JPH0768085B2 - 加熱蒸散殺虫方法 - Google Patents
加熱蒸散殺虫方法Info
- Publication number
- JPH0768085B2 JPH0768085B2 JP61189680A JP18968086A JPH0768085B2 JP H0768085 B2 JPH0768085 B2 JP H0768085B2 JP 61189680 A JP61189680 A JP 61189680A JP 18968086 A JP18968086 A JP 18968086A JP H0768085 B2 JPH0768085 B2 JP H0768085B2
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- insecticidal
- liquid
- insecticide
- absorbent core
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、加熱蒸散殺虫方法に関し、さらに詳しくは、
殺虫液中に多孔質吸液芯の一部を浸漬して該芯に殺虫液
を吸液すると共に、該芯の上部を間接加熱することによ
り吸液された殺虫液を蒸散させる方式の加熱蒸散殺虫方
法に関する。
殺虫液中に多孔質吸液芯の一部を浸漬して該芯に殺虫液
を吸液すると共に、該芯の上部を間接加熱することによ
り吸液された殺虫液を蒸散させる方式の加熱蒸散殺虫方
法に関する。
従来の技術 加熱蒸散殺虫方法としては、代表的なものとして電気蚊
取が知られているが、マツトに含浸させ得る殺虫剤量が
制限を受けマツトの交換が不可欠であること、含浸させ
た殺虫剤の有効揮散率が比較的低いこと、長時間に亘り
安定した殺虫効果を持続させることが困難であることな
どの欠点を有する。
取が知られているが、マツトに含浸させ得る殺虫剤量が
制限を受けマツトの交換が不可欠であること、含浸させ
た殺虫剤の有効揮散率が比較的低いこと、長時間に亘り
安定した殺虫効果を持続させることが困難であることな
どの欠点を有する。
このような欠点を解消し得る方法として、殺虫液中に多
孔質吸液芯の一部を浸漬することにより該芯に殺虫液を
吸液すると共に、該芯の上部を加熱することにより吸液
された殺虫液を蒸散させる方式の加熱蒸散殺虫方法が古
くから知られている。例えば、実公昭43−25081号公報
には直接加熱による方式が記載されているが、直接加熱
による場合には薬剤の分解が激しいため、一般には間接
加熱による方式が採用される傾向にある。間接加熱によ
る方式としては、吸液芯と発熱体との間にフエルト等を
介在させて加熱する方法が実公昭36−12459号公報、実
公昭46−22585号公報に記載され、また吸液芯と発熱体
とを一定間隔で離間して加熱する方法が実公昭43−2627
4号公報、実公昭44−8361号公報、実公昭45−14913号公
報、実公昭45−19801号公報、実公昭45−29244号公報、
特公昭61−23163号公報に記載されている。
孔質吸液芯の一部を浸漬することにより該芯に殺虫液を
吸液すると共に、該芯の上部を加熱することにより吸液
された殺虫液を蒸散させる方式の加熱蒸散殺虫方法が古
くから知られている。例えば、実公昭43−25081号公報
には直接加熱による方式が記載されているが、直接加熱
による場合には薬剤の分解が激しいため、一般には間接
加熱による方式が採用される傾向にある。間接加熱によ
る方式としては、吸液芯と発熱体との間にフエルト等を
介在させて加熱する方法が実公昭36−12459号公報、実
公昭46−22585号公報に記載され、また吸液芯と発熱体
とを一定間隔で離間して加熱する方法が実公昭43−2627
4号公報、実公昭44−8361号公報、実公昭45−14913号公
報、実公昭45−19801号公報、実公昭45−29244号公報、
特公昭61−23163号公報に記載されている。
前記した間接加熱方式による加熱蒸散殺虫方法の場合、
上記多孔質吸液芯が一般にフエルト、不織布、石綿等に
より製作されるため、吸液速度が比較的に速く、吸液芯
が加熱されるにつれて、殺虫液中の溶剤のみが揮散し殺
虫剤が充分に揮散され難くなつたり、また薬剤の熱分解
によつて生成される高沸点物質や溶剤中に含有されてい
る高沸点物質等によつて吸液芯に目詰りが生じ易くなる
ことから、長期に亘つて高い殺虫効果を持続させること
が困難であつた。
上記多孔質吸液芯が一般にフエルト、不織布、石綿等に
より製作されるため、吸液速度が比較的に速く、吸液芯
が加熱されるにつれて、殺虫液中の溶剤のみが揮散し殺
虫剤が充分に揮散され難くなつたり、また薬剤の熱分解
によつて生成される高沸点物質や溶剤中に含有されてい
る高沸点物質等によつて吸液芯に目詰りが生じ易くなる
ことから、長期に亘つて高い殺虫効果を持続させること
が困難であつた。
また、特公昭61−23163号公報には、殺虫剤としてアレ
スリン又はその異性体を用い、これを特定の高沸点範囲
の炭化水素系溶剤に溶解した殺虫液を用いると共に、多
孔質吸液芯として、磁器多孔質、グラスフアイバー、石
綿から選択される無機繊維を石膏及び/又はベントナイ
トで固めたもの、並びにカオリン、タルク、ケイソウ
土、パーライト、ベントナイト、アルミナ、シリカ、シ
リカアルミナ及びチタニウムから選択される無機粉体を
デンプンで固めたものの群から選ばれ、吸上速度を著し
く低くした吸液芯を用いることが提案されている。
スリン又はその異性体を用い、これを特定の高沸点範囲
の炭化水素系溶剤に溶解した殺虫液を用いると共に、多
孔質吸液芯として、磁器多孔質、グラスフアイバー、石
綿から選択される無機繊維を石膏及び/又はベントナイ
