JP4659642B2 - 吸液用セラミック部材 - Google Patents

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本発明は、加湿用途や芳香、消臭用途、殺虫用途として、水、芳香剤、消臭剤や殺虫剤などの液体を、毛細管現象を利用して吸液し、表面より蒸散させるための吸液用セラミック部材に関する。
近年、加湿用途や芳香、消臭用途、殺虫用途として、水、芳香剤、消臭剤や殺虫剤などの液体を蒸散させる方式として、液体中に多孔質体の一部を浸漬させて、該多孔質体の毛細管現象を利用して薬液を供給するとともに、該多孔質体の表面より蒸散させる蒸散方式が知られている。
これらの吸い上げ蒸散用多孔質体として、樹脂が一般的に用いられているが、加熱用ヒーターを備えたものはその温度安定性から安全面から、近年セラミックス製が好適に用いられるようになりつつある。
薬液の吸い上げ性能を向上させるためには、吸い上げ蒸散用ロッドの軸方向に気孔が配向することが望ましく、静磁場中に静置したセラミックスラリー中で金属磁性材料を配向せしめ、セラミックススラリーを乾燥固化後、真空または不活性雰囲気中で金属磁性材料とセラミックスが反応する温度以下で熱処理することによって、配向した結晶粒子を表面に有する貫通孔を得ることが特許文献1に示されている。
また、特許文献2では、金属磁性繊維を熱処理後セラミックスとなる物質で被覆し、静磁場中で静置し、一方向に配向させ、その上にセラミックススラリーを被着し、次いで、酸処理により金属磁性繊維を除去した後、再度加熱し結合強化することによって配向した結晶粒子を表面に有する貫通孔を備えた部材を得ることが示されている。また、特許文献3では、表面を金属磁性材料で被覆した有機繊維状物質を磁場中で配向せしめ、その上にセラミックススラリーを被着し、ついで加熱除去して配向した結晶粒子を表面に有する貫通孔を得ることが記載されている。
特開平10−139563号公報 特開平11−116352号公報 特開平11−171663号公報
しかしながら、特許文献1の方法によると、セラミックスが反応する温度以下で金属磁性材料を熱処理しなければならないため、反応温度以上で熱処理される金属を使用することができない。また、配向の制御が磁界方向の一方向のみであり、磁界方向に直交する方向の配向は制御されていないため、一方向への流体の浸透速度は制御可能であるが、外周への浸透速度を制御することが困難であり、外周から流体を蒸散させる場合、その蒸散速度の制御が困難となる。また、特許文献2、特許文献3の方法においても同様の問題が懸念される。
特許文献1〜3では、配向工程、被着工程、熱処理工程、さらにもう一度熱処理工程が必要となり、生産性も著しく悪い上、生産コストも多大なものとなる。
また、材料の粒子径や気孔率等で液の供給速度が大きく変化するため、原料、焼成温度等の高度な管理が要求される。
本発明は、主成分として扁平状の結晶粒子からなる多孔質セラミックスから成る柱状または筒状体により構成され、軸に略平行方向の断面において、結晶粒子が軸に対して略平行に配向し、且つ軸に略垂直方向の断面において、中心部から外周部に向かって所定方向に配向する複数の結晶粒子からなる配向部を放射状に備えたことを特徴とする。
また、本発明は、主成分として扁平状の結晶粒子からなる多孔質セラミックスから成る柱状または筒状体により構成され、軸に略平行方向の断面において、結晶粒子が軸に対して略平行に配向し、且つ軸に略垂直方向の断面において、外周に沿って所定方向に配向する複数の結晶粒子からなる配向部を同心状に備えたことを特徴とする。
さらに、前記軸に略垂直方向の断面において、前記配向部の結晶粒子の配向率が60%〜90%であることを特徴とする。
またさらに、前記多孔質セラミックスは、その気孔率が20〜60%であることを特徴とする。
また、前記多孔質セラミックスは、ムライト質セラミックスであることを特徴とする。
