JPH0771981B2

JPH0771981B2 - フィルム収容ボックス

Info

Publication number: JPH0771981B2
Application number: JP2187833A
Authority: JP
Inventors: フランクミクリンジョセフ
Original assignee: イー．アイ．デュポンドヌムールアンドカンパニー
Priority date: 1989-07-14
Filing date: 1990-07-16
Publication date: 1995-08-02
Anticipated expiration: 2010-08-02
Also published as: CN1019375B; EP0408385B1; US4984688A; DE69026544D1; AU619691B2; DE69026544T2; KR910003433A; CN1048679A; EP0408385A3; JPH03124580A; AU5894890A; ES2085893T3; EP0408385A2; CA2020944A1

Description

【発明の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕この発明は、化学線感受性材料からなるシートを保持す
るのに適したボックスに関し、特に写真フィルム等を安
全に収容するのに有用な包装システムに関するものであ
る。さらに特定すると、この発明は、写真フィルムをそ
の取り扱い中に保護してそのフィルムが偶発的に露光さ
れることを防止するために、内部バッグまたはパウチの
使用を必要としないボックスを備えた写真フィルム用包
装体に関するものである。

〔従来の技術〕

一般に、感光性の写真フィルムは、大量生産され、所定
の方法で包装されて消費者向けに出荷されている。この
ような写真フィルムに対しては、その輸送中に発生し得
るような如何なる損傷からもこれを保護して偶発的な露
光の発生を未然に防止することが必要である。従来よ
り、写真フィルムの製造者は、不透明な積層して構成し
た容器、例えばフォイル製のバッグまたはパウチに特定
枚数のこれらフィルムシートを配置し、ついでその容器
をテープ封止して光，湿気または塵埃が内部に侵入する
のを防止するようにする。ついで、このバッグを輸送用
の厚紙製の箱内に収容する。

輸送中にフィルムシートは、その包装体内で移動しやす
く、このため摩損が生じてフィルムシートの表面に欠陥
が発生するおそれがある。加えて、これらフィルムシー
トの製造者にとっては、包装工程および仕上げ工程中に
おいて、かかるバッグへフィルムシートを挿入すること
は特に不都合である。さらにまた、使用者にとっては、
このプラスチックバッグを開いて再び閉じることは、こ
れらのステップの双方共に感光状態の下で行わねばなら
ないことから、不便である。さらに、フィルムシートが
複数の異なるサイズに仕上げられることから、製造者
は、製造するフィルムシートのサイズに合った広範な種
類のボックスおよびバッグを予め揃えておかねばならな
い。このような種々のサイズのバッグおよびボックスを
揃えておくことは不便であると共にコスト高となる。さ
らにまた、バッグの中にフィルムシートを挿入する作業
は厄介である。最後に、従来技術の包装システムを用い
ると、塵埃または紙繊維片が発生することがあり得る。
この塵埃はフィルム表面上にくっついてしまい、フィル
ムの通常の使用を妨げるものとなり得る。

先行技術文献には、写真フィルム要素等を収容するのに
使用可能な複数の包装システムが記載されている。これ
らの包装システムには、とりわけ紙およびプラスチック
材料から作られる包装体が含まれている。そして、これ
らの文献の大抵のものには、消費者の手許に届いた際の
取り扱いを手助けするための新規な特徴を有するボック
スが記載されている。このような特徴としては、スナッ
プトップス（snap tops）、すなわちボックスからフィ
ルムシートを排出する装置がある。幾つかの先行技術文
献には、感光性フィルムシートの取り扱い中に偶発的に
露光してしまうのを防止するための方法が記載されてい
る。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、製造者がボックスの内部にフィルムシー
トを容易に配置することができ、かつ使用者がフィルム
シートボックスから容易に取り出すことができる包装の
概念について記載した文献はない。また、遮光バッグ
（black bag）を使用しなくても、フィルムシートをそ
の輸送中に保護し得る包装の概念について記載した文献
もない。さらに、品揃えしておかねばならないボックス
のサイズの種類を減少させる包装システムについて記載
した文献もない。したがって、フィルム製造分野におい
ては、これらの特徴を備えた強くて頑強なボックスを製
造することに対して強い必要性がある。