トで固めたもの、並びにカオリン、タルク、ケイソウ
土、パーライト、ベントナイト、アルミナ、シリカ、シ
リカアルミナ及びチタニウムから選択される無機粉体を
デンプンで固めたものの群から選ばれ、吸上速度を著し
く低くした吸液芯を用いることが提案されている。
発明が解決しようとする問題点 前記特公昭61−23163号公報に記載されているような特
定の組合せ、特に無機粉体から成形された吸液芯を用い
ることによつて、殺虫液中の溶剤のみが揮散して安定し
た殺虫剤揮散が困難であるという問題はある程度改善さ
れるが、それでもまだ充分とはいえず、またアレスリン
の場合、充分な殺虫効果を得るためには単位時間当り比
較的多量の殺虫剤原体が揮散される必要があり、このた
め上記方法において多孔質吸液芯の上側面部を130〜140
℃の比較的高温度域で加熱する方法が提案されている
が、このような比較的高温度の加熱による場合、反面、
薬剤の熱分解や重合が激しくなり揮散有効成分量が低く
なるという問題があり、またこの熱分解や重合によつて
生成される高沸点物質等の吸液芯内への蓄積やそれによ
る芯の目詰りを起こし易くなるという問題がある。
定の組合せ、特に無機粉体から成形された吸液芯を用い
ることによつて、殺虫液中の溶剤のみが揮散して安定し
た殺虫剤揮散が困難であるという問題はある程度改善さ
れるが、それでもまだ充分とはいえず、またアレスリン
の場合、充分な殺虫効果を得るためには単位時間当り比
較的多量の殺虫剤原体が揮散される必要があり、このた
め上記方法において多孔質吸液芯の上側面部を130〜140
℃の比較的高温度域で加熱する方法が提案されている
が、このような比較的高温度の加熱による場合、反面、
薬剤の熱分解や重合が激しくなり揮散有効成分量が低く
なるという問題があり、またこの熱分解や重合によつて
生成される高沸点物質等の吸液芯内への蓄積やそれによ
る芯の目詰りを起こし易くなるという問題がある。
例えば、一般に油脂は、100〜200℃において酸素がβ位
の炭素と反応してハイドロパーオキサイドを作り、ケト
ン、カルボン酸、アルコール類等を生成することが知ら
れている。また、このような酸化を受けると油は粘稠と
なり、熱伝導が不良となつたり、油渣が生じたり膠着性
物質が発生し易くなる。同様に、溶媒に殺虫剤を入れた
場合、加熱により分解や重合が生じ、膠着性物質が発生
する。
の炭素と反応してハイドロパーオキサイドを作り、ケト
ン、カルボン酸、アルコール類等を生成することが知ら
れている。また、このような酸化を受けると油は粘稠と
なり、熱伝導が不良となつたり、油渣が生じたり膠着性
物質が発生し易くなる。同様に、溶媒に殺虫剤を入れた
場合、加熱により分解や重合が生じ、膠着性物質が発生
する。
加熱蒸散殺虫方法においては、吸液芯に殺虫液を吸液
し、該芯上部を高温加熱するため上記と同様又は類似の
現象が起こり、その結果吸液芯の目詰り、熱伝導不良等
により殺虫剤蒸散不良を発生し易いという欠点がある。
このような加熱による薬剤の分解、重合等に起因する殺
虫剤蒸散不良を改善するためには、一般に酸化防止剤を
添加することが考えられる。
し、該芯上部を高温加熱するため上記と同様又は類似の
現象が起こり、その結果吸液芯の目詰り、熱伝導不良等
により殺虫剤蒸散不良を発生し易いという欠点がある。
このような加熱による薬剤の分解、重合等に起因する殺
虫剤蒸散不良を改善するためには、一般に酸化防止剤を
添加することが考えられる。
しかしながら、一般に酸化防止剤は、濃度が一定以上あ
りかつ高濃度において有効であるが、反面、高濃度では
主剤の物性が変化するなどの悪影響を及ぼすという問題
も生じることがある。また、酸化防止剤の有効期間と使
用時の温度には深い相関関係があり、温度が高くなる程
酸化が著しく促進し、酸化防止剤が多量に消費され、有
効期間が著しく短縮される。さらに、使用時の温度条件
によつては酸化防止剤自身が熱分解したり、揮散するこ
とにより消失し、酸化防止作用を発現し得なかつたりす
るなどの問題がある。
りかつ高濃度において有効であるが、反面、高濃度では
主剤の物性が変化するなどの悪影響を及ぼすという問題
も生じることがある。また、酸化防止剤の有効期間と使
用時の温度には深い相関関係があり、温度が高くなる程
酸化が著しく促進し、酸化防止剤が多量に消費され、有
効期間が著しく短縮される。さらに、使用時の温度条件
によつては酸化防止剤自身が熱分解したり、揮散するこ
とにより消失し、酸化防止作用を発現し得なかつたりす
るなどの問題がある。
従つて、本発明の目的は、上記のような問題を解消し、
酸化防止剤の酸化防止作用を長期間にわたって発揮でき
るようにして、加熱使用時に薬剤の熱分解、重合等が殆
んど発生せず、多孔質吸液芯の目詰り等がなく、また低
濃度で有効な酸化防止剤を使用することにより、粘度上
昇等に伴なう吸液不足がなく、長期間に亘つて充分な殺
虫剤を有効に蒸散できる吸上式の加熱蒸散殺虫方法を提
供することにある。
酸化防止剤の酸化防止作用を長期間にわたって発揮でき
るようにして、加熱使用時に薬剤の熱分解、重合等が殆
んど発生せず、多孔質吸液芯の目詰り等がなく、また低
濃度で有効な酸化防止剤を使用することにより、粘度上
昇等に伴なう吸液不足がなく、長期間に亘つて充分な殺
虫剤を有効に蒸散できる吸上式の加熱蒸散殺虫方法を提
供することにある。
問題点を解決するための手段 本発明の加熱蒸散殺虫方法は、上記目的を達成するた
め、前記したような、殺虫液中に無機粉体を糊剤で粘結
させてなる多孔質吸液芯の下部を浸漬して該芯に殺虫液
を吸液すると共に、該芯の上部を間接加熱することによ
り吸液された殺虫液を蒸散させる加熱蒸散殺虫方法にお
いて、上記殺虫液として、炭素数12〜18の脂肪族炭化水
