JP2010088428A - 構造体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る構造体の製造方法は、例えば、液体を吸液して蒸散する吸液芯1の製造方法であり、繊維構造体の少なくとも一部を、粒子が分散した液体に接触させて吸液させる吸液工程と、液体を吸液した繊維構造体から液体成分を除去する除去工程とを包含している。これにより、液体を迅速かつ安定して吸液および蒸散することが可能な吸液芯1を製造することができる。
【選択図】図1
Description
上記分散液を吸収した上記繊維構造体から液状分散媒を除去する除去工程とを包含することを特徴としている。
本発明に係る構造体は、粒子と繊維構造体とを包含し、前記粒子の少なくとも一部が前記繊維構造体に付着した凝集体として存在していることを特徴としている。本発明に係る構造体は、例えば、液体を吸液して蒸散させる吸液芯として好適に用いることができる。本実施形態においては、本発明に係る構造体を吸液芯として用いた場合を例として説明する。本発明に係る吸液芯は、例えば、図1に示すような、吸液型加熱蒸散殺虫装置5の吸液芯1として好適に用いることができる。また、例えば、芳香装置および消臭装置等の吸液芯としても好適に使用可能である。なお、図1に示す吸液型加熱蒸散殺虫装置5の詳細については後述する。
本発明に係る吸液芯は、繊維構造体を芯材として包含している。本明細書において繊維構造体を芯材と称することもある。繊維構造体は、一般に繊維と称される細い線状の物体が、複数凝集して構成されるものであり、凝集する繊維間には空隙を有している。繊維構造体は、親水性繊維を含んでいることが好ましく、吸液性に優れた、紙、織物または不織布がより好ましい。これらの繊維構造体そのものも優れた吸液性を有しているが、後述する粒子が凝集体として存在していることによって、形状安定性に優れた吸液芯が得られるとともに、この吸液芯は、迅速かつ安定して吸液することが可能である。この吸液芯は、繊維構造体として紙を用いれば、水系溶媒中であっても安定であり、構造を維持することができる。ここで水系溶媒としては、水または親水性溶媒が意図される。
本発明に係る吸液芯において、繊維構造体に付着する粒子の組成は、特に限定されない。粒子の材料として種々のものを用いることが可能であるが、特に、無機物、有機物、およびこれらの混合物等が好ましく用いられる。本発明に好適に使用可能な粒子の例は以下のとおりである。
本発明に係る構造体の製造方法によれば、吸液芯として用いられる構造体を製造することができる。本実施形態においては、本発明に係る構造体の製造方法を、吸液芯の製造方法を例として説明する。本発明に係る吸液芯の製造方法は、繊維構造体の少なくとも一部を、粒子が液状分散媒に分散した分散液に接触させて、上記繊維構造体に上記分散液を吸収させる吸収工程と、上記分散液を吸収した上記繊維構造体から液状分散媒を除去する除去工程とを包含することを特徴としている。例えば、複数の繊維により構成された繊維構造体を、粒子が液状分散媒に分散した分散液に接触させ、繊維構造体に吸収させることによって分散液を吸収させながら、同時に吸収した分散液の液状分散媒を除去することによって吸液芯を製造することができる。このようにして吸液芯を製造することによって、粒子の少なくとも一部が繊維構造体の繊維に付着して凝集体を形成し、繊維構造体中に粒子を高密充填させることができる。
本発明に係る蒸散装置は、蒸発性液体が入った容器と、本発明に係る構造体からなり、その一部が前記蒸発性液体に浸漬され、他の一部が前記容器から露出するように配置されている吸液芯とを備えていることを特徴としている。本発明に係る蒸散装置は、例えば、前記蒸発性液体として殺虫成分を含む殺虫液を用いて、殺虫装置として用いることができる。本実施形態においては、本発明に係る構造体を吸液芯として用いて、本発明に係る蒸散装置を殺虫装置として用いた場合を例として説明する。本発明に係る殺虫装置は、吸液芯において殺虫液に浸漬されていない部分を加熱するヒーター(加熱手段)をさらに備えた吸液型加熱蒸散殺虫装置であることができる。
本発明に係る蒸散用キットは、殺虫用キットとして用いることができる。本実施形態においては、本発明に係る蒸散用キットを殺虫用キットを例として説明する。本発明に係る殺虫用キットは、吸液芯として用いられる本発明に係る構造体を備えていることを特徴としている。本発明に係る殺虫用キットは、さらに殺虫成分を含む殺虫液を備えていることが好ましい。当該殺虫液としては、上述した殺虫装置に含まれる殺虫液として例示したものから選択することができる。本発明に係る殺虫用キットは、少なくとも、本発明に係る吸液芯を備えていればよく、これにより吸液性を保持しつつ、液中での吸液芯の形状安定性に向上させることができる。これにより、安定かつ迅速な吸液および蒸散を実現することができる。
