JPH0768327B2 - 超高分子量エポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents

超高分子量エポキシ樹脂の製造方法

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JPH0768327B2
JPH0768327B2 JP2240545A JP24054590A JPH0768327B2 JP H0768327 B2 JPH0768327 B2 JP H0768327B2 JP 2240545 A JP2240545 A JP 2240545A JP 24054590 A JP24054590 A JP 24054590A JP H0768327 B2 JPH0768327 B2 JP H0768327B2
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勝司 柴田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、接着剤、絶縁材料、塗料、成形品、フィルム
などに用いられる超高分子量エポキシ樹脂の製造方法に
関する。
(従来の技術) 比較的低分子量の二官能エポキシ樹脂と二官能フェノー
ル類を原料として高分子量エポキシ樹脂を製造する方法
は、一般に二段法と呼ばれ、この方法に関する最初の文
献は米国特許第2,615,008号明細書であり、日本国内に
おいては、同じ出願人による特公昭28−4494号公報であ
る。この公報の記載によれば重合触媒として水酸化ナト
リウムを用い、無溶媒下、150〜200℃で反応させること
により、エポキシ当量が5,600の高分子量エポキシ樹脂
を得ている。この樹脂の平均分子量は、約11,000である
と推定できる。これらの文献には、溶媒を使用した実施
例はない。
溶媒を使用することを記載している文献の例としては、
米国特許第3,306,872号明細書がある。特に、実施例中
に溶媒を使用した例が記載されている文献としては、特
開昭54−52200号公報、特開昭60−118757号公報、特開
昭60−144323号公報、特開昭60−114324号公報などがあ
る。これらの文献に記載されている溶媒は、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ
ン、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレン
グリコールモノメチルエーテルなどである。これらの溶
媒は、ケトン系及びエーテル系(セロソルブ系)溶媒に
分類される。
米国特許第3,306,872号明細書の記載によれば、溶媒と
してメチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルのいずれかを用いており、溶液の固形分濃度
は20〜60%である。触媒としてはアルカリ金属若しくは
ベンジルトリメチルアンモニウムの水酸化物又はフェノ
ラートを用いている。重合反応温度を75〜150℃とし、
生成した高分子量エポキシ樹脂の重量平均分子量が少な
くとも40,000以上になるまで反応を続けている。平均分
子量は粘度法によって求めており、50,000〜1,000,000
と測定されている。
しかしながら、粘度法は算出時に用いるパラメータの設
定によって、算出値が大きく左右されることが知られて
おり、したがって必ずしも正確な分子量が測定されてい
るとはいえない。
また溶媒中で重合させることにより高分子量エポキシ樹
脂が得られていると考えられる実施例として、特開昭54
−52200号公報に溶媒としてエチレングリコールモノエ
チルエーテルを用いて、平均分子量45,500の高分子量エ
ポキシ樹脂を得ることが記載されている。また、特開昭
60−118757号公報に溶媒にメチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテ
ルを用いて、平均分子量が最大31,000の高分子量エポキ
シ樹脂を得ることが記載されている。特開昭60−144323
号公報には溶媒にメチルエチルケトンを用いて、平均分
子量53,200の高分子量エポキシ樹脂を得ることが記載さ
れており、特開昭60−144324号公報には溶媒にメチルエ
チルケトンを用いて、平均分子量66,000の高分子量エポ
キシ樹脂を得ることが記載されている。上記4件の公報
によれば、いずれもゲル浸透クロマトグラフィーによっ
て平均分子量を測定しているが、測定条件及び算出方法
等については記載されていない。ゲル浸透クロマトグラ
フィーによって得た分子量は、使用した充填剤の種類、
溶離液の種類などの測定条件及び算出方法などによって
大きく異なり、正確な値を得ることは困難であり、必ず
しも正確な平均分子量が測定されているとはいえない。
前記のいずれの文献にも、得られた高分子量エポキシ樹
脂がフィルム形成能を有するという趣旨の記載は見当た
らない。また、得られたエポキシ樹脂はアミド系以外の
溶媒に溶解していることなどから、これらの文献記載の
