JPH0754975Y2

JPH0754975Y2 - 小形トランス

Info

Publication number: JPH0754975Y2
Application number: JP1986076317U
Authority: JP
Inventors: 精一木嶋
Original assignee: 木嶋無線株式会社
Priority date: 1986-05-22
Filing date: 1986-05-22
Publication date: 1995-12-18
Anticipated expiration: 2001-05-22
Also published as: JPS62188120U

Description

【考案の詳細な説明】「産業上の利用分野」この考案は、写真撮影用の閃光放電発光器、カメラ、テ
レビジョン、小形電子計算機、その他一般の電気機器、
通信機器に利用するところの小形トランスに関する。

「従来の技術」小形トランスとしては各種の構造のものがあるが、最も
広く使用されているトランスとしてはE-E形コアを使用
したものがある。

第５図は脚心に沿って切断したこの種の小形トランスの
縦断側面図、第６図は第５図上のA-A線断面図である。

Ｅ形コア１、２はフエライト粉末を焼成加工して同形に
形成され、各々が中央脚1a、2aと左右脚1b、1c、2b、2c
とを有し、これら各脚端面を接合固定して閉磁路を形成
するようになっている。

上記Ｅ形コア１、２は第７図の斜視図より分かるよう
に、中央脚1a、2aが左右脚方向に長い長方形断面を有す
ると共にその下側面が長方形のヨーク部の下側長辺と面
一となるように片寄っており、また、左右脚1b、1c、2
b、2cは、ヨーク部の両端より延設され、これらはヨー
ク部と同じ幅及び肉厚となっている。

上記したＥ形コア１、２は、それらの中央脚1a、2aをコ
イル３を巻装したボビン４の角筒孔内に挿入し、また、
左右脚1b、1c、2b、2cをコイル外に張り出させるように
して各脚端面が接合固定されている。

コイル３は予めボビン４に巻線されて形成されている
が、コイル端部はボビン４に植設された端子ピン５に固
着されている。

「考案が解決しようとする課題」上記した小形トランスはＥ形コア１、２の各脚を横方向
に延ばして組付けられた、いわゆる横形トランスして構
成されている。

このような横形トランスは高さの低い偏平化された小形
トランスとなって有利である。

この種の小形トランスは、横の長さＬ及び奥行きの長さ
Ｗが共に６〜7mm、高さＨが5mm程度の形態のものが既に
生産され、高さの低い偏平の小形トランスとして実用化
されているが、なお形態の縮小化が要望されている。

しかし、このような小形トランスを更に縮小化させる場
合には所定以上の効率を維持することが極めて困難とな
る。

上記した小形トランスはＥ形コア１、２を短寸設計する
ことにより縮小化ができるように考えられるが、しか
し、コアの左右脚の肉厚が0.8mm程度となっており、こ
れ以上肉薄とすることは、鉄量が不足するために所定の
効率を得ることが困難となる他、コアの機械的強度を得
ることが困難となるため、コアやトランスの生産過程な
どにおいてコアを破損することがある。

また、トランス形態を縮小化すればするほど端子ピンの
固着スペースが少なくなるが、端子ピンは一定間隔を離
して必要となる本数のピンを固着しなければならないた
め、端子ピンの固着スペースをどのように設定するかが
大きな問題となる。

さらに、この小形トランスの縮小化に当っては量産に適
するトランス構造とすることが重要となる。

「問題点を解決するための手段」本考案は上記した問題点にかんがみ開発したもので、筒
状部の両側に鍔を有し、端子ピンが上記筒状部の筒軸方
向に直交するようにそれらの鍔に固着されたボビンと、
このボビンの筒状部外周に巻線されて巻線端部が上記端
子ピンに止着されているコイルと、中央脚を上記筒状部
内に挿入させるようにして上記ボビンに組付けられた同
形の２つのフエライトＥ形コアとよりなる小形トランス
において、上記Ｅ形コアのヨーク部が長方形の板状で、
このヨーク部の長手方向端部から平行に延びた左右脚が
肉薄に形成され、かつ、ヨーク部の一方の長辺側に広く
形成されてヨーク部より幅広の板状となっており、左右
脚内面とヨーク部一側面とで形成された凹形部を有し、
さらに、上記Ｅ形コアの中央脚が左右脚方向を長辺とし
ヨーク部幅方向を短辺とした長方形断面で、その長辺に
当たる中央脚一側面が上記ヨーク部一側面と面一または
このヨーク部一側面よりやや中位置とし、一方、ボビン
の鍔はＥ形コアの上記凹形部に嵌合させる肉厚部を有
し、この肉厚部に端子ピンが植設されていることを特徴
とする小形トランスを提案する。

