JPH0764791B2 - アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents
アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法Info
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- JPH0764791B2 JPH0764791B2 JP1166565A JP16656589A JPH0764791B2 JP H0764791 B2 JPH0764791 B2 JP H0764791B2 JP 1166565 A JP1166565 A JP 1166565A JP 16656589 A JP16656589 A JP 16656589A JP H0764791 B2 JPH0764791 B2 JP H0764791B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル
の製造方法の改良に関するものである。さらに詳しくい
えば、本発明は、エステル化反応における副反応を抑制
し、効率よく後処理を行うことにより、高収率でかつ工
業的有利にアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステ
ルを製造する方法に関するものである。
の製造方法の改良に関するものである。さらに詳しくい
えば、本発明は、エステル化反応における副反応を抑制
し、効率よく後処理を行うことにより、高収率でかつ工
業的有利にアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステ
ルを製造する方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、アクリル酸エステルやメタクリル酸エステルは、
重合体原料として種々の用途、例えば合成樹脂、塗料、
接着剤、粘着剤、紙加工処理剤、潤滑油添加剤、建築用
封止剤、インキなとに幅広く用いられている。
重合体原料として種々の用途、例えば合成樹脂、塗料、
接着剤、粘着剤、紙加工処理剤、潤滑油添加剤、建築用
封止剤、インキなとに幅広く用いられている。
このアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの製造
方法としては、アクリル酸又はメタクリル酸とアルコー
ルとの触媒の存在下に反応させる方法が一般に広く知ら
れており、そしてこのエステル化反応に際しては、アク
リル酸やメタクリル酸の重合を防止するために、重合禁
止剤を添加し、酸素又は空気を共存させて、反応を行う
のが有効であることも知られている[大森英三著「機能
性アクリル樹脂」テクノシステム社刊行]。
方法としては、アクリル酸又はメタクリル酸とアルコー
ルとの触媒の存在下に反応させる方法が一般に広く知ら
れており、そしてこのエステル化反応に際しては、アク
リル酸やメタクリル酸の重合を防止するために、重合禁
止剤を添加し、酸素又は空気を共存させて、反応を行う
のが有効であることも知られている[大森英三著「機能
性アクリル樹脂」テクノシステム社刊行]。
また、後処理方法については、エステル化反応の終了後
に、反応生成物をアルカリ水溶液で処理する方法(特開
昭61−243046号公報)や、脂肪族炭化水素で処理する方
法(特公昭60−52143号公報、特開昭58−192851号公
報)などが提案されている。
に、反応生成物をアルカリ水溶液で処理する方法(特開
昭61−243046号公報)や、脂肪族炭化水素で処理する方
法(特公昭60−52143号公報、特開昭58−192851号公
報)などが提案されている。
しかしながら、これらの方法においては、アクリル酸や
メタクリル酸の重合を十分に防止することができず、ま
た後処理工程において乳濁状態を形成するなど、好まし
くない事態を招来し、その改良が望まれていた。
メタクリル酸の重合を十分に防止することができず、ま
た後処理工程において乳濁状態を形成するなど、好まし
くない事態を招来し、その改良が望まれていた。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような従来のアクリル酸エステルやメタ
クリル酸エステルの製造方法における欠点を克服し、エ
ステル化反応における副反応(重合)を抑制し、効率よ
く後処理を行うことにより、高収率でアクリル酸エステ
ル又はメタクリル酸エステルを製造する方法を提供する
ことを目的としてなされたものである。
クリル酸エステルの製造方法における欠点を克服し、エ
ステル化反応における副反応(重合)を抑制し、効率よ
く後処理を行うことにより、高収率でアクリル酸エステ
ル又はメタクリル酸エステルを製造する方法を提供する
ことを目的としてなされたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者は前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた
結果、反応工程においては、重合禁止剤を含有するアク
リル酸又はメタクリル酸とアルコールとを用い、酸触媒
及び溶媒の存在下に特定濃度の酸素を含有する不活性ガ
ス雰囲気中でエステル化反応を行うことにより、また、
後処理工程においては、反応生成物に特定の処理を施す
ことにより、その目的を達成しうることを見い出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
結果、反応工程においては、重合禁止剤を含有するアク
リル酸又はメタクリル酸とアルコールとを用い、酸触媒
及び溶媒の存在下に特定濃度の酸素を含有する不活性ガ
ス雰囲気中でエステル化反応を行うことにより、また、
後処理工程においては、反応生成物に特定の処理を施す
ことにより、その目的を達成しうることを見い出し、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、酸触媒及び溶媒の存在下、アクリ
ル酸又はメタクリル酸とアルコールとを反応させてその
エステルを製造するに当たり、重合禁止剤を含有するア
クリル酸又はメタクリル酸を用い、かつ酸素0.1〜10容
量%を含有する不活性ガス雰囲気下で反応を行い、得ら
れた反応生成物をアルカリ水溶液により、40〜95℃の温
度において処理したのち、この処理液を油相と水相とに
分離し、次いで油相を温水により40〜95℃の温度におい
て処理したのち、フラッシュ処理し、さらに薄膜蒸発処
理することを特徴とするアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルの製造方法を提供するものである。
ル酸又はメタクリル酸とアルコールとを反応させてその
エステルを製造するに当たり、重合禁止剤を含有するア
