JPWO2016167209A1 - 害虫防除製品、及び害虫防除方法 - Google Patents

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Abstract

長時間に亘って安定した性能を発揮し続けることができる水性殺虫剤組成物に適用可能な害虫防除製品を提供する。30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるピレスロイド系殺虫成分と、沸点が150〜300℃であるグリコールエーテル系化合物と、水とを含有する水性殺虫剤組成物を蒸散させるための加熱蒸散用吸液芯を備えた害虫防除製品であって、水性処方液をジエチレングリコールモノブチルエーテル40質量%水溶液とし、油性処方液を炭素数14の流動パラフィンとし、加熱蒸散用吸液芯の下部を水性処方液又は油性処方液に夫々浸漬した場合において、水性処方液が加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V1)、及び油性処方液が加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V2)から求められる、加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V1/V2)が、0.55〜1.0の範囲である。

Description

本発明は、比較的蒸気圧が高いピレスロイド系殺虫成分を含有する水性殺虫剤組成物の蒸散に使用する加熱蒸散用吸液芯を備えた害虫防除製品、及び当該害虫防除製品を用いた害虫防除方法に関する。
蚊等の飛翔害虫を防除するための害虫防除製品として、殺虫成分を含有する薬液に吸液芯を浸漬し、吸液された薬液を吸液芯の上部に導き、吸液芯を加熱することにより殺虫成分を大気中に蒸散させる方式を採用した、いわゆる「蚊取リキッド」が市販されている。蚊取リキッドに使用する薬液は、灯油をベースとした油性処方と、水をベースとした水性処方とに大きく分類される。これまでの蚊取リキッドは、油性処方が主流であったが、水性処方は、使い勝手や効能の点において、油性処方よりも優れている面がある。例えば、特許文献1及び特許文献2には、水性処方の殺虫剤は油性処方の殺虫剤に比べて、火気に対する危険性を軽減できることや、害虫に対する殺虫効果を増強し得ることが記載されている。
蚊取リキッドの殺虫成分には、一般に、ピレスロイド系化合物が使用される。ピレスロイド系化合物の種類は、従来は、アレスリン、プラレトリン、フラメトリン等の殺虫成分が主流であったが、近年は、殺虫活性に優れたトランスフルトリン、メトフルトリン等の新しい殺虫成分が使用される傾向にある。
トランスフルトリンやメトフルトリン等は、アレスリンやプラレトリン等に比べると、蒸気圧が高く物性上も異なっているが、油性処方の蚊取リキッドであれば、従来のピレスロイド系化合物に適合した仕様の吸液芯をそのまま使用しても、さほど大きな問題は生じない。一方、トランスフルトリンやメトフルトリン等を水性処方として調製した場合、従来のピレスロイド系化合物用の吸液芯を使用すると、例えば、水性処方の吸液芯に対する親和性のバランスが崩れて殺虫成分蒸散量が不安定となり、殺虫効力に支障を来たす虞がある。
これらの問題を解決する手段として、(1)薬液処方の改良、(2)吸液芯仕様の変更、(3)発熱体温度の変更・調整等の方策が考えられる。ところが、(3)発熱体温度の変更・調整については、「蚊取リキッド」として使用される従来の器具が既に市場に行き渡っている現状を考えると、あまり現実的な方策とは言えない。
(1)薬液処方の改良の一環として、特許文献3には、ピレスロイド系殺虫成分に高沸点溶剤を配合したものが開示されている。特許文献3によれば、メトフルトリン及びチオテック(パラフィンとナフテン系炭化水素とを略6:4で配合した混合物)を用いて加熱蒸散用害虫防除液を調製している。ところが、チオテックは水に溶解しないため、このような処方液は当然に水性蚊取リキッドには適用できないものである。
(2)吸液芯仕様の変更に関しては、特許文献4において、リンの酸化物を含む骨材を配合した成形体を焼成してなるものが開示されている。特許文献4によれば、比表面積が1.0〜3.0m/g、吸液率が15〜35%、吸液速度が10〜25mm/時間の吸液芯が得られ、このような特性を有する吸液芯は、水性処方の薬液にも使用可能であるとされている。
