JP3586653B2 - トランス、その製造方法および組立て方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器などに使用される薄形のトランスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の通常のトランスは、端子台とベースまたは端子台とボビンを一体に形成し、これらベースまたはボビンに巻線を施している場合が多い。
近年の電子機器は小型,薄型化がますます進んでおり、この電子機器に使用されるトランスについても薄形化(すなわち、低背化)が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のトランスでは、ベースの厚み分だけトランスの高さ寸法が大きくなるので、トランス全体の薄形化が困難であった。
また、トランスを薄形化するために、ベースを二つに分離してベースの間にコアと巻線を配置する場合もあった。しかし、この場合には、ベースが分離されているので、トランスの製造が困難であり、また部品点数が増えて取扱いが面倒で組立て作業も煩雑になっていた。
【0004】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、薄形で製造および組立てが容易なトランス、その製造方法および組立て方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明にかかるトランスは、導電性のフープ材で形成した複数の端子を配列した一対の端子台を有するとともに、フープ材で形成した一対のフレームで、離間して対向配置させた端子台を繋いだ端子支持体と、二つの鍔を有し、該鍔の間に形成した中空胴部に1次巻線および2次巻線を巻回したボビンと、閉磁路を形成する一組のコアとで構成され、該ボビンを一組のコアで挟持している。
そして、端子支持体は、複数の端子を配列し両側に係止片を形成した一対の端子台と、離間して対向配置させた各端子台の両側に接続されて二つの端子台を連結する一対のフレームとで構成されている。
さらに、各端子台に形成した係止片と各フレームとの間に一対の側脚用スペースを形成している。そして、該側脚用スペースに少なくとも一方のコアの両側脚が挿入されて係合するようにするとともに、この両側脚を挿入した該コアのヨーク部が端子台の係止片に当接するようにしている。
好ましい一つの態様として、コアを端子支持体に係合させる際に、少なくとも一方のコアの両側脚が側脚用スペースに挿入されて係合され、かつ、該コアのヨーク部が係止片に当接して係止されるとともに、少なくともいずれか一方のコアの中央脚がボビンの中空胴部に挿入されて位置決めされるようにしている。
また、少なくとも一方のコアのヨーク部にはくびれ部が形成してあり、ボビンの鍔のくびれ部に対応する位置には、該くびれ部に係合する係合突起が形成されており、くびれ部と係合突起とが係合することにより、コアとボビンとが位置決めされるように構成するのが好ましい。
なお、ボビンの一方の鍔には、コアのくびれ部より外方に露出する露出部が形成してあり、この露出部には、1次巻線の端末を端子台の端子に案内するための1次巻線用案内部と、2次巻線の端末を端子台の端子に案内するための2次巻線用案内部が形成されているのが好ましい。
【0006】
本発明にかかるトランスの端子支持体を製造する場合には、各端子台に配列された複数の端子と、離間して対向配置させた各端子台の両側に接続されて二つの端子台を連結する一対のフレームとを、フープ材を所定形状に打抜くとともにあらかじめ折曲することにより一体的に形成する。
次いで、フープ材に絶縁性合成樹脂材をインサート成型することにより、一対の端子台を複数組並べて一体成形する。その後、合成樹脂材のランナー部とフープ材の不要部とを除去することにより複数の端子支持体を得るようにしている。
本発明にかかるトランスの組立て方法は、第1ないし第4の手段からなっている。第1の手段では、少なくとも一方のコアの両側脚を端子支持体の側脚用スペースに挿入して係合させ、該コアのヨーク部を端子支持体の係止片に当接して係止させる。
第2の手段では、1次巻線および2次巻線を巻回したボビンの一方の鍔に設けた係合突起を一方のコアのくびれ部に係合させて位置決めする。第3の手段では、他方のコアのくびれ部をボビンの他方の鍔に設けた係合突起に係合させるとともに、少なくともいずれか一方のコアの中央脚をボビンの中空胴部に挿入して位置決めする。
