JPH07100641A - ガス切断方法 - Google Patents
ガス切断方法Info
- Publication number
- JPH07100641A JPH07100641A JP27293193A JP27293193A JPH07100641A JP H07100641 A JPH07100641 A JP H07100641A JP 27293193 A JP27293193 A JP 27293193A JP 27293193 A JP27293193 A JP 27293193A JP H07100641 A JPH07100641 A JP H07100641A
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- Japan
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- cutting
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- powders
- powder
- gas
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 Mo、Crの1種又は2種を合計で0.5%
以上含有する鋼をガス切断する際、ドロスの付着を防止
し、良好なガス切断面を得る。 【構成】 Fe粉中に昇華しやすい元素あるいはその化
合物粉末を重量比で20〜90%の割合で混入させた混
合粉末を切断酸素中に添加しつつガス切断する。
以上含有する鋼をガス切断する際、ドロスの付着を防止
し、良好なガス切断面を得る。 【構成】 Fe粉中に昇華しやすい元素あるいはその化
合物粉末を重量比で20〜90%の割合で混入させた混
合粉末を切断酸素中に添加しつつガス切断する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はCr、Moを含有するガ
ス切断性が不良な鋼板のガス切断方法の大幅な改良に関
するものである。
ス切断性が不良な鋼板のガス切断方法の大幅な改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ガス切断法は従来より鋼板を容易に切断
する技術として広く実施されてきた。その大きな問題点
は、鋼板裏面に付着するドロスの除去であり、特に、M
o、Cr等の合金元素を含む難切断性鋼板では大きな問
題となる。すなわち、普通鋼板に比べ、Mo、Crを含
有する鋼板ではドロスの付着が著しくなり、切断面品質
が低下することが経験的に知られている。ここでMo、
Cr含有鋼とは、それらの1種または2種を0.5%以
上添加している鋼板をいう。たとえば、中高温圧力容器
用Cr−Mo鋼(1.25Cr鋼、3.5%Cr−Mo
鋼、9%Cr鋼)等が該当する。
する技術として広く実施されてきた。その大きな問題点
は、鋼板裏面に付着するドロスの除去であり、特に、M
o、Cr等の合金元素を含む難切断性鋼板では大きな問
題となる。すなわち、普通鋼板に比べ、Mo、Crを含
有する鋼板ではドロスの付着が著しくなり、切断面品質
が低下することが経験的に知られている。ここでMo、
Cr含有鋼とは、それらの1種または2種を0.5%以
上添加している鋼板をいう。たとえば、中高温圧力容器
用Cr−Mo鋼(1.25Cr鋼、3.5%Cr−Mo
鋼、9%Cr鋼)等が該当する。
【0003】従って、従来のガス切断作業においては、
グラインダー等による切断部の手入れが必須であり、多
くの人手を必要とするばかりでなく、粉塵などにより作
業環境も著しく悪く、3K作業の代表とまで言われてい
る。
グラインダー等による切断部の手入れが必須であり、多
くの人手を必要とするばかりでなく、粉塵などにより作
業環境も著しく悪く、3K作業の代表とまで言われてい
る。
【0004】ドロスの付着は切断条件の選択によりある
程度は防ぐことができるが、流量計の設置、切断速度の
限定などさまざまな制約があり、切断作業の効率向上を
阻害する。さらに、MoやCr等の合金元素が添加され
ている鋼板では、そのような対策だけでは良好な切断が
できない。
程度は防ぐことができるが、流量計の設置、切断速度の
限定などさまざまな制約があり、切断作業の効率向上を
阻害する。さらに、MoやCr等の合金元素が添加され
ている鋼板では、そのような対策だけでは良好な切断が
できない。
【0005】このようなドロスの付着に対し、従来より
多くの対策がなされてきた。例えば、現在実用化されて
いるFe粉を火口近傍から吹き込んで切断するパウダー
カット法や、特開昭56−95469号公報に開示され
ている先行切断火口と後行切断火口をタンデム方式で切
断線上に配置し、両火口から切断酸素および加熱用ガス
炎を放出させ、効率よく切断を行わせることで、ノロ除
去作業が省略できるガス切断法、あるいは特開平1−1
33675号公報に開示されている軸心部の切断酸素噴
流口を囲むように二重に同心環状に配列された予熱炎噴
流口から、中性炎または酸素過剰炎を噴流させることに
より加熱力を増加させ、広い範囲を発火温度に保持する
高速なガス切断方法がある。
多くの対策がなされてきた。例えば、現在実用化されて
いるFe粉を火口近傍から吹き込んで切断するパウダー
カット法や、特開昭56−95469号公報に開示され
ている先行切断火口と後行切断火口をタンデム方式で切
断線上に配置し、両火口から切断酸素および加熱用ガス
炎を放出させ、効率よく切断を行わせることで、ノロ除
去作業が省略できるガス切断法、あるいは特開平1−1
33675号公報に開示されている軸心部の切断酸素噴
流口を囲むように二重に同心環状に配列された予熱炎噴
流口から、中性炎または酸素過剰炎を噴流させることに
より加熱力を増加させ、広い範囲を発火温度に保持する