特公平7−74130号公報 特公平7−100641号公報 特開2003−81720号公報 特開2000−103704号公報
害虫忌避効果を持続しながら薬液を空気中に安定して揮散させるためには、揮散中に薬液の成分バランスを適切な状態に維持し続けることが重要となる。特に、水性処方の薬液を使用する場合は、殺虫成分、界面活性剤、及び水の三成分のバランスを保ちながら蒸散させる必要があり、そのためには、薬液の組成に加えて、吸液芯中における薬液の挙動を十分に把握しておく必要がある。
この点に関し、特許文献1及び特許文献2は、薬液の配合成分の一つである界面活性剤に着目した技術であり、薬液の揮散性と吸液芯の物性との関係について考慮しているものではない。特許文献3は、高沸点溶剤を配合することにより、薬液を長時間に亘って安定的に揮散させようとする技術であるが、吸液芯については一般的な多孔質材を使用しているに過ぎず、十分に工夫されたものではない。特許文献4は、吸液芯の物性について検討した技術であるが、当該技術は実際には油性処方に使用されるdl・d−T80−アレスリン、バイオアレスリン、d・d−T80−プラレトリン等への適用を意図したものであって、従来のピレスロイド系殺虫成分とは物性が異なるトランスフルトリン、メトフルトリン等のピレスロイド系殺虫成分への適用は意図されていない。
トランスフルトリン、メトフルトリン等のピレスロイド系殺虫成分、界面活性剤、及び水の三成分からなる水性殺虫剤組成物を用いた水性蚊取リキッドを開発するにあたっては、殺虫剤組成物の処方だけでなく、吸液芯中における殺虫剤組成物の挙動についても検討する必要があるが、これまでの技術では、そのような検討が十分になされていなかったのが現状である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、比較的蒸気圧が高いピレスロイド系殺虫成分を含有する薬液の蒸散に使用可能な加熱蒸散用吸液芯を備えた害虫防除製品において、加熱蒸散用吸液芯中における薬液の挙動に着目し、長時間に亘って安定した性能を発揮し続けることができる水性殺虫剤組成物に適用可能な害虫防除製品を提供することを目的とする。また、そのような害虫防除製品を用いた害虫防除方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る害虫防除製品の特徴構成は、
30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるピレスロイド系殺虫成分と、沸点が150〜300℃であるグリコールエーテル系化合物と、水とを含有する水性殺虫剤組成物を蒸散させるための加熱蒸散用吸液芯を備えた害虫防除製品であって、
水性処方液をジエチレングリコールモノブチルエーテル40質量%水溶液とし、油性処方液を炭素数14の流動パラフィンとし、前記加熱蒸散用吸液芯の下部を前記水性処方液又は前記油性処方液に夫々浸漬した場合において、
前記水性処方液が前記加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V)、及び前記油性処方液が前記加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V)から求められる、前記加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)が、0.55〜1.0の範囲であることにある。
本発明に係る害虫防除製品において、
前記水性/油性吸液比率(V/V)が、0.60〜0.85の範囲であることが好ましい。
本発明に係る害虫防除製品において、
前記ピレスロイド系殺虫成分は、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びプロフルトリンからなる群から選択される少なくとも一種であることが好ましい。
本発明に係る害虫防除製品において、
前記加熱蒸散用吸液芯は、焼成芯又は製紐芯であることが好ましく、焼成芯である場合、原材料として、無機質粉体と、無機質粘結剤と、有機物質とを含むことが好ましく、製紐芯である場合、芯材と、当該芯材の外周面を被覆する鞘材とを有し、前記鞘材は、天然繊維、合成繊維、及び無機繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含むことが好ましい。
