JPH05328884A - 吸液芯 - Google Patents

吸液芯

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JPH05328884A
JPH05328884A JP16865192A JP16865192A JPH05328884A JP H05328884 A JPH05328884 A JP H05328884A JP 16865192 A JP16865192 A JP 16865192A JP 16865192 A JP16865192 A JP 16865192A JP H05328884 A JPH05328884 A JP H05328884A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】中心に繊維からなる吸液層を有し、その周囲が
繊維の編組物により被覆されてなる吸液芯において、前
記繊維編組物がシリコーン重合体とシリカを主体とする
ベースワニスに更に無機充填剤を添加してなるシリコー
ンワニスによって被覆され、かつ前記繊維吸液層と前記
繊維編組物が前記シリコーンワニスによって固着されて
いる吸液芯。 【効果】従来の繊維芯では不安定だった薬液揮散量が安
定するとともに、薬液容器倒置による薬液漏れや加熱に
よる薬液容器内圧増加に起因する薬液漏れを生じること
がなく、安全性および経済性が非常に高い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸上式加熱蒸散装置に用
いられる吸液芯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より殺虫等の目的で薬剤を加熱蒸散
させる方法としては、(1)いわゆる蚊取線香および
(2)電気蚊取マット等が愛好されてきた。近年薬剤溶
液中に多孔質吸液芯を浸漬し、芯上部を加熱して薬剤を
加熱蒸散させる方式(以下、液体方式と呼ぶ)が、一回
毎にマット等を交換する必要がないこと、効果が長時間
安定すること等の理由で再び注目されてきた。この方式
はかなり古くから知られており、例えば実公昭43−2
5081号公報には吸液芯の直接加熱による方式が記載
されているが、直接加熱による場合には薬剤の分解が激
しいため、一般には間接加熱による方式が採用される傾
向にある。間接加熱による方式としては、吸液芯と発熱
体との間にフェルト等を介在させて加熱するものが実公
昭36−12459号公報、実公昭46−22585号
公報に記載され、また吸液芯と発熱体とを一定間隔で離
間して加熱する方式が実公昭43−26274号公報、
実公昭44−8361号公報、実公昭45−14913
号公報、実公昭45−292445号公報に記載さてい
る。しかし、この当時のものは、前記蚊取線香や蚊取マ
ットに比べその長所が認識されず、結局市場には受け入
れられずに終わっていた。最近、この液体方式の蚊取器
が再認識されてきたのは、生活向上に伴う生活意識、生
活環境の変化もさることながら、発熱体の技術進歩、少
量で有効な殺虫成分の開発、有効成分を含め薬剤原料の
品質向上、プラスチック加工技術の進歩によるところと
考えられる。さて、これら液体方式加熱蒸散装置に用い
られる多孔質吸液芯としては、かつてはフェルトがその
ままの形で用いられていたが、フェルトの場合、一般に
吸液量が多すぎたり、保管、輸送、使用時に薬液が芯を
介してあふれる、あるいはその柔軟性の故に芯を正しく
セットしにくい等の問題がある。これに対し、無機粉体
あるいは無機粉体と木粉等を水溶性糊剤で固着成形した
吸液芯が特公昭61−23163号公報、特公昭59−
40409号公報、特開昭63−24841号公報、特
開昭63−63330号公報、特開昭63−74440
号公報、特開平1−296933号公報、特開平2−3
9841号公報、特開平2−174628号公報に示さ
れており、現在、市場には、このタイプの吸液芯を使用
している商品が多く出回っている。しかしながら、これ
ら従来の吸液芯は無機粉体の表面活性のためにしばしば
薬液が化学的に分解を受けたり、あるいは機械的な応力
や衝撃で折れたり、欠けたり、さらに製造時の練合、押
出、乾燥の工程、原料粉体のバラツキ等による変形、ヒ
