JP2519629B2 - 加熱蒸散型装置用容器 - Google Patents

加熱蒸散型装置用容器

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JP2519629B2
JP2519629B2 JP4116163A JP11616392A JP2519629B2 JP 2519629 B2 JP2519629 B2 JP 2519629B2 JP 4116163 A JP4116163 A JP 4116163A JP 11616392 A JP11616392 A JP 11616392A JP 2519629 B2 JP2519629 B2 JP 2519629B2
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隆啓 長谷川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加熱蒸散型装置用容器、
詳しくは殺虫等を目的として吸液芯を発熱体にて加熱し
て該芯より薬剤を加熱蒸散させるための加熱蒸散型装置
に用いられる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より殺虫の目的で薬剤を加熱蒸散さ
せる方法としては電気蚊取器に代表されるような装置を
用いて繊維板等の多孔質基材(固型マット)に吸着させ
た殺虫剤を加熱して蒸散させる方法が汎用されている。
しかしながら該方法では一枚の固型マットに含浸させ得
る殺虫剤量は自づと制限を受け、該マットの取替え及び
使用済マットの廃棄が必須である。しかもマットに吸着
させた殺虫剤の揮散率は経時的に低下していく重大な欠
点があるに加え、マットに吸着させた殺虫剤の有効揮散
率はたかだか約50%にすぎず、該マットの殺虫剤残存
率が10%程度にもおよび、長時間に亘る安定した殺虫
効果を持続させ得ず、経済的にも尚かなりの不利を伴
う。
【0003】上記固型マット使用に見られるマット取替
えの問題及び短時間内に殺虫効果が消失する欠点を解消
し、長期に亘り殺虫効果を持続させ得る加熱蒸散方法と
して、殺虫剤を溶液形態で吸上芯(吸液芯)により吸上
げつつこれを加熱蒸散させる方法が考えられ、事実この
ような吸液芯利用による殺虫剤蒸散装置が種々提案され
ている。これら装置は適当な容器に殺虫剤の溶剤溶液を
入れ、これをフェルト等の吸液芯を利用して吸上げつつ
該吸液芯上部より加熱蒸散させるべくしたものである。
【0004】しかしながらかかる吸上式加熱蒸散型殺虫
装置は、実際にこれを用いた場合、いずれも吸液芯の加
熱によって殺虫剤液を構成する溶剤が速やかに揮散し、
該芯内部で殺虫剤液が次第に濃縮され、樹脂化したり、
芯材が燻焼したりして、目づまりを起し引続く殺虫液の
吸上げ及び蒸散を不能とし、長期に亘る持続効果は発揮
できず、しかも殺虫効果の経時的低下を避け得ず、更に
有効揮散率が低く残存率が高いものであった。このよう
な吸上芯利用による加熱蒸散方法に見られる各種の弊害
の生ずる原因としては、芯の種類及び溶剤の種類は勿論
のこと、殺虫剤の種類、濃度、加熱条件等の多数が考え
られ、上記弊害を解消することは困難であると考えられ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の欠
点を解消した新しい吸上式加熱蒸散型装置のための容
器、殊に吸液芯の目づまり等を回避し、長期に亘る持続
効果を奏し得、しかも殺虫剤総揮散量及び有効揮散率の
向上を計り得る改良された加熱蒸散型殺虫装置のための
容器を提供することを目的とする。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、吸液
芯を発熱体により加熱して該芯より薬剤を加熱蒸散させ
るための吸上式加熱蒸散型装置に用いられる薬液収容容
器であって、容器内にその上部を突出して挿入された吸
液芯を備えており、該容器内には殺虫液が収容され、上
記容器は吸液芯が表面温度135℃以下となるように表
面温度70〜150℃の発熱体により間接加熱されるよ
うに備えられていることを特徴とする加熱蒸散型装置用
容器、特に、殺虫液が目詰まり防止剤を含有する上記加
熱蒸散型装置用容器、及び吸液芯を発熱体により加熱し
て該芯より薬剤を加熱蒸散させるための吸上式加熱蒸散
型装置に用いられる薬液収容容器であって、容器内にそ
の上部を突出して挿入された吸液芯を備えており、且つ
該容器内には殺虫成分、目詰まり防止剤及び溶剤からな
る殺虫液が収容されていることを特徴とする加熱蒸散型
装置用容器が提供される。
【0007】本発明容器の利用によれば、吸液芯の目づ
まりは惹起されず、長寿命化が可能であると共に、これ
に基づいて殺虫剤の蒸散性(揮散量及び有効揮散率)を
顕著に向上でき、約200時間以上の長期間に亘って優
れた殺虫効果を持続発揮させ得る。
【0008】本発明において殺虫剤としては、従来より
害虫駆除に用いられる各種薬剤をいずれも使用できる。
該薬剤には各種のピレスロイド系殺虫剤、カーバメイト
系殺虫剤、有機リン系殺虫剤等が包含される。それらの
具体例としては以下のものを例示できる。
【0009】・3−アリル−2−メチルシクロペンタ−
2−エン−4−オン−1−イル dl−シス/トランス
−クリサンテマート(一般名アレスリン:商品名ピナミ
ン:住友化学工業株式会社製、以下AAという) ・3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4
