JP2588960B2 - 容器アダプタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 （発明の技術分野） 本発明は、物体よりも大きな容器の内部でのその物体
の移動を防止する手段に係り、より詳しくは大型の容器
内部に挿入可能であると共に、種々の大きさ及び形状の
物体が容器内部で移動しないようにし、またがたつかな
いように拘束して保護する容器アダプタに関する。

（従来技術の説明） 広範囲の種類の物体を運搬、若しくは展示するように
作られたケース及び容器が従来技術において数多くあ
る。以下に示す従来特許においてその幾つかの例が見ら
れるであろう。

米国特許第3,926,308号では、ケース底部に特殊に形
成された（成型された）線形部若しくは壁部で作られた
入れ子構造内に種々の大きさの物体を収容する運搬用ケ
ースが開示されている。

米国特許第4,016,972号では、特殊に形成された（成
型された）底部，蓋，中間台座部分で作られた入れ子構
造内に種々の長さの柔軟な物体を収容する展示用容器が
開示されている。

仏国Pub.第2,403,871号では、一体的に形成され弾性
的に柔軟な、間隔を置いて配置されて突出し、これによ
って種々の大きさ及び形状の物体を収容すると共に物体
の形状に曲がって保持する舌部を備えた成型プラスチッ
クの底部を、各々が有する運搬ケースと展示パネルとが
開示されている。

米国特許第4,135,625号では、熱成型プラスチックの
薄いシートで作られ、その内部に１若しくは１以上の物
体を位置決めして収容し、かつ保管中，荷積み中，取り
扱い中に防護する外箱内で物体を支持する容器が開示さ
れている。

米国特許第4,361,226号では、上面及び底部を有する
外箱と、物体収納ポケットと共に特殊に形成された（型
成形された）挿入部とで作られた入れ子構造内に複数の
物体を収容する展示用容器が開示されている。

米国特許第4,591,056号では、運搬ケース内に挿入し
て種々の大きさ及び形状の物体を保持するように作られ
た、真空成型され、かつ区画化された容器が開示されて
いる。

これらの装置は意図されたそれぞれの目的に有用であ
ることを立証している。しかしながら、必要以上の大き
さの内部空間を有する容器内に入れて物体が運搬される
場合、その物体の必要空間に簡単に適合されることがで
きる容器アダプタが依然として要求されている。

（発明の概略） 本発明は、上述したそのような要求を満足させるよう
な物体の容器アダプタを提供することを第一の目的とす
る。また本発明は、容器アダプタを低価格かつ高コスト
効率で提供することを別の目的とする。これらの目的及
びその他の目的がここで述べられる本発明によって達成
されている。

本発明は、物体よりも大きな内部空間を形成する側壁
を有する容器の内部で移動しないように物体を係止する
物体の容器アダプタに用いるのに好適である。このよう
なアダプタは、容器内部で緩みなく適合するように形成
された底部と、底部上に互いに離間して配置されてそれ
らの間に物体を緩みなく収容する複数の突起とを有して
いる。アダプタの底部が容器の側壁と係合する外縁端部
を備えた床板を有しており、また前記突起は床板から上
方向に延びると共に床板に対してほぼ垂直をなす物体係
止表面を有している。

請求される本発明によれば、底部が床板外縁端部から
上方に伸びて容器の内部に配置された時に容器の側壁と
係合する外壁部分を更に有しており、また前記突起がそ
のような外壁部分から内側に向かって伸びてそれらの物
体係止面を位置決めし、突起の間に物体が挿入された場
合に物体と係合する。

ここで図示された実施例を参照して説明されるよう
に、底部が更に、各外壁部分の上端部から外側に向かっ
て伸びるフランジを有していてもよく、底部及び突起は
共に一体的に形成されているのが望ましい。

