクは、空気抵抗係数、車両当接面、空気密度、車輪もしくはタイヤの回転半径、および基準速度の二乗からなる積である。
【0039】
本発明のシステムの好ましい実施形態においては、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、上述の論理的な縦方向加速度を次のように決定することを含む。
【0040】
【数4】
このとき、MAは駆動トルク、SumMBremsは車輪制動トルクの合計値、MJ_SUMは車輪の慣性トルクの合計値、MWLは空気抵抗トルク、Rは車輪もしくはタイヤのロール径、またmは質量を示す。これによって、前述した本発明の方法に関してと同様、たとえば全車輪が回転される場合に論理的な加速度へと変化することができるので、従来技術と比較してはるかに正確な基準速度が決定され得る。
【0041】
本発明のシステムの好ましい実施形態では、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が空転検知を考慮することをさらに含む。空転検知の判定、および全ての車輪が空転している状態を示すALLSLIPフラグのセットは、この場合も、たとえば次のようにして行われてよい。まず、加速する車輪(たとえば4つ)の回転慣性トルクが、推定される基準速度を基本として決定される。さらに、前述のように、基準速度に相関する縦方向加速度が、現在の基準速度と前サイクルの基準速度との差が生成されることにより導き出され、その際のタイムベースはやはり、たとえば20ミリ秒であってよい。加速する車輪の回転慣性トルク値は、全ての車輪の慣性トルクの合計値と比較すると、駆動輪(たとえば4つ)の基準速度によって補正された車輪慣性トルクを生成する。それとともに、やはりALLSLIPフラグのセットが制御される。ALLSLIPフラグは、補正された車輪慣性トルクがある所定の値(たとえば、100Nm)より大きい場合にセットされる。ALLSLIPフラグをリセットするためには、セットされたALLSLIPフラグにおいて、カウンタがある所定の値(たとえば、10)より大きいかどうかが検査される。そうであればカウンタは取り除かれ、ALLSLIPフラグは保存される。ここでも、その際カウンタのインクリメントは、補正された車輪の慣性トルクがある所定の帯域にある(たとえば、−100Nmより大きく100Nmより小さい)限り、ALLSLIPフラグがセットされていない場合、各サイクルごとにカウンタが1ずつインクリメントするように行われる。補正された車輪の慣性トルクが、その帯域外にある場合、カウンタ状態は変化しない。
【0042】
さらに本発明のシステムの好ましい実施形態においては、前述した本発明の方法に関してと同様、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、基準上昇を考慮することをさらに含む。
【0043】
これに関連して、本発明のシステムにおいては、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、基準上昇を複数の所定の基準上昇値から選択することを含むことが好ましい。これはたとえば、次のようにして行われ得る。異なる4つの上昇限度の中から選択されて、フィルタリングされない基準速度を基準速度に適合する。さらに、空転を検知する(ALLSLIPフラグがセットされる)際に、理論的な縦方向加速度についての適合がなされる。本発明の方法と同様に、最も重要である上昇限度の選択についての説明を行う。1)最大の車輪速度と最も遅い車輪速度との差がある所定の値(たとえば、2m/s)よりも小さく、ポジティブな最大車輪加速度が所定の値(たとえば、6m/s2)よりも小さく、ネガティブな最大車輪加速度がある所定の値(たとえば、2.5m/s2)よりも小さい場合、基準上昇としては、第4の所定基準上昇値(たとえば、0.194m/s)が選択される。2)ALLSLIPフラグがセットされている場合、上昇限度としては、理論的な縦方向加速度と、たとえば20ミリ秒であってよいタイムベースとの積が選択される。3)後軸の車輪が双方とも制御されている場合、基準上昇としては、第2の所定基準上昇(たとえば、0.05m/s)が選択される。4)車輪のいずれも制御されていないか、または1つの車輪だけが制御されており、その車輪制動トルクがあるパラメータ閾値(たとえば、25Nm)よりも小さい場合、第1の所定基準上昇値(たとえば、0.104m/s)が選択される。5)条件1)〜4)のいずれも満たされない場合、第3の所定基準上昇値(たとえば、0.104m/s)が基準上昇に選択される。基準上昇あるいは上昇限度が選択されると、基準速度が次のように想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が基準上昇よりも大きい場合、基準速度:=基準速度+基準上昇 と想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が、ある所定の値(たとえば、−0.137m/s)よりも小さい場合、基準速度:=基準速度+所定の値(たとえば、−0.137m/s)であると想定される。前述の条件が双方とも満たされない場合、基準速度:=フィルタリングされない基準速度 と想定される。
【0044】
本発明による、全輪駆動を備える自動車の走行性を制御および/または調整するシステムの別の実施形態は、車輪および/またはタイヤ内または側面に、とくに車輪軸受に力センサをセットし、力センサの出力信号に応じて車両の縦方向速度を示す基準速度変数が検知され、この基準速度変数が自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮されることで、この種の従来技術に基づいている。車両の縦方向速度が力センサの出力信号に応じて検知されるので、非常に正確な全輪基準速度を推定することができる。正確な全輪基準速度は、全輪駆動自動車の走行性を制御および/または調整する場合に特に重要である。本発明による、全輪駆動を備える自動車の走行性を制御および/または調整するシステムの別の実施形態の場合も、自動車の走行性を制御および/または調整する際に、従来技術に比べて、よりよい結果を達成できる。
【0045】
以下に添付の図面を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[実施例の説明]
図1は、本発明のシステムの実施形態を示す概略図である。図1によると、左の前タイヤRVL、右の前タイヤRVR、左の後タイヤRHL、および右の後タイヤRHRに、それぞれセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRが割当てられている。図示されたこの実施形態において、センサSVL、SVR、SHL、およびSHRは、後に図2および図3を用いてより詳述されるように、いわゆるサイドウォールセンサから構成される。しかし本発明は、タイヤ内にセンサ要素を有するセンサに限られることはなく、付加的あるいは代替的に、少なくとも1つのセンサ要素を車輪、とくに車輪軸受に備えるセンサも使用される。図示されるセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRは、車両の縦方向速度を示す基準速度FZ_REFを決定する手段10に供給される信号を送信する。この車両の縦方向速度を示す基準速度FZ_REFを決定する手段10に供給される信号はそこで、場合によってはすでにセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRに割当てられる回路によって事前処理されていてもよい。手段10は、自動車の走行性を制御および/または調整する装置12に所定の基準速度FZ_REFを出力する。図1において、車両の縦方向速度を示す基準速度FZ_REFを決定する手段10は、装置12から離れたところに示されているが、この手段10および装置12が、場合によっては単一の構造体であってもよいことは明らかである。
【0046】
図2は、本発明に関連して使用することのできるサイドウォールセンサの形状のセンサを示す概略的な図である。図2の説明では、プロファイル212が概略的にのみ示されている部分的にのみ図示されたタイヤ210内に、磁力線が円周方向に延びる磁気ストライプ216、218、220、222が組み込まれている。その際、磁気ストライプ216、218、220、222の磁化は、部分ごとには常に同じ方向に、しかし逆の配向で、すなわち極性を交互にして行われる。磁気ストライプ216、218、220、222は図示されるようにリムフランジまたはタイヤ接触付近に延在する。したがってトランスデューサ216、218、220、222は、車輪速度で回転する。2つのレシーバSinnen、Sausenは、回転方向の異なる2点で車体に固定されて設けられ、回転軸からの異なる径方向間隔を有する。
【0047】
図3は、図2に示されるサイドウォールセンサの出力信号Si、Saの例を示す。なお、信号SiはレシーバSinnenに、信号SaはレシーバSausenに関連される。信号Si、Saの周波数から、たとえば車輪速度を推定することができ、一方では信号Si、Saの互いの状況からタイヤの変形あるいは歪み、ひいては車輪および/またはタイヤに作用する力を推定することができる。
【0048】
図4は、車両の縦方向速度を表す基準速度を決定する手段の実施形態を示すブロック図である。なお、この手段は本発明の方法の特徴的なステップを行うためにも適している。後述する本発明の特殊な実施形態は、4つの車輪を有する全輪駆動自動車に関する。しかし前述のように、本発明はこの種の自動車に限定されるわけではない。
【0049】
図4によると、機能ブロック110が備えられており、これにセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRの信号が供給される。また機能ブロック110は、個々のセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRに関連する回路の複数個から構成されてもよい。
【0050】
より理解しやすいように、図4に示したシステムの機能方法に関して以下のような段階に分けて後述する。
1.車輪速度の信号生成およびフィルタリング
2.最も遅い車輪速度V_1Refおよび付随する車輪加速度A_V1Refの決定
3.他の速度変数および加速度変数の決定
4.基準速度FZ_REFを決定する出力変数としてのフィルタリングされない基準速度FZ_REF_unの決定
5.トルクバランス
6.空転検知の決定およびALLSLIPフラグのセット
7.基準速度FZ_REFを適合するための基準上昇の選択
1.車輪速度の信号生成およびフィルタリング
機能ブロック110によって出力されるABS(アンチブロックシステム)をフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRは、機能ブロック112によってさらに処理される。この機能ブロック112はとりわけ、ABSをフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRを、80ミリ秒の時定数でPT1にフィルタリングし、そこから第1のフィルタリングされた車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRを決定するために備えられている。