クリル酸又はメタクリル酸を用い、かつ酸素0.1〜10容
量%を含有する不活性ガス雰囲気下で反応を行い、得ら
れた反応生成物をアルカリ水溶液により、40〜95℃の温
度において処理したのち、この処理液を油相と水相とに
分離し、次いで油相を温水により40〜95℃の温度におい
て処理したのち、フラッシュ処理し、さらに薄膜蒸発処
理することを特徴とするアクリル酸エステル又はメタク
リル酸エステルの製造方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明方法は、酸触媒及び溶媒の存在下、アクリル酸又
はメタクリル酸とアルコールとを反応させて、アクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルを製造する方法で
あり、この際用いる原料のアルコールとしては、脂肪族
アルコール、脂環式アルコール及び芳香族アルコールの
いずれも用いることができる。脂肪族アルコールとして
は、例えばプロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチ
ルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコー
ル、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコー
ル、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシル
アルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコー
ル、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコー
ル、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、
エイコシルアルコール、ヘンエイコシルアルコール、ド
コシルアルコール、トリコシルアルコール、テトラコシ
ルアルコール、ペンタコシルアルコール、ヘキサコシル
アルコール、ヘプタコシルアルコール、オクタコシルア
ルコール、ノナコシルアルコール、トリアコンシルアル
コール、プロペニルアルコール、ブテニルアルコール、
ペンテニルアルコール、ヘキセニルアルコール、ヘプテ
ニルアルコール、オクテニルアルコール、ノネニルアル
コール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコー
ル、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、
テトラデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコー
ル、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデセニルアルコ
ール、オクタデセニルアルコール、ノナデセニルアルコ
ール、エイコセニルアルコール、ドコセニルアルコー
ル、テトラコセニルアルコール、ヘキサコセニルアルコ
ール、オクタコセニルアルコール、トリアコセニルアル
コール、シトロネロール、ゲラニオール、ファルネソー
ル、リノレイルアルコールなどを挙げることができる。
はメタクリル酸とアルコールとを反応させて、アクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルを製造する方法で
あり、この際用いる原料のアルコールとしては、脂肪族
アルコール、脂環式アルコール及び芳香族アルコールの
いずれも用いることができる。脂肪族アルコールとして
は、例えばプロピルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、ペンチ
ルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコー
ル、オクチルアルコール、2−エチルヘキシルアルコー
ル、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシル
アルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコー
ル、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコー
ル、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、
エイコシルアルコール、ヘンエイコシルアルコール、ド
コシルアルコール、トリコシルアルコール、テトラコシ
ルアルコール、ペンタコシルアルコール、ヘキサコシル
アルコール、ヘプタコシルアルコール、オクタコシルア
ルコール、ノナコシルアルコール、トリアコンシルアル
コール、プロペニルアルコール、ブテニルアルコール、
ペンテニルアルコール、ヘキセニルアルコール、ヘプテ
ニルアルコール、オクテニルアルコール、ノネニルアル
コール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコー
ル、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、
テトラデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコー
ル、ヘキサデセニルアルコール、ヘプタデセニルアルコ
ール、オクタデセニルアルコール、ノナデセニルアルコ
ール、エイコセニルアルコール、ドコセニルアルコー
ル、テトラコセニルアルコール、ヘキサコセニルアルコ
ール、オクタコセニルアルコール、トリアコセニルアル
コール、シトロネロール、ゲラニオール、ファルネソー
ル、リノレイルアルコールなどを挙げることができる。
該脂環式アルロールとしては、炭素数が好ましくは5〜
30で、五員環以上の環を少なくとも1個有する飽和又は
不飽和の環状脂肪族一価アルコールが用いられる。ま
た、この脂環式アルコールは、環に炭素数1〜20の飽和
又は不飽和のアルキル基やアルケニル基が1個以上置換
されていてもよい。このような脂環式アルコールとして
は、例えばシクロペンチルアルコール、シクロヘキシル
アルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチ
ルアルコール、シクロノニルアルコール、シクロデシル
アルコール、シクロウンデシルアルコール、シクロドデ
シルアルコール、シクロトリデシルアルコール、シクロ
テトラデシルアルコール、シクロヘキサデシルアルコー
ル、シクロオクタデシルアルコール、ジシクロデシルア
ルコール、ジシクロウンデシルアルコール、ジシクロド
デシルアルコール、トリシクロデシルアルコール、トリ
シクロウンデシルアルコール、トリシクロドデシルアル