−オン−1−イル d−シス/トランス−クリサンテマ
ート(商品名ピナミンフオルテ:住友化学工業株式会社
製、以下ABという) ・d−3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン
−4−オン−1−イルd−トランス−クリサンテマート
(商品名エキスリン:住友化学工業株式会社製、以下A
Cという) ・3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4
−オン−1−イル d−トランス−クリサンテマート
(一般名バイオアレスリン、以下ADという) ・N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)−
メチル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一
般名フタルスリン:商品名ネオピナミン:住友化学工業
株式会社製、以下AEという) ・2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シ
クロペント−2−エニル−クリサンテマート(特公昭5
2−45768号公報参照) ・(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピ
ニル)シクロペント−2−エニル(1R)−シス/トラ
ンス−クリサンテマート(一般名プラレトリン:特公昭
52−45768号公報参照)・5−ベンジル−3−フ
リルメチル d−シス/トランス−クリサンテマート
(一般名レスメトリン:商品名クリスロンフオルテ:住
友化学工業株式会社製、以下AFという) ・5−(2−プロパルギル)−3−フリルメチル クリ
サンテマート(一般名フラメトリン、以下AGという) ・3−フエノキシベンジル 2,2−ジメチル−3−
(2′,2′−ジクロロ)ビニルシクロプロパン カル
ボキシレート(一般名ペルメトリン:商品名エクスミ
ン:住友化学工業株式会社製、以下AHという) ・3−フエノキシベンジル d−シス/トランス−クリ
サンテマート(一般名フエノトリン:商品名スミスリ
ン:住友化学工業株式会社製、以下AIという) ・α−シアノフエノキシベンジル イソプロピル−4−
クロロフエニルアセテート(一般名フエンバレレート:
商品名スミサイジン:住友化学工業株式会社製、以下A
Jという) ・(S)−α−シアノ−3−フエノキシベンジル(1
R,シス)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(以下AL
という) ・(R,S)−α−シアノ−3−フエノキシベンジル
(1R,1S)−シス/トランス−3−(2,2−ジク
ロロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボ
キシレート(以下AMという) ・α−シアノ−3−フエノキシベンジル d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(以下ANという) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル シス/
トランス−クリサンテマート(以下AOという) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 2,2
−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シク
ロプロパン−1−カルボキシレート(以下APという) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 2,
2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレ
ート(以下AQという) ・1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル 2,2
−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプ
ロパン−1−カルボキシレート(以下ARという) ・3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン−4
−オン−1−イル 2,2,3,3−テトラメチルシク
ロプロパンカルボキシレート(一般名テラレトリン) ・[(ペンタフルオロフェニル)−メチル]−1R,3
R−3−(2,2−ジクロロエチニル)−2,2−ジメ
チル−シクロプロパンカルボキシレート(一般名フェン
フルスリン) ・[(R,S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジ
ル]−(R)−2−[2−クロロ−4−(トリフルオロ
メチル)アニリノ]−3−メチル−ブタノレート(一般
名フルバリネート) ・O,O−ジメチル O−(2,2−ジクロロ)ビニル
ホスフェート(以下ASという) ・o−イソプロポキシフエニル メチルカーバメート
(以下ATという) ・0,0−ジメチル 0−(3−メチル−4−ニトロフ
エニル)チオノフオスフエート(以下 AUという) ・0,0−ジエチル 0−2−イソプロピル−4−メチ
ル−ピリミジル−(6)−チオフオスフエート ・0,0−ジメチル S−(1,2−ジカルボエトキシ
エチル)−ジオチフオスフエート 上記殺虫剤には、通常用いられている効力増強剤、揮散
率向上剤、消臭剤、香料等の各種添加剤を任意に添加す
ることができる。効力増強剤としては、ピペロニルブト