上記構成の害虫防除製品によれば、水性殺虫剤組成物が適切な成分を含有し、加熱蒸散用吸液芯が適切な構成を備えており、且つ加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)が適切な比率に設定されているため、加熱蒸散用吸液芯から水性殺虫剤組成物を蒸散させる際に、長時間に亘って安定した蒸散性能と高い殺虫効力とを両立することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る害虫防除方法の特徴構成は、
上記の何れか一に記載の害虫防除製品を用いた害虫防除方法であって、
前記加熱蒸散用吸液芯を前記水性殺虫剤組成物に浸漬し、吸液された前記水性殺虫剤組成物を前記加熱蒸散用吸液芯の上部に導き、60〜130℃で加熱することにより前記ピレスロイド系殺虫成分を大気中に蒸散させることにある。
上記構成の害虫防除方法によれば、本発明の害虫防除製品を用いて水性殺虫剤組成物の加熱蒸散を行うため、長時間に亘って安定した蒸散性能と高い殺虫効力とを両立することができる。
以下、本発明の害虫防除製品、及び害虫防除方法について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や実施例に限定されることを意図しない。
本発明の害虫防除製品に適用可能な水性蚊取リキッド用殺虫剤組成物(以下、単に「水性殺虫剤組成物」と称する。)は、30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるピレスロイド系殺虫成分を含有する。ピレスロイド系殺虫成分は、例えば、トランスフルトリン、メトフルトリン、プロフルトリン、エムペントリン、テラレスリン、4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−クリサンテマート、及び4−メトキシメチル−2,3,5,6−テトラフルオロベンジル−2,2−ジメチル−3−(2−クロロ−2−トリフルオロメチルビニル)シクロプロパンカルボキシレート等が挙げられる。これらのうち、加熱蒸散性、殺虫効力、安定性等を考慮すると、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びプロフルトリンが好ましく、トランスフルトリンがより好ましい。上掲のピレスロイド系殺虫成分は、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。また、ピレスロイド系殺虫成分において、酸部分やアルコール部分に不斉炭素に基づく光学異性体や幾何異性体が存在する場合、それらも本発明で使用可能なピレスロイド系殺虫成分に含まれる。
水性殺虫剤組成物中のピレスロイド系殺虫成分の含有量は、0.1〜3.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満の場合、十分な殺虫効力を得ることができない場合がある。一方、含有量が3.0質量%を超えると、水性殺虫剤組成物の性状に支障をきたす虞がある。
水性殺虫剤組成物は、水性処方液として調製される。従って、水性殺虫剤組成物の溶媒には水が使用される。水性処方液とすることで、油性処方液に比べて火気に対する危険性を軽減することができ、害虫に対する殺虫効果を増強することが容易となる。水性処方液は、水に、ピレスロイド系殺虫成分とともに、沸点が150〜300℃、好ましくは200〜260℃であるグリコールエーテル系化合物を配合して調製される。グリコールエーテル系化合物は、(1)ピレスロイド系殺虫成分を可溶化し、(2)加熱蒸散性を向上させ、(3)ピレスロイド系殺虫成分と水との間に介在して三成分を一定の比率を保って加熱蒸散させる作用を有する。さらに、グリコールエーテル系化合物は、ピレスロイド感受性の害虫に対して「効力増強剤」としても作用し、感受性が低下した害虫を対象とした場合でも殺虫効力の低下度合を軽減させる効果が認められる。
水性殺虫剤組成物中のグリコールエーテル系化合物の含有量は、10〜70質量%が好ましい。含有量が10質量%未満であると、水性製剤化に支障をきたすだけでなく、効力増強剤としての作用、及び殺虫効力の低下度合を軽減させる効果が乏しくなる。一方、含有量が70質量%を超えても殺虫効果が頭打ちとなるばかりか、火気に対する危険性が増大することとなって、水性処方としてのメリットが損なわれる虞がある。