ビ割れ、カビの発生、性能のバラツキが発生する等の問
題があった。さらに、これらの吸液芯にはデンプン、C
MC−Na等の有機質の水溶性糊剤が製造上有利なので
用いられることが多いが、この場合でも、薬液が水性溶
液の場合は、当然のことながら糊剤の溶解、溶出、膨潤
により吸液芯の物理的劣化が起こるので使用に耐えない
という問題が残っていた。一方、特開平3−72833
号公報には、中心に多孔質の吸液層を、周囲に保持材層
を有する構造の吸液芯が開示されている。このタイプの
吸液芯として、例えば中心の吸液層がポリエステル、ナ
イロン、綿、ガラス等の繊維集合体であり、保持材層が
ワニス等で処理したポリエステル、ナイロン、ガラス繊
維等からなるチューブである吸液芯、いわゆる繊維芯が
挙げられる。この繊維芯の特徴としては、前記無機粉体
等を水溶性糊剤で固着成形した吸液芯、いわゆる固結芯
のような機械的な折れや欠けが生じず、製造も容易であ
り、薬液が水溶液であっても使用可能であるといった点
が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、繊維芯
の場合、使用されるワニスの種類、塗布量、焼付条件等
により使用時の薬液揮散量が変動したり、経時的な劣化
により薬液の揮散量が低下したり、使用時や保管時の温
度変化に伴う薬液容器の内圧の変化による薬液の滲出の
問題があった。そこで、本発明は、上記繊維芯におい
て、任意の安定した薬液揮散量が得られ、薬液容器内圧
の変化による薬液の滲出の少ない吸液芯の提供を課題と
する。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべく
本発明による吸液芯は、中心に繊維からなる吸液層を有
し、その周囲が繊維の編組物により被覆されてなる吸液
芯において、前記繊維編組物がシリコーン重合体とシリ
カを主体とするベースワニスに更に無機充填剤を添加し
てなるシリコーンワニスによって被覆され、かつ前記繊
維吸液層と前記繊維編組物が前記シリコーンワニスによ
って固着されていることを特徴とするものである。
【0005】本発明において使用される無機充填剤とし
ては、平均粒径0.1〜20μmの不定形粒子状である
もの、平均アスペクト比5以上の針状粒子を少なくとも
含んでいるもの、球状粒子を少なくとも含んでいるもの
等を挙げることができる。まず、平均粒径0.1〜20
μmの不定形粒子状であるものとしては、炭酸カルシウ
ム、マグネシア、シリカ、アルミナ、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸マグネウシウム、水酸化アルミニウム、水酸
化マグネウシウム等が挙げられ、好ましくは水酸化アル
ミニウムである。この無機充填剤の添加量は、ベースワ
ニス固形分100重量部に対して150重量部以上70
0重量部以下が好ましい。150重量部未満では、適切
な吸液量、吸液速度および揮散量を得ることができず、
また700重量部を越えるとシリコーンワニスの塗布作
業が困難となり好ましくない。また、平均アスペクト比
5以上の針状粒子を少なくとも含むものとしては、マグ
ネシウムオキシサルフェートウィスカー、チタン酸カリ
ウムウィスカー、ミルドグラスファイバー等が挙げられ
る。好ましくは、マグネシウムオキシサルフェートウィ
スカーである。この無機充填剤の添加量は、ベースワニ
ス固形分100重量部に対して10重量部以上100重
量部以下が好ましい。10重量部未満では、適切な吸液
量、吸液速度および揮散量を得ることができず、また1
00重量部を越えるとシリコーンワニスの塗布作業が困
難となり好ましくない。更に、球状粒子を少なくとも含
むものとしては、球状シリコーン重合体、シリカバルー
ン、球状ガラスビーズ微粒子、シラスバルーン等が挙げ
られる。球状粒子の最大粒子と最小粒子の粒子径の比
(最大粒子の粒子径/最小粒子の粒子径)が8以上であ
ることが好ましい。この粒子径の比が8未満であると、
適度な揮散量の値を保つ作用が弱くなる傾向がみられ
る。このタイプの無機充填剤の添加量はベースワニス固
形分100重量部に対して20重量部以上150重量部
以下が好ましい。20重量部未満では、適切な吸液量、
吸液速度および揮散量を得ることができず、150重量
