JP2731789B2 - 吸液芯およびその製造方法並びに薬剤蒸散方法 - Google Patents
吸液芯およびその製造方法並びに薬剤蒸散方法Info
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Description
よびその製造方法並びに薬剤蒸散方法に関するものであ
る。
しては、(1)いわゆる蚊取線香および(2)電気蚊取
マット等が愛好されてきた。
熱して薬剤を加熱蒸散させる方式(以下、液体方式と呼
ぶ)が、一回毎にマット等を交換する必要がないこと、
効果が長時間安定すること等の理由で再び注目されてき
た。
昭43−25081号公報には直接加熱による方式が記載され
ているが、直接加熱による場合には薬剤の分散が激しい
ため、一般には間接加熱による方式が採用される傾向に
ある。間接加熱による方式としては、吸液芯と発熱体と
の間にフェルト等を介在させて加熱する方法が実公昭36
−12459号公報、実公昭46−22585号公報に記載され、ま
た吸液芯と発熱体とを一定間隔で離間して加熱する方法
が実公昭43−26274号公報、実公昭44−8361号公報、実
公昭45−14913号公報、実公昭45−292445号公報に記載
されている。
等で長期の持続性に難点があり、結局前記蚊取線香や蚊
取マットに比べその長所が認識されず、市場には受け入
れられずに終わっていた。
は、生活向上に伴う生活意識、生活環境の変化もさるこ
とながら、発熱体の技術進歩、少量で有効な殺虫成分の
開発、有効成分を含め薬剤原料の品質向上、プラスチッ
ク加工技術の進歩によるところと考えられる。
吸液芯としては、かつてフェルトがそのままの形で用い
られてきたが、フェルトの場合、一般に吸液量が多すぎ
たり、保管、輸送、使用時に薬液が芯を介してあふれ
る、あるいはその柔軟性の故に芯を正しくセットしにく
い等の問題がある。
水溶性糊剤で固着成形した吸液芯が特公昭61−23163号
公報、特公昭59−40409号公報、特開昭63−24841号公
報、特開昭63−63330号公報、特開昭63−74440号公報に
示されている。また、本発明者等も炭酸カルシウムまた
はマグネシアあるいはこれに有機粉末を含む粉体を糊剤
で固着した吸液芯を見いだし、先に特許出願を行った
(特願昭63−328526号)。
活性のためにしばしば薬液が化学的に分解を受ける等の
問題があった。
有機質の水溶性糊剤が製造上有利なので用いられること
が多いが、この場合でも、薬液が水性溶液の場合は、当
然のことながら糊剤の溶解、溶出、膨潤により吸液芯の
物理的劣化が起こるので使用に耐えないという問題が残
っていた。
リカ、タルク、マイカ、珪藻土などの無機質粉体を600
ないし2000℃で焼成することによって、これらの無機質
粉体の表面活性を薬剤の分解を生ぜしめない程度にまで
下げることができ、吸液芯の素材として極めて有用なこ
とを見出した。
然のことながら焼成中にそのほとんどが消失してしまう
が、各種粘度、タールピッチなどの無機質粘結剤を用い
た場合、常温では粘結作用が乏しいものの、焼成の過程
で十分な粘結作用を示すようになり、吸液芯として成形
が可能となった。さらに、混合粉体に配合された有機物
質が焼成過程で一酸化炭素あるいは二酸化炭素などのガ
スを発生させて吸液芯中に連続気孔を生成し、毛細管現
象により吸液性能を示すのに十分ポーラスな吸液芯を調
製し得ることが明らかとなった。
合物を、600ないし2000℃で焼成してなることを特徴と
する吸液芯に係り、薬液の分解の心配がなく、しかも無
機物が主体のための水性薬液も適用可能な極めて有用な
吸液芯を提供するものである。
熱蒸散方法を提供するものである。好適には薬剤として
ピレスロイドを用いて該薬剤を加熱蒸散せしめ、蚊、ハ
エ等の害虫を防除する目的に用いる。なお、薬剤を含有
する溶液は水性溶液であっても、油性溶液であってもか
まわない。
カ、タルク、マイカ、ジルコニア、珪藻土、活性白土な
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの無機質粉体は、本発明の吸液芯の組成中10ない
し90重量%、好ましくは30ないし70重量%配合され、そ
して50メッシュ以下の微粉状のものが、成形上からも、
吸液芯の外観、吸液性、強度等の物性の点でも好ましい