素に殺虫剤と共に、110〜140℃の加熱温度で実質的に揮
散しない4,4′−メチレンビス(2−メチル−6−t−
ブチルフエノール)、及びステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシルフエニル)プロピオネ
ートの少なくとも1種の酸化防止剤を、0.003〜0.1重量
%含有させてなる殺虫液を用いると共に、上記間接加熱
を110〜140℃の温度で行うことを特徴とするものであ
る。
め、前記したような、殺虫液中に無機粉体を糊剤で粘結
させてなる多孔質吸液芯の下部を浸漬して該芯に殺虫液
を吸液すると共に、該芯の上部を間接加熱することによ
り吸液された殺虫液を蒸散させる加熱蒸散殺虫方法にお
いて、上記殺虫液として、炭素数12〜18の脂肪族炭化水
素に殺虫剤と共に、110〜140℃の加熱温度で実質的に揮
散しない4,4′−メチレンビス(2−メチル−6−t−
ブチルフエノール)、及びステアリル−β−(3,5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシルフエニル)プロピオネ
ートの少なくとも1種の酸化防止剤を、0.003〜0.1重量
%含有させてなる殺虫液を用いると共に、上記間接加熱
を110〜140℃の温度で行うことを特徴とするものであ
る。
発明の作用及び態様 酸化防止剤の代表的な例として3,5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシトルエン(BHT)及び3−t−ブチル−
4−ヒドロキシアニソール(BHA)が知られているが、
これらの酸化防止剤は、加熱蒸散殺虫方法における加熱
温度例えば140℃ですぐに揮散してしまい、酸化防止効
果を発揮することができない。従つて、溶剤や殺虫剤の
樹脂化が生じ、目詰りの原因となり、殺虫剤の長期安定
した揮散ができない。一方、本発明者らの研究による
と、前記した特定の化合物、すなわち110〜140℃の加熱
温度で実質的に揮散しない酸化防止剤を使用した場合、
上記のような問題がなく、しかも極く少量の特定割合で
の添加により充分な酸化防止効果が発揮され、加熱使用
時における薬剤の熱分解や重合あるいは酸化による樹脂
化が抑えられ、多孔質吸液芯の目詰りを防止できること
が見い出された。また、前記特定の酸化防止剤を極く少
量の特定割合で使用することにより、殺虫液の粘度上昇
が抑えられ、長期間にわたつて充分な吸液速度を持続す
ることができる。
4−ヒドロキシトルエン(BHT)及び3−t−ブチル−
4−ヒドロキシアニソール(BHA)が知られているが、
これらの酸化防止剤は、加熱蒸散殺虫方法における加熱
温度例えば140℃ですぐに揮散してしまい、酸化防止効
果を発揮することができない。従つて、溶剤や殺虫剤の
樹脂化が生じ、目詰りの原因となり、殺虫剤の長期安定
した揮散ができない。一方、本発明者らの研究による
と、前記した特定の化合物、すなわち110〜140℃の加熱
温度で実質的に揮散しない酸化防止剤を使用した場合、
上記のような問題がなく、しかも極く少量の特定割合で
の添加により充分な酸化防止効果が発揮され、加熱使用
時における薬剤の熱分解や重合あるいは酸化による樹脂
化が抑えられ、多孔質吸液芯の目詰りを防止できること
が見い出された。また、前記特定の酸化防止剤を極く少
量の特定割合で使用することにより、殺虫液の粘度上昇
が抑えられ、長期間にわたつて充分な吸液速度を持続す
ることができる。
すなわち、本発明者らは、上記したような吸上式の加熱
蒸散殺虫方法において、吸液芯として無機粉体を糊剤で
粘結させた多孔質吸液芯を用いると共に、殺虫液として
上記のような特定の化合物を特定量含有する炭素数12〜
18の脂肪族炭化水素溶液を用いることにより、110〜140
℃の加熱温度で、殺虫効力を示すに充分な揮散量で上記
殺虫成分を蒸散させることができ、しかも殺虫成分の熱
分解も少なく、高い有効揮散率が得られ、長期に亘り有
効かつ安定した殺虫効果を持続し得ることを見い出し、
本発明を完成するに至つたものである。
蒸散殺虫方法において、吸液芯として無機粉体を糊剤で
粘結させた多孔質吸液芯を用いると共に、殺虫液として
上記のような特定の化合物を特定量含有する炭素数12〜
18の脂肪族炭化水素溶液を用いることにより、110〜140
℃の加熱温度で、殺虫効力を示すに充分な揮散量で上記
殺虫成分を蒸散させることができ、しかも殺虫成分の熱
分解も少なく、高い有効揮散率が得られ、長期に亘り有
効かつ安定した殺虫効果を持続し得ることを見い出し、
本発明を完成するに至つたものである。
ここで、本発明の理解が容易なように、本発明の方法を
実施するのに適した装置の一具体例を図面に示す。図
中、1は殺虫液2を入れた容器であり、該容器1は収納
容器3内に係脱自在に収納、保持されている。収納容器
3の上部は開放されており、この開放部に環状(あるい
は一対の半環状)の発熱体4が固着されている。5は発
熱体4に接続されたコードである。容器1の上部には殺
虫液注入口6が設けられており、この殺虫液注入口6
に、多孔質吸液芯7が、その上部が環状発熱体4の中心
部に配設されるように、略密栓状に保持されている。図
示するものは本発明の方法を実施するのに好適な装置の
一例であるが、これに限らず、各種形状の装置を用いる
こともできる。
実施するのに適した装置の一具体例を図面に示す。図
中、1は殺虫液2を入れた容器であり、該容器1は収納
容器3内に係脱自在に収納、保持されている。収納容器
3の上部は開放されており、この開放部に環状(あるい
は一対の半環状)の発熱体4が固着されている。5は発
熱体4に接続されたコードである。容器1の上部には殺
虫液注入口6が設けられており、この殺虫液注入口6