方法では十分な強度のフィルム形成能を有するまでに直
鎮状に高分子量化したいわゆる超高分子量エポキシ樹脂
が得られていないことは明らかである。
従来の技術の問題点として、高分子量エポキシ樹脂を製
造する際に一般的な重合反応溶媒を用いると、重合反応
時間がかなり長くなることが挙げられる。前記の特許の
実施例においても、ケトン系、エーテル系の溶媒を用い
た場合の反応時間は10〜24時間としている例が多く、重
合反応時に溶媒を用いない場合の重合反応時間1.5〜10
時間と比較して著しく長くなっている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、従来法では、得られなかった十分な強度のフ
ィルム形成能を有するまでに直鎖状に高分子量化した超
高分子量エポキシ樹脂を、著しく短い時間で製造するこ
とのできる方法を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明のフィルム形成能を有する高分子量エポキシ樹脂
の製造方法は、二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール
類を触媒の存在下、重合反応溶媒中に加熱して重合さ
せ、高分子量エポキシ樹脂を製造する方法において、二
官能エポキシ樹脂と二官能フェノールの配合当量比をエ
ポキシ基/フェノール性水酸基=1:0.9〜1.1とし、重合
反応溶媒として、沸点が100℃以上のケトン系溶媒中、
触媒としてアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコ
ラート、アルカリ金属フェノラートの中から選択された
1種以上を用い、重合反応温度を130℃以下にして重合
することを特徴とする。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における二官能エポキシ樹脂は、分子内に二個の
エポキシ基をもつ化合物であればどのようなものでもよ
く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフ
ェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族鎖状エポキシ樹
脂、二官能フェノール類のジグリシジルエーテル化物、
二官能アルコール類のジグリシジルエーテル化物、これ
らのハロゲン化物、これらの水素添加物などがある。こ
れらの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これ
らの化合物は何種類かを併用することができる。また二
官能エポキシ樹脂以外の成分が、不純物として含まれて
いても構わない。
本発明における二官能フェノール類は、2個のフェノー
ル性水酸基をもつ化合物であればどのようなものでもよ
く、例えば、単環二官能フェノールであるヒドロキノ
ン、レゾルシノール、カテコール、多環二官能フェノー
ルであるビスフェノールA、ビスフェノールF及びこれ
らのハロゲン化物、アルキル基置換体などがある。これ
らの化合物の分子量はどのようなものでもよい。これら
の化合物は何種類かを併用することができる。また二官
能フェノール類以外の成分が、不純物として含まれてい
ても構わない。
本発明における触媒は、エポキシ基とフェノール性水酸
基のエーテル化反応を促進させるような触媒能をもつ化
合物であり、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アル
コラート、アルカリ金属フェノラートを用いる。アルカ
リ金属は、ナトリウム、リチウム、カリウムである。そ
の他の触媒は併用することができる。
本発明における沸点が100℃以上のケトン系溶媒は、原
料となるエポキシ樹脂とフェノール類を溶解すれば、ど
のようなものでもよく、例えばメチルイソブチルケト
ン、2−ヘプタン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、
シクロヘキサン、アセチルアセトンなどの脂肪族ケトン
系溶媒、環状脂肪族ケトン系溶媒、脂肪族ジケトン系溶
媒が用いられる。これらの溶媒は併用することができ
る。またアミド系溶媒、エーテル系溶媒などに代表され
るその他の溶媒と併用しても構わない。
本発明における製造条件としては、二官能エポキシ樹脂
と二官能フェノール類の配合当量比は、エポキシ基/フ
ェノール性水酸基=1:0.9〜1.1とする。0.9当量より少
ないと、直鎖状に高分子量化せずに、副反応が起きて架
橋し、溶媒に不溶になる。1.1当量より多いと高分子量
化が進まない。
触媒の配合量は特に制限しないが、一般にはエポキシ樹
脂1モルに対して触媒は0.0001〜0.2モル程度である。
この範囲より少ないと高分子量化反応が著しく遅く、こ
の範囲より多いと副反応が多くなり直鎖状に高分子量化
しないことがある。
重合反応温度は、60〜150℃であることが望ましい。60
℃より低いと高分子量化反応が著しく遅く、150℃より
高いと副反応が多くなり直鎖状に高分子量化しないこと