が、混合あるいは成形工程で粉砕を伴うときはこの限り
ではない。
リオレフィン樹脂などの各種合成樹脂、あるいは後記す
る有機質粘結剤などが挙げられ、これらを本発明の吸液
芯の組成中0.5ないし30重量%配合すれば、吸液性能を
示すのに十分ポーラスな吸液芯を得ることができる。
で活性炭、カーボンブラック、木炭、黒鉛、コークスな
どの炭素質粉体を配合して、吸液芯の外観、色調、吸液
性、強度などを改善することができる。
ト、ハロサイトなどの各種粘度、タールピッチ、水ガラ
スなどの無機質粘結剤が必須であり、5ないし50重量
%、好ましくは10ないし40重量%配合される。これらの
無機質粘結剤は常温では粘結作用が乏しいが、600ない
し2000℃で焼成することにより十分な粘結作用を示し、
本目的の吸液芯に適用可能となったものである。
の吸液芯など、従来の吸液芯のほとんどは、デンプン、
カルボキシメチルセルロースなどの有機質粘結剤で固め
たものであり、従って無機質粘結剤を焼成して使用する
本発明は、従来の知見から全く予想し得ない技術といえ
る。
および無機質粘結剤の必要量を配合した混合物に、適当
量の水を加え混練後、成形・乾燥し、600ないし2000
℃、好ましくは800ないし1100℃で焼成することにより
製造される。この製造方法もまた本発明を構成する。焼
成の際、600℃未満では焼成が十分達成し得ず、2000℃
を越えると組成原料の変質を招くことがあるので好まし
くない。
下600ないし1000℃で焼して、水分・有機物を除去す
る工程を経た後、還元雰囲気下さらに高温で焼成する2
段階工程となしてもよい。この場合、芯中の気孔の状態
が安定化するという効果があるが、必須ではない。
用を例示できるが、もちろんその他種々の成形機に適用
可能であることはいうまでもない。
その成形性を改善するため、若干の各種デンプン、各種
合成樹脂などの有機質粘結剤、あるいはポリエチレング
リコールやグリセリンなどの成形補助剤を添加してもよ
く、水に不溶の有機質粘結剤を用いる場合は適当な溶剤
を使用してもかまわない。この場合、有機質粘結剤は吸
液芯に連続気孔を生成するのに必要な前記有機物質と同
様の役割も果たすので、有機質粘結剤の添加量により、
有機物質の配合量を減じることができる。
酸塩で代用し、焼成中に一酸化炭素あるいは二酸化炭素
ガスを発生させ、同様に連続気孔を生成させて、吸液芯
の吸液量あるいは揮散量を改善することができる。ここ
でいう炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリ
ウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどがが挙げ
られ、全体量に対して5ないし25重量%配合すれば好適
な結果が得られる。
に、吸液芯の長さ方向に炭素繊維を配設し、毛細管現象
をより強めることも可能で、この目的のためには、炭素
繊維を5ないし25重量%配合すればよい。
量、間隙の大きさや粗密、表面積などを適宜選ぶことに
よって、吸液量、揮散速度を適宜調節できるほか、薬液
の分解を引き起こす心配がなく、また従来の例えばフェ
ルト単独の吸液芯にみられた過度の吸液量、保管、輸
送、使用時の薬液のあふれ等の問題を解消することがで
き、極めて有用なものである。
防虫、難燃その他の処理をしてもよい。
て、各種殺虫剤、殺菌剤、消臭剤、香料等の薬剤を加熱
飛散させる液体方式加熱蒸散装置の吸液芯として好適に
用いることができる。
に示す。図中、1は薬液2を入れた容器であり、該容器
1は収納容器3内に係脱自在に収納、保持されている。
収納容器3の上部は開放されており、この開放部に環状
(あるいは一対の半環状)の発熱体4が固着されてい
る。5は発熱体4に接続されたコードである。容器1の
上部には薬液注入口6が設けられており、この薬液注入
口6に、吸液芯7が、その上部が環状発熱体4の中心部
に配設されるように、略密栓状に保持されている。図示
するものは本発明の吸液芯を用いるのに好適な装置の一
例であるが、これに限らず各種形状の装置を用いること
ができることは言うまでもない。
虫液、芳香液等が用いられる。上記装置が加熱蒸散殺虫
装置として用いられる場合には、容器1に殺虫液を入
れ、発熱体4に通電して、殺虫剤の種類に応じて好まし
くは吸液芯7の表面温度が70〜140℃となるように加熱