高速なガス切断方法がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらは基本
的には切断効率を向上するために加熱熱エネルギーを補
うものであり、高速切断は達成されるものの、ドロスの
性質等を変化させるものではなく、鋼板裏面へのドロス
付着に関しては抜本的な解決にはなっていない。
的には切断効率を向上するために加熱熱エネルギーを補
うものであり、高速切断は達成されるものの、ドロスの
性質等を変化させるものではなく、鋼板裏面へのドロス
付着に関しては抜本的な解決にはなっていない。
【0007】そこで本発明は、ガス切断時に発生する鋼
板裏面へのドロスの付着を大幅に改善し、ドロス除去に
よる能率低下、コストの増加を防止し、従来切断法と比
べて良好な切断面が得られるガス切断方法を提供する。
板裏面へのドロスの付着を大幅に改善し、ドロス除去に
よる能率低下、コストの増加を防止し、従来切断法と比
べて良好な切断面が得られるガス切断方法を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、Mo、
Crの1種又は2種を合計で0.5%以上含有する鋼を
ガス切断するに際し、Fe粉中に昇華しやすい元素ある
いはその化合物粉末を重量比で20〜90%の割合で混
入させた混合粉末を切断酸素中に添加しつつ切断するこ
とを特徴とするガス切断方法である。
Crの1種又は2種を合計で0.5%以上含有する鋼を
ガス切断するに際し、Fe粉中に昇華しやすい元素ある
いはその化合物粉末を重量比で20〜90%の割合で混
入させた混合粉末を切断酸素中に添加しつつ切断するこ
とを特徴とするガス切断方法である。
【0009】
【作用】本発明者らは、ガス切断時のドロスの流動性に
関して多くの実験を重ねた結果、昇華しやすい酸化物を
生成する物質をFe粉と共に切断酸素中に添加すると、
ドロスを生じる原因となる鋼板中のFeと切断酸素との
反応においてドロスの流動性が飛躍的に向上し、難切断
性鋼板のドロスの付着が著しく低減できることを見いだ
した。
関して多くの実験を重ねた結果、昇華しやすい酸化物を
生成する物質をFe粉と共に切断酸素中に添加すると、
ドロスを生じる原因となる鋼板中のFeと切断酸素との
反応においてドロスの流動性が飛躍的に向上し、難切断
性鋼板のドロスの付着が著しく低減できることを見いだ
した。
【0010】切断酸素中に例えば炭化タングステン(W
C)等の昇華しやすい酸化物を生成する物質を粉状にし
て微量添加すると、切断面上を流れる切断ドロスの流動
性が著しく向上する。難切断鋼板以外の普通鋼板では、
このような粉末を微量添加するだけで切断性が著しく改
善されるが、Cr、Moを含有する難切断鋼板について
は、昇華しやすい元素あるいはその化合物粉末を重量比
で20〜90%Fe粉中に混入させて同時に添加すると
さらに著しい効果がある。
C)等の昇華しやすい酸化物を生成する物質を粉状にし
て微量添加すると、切断面上を流れる切断ドロスの流動
性が著しく向上する。難切断鋼板以外の普通鋼板では、
このような粉末を微量添加するだけで切断性が著しく改
善されるが、Cr、Moを含有する難切断鋼板について
は、昇華しやすい元素あるいはその化合物粉末を重量比
で20〜90%Fe粉中に混入させて同時に添加すると
さらに著しい効果がある。
【0011】本発明におけるWC等昇華性の酸化物を生
成する粉末の役割およびFe粉の役割は必ずしも明白で
はないが、昇華性ガスによる酸素とFeとの反応界面で
の酸化反応の活性化と同時に、酸化反応自体を効率化す
ることが考えられる。
成する粉末の役割およびFe粉の役割は必ずしも明白で
はないが、昇華性ガスによる酸素とFeとの反応界面で
の酸化反応の活性化と同時に、酸化反応自体を効率化す
ることが考えられる。
【0012】添加粉末は、ガス切断時に容易に酸化し、
かつ生成する酸化物が昇華しやすいという性質を持った
物質でなければならず、例えばWC、W2 C、Mo
2 C、CaCo3 等の化合物、およびW、Mo等の単体
が確認されている。これらの粉末は単独で、または混在
させて添加しても良く、さらに、上記のほかにも同様な
効果を有し、ガス切断中に添加可能であるならば他の化
合物粉末を添加しても何等差し支えない。また、後に述
べるように切断酸素中に添加するため、粒度100〜2
50メッシュ程度の粒状粉末であることが望ましい。
かつ生成する酸化物が昇華しやすいという性質を持った
物質でなければならず、例えばWC、W2 C、Mo
2 C、CaCo3 等の化合物、およびW、Mo等の単体
が確認されている。これらの粉末は単独で、または混在
させて添加しても良く、さらに、上記のほかにも同様な
効果を有し、ガス切断中に添加可能であるならば他の化
合物粉末を添加しても何等差し支えない。また、後に述
べるように切断酸素中に添加するため、粒度100〜2
50メッシュ程度の粒状粉末であることが望ましい。
【0013】Fe粉中に添加される昇華しやすい元素あ
るいはその化合物粉末は反応の熱エネルギーを補うため
混入量を重量比で20%以上添加するが、逆に90%超
添加すると酸化反応が過剰に起こり、ドロス量の増加を
招き、切断性を低下させる。
るいはその化合物粉末は反応の熱エネルギーを補うため
混入量を重量比で20%以上添加するが、逆に90%超
添加すると酸化反応が過剰に起こり、ドロス量の増加を
招き、切断性を低下させる。
【0014】このような混合粉末を、通常市販されてい
るガス切断機の切断酸素上流で酸素と混合して切断を行
う。従って、火口などには何等特殊なものを用いる必要
はない。また、添加量はその時の切断条件で異なるが、
通常は切断酸素中に0.01g/分以上添加されていれ
ば効果がある。
るガス切断機の切断酸素上流で酸素と混合して切断を行
う。従って、火口などには何等特殊なものを用いる必要
はない。また、添加量はその時の切断条件で異なるが、