本発明は、主成分として扁平状の結晶粒子からなる多孔質セラミックスから成る柱状または筒状体により構成され、軸に略平行方向の断面において、結晶粒子が軸に対して略平行に配向し、且つ軸に略垂直方向の断面において、中心部から外周部に向かって所定方向に配向する複数の結晶粒子からなる配向部を放射状に備えたことから、配向部により吸液用セラミック部材の毛細管現象による吸い上げを促進する作用があり液体の浸漬部から一定量の液体を安定して吸い上げ、吸液用セラミック部材の内部から外表面への液体の浸透速度を制御することが可能であり、容易に蒸散速度を制御することができ、さらには液体の不規則な供給を防ぐことができる。また、配向部を放射状とした場合、配向方向を中心部から外周部に向かうようにすることにより、外表面への浸透速度が速くなるため、液の供給量が増加し、高い蒸散速度が要求される場合に有効となる。
さらに、配向部を同心状にとすることにより、同様に、配向部の結晶粒子の配向方向を制御することで液体の浸透速度を制御することが可能となり、容易に蒸散速度を制御することができる。また、配向部を同心状とした場合、配向方向を外周に沿って配向させることにより、内部から外表面への浸透速度が遅くなるため、外表面からの蒸散量が少なくなり、蒸散量の殆どが吸液用セラミック部材の開放側の端面からとなるため、非常に安定した蒸散速度を得ることができる。
さらに、蒸散速度は配向部によって制御されるため、これまでのように蒸散量を増加させるために多孔質セラミックスの気孔率を大きくする必要がなく、気孔率を上げるための樹脂粉末や炭素粉末等の気孔形成剤を添加する必要がなくなり、高度な焼成温度管理が必要なくなり、気孔形成剤の分解時に発生する有害ガスや温室効果ガスを抑制できる。
またさらに、前記軸に略垂直方向の断面において、前記配向部の結晶粒子の配向率が60%〜90%であることにより、先ず60%以上とすることで配向方向への液体の浸透速度の促進が十分に行われ、蒸散速度の促進効果を得ることができ、さらに配向率を90%以下とすることで、配向部とそれ以外の部分の境界部において結晶粒子の異方性が強くなりすぎることはなく、境界部において結晶粒子が剥離するのを有効に防止でき、また、内部応力や内部欠陥の発生が生じることなく液体の浸透速度を制御することができる。
また、前記多孔質セラミックスは、その気孔率が20〜60%であることにより、気孔率が低すぎるために気孔が塞がれ、貫通孔を成さなくなる問題を回避するとともに、気孔率が高すぎるために強度が著しく低下し、操作や組立の際に破損する問題を回避することができる。
また、前記多孔質セラミックスは、ムライト質セラミックスであることにより、その液相焼結による焼結進行過程により、焼成温度により気孔率を操作することが容易であり、粉砕による粒子形状を変化させることが容易であり、結晶形態が針状結晶をとることにより比較的異方性を持った結晶への粉砕が容易であることから、結晶粒子の偏平具合を容易に操作することができる。
以下、本発明の吸液用セラミック部材の実施形態について説明する。
先ず、本発明の吸液用セラミック部材の第1の実施形態について説明する。
図1は、本発明の吸液用セラミック部材1の一例を示し、(a)は斜視図、(b)は同図(a)の軸に略平行方向のB−B‘線における断面図、(c)は同図(a)の軸に略垂直方向のC−C’線における断面図である。
本発明の吸液用セラミック部材1は、多数の気孔2を有する多孔質セラミックスから成る柱状または筒状体により構成され、アルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニア、窒化珪素等の種々のセラミックスを主成分とし、特にムライト質セラミックスから成ることが好ましい。これは、その液相焼結による焼結過程により、焼成温度により気孔率を操作することが容易であるとともに、粉砕による粒子形状を変化させることが容易であることから、結晶粒子の偏平形状を容易に操作することができるためである。
また、吸液用セラミック部材1を成す多孔質セラミックスの結晶粒子は主に偏平状の結晶粒子3とするものである。結晶粒子全体のうち扁平状の結晶粒子は、50重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上、より好ましくは95重量%以上を結晶粒子3からなることが好ましい。また、扁平状の結晶粒子3は、偏平の状態においては、アスペクト比3以上、好ましくは5以上、さらには10以上とすることがより好ましい。このアスペクト比は、軸に対して略垂直方向の断面で観察した偏平状の結晶粒子3の最も長い辺を最も短い辺で除した数値とする。これは、アスペクト比の高い偏平状粒子ほど、配向率を高くすることが容易になるためであり、さらにはその配合比が高くなるほどその配向率が大きくなるからである。配向性が高くなると、配向した方向へは液体の浸透速度が速く、それに略直交する方向への液体の浸透速度は遅くなり、この2方向への液体の浸透速度が著しく変化する。