部を越えるとシリコーンワニスの塗布作業が困難となり
好ましくない。また、無機充填剤としては、以上に例示
した不定形粒子状物、針状粒子および球状粒子を含むも
のを適宜組み合わせて使用することもできる。
【0006】本発明において用いられる繊維吸液層とし
ては、ガラス等の無機繊維やポリエステル、ナイロン等
の人工繊維等の集合体、130℃以上の耐熱性を有する
ゴムまたは樹脂からなる棒状成形体、FRP、フェルト
等の繊維樹脂複合体、ガラス、セラミック等からなる無
機棒状成形体等を挙げることができる。
【0007】本発明において用いられる繊維編組物とし
ては、ガラス等の無機繊維やポリエステル等の人工繊維
を編組したものが用いられ、この編組物にはシリコーン
重合体とシリカを主体とするベースワニスに更に無機充
填剤を添加してなるシリコーンワニスが含浸塗布され、
乾燥、熱硬化されることにより表面にシリコーンワニス
の塗膜が被覆形成される。この時の塗膜厚は50μm以
上とすることが好ましい。
【0008】シリコーン重合体とシリカを主体とするベ
ースワニスとしては、シリコーンゴムの溶解液や溶剤の
ディスパージョンタイプの市販の電気絶縁用シリコーン
ワニスを用いることができる。一般的に、固形分20%
ないし100%程度の濃度のワニスが市販されており、
利用できる。
【0009】本発明の吸液芯の切断面(図2の薬液容器
外に位置する、密封面5)は溶融可能なものは切断時ま
たは切断後、吸液芯の密封性を得るため密封面5を溶封
加工する。また、溶封不可能なものは、切断後、切断面
を接着剤等で密封加工を施す。本発明の吸液芯は、殺
虫、殺菌、芳香等を目的として、各種殺虫剤、殺菌剤、
消臭剤、香料等の薬剤を加熱飛散させる液体方式加熱蒸
散装置の吸液芯として好適に用いることができる。
【0010】本発明の吸液芯を用いるのに適した装置の
一例を図3に示す。図中、6は薬液8を入れた容器であ
り、該容器6は収納容器11内に係脱自在に収納、保持
されている。収納容器11の上部は開放されており、こ
の開放部に環状の発熱体10が固着されている。薬液容
器6には、保持具7に保持された繊維芯1が、その上部
が環状発熱体10の中心部に配設されるように、略密栓
状に保持されている。なお、図中、12は薬液8が外部
に飛散する蒸散口、13はオンオフスイッチ、14は電
源コードを示す。図示するものは本発明の吸液芯を用い
るのに好適な装置の一例であるが、これに限らず各種形
状の装置を用いることができることは言うまでもない。
【0011】上記薬液容器6に収納する薬液8として
は、目的に応じて殺虫液、芳香液等が用いられる。上記
装置が加熱蒸散殺虫装置として用いられる場合には、容
器6に殺虫液を入れ、発熱体10に通電して、殺虫剤の
種類に応じて好ましくは繊維芯1の表面温度が70〜1
40℃となるように加熱する。加熱温度が高すぎると、
薬剤の熱分解や重合が生じ易く、揮散有効成分量が低く
なるという問題があり、また、この結果生成される高沸
点物質等の吸液芯内への蓄積およびこれによる芯の目詰
まりを起こし易くなるので好ましくない。また、加熱温
度が低すぎると、当然のことながら有効成分の揮散が遅
くなり、場合により溶剤のみ揮散し、有効成分の揮散が
妨げられることもある。従って、有効成分の種類、濃
度、溶剤の揮発性等によって最適の温度が選択される。
上記殺虫液としては、殺虫剤を各種溶媒中に溶解した溶
液を用いる。溶媒としては引火点が高く、臭みがなく、
かつ毒性学上安全なものが好ましい。また、用いる溶媒
の沸点としては該吸液芯の加熱温度にもよるが、150
〜350℃の範囲に入るものが好ましい。これらの条件
を満足するものとしては炭素原子数12以上の飽和脂肪
族もしくは脂環式炭化水素を挙げることができ、これら
はノルマルパラフィン、イソパラフィンあるいはナフテ
ン系炭化水素として工業的に入手可能である。この他、
芳香族炭化水素としては、フェニルキシリルエタン等が
無臭の溶剤として使用できる。もちろん上記条件を満足
する溶媒であれば、これら炭化水素に限定されるもので
はない。例えば、各種非イオン型界面活性剤、好ましく
はポリオキシアルキレンアルキルエーテル系の可溶化剤
(ミセル形成の有無にかかわらず殺虫成分を水中で清澄
な状態で安定化しうるものを指し、通常の界面活性剤の