以下に述べる数例の実施例の詳細な説明において、本
発明とその目的及び利点とがより一層明らかになるであ
ろう。

（図面の簡単な説明） 以下に示される本発明の実施例の詳細な説明におい
て、添付の図面に対して参照がなされており、図面では
同様の要素が同様の符号で示されている。

第１図は本発明に係る物体の容器アダプタの分解斜視
図、 第２図及び第３図ないし第５図は、本発明の第１の実
施例に従って作られた物体の容器アダプタのそれぞれ平
面図及び断面図であり、第３図及び第５図は第２図の３
−３線視断面図、及び第４図は第２図の４−４線視断面
図、 第６図及び第７図，第８図は、本発明の第２の実施例
に従った物体の容器アダプタを描画した平面図及び断面
図であり、第７図及び第８図は、各々第６図の７−７線
視断面図及び８−８線視断面図、 第９図及び第10図，第11図は、本発明の第３の実施例
に従った物体の容器アダプタを描画する各平面図及び断
面図であり、第10図と第11図とは、第９図の10−10線視
断面図及び11−11線視断面図、 第12図及び第13図，第14図は、本発明の第４の（最も
望ましい）実施例に従った物体の容器アダプタを示す平
面図及び断面図であり、第13図及び第14図はそれぞれ第
12図の13−13線視断面図、及び14−14線視断面図、 第15図及び第16図ないし第18図は、本発明の第５の実
施例に従った物体の容器アダプタを示す平面図及び断面
図であり、第16図及び第18図は第15図の16−16線視断面
図、また第17図は17−17線視断面図、 第19図及び第20図ないし第22図は、本発明の第６の実
施例に従った物体の容器アダプタを示す平面図及び断面
図であり、第20図及び第21図ないし第22図はそれぞれ第
19図の20−20線視断面図及び21−21線視断面図、 第23図及び第24図,25図は、第７の実施例に従った物
体の容器アダプタの平面図及び断面図であり、第24図及
び第25図は第23図の24−24線視断面図、及び25−25線視
断面図である。

（詳細な説明） ケース及び容器の特定の部品が周知であるので、以下
の説明は特に本発明を形成する要素、あるいは直接共働
し、若しくは関連する要素に関してなされる。ここで特
定して示されなかった要素、若しくは説明されなかった
要素は適宜の周知技術の中から選択することができる。

通常、以下で説明される物体の容器アダプタは成型可
能なプラスチックの平板なシートで作られている。適宜
に形成された通常箱である「標準サイズ」の容器内に適
合するように、より大きな平板あるいは備蓄ロールから
これらのシートが切り取られる。このような箱は自動大
量生産されているので低価格で容易に入手できる。各プ
ラスチックシートが熱成型され、これによって標準サイ
ズの箱の内部に緩みなく適合すると共に収容される物体
を緩みなく保持するように作られた一体のプラスチック
挿入物が提供される。

このように作られた挿入物がすなわち、より小さな物
体の必要空間に応じて標準サイズの箱内の空間を調節す
る。これを行う場合、箱内で物体が移動し、若しくはが
たつかないように物体を挿入物が拘束し、これによって
輸送中及び取り扱い中に物体を損傷しないように保護す
る。種々のサイズ及び形状の物体が収容される場合に標
準サイズの箱と共にこのような挿入物を用いることがで
きるので、より経費のかさむ種々の空間サイズの箱の数
を実質的に減少させる。また、種々の物体用の挿入物を
必要なときにその場で容易に型成形できるので、箱詰め
及び配送時間が大幅に節約される。

本発明に係る物体の容器アダプタ、及び図示された本
発明の幾つかの実施例がそれらの各図面を参照して説明
される。

一般例 第１図は、物体の容器アダプタB1を用いて標準サイズ
の容器Ｃ内部に収容される物体Ａを斜視図で図示してい
る。容器Ｃは物体よりも大きな内部空間を形成する、底
壁12と４つの直立する側壁14とを有している。アダプタ
B1は容器内部で緩みなく適合するように作られた底部16
と、底部上に互いに離間して配置された突起18（４つが
示されている）とを有しており、これら突起の間に物体
を緩みなく収容する。床板20は容器の側壁14と係合する
外縁端部22を有している。床板20から上方向に向かって
突起18が伸び、同突起は床板に対してほぼ垂直な物体係
止面24を有している。使用する場合、床板20が底面壁12
上に載置され、かつ外縁端部22が側壁14の表面に接止す
るように容器Ｃ内にアダプタB1が挿入され、これによっ
て組み合わされたアダプタと容器とが確実に緩みなく係
合する。ついで突起18の間の空間内に物体Ａが挿入さ
れ、これによって物体の各側面が床板20に近接し、かつ
物体係止面24に面して配置されるように床板20の頂面上
に物体が載置され、このようにして組み合わされた物体
とアダプタとが確実に緩みなく係合する。このアダプタ
を形成する場合、挿入される物体の横方向の移動若しく
はがたつきを防止するように同装置の対向する面24の間
の空間が特定して選択される。このように物体が所定位
置に保持され保持されると、容器Ｃの開放頂部が適宜の
覆い若しくは蓋（図示せず）によって閉じられる。