グリコールエーテル系化合物は、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(沸点:202℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(沸点:207℃、以降DEMIP)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点:231℃、以降DEMB)、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル(沸点:220℃、以降DEMIB)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点:259℃、以降DEMH)、ジエチレングリコールモノ2−エチルヘキシルエーテル(沸点:272℃)、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(沸点:283℃)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(沸点:249℃)、プロピレングリコールモノターシャリーブチルエーテル(沸点:151℃)、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点:188℃)、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル(沸点:210℃、以降DPMP)、3−メトキシ−1,2−プロパンジオール(沸点:220℃)等が挙げられる。これらのうち、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテルが好ましく、ジエチレングリコールモノブチルエーテルがより好ましい。上掲のグリコールエーテル系化合物は、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。
水性殺虫剤組成物には、その他に各種成分を配合することができる。例えば、ディート、テルペン系化合物、天然精油、及び香料のような忌避成分、抗菌剤、防カビ剤、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、パラヒドロキシ安息香酸メチルのような安定化剤、pH調整剤、着色剤、茶抽出物やチャ乾留液等の消臭剤などを適宜配合してもよく、また、水性殺虫剤組成物を調製するにあたって、水性処方の利点を損なわない範囲であれば、水の他に、エタノール、イソプロパノールのような低級アルコール、エステル系又はエーテル系溶剤、灯油(ケロシン)、可溶化剤、分散剤を適宜使用しても構わない。このようにして調製された水性殺虫剤組成物は、加熱蒸散用吸液芯を備えた容器本体(図示せず)に充填され、本発明の害虫防除製品(水性蚊取リキッド)が構成される。
本発明の害虫防除製品は、加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)が適切な範囲となるように設定される。本発明において、「加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)」とは、以下のように規定される吸液芯からの薬剤の蒸散性に関するパラメータである。先ず、水性処方液としてジエチレングリコールモノブチルエーテル40質量%水溶液、油性処方液として炭素数14の流動パラフィンを夫々調製する。次に、水性処方液又は油性処方液を適切な容器に夫々15mmの高さまで注入し、容器底面に全長約70mmの加熱蒸散用吸液芯を直立状態で載置することにより加熱蒸散用吸液芯の下部を各処方液に浸漬する。この状態で所定時間静置し、各処方液が加熱蒸散用吸液芯に吸収されて上昇した到達距離(mm)を計測する。到達距離(mm)の測定は、加熱蒸散用吸液芯の高さ20〜60mmの範囲において、少なくとも三箇所を選択して経時的に実施する。加熱蒸散用吸液芯における処方液の到達距離の計測にあたっては、加熱蒸散用吸液芯の高さが25〜60mm程度の位置が目視し易く、且つ吸液速度が安定しているので、到達距離がこの範囲内に含まれるように、加熱蒸散用吸液芯の素材に応じて少なくとも三箇所を経時的に設定すればよい。加熱蒸散用吸液芯の素材については後述するが、例えば、無機質紛体に有機物質及び無機質粘結剤を加えた混合物を600〜2000℃で焼成してなる焼成芯の場合は3〜15時間程度、保持材(芯材)の外周面に処方液を吸液揮散させるための繊維集合体(ポリエステル系繊維及び/又はポリアミド系繊維)(鞘材)を被覆してなる製紐芯の場合は5〜15分程度の間で少なくとも三箇所の測定点を設けるのが適当である。