他、水および油に相溶する溶剤をも含む。)を配合して
水性殺虫液となし、引火性の問題を解消することもでき
る。
【0012】本発明で用いられる殺虫剤としては、従来
より用いられている各種揮散性殺虫剤を用いることがで
き、ピレスロイド系殺虫剤、カーバメート系殺虫剤、有
機リン系殺虫剤等を挙げることができる。一般に安全性
が高いことからピレスロイド系殺虫剤が好適に用いら
れ、例えば以下のような殺虫剤である。 (a)3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン
−4−オン−1−イルdl−シス/トランス−クリサン
テマート(一般名アレスリン,商品名ピナミン,住友化
学工業株式会社製) (b)3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン
−4−オン−1−イルd−シス/トランス−クリサンテ
マ−ト(商品名ピナミンフォルテ,住友化学工業株式会
社製,以下殺虫剤Aと略称する) (c)d−3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−
エン−4−オン−1−イル d−トランス−クリサンテ
マ−ト(商品名エキスリン,住友化学工業株式会社製) (d)3−アリル−2−メチルシクロペンタ−2−エン
−4−オン−1−イルd−トランス−クリサンテマ−ト
(一般名バイオアレスリン) (e)2−メチル−4−オキソ−3−(2−プロピニ
ル)シクロペンタ−2−エニル クリサンテマ−ト (f)(S)−2−メチル−4−オキソ−3−(2−プ
ロピニル)シクロペンタ−2−エニル d−シス/トラ
ンス−クリサンテマ−ト(一般名プラレスリン,以下殺
虫剤Bと略称する) (g)N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミ
ド)メチル dl−シス/トランス−クリサンテマ−ト
(一般名フタルスリン,商品名ネオピナミン,住友化学
工業株式会社製) (h)3−フェノキシベンジル 2−(4−エトキシフ
ェニル)−2−メチルプロピルエーテル(一般名エトフ
ェンプロックス) (i)5−ベンジル−3−フリルメチル d−シス/ト
ランス−クリサンテマ−ト(一般名レスメトリン,商品
名クリスロンフォルテ,住友化学工業株式会社製,以下
殺虫剤Cと略称する) (j)5−プロパルギル−2−フリルメチル クリサン
テマート(一般名フラメトリン) (k)5−プロパルギル−2−フリルメチル d−シス
/トランス−クリサンテマ−ト(商品名ピナミンDフォ
ルテ,住友化学工業株式会社製,以下殺虫剤Dと略称す
る) (l)3−フェノキシベンジル 2,2−ジメチル−3
−(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキ
シレート(一般名ペルメトリン,商品名エクスミン,住
友化学工業株式会社製,以下殺虫剤Eと略称する) (m)3−フェノキシベンジル d−シス/トランス−
クリサンテマ−ト(一般名フェノトリン,商品名スミス
リン,住友化学工業株式会社製,以下殺虫剤Fと略称す
る) (n)α−シアノ−3−フェノキシベンジル α−イソ
プロピル−4−クロロフェニルアセテート(一般名フェ
ンバレレート,商品名スミサイジン,住友化学工業株式
会社製) (o)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(S)−α−イソプロピル−4−クロロフェニルアセテ
ート(一般名エスフェンバレレート) (p)(S)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(1R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−
2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート (q)(RS)−α−シアノ−3−フェノキシベンジル
(1RS)−シス/トランス−3−(2,2−ジクロ
ロビニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボキ
シレート(一般名シペルメトリン) (r)α−シアノ−3−フェノキシベンジル d−シス