「実施例」次に、本考案の実施例について図面に沿って説明する。

第１図及び第２図は本考案の一実施例を示し、第１図は
脚心に直交するように切断した小形トランスの縦断側面
図、第２図はこの小形トランスのフエライトコアとボビ
ンを示す分解斜視図である。

これらの図において、６、７は同形状のＥ形のフエライ
トコアで、フエライト粉末を焼成加工して形成したもの
で、中央脚6a、7a、左右脚6b、6c、7b、7c及びヨーク部
6d、7dが一体となっている。

これらフエライトコア６、７は第３図（ａ）、（ｂ）に
詳記したように形成してある。なお、第３図はフエライ
トコア６のみを示したが、フエライトコア７は同形状で
あるのでその説明を省略する。

図示するように、フエライトコア６は、ヨーク部6dが長
方形の板状で、中央脚6aが左右脚方向を長辺としヨーク
部6dの幅方向を短辺とする長方形断面を有し、かつ、そ
の長辺に当たる中央脚一側面6a₁がヨーク部の長辺に当
たる一側面6d₁と面一をなすように片寄っている。

左右脚6b、6cはヨーク部6dに比べて幅の広い板状で、そ
の幅方向の他側面6b₂、6c₂がヨーク部6dの長辺の他側面
6d₂と面一をなし、また、その幅方向の一側面6b₁、6c₁
がヨーク部の長辺の一側面6d₁と同じ側に張り出してい
る。

上記形状のフエライトコア６、７はヨーク部6d、7dの一
側面6d₁、7d₁と、左右脚6b、6c、7b、7cの内面によって
囲まれた横幅の広い凹形部がヨーク部6d、7dの下方に形
成される。この凹形部は後述するようにボビン鍔の一部
を嵌合させるものである。

また、第１図及び第２図において、８はボビンで、これ
は内孔が貫通した角筒状の巻線部8aの両側に鍔8b、8cを
備えると共に、鍔8b、8cの下方には横長の肉厚段形部8
d、8eを形成したものである。

肉厚段形部8d、8eには所定の本数の端子ピン９を植設
し、巻線部8aに巻線形成したコイル10の巻線端部をこれ
ら端子ピン９に止着するようになっている。

上記した小形トランスは、ボビン８に予め巻線してコイ
ル10を装備させた後に、フエライトコア６、７をボビン
８に取付ける。すなわち、ボビン８の巻線部8aの内孔に
対してフエライトコア６、７の中央脚6a、7aを相対向さ
せて挿入すると共に、左右脚6b、6c、7b、7cをコイル10
の外側に張出させるようにして各脚端面を接合させる。
そして、各脚端面は接合させた状態で接着剤をもって固
定する。

このように組付けられたフエライトコア６、７は、ヨー
ク部6d、7dの下方の凹形部内にボビン８の肉厚段形部8
d、8eが嵌合し、コイル10の左右側が左右脚6b、6c、7
b、7cによって覆われる。

上記の如く構成した小形トランスは従来例として示した
小形トランスに比べて奥行きの長さW1が短縮される結
果、トランス形態が縮小される。

すなわち、従来例の小形トランスと比較すると、横の長
さと高さは同寸となるが、奥行き長さW1が短縮される。

これは、左右脚6b、6c、7b、7cを中央脚6a、7aの下面
（一側面6a₁、7a₁）に比べて下方に張り出すように幅広
とした関係で、これら左右脚は張り出させた分だけ肉薄
に形成することができるためで、その段面積は従来例ト
ランスの左右脚1b、1c、2b、2cに比べて同等となるか
ら、トランス効率が低下することはない。