に、多孔質吸液芯7が、その上部が環状発熱体4の中心
部に配設されるように、略密栓状に保持されている。図
示するものは本発明の方法を実施するのに好適な装置の
一例であるが、これに限らず、各種形状の装置を用いる
こともできる。
上記殺虫液としては、各種殺虫剤を脂肪族炭化水素系溶
剤中に溶解した溶液が使用可能であるが、不飽和の脂肪
族炭化水素単独では異臭が有るので好ましくなく、脂肪
族飽和炭化水素が最適である。但し、上記不都合を生じ
ない量的割合で脂肪族不飽和炭化水素を含有することは
差し支えない。また脂肪族飽和炭化水素の中でも、炭素
数19以上では高い粘度を有したり、ゲル状乃至は固化状
態にあるため、殺虫液の吸液芯への吸液がスムーズに起
こり得なくなることから、炭素数18以下であることが必
要である。一方、炭素数が少ない程殺虫成分の総有効揮
散率が低下する傾向があるため、充分な揮散率を得るた
めには炭素数12以上である必要がある。但し、上記のよ
うな不都合を生じない量的割合であれば、上記範囲外の
脂肪族炭化水素を配合することは何ら差し支えない。
剤中に溶解した溶液が使用可能であるが、不飽和の脂肪
族炭化水素単独では異臭が有るので好ましくなく、脂肪
族飽和炭化水素が最適である。但し、上記不都合を生じ
ない量的割合で脂肪族不飽和炭化水素を含有することは
差し支えない。また脂肪族飽和炭化水素の中でも、炭素
数19以上では高い粘度を有したり、ゲル状乃至は固化状
態にあるため、殺虫液の吸液芯への吸液がスムーズに起
こり得なくなることから、炭素数18以下であることが必
要である。一方、炭素数が少ない程殺虫成分の総有効揮
散率が低下する傾向があるため、充分な揮散率を得るた
めには炭素数12以上である必要がある。但し、上記のよ
うな不都合を生じない量的割合であれば、上記範囲外の
脂肪族炭化水素を配合することは何ら差し支えない。
本発明において使用し得る脂肪族飽和炭化水素として
は、デカン(C12)、トリデカン(C13)、テトラデカン
(C14)、ペンタデカン(C15)、ヘキサデカン
(C16)、ヘプタデカン(C17)、オクタデカン(C18)
及びこれらの混合物が挙げられ、またこれらを主成分と
する市販の溶剤、例えば0号ソルベントH(日本石油株
式会社製)、0号ソルベントM(日本石油株式会社製、
ノルマルパラフイン(三石・テキサコケミカル株式会社
製)、IPソルベント2028(出光石油化学株式会社製)な
ども使用することができる。
は、デカン(C12)、トリデカン(C13)、テトラデカン
(C14)、ペンタデカン(C15)、ヘキサデカン
(C16)、ヘプタデカン(C17)、オクタデカン(C18)
及びこれらの混合物が挙げられ、またこれらを主成分と
する市販の溶剤、例えば0号ソルベントH(日本石油株
式会社製)、0号ソルベントM(日本石油株式会社製、
ノルマルパラフイン(三石・テキサコケミカル株式会社
製)、IPソルベント2028(出光石油化学株式会社製)な
ども使用することができる。
本発明で用いられる殺虫剤としては、従来より用いられ
ている各種揮散性殺虫剤を用いることができ、ピレスロ
イド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、有機リン系殺虫
剤等を挙げることができる。一般に安全性が高いことか
らピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられ、例えば以下
の如き殺虫剤である。
ている各種揮散性殺虫剤を用いることができ、ピレスロ
イド系殺虫剤、カーバメイト系殺虫剤、有機リン系殺虫
剤等を挙げることができる。一般に安全性が高いことか
らピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられ、例えば以下
の如き殺虫剤である。
○3-アリル‐2-メチルシクロペンタ‐2-エン‐4-オン‐
1-イル dl-シス/トランス‐クリサンテマート(一般
名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工業株式会社
製) ○3-アリル‐2-メチルシクロペンタ‐2-エン‐4-オン‐
1-イル d-シス/トランス‐クリサンテマート(商品名
ピナミンフオルテ:住友化学工業株式会社製) ○d-3-アリル‐2-メチルシクロペンタ‐2-エン‐4-オン
‐1-イル d-トランス‐クリサンテマート(商品名エキ
スリン:住友化学工業株式会社製) ○3-アリル‐2-メチルシクロペンタ‐2-エン‐4-オン‐
1-イル d-トランス‐クリサンテマート(商品名バイオ
アレスリン) ○2-メチル‐4-オキソ‐3-(2-プロピニル)シクロペン
タ‐2-エニル‐クリサンテマート ○N-(3,4,5,6-テトラヒドロフタリミド)‐メチル dl
-シス/トランス‐クリサンテマート(一般名フタルス
リン:商品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製) ○5-ベンジル‐3-フリルメチル d-シス/トランス‐ク
リサンテマート(一般名レスメトリン:商品名クリスロ
ンフオルテ:住友化学工業株式会社製) ○5-(2-プロパルギル)‐3-フリルメチル クリサステ
マート(一般名フラメトリン) ○3-フエノキシベンジル 2,2-ジメチル‐3-(2′,2′
‐ジクロロ)ビニルシクロプロパン カルボキシレート
(一般名ペルメトリン:商品名エクスミン:住友化学工
業株式会社製) ○3-フエノキシベンジル d-シス/トランス‐クリサン
テマート(一般名フエノトリン:商品名スミスリン:住
友化学工業株式会社製) ○α‐シアノフエノキシベンジル イソプロピル‐4-ク
ロロフエニルアセテート(一般名フエンバレレート:商