第１の実施例 第２図ないし第５図では、第１図のアダプタよりも製
造の容易なアダプタB2が図示されている。アダプタB2
は、容器Ｃ内部に緩みなく適合するように作られた底部
26と、底部上に互いに間隔を置いて配置され、間に物体
を緩みなく収容する複数の突起28とを有している。底部
26は容器の側壁14と係合する外縁端部32を有している。
突起28が床板30から上方向に伸び、同突起は床板に対し
てほぼ直角をなす物体係止面を有している。底部26は床
板の外縁端部32から上方向に伸びる複数の外壁部分36を
有しており、これによって容器の側壁14と係合する。図
を見て分かるように、床板30から上方向にだけでなく、
外壁部分36から内側に向かって突起28が伸び、これによ
って挿入された物体と係合するように物体係止面34を適
切に位置決めする。各外壁部分36の上端から外方向に向
かってフランジ38が伸びており（第３図）、このフラン
ジが各々係合された側壁14の上端と重なり合う（第５
図）。図示されているように、突起28は、その物体係止
面34が長方形をなし、そして全体的に長方形のブロック
の形状をなしている。これとは別に、突起がその他の多
角形状をなし、それに対応してその物体係止面が例えば
台形等の異なる形状をなすことも可能である。アダプタ
B2を製造する場合、底部26及び突起28を一体成型された
プラスチック部品として一体的に形成してもよい。突起
28と外壁部分36とフランジ38との組み合わせによって更
に強度と堅牢性が付加されるので、物体係止面がそれぞ
れ対応する外壁部分にかなり近接して位置決めされるよ
うに突起を短くし、与えられた容器内部により大きな物
体を収容できるようにしても構わない。このように強固
さ及び堅牢性が増すことにより、壁の厚みを減少させて
材料経費の低減を実現することもできる。容器の内部に
アダプタと物体とが緩みなく収容されると、適宜の覆い
若しくは蓋Ｌが第５図で示すように配置される。蓋Ｌ
は、突起28及びフランジ38の頂部面上に係止する頂部壁
40と、容器の４つの側壁14を近接して取り囲む、付随す
る側壁42（２つが図示されている）とを有している。

第２の実施例 第６図ないし第８図では、アダプタB2に類似するが一
つの点で非常に異なるアダプタB3を図示している。第２
図で示すように、アダプタB2は、その各側面から内側方
向に伸びる直方体ブロック形状をなす一つの突起28を有
している。第６図で示すように、アダプタB3は、その各
側面から内側方向に伸びる、別々でかなり細い直方体ブ
ロック形状をなす複数の突起44を有しており、各突起が
挿入された物体の対応する領域と係合する物体係止面46
を各々形成している。突起の数や増やしたことにより、
アダプタB2で付加されたよりも強度及び堅牢性が更に高
められ、すなわち壁の厚さと材料費と成型サイクルの時
間と相当する労働経費とが全て低減されることになる。

第３の実施例 第９図ないし11図でのアダプタB4は、アダプタB3とほ
ぼ同一であるが、４つの側面のうち３面だけから内側に
向かって突起44が伸びている点が異なっている。第９図
で示すように、外壁部分48からは突起が伸びていない。
その代わりに、外壁部分48の内側表面50自体が４番目の
側壁で必要な物体係止面をなしている。この構成によ
り、材料及び成型費用が更に低減される。

第４の（最も望ましい）実施例 第12図ないし14図でのアダプタB5は、アダプタB4とほ
ぼ同一であるが、このアダプタがその２つの側面だけか
ら伸びている突起44を有している点で異なっている。第
12図で示すように、外壁部分48及び52から突起が伸びて
いない。その代わりに外壁部分48及び52の内側表面50,5
4がそれらの側で必要な物体係止面を各々なしている。
この構造により柔軟性が付加され、より小型の容器と組
み合わせるより小型のアダプタの成型を簡略化し、これ
によってアダプタ内部の余分な空間を減らして与えられ
た大きさの物体を収容することができる。その結果、ア
ダプタの材料及び成型費用の低減と、容器の経費の低減
とが達成される。