コール、メチルシクロペンチルアルコール、エチルシク
ロペンチルアルコール、プロピルシクロペンチルアルコ
ール、ブチルシクロペンチルアルコール、メチルシクロ
ヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコー
ル、プロピルシクロヘキシルアルコール、ブチルシクロ
ヘキシルアルコール、ヘキシルシクロヘキシルアルコー
ル、オクチルシクロヘキシルアルコール、ノニルシクロ
ヘキシルアルコール、デシルシクロヘキシルアルコー
ル、ドデシルシクロヘキシルアルコール、ペンタデシル
シクロヘキシルアルコール、オクタデシルシクロヘキシ
ルアルコール、エイコシルシクロヘキシルアルコール、
ジメチルシクロヘキシルアルコール、メチルプロピルシ
クロヘキシルアルコール、シクロペンテニルアルコー
ル、シクロヘキセニルアルコール、ジクロオクテニルア
ルコール、シクロデセニルアルコール、ジシクロデセニ
ルアルコール、プロペニルシクロヘキシルアルコール、
ヘキセニルシクロヘキシルアルコール、オクテニルシク
ロヘキシルアルコール、デセニルシクロヘキシルアルコ
ール、ドデセニルシクロヘキシルアルコール、シクロペ
ンチルカルビノール、シクロヘキシルカルビノール、シ
クロオクチルカルビノール、ジシクロデシルカルビノー
ル、ジシクロドデシルカルビノール、トリシクロデシル
カルビノール、メチルシクロペンチルカルビノール、ブ
チルシクロペンチルカルビノール、エチルシクロヘキシ
ルカルビノール、オクチルシクロヘキシルカルビノー
ル、デシルシクロヘキシルカルビノール、シクロヘキセ
ニルカルビノール、シクロオクテニルカルビノール、ジ
シクロデセニルカルビノール、ジメチルシクロヘキシル
カルビノール、メチルプロピルシクロヘキシルカルビノ
ール、ボルネオール、カルベオール、メントール、テル
ピネオール、ピノカンフェオール、カジノール、カロト
ールなどを挙げることができる。
30で、五員環以上の環を少なくとも1個有する飽和又は
不飽和の環状脂肪族一価アルコールが用いられる。ま
た、この脂環式アルコールは、環に炭素数1〜20の飽和
又は不飽和のアルキル基やアルケニル基が1個以上置換
されていてもよい。このような脂環式アルコールとして
は、例えばシクロペンチルアルコール、シクロヘキシル
アルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチ
ルアルコール、シクロノニルアルコール、シクロデシル
アルコール、シクロウンデシルアルコール、シクロドデ
シルアルコール、シクロトリデシルアルコール、シクロ
テトラデシルアルコール、シクロヘキサデシルアルコー
ル、シクロオクタデシルアルコール、ジシクロデシルア
ルコール、ジシクロウンデシルアルコール、ジシクロド
デシルアルコール、トリシクロデシルアルコール、トリ
シクロウンデシルアルコール、トリシクロドデシルアル
コール、メチルシクロペンチルアルコール、エチルシク
ロペンチルアルコール、プロピルシクロペンチルアルコ
ール、ブチルシクロペンチルアルコール、メチルシクロ
ヘキシルアルコール、エチルシクロヘキシルアルコー
ル、プロピルシクロヘキシルアルコール、ブチルシクロ
ヘキシルアルコール、ヘキシルシクロヘキシルアルコー
ル、オクチルシクロヘキシルアルコール、ノニルシクロ
ヘキシルアルコール、デシルシクロヘキシルアルコー
ル、ドデシルシクロヘキシルアルコール、ペンタデシル
シクロヘキシルアルコール、オクタデシルシクロヘキシ
ルアルコール、エイコシルシクロヘキシルアルコール、
ジメチルシクロヘキシルアルコール、メチルプロピルシ
クロヘキシルアルコール、シクロペンテニルアルコー
ル、シクロヘキセニルアルコール、ジクロオクテニルア
ルコール、シクロデセニルアルコール、ジシクロデセニ
ルアルコール、プロペニルシクロヘキシルアルコール、
ヘキセニルシクロヘキシルアルコール、オクテニルシク
ロヘキシルアルコール、デセニルシクロヘキシルアルコ
ール、ドデセニルシクロヘキシルアルコール、シクロペ
ンチルカルビノール、シクロヘキシルカルビノール、シ
クロオクチルカルビノール、ジシクロデシルカルビノー
ル、ジシクロドデシルカルビノール、トリシクロデシル
カルビノール、メチルシクロペンチルカルビノール、ブ
チルシクロペンチルカルビノール、エチルシクロヘキシ
ルカルビノール、オクチルシクロヘキシルカルビノー
ル、デシルシクロヘキシルカルビノール、シクロヘキセ
ニルカルビノール、シクロオクテニルカルビノール、ジ
シクロデセニルカルビノール、ジメチルシクロヘキシル
カルビノール、メチルプロピルシクロヘキシルカルビノ
ール、ボルネオール、カルベオール、メントール、テル
ピネオール、ピノカンフェオール、カジノール、カロト
ールなどを挙げることができる。
さらに芳香族アルコールとしては、炭素数が好ましくは
7〜30で、芳香環を少なくとも1個有し、かつアルコー
ル性水酸基1個を有する一価アルコールが用いられる。
また、この芳香族アルコールは、その芳香環に炭素数1
〜20の飽和又は不飽和のアルキル基やアルケニル基が1
個以上置換されていてもよく、このような芳香族アルコ
ールとしては、例えばベンジルアルコール、メチルベン
ジルアルコール、プロピルベンジルアルコール、ブチル
ベンジルアルコール、ヘキシルベンジルアルコール、オ
クチルベンジルアルコール、ノニルベンジルアルコー
ル、デシルベンジルアルコール、ドデシルベンジルアル
コール、ペンタデシルベンジルアルコール、オクタデシ
ルベンジルアルコール、エイコシルベンジルアルコー
ル、ジメチルベンジルアルコール、トリメチルベンジル
アルコール、ジブチルベンジルアルコール、ジオクチル
ベンジルアルコール、メチルエチルベンジルアルコー
ル、メチルプロピルベンジルアルコール、メチルブチル
ベンジルアルコール、ジメチルブチルベンジルアルコー
ル、メチルフェニルベンジルアルコール、オクテニルベ
ンジルアルコール、ドデセニルベンジルアルコール、フ
ェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコー
ル、フェニルブチルアルコールなどを挙げることができ
る。
7〜30で、芳香環を少なくとも1個有し、かつアルコー
ル性水酸基1個を有する一価アルコールが用いられる。
また、この芳香族アルコールは、その芳香環に炭素数1
〜20の飽和又は不飽和のアルキル基やアルケニル基が1
個以上置換されていてもよく、このような芳香族アルコ
ールとしては、例えばベンジルアルコール、メチルベン
ジルアルコール、プロピルベンジルアルコール、ブチル
ベンジルアルコール、ヘキシルベンジルアルコール、オ
クチルベンジルアルコール、ノニルベンジルアルコー
ル、デシルベンジルアルコール、ドデシルベンジルアル
コール、ペンタデシルベンジルアルコール、オクタデシ
ルベンジルアルコール、エイコシルベンジルアルコー