品名スミサイジン、住友化学工業株式会社製) ○(S)‐α‐シアノ‐3-フエノキシベンジル(1R,シ
ス)‐3-(2,2-ジクロロビニル)‐2,2-ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート(一般名サイペルメトリン
f) ○(R,S)‐α‐シアノ‐3-フエノキシベンジル(1R,1
S)‐シス/トランス‐3-(2,2-ジクロロビニル)‐2,2
-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(一般名サ
イペルメトリン) ○α‐シアノ‐3-フエノキシベンジル d-シス/トラン
ス‐クリサンテマート(一般名サイフエノトリン) ○1-エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル シス/トラン
ス‐クリサンテマート(一般名ベーパスリン) ○3-アリル‐2-メチル‐シクロペンタ‐2-エン‐4-オン
‐1-イル‐2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボ
キシレート(一般名テラレスリン) ○1-エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル 2,2,3,3-テト
ラメチルシクロプロパンカルボキシレート ○1-エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル 2,2-ジメチル
‐3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパン‐1-カルボ
キシレート ○〔(ペンタフルオロフエニル)‐メチル〕‐1R,3R-3-
(2,2-ジクロロエチニル)‐2,2-ジメチル‐シクロプロ
パンカルボキシレート(一般名フエンフルスリン) また、殺虫液中の有効殺虫成分の濃度は、0.5重量%以
上10重量%以下が良好であり、好ましくは0.5〜8重量
%の範囲の濃度で用いる。
1-イル dl-シス/トランス‐クリサンテマート(一般
名アレスリン:商品名ピナミン:住友化学工業株式会社
製) ○3-アリル‐2-メチルシクロペンタ‐2-エン‐4-オン‐
1-イル d-シス/トランス‐クリサンテマート(商品名
ピナミンフオルテ:住友化学工業株式会社製) ○d-3-アリル‐2-メチルシクロペンタ‐2-エン‐4-オン
‐1-イル d-トランス‐クリサンテマート(商品名エキ
スリン:住友化学工業株式会社製) ○3-アリル‐2-メチルシクロペンタ‐2-エン‐4-オン‐
1-イル d-トランス‐クリサンテマート(商品名バイオ
アレスリン) ○2-メチル‐4-オキソ‐3-(2-プロピニル)シクロペン
タ‐2-エニル‐クリサンテマート ○N-(3,4,5,6-テトラヒドロフタリミド)‐メチル dl
-シス/トランス‐クリサンテマート(一般名フタルス
リン:商品名ネオピナミン:住友化学工業株式会社製) ○5-ベンジル‐3-フリルメチル d-シス/トランス‐ク
リサンテマート(一般名レスメトリン:商品名クリスロ
ンフオルテ:住友化学工業株式会社製) ○5-(2-プロパルギル)‐3-フリルメチル クリサステ
マート(一般名フラメトリン) ○3-フエノキシベンジル 2,2-ジメチル‐3-(2′,2′
‐ジクロロ)ビニルシクロプロパン カルボキシレート
(一般名ペルメトリン:商品名エクスミン:住友化学工
業株式会社製) ○3-フエノキシベンジル d-シス/トランス‐クリサン
テマート(一般名フエノトリン:商品名スミスリン:住
友化学工業株式会社製) ○α‐シアノフエノキシベンジル イソプロピル‐4-ク
ロロフエニルアセテート(一般名フエンバレレート:商
品名スミサイジン、住友化学工業株式会社製) ○(S)‐α‐シアノ‐3-フエノキシベンジル(1R,シ
ス)‐3-(2,2-ジクロロビニル)‐2,2-ジメチルシクロ
プロパンカルボキシレート(一般名サイペルメトリン
f) ○(R,S)‐α‐シアノ‐3-フエノキシベンジル(1R,1
S)‐シス/トランス‐3-(2,2-ジクロロビニル)‐2,2
-ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(一般名サ
イペルメトリン) ○α‐シアノ‐3-フエノキシベンジル d-シス/トラン
ス‐クリサンテマート(一般名サイフエノトリン) ○1-エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル シス/トラン
ス‐クリサンテマート(一般名ベーパスリン) ○3-アリル‐2-メチル‐シクロペンタ‐2-エン‐4-オン
‐1-イル‐2,2,3,3-テトラメチルシクロプロパンカルボ
キシレート(一般名テラレスリン) ○1-エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル 2,2,3,3-テト
ラメチルシクロプロパンカルボキシレート ○1-エチニル‐2-メチル‐2-ペンテニル 2,2-ジメチル
‐3-(2,2-ジクロロビニル)シクロプロパン‐1-カルボ
キシレート ○〔(ペンタフルオロフエニル)‐メチル〕‐1R,3R-3-
(2,2-ジクロロエチニル)‐2,2-ジメチル‐シクロプロ
パンカルボキシレート(一般名フエンフルスリン) また、殺虫液中の有効殺虫成分の濃度は、0.5重量%以
上10重量%以下が良好であり、好ましくは0.5〜8重量
%の範囲の濃度で用いる。
本発明で用いられる化合物は110〜140℃の加熱温度で実
質的に揮散しない酸化防止剤であり、次の化合物が使用
できる。
質的に揮散しない酸化防止剤であり、次の化合物が使用