第4の手段では、鍔の露出部に形成した1次巻線用案内部と2次巻線用案内部から引き出した1次巻線の端末および2次巻線の端末のそれぞれを、端子台に設けた端子に接続する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる実施の形態の一例を、図1ないし図5を参照して説明する。
図1は本発明のトランスの組立分解斜視図、図2はトランスの端子支持体を示す図で、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のB−B線側面図、図2(C)は底面図である。図3はトランスのボビンを示す図で、図3(A)はボビンを上方から見た斜視図、図3(B)はボビンを下方から見た斜視図である。
図4は端子支持体を製造する方法を示す図で、図4(A)は平面図、図4(B)は図4(A)のB部を示す斜視図である。図5はトランスを組立てる手順を示す平面図である。
【0008】
図1ないし図3に示すように、トランス1は、端子支持体2,ボビン3,第1のコアとしての下コア4および第2のコアとしての上コア5を備えている。端子支持体2は、複数の端子6,7をそれぞれ配列して互いに分離され、かつ対向配置された一対の端子台8,9を有している。端子台8,9の両側は、一対のフレーム10,11により連結されている。
ボビン3は、1次巻線12および2次巻線13を巻回し、一対の端子台8,9とフレーム10,11で囲まれた空間部に配置されている。下コア4および上コア5は、ボビン3を挟んだ状態で配置されて閉磁路を形成している。下コア4は端子支持体2に係合して位置決めされ、上コア5は、ボビン3および端子支持体2の少なくとも一方に係合して位置決めされている。
本発明におけるトランス1は、分離して配置した一対の端子台8,9を、これら端子台8,9の両側に設けた一対のフレーム10,11で繋いでいる。そして、端子台8,9とフレーム10,11とで囲まれた空間部に上下のコア5,4を収容し、これらコア5,4の側脚32,24を端子支持体2の側脚用スペース26,27に収容している。これにより、トランス1の中心軸線CL方向の全体の厚み寸法(高さ)を、組み合わせた上下のコア5,4の厚さのみとなるようにしている。
【0009】
端子支持体2は、それぞれ接続端子6a,7aと巻線用端子からなる複数の端子6,7を配列した一対の端子台8,9と、一対のフレーム10,11と、複数(たとえば、合計4個)の係止片22を有している。端子台8,9は、絶縁性を有する合成樹脂製である。
フレーム10,11は、導電性を有する金属製のフープ材20(図4)を打ち抜きおよび折曲することにより形成されている。また、フレーム10,11は、離間し対向配置した端子台8,9の両側に平行に配置されている。係止片22は、各端子台8,9の両側にそれぞれ一体形成されるとともに、下コア4の第1のヨーク部21に当接可能になっている。
接続端子6a,7aは、トランス1を回路基板に電気的に接続するための端子で、それぞれ端子6,7の先端部を折曲することにより形成してある。端子6,7は、フレーム10,11と同一のフープ材20(図4)により形成されている。
端子台8,9の各中央部には、周囲より低くなった形状の薄板部8a,9aがそれぞれ形成されている。薄板部8a,9aの上面に、ボビン3の鍔が載置されるようになっている。
薄板部8a,9aは、トランス1の中心方向に若干突出している。これにより、端子台8,9とボビン3との接触面積を大きくとることができるので、ボビン3を端子支持体2で安定した状態で支持することができる。
【0010】
下コア4は、第1のヨーク部21,第1の中央脚23および一対の第1の側脚24を有して、全体が一体形成されている。第1の中央脚23は、ボビン3の中央部の中空胴部25に嵌合するように、平板状の第1のヨーク部21のほぼ中央に突出して形成されている。一対の第1の側脚24は、第1のヨーク部21の両側に位置し、第1の中央脚23と平行に突出して互いに平行に形成されている。
下コア4を端子支持体2に係合させて、下コア4の第1のヨーク部21が係止片22の下面に当接している状態では、端子台8,9のそれぞれの下面8c,9cと、下コア4の第1のヨーク部21の下面21aは、ほぼ面一になっている。
端子支持体2には、一対の側脚用スペース26,27が形成されている。一方の側脚用スペース26は、フレーム10と、フレーム10に対向する二つの係止片22により形成されている。他方の側脚用スペース27は、フレーム11と、フレーム11に対向する二つの係止片22により形成されている。下コア4の一対の第1の側脚24は、一対の側脚用スペース26,27にそれぞれ係合するようになっている。
