JP2668291B2 - 殺虫剤加熱蒸散用吸液芯 - Google Patents
殺虫剤加熱蒸散用吸液芯Info
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- JP2668291B2 JP2668291B2 JP3074890A JP7489091A JP2668291B2 JP 2668291 B2 JP2668291 B2 JP 2668291B2 JP 3074890 A JP3074890 A JP 3074890A JP 7489091 A JP7489091 A JP 7489091A JP 2668291 B2 JP2668291 B2 JP 2668291B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は殺虫剤加熱蒸散用吸液芯
の改良に関し、さらに詳しくは、薬液の中に吸液芯の一
端部を浸漬し該芯に薬液を吸液するとともに、該芯の他
端部を加熱することにより吸液された薬液を一日１２時
間通電加熱、１２時間加熱停止の繰り返し、約３０日程
度にわたって薬液を定量蒸散させる吸上式加熱蒸散装置
に使用する殺虫剤加熱蒸散用吸液芯に関するものであ
る。
の改良に関し、さらに詳しくは、薬液の中に吸液芯の一
端部を浸漬し該芯に薬液を吸液するとともに、該芯の他
端部を加熱することにより吸液された薬液を一日１２時
間通電加熱、１２時間加熱停止の繰り返し、約３０日程
度にわたって薬液を定量蒸散させる吸上式加熱蒸散装置
に使用する殺虫剤加熱蒸散用吸液芯に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】吸上式加熱蒸散装置は、電気蚊取り器に
代表されるように、容器内の蚊殺用薬液を吸液芯により
吸上げ、これを加熱蒸散するようにした装置であり、該
装置には従来から吸液芯として、毛フェルト、不織布、
石綿等が多用され（例えぱ、実公昭４５−２９２４４号
公報等）、或は一定の加熱時間内の殺虫剤の蒸散量（３
０分以上４０時間以下）に設定すべく石膏又はベントナ
イトで固めた磁器多孔質、グラスファイバー、石綿や、
デンプンで固めたシリカ、ケイソウ土、タルク、アルミ
ナ等の無機粉体を使用したもの（特公昭６１−２３１６
３号公報）又クレー、タルク、カオリン、ケイソウ土等
の無機粉末及び木粉、活性炭、セルロース等の有機粉末
から選ばれた少なくとも一種の粉末、並びにカルボキシ
メチルセルロース、デンプン、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール等の糊剤と共に、２，２′−
メチレンビス（４−エチル−６−ｔ−ブチルフェノー
ル）、２，２′−メチレンビス（４−メチル−６−ｔ−
ブチルフェノール）、４，４′−メチレンビス（２−メ
チル−６−ｔ−ブチルフェノール）、４，４′−ブチリ
デンビス（３−メチル−６−ｔ−ブチルフェノール）、
４，４′−チオビス（３−メチル−６−ｔ−ブチルフェ
ノール）、４，４′−メチレンビス（２，６−ｔ−ブチ
ルフェノール）ステアリル−β−（３，５−ジ−ｔ−ブ
チル−４−ヒドロキシフェニル）プロビオネート、１，
３，５−トリメチル−２，４，６−トリス（３，５−ジ
−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジン）ベンゼン、
１，１，３−トリス（２−メチル−５−ｔ−ブチル−４
−ヒドロキシフェニル）ブタン、テトラキス［メチレン
（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシシンナメー
ト）］メタンからなる群から選ばれた加熱温度で実質的