ル、ジメチルベンジルアルコール、トリメチルベンジル
アルコール、ジブチルベンジルアルコール、ジオクチル
ベンジルアルコール、メチルエチルベンジルアルコー
ル、メチルプロピルベンジルアルコール、メチルブチル
ベンジルアルコール、ジメチルブチルベンジルアルコー
ル、メチルフェニルベンジルアルコール、オクテニルベ
ンジルアルコール、ドデセニルベンジルアルコール、フ
ェニルエチルアルコール、フェニルプロピルアルコー
ル、フェニルブチルアルコールなどを挙げることができ
る。
本発明方法においては、アクリル酸又はメタクリル酸と
アルコールとの使用割合は、用いるアルコールの沸点に
より適宜選ぶことが望ましい。例えば、常圧での沸点が
概略200℃以上のアルコールを用いてエステル化反応を
行う場合には、アルコールの沸点が高いために、反応後
の蒸留操作において、原料のアルコールの分離除去が困
難であることから、通常アクリル酸又はメタクリル酸に
対するアルコールのモル比が小さい、すなわちアクリル
酸又はメタクリル酸が過剰な反応系でエステル化反応が
行われる。
アルコールとの使用割合は、用いるアルコールの沸点に
より適宜選ぶことが望ましい。例えば、常圧での沸点が
概略200℃以上のアルコールを用いてエステル化反応を
行う場合には、アルコールの沸点が高いために、反応後
の蒸留操作において、原料のアルコールの分離除去が困
難であることから、通常アクリル酸又はメタクリル酸に
対するアルコールのモル比が小さい、すなわちアクリル
酸又はメタクリル酸が過剰な反応系でエステル化反応が
行われる。
一方、常圧での沸点が概略200℃以下のアルコールを用
いてエステルを製造する場合には、前記のようにアクリ
ル酸又はメタクリル酸が過剰な反応系でエステル化反応
を行ってもよいし、逆にアルコールが過剰な反応系で該
反応を行ってもよい。
いてエステルを製造する場合には、前記のようにアクリ
ル酸又はメタクリル酸が過剰な反応系でエステル化反応
を行ってもよいし、逆にアルコールが過剰な反応系で該
反応を行ってもよい。
両者の具体的な使用割合については、アクリル酸又はメ
タクリル酸が過剰な反応系では、アルコール1モルに対
し、アクリル酸又はメタクリル酸が通常1〜7モル、好
ましくは1〜4モルの割合で用いられ、一方アルコール
が過剰な反応系では、アクリル酸又はメタクリル酸1モ
ルに対し、アルコールが通常1〜50モル、好ましくは1
〜20モルの割合で用いられる。
タクリル酸が過剰な反応系では、アルコール1モルに対
し、アクリル酸又はメタクリル酸が通常1〜7モル、好
ましくは1〜4モルの割合で用いられ、一方アルコール
が過剰な反応系では、アクリル酸又はメタクリル酸1モ
ルに対し、アルコールが通常1〜50モル、好ましくは1
〜20モルの割合で用いられる。
本発明方法においては、触媒として酸触媒が用いられ
る。この酸触媒としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リ
ン酸などの鉱酸や、p−トルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、メタンスルホン酸、キシレンスルホン酸な
どの有機酸が挙げられる。これらの触媒は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その使
用量は、アクリル酸又はメタクリル酸が過剰な反応系で
はアルコールに対し、一方、アルコールが過剰な反応系
ではアクリル酸又はメタクリル酸に対し、通常0.05〜50
モル%、好ましくは0.1〜10モル%の範囲で選ばれる。
る。この酸触媒としては、例えば硫酸、塩酸、硝酸、リ
ン酸などの鉱酸や、p−トルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、メタンスルホン酸、キシレンスルホン酸な
どの有機酸が挙げられる。これらの触媒は1種用いても
よいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その使
用量は、アクリル酸又はメタクリル酸が過剰な反応系で
はアルコールに対し、一方、アルコールが過剰な反応系
ではアクリル酸又はメタクリル酸に対し、通常0.05〜50
モル%、好ましくは0.1〜10モル%の範囲で選ばれる。
本発明方法においては、溶媒として、副生する水を共沸
除去しうるような溶媒、例えば水と共沸混合組成を形成
して、沸点が水の沸点より低くなるような溶媒を用い
る。このような溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、石油エーテル、石油
ベンジン、ナフサ、ガソリン、灯油、リグロイン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素化合
物、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、
キュメン、その他炭素数9〜11の芳香族炭化水素や、ク
ロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水素などの芳香
族化合物、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテルな
どの水不溶性エーテルなどが挙げられ、これらは1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
除去しうるような溶媒、例えば水と共沸混合組成を形成
して、沸点が水の沸点より低くなるような溶媒を用い
る。このような溶媒としては、例えばペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、ノナン、石油エーテル、石油
ベンジン、ナフサ、ガソリン、灯油、リグロイン、シク
ロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素化合
物、あるいはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、
キュメン、その他炭素数9〜11の芳香族炭化水素や、ク
ロロベンゼンのような塩素化芳香族炭化水素などの芳香
族化合物、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、メチルプロピルエーテル、メチルブチルエーテルな
どの水不溶性エーテルなどが挙げられ、これらは1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの溶媒の使用量は、原料のアクリル酸又はメタク
リル酸とアルコールとの合計量100重量部に対し、通常
3〜500重量部、好ましくは10〜100重量部の範囲で選ば
れる。
リル酸とアルコールとの合計量100重量部に対し、通常