【0051】
さらに機能ブロック112は、ABSをフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRを160ミリ秒の時定数でPT1にフィルタリングし、それとともに第2のフィルタリングされた車輪速度VanF_VL、VanF_VR、VanF_HLおよびVanF_HRを決定するために備えられている。
【0052】
車輪差が生成された場合、現在から前回までの測定サイクル(タイムベース20ミリ秒)のABS車輪速度の差が導き出され、80ミリ秒の時定数でPT1フィルタリングされる。これによって、車輪差変数あるいは車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HRが生成される。
【0053】
ABSにフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRと、第1のフィルタリングされた車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRと、第2のフィルタリングされた車輪速度VanF_VL、VanF_VR、VanF_HLおよびVanF_HRと、車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HRとが、機能ブロック110あるいは機能ブロック112から機能ブロック118に供給され、機能ブロック118はこれらの変数を、基準速度を決定する場合に考慮する。
【0054】
2.最も遅い車輪速度V−1Refおよび付随する車輪加速度A−V1Refの決定
車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRの中から、最も遅いものが機能ブロック112により決定され、変数V_lRefに割当てられる。さらにその車輪の車輪加速度が機能ブロック112によって変数A_VlRefに割当てられる。
【0055】
機能ブロック112は最も遅い車輪速度V_lRefならびに付随する車輪加速度A_VlRefを、機能ブロック118に供給する。それによって機能ブロック118もまた、基準速度FZ_REFを決定する際にこの変数を考慮することができる。
【0056】
3.他の速度変数および加速度変数の決定
機能ブロック112は、160ミリ秒でフィルタリングされた車輪速度VanF_VL、VanF_VR、VanF_HLおよびVanF_HRの中から、2番目に遅い車輪速度V_Secondを決定する。
【0057】
駆動軸の平均車両速度VMANは、機能ブロック112によって4つの個々の車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRの演算手段から決定される。
【0058】
ポジティブな最大車輪加速度は、4つの個々の車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、およびAvan_HRの最大値であり、AVAN_maxとして示される。
【0059】
ネガティブな最大車輪加速度は、4つの個々の車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HRの最小値であり、AVAN_minとして示される。
【0060】
さらに機能ブロック112は、4つの個々の車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRから、最大の車輪速度VANmaxを構成する。
【0061】
機能ブロック112は、二番目に遅い車輪速度V_Second、駆動軸の平均車両速度VMAN、ポジティブな最大車輪加速度AVAN_max、ネガティブな最大車輪加速度AVAN_min、および最大の車輪速度VANmaxを機能ブロック118に供給し、それによって機能ブロック118も基準速度FZ_REFを決定する際に、これらの変数を考慮することができる。
【0062】
4.基準速度FZ−REFを決定する出力変数としてのフィルタリングされない基準速度FZ−REF−unの決定
(a)制御装置の始動時、またはモータトルクがゼロとなる場合、変数FZ_REF_unにはVANmaxが機能ブロック118により割当てられる。
【0063】
(b)別の場合、制御中および要求(V_lref>FZ_REF_−#V_UMSCH)時には、V_lrefが機能ブロック118により使用される。
この要求条件が満たされない場合、最も遅い車輪の車輪加速度A_VlRef<#P_AGRENZであるかが、機能ブロック118により検査される。この場合、VAN_maxがFZ_REF_unに割当てられ、REFLフラグがセットされる。
【0064】
車輪加速度>#P_AGRENZである場合は、REFLフラグがセットされる時、平均速度VMANが、V_VIRef<0 のもとで使用される。別の場合、REFLフラグがセットされ、V_lRefがフィルタリングされない車両基準の入力変数として用いられる。REFLフラグがセットされない時も、V_lRefが用いられる。
【0065】
〈使用されるパラメータ〉
#V_UMSCHW:1.38m/s
#P_AGRENZ:0m/s/s
5.トルクバランス
〈車輪制動トルクの決定〉
上述のサイドウォールセンサ信号から車輪圧が判定される。この車輪圧は制動係数cpと掛け合わせられ、実際の車輪制動トルクMBremsが生成される。車輪制動トルクMBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4はそれぞれ、機能ブロック110から機能ブロック118に供給される。
【0066】
全ての車輪制動トルクの合計値SumMBremsは、機能ブロック114により生成される。なお、この合計値は4つの個々の車輪制動トルクMbrems_iをすべて加算したものである。全ての車輪制動トルクの合計値SumMBremsは、機能ブロック114から機能ブロック118に供給される。
【0067】
SumMBrems=ΣMbrems_i,i=1,4
〈車輪の慣性トルクMJ_iの決定〉
車輪の慣性トルクMJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4は、機能ブロック116によって次のように決定される。
【0068】
MJ_i=AVAN*Jrad*Rrad,i=1,4
その際、AVAN=Avan_VL,Avan_VR,Avan_HL,Avan_HRである。
【0069】
機能ブロック116は、車輪の慣性トルクMJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4を、機能ブロック118に供給し、それによって機能ブロック118も基準速度を決定する際にこれらの変数を考慮することができる。
【0070】
〈全車輪の慣性トルク合計値MJ_SUMの決定〉
機能ブロック116はさらに、車輪の慣性トルクMJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4より、全車輪の慣性トルク合計値MJ_SUMを決定する。
【0071】
MJ_SUM=ΣMJ_i,i=1,4
変数MJ_SUMもまた、機能ブロック116から機能ブロック118に供給される。
【0072】
〈駆動トルクMAの決定〉
駆動トルクMAは、実際のモータトルクと変速機のギア比との積として、機能ブロック118により決定される。
【0073】
〈空気抵抗トルクMWLの決定〉
空気抵抗トルクは、空気抵抗トルク係数cw、車両当接面A、空気密度p、回転半径R、および車両速度FZ_REFの積として決定される。
【0074】
【数5】
〈理論的な縦方向加速度axの決定〉
トルクバランスに基づき、機能ブロック118で理論的な縦方向加速度axが以下のように推定される。
【0075】
【数6】
その際、MAは駆動トルク、SumMBremsは車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)の合計値、MJ_SUMは車輪の慣性トルク(MJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4)の合計値、MWLは空気抵抗トルク、Rは回転半径、またmは質量を示す。
【0076】
6.空転検知の判定およびALLSLIPフラグのセット
機能ブロック118において、まず4つの加速する車輪の回転慣性トルクが、推定される車両基準速度FZ_REFに基づいて決定される。さらに、縦方向加速度A_FZ_REFが、実際のFZ_REFと前サイクルのFZ_REF(タイムベースは20ミリ秒)との差が生成されることにより導き出される。
【0077】
【数7】
この値を全ての車輪慣性トルクの合計値MJ_SUMと比較すると、車両基準によって補正された4つの駆動輪の車輪慣性トルクMJ_Korが生成される。それにより、ALLSLIPフラグのセットが制御される。
【0078】
MJ_KOR=MJ_SUM−MJ_REF
〈ALLSLIPフラグのセット〉
MJ_KOR>#P_FJSCHWである場合にALLSLIPフラグがセットされる。
【0079】
〈ALLSLIPフラグのリセット〉
フラグがセットされている場合、カウンタCNT_ALLSLIP>#P_RESETであるかどうかが検査される。そうである場合、カウンタはリセットされフラグは保存される。
【0080】
〈カウンタCNT_ALLSLIPのインクリメント〉
カウンタはALLSLIPフラグがセットされない場合、MJ_KORが−#P_FJSCHW<MJ_KOR<#P_FJSCHWの帯域にある限りは、各サイクルごとに1ずつインクリメントされる。
【0081】
MJ_KORがこの帯域外にある場合、カウンタ値は変化しない。
〈使用されるパラメータ〉
#P_FJSCHW:100Nm
7.基準速度FZ−REFを適合するための基準上昇の選択
この実施形態では、4つの異なる上昇限度の中から、フィルタリングされない車両基準FZ_REF_unを車両基準FZ_REFに適合するためのものが機能ブロック118により選択される。さらに、空転検知(ALLSLIPフラグ)の際に、理論的な縦方向加速度axについての適合も行われる。
【0082】
〈最も重要な上昇限度の選択〉
である場合、最大上昇限度#REF_STEIG4が選択される。
【0083】
2)ALLSLIPフラグが設定されている場合、axとタイムベースDT(20ミリ秒)との積が上昇限度に選択される。
3)後軸車輪の双方が制御されている場合、#REF_STEIG2に決定される。
【0084】
4)車輪のいずれも制御されないか、あるいは1つの車輪のみが制御され、その車輪制動トルクMBremsがパラメータ閾値#MBREMSSCHWよりも小さい場合、上昇#REF_STEIG3が選択される。
【0085】