に揮散しない少なくとも一種の化合物を含有する混合物
から成形したもの（特開昭６３−６３３３０号公報）が
使用されている。また、スライバー状にしたアクリル樹
脂を熱硬化性メラミン樹脂で接着成形し、芯材の太さが
５〜２０デニールで気孔率４０〜６０％の薬剤発散用吸
上芯（特開平２−２００１３７号公報）が公開されてい
る。
代表されるように、容器内の蚊殺用薬液を吸液芯により
吸上げ、これを加熱蒸散するようにした装置であり、該
装置には従来から吸液芯として、毛フェルト、不織布、
石綿等が多用され（例えぱ、実公昭４５−２９２４４号
公報等）、或は一定の加熱時間内の殺虫剤の蒸散量（３
０分以上４０時間以下）に設定すべく石膏又はベントナ
イトで固めた磁器多孔質、グラスファイバー、石綿や、
デンプンで固めたシリカ、ケイソウ土、タルク、アルミ
ナ等の無機粉体を使用したもの（特公昭６１−２３１６
３号公報）又クレー、タルク、カオリン、ケイソウ土等
の無機粉末及び木粉、活性炭、セルロース等の有機粉末
から選ばれた少なくとも一種の粉末、並びにカルボキシ
メチルセルロース、デンプン、アラビアゴム、ゼラチ
ン、ポリビニルアルコール等の糊剤と共に、２，２′−
メチレンビス（４−エチル−６−ｔ−ブチルフェノー
ル）、２，２′−メチレンビス（４−メチル−６−ｔ−
ブチルフェノール）、４，４′−メチレンビス（２−メ
チル−６−ｔ−ブチルフェノール）、４，４′−ブチリ
デンビス（３−メチル−６−ｔ−ブチルフェノール）、
４，４′−チオビス（３−メチル−６−ｔ−ブチルフェ
ノール）、４，４′−メチレンビス（２，６−ｔ−ブチ
ルフェノール）ステアリル−β−（３，５−ジ−ｔ−ブ
チル−４−ヒドロキシフェニル）プロビオネート、１，
３，５−トリメチル−２，４，６−トリス（３，５−ジ
−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシベンジン）ベンゼン、
１，１，３−トリス（２−メチル−５−ｔ−ブチル−４
−ヒドロキシフェニル）ブタン、テトラキス［メチレン
（３，５−ジ−ｔ−ブチル−４−ヒドロキシシンナメー
ト）］メタンからなる群から選ばれた加熱温度で実質的
に揮散しない少なくとも一種の化合物を含有する混合物
から成形したもの（特開昭６３−６３３３０号公報）が
使用されている。また、スライバー状にしたアクリル樹
脂を熱硬化性メラミン樹脂で接着成形し、芯材の太さが
５〜２０デニールで気孔率４０〜６０％の薬剤発散用吸
上芯（特開平２−２００１３７号公報）が公開されてい
る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところが実公昭４５−
２９２４４号の羊毛フェルト等よりなる吸液芯は、実際
に使用した場合、加熱により薬液中の溶剤のみが蒸散
し、該芯内部で薬液が次第に濃縮され樹脂化して目詰り
を起したり、芯材が変質したりして、連続的且つ安定的
な薬液の吸上げ及び蒸散が不能となり、蒸散率の経時的
低下は避け難く薬液中の成分の残存増加を来す点に問題
があった。又、特公昭６１−２３１６３号及び特開昭６
３−６３３３０号の吸液芯は前者の問題点を解消するも
のであるが、一定の吸液速度を得るための各種材料の混
合割合や固化条件の設定が困難であって、製造が複雑と
なり均一且つ安価な吸液芯を提供することができない点
に問題があった。更に又、特開平２−２００１３７号の
合成樹脂繊維の単糸デニールの太さが５〜２０デニール
で気孔率４０〜６０％の薬剤発散用吸上芯を、加熱蒸散
用吸上芯として使用すると、一度に多量の薬液が蒸散さ
れ、一定時間に定量蒸散させることはできない点に問題
があった。
２９２４４号の羊毛フェルト等よりなる吸液芯は、実際