3〜500重量部、好ましくは10〜100重量部の範囲で選ば
れる。
本発明において、エステル化工程におけるアクリル酸又
はメタクリル酸の重合を抑制し、副反応を抑えるのが目
的である場合、該アクリル酸やメタクリル酸として、重
合禁止剤を含有するものを用い、かつ酸素0.1〜10容量
%を含有する不活性ガス雰囲気下でエステル化反応が行
われる。
はメタクリル酸の重合を抑制し、副反応を抑えるのが目
的である場合、該アクリル酸やメタクリル酸として、重
合禁止剤を含有するものを用い、かつ酸素0.1〜10容量
%を含有する不活性ガス雰囲気下でエステル化反応が行
われる。
該重合禁止剤としては、例えばハイドロキノン、メトキ
シハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジン、t−ブチルクレゾール、ジメチル
−t−ブチルフェノール、t−ブチルカテコールなどが
挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよく、またその添加量はアクリル酸
又はメタクリル酸に対し、通常5〜5000wtppm、好まし
くは20〜2000wtppmの範囲で選ばれる。
シハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、フェノチアジン、t−ブチルクレゾール、ジメチル
−t−ブチルフェノール、t−ブチルカテコールなどが
挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組
み合わせて用いてもよく、またその添加量はアクリル酸
又はメタクリル酸に対し、通常5〜5000wtppm、好まし
くは20〜2000wtppmの範囲で選ばれる。
また、この際、不活性ガス雰囲気下で反応が行われる
が、この不活性ガスは酸素を0.1〜10容量%、好ましく
は2〜8容量%の割合で含有することが必要である。酸
素含有量が前記範囲を逸脱すると本発明の効果が十分に
発揮されない。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、二酸化炭素、フロン11、フロン12及
びこれらの混合ガスなどが挙げられるが、これらの中で
窒素が安価で入手しやすいので好ましい。また空気に、
前記不活性ガス、特に窒素を混入させて、酸素含有量を
前記範囲になるように調節したものも好適に用いること
ができる。
が、この不活性ガスは酸素を0.1〜10容量%、好ましく
は2〜8容量%の割合で含有することが必要である。酸
素含有量が前記範囲を逸脱すると本発明の効果が十分に
発揮されない。不活性ガスとしては、窒素、ヘリウム、
ネオン、アルゴン、二酸化炭素、フロン11、フロン12及
びこれらの混合ガスなどが挙げられるが、これらの中で
窒素が安価で入手しやすいので好ましい。また空気に、
前記不活性ガス、特に窒素を混入させて、酸素含有量を
前記範囲になるように調節したものも好適に用いること
ができる。
酸素濃度が0.1容量%未満の場合は、重合禁止剤を添加
した効果が十分に発揮されず反応液相中にアクリル酸又
はメタクリル酸の重合物が析出することとなる。また、
アルカリ水溶液処理を施した場合は、この重合物の塩を
生成し、油相がエマルジョン化してしまうという不都合
が生じる。酸素濃度が10容量%を超えると反応槽内や還
流冷却環内部に爆発混合組成を形成するので好ましくな
い。
した効果が十分に発揮されず反応液相中にアクリル酸又
はメタクリル酸の重合物が析出することとなる。また、
アルカリ水溶液処理を施した場合は、この重合物の塩を
生成し、油相がエマルジョン化してしまうという不都合
が生じる。酸素濃度が10容量%を超えると反応槽内や還
流冷却環内部に爆発混合組成を形成するので好ましくな
い。
本発明方法におけるエステル化の反応温度は、通常50〜
250℃、好ましくは80〜200℃の範囲で選ばれ、一方反応
時間は通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間程度で
ある。反応は大気圧下で行ってもよいし、生成した水を
容易に除去するために、減圧下で行ってもよい。また、
留出した水のみを分離し、溶媒や原料を還流させるため
の分水器を反応装置に設置して、反応を行ってもよい。
250℃、好ましくは80〜200℃の範囲で選ばれ、一方反応
時間は通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間程度で
ある。反応は大気圧下で行ってもよいし、生成した水を
容易に除去するために、減圧下で行ってもよい。また、
留出した水のみを分離し、溶媒や原料を還流させるため
の分水器を反応装置に設置して、反応を行ってもよい。
本発明において、効率的な後処理を目的とする場合、反
応終了後、反応生成物をアルカリ水溶液により、40〜95
℃の温度において処理したのち、この処理液を油相と水
相とに分離し、次いで油相を温水により、40〜95℃の温
度において処理する方法が採用される。
応終了後、反応生成物をアルカリ水溶液により、40〜95
℃の温度において処理したのち、この処理液を油相と水
相とに分離し、次いで油相を温水により、40〜95℃の温
度において処理する方法が採用される。
この方法において用いられるアルカリ水溶液としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、
アンモニアなど、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムを0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%の
割合で含有するものが挙げられる。このアルカリ水溶液
で反応生成物を処理する際の温度は40〜95℃、好ましく
は50〜90℃の範囲にあることが必要であり、40℃未満で
処理した場合、油相がエマルジョン化して、エステル体
を単離することができなくなる。また、95℃を越える場
合は、水又は水溶液を添加した際に油相の突沸が生じる
危険性がある。液相と水相との分離は、静薙分離法で行
ってもよいし、遠心分離法で行ってもよい。またこの処
理においては、予めアルカリ水溶液の温度を前記範囲の
温度に加温しておくのが有利である。また、処理する際
のpHは8以上、好ましくは9以上が望ましい。
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、
アンモニアなど、好ましくは水酸化ナトリウムや水酸化
カリウムを0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜20重量%の
割合で含有するものが挙げられる。このアルカリ水溶液
で反応生成物を処理する際の温度は40〜95℃、好ましく
は50〜90℃の範囲にあることが必要であり、40℃未満で