この発明の目的は、感光性写真フィルム等の輸送および
保護のための包装システムを提供することにある。

この発明の他の目的は、写真フィルムの製造者および使
用者の双方が共に容易に使用でき、バッグシステムを使
用せず、およびフィルムの輸送中に発生する塵埃（arti
facts）等を低減できる写真フィルム包装システムを提
供することにある。

この発明のさらに他の目的は、複数のフィルムサイズに
適応して用い得る包装システムを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕このような目的を達成するために、本発明は、容器と、
該容器の開口部を塞ぐ蓋体とを含むフィルム収容ボック
スにおいて、前記容器は該容器の外側部分に挿入されか
つ隣接した可撓性トレイ要素を有し、前記蓋体は可撓性
内部要素を有し、前記トレイ要素および前記蓋体は、前
記蓋体の周辺部に隣接して配置され、該蓋体が前記開口
部を塞ぐ際に、前記トレイ要素と前記蓋体の各可撓性表
面部分を互いに緊密に結合する協働嵌合手段を有し、前
記容器の前記外側部分を前記可撓性要素より剛性を高く
したことを特徴とする。

ここで、前記蓋体は当該蓋体の前記可撓性内部要素に隣
接した外側部分をさらに有し、前記蓋体の外側部分を前
記可撓性要素より剛性を高くしたものとすることができ
る。

さらに、前記嵌合手段は前記蓋体の前記内部要素内に配
置された雄部材と、前記容器の前記トレイ要素内に配置
された雌部材と、前記トレイ要素の中央部分に挿入され
たフィルムに圧力を及ぼす手段とを有し、前記雌部材の
うち前記トレイ要素の前記中央部分に最も近い結合表面
部分は一体の保持リップ要素の外側部分をも形成し、お
よび前記圧力を及ぼす手段は前記雄部材が前記雌部材と
嵌め合わされる際に前記トレイ要素の前記中央部分に向
けて前記保持リップがカム状に曲がるような形状に形成
された前記雄部材を有し、前記保持リップはその内側部
分が前記トレイ要素内に挿入されたフィルムに接触しか
つ圧力を及ぼすのに十分な可撓性を有するものとするこ
とができる。前記圧力を及ぼす手段によりボックス内に
緊密に把持された写真フィルムシートとボックスとを組
合せることができる。

前記嵌合手段は前記蓋体の前記内部要素内に配置された
雄部材と、前記容器の前記トレイ要素内に配置された雌
部材とを有し、前記雌部材の前記結合表面部分は矩形溝
の側部を有し、前記雄部材の前記結合表面部分は前記矩
形溝の表面と相補的な矩形形状の表面の側部を有し、前
記蓋体の前記内部要素は、前記開口部を介して前記容器
内に突出する圧縮部を有し、前記蓋体が前記開口部を塞
ぐ際に、前記内部要素の前記圧縮部を前記トレイ要素内
に挿入されたフィルムに接触させることができる。

さらに加えて、前記雄部材および雌部材の結合表面部分
には前記蓋体の周縁部全体に隣接して配置されたＶ字形
表面を設けることもできる。

前記蓋体を前記容器にラッチ留めするためのラッチ手段
をさらに備えて、前記雄部材および前記雌部材の強固に
結合された表面を一緒に保持するようにしてもよい。

ここで、前記ラッチ手段は拡張可能なスリット状の開口
部を有する円筒状の溝を有する前記雌部材を備え、前記
円筒状の溝に相補的な円筒状の表面部分を有する雄部材
を挿入した後にスナップ閉めするようにしてもよい。