に使用した場合、加熱により薬液中の溶剤のみが蒸散
し、該芯内部で薬液が次第に濃縮され樹脂化して目詰り
を起したり、芯材が変質したりして、連続的且つ安定的
な薬液の吸上げ及び蒸散が不能となり、蒸散率の経時的
低下は避け難く薬液中の成分の残存増加を来す点に問題
があった。又、特公昭６１−２３１６３号及び特開昭６
３−６３３３０号の吸液芯は前者の問題点を解消するも
のであるが、一定の吸液速度を得るための各種材料の混
合割合や固化条件の設定が困難であって、製造が複雑と
なり均一且つ安価な吸液芯を提供することができない点
に問題があった。更に又、特開平２−２００１３７号の
合成樹脂繊維の単糸デニールの太さが５〜２０デニール
で気孔率４０〜６０％の薬剤発散用吸上芯を、加熱蒸散
用吸上芯として使用すると、一度に多量の薬液が蒸散さ
れ、一定時間に定量蒸散させることはできない点に問題
があった。
【０００４】本発明は、前記従来の問題点を解消し、樹
脂化による目詰りや芯材が変質したりすることなく、加
熱蒸散により定量の薬液の吸上げを可能とし、蒸散率の
経時的低下を回避して、安定的な殺虫効果の向上と薬液
中の成分の蒸散を一定時間に定量蒸散させ、安定化した
安価な殺虫剤加熱蒸散用吸液芯を提供することを目的と
している。
脂化による目詰りや芯材が変質したりすることなく、加
熱蒸散により定量の薬液の吸上げを可能とし、蒸散率の
経時的低下を回避して、安定的な殺虫効果の向上と薬液
中の成分の蒸散を一定時間に定量蒸散させ、安定化した
安価な殺虫剤加熱蒸散用吸液芯を提供することを目的と
している。
【０００５】
【課題を解決するための手段】本発明の殺虫剤加熱蒸散
用吸液芯は、前記目的を達成するために、トップまたは
スライバー状にしたアクリル、ナイロン、エステルの何
れか一種の合成樹脂繊維を、メラミン、フェノール、尿
素等の何れか又はこれらの組合せによる熱硬化性樹脂で
接着加熱成形した吸液芯おいて、吸液芯の単糸の太さが
約３デニールで気孔率１２〜１８％であって、吸液芯の
一端部を薬液中に浸漬して毛細管現象ににより吸液上昇
させた薬液を加熱温度約１２０℃で通電加熱、加熱停止
を繰返し長期間にわたって薬液を定量蒸散させることを
特徴とするものである。
用吸液芯は、前記目的を達成するために、トップまたは
スライバー状にしたアクリル、ナイロン、エステルの何
れか一種の合成樹脂繊維を、メラミン、フェノール、尿
素等の何れか又はこれらの組合せによる熱硬化性樹脂で
接着加熱成形した吸液芯おいて、吸液芯の単糸の太さが
約３デニールで気孔率１２〜１８％であって、吸液芯の
一端部を薬液中に浸漬して毛細管現象ににより吸液上昇
させた薬液を加熱温度約１２０℃で通電加熱、加熱停止
を繰返し長期間にわたって薬液を定量蒸散させることを
特徴とするものである。
【０００６】
【作用】従来の合成樹脂繊維の単糸デニールの太さが５
〜２０デニールで、芯材の気孔率が４０〜５０％の薬液
発散用の吸上芯を使用して薬液を加熱蒸散させると一度
に多量の薬液が蒸散され、一定時間に定量蒸散させるこ
とができないものであった。 これに対し、本発明の殺虫
剤加熱蒸散用吸液芯は、吸液芯の単糸の太さが約３デニ
ールで気孔率１２〜１８％にして、はじめて吸液芯を加
熱状態下における単位時間当たりの蒸散所要量が一定と
なり、しかも吸液芯は目詰まりを起こすことがなく長時
間にわたり定量蒸散させることができた。
〜２０デニールで、芯材の気孔率が４０〜５０％の薬液
発散用の吸上芯を使用して薬液を加熱蒸散させると一度
に多量の薬液が蒸散され、一定時間に定量蒸散させるこ
とができないものであった。 これに対し、本発明の殺虫
剤加熱蒸散用吸液芯は、吸液芯の単糸の太さが約３デニ