また、吸液用セラミック部材1を構成する多孔質セラミックスの気孔率は、20%〜60%とすることが好ましい。
これは、気孔率を20%以上とすることで、各気孔2同士が確実に連通して連通孔となるため、十分な吸い上げ性能を確保できる。また、気孔率が60%以下とすることで、著しい強度低下を避けられるため、操作時や組立時などに要求される強度を確保することができ、破損することを回避することができる。より好ましくは35%〜45%である。なお、気孔率の測定方法としては、ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定方法(JIS R1634)に準拠して求めることができる。
さらに、本発明の吸液用セラミック部材1は、図1(b)に示すように、軸Aに略平行方向の断面において、扁平状の結晶粒子3が軸Aに対して略平行に配向しており、且つ図1(c)に示すように、軸Aに略垂直方向の断面において、所定方向に配向する複数の結晶粒子3からなる配向部4を放射状に備えることが重要である。
この配向部4を有することにより、吸液用セラミック部材1の内部から外表面部に向けて液体が浸透する速度を制御できるため、液体の蒸散速度を制御することができ、液体の蒸散速度を配向部4の数等を制御することによって制御することが可能となる。
また、配向部4の結晶粒子3を図2(a)の拡大断面図に示す。ここで、所定方向に配向する複数の結晶粒子3からなる配向部4とは、軸Aに略平行方向の断面において、断面の中心より結晶の重点5に向けて引いた直線7に対して、結晶粒子内に最長となるようにとった線分6が成す角度θが−20°〜20°の範囲内である結晶粒子が観察断面積に対して50%以上となる領域を言う。なお、結晶粒子3の配向は、前記断面を研磨加工した後、SEM(走査電子顕微鏡)によって観察する。
特に、配向部4を放射状に備えた場合には、配向の方向を中心部から外周部に向かう方向、即ち前記角度θが−20°〜20°とすることにより、外表面への液体の浸透速度を速くすることができるため、液体の供給量が増加し、高い蒸散速度が要求される場合に有効となる。
また、配向部4の配向率は、軸Aに略垂直方向の断面において、配向部4の結晶粒子3の配向率が60%〜90%であることが好ましい。
配向部4における配向率を60%以上とすることで不規則に配向した部分が少ないため、吸液用セラミック部材1の内部から外表面部への液体の浸透速度の促進が可能となる。なお、配向率を制御するには、詳細は後述するが、用いる結晶粒子3のアスペクト比が高いほど配向率を大きくでき、押出成形時の配向制御用の口金より金型までの距離を短くすることによっても大きくすることができる。一方、配向率が90%を超えると配向率が高すぎるために配向部4とそれ以外の部分の界面において結晶粒子3の剥離が生じるために、90%以下とすることで防止することができる。
なお、配向率の測定方法は、軸Aに略平行方向の断面において、研磨加工を施し、その面をSEM(走査電子顕微鏡)にて観察し、上述の定義による配向した結晶粒子3が観察領域の断面積に対して割合を算出したものである。
また、前記配向部4を放射状に備えた場合として、例えば、図3(a)〜(c)に示すように、図3(a)に示すように放射状の配向部4を複数備えたもの、(b)のように規則的に配向部4を備えたもの、(c)のように一部に配向部4を備えたもの等がある。これは、用いる液体の特性や、蒸散速度の要求に合わせて設計するもので、蒸散速度が速いほど図3(a)のような全体に配向部4を備えたものを用いればよく、また、液体消費時間が定められている場合は、図3(b)、(c)のように、配向部4の状態を変化させて蒸散速度を制御し、液体消費時間を制御することが可能である。
次いで、本発明の第2の実施形態について図4を用いて説明する。
図4は、上述の第1の実施形態における吸液用セラミック部材1における配向部4を、軸Aを中心に同心状に備えたものである。