下コア4の長手方向の辺(ヨーク部21の側面)のほぼ中央部には、一対の第1のくびれ部28が形成されている。その結果、端子支持体2に下コア4を取付けると、端子台8,9と下コア4により、少なくとも一つのボビン位置決め用スペース29が形成されるようになっている。
本実施形態では、第1のくびれ部28をV字状に形成し、薄板部8a,9aの先端面8b,9bを台形状にしている。したがって、ほぼ三角形状の二つのボビン位置決め用スペース29が形成されることになる(図5(B))。
【0011】
上コア5は、第2のヨーク部30,第2の中央脚31および一対の第2の側脚32を有し、全体が一体形成されている。第2の中央脚31は、平板状の第2のヨーク部30のほぼ中央に突出して形成され、ボビン3の中空胴部25に嵌合可能になっている。一対の第2の側脚32は、第2のヨーク部30の両側に位置し、第2の中央脚31と平行でかつ同じ方向に突出して互いに平行に形成されている。
また、一対の第2の側脚32は、一対の側脚用スペース26,27に係合するとともに、下コア4の一対の第1の側脚24にそれぞれ対向して接合するようになっている。
すなわち、下コア4および上コア5は、それぞれの中央脚23,31および側脚24,32を互いに対向させて配置され、それぞれの側脚24,32を接合することによって閉磁路を形成するようにしている。
上コア5の第2の側脚32の下端面は、下コア4の第1の側脚24の上端面24aに当接するようになっている。こうして当接している上コア5と下コア4との境界部はフレーム10,11により覆われている。したがって、上コア5の位置決めが容易になるとともに、コア4,5の強度を補強しかつ保護している。
【0012】
ボビン3はドラム形をなしている。このボビン3は、外周部に1次巻線12および2次巻線13を巻回する中空胴部25と、中空胴部25の下端と上端にそれぞれ設けられて互いに平行な下鍔(一方の鍔)40と上鍔(他方の鍔)41とで形成されている。
ボビン3は、下鍔40を下側にして端子支持体2に配置される。下鍔40には、ボビン位置決め用スペース29(図5(B))に係合してボビン3を位置決めするための少なくとも一つの第1の係合部(係合突起)42が突出して形成されている。本実施形態では、下鍔40の下面43に、二つの第1の係合部42が180度離れた位置に一体形成されている。
また、第1の係合部42は、ボビン位置決め用スペース29に嵌合するように、ボビン位置決め用スペース29より僅かに小さい相似形のほぼ三角形である。なお、ボビン位置決め用スペース29と第1の係合部42は、三角以外の形状であってもよい。
上鍔41には、上コア5を位置決めするための第2の係合部44が突出して形成されている。上コア5のほぼ中央部の対称位置には、逆台形状に切欠かれた第2のくびれ部45が一対形成されている。
第2のくびれ部45は、第2の中央脚31の外周面の接線にほぼ一致するような直線部46と、直線部46の両端から斜めに直線状に外方に延びる一対の傾斜部47により構成されている。
これにより、ボビン3の上鍔41の一部(露出部)48が、くびれ部45により外方に露出するようになっている。第2のくびれ部45を逆台形状に切欠いて形成したので、露出部48の面積を大きくすることができる。なお、第2のくびれ部45の形状は、たとえば部分円形など曲面形状であってもよい。
【0013】
上鍔41に設けられた第2の係合部44は、上コア5の第2のくびれ部45に係合して、上コア5を位置決めしている。本実施形態では、上鍔41の直径方向の対称位置に、それぞれ4個ずつの係合突起49がほぼV字状に配列されている。係合突起49が、第2のくびれ部45の傾斜部47に係合するので、上コア5がボビン3に対して容易に位置決めされる。
ボビン3の上鍔41の露出部48には、1次巻線用案内部50と2次巻線用案内部51が形成されている。1次巻線用案内部50は、1次巻線12の端末12aを端子7に案内するためのものである。
1次巻線用案内部50は、複数(たとえば、四つ)の溝52を有しかつ上鍔41の半径方向外方に開口するスリット53と、上鍔41の上面54から上方に突出し、スリット53の開口部近傍に一体形成された複数(たとえば、二つ)の突出片55により構成されている。スリット53は、上鍔41の半径方向に延びて形成されており、複数の溝52は、スリット53に連続してスリット53を横切る方向に形成されている。
2次巻線用案内部51は、2次巻線13の端末13aを端子6に案内するためのものである。2次巻線用案内部51は、1次巻線用案内部50と同様に複数の溝52とスリット53とで構成されており、上鍔41の直径方向で1次巻線用案内部50と対称位置に配置されている。
【0014】