通常は切断酸素中に0.01g/分以上添加されていれ
ば効果がある。
【0015】また、切断に用いる予熱炎としては、通常
用いられているプロパン、アセチレンなどのほかに、製
鉄所やコークス製造所において用いられているコークス
炉ガス(COG)を使用しても良い。
用いられているプロパン、アセチレンなどのほかに、製
鉄所やコークス製造所において用いられているコークス
炉ガス(COG)を使用しても良い。
【0016】
【実施例】次に、本発明の実施例を示す。
【0017】表1に示した化学成分を有する板厚15〜
20mmの鋼板を同じく表1に示した切断速度で切断し
たときの鋼板裏面でのドロス付着状況を調べた。なお、
切断酸素ガス圧は3.5kgf/cm2 とし、予熱ガス
はLPGを用い、ガス圧力は0.5kgf/cm2 とし
た。
20mmの鋼板を同じく表1に示した切断速度で切断し
たときの鋼板裏面でのドロス付着状況を調べた。なお、
切断酸素ガス圧は3.5kgf/cm2 とし、予熱ガス
はLPGを用い、ガス圧力は0.5kgf/cm2 とし
た。
【0018】
【表1】
【0019】本発明法による実施例No.1、2、3、
4、6、8はいずれもドロス付着が25%以下と極めて
低いのに対し、比較例No.5、7、9はドロス付着が
50%以上の高い比率を示し、全く切断できないものも
あった。すなわち、No.5は所定の粉末を添加しなか
った例であり、No.7はFe粉の添加割合が10%の
例である。さらに、No.9はFe粉のみを添加した例
であるが、切断は不可能であった。
4、6、8はいずれもドロス付着が25%以下と極めて
低いのに対し、比較例No.5、7、9はドロス付着が
50%以上の高い比率を示し、全く切断できないものも
あった。すなわち、No.5は所定の粉末を添加しなか
った例であり、No.7はFe粉の添加割合が10%の
例である。さらに、No.9はFe粉のみを添加した例
であるが、切断は不可能であった。
【0020】
【発明の効果】本発明により、従来良好な切断ができな
かった難切断鋼板のガス切断効率を飛躍的に向上でき、
切断コストを大幅に削減可能である。
かった難切断鋼板のガス切断効率を飛躍的に向上でき、
切断コストを大幅に削減可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 Mo、Crの1種又は2種を合計で0.
5%以上含有する鋼をガス切断するに際し、Fe粉中に
昇華しやすい元素あるいはその化合物粉末を重量比で2
0〜90%の割合で混入させた混合粉末を切断酸素中に
添加しつつ切断することを特徴とするガス切断方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27293193A JPH07100641A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | ガス切断方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27293193A JPH07100641A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | ガス切断方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07100641A true JPH07100641A (ja) | 1995-04-18 |
Family
ID=17520762
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27293193A Pending JPH07100641A (ja) | 1993-10-06 | 1993-10-06 | ガス切断方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07100641A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009297782A (ja) * | 2008-06-11 | 2009-12-24 | Tetsuo Harada | 液体フラックスの製造方法及びその装置 |
JP2010100441A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Tetsuo Harada | 液体フラックスとその製造方法及び製造装置 |
KR20170116126A (ko) | 2015-04-14 | 2017-10-18 | 다이니혼 죠츄기쿠 가부시키가이샤 | 해충 방제 제품, 및 해충 방제 방법 |
-
1993
- 1993-10-06 JP JP27293193A patent/JPH07100641A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009297782A (ja) * | 2008-06-11 | 2009-12-24 | Tetsuo Harada | 液体フラックスの製造方法及びその装置 |
JP2010100441A (ja) * | 2008-10-21 | 2010-05-06 | Tetsuo Harada | 液体フラックスとその製造方法及び製造装置 |
KR20170116126A (ko) | 2015-04-14 | 2017-10-18 | 다이니혼 죠츄기쿠 가부시키가이샤 | 해충 방제 제품, 및 해충 방제 방법 |
KR20190066091A (ko) | 2015-04-14 | 2019-06-12 | 다이니혼 죠츄기쿠 가부시키가이샤 | 해충 방제 제품, 및 해충 방제 방법 |
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