がある。
ケトン系溶媒を用いた重合反応の際の固形分濃度は、50
%(重量%、以下同じ)以下さらに好ましくは30%以下
にする。高濃度になるにしたがい副反応が多くなり、直
鎖状に高分子量化にしくくなる。したがって、比較的高
濃度で重合反応を行い、しかも直鎖状の超高分子量エポ
キシ樹脂を得ようとする場合には、反応温度を低くし、
触媒量を少なくすればよい。
本発明により得られた高分子量エポキシ樹脂はフィルム
形成能を有する超高分子量エポキシ樹脂であり、従来の
高分子量エポキシ樹脂に比較して、枝分かれが少なく、
さらに高分子量が進んでいると考えられ、十分な強度の
フィルム形成能を有する。得られたフィルムは、従来の
高分子量エポキシ樹脂を使用して形成したフィルムでは
実現が不可能な特性を有する。すなわち、強度が著しく
大きく、伸びが著しく大きい。
また、本発明のもう一つの特徴として、重合反応触媒に
ケトン系溶媒を用いることによって、重合反応が著しく
速く進むことが挙げられる。
(実施例) 以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
実施例1 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてビスフェノールA(水酸基当量:115.5)115.5
g、エーテル化触媒として水酸化ナトリウム1.20gをメチ
ルイソブチルケトン686.5gに溶解させ、反応系中の固形
分濃度を30%とした。これを機械的に撹拌しながら、12
5℃のオイルバス中で反応系中の温度を120℃に保ち、そ
のまま4時間保持した。その結果、粘度が5,120mPa・s
の高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ
樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー
によって測定した結果では74,000、光散乱法によって測
定した結果では60,900であった。また、この高分子量エ
ポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.720(dl/g)であ
った。
この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布し、20
0℃で1時間乾燥して、厚さ30μmのエポキシ樹脂フィ
ルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は26.8MPa、
伸びは36.0%、引っ張り弾性率は425MPaであった。また
ガラス転移温度は100℃、熱分解温度は345℃であった。
実施例2 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてビスフェノールA(水酸基当量:115.5)115.5
g、エーテル化触媒として水酸化ナトリウム1.20gをシク
ロヘキサノン686.5gに溶解させ、反応系中の固形分濃度
を30%とした。これを機械的に撹拌しながら、125℃の
オイルバス中で反応系中の温度を120℃に保ち、そのま
ま4時間保持した。その結果、粘度が7.680mPa・sの高
分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹脂
の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによ
って測定した結果では123,000、光散乱法によって測定
した結果では86,700であった。また、この高分子量エポ
キシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.802(dl/g)であっ
た。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布
し、200℃で1時間乾燥して、厚さ32μmのエポキシ樹
脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は36.8
MPa、伸びは46.5%、引っ張り弾性率は385MPaであっ
た。またガラス転移温度は101℃、熱分解温度は340℃で
あった。
実施例3 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてビスフェノールA(水酸基当量:115.5)115.5
g、エーテル化触媒としてナトリウムメトキシド1.62gを
2−ヘプタノン687.4gに溶解させ、反応系中の固形分濃
度を30%とした。これを機械的に撹拌しながら、125℃
のオイルバス中で反応系中の温度を120℃に保ち、その
まま4時間保持した。その結果、粘度が6,140mPa・sの
高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹
脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーに
よって測定した結果では94,000、光散乱法によって測定
した結果では72,900であった。また、高分子量エポキシ
樹脂の稀薄溶液の還元粘度は、0.755(dl/g)であっ
た。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布
し、200℃で1時間乾燥して、厚さ24μmのエポキシ樹
脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は28.9
MPa、伸びは42.2%、引っ張り弾性率は390MPaであっ
た。またガラス転移温度は99℃、熱分解温度は343℃で
あった。
実施例4 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてビスェノールA(水酸基当量:115.5)115.5g、
エーテル化触媒としてナトリウムメトキシド1.62gを2,4
−ペンタジオン687.4gに溶解させ、反応系中の固形分濃
度を30%とした。これを機械的に撹拌しながら、125℃
のオイルバス中で反応系中の温度を120℃に保ち、その
まま4時間保持した。その結果、粘度が6,920mPa・sの
高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹
脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーに
よって測定した結果では101,000、光散乱法によって測
定した結果では78,600であった。また、この高分子量エ
ポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は、0.850(dl/g)で
あった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗
布し、200℃で1時間乾燥して、厚さ32μmのエポキシ
樹脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は3
4.9MPa、伸びは46.2%、引っ張り弾性率は430MPaであっ
た。またガラス転移温度は100℃、熱分解温度は350℃で
あった。
実施例5 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:173.2)173.2g、二官能フェノール
類とヒドロキノン(水酸基当量:55.3)55.3g、エーテル
化触媒としてナトリウムフェノキシド3.48gをシクロヘ
キサノン917.9gに溶解させ、反応系中の固形分濃度を20
%とした。これを機械的に撹拌しながら、110℃のオイ
ルバス中で反応系中の温度を100℃に保ち、そのまま6
時間保持した。その結果、粘度が2,050mPa・sの高分子
量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹脂の重
量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって
測定した結果では131,000、光散乱法によって測定した
結果では70,500であった。また、この高分子量エポキシ
樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.790(dl/g)であった。
この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布し、20
0℃で1時間乾燥して、厚さ26μmのエポキシ樹脂フィ
ルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は31.3MPa、
伸びは38.5%、引っ張り弾性率は380MPaであった。また
ガラス転移温度は79℃、熱分解温度は337℃であった。
実施例6 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:173.2)173.2g、二官能フェノール
類としてヒドロキノン(水酸基当量:55.3)55.3g、エー
テル化触媒としてナトリウムフェノキシド3.48gをメチ
ルイソブチルケトン917.9gに溶解させ、反応系中の固形
分濃度を20%とした。これを機械的に撹拌しながら、11
0℃のオイルバス中で反応系中の温度を100℃に保ち、そ
のまま6時間保持した。その結果、粘度が2,300mPa・s
の高分子量エポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ
樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィー
によって測定した結果では131,000、光散乱法によって
測定した結果では95,700であった。また、この高分子量
エポキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.925(dl/g)で
あった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に途