ールで気孔率１２〜１８％にして、はじめて吸液芯を加
熱状態下における単位時間当たりの蒸散所要量が一定と
なり、しかも吸液芯は目詰まりを起こすことがなく長時
間にわたり定量蒸散させることができた。
【０００７】
【実験例】次に、本発明の殺虫剤加熱蒸散用吸液芯の実
験例を説明すると、以下の通りである。まず、単糸の太
さ約３デニールのアクリル、ナイロン、エステルから選
ばれたいずれか一種の合成樹脂繊維のトップに、メラミ
ン、フェノール、尿素等のいずれか又はこれらの組合せ
による熱硬化性樹脂液を含浸させて直径８ｍｍ、長さ７
３ｍｍの棒状体を形成した後、乾燥工程を経て、成型、
熱処理により樹脂を十分に含浸させて均一にして、これ
らの周囲を削って直径７ｍｍとした８種の試験片を以下
の条件により製作した。
験例を説明すると、以下の通りである。まず、単糸の太
さ約３デニールのアクリル、ナイロン、エステルから選
ばれたいずれか一種の合成樹脂繊維のトップに、メラミ
ン、フェノール、尿素等のいずれか又はこれらの組合せ
による熱硬化性樹脂液を含浸させて直径８ｍｍ、長さ７
３ｍｍの棒状体を形成した後、乾燥工程を経て、成型、
熱処理により樹脂を十分に含浸させて均一にして、これ
らの周囲を削って直径７ｍｍとした８種の試験片を以下
の条件により製作した。
【０００８】Ａ ３デニールのアクリル繊維を使用し、
メラミンとフェノールの樹脂液を含浸させたもの。 Ｂ ３デニールのエステル繊維を使用し、メラミンとフ
ェノールの樹脂液を含浸させたもの。 Ｃ ３デニールのナイロン繊維を使用し、メラミンとフ
ェノールの樹脂液を含浸させたもの。 Ｄ ３デニールのナイロン繊維を使用し、メラミン樹脂
液を含浸させたもの。 Ｅ ３デニールのアクリル繊維を使用し、フェノールの
樹脂液を含浸させたもの。 Ｆ ３デニールのエステル繊維を使用し、尿素樹脂液を
含浸させたもの。 Ｇ ３デニールのアクリル繊維を使用し、メラミンと尿
素の樹脂液に含浸させたもの。
メラミンとフェノールの樹脂液を含浸させたもの。 Ｂ ３デニールのエステル繊維を使用し、メラミンとフ
ェノールの樹脂液を含浸させたもの。 Ｃ ３デニールのナイロン繊維を使用し、メラミンとフ
ェノールの樹脂液を含浸させたもの。 Ｄ ３デニールのナイロン繊維を使用し、メラミン樹脂
液を含浸させたもの。 Ｅ ３デニールのアクリル繊維を使用し、フェノールの
樹脂液を含浸させたもの。 Ｆ ３デニールのエステル繊維を使用し、尿素樹脂液を
含浸させたもの。 Ｇ ３デニールのアクリル繊維を使用し、メラミンと尿
素の樹脂液に含浸させたもの。
【０００９】以上の各試験片の吸上時間（分．秒）、密
度（ｇ／立方センチメートル）、気孔率（％）の測定結
果は以下の通りであった。尚、吸上時間は垂直支持した
吸液芯の一端を薬液に浸漬した後、他端面に吸上到達す
る時間であって、浸漬後他端面に接触させた紙が薬液を
吸収開始するまでの時間を測定したものであり、気孔率
はビュレットによる測定法により測定したものである。
度（ｇ／立方センチメートル）、気孔率（％）の測定結
果は以下の通りであった。尚、吸上時間は垂直支持した
吸液芯の一端を薬液に浸漬した後、他端面に吸上到達す
る時間であって、浸漬後他端面に接触させた紙が薬液を
吸収開始するまでの時間を測定したものであり、気孔率
はビュレットによる測定法により測定したものである。
【００１０】
【００１１】次に上記試験片についての蒸散量の比較と
殺虫効果の比較の実験結果を示す。 上記比較は、室温２５℃、１日１２時間通電加熱、１２
時間加熱停止の繰返しにより行なった。
殺虫効果の比較の実験結果を示す。 上記比較は、室温２５℃、１日１２時間通電加熱、１２