/トランス−クリサンテマート(一般名シフェノトリ
ン) (s)α−シアノ−3−フェノキシベンジル 2,2,
3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキシレート
(一般名フェンプロパトリン) (t)〔(ペンタフルオロフェニル)−メチル〕(1
R,3R)−3−(2,2−ジクロロビニル)−2,2
−ジメチルシクロプロパンカルボキシレート(一般名フ
ェンフルスリン) (u)1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル d
−シス/トランス−クリサンテマート(一般名エムペン
トリン,以下殺虫剤Gと略称する) (v)3−アリル−2−メチル−シクロペンタ−2−エ
ン−4−オン−1−イル2,2,3,3−テトラメチル
シクロプロパンカルボキシレート(一般名テラレスリ
ン) (w)1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル
2,2,3,3−テトラメチルシクロプロパンカルボキ
シレート (x)1−エチニル−2−メチル−2−ペンテニル
2,2−ジメチル−3−(2,2−ジクロロビニル)シ
クロプロパンカルボキシレート (y)N−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミ
ド)メチル d−シス/トランス−クリサンテマート
(商品名ネオピナミンフォルテ,住友化学工業株式会社
製,以下殺虫剤Hと略称する) (z)ジメチル(4−エトキシフェニル){3−(3−
フェノキシ−4−フルオロフェニル)プロピル}シラン これらのうち殺虫剤A〜Hがその工業的入手性、経済
性、効力、安全性の諸点で好ましく、なかでも殺虫剤D
が効力および経済性の点で優れている。また、殺虫液中
の有効殺虫成分の濃度は、0.3重量%以上、20重量
%以下が良好であり、好ましくは0.3ないし5重量%
の範囲の濃度である。これら殺虫剤は単独で用いてもよ
いし、複合して用いることもできる。また、必要に応じ
て、安定剤、消臭剤、共力剤、色素、その他の助剤を薬
液中に少量添加することもできる。同様に、芳香を目的
として使用する場合には、天然および人工の各種香料を
用いることができ、例えば動物性および/または植物性
の天然香料、炭化水素、アルコール、フェノール、アル
デヒド、ケトン、ラクトン、オキシド、エステル類等の
人工香料等であり、これらの1種を単独で使用できるほ
か、2種以上を混合して使用することもできる。更に、
目的に応じて消臭剤、殺菌剤、忌避剤等の各種薬剤につ
いても、加熱により揮散する薬剤であれば使用できる。
このような各種薬剤濃度としては0.1ないし10重量
%が好ましい。
【0013】
【作用】本発明の吸液芯は、シリコーンワニスの塗膜中
に無機充填剤を含有するため、シリコーンワニスを多量
に厚く塗布しても薬液は充填剤粒子の近傍のわずかな空
隙を通って移動するので、薬液の蒸散については吸液量
および吸液速度がわずかに減少するものの、揮散量に変
動が少なく、また、薬液容器内圧の変化による薬液の滲
出をほぼ完全に防止することが可能となる。空隙の分
布、大きさ等は充填剤粒子の形状、粒径の大小によって
異なり、そのため最適の添加量が異なっているが、充填
剤粒子の形状、粒径の大小、量の検討、異種形状の組合
せによって、最適な空隙分布を得、その結果薬液の滲出
の減少と揮散量の安定を同時に達成できるものである。
中心の繊維吸液層とその周囲の繊維編組物とは、シリコ
ーンワニスによって固着されるため、両者の間隙から毛
細管減少で吸い上げられる余分な薬液を適切な量に絞る
ことが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 実施例1として図1に示すような吸液芯を製造した。こ
の吸液芯1は、中心の繊維吸液層2、その周囲の繊維編
組物3、それを被覆するシリコーンワニス塗膜層4とか
ら概略構成される。繊維吸液層2はポリエステル繊維
(帝人株式会社製,ポリエステル紡績糸の30番手 双
糸)の集合体からなり、繊維編組物3はポリエステル繊
維(帝人株式会社製,250デニール高強度テトロン
糸)の編組物からなり、前記繊維吸液層2を被覆してい