前記圧縮部材は、その表面に沿って配設された、構造的
支持体としての少なくとも１つの一体状のリブ状のくぼ
みを有することもできる。

前記トレイ要素は、その表面に沿って配設された、構造
的支持体としての少なくとも１つのリブ状のくぼみを有
することもできる。

前記保持リップを前記容器の角部を除く全周縁部に隣接
して配設することもできる。

前記保持リップは１つまたは２つ以上の切欠きを有し、
前記トレイ要素に挿着されたフィルムに容易にアクセス
できるようにすることもできる。

前記保持リップは該保持リップに沿って離隔配置された
複数のＶ字状の切欠きを有するものとしてもよい。

前記容器および前記蓋体の前記内側要素は、真空成形，
圧縮成形および射出成形からなる群から選択された一の
成形方法により形成された可撓性成形体とすることもで
きる。

前記容器および前記蓋体の前記内側要素は、それぞれ、
前記外側部分に接着された、真空成形された黒色プラス
チックスで構成してもよい。

前記容器および前記蓋体の前記外側部分は断面波状の厚
紙により構成してもよい。

〔作用〕

本発明においては、容器のトレイ要素と蓋体とに互いに
対応する協働嵌合手段を配設することにより、容器と蓋
体とを強固に結合することができ、この結合により、フ
ィルムボックス内への塵埃や光等の侵入が完全に防止さ
れる。また、この結合により、フィルムボックス内に収
容されているフィルムがトレイ要素と蓋体との間に把持
されて、適度な力で押さえられてその位置に保持され
る。この保持により、フィルムの位置ずれが確実に防止
され、かつフィルムの摩損も防止される。したがって、
本発明によれば、ボックスが偶発的に開いて、その内部
に収容されているフィルムが露光されることがないよう
に、ボックスに侵入する光等からフィルムを確実に保護
すると共に、フィルムの内部移動を抑制して移動による
フィルムの損傷を確実に防止することができる。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。

第１図ないし第３図は、本発明のフィルム収容ボックス
の一例を示すものである。図において、符号10は、化学
線感受性のフィルムを保持するのに適したフィルム収容
ボックスであって、このボックス10は容器12とこの容器
12の開口部16を覆って塞ぐ蓋体14とを含む。容器12はこ
の容器12の外側部分20に挿入された可撓性内部トレイ要
素18を有する。第１図示の実施例において、蓋体14は蓋
体14の外側部分24に挿入された可撓性内側要素22を有す
る。容器12の外側部分20および蓋体14の外側部分24は、
内側要素18および22よりも剛性を高くする。蓋体14の外
側部分24は、容器12の外側部分20よりも僅かに大きくな
して、蓋体14により容器12の開口部16を覆うことができ
るようにする。

トレイ要素18および蓋体14は、蓋体14の周辺部に近接し
て配設された協働嵌合手段を有し、この嵌合手段によ
り、蓋体14が開口部16を閉じる際に、嵌合手段の各表面
部分26および28が互いに緊密に接合されるようにする。
第１図の実施例では、嵌合手段は、蓋体14の内側要素22
に配置された雄部材30と、トレイ要素18に配置された雌
部材32とを有する。本発明においては、光および塵埃粒
子が閉じられたボックス10内に侵入するのを防止するた
めに、可撓性表面部分26および28が蓋体14の周辺部に沿
って互いに強固に嵌合することが重要である。

ボックス10の嵌合手段は、さらにトレイ要素18の中央部
分34に挿入されたフィルムに圧力を及ぼすための手段を
有する。第２図および第３図に示すように、雌部材32の
うちトレイ要素18の中央部分34に最も近い結合表面部分
26aは、一体の保持リップ38の外側部分36をも形成す
る。圧力を及ぼす手段は、雄部材30が雌部材32に嵌合し
たときに、保持リップ38がトレイ要素18の中央部分34に
向けてカム状に曲がるように、例えばくさび状に形成さ
れた雄部材30を有する。保持リップ38は比較的薄くなし
て、第３図に示すように、その内側部分40が、トレイ要
素18に挿入された写真フィルムシート42に接触してこれ
に圧力を及ぼすのに十分な可撓性を有するようにする。
その結果、蓋体14により容器12の開口部16を塞ぎ、かつ
雄部材30を雌部材32に嵌合させたときに、保持リップ38
に沿って押圧作用を生じさせ、それにより、トレイ要素
18内に収容されたフィルムシート42に保持リップ38によ
り圧力を及ぼすのと相埃って、２つの内側要素18および
22を強固に接合する。このようにして、フィルムシート
42は保持リップ38により強固に把持される。これによ
り、輸送中のフィルムシート42の位置ずれを防止すると
共に、やはり輸送中に発生するおそれのある塵埃を処理
する手間を少なくすることができる。加えて、上述の圧
力を及ぼす手段は種々のフィルムシートサイズに適応す
るだけの広範な融通性を有しているので、ボックス10内
に種々のサイズのフィルムシートを収容することができ
る。