布し、200℃で1時間乾燥して、厚さ29μmのエポキシ
樹脂フィルムを得た。このフィルムの引っ張り強度は3
5.4MPa、伸びは49.0%、引っ張り弾性率は450MPaであっ
た。またガラス転移温度は78℃、熱分解温度は350℃で
あった。
実施例7 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてレゾルシノール(水酸基当量:55.4)55.4g、エ
ーテル化触媒として水酸化リチウム0.72gを2−オクタ
ノン700.9に溶解させ、反応系中の固形分濃度を25%と
した。これを機械的に撹拌しながら、125℃のオイルバ
ス中で反応系中の温度を120℃に保ち、そのまま4時間
保持した。その結果、粘度が4,230mPa・sの高分子量エ
ポキシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹脂の重量平
均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定
した結果では140,000、光散乱法によって測定した結果
では97,400であった。また、この高分子量エポキシ樹脂
の稀薄溶液の還元粘度は0.912(dl/g)であった。この
高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布し、200℃
で1時間乾燥して、厚さ27μmのエポキシ樹脂フィルム
を得た。このフィルムの引っ張り強度は32.3MPa、伸び
は37.5%、引っ張り弾性率は360MPaであった。またガラ
ス転移温度は79℃、熱分解温度は345℃であった。
実施例8 二官能エポキシ樹脂としてビスフェノールA型エポキシ
樹脂(エポキシ当量:177.5)177.5g、二官能フェノール
類としてレゾルシノール(水酸基当量:55.4)55.4g、エ
ーテル化触媒として水酸化リチウム0.72gを4−ヘプタ
ノン700.9gに溶解させ、反応系中の固形分濃度を25%と
した。これを機械的に撹拌しながら、125℃のオイルバ
ス中で反応系中の温度を120℃に保ちそのまま4時間保
持した。その結果、粘度が3,330mPa・sの高分子量エポ
キシ樹脂溶液が得られた。このエポキシ樹脂の重量平均
分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定し
た結果では136,000、光散乱法によって測定した結果で
は106,000であった。また、この高分子量エポキシ樹脂
の稀薄溶液の還元粘度は0.985(dl/g)であった。この
高分子量エポキシ樹脂溶液をガラス板に塗布し、200℃
で1時間乾燥して、厚さ32μmのエポキシ樹脂フィルム
を得た。このフィルムの引っ張り強度は36.3MPa、伸び
は44.5%、引っ張り弾性率は380MPaであった。またガラ
ス転移温度は78℃、熱分解温度は350℃であった。
比較例1 実施例1におけるビスフェノールAの配合量115.5g(エ
ポキシ樹脂に対して1.00当量)を80.9g(エポキン樹脂
に対して0.70当量)に変え、シクロヘキサノンの配合量
686.5gを605.7gに変えた以外は、実施例1と同様にして
行った。その結果、1時間後にゲル化し、溶媒に不溶に
なった。
比較例2 実施例1におけるビスフェノールAの配合量115.5g(エ
ポキシ樹脂に対して1.00当量)を80.9g(エポキシ樹脂
に対して0.70当量)に変え、シクロヘキサノンの配合量
686.5gを605.7gに変えた以外は、実施例1と同様にして
行ったが、ゲル化する前に加熱を中止し、粘度が890mPa
・sの高分子量エポキシ樹脂溶液を得た。得られた樹脂
の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによ
って測定した結果では83,000、光散乱法によって測定し
た結果では128,000であった。また、この高分子量エポ
キシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.542(dl/g)であっ
た。この高分子量エポキシ樹脂をガラス板に塗布し、20
0℃で1時間乾燥したが、取り扱い上十分な強度の50μ
m以下のエポキシ樹脂フィルムは得られなかった。
比較例3 実施例1におけるエチルイソブチルケトンを1,4−ジオ
キサンに変えた以外は、実施例1と同様にして行った
が、加熱開始後8時間後の粘度は2.6mPa・sであった。
得られた樹脂の重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグ
ラフィーによって測定した結果では1,500であり、光散
乱法では測定できなかった。この高分子量エポキシ樹脂
をガラス板に塗布し、200℃で1時間乾燥したがエポキ
シ樹脂フィルムは得られなかった。
比較例4 実施例1におけるメチルイソブチルケトンをエチレング
リコールモノメチルエーテルに変えた以外は、実施例1
と同様にして行ったが、加熱開始後8時間後の粘度は7
8.2mPa・sであった。得られた樹脂の重量平均分子量