できる。
○ステアリル‐β‐(3,5-ジ‐t-ブチル‐4-ヒドロキシ
フエニル)プロピオネート(以下化合物Aと略称する) ○4,4′−メチレン−ビス−(2−メチル−6−t−ブ
チルフエノール) これらの化合物は単独で使用してもよく、あるいは併用
してもよい。使用濃度としては0.003〜0.1重量%、好ま
しくは0.005〜0.05重量%の割合で用いる。添加量が0.0
03重量%未満の場合には長時間の加熱により揮散量が低
下し、一方、0.1重量%を超えると殺虫液の粘度上昇等
により、長時間にわたつて充分な吸液速度を持続するこ
とが困難となる。
フエニル)プロピオネート(以下化合物Aと略称する) ○4,4′−メチレン−ビス−(2−メチル−6−t−ブ
チルフエノール) これらの化合物は単独で使用してもよく、あるいは併用
してもよい。使用濃度としては0.003〜0.1重量%、好ま
しくは0.005〜0.05重量%の割合で用いる。添加量が0.0
03重量%未満の場合には長時間の加熱により揮散量が低
下し、一方、0.1重量%を超えると殺虫液の粘度上昇等
により、長時間にわたつて充分な吸液速度を持続するこ
とが困難となる。
また、過酸化物分解剤と一般に呼ばれる酸化防止剤とし
て、ジラウリルチオジプロピオネート(DLTP)やジステ
アリルチオジプロピオネート(DSTP)を、同様に本発明
における酸化防止剤と組み合わせて、混合使用できる。
これにより、加熱使用時の過酸化物例えば目づまりを生
ずる膠着性物質を分解して、安定揮散を長期化できるこ
とはいうまでもない。
て、ジラウリルチオジプロピオネート(DLTP)やジステ
アリルチオジプロピオネート(DSTP)を、同様に本発明
における酸化防止剤と組み合わせて、混合使用できる。
これにより、加熱使用時の過酸化物例えば目づまりを生
ずる膠着性物質を分解して、安定揮散を長期化できるこ
とはいうまでもない。
さらに、殺虫液には、共力剤、香料、色素、消臭剤等各
種添加剤を配合できる。
種添加剤を配合できる。
多孔質吸液芯としては、クレー、タルク、カオリン、ケ
イソウ土、石膏、パーライトベントナイト、酸性白土、
グラスフアイバ、石綿等の無機粉末をカルボキシメチル
セルロース(CMC)、デンプン、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール(PVA)等の糊剤にて粘結、
成形したものを用いることができ、このような成形吸液
芯は微多孔質のものであつて、繊維状物を主体とする吸
液芯に比べて殺虫液の吸液量がかなり少なく、従つて長
期間に亘つて使用される吸液芯として適当である。これ
らの中でも、無機粉体としては成形処理性等の点で石
膏、クレー、ケイソウ土、酸性白土、パーライトが好適
であり、また糊剤としてはCMCが溶剤への非溶解性、成
形処理性等の点で好適である。最も好適な吸液芯は上記
無機粉体の2種以上をCMCで粘結成形したものである。
これらの場合、殺虫液の吸液量は糊剤(CMC)の配合量
に依存する。このことを試験例をもつて示す。
イソウ土、石膏、パーライトベントナイト、酸性白土、
グラスフアイバ、石綿等の無機粉末をカルボキシメチル
セルロース(CMC)、デンプン、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール(PVA)等の糊剤にて粘結、
成形したものを用いることができ、このような成形吸液
芯は微多孔質のものであつて、繊維状物を主体とする吸
液芯に比べて殺虫液の吸液量がかなり少なく、従つて長
期間に亘つて使用される吸液芯として適当である。これ
らの中でも、無機粉体としては成形処理性等の点で石
膏、クレー、ケイソウ土、酸性白土、パーライトが好適
であり、また糊剤としてはCMCが溶剤への非溶解性、成
形処理性等の点で好適である。最も好適な吸液芯は上記
無機粉体の2種以上をCMCで粘結成形したものである。
これらの場合、殺虫液の吸液量は糊剤(CMC)の配合量
に依存する。このことを試験例をもつて示す。
試験例1 表−1及び表−2に示す配合比から、それぞれ直径7m
m、長さ7cmの多孔質吸液芯を成形し、図面に示すような
装置を用い、C15脂肪族飽和炭化水素液が入つている容
器内に浸漬し、その上部の芯温度を120℃に加熱して、
脂肪族飽和炭化水素の揮散量(減少量)を測定した。そ
の結果を表−1及び表−2に併せて示す。
m、長さ7cmの多孔質吸液芯を成形し、図面に示すような
装置を用い、C15脂肪族飽和炭化水素液が入つている容
器内に浸漬し、その上部の芯温度を120℃に加熱して、
脂肪族飽和炭化水素の揮散量(減少量)を測定した。そ
の結果を表−1及び表−2に併せて示す。
表−1の結果から明らかなように、CMCの配合量が増す
程、揮散量ひいては吸液量が減少する傾向にあり、CMC
1.5重量部(芯全量の10.3重量%)より多い場合には溶
剤揮散量が著しく少なく、充分な揮散を達成することが
困難となる。従つて、糊剤の配合量は、上記吸液性及び
成形性等を考慮すると、芯全量の1重量%以上10重量%
以下が適当である。
程、揮散量ひいては吸液量が減少する傾向にあり、CMC
1.5重量部(芯全量の10.3重量%)より多い場合には溶
剤揮散量が著しく少なく、充分な揮散を達成することが
困難となる。従つて、糊剤の配合量は、上記吸液性及び
成形性等を考慮すると、芯全量の1重量%以上10重量%
以下が適当である。
また、表−2の結果から明らからように、無機粉体とし
て各種のものが使用でき、溶剤揮散量も適当であつた。
て各種のものが使用でき、溶剤揮散量も適当であつた。
なお、多孔質吸液芯には、その特性を損なわない範囲
で、必要に応じて顔料、色素、防腐剤等の他の添加剤を
配合してもよい。