キムワイプ(登録商標)「ワイパーS−200」(パルプ100%、サイズ120mm×215mm、日本製紙クレシア製)1枚の長いほうの辺を二つ折りにして、端からきつく巻いて円柱状にし、加熱装置の高さにあわせて長さ73mmに切断して、芯材Aを作製した。このときの芯材Aの重量は、0.6gであった。芯材Aに、さらにPETフィルムでカバーするようにして巻きつけ、巻き端に粘着テープを貼って固定した。50ccガラス管に平均粒子径20nm、固形分濃度20重量%のコロイダルシリカ液(「スノーテックス20」;日産化学製)10ccを入れ、芯材Aの下端(1cm)をコロイダルシリカ液に浸して立てかけた。30分後、芯材Aをコロイダルシリカ液から引上げて水平に寝かせて一晩置いてからPETフィルムを外し、さらに完全に乾燥するまで放置した。このようにして得られたものを吸液芯Aとする。吸液芯Aの乾燥後の重量は1.2gであり、付着したシリカ粒子は50重量%であった。
市販の飽和炭化水素系溶剤であるノルパー13(エクソンモービル化学製)、および飽和炭化水素系溶剤であるノルパー15(エクソンモービル化学製)からなる混合溶剤(ノルパー13/ノルパー15=7wt/3wt)を用いて油性溶媒を作製した。市販の2−(2−ブトキシエトキシ)エタノールおよび水からなる混合溶剤(2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール/水=7wt/3wt)を用いて水性溶媒を作製した。
上述した各吸液芯の蒸散速度の測定を、図1に示すような加熱蒸散装置を用いて行った。ここで、容器4は高さ55mmの円柱形の透明プラスチック製で、底面の内径40mm、ボトル肩部までの高さ35mm、内径16mmの市販のものを用いた。吸液芯を支持する芯支持体(図示せず)として、吸液芯1の外径に合わせて直径7mmの穴があいた蓋状の軟質プラスチック材料であって、容器4に充填されている薬液の漏出および染み出しが生じないように密封できるものを用いた。
容器4に上述したように作製した油性溶媒30g入れて、吸液芯A〜Fの一端が油性溶媒中に浸漬し、容器4の底面に接するようにセットして、合計の重量を測定した。この容器4を約130℃に加熱した。油性溶媒が無くなるまで経過時間ごとの容器4の重量を測定して蒸散速度を算出した。結果を図7に示す。図7に示すように、吸液芯A〜Fは容器4中の油性溶媒が無くなるまで一定の速度で溶媒を蒸散した。
2 ヒーター(加熱手段)
3 ヒーター支持部
4 容器
5 吸液型加熱蒸散殺虫装置(蒸散装置)
Claims (11)
- 繊維構造体の少なくとも一部を、粒子が液状分散媒に分散した分散液に接触させて、上記繊維構造体に上記分散液を吸収させる吸収工程と、
上記分散液を吸収した上記繊維構造体から液状分散媒を除去する除去工程とを包含することを特徴とする構造体の製造方法。 - 上記吸収工程において、前記した上記繊維構造体の少なくとも一部を上記分散液に接触させることが、上記繊維構造体の少なくとも一部を上記分散液に浸漬することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 上記吸収工程において、前記した上記繊維構造体の少なくとも一部を上記分散液に接触させることが、上記繊維構造体の長手方向の一端部を上記分散液に浸漬することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 上記除去工程において、前記の上記分散液を吸収した上記繊維構造体から液状分散媒を除去することが、該繊維構造体を乾燥させることによって行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 上記吸収工程と上記除去工程とを、上記繊維構造体に包含された粒子の割合が10〜95重量%(ただし構造体の重量を100%とする)になるまで繰り返すことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 上記分散液中の粒子濃度が、1〜50重量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 上記粒子の平均粒子径が1〜500nmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 上記繊維構造体が、紙、織物または不織布であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
- 上記粒子が無機粒子であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
- 上記粒子が、シリカであることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法により製造されたことを特徴とする構造体。
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