時間加熱停止の繰返しにより行なった。
【００１２】（２）殺虫効果の比較 あらかじめ通電加熱（加熱温度約１２０℃）しておいた
吸上式加熱蒸散装置を０．２１６立方メートルの試験箱
内で１分間蒸散させた後取出し、その後１分間放置して
から、出願人のキング化学株式会社で累代飼育している
チカイエカ雌成虫２０頭を放ちノックダウンを調査比較
した。殺虫薬液としては、ｄｌ．ｄ−Ｔ８０アレスリン
（商品名、ピナミンフォルテ、住友化学工業株式会社
製）ビナミンフォルテ３％、平均沸点２５０℃のケロシ
ン９６．９％、香料０．１％を使用したが、ｄ．ｄ−Ｔ
８０プラレトリン（±）−２−メチル−４−オキソ−３
−（２−プロピニル）−２−シクロペンテニル（＋）−
シス−クリサンテマート（商品名、エトック、住友化学
工業株式会社製）エトック０．６６％、平均沸点２５０
℃のケロシン９９．２４％、香料０．１％を使用しても
同様の結果であった。 上記の結果は、室温２５℃、湿度６５％、通電は１２時
間間隔、ＫＴ−５０（ノックダウン５０％の所要秒数）
であり、３回繰返した平均である。
吸上式加熱蒸散装置を０．２１６立方メートルの試験箱
内で１分間蒸散させた後取出し、その後１分間放置して
から、出願人のキング化学株式会社で累代飼育している
チカイエカ雌成虫２０頭を放ちノックダウンを調査比較
した。殺虫薬液としては、ｄｌ．ｄ−Ｔ８０アレスリン
（商品名、ピナミンフォルテ、住友化学工業株式会社
製）ビナミンフォルテ３％、平均沸点２５０℃のケロシ
ン９６．９％、香料０．１％を使用したが、ｄ．ｄ−Ｔ
８０プラレトリン（±）−２−メチル−４−オキソ−３
−（２−プロピニル）−２−シクロペンテニル（＋）−
シス−クリサンテマート（商品名、エトック、住友化学
工業株式会社製）エトック０．６６％、平均沸点２５０
℃のケロシン９９．２４％、香料０．１％を使用しても
同様の結果であった。 上記の結果は、室温２５℃、湿度６５％、通電は１２時
間間隔、ＫＴ−５０（ノックダウン５０％の所要秒数）
であり、３回繰返した平均である。
【００１３】以上の結果から、本発明の目的である、加
熱状態下における単位時間当りの薬液の蒸散所要量を、
目詰まりをすることなく長時間（３０日程度）にわたっ
て平均的に維持させるに適したものは、Ｂ乃至Ｆである
ことが確認された。
熱状態下における単位時間当りの薬液の蒸散所要量を、
目詰まりをすることなく長時間（３０日程度）にわたっ
て平均的に維持させるに適したものは、Ｂ乃至Ｆである
ことが確認された。
【００１４】上記構成した各実施例の殺虫剤加熱蒸散用
吸液芯は、図１に示すように、通気孔ａを有する上ケー
スｂと、上方に発熱体Ｈを設置し、殺虫剤加熱蒸散用吸
液芯ｃにより蚊殺液ｄを吸上げるようにした蚊殺液容器
ｅを保持する下ケースｆとからなる蚊殺器本体Ａに使用
する。そして、発熱体Ｈに通電することにより、吸上げ
部分から吸上げられて蒸散部分に至った薬液は、通電に
よって加熱された発熱体Ｈにより吸上芯ｃの周囲が間接
加熱されて蒸散するようになる。
吸液芯は、図１に示すように、通気孔ａを有する上ケー
スｂと、上方に発熱体Ｈを設置し、殺虫剤加熱蒸散用吸
液芯ｃにより蚊殺液ｄを吸上げるようにした蚊殺液容器
ｅを保持する下ケースｆとからなる蚊殺器本体Ａに使用
する。そして、発熱体Ｈに通電することにより、吸上げ
部分から吸上げられて蒸散部分に至った薬液は、通電に
よって加熱された発熱体Ｈにより吸上芯ｃの周囲が間接
加熱されて蒸散するようになる。
【００１５】上記は殺虫液についての結果であるが、芳
香を目的として使用する場合は、天然及び人工の各種香
料を用いることができ、例えば、動物性、植物性の天然
香料、炭化水素、アルコール、フェノール、アルデヒ