キサイド、N−プロピルイゾーム、MGK−264、サ
イネピリン222、サイネピリン500、リーセン38
4、IBTA、S−421等を、揮散率向上剤としては
フエネチルイソチオシアネート、ハイミツクス酸ジメチ
ル等を、消臭剤としてはラウリル酸メタクリレート(L
MA)等を、香料としてはシトラール、シトロネラール
等を夫々例示できる。
【0010】上記殺虫剤は溶液形態に調製される。該殺
虫剤溶液を調製するための溶剤としては、各種の有機溶
剤、代表的には炭化水素系溶剤をいずれも使用できる。
特に沸点範囲が150〜350℃の脂肪族系炭化水素
(パラフィン系炭化水素及び不飽和脂肪族炭化水素)は
好ましく、上記沸点範囲のn−パラフィン中には炭素数
10〜18のものが包含される〔Dictionary of Organi
c Compounds, 5th ed.,1982参照〕。之等のうちで特に
n−パラフィン、イソパラフィン等は実用上毒性がな
く、臭がなくしかも火災の危険も極めて少ない点におい
て好適である。上記炭化水素系以外の有機溶剤として
は、例えばグリセリン、プロピレングリコールヘキシレ
ングリコール等のグリコール類、メタノール、イソプロ
パノール、1−オクタノール、1−ドデカノール等のア
ルコール類、アセトン、アセトフェノン等のケトン類、
ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエ
ーテル等のエーテル類、アジピン酸ジオクチル、マロン
酸ジエチル、フタル酸ジエチル等のエステル類、キシレ
ン、クロルセン、クロロホルム、シリコーンオイル等を
例示できる。
【0011】上記殺虫剤の溶剤溶液は、用いるべき殺虫
剤の種類に応じて適宜決定され特に限定されるものでは
ないが、通常殺虫剤濃度が約1〜10重量%、好ましく
は3〜8重量%となるように調製されるのがよい。
【0012】本発明に用いられる薬液(吸液芯用殺虫液
組成物)は、上記殺虫剤の有機溶媒溶液中に、以下の化
合物群から選ばれた少なくとも1種(本明細書において
は、以下これを「目詰まり防止剤」という)を添加配合
することができる。
【0013】3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
トルエン(以下CAという) 3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(以下CB
という) 3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール
(以下CCという) メルカプトベンズイミダソール(以下CDという)ジラ
ウリル−チオ−ジ−プロピオネート(以下CEという) 2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−メ
チルフェノール)(以下CFという) 2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−エ
チルフェノール)(以下CGという) 4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチル
フェノール)(以下CHという) 4,4′−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−3−
メチルフェノール)(以下CIという) 4,4′−チオ−ビス−(6−t−ブチル−3−メチル
フェノール)(以下CJという) 1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
サン(以下CKという) 1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン
(以下CLという) トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル
フェニル)ブタン(以下CMという) テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン(以下CNと
いう) フェニル−β−ナフチルアミン(以下CPという) N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン(以下
CQという) 2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンポ
リマー(以下CRという) 6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒ
ドロキノリン(以下CSという) 3−t−ブチル−4−メトキシフェノール(以下CUと
いう) 2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール(以下
CVという) ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシフェニル)プロピオネート(以下CWという) α−トコフェロール(以下CXという) アスコルビン酸(以下CYという)及び エリソルビン酸(以下CZという)。
【0014】上記化合物CA〜CZは、その1種を単独
で用いてもよく、また2種以上併用することもできる。
その使用量は、之等の配合によって本発明所期の吸液芯
の目づまり防止効果が得られる限り特に限定されるもの
ではないが、通常得られる本発明吸液芯用殺虫液組成物
中に約1.0重量%以下となる量、通常約0.2〜1.