第５の実施例 第15図ないし18図でのアダプタB6は、アダプタB5とほ
ぼ同一であるが、十分な壁厚及び不透明度とを有するこ
とに成型されているので容器の底部（第５図の容器Ｃで
示すような）が不要である点が異なっている。第18図で
示すように、容器Ｃが存在せず、覆い若しくは蓋Ｌ（第
５図で示すような）がアダプタの頂部面上位置決めされ
て蓋の付随する側壁がアダプタのフランジを近接して取
り囲んでいる。この構造により、容器底部の経費が全く
不要になる。

第６の実施例 第19図ないし20図でのアダプタB7は、プラスチック若
しくは金属箔の密封層Ｓでその開放頂部に亙って密封さ
れたアダプタB6と合体される。この実施例は、湿度，
光，及び若しくは環境汚染物から物体を保護する必要の
ある応用例において特に有用である。例えばこの構造に
よって、通例のように写真フィルムシートＦの包みを箔
袋内部で別に密封する必要なくこの包みを適切に保護す
ることができる。フィルム包みＦと共に用いる場合、ア
ダプタ内部に包みが緩みなく位置決めされた後に密封層
Ｓがアダプタの頂部上に配置されてそのフランジに対し
て密封する。次いで密封層の上に蓋Ｌが配置されて蓋の
付随する側壁が第22図で示すようにフランジを取り囲
む。このようにこの構造によって、別個に密閉された袋
に伴う全ての経費が不要になるだけでなく、この構造は
製品を無断密封しようとした場合の防御手段、若しくは
少なくとも無断開封しようとしたことを発見するための
保護手段となる。

第７の実施例 第23図ないし25図のアダプタB8は、アダプタB3（第２
の実施例）とほぼ同一であるが、少なくともその一側面
から突起が内側に向かって伸びる量が異なっており、こ
れによってアダプタの側面と平行でない外側表面を有す
る挿入された物体を収容することができる点で異なって
いる。この構造は物体が直方体でない場合に有用であ
る。このアダプタによって例えばロール状フィルム等の
円形の物体が緩みなく収容できる。第23図では、各側面
58，60，62から種々の異なる分量だけ伸びている突起56
と、側面66から等処理に伸びている突起64とを有し、こ
れによって不規則な形状をなす物体IAを収容しているア
ダプタB8の別の実施例を図示している。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭54−176578（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭60−136966（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−163738（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭47−27030（ＪＰ，Ｙ１) 実公 昭60−20580（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭60−30212（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭60−16544（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭52−32467（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】物体を容器の内部で動かないよう保持する
   ために設けられ、上方を向く縁部分を有し物体よりも大
   きな内部空間を区画形成する直立した側壁を含んでいる
   容器アダプターであって、 容器の内側にぴったりと嵌まるよう構成された底部であ
   って、上方に突出する外壁部分を備えた周縁部分を有し
   容器内部に置かれた時容器の側壁と係合する床板を含
   み、前記外壁部分がそれぞれ、外側に向って突出し側壁
   の上方を向く縁部分の１つの上に載るフランジを備えた
   上端部分を有している、外壁と、 前記底部に配設され相互に離間されその間に物体をぴっ
   たりと収納する複数の突起であって、前記床板から上方
   に延び床板と実質的に直角の物体係止面を含み、また物
   体に向って内側に延び、さらに前記外壁部分から内側に
   向って延び前記物体係止面を物品がその間に挿入された
   時物体と係合するよう位置させるようにし、前記物体係
   止面が挿入された物体と係合可能な複数の多角形の表面
   部分を含み、前記複数の多角形の表面部分のうちの少な
   くともある部分が前記外壁部分の１つから内側に異なる
   長さで離間して配され挿入された物体の一部と前記外壁
   部分の前記１つとが平行でない時前記物体の一部と係合
   し、前記アダプターが容器の中にぴったりと配設され物
   体が前記アダプターに配置された時、物体が容器の内部
   で動かないよう保持されるようにしている、複数の突
   起、 とを具備している容器アダプター。
2. 【請求項２】前記底部と前記突起とが、その上に置かれ
   物体が前記物体係止面の間に挿入された後に各外壁部分
   の前記フランジにシールされた薄いシート材料の層によ
   って覆われている請求の範囲１に記載の容器アダプタ
   ー。