で、必要に応じて顔料、色素、防腐剤等の他の添加剤を
配合してもよい。
実施例 以下、実施例を示して本発明について具体的に説明す
る。
る。
実施例1 石膏5重量部、クレー5重量部、ケイソウ土2重量部、
CMC0.3重量部からなる材料から直径7mm、長さ7cmの多孔
質吸液芯を作製し、図面に示す加熱蒸散器にセツトし
た。容器内の内容液は、表−3に示す殺虫剤及び化合物
を含有する炭素数14〜17の混合脂肪族飽和炭化水素溶液
50mlである。
CMC0.3重量部からなる材料から直径7mm、長さ7cmの多孔
質吸液芯を作製し、図面に示す加熱蒸散器にセツトし
た。容器内の内容液は、表−3に示す殺虫剤及び化合物
を含有する炭素数14〜17の混合脂肪族飽和炭化水素溶液
50mlである。
発熱体に通電して上記吸液芯の上側面部を120℃となる
ように加熱し、各加熱時間当りの殺虫剤の揮散量を測定
した。その結果を表−4に示す。
ように加熱し、各加熱時間当りの殺虫剤の揮散量を測定
した。その結果を表−4に示す。
揮散量:揮散蒸気を一定時間毎にシリカゲル充填カラム
で単位時間トラツプした後、クロロホルムで抽出、濃縮
後ガスクロマトグラフで定量分析した。
で単位時間トラツプした後、クロロホルムで抽出、濃縮
後ガスクロマトグラフで定量分析した。
上記結果から明らかなように、化合物Aの濃度が0.003
重量%末満の場合(例No.1)、加熱により経時的に揮散
量が著しく低下することがわかる。また、0.10重量%を
超えた場合にも、加熱時間が長くなるにつれて揮散量が
漸減していることがわかる。これに対して、0.003〜0.1
0重量%の範囲内においては殺虫剤の揮散量は長時間の
加熱によつてもほぼ一定に維持されている。
重量%末満の場合(例No.1)、加熱により経時的に揮散
量が著しく低下することがわかる。また、0.10重量%を
超えた場合にも、加熱時間が長くなるにつれて揮散量が
漸減していることがわかる。これに対して、0.003〜0.1
0重量%の範囲内においては殺虫剤の揮散量は長時間の
加熱によつてもほぼ一定に維持されている。
実施例2 殺虫剤2-メチル‐4−オキソ‐3-(2-プロピニル)シク
ロペンタ‐2-エニル‐クリサンテマート(以下、PAと略
称する)及び化合物Aの添加量を表−5に示すものに代
える以外は実施例1と同様の脂肪族飽和炭化水素溶液を
用い、実施例1と全く同様にして揮散量を測定した。そ
の結果を表−6に示す。
ロペンタ‐2-エニル‐クリサンテマート(以下、PAと略
称する)及び化合物Aの添加量を表−5に示すものに代
える以外は実施例1と同様の脂肪族飽和炭化水素溶液を
用い、実施例1と全く同様にして揮散量を測定した。そ
の結果を表−6に示す。
実施例3 殺虫剤及び化合物の種類及び添加量を表−7に示すもの
に代える以外は実施例1と同様の脂肪族飽和炭化水素溶
液を用い、実施例1と全く同様にして揮散量を測定し
た。その結果を表−8に示す。
に代える以外は実施例1と同様の脂肪族飽和炭化水素溶
液を用い、実施例1と全く同様にして揮散量を測定し
た。その結果を表−8に示す。
比較例 殺虫剤及び化合物の種類及び添加量を表−9に示すもの
に代える以外は実施例1と同様の脂肪族飽和炭化水素溶
液を用い、実施例1と全く同様にして揮散量を測定し
た。その結果を表−10に示す。
に代える以外は実施例1と同様の脂肪族飽和炭化水素溶
液を用い、実施例1と全く同様にして揮散量を測定し
た。その結果を表−10に示す。
上記結果から明らかなように、加熱温度で揮散性を有す
るBHT,BHA等の酸化防止剤を0.1重量%以下で含有した場
合、長期間の加熱によつて揮散量が著しく低下し、薬液
の長期安定揮散ができなかつた。
るBHT,BHA等の酸化防止剤を0.1重量%以下で含有した場
合、長期間の加熱によつて揮散量が著しく低下し、薬液
の長期安定揮散ができなかつた。
発明の効果 以上のように、本発明の加熱蒸散殺虫方法によれば、殺
虫液として、炭素数12〜18の脂肪族炭化水素に殺虫剤と
共に、110〜140℃の加熱温度で実質的に揮散しない4,
4′−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフエ
ノール)、及びステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネートの少なく
とも1種の酸化防止剤を、0.003〜0.1重量%含有させて
なる殺虫液を用いると共に、吸液芯の上部を110〜140℃
の温度で行う構成としたので、酸化防止剤の酸化防止作
用を長期間にわたって発揮させることができるようにな
り、加熱使用時に薬剤の熱分解、重合等が殆ど発生せ
ず、多孔質吸液芯の目詰まり等がなく、粘度上昇等に伴
う吸液不足がなく、長期間に亘って充分な殺虫剤を有効
に蒸散できる吸上式の加熱蒸散殺虫方法を提供できる。
虫液として、炭素数12〜18の脂肪族炭化水素に殺虫剤と
共に、110〜140℃の加熱温度で実質的に揮散しない4,
4′−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフエ
ノール)、及びステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネートの少なく
とも1種の酸化防止剤を、0.003〜0.1重量%含有させて
なる殺虫液を用いると共に、吸液芯の上部を110〜140℃
の温度で行う構成としたので、酸化防止剤の酸化防止作
用を長期間にわたって発揮させることができるようにな
り、加熱使用時に薬剤の熱分解、重合等が殆ど発生せ
ず、多孔質吸液芯の目詰まり等がなく、粘度上昇等に伴
う吸液不足がなく、長期間に亘って充分な殺虫剤を有効
に蒸散できる吸上式の加熱蒸散殺虫方法を提供できる。