する。加熱温度が高すぎると、薬剤の熱分解や重合が生
じ易く、揮散有効成分量が低くなるという問題があり、
また、この結果生成される高沸点物質等の吸液芯内への
蓄積およびこれによる芯の目詰まりを起こし易くなるの
で好ましくない。また、加熱温度が低すぎると、当然の
ことながら有効成分の揮散が遅くなり、場合により溶剤
のみ揮散し、有効成分の揮散が妨げられることもある。
って最適の温度が選択される。
溶液を用いる。溶媒としては引火点が高く、臭みがな
く、かつ毒性学上安全なものが好ましい。また、用いる
溶媒の沸点としては該吸液芯の加熱温度にもよるが、15
0〜350℃の範囲に入るものが好ましい。これらの条件を
満足するものとしては炭素原子数12以上の飽和脂肪族も
しくは脂環式炭化水素を挙げることができ、これらはノ
ルマルパラフィン、イソパラフィンあるいはナフテン系
炭化水素として工業的に入手可能である。この他、芳香
族炭化水素としては、フェニルキシリルエタン等が無臭
の溶剤として使用できる。もちろん上記条件を満足する
溶媒であれば、これら炭化水素に限定されるものではな
い。例えば、各種非イオン型界面活性剤、好ましくはポ
リオキシアルキレンアルキルエーテル系の可溶化剤(ミ
セル形成の有無にかかわらず殺虫成分を水中で清澄な状
態で安定化しうるものを指し、通常の界面活性剤の他、
水および油に相溶する溶剤をも含む。)を配合して水性
殺虫液となし、引火性の問題を解消することもできる。
れている各種揮散性殺虫剤を用いることができ、ピレス
ロイド系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、有機リン系殺
虫剤等を挙げることができる。一般に安全性が高いこと
からピレスロイド系殺虫剤が好適に用いられ、例えば以
下のような殺虫剤である。
ン−4−オン−1−イル dl−シス/トランス−クリサ
ンテマート(一般名アレスリン,商品名ピナミン,住友
化学工業株式会社製) (b) 3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エ
ン−4−オン−1−イル d−シ/トランス−クリサン
テマート(商品名ピナミンフォルテ,住友化学工業株式
会社製,以下殺虫剤Aと略称する) (c) d−3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2
−エン−4−オン−1−イル d−トランス−クリサン
テマート(商品名エキスリン,住友化学工業株式会社
製) (d) 3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エ
ン−4−オン−1−イル d−トランス−クリサンテマ
ート(一般名バイオアレスリン) (e) 2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニ
ル)シクロペンタ−2−エニル クリサンテマート (f) (S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−
プロピニル)シクロペンタ−2−エニル d−シス/ト
ランス−クリサンテマート(一般名プラレスリン,以下
殺虫剤Bと略称する) (g) N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)メ
チル dl−シス/トランス−クリサンテマート(一般名
フタルスリン,商品名ネオピナミン,住友化学工業株式
会社製) (h) 3−フェノキシベンジル 2−(4−エトキシ
フェニル)−2−メチルプロピルエーテル(一般名エト
フェンプロックス) (i) 5−ベンジル−3−フリルメチル d−シス/
トランス−クリサンテマート(一般名レスメトリン,商
品名クリスロンフォルテ,住友化学工業株式会社製,以
下殺虫剤Cと略称する) (j) 5−プロパルギル−2−フリルメチル クリサ
ンテマート(一般名フラメトリン) (k) 5−プロパルギル−2−フリルメチル d−シ
ス/トランス−クリサンテマート(商品名ピナミンDフ
ォルテ,住友化学工業株式会社製,以下殺虫剤Dと略称
する) (l) 3−フェノキシベンジル 2,2−ジメチル−3
−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシ
レート(一般名ペルメトリン,商品名エクスミン,住友
化学工業株式会社製,以下殺虫剤Eと略称する) (m) 3−フェノキシベンジル d−シス/トランス
−クリサンテマート(一般名フェノトリン,商品名スミ
スリン,住友化学工業株式会社製,以下殺虫剤Fと略称
する) (n) α−シアノ−3−フェノキシベンジル α−イ
ソプロピル−4−クロロフェニルアセテート(一般名フ
ェンバレレート,商品名スミサイジン,住友化学工業株
式会社製) (o) (S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(S)−α−イソプロピル−4−クロロフェニルアセ
テート(一般名エスフェンバレレート) (p) (S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジ
メチルシクロプロパンカルボキシレート (q) (RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(1RS)−シス/トランス−3−(2,2−ジクロロビニ
ル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート
(一般名シペルメトリン) (r) α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シ
ス/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノトリ
ン) (s) α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,3,
3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート(一
般名フェンプロパトリン) (t) 〔(ペンタフルオロフェニル)−メチル〕(1
R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2−ジメチル
シクロプロパンカルボキシレート(一般名フェンフルス
リン) (u) 1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル
d−シス/トランス−クリサンテマート(一般名エムペ
ントリン,以下殺虫剤Gと略称する) (v) 3−アリル−2−メチル−シクロペンタ−2−
エン−4−オン−1−イル 2,2,3,3−テトラメチルシ
クロプロパンカルボキシレート(一般名テラレスリン) (w) 1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレー
ト (x) 1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル
2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シクロプ
ロパンカルボキシレート (y) N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミド)メ
チル d−シス/トランス−クリサンテマート(商品名
ネオピナミンフォルテ,住友化学工業株式会社製,以下
殺虫剤Hと略称する) (z) ジメチル(4−エトキシフェニル){3−(3
−フェノキシ−4−フルオロフェニル)プロピル}シラ
ン これらのうち殺虫剤A〜Hがその工業的入手性、経済
性、効力、安全性の諸点で好ましく、なかでも殺虫剤D
が効力および経済性の点で優れている。
以上、20重量%以下が良好であり、好ましくは0.5ない
し8重量%の範囲の濃度である。
ることもできる。
素、その他の助剤を薬液中に少量添加することもでき
る。
よび人工の各種香料を用いることができ、例えば動物性
および/または植物性の天然香料、炭化水素、アルコー
ル、フェノール、アルデヒド、ケトン、ラクトン、オキ
シド、エステル類等の人工香料等であり、これらの1種
を単独で使用できるほか、2種以上を混合して使用する
こともできる。更に、目的に応じて消臭剤、殺菌剤、忌
避剤等の各種薬剤についても、加熱により揮散する薬剤
であれば使用できる。このような各種薬剤濃度としては
0.5ないし10重量%が好ましい。
はこれに限定されるものではない。