5)これらの条件(1−4)のいずれも満たされない場合、#REF_STEIG3に適合される。
〈使用されるパラメータ〉
−#REF_HYS:2m/s
−#REF_STEIG1:0.104m/s
−#REF_STEIG2:0.05m/s
−#REF_STEIG3:0.104m/s
−#REF_STEIG4:0.194m/s
−#A_MIN:2.5m/s/s
−#A_MAX:6m/s/s
−#MBREMSSCHW:25Nm
〈選択された上昇限度“REFSTEIG”を伴う基準速度FZ_REFの決定〉
−((FZ_REF_un−FZ_REF)>REFSTEIG)の場合、
FZ_REF=FZ_REF+REFSTEIG である。
−((FZ_REF_un−FZ_REF)<#REFDOWN)の場合、
FZ_REF=FZ_REF+#REFDOWN である。
−上記の2つの条件が満たされない場合、
FZ_REF=RZ_REF_un である。
【0086】
〈使用されるパラメータ〉
−#REFDOWN:−0.137
上述した本発明による実施形態の説明は、単に例示を目的としたものであり、本発明を制限するものではない。本発明の枠内で、本発明の範囲および均等性を逸脱せずに種々の変更および修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のシステムの実施形態を示す概略図であり、このシステムは本発明の方法を実施するのにも適応する。
【図2】
本発明と関連して使用されてよいサイドウォールセンサの形状でのセンサを示す概略図である。
【図3】
図2に示すサイドウォールセンサの出力信号の例を示す。
【図4】
車両縦方向速度を表す基準速度を決定するための手段の実施形態を示すブロック図であり、この手段は本発明の方法の特徴的なステップを実施するのにも適応する。
〔発明の属する技術分野〕
本発明は、車輪、とくに車輪軸受および/または車輪に取り付けられるタイヤには、センサの少なくとも1つのセンサ要素がそれぞれ設けられ、かつセンサの出力信号が、自動車の走行性を制御および/または調整するために用いられる、とくに全輪駆動、自動車の走行性を制御および/または調整する方法に関する。本発明はさらに、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車、車輪、とくに車輪軸受および/または車輪に取り付けられるタイヤには、センサの少なくとも1つのセンサ要素がそれぞれ設けられ、かつセンサの出力信号が、自動車の走行性を制御および/または調整するために用いられる、とくに全輪駆動、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車の走行性を制御および/または調整するシステムに関する。また本発明は、全輪駆動と、少なくとも2つのタイヤおよび/または2つの車輪とを有する自動車の走行性を制御および/または調整するシステムにも関する。
【0002】
[従来の技術]
この種の方法およびこの種のシステムは、たとえば駆動スリップ調整あるいは走行動特性調整と関連して使用される。その場合に、自動車の車輪の個々の車輪速度はセンサを介して検出され、検出された車輪速度が自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮されることは既知である。既知の方法およびシステムを用いることで、すでに十分な結果が達成されるが、とくに交通安全性に関して、この種の方法およびシステムをさらに改善することは有益である。
【0003】
さらに、この種において備えられるセンサに関連して、様々なタイヤ製造業者が今後いわゆるインテリジェントタイヤの使用を考案していることは知られている。その際に、新規のセンサおよび解析評価回路がタイヤに直に取り付けられる場合がある。このようなタイヤを使用することで、たとえばタイヤで走行方向に対し縦方向および横方向に発生するトルク、タイヤ空気圧、あるいはタイヤ温度の測定などのさらなる機能が可能になる。これに関連して、たとえば各タイヤ内において、好ましくは磁力線が円周方向に延在する磁気領域もしくは磁気ストライプが組み込まれるタイヤが備えられてよい。磁化は、たとえば部分ごとに常に同じ方向に、しかし逆の配向で、すなわち極性を交互にして行われる。磁気ストライプは、好ましくはリムフランジ付近およびタイヤ接触付近に延在する。したがって、トランスデューサは車輪速度に応じて回転する。対応のレシーバは、好ましくは回転方向で異なる2点またはそれ以上の点で車体に固定されて設けられ、加えて回転軸からの異なる径方向間隔をさらに有する。それによって、内側測定信号および外側測定信号を得ることができる。その場合、タイヤの回転は測定信号あるいは円周方向の測定信号の極性変化を介して検知されることができる。回転円周と、内側測定信号および外側測定信号の時間的変化とから、たとえば車輪速度を推定することができる。
[発明の利点]
本発明の自動車の走行性を制御および/または調整する方法は、次のようなステップを含むことで、この種の従来技術に基づいている。
(a)車輪および/またはタイヤに作用する力をセンサによって検出するステップ。
(b)車輪および/またはタイヤに作用する力を考慮して、車両の縦方向速度を表す基準速度を決定するステップ。
(c)自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度を考慮するステップ。
【0004】
車輪および/またはタイヤに作用する力、もしくはそこから発生するモメントが、走行性の制御および/または調整に関わることで、自動車の走行性を最適に制御および/または調整するために必要な、非常に正確な基準速度を推定することができる。このことはとくに、全輪駆動を備える自動車に関して有用であるので、この場合は、全輪基準回転速度に関する。自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度を非常に正確に考慮することによって、従来技術と比較すると、より良い結果を伴って走行性を制御および/または調整できる。さらに、空転の検知、および基準、とくに全輪の基準の一定維持が可能である。
【0005】
本発明の方法はさらに、ステップ(b)においてさらにセンサを介して検出された車輪速度を考慮することを含んでよい。車輪速度の検出は、たとえば冒頭に述べた各タイヤ内に備えられる磁気領域を介して行われてもよい。
【0006】
本発明の方法の好ましい実施形態では、センサを介して検出された車輪速度は、アンチブロックシステムをフィルタリング処理された車輪速度であることが含まれる。こうして、好ましくは備えられるアンチブロックシステムの効果が考慮される。
【0007】
本発明の方法はさらに、センサを介して検出される車輪速度から、第1のPT1フィルタリングされた車輪速度が決定されることを含んでよい。この時、この第1のPT1フィルタリングは、たとえば80ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0008】
さらに本発明の方法は、センサを介して検出される車輪速度から、第2のPT1フィルタリングされた車輪速度が決定されることを含んでよい。この第2のPT1フィルタリングは、たとえば160ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0009】
本発明の方法の好ましい実施形態では加えて、ステップ(b)においてさらに車輪加速度が考慮されることを含んでよい。
これに関連して、本発明の方法はさらに、車輪加速度がセンサを介して検出される車輪速度から決定されることを含んでよい。その場合たとえば、各車輪差が生成されるごとの車輪加速度を決定することができ、そのためにたとえば、差が現在から前回までの測定サイクルのアンチブロックシステムをフィルタリングされた車輪速度から決定される。測定サイクルのタイムベースは、たとえば20ミリ秒であってよい。このように決定された差は次いで、たとえば80ミリ秒の時定数で、PT1フィルタリングすることができる。
【0010】
本発明の方法は好ましくはさらに、ステップ(b)において第1のフィルタリングされた車輪速度において最も遅い車輪速度ならびに付随する車輪加速度がさらに考慮されることを含む。このことはたとえば、第1のフィルタリングされた車輪速度ならびに車輪加速度に対して適宜の比較操作を実行することで行われてよい。
【0011】
本発明はさらに、ステップ(b)において、2番目に遅い車輪速度、駆動軸の平均車両速度、ポジティブな最大車輪加速度、ネガティブな最大車輪加速度、最大の車輪速度のような変数の1つまたは複数が考慮されることを含んでよい。2番目に遅い車輪速度は、この場合たとえば第2のフィルタリングされた車輪速度に対して実行される比較操作によって決定することができる。非駆動軸の平均車両速度は、たとえば第1のフィルタリングされた車輪速度の演算手段から決定することができる。ポジティブな最大車輪加速度は、個々の車輪加速度の最大値に相当する。同様に、ネガティブな最大車輪加速度は、個々の車輪加速度の最小値に相当する。最大車輪速度は、個々の車輪速度の最大値に相当し、それに対して実行される比較操作によって決定することができる。
【0012】
本発明の方法はさらに、ステップ(b)においてフィルタリングされない基準速度が考慮されることを含んでよい。その場合、フィルタリングされない基準速度は、出力変数を生成して基準速度を決定することができる。
【0013】
これに関連して、本発明の方法はたとえば、選択される所定の変数に応じて、最大車輪速度値、2番目に遅い車輪速度値、あるいは駆動軸の平均車両速度値が、フィルタリングされない基準速度に与えられることを含んでよい。このことは次のようにして行われる。制御および/または調整装置の作動時、あるいはエンジントルクがゼロであるとき、フィルタリングされない基準速度には最大車輪速度値が与えられる。別の場合では、制御中および/または調整中、および最も遅い車輪速度が基準速度と所定の値(たとえば、1.38m/s)との差よりも大きい場合、最も遅い車輪速度値がフィルタリングされない基準速度に用いられる。上述の要求条件がいずれも満たされない場合、最も遅い車輪の車輪加速度が所定の値(たとえば、0m/s2)よりも小さいかどうかが検査される。この場合、フィルタリングされない基準速度には、最大の車輪速度値が与えられ、REFLフラグがセットされる。車輪加速度が先程述べた所定の値(たとえば、0m/s2)よりも大きい場合、REFLフラグがセットされる際には、駆動軸の平均車両速度が用いられる。別の場合では、REFLフラグがリセットされ、最も遅い基準速度が、フィルタリングされない基準速度の出力変数として用いられる。REFLフラグがセットされない場合は、同様に最も遅い車輪速度が用いられる。
【0014】
本発明の方法は、好ましくは、車輪および/またはタイヤに作用する力を、ステップ(b)に従い車輪圧の形で、車輪および/またはタイヤに作用する車輪制動トルクを介して考慮することを含む。
【0015】
これに関連して、好ましくはさらに、車輪制動トルクが車輪圧とブレーキ係数との乗算により得られることが含まれる。