ド、ケトン、ラクトン、オキシド、エステル類の人工香
料の一種を単独又は二種以上を混合して使用し、薬液は
加熱により蒸散するものであれば使用でき、又使用する
繊維はトップ又はスライバーの何れであっても同様の結
果となる。
香を目的として使用する場合は、天然及び人工の各種香
料を用いることができ、例えば、動物性、植物性の天然
香料、炭化水素、アルコール、フェノール、アルデヒ
ド、ケトン、ラクトン、オキシド、エステル類の人工香
料の一種を単独又は二種以上を混合して使用し、薬液は
加熱により蒸散するものであれば使用でき、又使用する
繊維はトップ又はスライバーの何れであっても同様の結
果となる。
【００１６】
【発明の効果】以上のように本発明に係る殺虫剤加熱蒸
散用吸液芯は、トップまたはスライバー状にしたアクリ
ル、ナイロン、エステルの何れか一種の合成樹脂繊維
を、メラミン、フェノール、尿素等の何れか又はこれら
の組合せによる熱硬化性樹脂で接着加熱成形した吸液芯
おいて、吸液芯の単糸の太さが約３デニールで気孔率１
２〜１８％であって、吸液芯の一端部を薬液中に浸漬し
て毛細管現象により吸液上昇させた薬液を通電加熱、加
熱停止を繰り返し、長期間（約３０日程度）にわたって
薬液を定量蒸散させることができ、吸液芯の単位面積当
りの繊維の構成本数を比較的多くすることができて、加
熱状態下における単位時間当りの蒸散所要量が一定とな
り、目詰まりをすることなく長期にわたって平均的に薬
剤効果を維持させることができる。従って、従来のよう
に芯内部で薬液が次第に濃縮され樹脂化して目詰りを起
したり、芯材が変質したり、一度に多量の薬液が蒸散し
たりすることがなく、一定量の薬液を連続的に吸上げ及
び長時間加熱蒸散が可能となり、蒸散率の経時的低下は
回避され、長期にわたって安定した殺虫効果を維持する
ことができ、薬液中の成分の蒸散の安定性をはかること
ができるものである。また本発明の殺虫剤加熱蒸散用吸
液芯は、困難な材料の混合や糊を使用した固定化が不要
であって、熱可塑性熱性樹脂液を含浸させて直径８ｍｍ
のものを乾燥工程を経て、成形、熱処理により樹脂を十
分に含浸させてこれらの周囲を削って直径７ｍｍとし
て、均一な製品が得られる。
散用吸液芯は、トップまたはスライバー状にしたアクリ
ル、ナイロン、エステルの何れか一種の合成樹脂繊維
を、メラミン、フェノール、尿素等の何れか又はこれら
の組合せによる熱硬化性樹脂で接着加熱成形した吸液芯
おいて、吸液芯の単糸の太さが約３デニールで気孔率１
２〜１８％であって、吸液芯の一端部を薬液中に浸漬し
て毛細管現象により吸液上昇させた薬液を通電加熱、加
熱停止を繰り返し、長期間（約３０日程度）にわたって
薬液を定量蒸散させることができ、吸液芯の単位面積当
りの繊維の構成本数を比較的多くすることができて、加
熱状態下における単位時間当りの蒸散所要量が一定とな
り、目詰まりをすることなく長期にわたって平均的に薬
剤効果を維持させることができる。従って、従来のよう
に芯内部で薬液が次第に濃縮され樹脂化して目詰りを起
したり、芯材が変質したり、一度に多量の薬液が蒸散し
たりすることがなく、一定量の薬液を連続的に吸上げ及
び長時間加熱蒸散が可能となり、蒸散率の経時的低下は
回避され、長期にわたって安定した殺虫効果を維持する
ことができ、薬液中の成分の蒸散の安定性をはかること
ができるものである。また本発明の殺虫剤加熱蒸散用吸
液芯は、困難な材料の混合や糊を使用した固定化が不要
であって、熱可塑性熱性樹脂液を含浸させて直径８ｍｍ
のものを乾燥工程を経て、成形、熱処理により樹脂を十
分に含浸させてこれらの周囲を削って直径７ｍｍとし
て、均一な製品が得られる。