る。また、シリコーンワニス塗膜層4は、シリコーン重
合体とシリカを主体とするベースワニス(東芝シリコー
ン株式会社製,ゴム系シリコーンワニスYR1122,
固形分30%)に、更に無機充填剤として平均粒径8μ
mの水酸化アルミニウムを添加してなるシリコーンワニ
ス中に繊維吸液層2と繊維編組物3とからなる物品を浸
漬し、引き上げながら過剰なワニスを内径7.4mmの
金属製ダイスにてかき取り落とし、200℃に保持した
乾燥機中にてただちにシリコーンワニスを加熱硬化する
ことにより形成されたものであり、繊維編組物3の外周
を被覆すると同時に、繊維吸液層2と繊維編組物3とを
固着している。なお、本実施例では、無機充填剤(水酸
化アルミニウム)の添加量がベースワニス固形分100
重量部に対して150、300、600および700重
量部である4種類の吸液芯を製造した。吸液芯1の寸法
は直径7mm、長さ75mmとした。吸液芯1の密封面
5は切断時に加熱したニクロム線により溶断し密封加工
を施した。
【0015】実施例2 無機充填剤として水酸化アルミニウムの代わりにマグネ
シウムオキシサルフェートウィスカー(宇部興産株式会
社製,商品名モスハイジ)を添加量10、30、60お
よび100重量部(ベースワニス固形分100重量部に
対して)で用いた以外は実施例1と同様にして吸液芯を
製造した。
【0016】実施例3 無機充填剤として水酸化アルミニウムの代わりにシリカ
バルーン(粒状粒子の最大粒子と最小粒子の粒子径の比
が18,旭硝子株式会社製,商品名Q−CEL)を添加
量20、80、100および150重量部(ベースワニ
ス固形分100重量部に対して)で用いた以外は実施例
1と同様にして吸液芯を製造した。これらのそれぞれを
吸液芯I、II、IIIおよびIVと命名する。
【0017】実施例4 無機充填剤として水酸化アルミニウムの代わりに、実施
例2および実施例3において使用した無機充填剤の混合
物(ベースワニス固形分100重量部に対してマグネシ
ウムオキシサルフェートウィスカー35重量部およびシ
リカバルーン20重量部)を用いた以外は実施例1と同
様にして吸液芯を製造した。これを吸液芯Vと命名す
る。
【0018】実施例5 無機充填剤として水酸化アルミニウムの代わりに、実施
例1および実施例3において使用した無機充填剤の混合
物(ベースワニス固形分100重量部に対して水酸化ア
ルミニウム50重量部およびシリカバルーン34重量
部)を用いた以外は実施例1と同様にして吸液芯を製造
した。
【0019】比較例 シリコーン重合体とシリカを主体とするベースワニスの
みを繊維編組物に被覆した以外は実施例1と同様に操作
して吸液芯VIを、そしてベースワニスを被覆しない繊
維吸液層および繊維編組物だけからなる無被膜吸液芯V
IIを製造した。
【0020】試験例1:揮散試験 図2に示す薬液容器6に薬液8として殺虫剤D1.8重
量%をノルマルパラフィンに溶解させたもの(油性殺虫
液)、または殺虫剤D1.8重量%をジエチレンオキシ
ブチルエーテル40重量%配合の水に溶解したもの(水
性殺虫液)のいずれかを45ml入れ、吸液芯1として
実施例3、4で製造した本発明の吸液芯I、II、II
I、IVもしくはVまたは比較例で製造した対照吸液芯
VIもしくはVIIを所定位置に設定した。これらを図
3に示す加熱蒸散装置にセットし、吸液芯1側面を12
0℃に加熱し揮散試験を実施した。なお、所定の加熱時
間迄に薬液が不足する時はその時点で新たに薬液のみ補
充した。揮散試験は(1)薬液の時間当たりの減少量な
らびに(2)時間当たりの殺虫剤揮散量を調べた。
(2)においては一定時間毎にシリカゲル充填カラムで
トラップし、アセトンで殺虫剤を抽出し、ガスクロマト
グラムで分析した。結果を表1に示す。
【表1】 (1)表中、左側の値は薬液揮散量(g/hr)を表
す。 (2)表中、右側の値は薬液揮散量(mg/hr)を表
す。 上記安定性試験および揮散試験の結果、本発明の吸液芯
を用いることにより、殺虫剤Dのようなフラン環を有す
るものが薬剤であっても、本加熱蒸散方式において安定
であり、薬液の揮散量、殺虫有効成分の経時的減少がほ
とんどないという効果が得られた。
【0021】試験例2:薬液滲出 次に、加熱蒸散装置の保管時、使用時の温度変化に伴う
薬液容器内圧の変化による薬液の滲出について評価する