本発明の方法はさらに、ステップ(b)において車輪制動トルクの合計値が考慮されることを含んでよい。この場合、後にさらに詳述するように、制動トルクの合計値はとくに、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出される。
【0016】
本発明の方法は、好ましくはさらに、ステップ(b)において車輪の慣性トルクならびに車輪の慣性トルクの合計値が考慮されることを含む。車輪の慣性トルクの合計値もまた、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出すことができる。
【0017】
さらに本発明の方法は、好ましくは、ステップ(b)において、実際のトルクと変速機のギア比との積に対応する駆動トルクが考慮されることを含む。駆動トルクもまた、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出される。
【0018】
さらに本発明の方法は、好ましくは、ステップ(b)において、空気抵抗(ドラッグ)トルクが考慮されることを含む。空気抵抗トルクは、空気抵抗係数、車両当接面(abutting face)、空気密度、車輪もしくはタイヤの回転半径、および基準速度の二乗からなる積である。
【0019】
本発明の方法の好ましい実施形態においてさらに、ステップ(b)において、上述の論理的な縦方向加速度が次のように決定されることを含む。
【0020】
【数3】
このとき、MAは駆動トルク、SumMBremsは車輪制動トルクの合計値、MJ_SUMは車輪の慣性トルクの合計値、MWLは空気抵抗トルク、Rは車輪もしくはタイヤのロール径、またmは質量を示す。これによって、たとえば全車輪が空転する場合に論理的な加速度へと変化することができるので、従来技術と比較してはるかに正確な基準速度が決定され得る。
【0021】
本発明の方法は、好ましくは、ステップ(b)において空転検知が考慮されることをさらに含む。空転検知の判定、および全ての車輪が空転している状態を示すALLSLIPフラグのセットは、たとえば次のようにして行われてよい。まず、加速する車輪(たとえば4つ)の回転慣性トルクが、推定される基準速度を基本として決定される。さらに、基準速度に相関する縦方向加速度が、現在の基準速度と前サイクルの基準速度との差が生成されることにより導き出され、その際のタイムベースは、たとえば20ミリ秒であってよい。加速する車輪の回転慣性トルク値は、全車輪の慣性トルクの合計値と比較すると、駆動輪(たとえば4つ)の基準速度によって補正された車輪慣性トルクを生成する。それとともにALLSLIPフラグのセットが制御される。ALLSLIPフラグは、補正された車輪慣性トルクがある所定の値(たとえば、100Nm)より大きい場合にセットされる。ALLSLIPフラグをリセットするためには、セットされているALLSLIPフラグにおいて、カウンタがある所定の値(たとえば、10)より大きいかどうかが検査される。そうであればカウンタはリセットされ、ALLSLIPフラグは保存される。その際、カウンタのインクリメントは、ALLSLIPフラグがセットされていない場合、補正された車輪の慣性トルクがある所定の帯域にある(たとえば、−100Nmより大きく100Nmより小さい)限り、各サイクルごとにカウンタが1ずつインクリメントするように行われる。補正された車輪の慣性トルクが、その帯域外にある場合、カウンタ状態は変化しない。
【0022】
本発明の方法は好ましくは、ステップ(b)において基準上昇が考慮されることをさらに含む。
これに関連して、本発明の方法はさらに、基準上昇が複数の所定の基準上昇値から選択されることを含んでよい。これはたとえば、次のようにして行われ得る。異なる4つの上昇限度の中から選択されて、フィルタリングされない基準速度を基準速度に適合する。さらに、空転を検知する(ALLSLIPフラグがセットされる)際に、理論的な縦方向加速度についての適合がなされる。次に、最も優先度の高い上昇限度の選択についての説明を行う。1)最大の車輪速度と最も遅い車輪速度との差がある所定の値(たとえば、2m/s)よりも小さく、ポジティブな最大車輪加速度が所定の値(たとえば、6m/s2)よりも小さく、ネガティブな最大車輪加速度がある所定の値(たとえば、2.5m/s2)よりも小さい場合、基準上昇としては、第4の所定基準上昇値(たとえば、0.194m/s)が選択される。2)ALLSLIPフラグがセットされている場合、上昇限度としては、理論的な縦方向加速度と、たとえば20ミリ秒であってよいタイムベースとの積が選択される。3)後軸の車輪が双方とも制御されている場合、基準上昇としては、第2の所定基準上昇(たとえば、0.05m/s)が選択される。4)車輪のいずれも制御されていないか、または1つの車輪だけが制御されており、その車輪制動トルクがあるパラメータ閾値(たとえば、25Nm)よりも小さい場合、第1の所定基準上昇値(たとえば0.104m/s)が選択される。5)条件1)〜4)のいずれも満たされない場合、第3の所定基準上昇値(たとえば、0.104m/s)が基準上昇に選択される。基準上昇あるいは上昇限度が選択されると、基準速度が次のように想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が基準上昇よりも大きい場合、基準速度:=基準速度+基準上昇 と想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が、ある所定の値(たとえば、−0.137m/s)よりも小さい場合、基準速度:=基準速度+所定の値(たとえば、 −0.137m/s) であると想定される。前述の条件が双方とも満たされない場合、基準速度:=フィルタリングされない基準速度 と想定される。
【0023】
本発明の方法を実施するための全ての装置は、従属する特許請求項の保護範囲内にある。
本発明の自動車の走行性を制御および/または調整するためのシステムは、センサが車輪および/またはタイヤに作用する力を検出することと、自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮される、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定するための手段を含むということとにより、この種の従来技術に基づいている。この場合、車輪および/またはタイヤに作用する力が、基準速度を決定するために考慮される。車輪および/またはタイヤに作用する力、もしくはそこから発生するモメントが、自動車の走行性の制御および/または調整に関わることによって、本発明の方法の場合と同様に、自動車の走行性を最適に制御および/または調整するために必要な非常に正確な基準速度を推定することができる。このことはとくに、全輪駆動を備える自動車に関して有用であるので、この場合もまた、全輪基準回転速度に関する。自動車の走行性を制御および/または調整する際に、基準速度を非常に正確に考慮することによって、従来技術と比較すると、より良い結果を伴って走行性を制御および/または調整できる。さらに、空転検知、および基準、とくに全輪の基準の一定維持が可能である。
【0024】
本発明のシステムにおいて好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、センサを介して検出された車輪速度をさらに考慮することを含む。車輪速度の検出は、本発明の方法と同様、たとえば冒頭に述べた各タイヤ内に備えられる磁気領域を介して行われてもよい。
【0025】
これに関連して、本発明のシステムは、好ましくは、センサを介して検出された車輪速度が、アンチブロックシステムをフィルタリングされる車輪速度であることをさらに含む。こうして、好ましくは備えられるアンチブロックシステムの効果が本発明のシステムによってもまた考慮される。
【0026】
本発明のシステムの好ましい実施形態においてはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、センサを介して検出される車輪速度から、第1のPT1フィルタリングされた車輪速度を決定することを含む。この場合も、この第1のPT1フィルタリングは、たとえば80ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0027】
さらにこれも本発明のシステムに関連して、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、センサを介して検出される車輪速度から、第2のPT1フィルタリングされた車輪速度を決定することが含まれてよい。この第2のPT1フィルタリングは、本発明の方法と同様に、たとえば160ミリ秒の時定数で行うことができる。
【0028】
本発明の方法のシステムにおいて、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、さらに車輪加速度を考慮することを含む。
これに関連して、本発明のシステムは、好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が車輪加速度を、センサを介して検出される車輪速度から決定することを含む。その際、本発明の方法と同様に、たとえば、各車輪差が生成されるごとの車輪加速度を決定することができ、この場合たとえば、差は現在から前回までの測定サイクルのアンチブロックシステムをフィルタリングされた車輪速度から判定される。この場合も、測定サイクルのタイムベースは、たとえば20ミリ秒であってよい。このように判定された差は次いで、たとえば80ミリ秒の時定数で、PT1をフィルタリングすることができる。
【0029】
本発明のシステムにおいて、好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段がさらに、第1のフィルタリングされた車輪速度において最も遅い車輪速度ならびに付随する車輪加速度を考慮することが含まれる。このことはたとえば、すでに説明した本発明の方法に関してと同様、第1のフィルタリングされた車輪速度ならびに車輪加速度に対して適宜の比較操作を実行することで行われてよい。当然、対応する車輪速度値から付随する車輪加速度を決定することは同様に可能である。
【0030】
本発明のシステムに関してさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、2番目に遅い車輪速度、駆動軸の平均車両速度、ポジティブな最大車輪加速度、ネガティブな最大車輪加速度、最大の車輪速度のような変数の1つまたは複数を考慮することを含むことが好ましい。2番目に遅い車輪速度は、この場合も、たとえば第2のフィルタリングされた車輪速度に対して実行される比較操作によって決定することができる。駆動軸の平均車両速度は、たとえば第1のフィルタリングされた車輪速度の演算手段から決定することができる。ポジティブな最大車輪加速度は、前述のように個々の車輪加速度の最大値に相当する。同様に、ネガティブな最大車輪加速度は、前述のように個々の車輪加速度の最小値に相当する。前述した本発明の方法に関してと同様に、最大の車輪速度は、個々の車輪速度の最大値に相当し、それに対して実行される比較操作によって決定することができる。