0重量%、好ましくは0.3〜0.9重量%含有される
量とするのがよく、これによって吸液芯の長期に亘る目
づまり防止効果が奏され、本発明所期の持続的殺虫効果
が奏される。
【0015】本発明に利用される吸液芯としては、通常
用いられている各種素材、例えばフェルト、木綿、パル
プ、不織布、石綿、無機質成型物等のいずれでもよく、
フェルト芯、素焼芯、パルプ芯及び無機質成型芯が好ま
しい。上記無機質成型芯の具体例としては磁器多孔質、
グラスファイバー、石綿等の無機繊維を石膏やベントナ
イト等の結合剤で固めたものや、カオリン、活性白土、
タルク、ケイソウ土、クレー、パーライト、ベントナイ
ト、石膏、アルミナ、シリカ、アルミナシリカ、チタニ
ウム、ガラス質火山岩焼成粉末、ガラス質火山灰焼成粉
末等の鉱物質粉末を単独で又は木粉、炭粉、活性炭等と
共に糊剤例えばデキストリン、デンプン、アラビアゴ
ム、合成糊CMC等で固めたものを例示できる。特に好
ましい吸液芯は、上記鉱物質粉末100重量部と木粉又
は該木粉に等重量までの炭粉及び/又は活性炭を混合し
た混合物10〜300重量部とに糊剤を全吸液芯重量の
5〜25重量%となるまで配合し、更にこれらに水を加
えて練合後、押出成型し乾燥することにより製造され
る。該吸液芯は吸液速度(薬液到達時間)が1〜40時
間、好ましくは8〜21時間であるのが望ましい。この
吸液速度とは、液温25℃のn−パラフィン液中に直径
7mm×長さ70mmの吸液芯をその下部より15mmまで浸
漬し、芯頂にn−パラフィンが達するまでの時間を測定
することにより求められた値を意味する。また上記吸液
芯中には、上記鉱物質粉末、木粉及び糊剤の他更に必要
に応じてマカライトグリーン等の色素、ソルビン酸及び
その塩類、デヒドロ酢酸等のカビ止め剤等を配合するこ
ともできる。
【0016】本発明容器は、上記薬液を収容して、従来
公知の吸上式加熱蒸散型殺虫装置に適用され、かくして
前記した所期の優れた効果を奏し得る。上記装置として
は、例えば特公昭52−12106号公報、実開昭58
−45670号公報等に記載のものを例示でき、その一
具体例を添附図面に示す。
【0017】第1図は本発明に適した吸上式加熱蒸散型
殺虫装置の概略図であり、該装置は吸液芯の上側面部を
間接的に加熱するための中空円板状発熱体(4)、該発
熱体(4)を支持するための支持部(5)及び支持脚
(6)を有する発熱体支持台(7)からなっている。該
装置はこれに本発明容器、即ち容器内にその上部を突出
して挿入された吸液芯(1)と該吸液芯を支持するため
の芯支持体(2)とを有する薬液収容容器(3)とを装
着し、発熱体(4)に通電(コード(図示せず)利用に
よる)して発熱させることによって実用される。
【0018】上記装置に利用される発熱体としては、通
常通電により発熱する発熱体が汎用されているが、これ
に限定されることなく、例えば空気酸化発熱材、白金触
媒等を利用した発熱材等の公知のいかなる発熱体であっ
てもかまわない。
【0019】本発明容器を利用した上記装置にて殺虫を
行なう方法は、容器に収容された薬液が吸液芯より蒸散
し得る適当な温度に吸液芯を加熱することにより実施さ
れる。該加熱温度は、殺虫剤の種類等に応じて適宜に決
定される。但しこの加熱温度は発熱体の表面温度が70
〜150℃、好ましくは135〜145℃の範囲であっ
て、且つ吸液芯の表面温度が60〜135℃となる条件
を満たす必要があり、この条件を満たさない場合は、上
記吸液芯を利用するといえども、本発明所期の効果は奏
し難くなる。
【0020】かくして、本発明によれば、吸液芯の目づ
まりを確実に回避して、充分な殺虫効果を奏し得る殺虫
剤濃度をもって殺虫剤を長期間持続して揮散させ得る。
【0021】
【実施例】以下本発明を更に詳しく説明するため実施例
を挙げる。
【0022】
【実施例1〜78】 パーライト60重量部及び木粉2
0重量部に澱粉20重量部と水を加えて練合後、押出成
型乾燥して、多孔質吸液芯(直径7mm×長さ70mm、吸
油速度約14時間)を調製し、これを第1図に示すよう
にして本発明容器に利用した。
【0023】下記第1表に示す殺虫剤No.AA〜AU及
び有機溶剤のそれぞれ所定量に更に化合物CA〜CZを
所定の配合割合で添加混合するか又は混合することな
く、吸液芯用殺虫液組成物(実施例No.1〜78)を得
た。
【0024】
【表1】
【0025】
【表2】
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】尚、第1表中溶剤の項における記号は以下
のものを示す。
【0029】BA…沸点150〜180℃/760mmH
gの脂肪族炭化水素 BB…沸点180〜210℃/760mmHgの脂肪族炭