処理した場合、油相がエマルジョン化して、エステル体
を単離することができなくなる。また、95℃を越える場
合は、水又は水溶液を添加した際に油相の突沸が生じる
危険性がある。液相と水相との分離は、静薙分離法で行
ってもよいし、遠心分離法で行ってもよい。またこの処
理においては、予めアルカリ水溶液の温度を前記範囲の
温度に加温しておくのが有利である。また、処理する際
のpHは8以上、好ましくは9以上が望ましい。
処理する際のpHが8未満となると、酸の洗浄が不十分と
なり、処理液がエマルジョン化して、エステル体を単離
することができなくなる。
なり、処理液がエマルジョン化して、エステル体を単離
することができなくなる。
このようにしてアルカリ処理された反応生成物は、油相
と水相とに前記処理温度において分離されたのち、分離
された油相を温水により、40〜95℃、好ましくは50〜90
℃の範囲の温度において処理される。40℃未満で処理し
た場合、油相がエマルジョン化して、エステル体を単離
することができなくなる。また、95℃を超える場合は水
又は水溶液を添加した際に油相の突沸が生じる危険性が
ある。液相と水相との分離は、静置分離法で行ってもよ
いし、遠心分離法で行ってもよく、また、油相の温水処
理においては予め水をこの温度まで加温しておくことが
望ましい。使用する温水の量については特に制限はない
が、前記アルカリ水溶液と同程度の量を使用することが
できる。この温水処理する際のpHは6〜8の範囲にある
のが望ましい。
と水相とに前記処理温度において分離されたのち、分離
された油相を温水により、40〜95℃、好ましくは50〜90
℃の範囲の温度において処理される。40℃未満で処理し
た場合、油相がエマルジョン化して、エステル体を単離
することができなくなる。また、95℃を超える場合は水
又は水溶液を添加した際に油相の突沸が生じる危険性が
ある。液相と水相との分離は、静置分離法で行ってもよ
いし、遠心分離法で行ってもよく、また、油相の温水処
理においては予め水をこの温度まで加温しておくことが
望ましい。使用する温水の量については特に制限はない
が、前記アルカリ水溶液と同程度の量を使用することが
できる。この温水処理する際のpHは6〜8の範囲にある
のが望ましい。
このようにして、温水処理された処理液はその処理温度
で油相と水相とに分離されたのち、油相は溶媒除去処理
される。この溶媒除去処理は、まずフラッシュ処理を行
い、次いで薄膜蒸発処理を行う。フラッシュ処理条件及
び薄膜蒸発処理条件は、使用する溶媒の種類によって異
なり、一概に定めることができないが、通常常圧若しく
は減圧下で行われる。
で油相と水相とに分離されたのち、油相は溶媒除去処理
される。この溶媒除去処理は、まずフラッシュ処理を行
い、次いで薄膜蒸発処理を行う。フラッシュ処理条件及
び薄膜蒸発処理条件は、使用する溶媒の種類によって異
なり、一概に定めることができないが、通常常圧若しく
は減圧下で行われる。
本発明における前記のエステル化工程と後処理工程は、
両工程を組み合わせることにより、エステル化において
副反応(重合)が抑制されるとともに、効率よく後処理
を行うことができ、高収率でかつ工業的有利にアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルを製造することが
できる。
両工程を組み合わせることにより、エステル化において
副反応(重合)が抑制されるとともに、効率よく後処理
を行うことができ、高収率でかつ工業的有利にアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルを製造することが
できる。
次に、本発明方法の好適な1例について、添付図面の製
造工程図に従って説明すると、まず反応槽5に、重合禁
止剤を含有するアクリル酸又はメタクリル酸、アルコー
ル、触媒及び溶媒を、それぞれタンク1、2、3及び4
から仕込み、エステル化反応を行う。反応槽5には所定
濃度の酸素を含有する不活性ガス、例えば窒素と空気と
の混合ガスをライン23から供給し、反応中に生成した水
は、溶媒とともにコンデンサー6で擬縮されて、受器7
に集められ、ライン8を通って系外に廃棄され、一方溶
媒は受器7から反応槽5に還流される。
造工程図に従って説明すると、まず反応槽5に、重合禁
止剤を含有するアクリル酸又はメタクリル酸、アルコー
ル、触媒及び溶媒を、それぞれタンク1、2、3及び4
から仕込み、エステル化反応を行う。反応槽5には所定
濃度の酸素を含有する不活性ガス、例えば窒素と空気と
の混合ガスをライン23から供給し、反応中に生成した水
は、溶媒とともにコンデンサー6で擬縮されて、受器7
に集められ、ライン8を通って系外に廃棄され、一方溶
媒は受器7から反応槽5に還流される。
反応生成物はアルカリ水溶液タンク10から供給される所
定の温度のアルカリ水溶液と9にてラインブレンドされ
たのち、第1分離槽12に送られ、油相と水相とに分離さ
れ、水相はライン13を通って系外へ廃棄される。一方油
相は、温水タンク11から供給される所定温度の温水と14
にてラインブレンドされたのち、第2分離槽15に送ら
れ、油相と水相とに分離され、水相はライン16を通って
系外へ廃棄される。油相はフラッシュ塔17に送られて、
大部分の溶媒が留去され、その残液は薄膜蒸発器20に送
られて溶媒が完全に取り除かれたのち、アクリル酸エス
テル又はメタクリル酸エステルの製品としてタンク24に
送られる。フラッシュ塔17及び薄膜蒸発器20で蒸発した
溶媒はそれぞれコンデンサー18、受器19及びコンデンサ
ー21、受器22を通って溶媒タンク4に送られる。
定の温度のアルカリ水溶液と9にてラインブレンドされ
たのち、第1分離槽12に送られ、油相と水相とに分離さ
れ、水相はライン13を通って系外へ廃棄される。一方油
相は、温水タンク11から供給される所定温度の温水と14
にてラインブレンドされたのち、第2分離槽15に送ら
れ、油相と水相とに分離され、水相はライン16を通って
系外へ廃棄される。油相はフラッシュ塔17に送られて、
大部分の溶媒が留去され、その残液は薄膜蒸発器20に送
られて溶媒が完全に取り除かれたのち、アクリル酸エス
テル又はメタクリル酸エステルの製品としてタンク24に
送られる。フラッシュ塔17及び薄膜蒸発器20で蒸発した
溶媒はそれぞれコンデンサー18、受器19及びコンデンサ
ー21、受器22を通って溶媒タンク4に送られる。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、
本発明は、これらの例によってなんら限定されるもので
はない。
本発明は、これらの例によってなんら限定されるもので
はない。
実施例1 攪拌装置、酸素含有窒素ガス導入管、冷却管、分水器
(ディーンスタークトラップ)及び温度計を取り付けた
1の四つ口フラスコに、n−ドデシルアルコール186.