【0031】
本発明のシステムにおいて、好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、フィルタリングされない基準速度を考慮することを含む。
【0032】
これに関連して、本発明の方法と同様、本発明のシステムはたとえば、選択される所定の変数に応じて、最大の車輪速度値、2番目に遅い車輪速度値、あるいは駆動軸の平均車両速度値が、フィルタリングされない基準速度に与えられることを含むことが好ましい。このことは、本発明の方法に関してと同様、次のように行われてよい。制御および/または調整装置の作動時、あるいはエンジントルクがゼロであるとき、フィルタリングされない基準速度には最大車輪速度値が与えられる。別の場合では、制御中および/または調整中、および最も遅い車輪速度が基準速度と所定の値(たとえば、1.38m/s)との差よりも大きい場合、最も遅い車輪速度値がフィルタリングされない基準速度に用いられる。上述の要求条件がいずれも満たされない場合、最も遅い車輪の車輪加速度が所定の値(たとえば、0m/s2)よりも小さいかどうかが検査される。この場合、フィルタリングされない基準速度には、最大の車輪速度値が与えられ、REFLフラグがセットされる。車輪加速度が先程述べた所定の値(たとえば、0m/s2)よりも大きい場合、REFLフラグがセットされる際、駆動軸の平均車両速度が用いられる。別の場合では、REFLフラグがリセットされ、最も遅い基準速度が、フィルタリングされない基準速度の出力変数として用いられる。REFLフラグがセットされない場合は、同様に最も遅い車輪速度が用いられる。
【0033】
本発明のシステムにおいては、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、車輪および/またはタイヤに作用する力を車輪圧の形で、車輪および/またはタイヤに作用する車輪制動トルクを介して考慮することが含まれる。
【0034】
さらに本発明のシステムは、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、車輪制動トルクを車輪圧とブレーキ係数との乗算により得ることを含む。
【0035】
本発明のシステムは、好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が車輪制動トルクの合計値を考慮するように構成される。ここでも、後にさらに詳述するように、その際、制動トルクの合計値はとくに、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出される。
【0036】
さらに本発明のシステムにおいては、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、車輪の慣性トルクならびに車輪の慣性トルクの合計値を考慮することが含まれてよい。車輪の慣性トルクの合計値もまた、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出すことができる。
【0037】
本発明のシステムにおいて好ましくはさらに、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、実際のトルクと変速機のギア比とからなる積に対応する駆動トルクを考慮することを含む。前述した本発明の方法に関してと同様、駆動トルクは、後にさらに詳述するように、理論的な縦方向加速度を決定するために導き出されてよい。
【0038】
さらに本発明のシステムにおいて好ましくは、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、空気抵抗トルクを考慮することをさらに含む。空気抵抗トルクは、空気抵抗係数、車両当接面、空気密度、車輪もしくはタイヤの回転半径、および基準速度の二乗からなる積である。
【0039】
本発明のシステムの好ましい実施形態においては、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、上述の論理的な縦方向加速度を次のように決定することを含む。
【0040】
【数4】
このとき、MAは駆動トルク、SumMBremsは車輪制動トルクの合計値、MJ_SUMは車輪の慣性トルクの合計値、MWLは空気抵抗トルク、Rは車輪もしくはタイヤのロール径、またmは質量を示す。これによって、前述した本発明の方法に関してと同様、たとえば全車輪が回転される場合に論理的な加速度へと変化することができるので、従来技術と比較してはるかに正確な基準速度が決定され得る。
【0041】
本発明のシステムの好ましい実施形態では、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が空転検知を考慮することをさらに含む。空転検知の判定、および全ての車輪が空転している状態を示すALLSLIPフラグのセットは、この場合も、たとえば次のようにして行われてよい。まず、加速する車輪(たとえば4つ)の回転慣性トルクが、推定される基準速度を基本として決定される。さらに、前述のように、基準速度に相関する縦方向加速度が、現在の基準速度と前サイクルの基準速度との差が生成されることにより導き出され、その際のタイムベースはやはり、たとえば20ミリ秒であってよい。加速する車輪の回転慣性トルク値は、全ての車輪の慣性トルクの合計値と比較すると、駆動輪(たとえば4つ)の基準速度によって補正された車輪慣性トルクを生成する。それとともに、やはりALLSLIPフラグのセットが制御される。ALLSLIPフラグは、補正された車輪慣性トルクがある所定の値(たとえば、100Nm)より大きい場合にセットされる。ALLSLIPフラグをリセットするためには、セットされたALLSLIPフラグにおいて、カウンタがある所定の値(たとえば、10)より大きいかどうかが検査される。そうであればカウンタは取り除かれ、ALLSLIPフラグは保存される。ここでも、その際カウンタのインクリメントは、補正された車輪の慣性トルクがある所定の帯域にある(たとえば、−100Nmより大きく100Nmより小さい)限り、ALLSLIPフラグがセットされていない場合、各サイクルごとにカウンタが1ずつインクリメントするように行われる。補正された車輪の慣性トルクが、その帯域外にある場合、カウンタ状態は変化しない。
【0042】
さらに本発明のシステムの好ましい実施形態においては、前述した本発明の方法に関してと同様、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、基準上昇を考慮することをさらに含む。
【0043】
これに関連して、本発明のシステムにおいては、車両の縦方向速度を示す基準速度を決定する手段が、基準上昇を複数の所定の基準上昇値から選択することを含むことが好ましい。これはたとえば、次のようにして行われ得る。異なる4つの上昇限度の中から選択されて、フィルタリングされない基準速度を基準速度に適合する。さらに、空転を検知する(ALLSLIPフラグがセットされる)際に、理論的な縦方向加速度についての適合がなされる。本発明の方法と同様に、最も重要である上昇限度の選択についての説明を行う。1)最大の車輪速度と最も遅い車輪速度との差がある所定の値(たとえば、2m/s)よりも小さく、ポジティブな最大車輪加速度が所定の値(たとえば、6m/s2)よりも小さく、ネガティブな最大車輪加速度がある所定の値(たとえば、2.5m/s2)よりも小さい場合、基準上昇としては、第4の所定基準上昇値(たとえば、0.194m/s)が選択される。2)ALLSLIPフラグがセットされている場合、上昇限度としては、理論的な縦方向加速度と、たとえば20ミリ秒であってよいタイムベースとの積が選択される。3)後軸の車輪が双方とも制御されている場合、基準上昇としては、第2の所定基準上昇(たとえば、0.05m/s)が選択される。4)車輪のいずれも制御されていないか、または1つの車輪だけが制御されており、その車輪制動トルクがあるパラメータ閾値(たとえば、25Nm)よりも小さい場合、第1の所定基準上昇値(たとえば、0.104m/s)が選択される。5)条件1)〜4)のいずれも満たされない場合、第3の所定基準上昇値(たとえば、0.104m/s)が基準上昇に選択される。基準上昇あるいは上昇限度が選択されると、基準速度が次のように想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が基準上昇よりも大きい場合、基準速度:=基準速度+基準上昇 と想定される。フィルタリングされない基準速度と基準速度との差が、ある所定の値(たとえば、−0.137m/s)よりも小さい場合、基準速度:=基準速度+所定の値(たとえば、−0.137m/s)であると想定される。前述の条件が双方とも満たされない場合、基準速度:=フィルタリングされない基準速度 と想定される。
【0044】
本発明による、全輪駆動を備える自動車の走行性を制御および/または調整するシステムの別の実施形態は、車輪および/またはタイヤ内または側面に、とくに車輪軸受に力センサをセットし、力センサの出力信号に応じて車両の縦方向速度を示す基準速度変数が検知され、この基準速度変数が自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮されることで、この種の従来技術に基づいている。車両の縦方向速度が力センサの出力信号に応じて検知されるので、非常に正確な全輪基準速度を推定することができる。正確な全輪基準速度は、全輪駆動自動車の走行性を制御および/または調整する場合に特に重要である。本発明による、全輪駆動を備える自動車の走行性を制御および/または調整するシステムの別の実施形態の場合も、自動車の走行性を制御および/または調整する際に、従来技術に比べて、よりよい結果を達成できる。
【0045】
以下に添付の図面を用いて、本発明をより詳細に説明する。
[実施例の説明]
図1は、本発明のシステムの実施形態を示す概略図である。図1によると、左の前タイヤRVL、右の前タイヤRVR、左の後タイヤRHL、および右の後タイヤRHRに、それぞれセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRが割当てられている。図示されたこの実施形態において、センサSVL、SVR、SHL、およびSHRは、後に図2および図3を用いてより詳述されるように、いわゆるサイドウォールセンサから構成される。しかし本発明は、タイヤ内にセンサ要素を有するセンサに限られることはなく、付加的あるいは代替的に、少なくとも1つのセンサ要素を車輪、とくに車輪軸受に備えるセンサも使用される。図示されるセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRは、車両の縦方向速度を示す基準速度FZ_REFを決定する手段10に供給される信号を送信する。この車両の縦方向速度を示す基準速度FZ_REFを決定する手段10に供給される信号はそこで、場合によってはすでにセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRに割当てられる回路によって事前処理されていてもよい。手段10は、自動車の走行性を制御および/または調整する装置12に所定の基準速度FZ_REFを出力する。図1において、車両の縦方向速度を示す基準速度FZ_REFを決定する手段10は、装置12から離れたところに示されているが、この手段10および装置12が、場合によっては単一の構造体であってもよいことは明らかである。