ところで、ボビン3に巻線を巻回する場合には、半径方向の内側から順に巻回作業を行う。もし、スリット53がない場合には、二つの鍔40,41の内側に沿って巻線の端末を引き出す必要があるので、この巻線端末が他の巻回層に接触して耐電圧不良を引き起こす恐れがある。
これに対して、本実施形態では、スリット53が半径方向に延びて形成されており、しかも複数の溝52が半径方向に配列されている。したがって、ボビン3に巻回された巻線の複数の巻線端末を、半径方向内側や外側など任意の位置で複数の溝52にそれぞれ係合させてスリット53から外部に引き出すことができる。これにより、巻線端末が他の巻回層に接触することがなくなり、耐電圧不良を防止することができる。
さらに、突出片55を設けたので、巻線端末を突出片55に引っかけて端子7に接続することができる。これにより、ボビン3に巻回されたコイル部に無理な張力がかかることがなく、巻線の断線を予防することができ、また、巻線端末とコイル部の接近による絶縁耐圧の低下を防止することができる。
【0015】
端子支持体2は、たとえば図4に示す方法で製造される。
図4に示す製造方法では、導電性を有する金属製のフープ材(ストリップ)20を所定形状に打ち抜くとともにあらかじめ折曲することにより、複数の端子6,7を対向させて形成するとともに端子6,7の両側に平行してフレーム10,11の部位を形成する。
次いで、フープ材20に絶縁性合成樹脂材をインサート成型することにより、一対の端子台8,9を複数組並べて一体成形する。その後、合成樹脂材のランナー部60とフープ材20の不要部(鎖線の部分)61とを除去することにより、複数の端子支持体2を得るようにしている。なお、フレーム10,11は、その両端部を線Laの位置で切断して不要部61を切り離すことにより形成される。
この方法によれば、互いに分離された一対の端子台8,9がフレーム10,11により連結された状態の端子支持体2を、容易に大量生産することができ、また取扱いも容易である。
【0016】
次に、トランス1を組立てる手順について図5を参照して説明する。
本発明におけるトランス1の組立て方法は、少なくとも第1ないし第4の手順(手段)を有している。図4に示す方法で端子支持体2を製造した後(図5(A))、第1の手順では、図5(B)に示すように、下コア4の一対の第1の側脚24を、端子支持体2の側脚用スペース26,27(図2(A))に係合させるとともに、第1のヨーク部21を4個の係止片22の下面に当接させる。これにより、下コア4が端子支持体2に対して位置決めされる。
次に、図5(B),(C)に示すように、第2の手順では、1次巻線12および2次巻線13(図1)が巻回されたボビン3の第1の係合部42(図3(B))をボビン位置決め用スペース29に係合させるとともに、下コア4の第1の中央脚23をボビン3の中空胴部25に嵌合させる。これにより、ボビン3が、薄板部8a,9a上に載置されて、端子支持体2および下コア4に対して位置決めされる。
次いで、第3の手順では、図5(D)に示すように、上コア5の一対の第2の側脚32を、端子支持体2の側脚用スペース26,27(図2(A))に係合させて第1の側脚24に当接させるとともに、第2の中央脚31をボビン3の中空胴部25に嵌合させる。また、ボビン3の第2の係合部44を上コア5の第2のくびれ部45に係合させる。これにより、上コア5が、ボビン3および端子支持体2に対して位置決めされる。
最後に、第4の手順で、1次巻線12および2次巻線13の各端末12a,13aを端子7,6にそれぞれ接続すると、図5(D)に示すトランス1が完成する。
トランス1の各構成部材どうしは、組立ての途中または組立て後に接着剤などで互いに固着される。
【0017】
上述のように、本発明のトランス1は、分離して配置した一対の端子台8,9を、これら端子台8,9の側面に設けた一対のフレーム10,11で繋いでいる。そして、端子台8,9とフレーム10,11とで囲まれた空間部に上下のコア5,4を収容し、これらコア5,4の側脚32,24を端子支持体2の側脚用スペース26,27に収容している。
これにより、トランス1の中心軸線CL方向の全体の厚み寸法(高さ)は、組み合わせた上下のコア5,4の厚さのみとなる。その結果、トランス1を従来のものより大幅に薄形化することができる。
また、1次巻線12および2次巻線13を巻回したボビン3を二つのコア4,5で挟持しているので、下コア4の底面と端子台8,9の底面とを面一にすることができる。
しかも、端子台8,9には、周囲より低くなった形状の薄板部8a,9aが形成され、薄板部8a,9aの上面にボビン3が載置されるようになっているので、トランス1をさらに薄形化することができる。