このような利点を達成するためには、上述の保持リップ
38をボックス10のほぼ全周縁部に隣接して配置する必要
がある。なお、フィルムシートのサイズに合わせて保持
リップ38の側部を真空成形する場合には、第１図の角部
のひとつに示すように、保持リップ38の角部を除去する
ようにしてもよい。さらにまた、第１図に示すように、
保持リップ38には、このリップ38に沿って複数個のＶ字
状の切欠き44を設けて、使用者がトレイ要素18からフィ
ルムシート42を容易に取り出すことができるようにして
もよい。

第４図ないし第６図は、それぞれ本発明のボックスの他
の例における嵌合手段を示すものである。各図におい
て、第２図および第３図に示した部材とほぼ同様に対応
する部材には同一符号を付すものとする。

本実施例のフィルムボックス10においては、嵌合手段
は、図示のように、雄および雌部材の表面部分28および
26が蓋体14の周辺部に沿って互いに強固に嵌め合わされ
ている限り、種々の形状をとることができる。閉じられ
たボックス10内に光や塵埃粒子が侵入するのを防止する
ものである。嵌合手段の形状としては、各表面部分26お
よび28が一緒に押しつけられて緊密に閉止位置に互いに
嵌め合わされる限り、いかなる形状でもよく、例えば長
方形，正方形，矩形，隋円形または円形の表面形状をと
ることができる。内側要素18および22は可撓性を有する
ものであるので、各表面部分28と26との結合は容易とな
り、雄部材30および雌部材32の各表面部分28および26
が、嵌合中に、一緒に把持されて、緊密に、かつ遮光状
態で閉じることができる。

第４図において、雌部材32の結合された表面部分26は、
矩形溝46の側部を構成するものである。雄部材30の結合
された表面部分28は、矩形溝46の表面に相補的な矩形状
表面をもつ側部を構成するものである。さらにまた、こ
の実施例においては、蓋体14の内側要素22は、開口部16
を通して容器12内に突出する圧縮部48を有する。この圧
縮部48は、蓋体14が開口部16を塞ぐ際に、トレイ要素18
内に挿入されたフィルムに接触して圧力を及ぼす。この
圧縮部48は、その表面52に沿って配置された構造支持体
としての一体状のリブ状のくぼみ50を有することもでき
る。加えて、トレイ要素18にも、その表面56に沿って配
置された構造支持体としての少なくとも１つの一体状の
リブ状のくぼみ54を有することもできる。

第５図は、雄および雌部材30および32の各々の結合され
た表面部分28および26が、蓋体14の全周縁部に隣接して
配置されたＶ字状の表面58および60を有するフィルムボ
ックス10を示すものである。Ｖ字状の表面58および60は
引き剥し可能な接着閉止手段によって一緒に強固に把持
されるようにしてもよい。

第６図において、フィルムボックス10は、蓋体14を容器
12にラッチして留め付けて、雄および雌部材30および32
の各々の緊密に結合された表面部分28および26を一緒に
保持する手段を備えている。この実施例において、ラッ
チ手段は拡張可能なスリット状の開口部64を有する円筒
状の溝62をもつ雌部材32を有し、この円筒状の溝62に相
補的な円筒状に形成された表面66を有する雄部材30を溝
62内に挿入した後にスナップ閉めする。