測定が終わったら、縦軸を到達距離(mm)とし、横軸を経過時間(分又は時間)としたグラフに測定データをプロットし、各処方液について最小自乗法等によるフィッティング直線を引く。そして、水性処方液のフィッティング直線の勾配〔すなわち、水性処方液が加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V)〕、及び油性処方液のフィッティング直線の勾配〔すなわち、油性処方液が加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V)〕を夫々求め、両者の比率(V/V)を加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率と定義する。
蚊取リキッドは、加熱蒸散用吸液芯を処方液である殺虫剤組成物に浸漬し、吸液された殺虫剤組成物を加熱蒸散用吸液芯の上部に導き、60〜130℃で加熱することにより殺虫剤組成物に含まれるピレスロイド系殺虫成分を大気中に蒸散させて害虫を防除するものである。蚊取リキッドの処方液として水性殺虫剤組成物(水性処方液)を使用した場合、加熱蒸散用吸液芯を水性処方液に浸漬すると、殺虫成分、界面活性剤、及び水の三成分のバランスを保ちながら水性処方液が加熱蒸散用吸液芯を上昇し、加熱蒸散用吸液芯の上部から空中に蒸散するのが理想的である。しかしながら、水性処方液の主成分であるジエチレングリコールモノブチルエーテルは、油性処方液の主成分である炭素数14の流動パラフィンと比べて加熱蒸散用吸液芯への浸透速度が遅いため、水性処方液に含まれる各成分間で浸透速度に差異が生じ、加熱蒸散用吸液芯の上部では浸透速度の速い成分が一般的に高濃度に存在するようになり、その成分の組成比率が相対的に高まっていくことが想定される。そして、このような現象は、加熱蒸散用吸液芯の材質、加熱蒸散用吸液芯と処方液との親和性、各成分の特性(蒸散性、粘性、親水性等)等に左右され、水性殺虫剤組成物では特に生じ易い。
この点に関し、本発明者らがさらなる検討を行ったところ、ピレスロイド系殺虫成分として30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgである化合物を選択し、かつ沸点が150〜300℃であるグリコールエーテル系化合物を含有する水性殺虫剤組成物を用いて加熱蒸散を行った場合、先に定義した加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)が、0.55〜1.0の範囲、好ましくは0.60〜0.85の範囲を満たす加熱蒸散用吸液芯を採用することによって、良好な蒸散性能と実用的な殺虫効力とを示すことを見出した。すなわち、上記範囲を満たす水性殺虫剤組成物と、上記範囲を満たす加熱蒸散用吸液芯とを組み合わせて害虫防除製品を構成すれば、加熱蒸散用吸液芯の性能を最大限に発揮することが可能となることが明らかとなった。
ところで、蚊取リキッドの加熱蒸散用吸液芯は、一般的な区分けによれば、焼成芯、製紐芯、粘結芯に大別されるが、本発明では、焼成芯又は製紐芯が好適に使用される。加熱蒸散用吸液芯として焼成芯又は製紐芯を使用する場合について、以下に説明する。なお、加熱蒸散用吸液芯の素材は、ピレスロイド系殺虫成分を含む水性殺虫剤組成物に対して安定で、且つ毛細管現象で水溶液を吸液可能なものであれば、特に限定されない。
焼成芯は、(a)無機質粉体、(b)無機質粘結剤、及び(c)有機物質を含む混合物を600〜2000℃で焼成することによって得られるが、(b)及び(c)の配合量が少なく、ほぼ無機質粉体のみから形成されるものをセラミック芯と称することがある。
無機質粉体は、例えば、マイカ、アルミナ、シリカ、タルク、ムライト、コージライト、及びジルコニア等が挙げられる。これらのうち、マイカは、加熱蒸散用吸液芯に比較的均一な微細孔が生成できるため、好ましい材料である。上掲の無機質粉体は、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。加熱蒸散用吸液芯における無機質粉体の含有量は、10〜90質量%が好ましく、30〜70質量%がより好ましい。無機質粉体の形状は、外観、吸液性、強度等の物性の点から、50メッシュ以下の微粉状が好ましい。ただし、加熱蒸散用吸液芯の製造工程において、粉砕処理を伴う場合は、この限りではない。