図面は本発明の方法を実施するのに適した装置の一具体
例を示す縦断面図である。 1は容器、2は殺虫液、4は発熱体、7は多孔質吸液
芯。
例を示す縦断面図である。 1は容器、2は殺虫液、4は発熱体、7は多孔質吸液
芯。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−57502(JP,A) 特開 昭53−121927(JP,A) 特開 昭60−161902(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】殺虫液中に無機粉体を糊剤で粘結させてな
る多孔質吸液芯の下部を浸漬して該芯に殺虫液を吸液す
ると共に、該芯の上部を間接加熱することにより吸液さ
れた殺虫液を蒸散させる加熱蒸散殺虫方法において、上
記殺虫液として、炭素数12〜18の脂肪族炭化水素に殺虫
剤と共に、110〜140℃の加熱温度で実質的に揮散しない
4,4′−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフ
エノール)、及びステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシルフエニル)プロピオネートの少
なくとも1種の酸化防止剤を、0.003〜0.1重量%含有さ
せてなる殺虫液を用いると共に、上記間接加熱を110〜1
40℃の温度で行うことを特徴とする加熱蒸散殺虫方法。 - 【請求項2】多孔質吸液芯が、無機粉体を1〜10重量%
のカルボキシメチルセルロースで粘結させたものである
特許請求の範囲第1項に記載の加熱蒸散殺虫方法。 - 【請求項3】多孔質吸液芯が、石膏、クレー、酸性白
土、パーライト及びケイソウ土から選ばれた2種以上の
無機粉体をカルボキシメチルセルロースで粘結させたも
のである特許請求の範囲第1項又は第2項に記載の加熱
蒸散殺虫方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61189680A JPH0768085B2 (ja) | 1986-08-14 | 1986-08-14 | 加熱蒸散殺虫方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61189680A JPH0768085B2 (ja) | 1986-08-14 | 1986-08-14 | 加熱蒸散殺虫方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6348201A JPS6348201A (ja) | 1988-02-29 |
JPH0768085B2 true JPH0768085B2 (ja) | 1995-07-26 |
Family
ID=16245381
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61189680A Expired - Lifetime JPH0768085B2 (ja) | 1986-08-14 | 1986-08-14 | 加熱蒸散殺虫方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0768085B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02202802A (ja) * | 1989-01-31 | 1990-08-10 | Earth Chem Corp Ltd | 吸液芯用長時間型加熱蒸散薬剤組成物 |
JP3015831B2 (ja) * | 1989-03-02 | 2000-03-06 | 大日本除蟲菊株式会社 | 加熱蒸散殺虫方法 |
EP0467843A3 (en) * | 1990-07-19 | 1992-02-19 | Ciba-Geigy Ag | Prevention of oxidation in petrochemical extraction solvents |
JPH0543412A (ja) * | 1991-08-19 | 1993-02-23 | Earth Chem Corp Ltd | 吸液芯用殺虫剤組成物 |
JP2003012844A (ja) * | 2001-07-02 | 2003-01-15 | Inoac Corp | ポリオレフィン発泡体及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS53121927A (en) * | 1977-03-29 | 1978-10-24 | Sumitomo Chem Co Ltd | Insecticidal composition for electiric mosquito-repellent device |
JPS5557502A (en) * | 1978-10-23 | 1980-04-28 | Earth Chem Corp Ltd | Heat volatilization destroying of insect |
JPS60161902A (ja) * | 1984-01-31 | 1985-08-23 | Earth Chem Corp Ltd | 吸液芯用殺虫液組成物及び加熱蒸散殺虫方法 |
-
1986
- 1986-08-14 JP JP61189680A patent/JPH0768085B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6348201A (ja) | 1988-02-29 |
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