フィルムボックス10の外側部分20および24は箱製造用に
従来より知られた材料を用いて製造することができる。
ここで、箱製造用材料には、例えば厚紙やその他の紙製
品などが含まれる。特に、断面波状（コルゲート状）の
厚紙はこのボックス10の外側部分の材料として特に適し
ている。前述したように、蓋体14の外側部分24は、通常
は、容器12の外側部分20よりも幾分か大きくなして、２
つの部分20と24とが閉じた位置で結合されるときに、外
側部分24が容器12を覆えるようにする。このような構成
においては、上述の被覆作用がきちんと行われて、不所
望時にボックス10が偶発的に開くことを防止するように
することが好ましい。また、写真フィルムシート42のサ
イズは多種にわたっており、多くの異なったサイズのボ
ックスを製造することになるから、ここでボックスの全
体寸法はあまり重要ではない。しかしながら、フィルム
ボックス10の内側要素18および22の嵌合手段によって生
じる圧力をかける手段があるので、フィルムシートの各
サイズに対して異なるサイズのボックスを用意しておく
必要はない。フィルムボックス10の内側要素18および22
によりフィルムシートのサイズの範囲にわたって調整す
ることにより、ボックス10がその内部に収容されたフィ
ルムシート42を保護する点での改善に加えて、ボックス
の必要な数量の点においても明確な利点が得られる。

内側要素18および22は可撓性プラスチックスから製造さ
れるのが好ましい。このようなプラスチックスは例えば
圧力成形，真空成形，射出成形などの種々の成形方法に
よりたとえば図示のような多様な形状に容易に成形でき
る。内側要素18および22の成形に多くの可撓性プラスチ
ックスが用いられる。かかる可撓性プラスチックスとし
ては、種々のものがあるが、中でもビニル樹脂，ポリエ
チレン樹脂，低密度ポリエステル樹脂およびこれら樹脂
の混合物が挙げられる。内側要素18および22としては真
空成形された黒色プラスチックスが好ましい。他の可撓
性材料も、内側要素18および22に上述の嵌合手段が形成
できる限りにおいて使用可能である。このような構成材
料は比較的安価であるから、製造コストを最小に引き下
げる効果がある。

蓋体14の内側要素22は蓋体14の外側部分24にきちんと嵌
め込まれ、およびトレイ要素18は容器12の外側部分20に
きちんと嵌め込まれる。内側要素18および22を接着など
によってそれぞれ外側部分20および24に永久に取り付け
てもよい。あるいはまた、内側要素18および22をそれぞ
れ外側部分20および24に押しつけて嵌め合わせ、それに
よって、内側要素18および22がこれら外側部分20および
24から取り外し可能にできるようにしてもよい。

内側要素18および22はフィルム包装全体の一部であるの
で、フィルムボックス10全体の強度が高められる。内側
要素18および22によるボックス10の外側部分20および24
の補強は各角部において特に顕著となる。輸送あるいは
取り扱い中において、角の部分において損傷が最も生じ
やすい。本発明におけるボックスの内側要素18および22
により、ボックス10の角部の強度を高めることができる
から、ボックス10の利用度をさらに向上させることがで
きる。したがって、ボックス10は、その構造が従来技術
のボックスの通常の寿命を越えて良好に維持されるの
で、このボックス10は例えば消費者によって再利用され
得るものとなる。

フィルムボックス10を使用する際には、蓋体14を容器12
の上に載せてから、圧力を加えて、協働嵌合手段が互い
に緊密に結合するようにする。この嵌合作用は、２つの
目的に寄与する。第１に、嵌合手段が結合されることに
よって内側要素18と22が互いに堅く接続されて内部に収
容された写真フィルムシートを誤って露光してしまうお
それのある漏光を防止する。内側要素18および22は共に
可撓性を有するので、表面部分26と28との必要な結合を
容易に行うことができる。これにより、嵌合中は、表面
部分26および28は互いにきっちりと合わさり、緊密かつ
遮光状態で嵌め合わされる。第２に、フィルムシート上
に押圧作用が生じる。圧力を及ぼす手段によるカム状の
作用によりフィルムシートはしっかりと適所に保持さ
れ、フィルム包装全体が一体となる。この押圧作用によ
り、輸送あるいは取り扱い中のフィルムシートの位置ず
れが防止され、これによりフィルムシートにおける摩擦
箇所の形成が防止される。また、この押圧作用と相埃っ
て、トレイ要素18の保持リップ38の可撓性により種々の
シートサイズに適応できるので、１種類のボックスを広
範なフィルムサイズに供することもできる。本発明にお
ける嵌合手段は、その嵌合中、連動されて一緒にスナッ
プ閉止され、またはラッチされるようにすることもでき
る。このようなラッチ作用により、ボックス10が偶発的
に開くことが防止され、これによりフィルムの不所望の
露光が防止される。