【図１】本発明の殺虫剤加熱蒸散用吸液芯を用いた電気
蚊取り器の断面図。
蚊取り器の断面図。
ａ 通気孔 ｂ 上ケース ｃ 殺虫剤加熱蒸散用吸液芯 ｄ 蚊殺液 ｅ 蚊殺液容器 ｆ 下ケース Ａ 蚊殺器本体 Ｈ 発熱体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 平八郎 兵庫県伊丹市行基町１−５株式会社フジ コー内 (72)発明者 旅田 禎克 和歌山県和歌山市北113−78 (72)発明者 岡島 洪 和歌山県和歌山市北113−69 (56)参考文献 特開 平２−200137（ＪＰ，Ａ)
Claims (1)
- 【請求項１】 トップまたはスライバー状にしたアクリ
ル、ナイロン、エステルの何れか一種の合成樹脂繊維
を、メラミン、フェノール、尿素等の何れか又はこれら
の組合せによる熱硬化性樹脂で接着加熱成形した吸液芯
おいて、吸液芯の単糸の太さが約３デニールで気孔率１
２〜１８％であって、吸液芯の一端部を薬液中に浸漬し
て毛細管現象により吸液上昇させた薬液を加熱温度約１
２０℃で通電加熱、加熱停止を繰返し長期間にわたって
薬液を定量蒸散させることを特徴とする殺虫剤加熱蒸散
用吸液芯。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3074890A JP2668291B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 殺虫剤加熱蒸散用吸液芯 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3074890A JP2668291B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 殺虫剤加熱蒸散用吸液芯 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04308501A JPH04308501A (ja) | 1992-10-30 |
| JP2668291B2 true JP2668291B2 (ja) | 1997-10-27 |
Family
ID=13560421
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3074890A Expired - Lifetime JP2668291B2 (ja) | 1991-04-08 | 1991-04-08 | 殺虫剤加熱蒸散用吸液芯 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2668291B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100770328B1 (ko) | 2001-08-03 | 2007-10-25 | 에스.티. 케미칼 캄파니, 리미티드 | 액체 흡수 코어 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH02200137A (ja) * | 1989-01-26 | 1990-08-08 | Kobayashi Pharmaceut Co Ltd | 薬剤発散用容器の吸上げ芯材 |
-
1991
- 1991-04-08 JP JP3074890A patent/JP2668291B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04308501A (ja) | 1992-10-30 |
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