無機質粘結剤は、例えば、クレー(カオリンクレー)、ベントナイト、ハロサイト等の各種粘土、タールピッチ、水ガラス等が挙げられる。これらのうち、クレーは、粘結作用性に優れているため、好ましい材料である。上掲の無機質粘結剤は、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。加熱蒸散用吸液芯における無機質粘結剤の含有量は、5〜50質量%が好ましく、10〜40質量%がより好ましい。無機質粘結剤は、常温では粘結作用は乏しいが、600〜2000℃で焼成することで十分な粘結作用を示すようになり、加熱蒸散用吸液芯として好適に使用可能となる。
有機物質は、黒鉛、カーボンブラック、活性炭、木炭、及びコークス等の炭素質粉体、又はカルボキシメチルセルロース(CMC)、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の有機質粘結剤が挙げられる。これらのうち、黒鉛は、比較的形状が均一で不純物が少ないため、好ましい材料である。黒鉛等の炭素質紛体を配合すると、加熱蒸散用吸液芯の外観、色調、吸液性、強度等を改善することができる。上掲の炭素質粉体又は有機質粘結剤は、単独で使用してもよいし、複数種を混合した状態で使用してもよい。加熱蒸散用吸液芯における有機物質の含有量は、5〜40質量%が好ましい。この範囲であれば、加熱蒸散用吸液芯を焼成する過程で一酸化炭素又は二酸化炭素が発生することにより加熱蒸散用吸液芯中に連続気孔が生成し、毛細管現象によって吸液性能を示すのに十分な多孔質構造を形成することができる。
なお、加熱蒸散用吸液芯には、上記物質の他に、防腐剤、4,4’−メチレンビス(2−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の酸化防止剤を適宜添加してもよい。
製紐芯は、芯材の外周面に水性殺虫剤組成物を吸液し揮散させるための鞘材を被覆してなり、当該鞘材は天然繊維、合成繊維、及び無機繊維から選ばれる一種以上の繊維集合体として形成されるのが一般的である。製紐芯において、芯材は加熱蒸散用吸液芯の形状保持機能を有するものである。その材質としては、必ずしも水性殺虫剤組成物を吸液する機能を備える必要はなく、例えば、130℃以上の耐熱性を有する熱可塑性及び/又は熱硬化性の合成樹脂で形成することができる。なお、形状保持機能を強化するために、芯材の補強材として、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維等の繊維状補強材や、ガラス紛体、無機フィラーと呼ばれるシリカ、アルミナ、酸化チタン等の紛体状補強材等によって熱可塑性及び/又は熱硬化性の合成樹脂を補強することも可能である。
鞘材は通常繊維集合体として形成され、これを構成する繊維としては、例えば、木綿等の天然繊維、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン、アラミド等の合成繊維、ガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維等の一種以上が挙げられるが、その耐熱温度が130℃以上であるポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、アラミド等の合成繊維が好ましい。そして、このような繊維集合体は、ブレード、織布、編地、フェルト、あるいは不織布からなる繊維素材で構成されるのが一般的である。その際、繊維素材に界面活性剤処理を施して吸液速度を調節したり、また、鞘材の表面を更にワニス等を用いて被覆したり、親水加工等の機能加工を施してもよい。
こうして得られた加熱蒸散用吸液芯は、当該加熱蒸散用吸液芯を介して水性殺虫剤組成物を加熱蒸散させる方式の本発明の害虫防除製品(水性蚊取リキッド)に適用される。すなわち、水性殺虫剤組成物をポリプロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニルなどのプラスチック製薬液容器に収容し、中栓を介して加熱蒸散用吸液芯を水性殺虫剤組成物中に浸漬させる。そうすると、容器内の水性殺虫剤組成物は吸液芯上部に導かれ、その周囲に設けられたリング状の発熱体により60〜130℃に加熱されて大気中に蒸散する。加熱蒸散用吸液芯は、発熱体と間隙を設けて対向しているので、吸液芯上部の目的の表面温度(例えば、60〜130℃)は、発熱体の温度をそれより高く(例えば、80〜150℃)設定することにより達成される。水性殺虫剤組成物の加熱温度が高くなり過ぎると、水性殺虫剤組成物が早期に蒸散したり、水性殺虫剤組成物の熱分解や重合が生じる可能性があり、その結果、加熱蒸散用吸液芯の表面に高沸点物質が生成し、これが蓄積して目詰まりを起こす虞がある。一方、加熱温度が低くなり過ぎると、水性殺虫剤組成物が蒸散し難くなり、十分な防虫性能を達成できなくなる。