化水素 BC…沸点210〜240℃/760mmHgの脂肪族炭
化水素 BD…沸点240〜270℃/760mmHgの脂肪族炭
化水素 BE…沸点270〜300℃/760mmHgの脂肪族炭
化水素 BF…沸点300〜350℃/760mmHgの脂肪族炭
化水素 上記で調製した薬液の夫々50mlを、第1図に示す容器
(3)に入れ、表面温度135℃の発熱体(4)に通電
して吸液芯(1)の上側面部を温度135℃以下(12
0〜130℃)に加熱し、該加熱による薬液試料中の殺
虫剤の蒸散試験を行なった。尚、発熱体(4)としては
内径10mm及び厚さ10mmの中空円板状発熱体を夫々用
いた。
【0030】殺虫剤の揮散量は揮散蒸気を毎時間毎にシ
リカゲルカラムに吸引捕集し、このシリカゲルをクロロ
ホルムで抽出し、濃縮後、ガスクロマトグラフにて定量
分析した。
【0031】薬液試料の加熱開始より10時間後、10
0時間後、200時間後、300時間後及び400時間
後の1時間当りの殺虫剤揮散量mg/hrを求めた結果を下
記第2表に示す。
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】上記第2表より、本発明によれば、殺虫剤
揮散量を顕著に向上でき、しかもこの向上された揮散量
を、加熱開始より200時間後又は400時間後も殆ん
ど低下させることなく持続発現させ得ることが明白であ
る。
【0036】
【比較例1〜9】薬液として殺虫剤プラレトリンの1w
t%を有機溶剤BDに溶解して調製した組成物を用い、
また吸液芯として実施例1と同様にして作成した多孔質
吸液芯[パーライト80重量部に澱粉20重量部と水と
を加えて練合後、押出成型乾燥したもの、直径7mm×長
さ70mm、吸油速度約14時間]を用いて、本発明容器
を得た。
【0037】得られた容器(薬液量50ml)を実施例1
と同様にして第1図と同様の装置に、発熱体の表面温度
と吸液芯の表面温度とが所定温度となるように種々変化
させて装着し、発熱体(4)に通電して吸液芯(1)を
加熱し、該加熱による薬液中の殺虫剤の蒸散試験を行な
い、加熱開始より10、150及び200時間後の1時
間当りの殺虫剤揮散量(mg/hr)を求めた。
【0038】得られた結果を、上記試験において採用し
た発熱体の表面温度(℃)及び吸液芯の表面温度(℃)
と共に、第3表に示す。
【0039】
【表8】
【0040】上記比較1〜6に示すように、吸液芯の表
面温度は満足するが発熱体温度が本発明範囲を外れる場
合、殺虫剤揮散量が少なすぎて有効濃度に達しないばか
りか、該揮散量にバラツキの生じることが判る。また、
発熱体温度は満足するが吸液芯表面温度が本発明範囲を
外れる場合、比較7〜9に示すように、10時間までの
間は殺虫剤揮散量が多すぎ、逆に150時間までの間は
殺虫剤揮散量が少なすぎ、200時間までの間はほとん
ど揮散していないことが判る。之等に対して、発熱体温
度及び吸液芯表面温度の両者を満足する本発明の場合、
素晴らしい効果が得られることが明らかである。
【0041】
【実施例79〜90及び比較例10〜13】薬液として
殺虫剤AOの4wt%を有機溶剤BA、BB及びBCのい
ずれかに溶解して調製した組成物を用い、吸液芯として
実施例1と同様にして先製した多孔質吸液芯[パーライ
ト80重量部に澱粉20重量部と水とを加えて練合後、
押出成型乾燥したもの、直径7mm×長さ70mm、吸油速
度約14時間]を用いて、本発明容器を得た。
【0042】上記容器を実施例1と同様にして装置に装
着し、同様の殺虫剤の蒸散試験を行ない、加熱開始より
10、150及び200時間後の1時間当りの殺虫剤揮
散量(mg/hr)を求めた。
【0043】得られた結果を、上記試験において採用し
た発熱体の表面温度(℃)及び吸液芯の表面温度(℃)
と共に、第4表に示す。
【0044】
【表9】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の実施に適した装置の一例の概
略図である。
【符号の説明】
(1)…吸液芯、(2)…芯支持体、(3)…薬液収容
容器、(4)…発熱体

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸液芯を発熱体により間接加熱して該芯
    より薬剤を加熱蒸散させるための吸上式加熱蒸散型装置
    に用いられる薬液収容容器であって、容器内に芯の上部
    を突出した状態で挿入された吸液芯を備えており、且つ
    該容器内には殺虫成分、目詰まり防止剤及び殺虫成分の
    溶剤からなる殺虫液が収容されていることを特徴とする
    加熱蒸散型装置用容器。
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