は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定した結果
では19,300であり、光散乱法では13,300であった。この
高分子量エポキシ樹脂をガラス板に塗布し、200℃で1
時間乾燥したが、取り扱い上十分な強度を示す50μm以
下のエポキシ樹脂フィルムは得られなかった。
比較例5 高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂YP50P(東
都化成)の平均分子量を測定した。ゲル浸透クロマトグ
ラフィーによるスチレン換算重量平均分子量は68,000、
光散乱法による平均分子量は77,000であった。また、こ
のフェノキシ樹脂の稀薄溶液の還元粘度は0.488(dl/
g)であった。この樹脂はメチルエチルケトンに容易に
溶解した。また、シクロヘキサノン20%溶液粘度は205m
Pa・sであった。この高分子量エポキシ樹脂溶液をガラ
ス板上に塗布し、乾燥器中で加熱乾燥してエポキシ樹脂
フィルムを作製することを試みたが、100μm以下の厚
さのフィルムは得られなかった。
以上の実施例及び比較例における実験方法の詳細を以下
に示す。
粘度はEMD型粘度計(東京計器)を用いて測定した。ゲ
ル振動クロマトグラフィー(GPC)に使用したカラム
は、TSKgelG6000+G5000+G4000+G3000+G2000であ
る。溶離液には、N,N−ジメチルアセトアミドを使用
し、試料濃度は2%とした。様々な分子量のステレンを
用いて分子量と溶出時間との関係を求めた後、溶出時間
から分子量を算出し、スチレン換算重量平均分子量とし
た。光散乱光度計は、大塚電子(株)製DLS−700を用い
た。引張り強度、伸び、引張り弾性率は、東洋ボールド
ウィン製テンシロンを用いた。フィルム試料サイズは50
×10mm、引張り速度は5mm/minとした。ガラス転移温度
(Tg)はデュポン製910型示差走査熱量計(DSC)を用い
て測定した。熱分解温度は、真空理工製の示差熱天秤TD
g−3000を用いて空気中での減量開始温度を熱分解温度
とした。
比較例1及び2に示したように、エポキシ樹脂の配合当
量を過剰にした場合には枝分かれが多いと考えられ、分
子量が80,000以上とかなり高分子量化しているにもかか
わらず、100μm以下のフィルムは成形できなかった。
また、比較例5に示したように、市販のビスフェノール
A型超高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂も、
かなり高分子量化してりうにもかかわらず、メチルエチ
ルケトンに溶解し、シクロヘキサノン20%溶液の粘度
は、本発明の超高分子量エポキシ樹脂溶液の粘度に比べ
て著しく低かった。これらの樹脂についても100μm以
下のフィルムは成形できなかった。
実施例1と同様の配合で、反応を途中で停止し、比較的
低分子量のエポキシ樹脂を用いた場合には、フィルムは
成形できるが強度は著しく低かった。
比較例に対してすべての実施例では、厚さ100μm以下
の十分な強度のエポキシ樹脂フィルムが得られる。
(発明の効果) 本発明の高分子量エポキシ樹脂の製造方法によれば、従
来は得られなかった100μm以下さらには50μm以下の
十分に薄く、十分な強度を有するエポキシ樹脂フィルム
を形成することができる超高分子量エポキシ樹脂を製造
することが可能となり、また、この超高分子量エポキシ
樹脂を短時間で得ることができる。
フロントページの続き (72)発明者 新井 正美 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 星 郁夫 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−136357(JP,A) 特開 昭58−149914(JP,A) 特開 昭60−262819(JP,A) 特開 平1−121369(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二官能エポキシ樹脂と二官能フェノール類
    を触媒の存在下、重合反応溶媒中で加熱して重合させ、
    高分子量エポキシ樹脂を製造する方法において、二官能
    エポキシ樹脂と二官能フェノール類の配合当量比をエポ
    キシ基/フェノール水酸基=1:0.9〜1.1とし、重合反応
    溶媒として沸点が100℃以上のケトン系溶媒中、触媒と
    してアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属アルコラー
    ト、アルカリ金属フェノラートの中から選択された1種
    以上を用い、重合反応温度を130℃以下にして重合する
    をことを特徴とするメチルエチルケトンに溶解せず、還
    元粘度が0.6dl/g(30℃、N,N−ジメチルアセトアミド)
    以上である超高分子量エポキシ樹脂の製造方法。
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