3g(1.00モル)、メタクリル酸90.4g(1.05モル)、濃
硫酸0.5g、重合禁止剤メトキシハイドロキノン50mg及び
溶媒としてのトルエン80mlを仕込んだ。
(ディーンスタークトラップ)及び温度計を取り付けた
1の四つ口フラスコに、n−ドデシルアルコール186.
3g(1.00モル)、メタクリル酸90.4g(1.05モル)、濃
硫酸0.5g、重合禁止剤メトキシハイドロキノン50mg及び
溶媒としてのトルエン80mlを仕込んだ。
フラスコ内に、酸素濃度が6.0容量%の酸素含有窒素ガ
スを80ml/分の流量で導入した。この酸素含有窒素ガス
雰囲気下、内容液を攪拌しながら加熱し、溶媒と副生す
る水が共沸しはじめてから5時間、大気圧下で分水器に
水を共沸除去しながら、溶媒のみ還流して反応させた。
スを80ml/分の流量で導入した。この酸素含有窒素ガス
雰囲気下、内容液を攪拌しながら加熱し、溶媒と副生す
る水が共沸しはじめてから5時間、大気圧下で分水器に
水を共沸除去しながら、溶媒のみ還流して反応させた。
還流は125℃から始まり、液温は徐々に上昇して、約1.5
時間後には150℃に達し、それ以降は150〜151℃を保っ
た。反応終了時に分水器には18.0mlの水が溜出して捕捉
されていた。
時間後には150℃に達し、それ以降は150〜151℃を保っ
た。反応終了時に分水器には18.0mlの水が溜出して捕捉
されていた。
一方、ジャケットと攪拌装置、温度計を取り付けた1
の分液ロートを準備し、その中に反応終了の反応液を入
れた。ジャケットに60〜65℃の温水を流して温度調節
し、分液ロート内の液温を60℃に保ちながら、予め60℃
に加熱した2重量%NaOH水溶液150mlを加えて攪拌し
た。5分間攪拌したのち、静置したところ、ただちに油
相と水相とに分離したので、水相を廃棄した。水相のpH
は11であった。
の分液ロートを準備し、その中に反応終了の反応液を入
れた。ジャケットに60〜65℃の温水を流して温度調節
し、分液ロート内の液温を60℃に保ちながら、予め60℃
に加熱した2重量%NaOH水溶液150mlを加えて攪拌し
た。5分間攪拌したのち、静置したところ、ただちに油
相と水相とに分離したので、水相を廃棄した。水相のpH
は11であった。
一方、液相は60℃に保持しながら、予め60℃に加熱した
温水200mlを加えて5分間攪拌したのち静置したとこ
ろ、ただちに油相と水相とに分離したので、水相を廃棄
した。この水相のpHは8であった。
温水200mlを加えて5分間攪拌したのち静置したとこ
ろ、ただちに油相と水相とに分離したので、水相を廃棄
した。この水相のpHは8であった。
このようにして処理された油相を1ナスフラスコに入
れ、キャピラリーで窒素をバブリングしながら、減圧度
20〜25mmHg、液温40℃で60分間溶媒をフラッシュさせ、
引き続き同一装置で液温を80℃に昇温し、30分間溶媒を
フラッシュさせた。
れ、キャピラリーで窒素をバブリングしながら、減圧度
20〜25mmHg、液温40℃で60分間溶媒をフラッシュさせ、
引き続き同一装置で液温を80℃に昇温し、30分間溶媒を
フラッシュさせた。
次いで、残液の入ったナスフラスコをロータエバポレー
ターに取り付け、減圧度1〜2mmHg、液温80℃で2時間
溶媒を留去させて、淡い橙色透明の液体253.8gを得た。
ターに取り付け、減圧度1〜2mmHg、液温80℃で2時間
溶媒を留去させて、淡い橙色透明の液体253.8gを得た。
得られた生成物をガスクロマトグラフィーでエステル体
の純度を測定したところ、98.9重量%であり、n−ドデ
シルアルコール基準での収率は98.7モル%であった。
の純度を測定したところ、98.9重量%であり、n−ドデ
シルアルコール基準での収率は98.7モル%であった。
比較例1 実施例1において、反応雰囲気として純窒素を使用した
こと以外は、実施例1と同様に実施した。
こと以外は、実施例1と同様に実施した。
反応生成液と2重量%NaOH水溶液とを混合したら、ただ
ちに液はエマルジョン化し、そのまま60℃で静置して1
時間経過しても分離しなかったため、その後の操作を中
止した。
ちに液はエマルジョン化し、そのまま60℃で静置して1
時間経過しても分離しなかったため、その後の操作を中
止した。
比較例2 実施例1において、アルカリ水溶液による洗浄の際の処
理温度を20℃とし、加えた2重量%NaOH水溶液の温度を
20℃としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
理温度を20℃とし、加えた2重量%NaOH水溶液の温度を
20℃としたこと以外は、実施例1と同様に実施した。
反応生成液と2重量%NaOH水溶液を混合したら、ただち
に液はエマルジョン化し、そのまま室温下で静置し、1
夜経過しても分離しなかったため、その後の操作を中止
した。
に液はエマルジョン化し、そのまま室温下で静置し、1
夜経過しても分離しなかったため、その後の操作を中止
した。
[発明の効果] 本発明によると、アクリル酸又はメタクリル酸とアルコ
ールとのエステル化反応により、アクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルを製造する際に、エステル化工
程において副反応(重合)を抑制し、後処理を効率よく
行うことにより、高収率で、かつ工業的通利にアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルを製造することが
できる。
ールとのエステル化反応により、アクリル酸エステル又
はメタクリル酸エステルを製造する際に、エステル化工
程において副反応(重合)を抑制し、後処理を効率よく
行うことにより、高収率で、かつ工業的通利にアクリル
酸エステル又はメタクリル酸エステルを製造することが
できる。
第1図は本発明方法を実施するための製造工程の1例を
示すフローシートであり、図中符号1はアクリル酸又は
メタクリル酸タンク、2はアルコールタンク、3は触媒
タンク、4は溶媒タンク、5は反応槽、10はアルカリ水
溶液タンク、11は温水タンク、12は第1分離槽、15は第
2分離槽、17はフラッシュ塔、20は薄膜蒸発器、24は製
品タンクである。
示すフローシートであり、図中符号1はアクリル酸又は
メタクリル酸タンク、2はアルコールタンク、3は触媒
タンク、4は溶媒タンク、5は反応槽、10はアルカリ水
溶液タンク、11は温水タンク、12は第1分離槽、15は第
2分離槽、17はフラッシュ塔、20は薄膜蒸発器、24は製
品タンクである。
Claims (3)
- 【請求項1】酸触媒及び溶媒の存在下、アクリル酸又は
メタクリル酸とアルコールとを反応させてそのエステル
を製造するにあたり、重合禁止剤を含有するアクリル酸
又はメタクリル酸を用い、かつ酸素0.1〜10容量%を含
有する不活性ガス雰囲気下で反応を行い、得られた反応
生成物をアルカリ水溶液により、40〜95℃の温度におい
て処理した後、この処理液を油相と水相とに分離し、次
いで油相を温水により、40〜95℃の温度において処理し