以上説明したように、本発明のフィルムボックスは従来
技術に比べて清潔さの点で明らかに利点のある包装シス
テムを提供するものである。従来技術の包装システムで
は、あい紙（インターリーブ紙），フィルム用袋に同封
される同封物、すなわちスタッファ（stuffer）などの
種々の紙製品が用いられており、これらの紙製品からは
塵埃や紙繊維片が発生してシステムが汚染されるおそれ
がある。これに対して、本発明の包装システムでは、上
述のような紙製品との接触が不要であるから、上述の塵
埃等による汚染がなく、極めて清潔な包装システムを提
供する。本発明の包装システムでは、減光状態で開ける
必要のある厄介なバッグが不要であるから、消費者によ
りフィルムシートに容易にアクセスすることができる。
このようにして、本発明の包装システムにおいては、フ
ィルムシートは露光や損傷等から確実に保護される。

〔発明の効果〕

以上説明したように、請求項１記載の発明によれば、容
器のトレイ要素と蓋体とに互いに対応する嵌合手段を配
設することにより、容器と蓋体とを強固に結合すること
ができ、この結合により、フィルムボックス内への塵埃
や光等の侵入が完全に防止される。

また、請求項１記載の発明によれば、容器の外側部分の
剛性を、容器の可撓性トレイ要素および蓋体の可撓性内
部要素より高くしたことにより、蓋体が開口部を塞ぐ際
に容器の外側部分よりも上記可撓性要素を撓み易くする
ことができ、これにより容器と蓋体との結合を一層強固
なものとすることができる。

さらに、請求項２記載の発明によれば、蓋体の外側部分
の剛性を、可撓性要素より高くしたことにより、該蓋体
が開口部を塞ぐ際に蓋体の外側部分よりも上記可撓性要
素を撓み易くすることができ、これにより容器と蓋体と
の結合をより一層強固なものとすることができる。

したがって、本発明によれば、ボックスが偶発的に開い
て、その内部に収容されているフィルムが露光されるこ
とがないようにボックスに侵入する光等からフィルムを
確実に保護することができる。

また、請求項３記載の発明によれば、容器と蓋体との結
合に際し、容器内に挿入されたフィルム等の収容物を保
持リップにより確実に保持することができると共に、ト
レイ要素および蓋体と協働してフィルムを適度な力で押
えることができる。従って、この発明によれば、フィル
ムの位置ずれを確実に防止し、かつ、フィルムの摩損を
も防止することができる。

さらに、請求項４記載の発明によれば、蓋該の内部要素
に圧縮部を設けたことにより、この圧縮部とトレイ要素
との間にフィルムを確実に保持することができると共
に、トレイ要素と協働してフィルムを適度な力で押える
こともできる。従って、この発明によれば、フィルムの
位置ずれを確実に防止し、かつ、フィルムの摩損をも防
止することができる。