【0046】
図2は、本発明に関連して使用することのできるサイドウォールセンサの形状のセンサを示す概略的な図である。図2の説明では、プロファイル212が概略的にのみ示されている部分的にのみ図示されたタイヤ210内に、磁力線が円周方向に延びる磁気ストライプ216、218、220、222が組み込まれている。その際、磁気ストライプ216、218、220、222の磁化は、部分ごとには常に同じ方向に、しかし逆の配向で、すなわち極性を交互にして行われる。磁気ストライプ216、218、220、222は図示されるようにリムフランジまたはタイヤ接触付近に延在する。したがってトランスデューサ216、218、220、222は、車輪速度で回転する。2つのレシーバSinnen、Sausenは、回転方向の異なる2点で車体に固定されて設けられ、回転軸からの異なる径方向間隔を有する。
【0047】
図3は、図2に示されるサイドウォールセンサの出力信号Si、Saの例を示す。なお、信号SiはレシーバSinnenに、信号SaはレシーバSausenに関連される。信号Si、Saの周波数から、たとえば車輪速度を推定することができ、一方では信号Si、Saの互いの状況からタイヤの変形あるいは歪み、ひいては車輪および/またはタイヤに作用する力を推定することができる。
【0048】
図4は、車両の縦方向速度を表す基準速度を決定する手段の実施形態を示すブロック図である。なお、この手段は本発明の方法の特徴的なステップを行うためにも適している。後述する本発明の特殊な実施形態は、4つの車輪を有する全輪駆動自動車に関する。しかし前述のように、本発明はこの種の自動車に限定されるわけではない。
【0049】
図4によると、機能ブロック110が備えられており、これにセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRの信号が供給される。また機能ブロック110は、個々のセンサSVL、SVR、SHL、およびSHRに関連する回路の複数個から構成されてもよい。
【0050】
より理解しやすいように、図4に示したシステムの機能方法に関して以下のような段階に分けて後述する。
1.車輪速度の信号生成およびフィルタリング
2.最も遅い車輪速度V_1Refおよび付随する車輪加速度A_V1Refの決定
3.他の速度変数および加速度変数の決定
4.基準速度FZ_REFを決定する出力変数としてのフィルタリングされない基準速度FZ_REF_unの決定
5.トルクバランス
6.空転検知の決定およびALLSLIPフラグのセット
7.基準速度FZ_REFを適合するための基準上昇の選択
1.車輪速度の信号生成およびフィルタリング
機能ブロック110によって出力されるABS(アンチブロックシステム)をフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRは、機能ブロック112によってさらに処理される。この機能ブロック112はとりわけ、ABSをフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRを、80ミリ秒の時定数でPT1にフィルタリングし、そこから第1のフィルタリングされた車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRを決定するために備えられている。
【0051】
さらに機能ブロック112は、ABSをフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRを160ミリ秒の時定数でPT1にフィルタリングし、それとともに第2のフィルタリングされた車輪速度VanF_VL、VanF_VR、VanF_HLおよびVanF_HRを決定するために備えられている。
【0052】
車輪差が生成された場合、現在から前回までの測定サイクル(タイムベース20ミリ秒)のABS車輪速度の差が導き出され、80ミリ秒の時定数でPT1フィルタリングされる。これによって、車輪差変数あるいは車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HRが生成される。
【0053】
ABSにフィルタリングされた車輪速度V_VL、V_VR、V_HLおよびV_HRと、第1のフィルタリングされた車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRと、第2のフィルタリングされた車輪速度VanF_VL、VanF_VR、VanF_HLおよびVanF_HRと、車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HRとが、機能ブロック110あるいは機能ブロック112から機能ブロック118に供給され、機能ブロック118はこれらの変数を、基準速度を決定する場合に考慮する。
【0054】
2.最も遅い車輪速度V−1Refおよび付随する車輪加速度A−V1Refの決定
車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRの中から、最も遅いものが機能ブロック112により決定され、変数V_lRefに割当てられる。さらにその車輪の車輪加速度が機能ブロック112によって変数A_VlRefに割当てられる。
【0055】
機能ブロック112は最も遅い車輪速度V_lRefならびに付随する車輪加速度A_VlRefを、機能ブロック118に供給する。それによって機能ブロック118もまた、基準速度FZ_REFを決定する際にこの変数を考慮することができる。
【0056】
3.他の速度変数および加速度変数の決定
機能ブロック112は、160ミリ秒でフィルタリングされた車輪速度VanF_VL、VanF_VR、VanF_HLおよびVanF_HRの中から、2番目に遅い車輪速度V_Secondを決定する。
【0057】
駆動軸の平均車両速度VMANは、機能ブロック112によって4つの個々の車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRの演算手段から決定される。
【0058】
ポジティブな最大車輪加速度は、4つの個々の車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、およびAvan_HRの最大値であり、AVAN_maxとして示される。
【0059】
ネガティブな最大車輪加速度は、4つの個々の車輪加速度Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HRの最小値であり、AVAN_minとして示される。
【0060】
さらに機能ブロック112は、4つの個々の車輪速度Van_VL、Van_VR、Van_HLおよびVan_HRから、最大の車輪速度VANmaxを構成する。
【0061】
機能ブロック112は、二番目に遅い車輪速度V_Second、駆動軸の平均車両速度VMAN、ポジティブな最大車輪加速度AVAN_max、ネガティブな最大車輪加速度AVAN_min、および最大の車輪速度VANmaxを機能ブロック118に供給し、それによって機能ブロック118も基準速度FZ_REFを決定する際に、これらの変数を考慮することができる。
【0062】
4.基準速度FZ−REFを決定する出力変数としてのフィルタリングされない基準速度FZ−REF−unの決定
(a)制御装置の始動時、またはモータトルクがゼロとなる場合、変数FZ_REF_unにはVANmaxが機能ブロック118により割当てられる。
【0063】
(b)別の場合、制御中および要求(V_lref>FZ_REF_−#V_UMSCH)時には、V_lrefが機能ブロック118により使用される。
この要求条件が満たされない場合、最も遅い車輪の車輪加速度A_VlRef<#P_AGRENZであるかが、機能ブロック118により検査される。この場合、VAN_maxがFZ_REF_unに割当てられ、REFLフラグがセットされる。
【0064】
車輪加速度>#P_AGRENZである場合は、REFLフラグがセットされる時、平均速度VMANが、V_VIRef<0 のもとで使用される。別の場合、REFLフラグがセットされ、V_lRefがフィルタリングされない車両基準の入力変数として用いられる。REFLフラグがセットされない時も、V_lRefが用いられる。
【0065】
〈使用されるパラメータ〉
#V_UMSCHW:1.38m/s
#P_AGRENZ:0m/s/s
5.トルクバランス
〈車輪制動トルクの決定〉
上述のサイドウォールセンサ信号から車輪圧が判定される。この車輪圧は制動係数cpと掛け合わせられ、実際の車輪制動トルクMBremsが生成される。車輪制動トルクMBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4はそれぞれ、機能ブロック110から機能ブロック118に供給される。
【0066】
全ての車輪制動トルクの合計値SumMBremsは、機能ブロック114により生成される。なお、この合計値は4つの個々の車輪制動トルクMbrems_iをすべて加算したものである。全ての車輪制動トルクの合計値SumMBremsは、機能ブロック114から機能ブロック118に供給される。
【0067】
SumMBrems=ΣMbrems_i,i=1,4
〈車輪の慣性トルクMJ_iの決定〉
車輪の慣性トルクMJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4は、機能ブロック116によって次のように決定される。
【0068】
MJ_i=AVAN*Jrad*Rrad,i=1,4
その際、AVAN=Avan_VL,Avan_VR,Avan_HL,Avan_HRである。
【0069】
機能ブロック116は、車輪の慣性トルクMJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4を、機能ブロック118に供給し、それによって機能ブロック118も基準速度を決定する際にこれらの変数を考慮することができる。
【0070】
〈全車輪の慣性トルク合計値MJ_SUMの決定〉
機能ブロック116はさらに、車輪の慣性トルクMJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4より、全車輪の慣性トルク合計値MJ_SUMを決定する。
【0071】
MJ_SUM=ΣMJ_i,i=1,4
変数MJ_SUMもまた、機能ブロック116から機能ブロック118に供給される。