第1の実施形態と同様、主成分として扁平状の結晶粒子3からなる多孔質セラミックスから成る柱状または筒状体により構成され、図4(a)に示すように軸Aに略平行方向のB−B’線における断面において、結晶粒子3が軸Aに対して略平行に配向し、且つ図4(b)に示すように軸Aに略垂直方向のC−C’線における断面において、所定方向に配向する複数の結晶粒子3からなる配向部4を同心状に備えたものである。
ここで、中心部から外周部に向けて所定方向に配向する複数の結晶粒子3からなる配向部4とは、上述の第1の実施形態と同様な方法で確認でき、軸Aに略平行方向の断面において、断面の中心より結晶の重点5に向けて引いた直線7に対して、結晶粒子内に最長となるようにとった線分6が成す角度θが70°〜110°の範囲内である結晶粒子が観察断面積に対して50%以上となる領域を言う。なお、結晶粒子3の配向は、前記断面を研磨加工した後、SEM(走査電子顕微鏡)によって観察する。
配向部4を同心状に備えた場合には、結晶粒子3の配向の角度θが70°〜110°の範囲となるように外周方向に沿った方向とすることにより、内部から外表面部への浸透速度を遅くすることができるため、外表面部からの蒸散量が少なくなり、蒸散量の殆どが吸液用セラミック部材1の開放側の端面からとなり、非常に安定した蒸散速度を得ることができる。
また、前記配向部4を放射状と同心状を組み合わせたものとして、図4(c)に示すように、放射状部を一定間隔で設け、その他の部位を同心状に設計すれば、目的の蒸散量且つバラツキの少ない物となる。放射状部の放射角や数は、蒸散速度に合わせて都度設計すればよい。
さらに、同心状に配向部4を有する場合、配向部4における配向率は第1の実施形態と同様であるが、60%〜90%とすることが好ましく、60%以上としたことにより、結晶粒子3の配向方向に直交する方向への液体の浸透速度の抑制が十分に行われ、蒸散速度を安定化することができる。一方、配向率が90%を超えると焼成時に十分収縮できなくなってしまい、内部残留応力の発生や、内部クラックなどの内部欠陥の発生が生じてしまうため、同心状の場合にも配向率を60%〜90%とすることにより、内部応力や内部欠陥の発生が生じることなく液体の浸透速度を制御することができる。
次いで、本発明の吸液用セラミック部材1の製造方法について説明する。
本発明の吸液用セラミック部材1は、偏平状の結晶粒子3としてアルミナ、ムライト、シリカ、ジルコニア、窒化珪素などの電融・粉砕して作製されたものや、タルク、マイカなどの層状結晶からなるもの等が挙げられる。偏平状の結晶粒子3は、平均粒径が0.01μm乃至1000μm、アスペクト比3以上のものからなる原料粉体に、メチルセルロースなどの有機結合剤粉末を添加、30分間の乾式撹拌後に水、ワックスエマルジョンなどの潤滑剤、分散剤などの液体を添加し、30分間湿式撹拌を行い、押出し成形用の原料坏土を得る。
次に、得られた原料坏土を押出成形にて成形する。図5に押出成形装置の略断面図を示す。成形においては、例えば、焼成後に直径8mmとなるような金型8を用いて成形する。成形は、結晶粒子3を配向させるための口金9を金型8の直前に装着させ、配向形態の制御を行う。
図6(a)〜(c)に放射状に配向部4を備えた図3(a)〜(c)に対応する口金9の略図を示す。また、同心状に配向部4を備える場合は、図7(a)に示すような口金9を用いればよく、放射状、同心状の配向部4を備える場合は図7(b)に示す口金9を用いればよい。
図6、7に示すように、配向部4を形成したい場所に対応して、配向制御板10を形成しており、押し出し成形時に坏土内では配向制御板10に対して略垂直に圧力が加わること、また圧力に対し略垂直に粒子は配向することより、結果的に配向制御板10に対して略平行に粒子が配向することを利用して配向を制御している。