さらに、ヨーク部6d、7dの下側に形成される凹形部が左
右脚6b、6c間と7b、7c間となっているので、幅広の凹形
部となる。

この結果、この凹形部に嵌合させるボビン鍔8b、8cの肉
厚段形部8d、8eを充分に長い横長径として必要な本数の
端子ピンを植設することができる。

また、フエライトコア６、７は型成形時に横抜き（第３
図（ｂ）において上方に型抜きする）形成することがで
きるので、脚破損のおそれがなく、その生産が容易とな
るから、小形トランスの量産には極めて適したコアとな
る。

一方、フエライトコア６、７の左右脚6b、6c、7b、7cを
上記のように肉薄形成することで破損するおそれがある
場合には第４図（ａ）、（ｂ）に示すように構成するこ
とが好ましい。

第４図（ａ）、（ｂ）に示したフエライトコア11は左右
脚11b、11cの内側面上部にコイル周囲に沿うようにした
曲面部11b₁、11c₁を形成したもので、その中央脚11aな
どは上記のフエライトコア６、７と同形状となってい
る。

上記曲面部11b₁、11c₁は脚断面積を増加させると共に左
右脚を機械的に補強してそれらの破損を防ぐのに役立っ
ている。

この曲面部11b₁、11c₁は鎖線で示したように直線の傾斜
面として形成してもよい。

上記実施例では、中央脚6a、7aの下側面がヨーク部6d、
7dの下側面と面一をなすようにしたが、中央脚6a、7aの
下側面をヨーク部6d、7dの下側面より多少上位置となる
ようにしてもよい。

また、本考案を実施するに際しては、コア脚間にギャッ
プを設ける等のことは任意である。

「考案の効果」上記した通り、本考案の小形トランスは、従来の小形ト
ランスと同等の効率を維持させてトランス形態を縮小さ
せることができ、偏平形の小形トランスとして極めて有
利となる。

また、ヨーク部と左右脚とでコイルの前後左右を覆うの
で、外部の電気部品に与える電磁誘導障害の少ない小形
トランスとなる。

さらに、端子ピンの固着スペースを可能なるかぎり広く
設けてあるので、必要となる本数の端子ピンを固着する
ことができ、また、型成形時に横抜きできるＥ形コアを
備えるため量産に適する小形トランスとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例を示し、第１図は
脚心に直交するように切断した小形トランスの縦断側面
図、第２図は上記小形トランスのフエライトコアとボビ
ンとを示す分解斜視図、第３図（ａ）は上記実施例のフ
エライトコアの平面図、第３図（ｂ）は脚端面方向から
見た上記フエライトコアの側面図、第４図（ａ）はフエ
ライトコアの変形例を示す平面図、第４図（ｂ）は当該
フエライトコアの側面図、第５図乃至第７図は従来例を
示し、第５図は脚心方向に沿って切断した小形トランス
の縦断側面図、第６図は第５図上のA-A線によって切断
した断面図、第７図はフエライトコアの斜視図である。６、７……フエライトコア 6a、7a……中央脚 6b、7b……左脚 6c、7c……右脚 6d、7d……ヨーク部８……ボビン 8d、8e……肉厚段形部９……端子ピン 10……コイル

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】筒状部の両側に鍔を有し、端子ピンが上記
筒状部の筒軸方向に直交するようにそれらの鍔に固着さ
れたボビンと、このボビンの筒状部外周に巻線されて巻
線端部が上記端子ピンに止着されているコイルと、中央
脚を上記筒状部内に挿入させるようにして上記ボビンに
組付けられた同形の２つのフエライトＥ形コアとよりな
る小形トランスにおいて、上記Ｅ形コアのヨーク部が長
方形の板状で、このヨーク部の長手方向両端部から平行
に延びた左右脚が肉薄に形成され、かつ、ヨーク部の一
方の長辺側に広く形成されてヨーク部より幅広の板状と
なっており、左右脚内面とヨーク部一側面とで形成され
た凹形部を有し、さらに、上記Ｅ形コアの中央脚が左右
脚方向を長辺としヨーク部幅方向を短辺とした長方形断
面で、その長辺に当たる中央脚一側面が上記ヨーク部一
側面と面一またはこのヨーク部一側面よりやや中位置と
し、一方、ボビンの鍔はＥ形コアの上記凹形部に嵌合さ
せる肉厚部を有し、この肉厚部に端子ピンが植設されて
いることを特徴とする小形トランス。