本発明の害虫防除製品は、前述の発熱体に加え、従来の装置に準じて種々の機能や部材が付設されたものとすることができる。発熱体の上部には安全上保護キャップが載置され、その中央部に開口部が形成されるが、その大きさ、形状は蒸散する処方液が過度に保護キャップや器体に凝縮、付着しない限りにおいて任意である。例えば、内径10〜30mmの円筒状蒸散筒を開口部付近から垂下させることは有効であり、この場合、蒸散筒部分の耐熱性や蒸散性能の面から、蒸散筒下端と発熱体上面との距離は通常1〜5mmの範囲内が好ましい。また、発熱体と接続する電源コード、オンオフ操作スイッチ、パイロットランプなどが適宜付設されてもよい。
本発明の害虫防除製品を用いた害虫防除方法によれば、リビングルームや居室、寝室等の屋内で、ピレスロイド感受性系統は勿論、感受性が低下した、アカイエカ、コガタアカイエカ、ネッタイイエカ、チカイエカ等のイエカ類、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ等のヤブカ類、ユスリカ類等の蚊類、及びイエバエ類、チョウバエ類、ノミバエ類、アブ類、ブユ類、ヌカカ類等の他の有害飛翔性昆虫に対しても実用的な殺虫効力を示すので極めて有用性が高い。また、その他の匍匐害虫として、ゴキブリ、ノミ、トコジラミ(ナンキンムシ)に対しても同様に有用性を示す。
次に、具体的実施例に基づいて、本発明の害虫防除製品、及び害虫防除方法を更に詳細に説明する。
〔実施例1〕
トランスフルトリンを0.9質量%、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(DEMB)を50質量%、安定剤としてジブチルヒドロキシトルエン(BHT)を0.1質量%、及び精製水を49質量%配合し、水性殺虫剤組成物を調製した。
無機質粉体としてマイカ粉を55質量%、無機質粘結剤としてクレー粉を30質量%、有機物質として黒鉛を10質量%、有機質粘結剤としてカルボキシメチルセルロースを3質量%、澱粉を2質量%含む混合物に水を加えて混練し、混錬物を加圧しながら押出し、風乾した後1000℃で焼成し、加熱蒸散用吸液芯(直径7mm、長さ66mmの丸棒)を得た。この加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率は0.63であった。
水性殺虫剤組成物45mLをプラスチック製容器に充填し、中栓を介して加熱蒸散用吸液芯を装填し、これを加熱蒸散装置(例えば、特許第2926172号等に記載の装置、吸液芯上部の周囲に設置したリング状発熱体の設定温度は130℃)に取り付けて害虫防除製品(水性蚊取リキッド)を構成した。害虫防除製品を6畳の部屋(25m)の中央に置き、1日あたり12時間通電して使用したところ、60日間(約700時間)に亘って蚊に刺咬されることがなかった。
〔実施例2〜10、比較例1〜6〕
実施例2〜10にかかる水性殺虫剤組成物及び加熱蒸散用吸液芯を実施例1に準じて調製し、これらを加熱蒸散装置に装填して夫々の害虫防除製品を構成し、効力確認試験を実施した。また、比較のため、比較例1〜6にかかる水性殺虫剤組成物及び加熱蒸散用吸液芯を用いた害虫防除製品についても、同様の効力確認試験を実施した。各実施例及び比較例における水性殺虫剤組成物の組成及び加熱蒸散用吸液芯の配合を表1に示す。
Figure 2016167209
<蒸散性能>
6畳の部屋(25m)の中央に供試害虫防除製品を置き、加熱蒸散用吸液芯を通電加熱することによりくん蒸した。所定時間毎にシリカゲル充填カラムでトラップし、アセトンで殺虫成分を抽出後ガスクロマトグラフで分析し、殺虫成分の時間あたりの蒸散量を求めた。
<効力確認試験>
内径20cm、高さ43cmのプラスチック製円筒を2段に重ね、その上に16メッシュの金網で上下を仕切った内径20cm、高さ20cmの円筒(供試昆虫を入れる場所)をゴムパッキンを挟んで載せ、さらにその上に同径で高さ20cmの円筒を載せた。この4段重ねの円筒を台に載せた円板上にゴムパッキンを挟んで置いた。円板中央には5cmの円孔があり、この円孔の上に害虫防除製品を設置し、加熱蒸散用吸液芯を通電加熱することによりくん蒸した。通電4時間後、上部円筒に供試昆虫のアカイエカ雌成虫約20匹を放ち、時間経過に伴い落下仰転した供試昆虫を数え、KT50値を求めた。また、暴露20分後に全供試昆虫を回収して24時間後にそれらの致死率を調べた。