また、請求項５記載の発明によれば、フィルムボックス
と、このボックス内に把持されたフィルムシートとを組
み合せたことにより、フィルムシートの運搬を偶発的な
露光や塵埃の侵入等の被害なしに安全に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明のフィルムボックスの一実施例を、
一部を破断して示す分解斜視図、第２図は、第１図に示したフィルムボックスの閉じた状
態を示す、第１図の２−２線で断面視した部分断面図、第３図は、フィルムを収容して閉じた状態の第１図のフ
ィルムボックスを示す、第１図の２−２線で断面視した
部分断面図、第４図，第５図および第６図は、各々、この発明のフィ
ルムボックスの他の実施例を示す部分断面図である。 10……フィルムボックス、12……容器、14……蓋体、16
……容器の開口部、18……トレイ要素、20……容器の外
側部分、22……蓋体の内側要素、24……蓋体の外側部
分、26……容器内側要素の表面部分、26a……結合表面
部分、28……蓋体内側要素の表面部分、30……雄部材、
32……雌部材、34……トレイ要素の中央部分、36……保
持リップの外側部分、38……保持リップ、40……保持リ
ップの内側部分、42……フィルムシート、44……保持リ
ップの切欠き、46……矩形溝、48……圧縮部、50……く
ぼみ、52……表面、54……リブ状のくぼみ、56……表
面、58……Ｖ字状表面、60……Ｖ字状被表面、62……円
筒状溝、64……スリット状の開口部、66……円筒状表
面。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】容器（12）と、該容器（12）の開口部（1
6）を塞ぐ蓋体（14）とを含むフィルム収容ボックス（1
0）において、前記容器（10）は該容器（10）の外側部
分（20）に挿入されかつ隣接した可撓性トレイ要素（1
8）を有し、前記蓋体（14）は可撓性内部要素（22）を
有し、前記トレイ要素（18）および前記蓋体（14）は、前記蓋
体（14）の周辺部に隣接して配置され、該蓋体（14）が
前記開口部（16）を塞ぐ際に、前記トレイ要素（18）と
前記蓋体（14）の各可撓性表面部分（26,28）を互いに
緊密に結合する協働嵌合手段（30,32）を有し、前記容
器（12）の前記外側部分（20）を前記可撓性要素（18,2
2）より剛性を高くしたことを特徴とするフィルム収容
ボックス。
【請求項２】前記蓋体（14）は当該蓋体（14）の前記可
撓性内部要素（22）に隣接した外側部分（24）をさらに
有し、前記蓋体（14）の外側部分（24）を前記可撓性要素（1
8,22）より剛性を高くしたことを特徴とする請求項１記
載のフィルム収容ボックス。
【請求項３】前記嵌合手段（30,32）は前記蓋体（14）
の前記内部要素（22）内に配置された雄部材（30）と、
前記容器（12）の前記トレイ要素（18）内に配置された
雌部材（32）と、前記トレイ要素（18）の中央部分（34）に挿入されたフ
ィルム（42）に圧力を及ぼす手段とを有し、前記雌部材
（32）のうち前記トレイ要素（18）の前記中央部分（3
4）に最も近い結合表面部分（26a）は一体の保持リップ
（38）の外側部分（36）をも形成し、および前記圧力を
及ぼす手段は前記雄部材（30）が前記雌部材（32）と嵌
め合わされる際に前記トレイ要素（18）の前記中央部分
（34）に向けて前記保持リップ（38）がカム状に曲がる
ような形状に形成された前記雄部材（30）を有し、前記
保持リップ（38）はその内側部分（40）が前記トレイ要
素（18）内に挿入されたフィルム（42）に接触しかつ圧
力を及ぼすのに十分な可撓性を有するものであることを
特徴とする請求項２記載のフィルム収容ボックス。
【請求項４】前記嵌合手段（30,32）は前記蓋体（14）
の前記内部要素内（22）に配置された雄部材（30）と、
前記容器（12）の前記トレイ要素（18）内に配置された
雌部材（32）とを有し、前記雌部材（32）の前記結合表
面部分（26a）は矩形溝（46）の側部を有し、前記雄部
材（30）の前記結合表面部分（28）は前記矩形溝（46）
の表面と相補的な矩形形状の表面の側部を有し、前記蓋
体（14）の前記内部要素（22）は、前記開口部（16）を
介して前記容器（12）内に突出する圧縮部（48）を有
し、前記蓋体（14）が前記開口部（16）を塞ぐ際に、前
記内部要素（22）の前記圧縮部（48）が前記トレイ要素
（18）内に挿入されたフィルムに接触することを特徴と
する請求項２記載のフィルム収容ボックス。
【請求項５】前記圧力を及ぼす手段によりボックス（1
0）内に緊密に把持された写真フィルムシート（42）と
前記ボックス（10）とを組合せたことを特徴とする請求
項３記載のフィルム収容ボックス。