詳細には、図3に示すように、結晶粒子3が中心部から外周部に向かって配向する配向部4を放射状に備えた場合には、図6に示すように中心部から外周部に向かって放射状に配向制御板10を形成することで、配向制御板10の間に介在する坏土は配向制御板10に対して略平行に結晶粒子が配向するため、得られた焼結体は結晶粒子3が中心部から外周部に向かって配向する配向部4を備えることとなる。また、図4(b)に示すように結晶粒子3が外周方向に沿って配向する配向部4を同心状に備えた場合には、図7(a)に示すように同心状に配向制御板10を形成することで、配向制御板10の間に介在する坏土は配向制御板10に対して略平行に結晶粒子が配向するため、得られた焼結体は結晶粒子3が外周方向に沿って配向する配向部4を備えることとなる。
次に、得られた成形体を室温にて10時間自然乾燥を行った後、60℃の熱風乾燥にて24時間乾燥させ、焼成後に70mmの長さとなるように切断した。
次に、大気雰囲気下でバッチ炉にて450℃まで昇温した後、5時間保持して脱脂した後に、続けて1150℃まで昇温し、8時間保持して焼成を行い、得られた焼成体をセンタレス研削機において、外径が7mmφとなるように外周を研削加工した。
最後に、研削加工したものを超音波洗浄機にて洗浄した後、60℃にて12時間乾燥させ、本発明の吸液用セラミック部材1を得ることができる。
このようにして得られた本発明の吸液用セラミック部材1は、主として毛細管現象を利用して、例えば芳香剤、消臭剤、殺菌剤、殺虫剤などを含んだ液体を吸い上げ、大気開放部より液体を蒸散させる、液体蒸散用の吸液部材や、水などを吸い上げ、大気開放部より蒸散させる加湿用途などの、吸水部材などとして好適に用いることができる。また、本吸液用セラミック部材は、その高温における信頼性より、大気開放部を加熱して蒸散する、加熱蒸散装置などの吸液部材としても好適に用いることができる。
本発明の吸液用セラミック部材の一実施形態を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は軸に平行な方向の断面図、(c)は軸に垂直な方向の断面図である。 (a)は図1(c)の配向部における結晶粒子を示す拡大断面図であり、(b)は配向率を求める際の説明図である。 本発明の吸液用セラミック部材の軸に垂直な方向の種々の形態における断面図である。 本発明の吸液用セラミック部材の他の実施形態を示す図であり、(a)は軸に平行な方向の断面図、(b)、(c)は軸に垂直な方向の断面図である。 本発明の吸液用セラミック部材の製造工程に用いる押出成形装置の概略を示す断面図である。 (a)〜(c)は、配向部を形成するために用いる口金を示した正面図である。 (a)、(b)は、配向部を形成するために用いる口金を示した正面図である。
符号の説明
1:吸液用セラミック部材
2:気孔
3:結晶粒子
4:配向部
5:結晶断面の重心点
6:結晶内の最長線分
7:部材断面中心点より結晶断面重心点に向かって引いた直線
θ:結晶内の最長線分と部材断面中心点より結晶断面重心点に向かって引いた直線の角度
8:金型
9:口金
10:配向制御板

Claims (5)

  1. 主成分として扁平状の結晶粒子からなる多孔質セラミックスから成る柱状または筒状体により構成され、軸に略平行方向の断面において、結晶粒子が軸に対して略平行に配向し、且つ軸に略垂直方向の断面において、中心部から外周部に向かって所定方向に配向する複数の結晶粒子からなる配向部を放射状に備えたことを特徴とする吸液用セラミック部材。
  2. 主成分として扁平状の結晶粒子からなる多孔質セラミックスから成る柱状または筒状体により構成され、軸に略平行方向の断面において、結晶粒子が軸に対して略平行に配向し、且つ軸に略垂直方向の断面において、外周に沿って所定方向に配向する複数の結晶粒子からなる配向部を同心状に備えたことを特徴とする吸液用セラミック部材。
  3. 前記軸に略垂直方向の断面において、前記配向部の結晶粒子の配向率が60%〜90%であることを特徴とする請求項1または2に記載の吸液用セラミック部材。
  4. 前記多孔質セラミックスは、その気孔率が20〜60%であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の吸液用セラミック部材。
  5. 前記多孔質セラミックスは、ムライト質セラミックスであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の吸液用セラミック部材。
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