ところで、1次巻線および2次巻線の端末がコアに接触した場合、耐電圧不良が発生することがあるため、コアとボビンの間に配線用の隙間を設けなければならず、その分だけトランスの高さが高くなってしまう。
これに対して、トランス1では、上コア5に第2のくびれ部45を形成して、ボビン3の一部48を露出させたので、コアとボビンの間に隙間を設けなくても、配線のための空間を露出部48を介して確保することができる。これにより、トランス1を薄形化することができる。
【0018】
端子支持体2は、二つの端子台8,9をフレーム10,11で連結した構成にして、端子支持体2の製造および取扱いを容易にしている。また、下コア4の一対の第1の側脚24を端子支持体2の側脚用スペース26,27に係合させれば、下コア4を容易に位置決めできるようにしている。一方、上コア5は、第2の中央脚31をボビン3に係合させるとともに、一対の第2の側脚32を側脚用スペース26,27に係合させれば、上コア5を容易に位置決めできるようにしている。したがって、トランス1を容易に組立てることができる。
また、ボビン3を組込む前に、1次巻線12および2次巻線13をボビン3に巻回することができるので、巻回作業の際に周囲の部品が邪魔になることがなく、容易に巻回作業を行うことができる。
ボビン3の第1の係合部42をボビン位置決め用スペース29に係合させたので、ボビン3の露出部48が第2のくびれ部45のところに必然的に位置することになる。これにより、トランス1の組立ておよび配線作業が容易になる。
【0019】
一対のフレーム10,11で、下コア4と上コア5を両側から挟み込んで保持しているので、下コア4および上コア5の位置決め,コアの強度の補強および保護を行うことができる。
スリット53は複数の溝52を有しているので、複数の配線を溝52で分離して配線どうしの接触を防止することができ、絶縁不良や短絡を防止することができる。
【0020】
ところで、上述のトランス1の下コア4は、第1のヨーク部21,第1の中央脚23および一対の第1の側脚24を有しているので、横方向から見ると断面E形状になっている。これと同様に、上コア5も、第2のヨーク部30,第2の中央脚31および一対の第2の側脚32を有しているので、横方向から見ると断面E形状になっている。また、一対の側脚24,32は、それぞれ平行になっている。
したがって、本実施形態では、断面E形状の二つのコア4,5を組み合わせていることになるが、一組のコアの形状の変形例としては、たとえば次のようなものがある。
第1の例として、一方のコアが上述のような断面E形状で、他方のコアは中央脚も側脚も有していない平板形状の場合がある。第2の例としては、一方のコアが断面E形状で、他方のコアは、中央脚を有しているが側脚を有していない断面T形状の場合がある。第3の例としては、一方のコアが断面E形状で、他方のコアは、中央脚を有していないが一対の側脚を有している断面コ字状の場合がある。
さらに第4の例としては、一対の側脚が、真っ直ぐではなくて円弧状など曲面状に湾曲したり、折曲している場合がある。この場合には、端子台とフレームで形成される側脚用スペースの形状を、側脚の形状に合わせる必要がある。
また、本実施形態の例,第1ないし第4の例を互いに組み合わせてもよい。このような各種変形例の場合でも、一組のコアが本実施形態と同様の機能を有していれば同様の作用効果を奏する。
なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。
【0021】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したので、トランスを薄形化できかつトランスの製造および組立てを容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図5は本発明の実施形態の一例を示す図で、図1はトランスの組立て分解斜視図である。
【図2】トランスの端子支持体を示す図で、図2(A)は平面図、図2(B)は図2(A)のB−B線側面図、図2(C)は底面図である。
【図3】トランスのボビンを示す図で、図3(A)はボビンを上方から見た斜視図、図3(B)はボビンを下方から見た斜視図である。
【図4】端子支持体を製造する方法を示す図で、図4(A)は平面図、図4(B)は図4(A)のB部を示す斜視図である。
【図5】トランスを組立てる手順を示す平面図である。
【符号の説明】
1 トランス
2 端子支持体
3 ボビン
4 下コア(コア)
5 上コア(コア)
6,7 端子
8,9 端子台
10,11 フレーム
12 1次巻線