【0072】
〈駆動トルクMAの決定〉
駆動トルクMAは、実際のモータトルクと変速機のギア比との積として、機能ブロック118により決定される。
【0073】
〈空気抵抗トルクMWLの決定〉
空気抵抗トルクは、空気抵抗トルク係数cw、車両当接面A、空気密度p、回転半径R、および車両速度FZ_REFの積として決定される。
【0074】
【数5】
〈理論的な縦方向加速度axの決定〉
トルクバランスに基づき、機能ブロック118で理論的な縦方向加速度axが以下のように推定される。
【0075】
【数6】
その際、MAは駆動トルク、SumMBremsは車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)の合計値、MJ_SUMは車輪の慣性トルク(MJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4)の合計値、MWLは空気抵抗トルク、Rは回転半径、またmは質量を示す。
【0076】
6.空転検知の判定およびALLSLIPフラグのセット
機能ブロック118において、まず4つの加速する車輪の回転慣性トルクが、推定される車両基準速度FZ_REFに基づいて決定される。さらに、縦方向加速度A_FZ_REFが、実際のFZ_REFと前サイクルのFZ_REF(タイムベースは20ミリ秒)との差が生成されることにより導き出される。
【0077】
【数7】
この値を全ての車輪慣性トルクの合計値MJ_SUMと比較すると、車両基準によって補正された4つの駆動輪の車輪慣性トルクMJ_Korが生成される。それにより、ALLSLIPフラグのセットが制御される。
【0078】
MJ_KOR=MJ_SUM−MJ_REF
〈ALLSLIPフラグのセット〉
MJ_KOR>#P_FJSCHWである場合にALLSLIPフラグがセットされる。
【0079】
〈ALLSLIPフラグのリセット〉
フラグがセットされている場合、カウンタCNT_ALLSLIP>#P_RESETであるかどうかが検査される。そうである場合、カウンタはリセットされフラグは保存される。
【0080】
〈カウンタCNT_ALLSLIPのインクリメント〉
カウンタはALLSLIPフラグがセットされない場合、MJ_KORが−#P_FJSCHW<MJ_KOR<#P_FJSCHWの帯域にある限りは、各サイクルごとに1ずつインクリメントされる。
【0081】
MJ_KORがこの帯域外にある場合、カウンタ値は変化しない。
〈使用されるパラメータ〉
#P_FJSCHW:100Nm
7.基準速度FZ−REFを適合するための基準上昇の選択
この実施形態では、4つの異なる上昇限度の中から、フィルタリングされない車両基準FZ_REF_unを車両基準FZ_REFに適合するためのものが機能ブロック118により選択される。さらに、空転検知(ALLSLIPフラグ)の際に、理論的な縦方向加速度axについての適合も行われる。
【0082】
〈最も重要な上昇限度の選択〉
である場合、最大上昇限度#REF_STEIG4が選択される。
【0083】
2)ALLSLIPフラグが設定されている場合、axとタイムベースDT(20ミリ秒)との積が上昇限度に選択される。
3)後軸車輪の双方が制御されている場合、#REF_STEIG2に決定される。
【0084】
4)車輪のいずれも制御されないか、あるいは1つの車輪のみが制御され、その車輪制動トルクMBremsがパラメータ閾値#MBREMSSCHWよりも小さい場合、上昇#REF_STEIG3が選択される。
【0085】
5)これらの条件(1−4)のいずれも満たされない場合、#REF_STEIG3に適合される。
〈使用されるパラメータ〉
−#REF_HYS:2m/s
−#REF_STEIG1:0.104m/s
−#REF_STEIG2:0.05m/s
−#REF_STEIG3:0.104m/s
−#REF_STEIG4:0.194m/s
−#A_MIN:2.5m/s/s
−#A_MAX:6m/s/s
−#MBREMSSCHW:25Nm
〈選択された上昇限度“REFSTEIG”を伴う基準速度FZ_REFの決定〉
−((FZ_REF_un−FZ_REF)>REFSTEIG)の場合、
FZ_REF=FZ_REF+REFSTEIG である。
−((FZ_REF_un−FZ_REF)<#REFDOWN)の場合、
FZ_REF=FZ_REF+#REFDOWN である。
−上記の2つの条件が満たされない場合、
FZ_REF=RZ_REF_un である。
【0086】
〈使用されるパラメータ〉
−#REFDOWN:−0.137
上述した本発明による実施形態の説明は、単に例示を目的としたものであり、本発明を制限するものではない。本発明の枠内で、本発明の範囲および均等性を逸脱せずに種々の変更および修正が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明のシステムの実施形態を示す概略図であり、このシステムは本発明の方法を実施するのにも適応する。
【図2】
本発明と関連して使用されてよいサイドウォールセンサの形状でのセンサを示す概略図である。
【図3】
図2に示すサイドウォールセンサの出力信号の例を示す。
【図4】
車両縦方向速度を表す基準速度を決定するための手段の実施形態を示すブロック図であり、この手段は本発明の方法の特徴的なステップを実施するのにも適応する。
Claims (44)
- 車輪、とくに車輪軸受および/または車輪に取り付けられるタイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)には、センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の少なくとも1つのセンサ要素がそれぞれ設けられ、かつ該センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の出力信号が、自動車の走行性を制御および/または調整するために用いられる、自動車、とくに全輪駆動、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車の走行性を制御および/または調整する方法において、
(a) 前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する力を、前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)によって検出するステップと、
(b) 前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する力を考慮して、車両の縦方向速度を表す基準速度(FZ_REF)を決定するステップと、
(c) 自動車の走行性を制御および/または調整する際に、前記基準速度(FZ_REF)を考慮するステップと、
を含むことを特徴とする自動車の走行性を制御および/または調整する方法。 - ステップ(b)においてさらに前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出された車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)が考慮されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出された前記車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)は、アンチブロックシステムをフィルタリングされた車輪速度であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
- 前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出される前記車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)から、第1のPT1フィルタリングされた車輪速度(Van_VL、Van_VR、Van_HL、Van_HR)が決定されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
- 前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出される前記車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)から、第2のPT1フィルタリングされた車輪速度(VanF_VL、VanF_VR、VanF_HL、VanF_HR)が決定されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)においてさらに車輪加速度(Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HR)が考慮されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
- 前記車輪加速度(Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HR)が、前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出される車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)から決定されることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において、前記第1のフィルタリングされた車輪速度において最も遅い車輪速度(V_lRef)ならびに付随する車輪加速度(A_VlRef)がさらに考慮されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において、2番目に遅い車輪速度(V_Second)、駆動軸の平均車両速度(VMAN)、ポジティブな最大車輪加速度(AVAN_max)、ネガティブな最大車輪加速度(AVAN_min)、最大の車輪速度(VANmax)のような変数の1つまたは複数が考慮されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)においてフィルタリングされない基準速度(FZ_REF_un)が考慮されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
- 選択される所定の変数に応じて、前記最大車輪速度値(VANmax)、前記最も遅い車輪速度値(V_lRef)あるいは前記駆動軸の平均車両速度値(VMAN)が、前記フィルタリングされない基準速度(FZ_REF_un)に与えられることを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の方法。