ため、以下の試験を行った。図2に示す薬液容器6に試
験例1で用いた油性殺虫液または水性殺虫液を15ml
入れ、実施例3、4で製造した本発明の吸液芯I、I
I、III、IVもしくはVまたはに比較例で製造した
対照吸液芯VIもしくはVIIを所定位置に設定し、図
3に示す加熱蒸散装置にセットし、通電した時、薬液容
器6中の気相部9が温められ、薬液容器6の内圧が上昇
することにより、吸液芯保持具7上部の繊維編組物3お
よびシリコーンワニス塗膜層4からの薬液の滲出の有無
を観察した。結果を表2に示す。
【表2】 ○:薬液の滲出が認められない。 △:薬液の滲出がわずかに認められる。 ×:薬液の滲出が認められる。
【0022】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の吸
液芯は、シリコーン重合体とシリカを主体とするベース
ワニスに無機充填剤を添加してなるシリコーンワニスが
繊維編組物全体に被覆されるとともに、繊維吸液層と繊
維編組物とがこのシリコーンワニスにより固着されるこ
とにより、従来の繊維芯では不安定だった薬液揮散量を
安定したものにすることができ、かつ、薬液容器倒置に
よる薬液漏れや加熱による薬液容器内圧増加に起因する
薬液漏れを生じることがなく、安全性および経済性が非
常に高いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸液芯の一例を示す断面図である。
【図2】本発明の吸液芯を設置した薬液容器の一例を示
す断面図である。
【図3】本発明の吸液芯を設置した加熱蒸散装置の一例
を示す断面図である。
【符号の説明】
1 繊維芯(吸液芯) 2 繊維吸液層 3 繊維編組物 4 シリコーンワニス塗膜層 5 密封面 6 薬液容器 7 吸液芯保持具 8 薬液 9 気相部 10 発熱体 11 収容容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 太田 好美 静岡県浜松市高塚町4830番地 株式会社ク ラベ内 (72)発明者 伊藤 一久 静岡県浜松市高塚町4830番地 株式会社ク ラベ内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心に繊維からなる吸液層を有し、その
    周囲が繊維の編組物により被覆されてなる吸液芯におい
    て、前記繊維編組物がシリコーン重合体とシリカを主体
    とするベースワニスに更に無機充填剤を添加してなるシ
    リコーンワニスによって被覆され、かつ前記繊維吸液層
    と前記繊維編組物が前記シリコーンワニスによって固着
    されていることを特徴とする吸液芯。
  2. 【請求項2】 無機充填剤が平均粒径0.1〜20μm
    の不定形粒子状である請求項1記載の吸液芯。
  3. 【請求項3】 無機充填剤が平均アスペクト比5以上の
    針状粒子を少なくとも含んでいる請求項1記載の吸液
    芯。
  4. 【請求項4】 無機充填剤が球状粒子を少なくとも含ん
    でいる請求項1記載の吸液芯。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の吸液芯において、無機充
    填剤に含まれる球状粒子の最大粒子と最小粒子の粒子径
    の比が8以上である吸液芯。
  6. 【請求項6】 請求項2記載の吸液芯において、無機充
    填剤がベースワニス固形分100重量部に対して150
    重量部以上700重量部以下添加される吸液芯。
  7. 【請求項7】 請求項3記載の吸液芯において、無機充
    填剤がベースワニス固形分100重量部に対して10重
    量部以上100重量部以下添加される吸液芯。
  8. 【請求項8】 請求項4または5記載の吸液芯におい
    て、無機充填剤がベースワニス固形分100重量部に対
    して20重量部以上150重量部以下添加される吸液
    芯。
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Cited By (6)

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