各実施例及び比較例における試験結果を表2に示す。
Figure 2016167209
試験の結果、実施例1〜10の加熱蒸散用吸液芯は、30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるピレスロイド系殺虫成分と、沸点が150〜300℃であるグリコールエーテル系化合物と、水とを配合した水性殺虫剤組成物に適用され、加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)が、0.55〜1.0の範囲であるため、焼成芯又は製紐芯のいずれであっても安定した蒸散性能と優れた殺虫効力を示し、飛翔害虫、特に蚊類を防除する上で極めて有効であることが確認された。特に、ピレスロイド系殺虫成分として、トランスフルトリン、メトフルトリン、及び/又はプロフルトリンを含む実施例1〜9は、使用初期から使用後期に亘って100%の致死率を達成することができた。
これに対し、比較例1及び2のように、所定のピレスロイド系殺虫成分やグリコールエーテル系化合物を使用したとしても、加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)が、0.55〜1.0の範囲を満たさない加熱蒸散用吸液芯の場合、初期の殺虫成分蒸散量は高いものの、その後、蒸散量が顕著に減少する傾向があり、本発明の目的に合致する十分な殺虫効力を奏し得なかった。また、比較例3及び4のように、グリコールエーテル系化合物の沸点が所定範囲を外れる場合や、比較例5及び6のように、ピレスロイド系殺虫成分の蒸気圧が所定範囲を外れる場合では、加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)の規定を満たしたとしても、有効な蒸散性能及び殺虫効力を示すことができなかった。
本発明の害虫防除製品、及び害虫防除方法は、人体やペットを害虫から保護する目的で利用可能なものであるが、その他の用途として、例えば、殺虫、殺ダニ、殺菌、抗菌、消臭、及び防臭の用途で利用することも可能である。

Claims (7)

  1. 30℃における蒸気圧が2×10−4〜1×10−2mmHgであるピレスロイド系殺虫成分と、沸点が150〜300℃であるグリコールエーテル系化合物と、水とを含有する水性殺虫剤組成物を蒸散させるための加熱蒸散用吸液芯を備えた害虫防除製品であって、
    水性処方液をジエチレングリコールモノブチルエーテル40質量%水溶液とし、油性処方液を炭素数14の流動パラフィンとし、前記加熱蒸散用吸液芯の下部を前記水性処方液又は前記油性処方液に夫々浸漬した場合において、
    前記水性処方液が前記加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V)、及び前記油性処方液が前記加熱蒸散用吸液芯を上昇する速度(V)から求められる、前記加熱蒸散用吸液芯の水性/油性吸液比率(V/V)が、0.55〜1.0の範囲である害虫防除製品。
  2. 前記水性/油性吸液比率(V/V)が、0.60〜0.85の範囲である請求項1に記載の害虫防除製品。
  3. 前記ピレスロイド系殺虫成分は、トランスフルトリン、メトフルトリン、及びプロフルトリンからなる群から選択される少なくとも一種である請求項1又は2に記載の害虫防除製品。
  4. 前記加熱蒸散用吸液芯は、焼成芯又は製紐芯である請求項1〜3の何れか一項に記載の害虫防除製品。
  5. 前記焼成芯は、原材料として、無機質粉体と、無機質粘結剤と、有機物質とを含む請求項4に記載の害虫防除製品。
  6. 前記製紐芯は、芯材と、当該芯材の外周面を被覆する鞘材とを有し、
    前記鞘材は、天然繊維、合成繊維、及び無機繊維からなる群から選択される少なくとも一種の繊維を含む請求項4に記載の害虫防除製品。
  7. 請求項1〜6の何れか一項に記載の害虫防除製品を用いた害虫防除方法であって、
    前記加熱蒸散用吸液芯を前記水性殺虫剤組成物に浸漬し、吸液された前記水性殺虫剤組成物を前記加熱蒸散用吸液芯の上部に導き、60〜130℃で加熱することにより前記ピレスロイド系殺虫成分を大気中に蒸散させる害虫防除方法。
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