12a 1次巻線の端末
13 2次巻線
13a 2次巻線の端末
20 フープ材
21 第1のヨーク部(ヨーク部)
22 係止片
23 第1の中央脚(中央脚)
24 第1の側脚(側脚)
25 中空胴部
26,27 側脚用スペース
28 第1のくびれ部(くびれ部)
30 第2のヨーク部(ヨーク部)
31 第2の中央脚(中央脚)
32 第2の側脚(側脚)
40 下鍔(鍔)
41 上鍔(鍔)
42 第1の係合部(係合突起)
45 第2のくびれ部(くびれ部)
48 露出部
49 係合突起
50 1次巻線用案内部
51 2次巻線用案内部
60 ランナー部
61 フープ材の不要部

Claims (6)

  1. 導電性のフープ材で形成した複数の端子を配列した一対の端子台を有するとともに、前記フープ材で形成した一対のフレームで、離間して対向配置させた前記端子台を繋いだ端子支持体と、二つの鍔を有し、該鍔の間に形成した中空胴部に1次巻線および2次巻線を巻回したボビンと、閉磁路を形成する一組のコアとで構成され、前記ボビンをこの一組のコアで挟持するようにしたトランスであって、
    前記端子支持体は、複数の前記端子を配列し両側に係止片を形成した前記一対の端子台と、離間して対向配置させた前記各端子台の両側に接続されて前記二つの端子台を連結する前記一対のフレームとで構成され、
    前記各端子台に形成した前記係止片と前記各フレームとの間に一対の側脚用スペースを形成し、
    該側脚用スペースに少なくとも一方の前記コアの両側脚が挿入されて係合するようにするとともに、この両側脚を挿入した該コアのヨーク部が前記端子台の前記係止片に当接するようにしたことを特徴とするトランス。
  2. 前記コアを前記端子支持体に係合させる際に、少なくとも前記一方のコアの前記両側脚が前記側脚用スペースに挿入されて係合され、かつ、該コアの前記ヨーク部が前記係止片に当接して係止されるとともに、少なくともいずれか一方のコアの中央脚が前記ボビンの前記中空胴部に挿入されて位置決めされるようにしたことを特徴とする請求項に記載のトランス。
  3. 少なくとも前記一方のコアの前記ヨーク部にはくびれ部が形成してあり、前記ボビンの前記鍔の前記くびれ部に対応する位置には、該くびれ部に係合する係合突起が形成されており、
    前記くびれ部と前記係合突起とが係合することにより、前記コアと前記ボビンとが位置決めされることを特徴とする請求項またはに記載のトランス。
  4. 前記ボビンの一方の前記鍔には、前記コアの前記くびれ部より外方に露出する露出部が形成してあり、
    この露出部には、前記1次巻線の端末を前記端子台の前記端子に案内するための1次巻線用案内部と、前記2次巻線の端末を前記端子台の前記端子に案内するための2次巻線用案内部が形成されていることを特徴とする請求項に記載のトランス。
  5. 請求項1ないしのいずれかの項に記載のトランスを製造する方法であって、
    前記各端子台に配列された複数の前記端子と、離間して対向配置させた前記各端子台の両側に接続されて前記二つの端子台を連結する前記一対のフレームとを、前記フープ材を所定形状に打抜くとともにあらかじめ折曲することにより一体的に形成した後、
    前記フープ材に絶縁性合成樹脂材をインサート成型することにより、前記一対の端子台を複数組並べて一体成形し、
    その後、前記合成樹脂材のランナー部と前記フープ材の不要部とを除去することにより複数の前記端子支持体を得るようにしたことを特徴とするトランスの製造方法。
  6. 請求項またはに記載のトランスを組立てる方法であって、
    少なくとも前記一方のコアの前記両側脚を前記端子支持体の前記側脚用スペースに挿入して係合させ、該コアの前記ヨーク部を前記端子支持体の前記係止片に当接して係止させる第1の手段と、
    前記1次巻線および前記2次巻線を巻回した前記ボビンの一方の前記鍔に設けた前記係合突起を前記一方のコアの前記くびれ部に係合させて位置決めする第2の手段と、
    他方の前記コアの前記くびれ部を前記ボビンの他方の鍔に設けた前記係合突起に係合させるとともに、前記コアまたは前記他方のコアの少なくとも一方のコアの中央脚を前記ボビンの前記中空胴部に挿入して位置決めする第3の手段と、
    前記鍔の露出部に形成した1次巻線用案内部と2次巻線用案内部から引き出した前記1次巻線の端末および前記2次巻線の端末のそれぞれを、前記端子台に設けた前記端子に接続する第4の手段とからなることを特徴とするトランスの組立て方法。
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