- 前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する力を、ステップ(b)に従い車輪圧の形で、前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)を介して考慮することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載の方法。
- 前記車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)が前記車輪圧とブレーキ係数(cp)との乗算により得られることを特徴とする請求項1ないし12のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において前記車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)の合計値(SumMBrems)が考慮されることをを特徴とする請求項1ないし13のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において車輪の慣性トルク(MJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4)ならびに該車輪の慣性トルク(MJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4)の合計値(MJ_SUM)が考慮されることを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において、実際のトルクと変速機のギア比との積に対応する駆動トルク(MA)が考慮されることを特徴とする請求項1ないし15のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において、空気抵抗トルク(MWL)が考慮されることを特徴とする請求項1ないし16のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において空転検知が考慮されることを特徴とする請求項1ないし18のいずれかに記載の方法。
- ステップ(b)において基準上昇(REFSTEIG)が考慮されることを特徴とする請求項1ないし19のいずれかに記載の方法。
- 前記基準上昇(REFSTEIG)が複数の所定の基準上昇値から選択されることを特徴とする請求項1ないし20のいずれかに記載の方法。
- 請求項1〜21の方法を実行するための装置。
- 車輪、とくに車輪軸受、および/または車輪に取り付けられるタイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に、センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の少なくとも1つのセンサ要素がそれぞれ設けられ、かつ該センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)の出力信号が、自動車の走行性を制御および/または調整するために用いられる、自動車、とくに全輪駆動、少なくとも2つの駆動輪を有する自動車の走行性を制御および/または調整するシステムにおいて、
前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)が前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する力を検出すること、
自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮される、車両の縦方向速度を示す前記基準速度(FZ_REF)を決定するための手段(10)を含むこと、
この場合、前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する力が、前記基準速度(FZ_REF)を決定するために考慮されること、
を特徴とする自動車の走行性を制御および/または調整するシステム。 - 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)が、前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出された車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)をさらに考慮することを特徴とする請求項23に記載のシステム。
- 前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出された車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)は、アンチブロックシステムをフィルタリングされる車輪速度であることを特徴とする請求項23または24に記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出される車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)から、第1のPT1フィルタリングされた車輪速度(Van_VL、Van_VR、Van_HL、Van_HR)を決定することを特徴とする請求項23ないし25のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出される車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)から、第2のPT1フィルタリングされた車輪速度(VanF_VL、VanF_VR、VanF_HL、VanF_HR)を決定することを特徴とする請求項23ないし26のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、さらに車輪加速度(Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HR)を考慮することを特徴とする請求項23ないし27のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、前記車輪加速度(Avan_VL、Avan_VR、Avan_HL、Avan_HR)を前記センサ(SVL、SVR、SHL、SHR)を介して検出される車輪速度(V_VL、V_VR、V_HL、V_HR)から決定することを特徴とする請求項23ないし28のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)はさらに、前記第1のフィルタリングされた車輪速度(VanF_VL、VanF_VR、VanF_HL、VanF_HR)において最も遅い車輪速度(V_lRef)ならびに付随する車輪加速度(A_VlRef)を考慮することを特徴とする請求項23ないし29のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、2番目に遅い車輪速度(V_Second)、駆動軸の平均車両速度(VMAN)、ポジティブな最大車輪加速度(AVAN_max)、ネガティブな最大車輪加速度(AVAN_min)、最大の車輪速度(VANmax)のような変数の1つまたは複数を考慮することを特徴とする請求項23ないし30のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、フィルタリングされない基準速度(FZ_REF_un)を考慮することを特徴とする請求項23ないし31のいずれかに記載のシステム。
- 選択される所定の変数に応じて、前記最大の車輪速度値(VANmax)、前記最も遅い車輪速度値(V_lRef)、あるいは前記駆動軸の平均車両速度値(VMAN)は、前記フィルタリングされない基準速度(FZ_REF_un)に与えられることを特徴とする請求項23ないし32のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する力を車輪圧の形で、前記車輪および/または前記タイヤ(RVL、RVR、RHL、RHR)に作用する車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)を介して考慮することを特徴とする請求項23ないし33のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、前記車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)を前記車輪圧とブレーキ係数(cp)との乗算により得ることを特徴とする請求項23ないし34のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、前記車輪制動トルク(MBrems_1、MBrems_2、MBrems_3、MBrems_4)の合計値(SumMBrems)を考慮することを特徴とする請求項23ないし35のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、前記車輪の慣性トルク(MJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4)ならびに該車輪の慣性トルク(MJ_1、MJ_2、MJ_3、MJ_4)の合計値(MJ_SUM)を考慮することを特徴とする請求項23ないし36のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、実際のトルクと変速機のギア比との積に対応する駆動トルク(MA)を考慮することを特徴とする請求項23ないし37のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、空気抵抗トルク(MWL)を考慮することを特徴とする請求項23ないし38のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、空転検知を考慮することを特徴とする請求項23ないし40のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)は、基準上昇(REFSTEIG)を考慮することを特徴とする請求項23ないし41のいずれかに記載のシステム。
- 前記車両の縦方向速度を示す基準速度(FZ_REF)を決定する前記手段(10)が、前記基準上昇(REFSTEIG)を複数の所定の基準上昇値から選択することを特徴とする請求項23ないし42のいずれかに記載のシステム。
- 全輪駆動と、少なくとも2つのタイヤおよび/または車輪とをを備える自動車の走行性を制御および/または調整するシステムにおいて、
前記車輪および/または前記タイヤに、とくに車輪軸受に力センサを配置し、力該センサの出力信号に応じて前記車両の縦方向速度を示す基準速度変数(FZ_REF)が検知され、該基準速度変数(FZ_REF)が自動車の走行性を制御および/または調整する際に考慮されること、
を特徴とする自動車の走行性を制御および/または調整するシステム。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20050301 |