芯1cc当たり吸油されるノルマルパラフィンの重量
(g)であり、吸油速度とは吸液芯を70mmに切断し、室
温においてその下部15mmを前記ノルマルパラフィンに浸
漬し、芯頂にノルマルパラフィンが到達する時間を云
う。
数14〜16の留分のものを指す。
オキシブチルエーテル)を40重量%含む水溶液について
上記と同様に測定したものである。
6.0重量%、カオリンクレー19.0重量%、デンプン2.0重
量%からなる粉体をよく混合し、これに全粉体量に対し
て30.0重量%の水を加え、混練した。これを7.0mmのノ
ズルを有する押出し成形機で加圧押出しを行い、得られ
た棒状成形物を風乾後、1000℃で焼成して本発明の吸液
芯を得た。この吸液芯1ccであたりの吸油量は0.35g、吸
油速度は5時間だった。
成し、表1の物性を有する吸液芯を得た。
デンプン20重量%の混合物に、全粉体量に対して130重
量%の水を加え混練し、これを押出し成形後風乾して、
従来の吸液芯を得た。吸油量は0.33g/cc、吸油速度は8
時間であった。
石膏49.0重量%、CMC−Na2.0重量%から吸液芯を作成し
た。この吸液芯の吸油量は0.30g/cc、吸油速度は9時間
であった。なお、この吸液芯を水性殺虫液に浸漬した場
合、膨潤、劣化が生じ使用に耐えなかった。
コークス粉30.0重量%、木粉6.0重量%、カオリンクレ
ー19.0重量%、テンプン2.0重量%からなる混合物に、
全粉体量に対して50重量%の水を加え混練し、これを押
出成形後、水分が1%以下になるまで50〜80℃で乾燥し
たところ、芯の形状が壊れる現象がみられ、吸液芯とし
て付加であった。
粉砕し、得られた粉体3gに下記殺虫剤の3.6%ノルマル
パラフィン溶液1gを吸収させ、この粉体を130℃、8時
間の条件で密栓保存し、これら殺虫有効成分の残存率
(%)を比較した。結果を下の表2に示す。
得られた本発明の吸液芯、並びに比較例1、2で得られ
た従来の吸液芯をそれぞれセットし、殺虫剤D1.8重量
%、BHT1.0重量%をノルマルパラフィン、またはジエチ
レンオキシブチルエーテル40重量%配合の水に溶解した
薬液35gを入れ、前記吸液芯側面を120℃に加熱し揮散試
験を実施した。なお、所定の加熱時間時間迄に薬液が不
足する時はその時点で新たに薬液のみ補充した。揮散試
験は(1)薬液の時間当たりの減少量並びに(2)時間
当たりの殺虫剤揮散量を調べた。(2)においては一定
時間毎にシリカゲル充填カラムでトラップし、アセトン
で殺虫剤を抽出し、ガスクロマトグラムで分析した。
芯を用いることにより、殺虫剤D、Bのようなフラン環
や炭素−炭素三重結合を有するものが薬剤であっても、
本加熱蒸散方式において安定であり、薬液の揮散量、殺
虫有効成分の経時的減少がほとんどないという効果が得
られた。
質粉体、有機物質および無機質粘結剤からなる混合物を
600ないし2000℃で焼成することによって得られ、構造
的および性能的にも優れるほか、薬剤の分解を生じる恐
れがないこと、また薬剤が水性溶液の場合でも吸液芯の
物理的劣化がないことなど、従来の有機質粘結剤を用い
る吸液芯からは予想し得ない特徴を有するものである。
また従来の方法を上回る効果を奏するものである。
例を示す縦断面図である。 図中、 1……容器、2……薬液 3……収納容器、4……発熱体 5……コード、6……薬液注入口 7……吸液芯
Claims (6)
- 【請求項1】無機質粉体、有機物質および無機質粘結剤
からなる混合物を、600ないし2000℃で焼成してなるこ
とを特徴とする吸液芯。 - 【請求項2】薬剤を含有する溶液を吸液芯に吸液し、該
吸液芯を加熱して薬剤を蒸散せしめる蒸散方法におい
て、該吸液芯が請求項1記載の吸液芯であることを特徴
とする薬剤蒸散方法。 - 【請求項3】該溶液が水性溶液である請求項2記載の薬
剤蒸散方法。 - 【請求項4】該溶液が油性溶液である請求項2記載の薬
剤蒸散方法。 - 【請求項5】該薬剤がピレスロイドである請求項2、3
または4記載の薬剤蒸散方法。 - 【請求項6】無機質粉体、有機物質および無機質粘結剤
からなる混合物に水を加え混練後、成形・乾燥し、600
ないし2000℃で焼成することを特徴とする吸液芯の製造
方法。
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