た後、フラッシュ処理し、さらに薄膜蒸発処理すること
を特徴とするアクリル酸エステル又はメタクリル酸エス
テルの製造方法。 - 【請求項2】アルカリ水溶液による処理を濃度が0.1〜5
0重量%のアルカリ水溶液を用い、かつpH8以上の条件で
行う請求項1記載のアクリル酸エステル又はメタクリル
酸エステルの製造方法。 - 【請求項3】温水による油相の処理を、pH6〜8の条件
で行う請求項1記載のアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1166565A JPH0764791B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1166565A JPH0764791B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0334956A JPH0334956A (ja) | 1991-02-14 |
JPH0764791B2 true JPH0764791B2 (ja) | 1995-07-12 |
Family
ID=15833623
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1166565A Expired - Lifetime JPH0764791B2 (ja) | 1989-06-30 | 1989-06-30 | アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0764791B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007001958A (ja) * | 2005-06-27 | 2007-01-11 | Toagosei Co Ltd | 多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 |
JPWO2007000920A1 (ja) * | 2005-06-27 | 2009-01-22 | 東亞合成株式会社 | 多官能(メタ)アクリル酸エステル組成物及びその製造方法 |
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FR2700767B1 (fr) * | 1993-01-27 | 1995-04-07 | Atochem Elf Sa | Procédé perfectionné de fabrication de (méthacrylates d'alkyle par estérification directe. |
ES2105473T3 (es) * | 1993-11-25 | 1997-10-16 | Basf Ag | Procedimiento para la eliminacion de partes volatiles residuales de masas fundidas de poliacrilato. |
KR100328995B1 (ko) * | 1999-12-07 | 2002-03-20 | 류정열 | 자동차의 리어 범퍼 고정 구조 |
JP2003226672A (ja) * | 2001-11-27 | 2003-08-12 | Mitsubishi Chemicals Corp | (メタ)アクリル酸エステルの製造方法 |
KR100601392B1 (ko) * | 2004-11-09 | 2006-07-13 | 한국화학연구원 | 에틸렌글리콜디(메타)아크릴레이트의 제조방법 |
JP4160087B2 (ja) | 2006-07-11 | 2008-10-01 | 株式会社日本触媒 | アクリル酸エステルの製造方法 |
CN104177259B (zh) * | 2014-07-31 | 2016-11-09 | 东莞宏石功能材料科技有限公司 | 一种低色度三甘醇二甲基丙烯酸酯及其制备方法 |
CN109824865B (zh) * | 2018-12-26 | 2021-09-07 | 万华化学集团股份有限公司 | 具有储存稳定性的多异氰酸酯固化剂制备方法及固化剂 |
Family Cites Families (7)
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JPS5129432A (en) * | 1974-09-03 | 1976-03-12 | Toa Gosei Chem Ind | Akurirusanesuteru mataha metakurirusanesuteru no seizohoho |
JPS54125610A (en) * | 1978-03-20 | 1979-09-29 | Toagosei Chem Ind Co Ltd | Preparation of polymerizable polyacrylate |
JPS61243046A (ja) * | 1985-04-19 | 1986-10-29 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | アクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルの製造法 |
JPS6242948A (ja) * | 1985-08-16 | 1987-02-24 | Asahi Chem Ind Co Ltd | エステル交換反応方法 |
JPS6399037A (ja) * | 1986-03-04 | 1988-04-30 | Nippon Shokubai Kagaku Kogyo Co Ltd | 環状アルコ−ルの不飽和カルボン酸エステルの製造方法 |
JPS6323839A (ja) * | 1986-07-16 | 1988-02-01 | Soken Kagaku Kk | アクリル酸エステルの製造方法 |
JPH01113344A (ja) * | 1987-10-26 | 1989-05-02 | Daicel Chem Ind Ltd | (メタ)アクリレートの製造方法 |
-
1989
- 1989-06-30 JP JP1166565A patent/JPH0764791B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JPWO2007000920A1 (ja) * | 2005-06-27 | 2009-01-22 | 東亞合成株式会社 | 多官能(メタ)アクリル酸エステル組成物及びその製造方法 |
JP4998263B2 (ja) * | 2005-06-27 | 2012-08-15 | 東亞合成株式会社 | 多官能(メタ)アクリル酸エステル組成物の製造方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0334956A (ja) | 1991-02-14 |
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