JP3932492B2 - 小形巻線部品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、小形トランスやチョ−クコイル等の小形巻線部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
チョ−クコイルや小形トランスなどの小形巻線部品は、組み込み易くするため、その高さを可能なるかぎり制限して偏平化することが望ましい。
図11〜図13は、この種の小形トランスの一例を示したもので、1、2はフエライト材からなる同形状のコアで、図14はそのコア1を示し、ほぼ方形をなす板状のヨ−ク部1aの長手方向両端部の各々からは、長さの短い左右脚1b、1cが延設され、この左右脚1b、1cは、ヨ−ク部1aと同じ幅及び同じ肉厚となっている。
【0003】
また、中央脚1dは、四辺形断面をなし、ヨ−ク部1a内面の中央から左右脚1b、1cと同じ長さで突出している。
コア2も上記コア1と同形状で、ヨ−ク部2a、(図示省略)左右脚2b、2c、中央脚2dを備えた構成となっている。
【0004】
一方、ボビン3は、図15に示すように、コア1、2の中央脚1d、2dを挿入する角筒部3aを有し、角筒部3aの両端には方形の鍔3b、3cが形成されている。
また、対向辺となる鍔3cの二辺部には端子ピン4を植設するための肉厚部3d、3eが設けられている。
【0005】
小形トランスの生産に当っては、ボビン3の角筒部3aにコイル5を巻装し、コイル端部をボビン3の肉厚部3d、3eに植設した端子ピン4に止着する。
次に、コア1、2は、中央脚1d、2dをボビン3の角筒部3a内孔に挿入させるようにして鍔3b、3cの外側より嵌め合わせ、コア1、2の脚端面を接合させる。
なお、コア1、2の脚端面は接着剤をもって固着してある。
【0006】
上記した小形トランスは、コア1、2の左右脚1b、1c、2b、2cと中央脚1d、2dの長さを短くし、これらコア1、2をボビン3の上下方向から各々の中央脚1d、2dを角筒部3a内孔に挿入するようにして組付けてあるので、高さの低い小形トランスとなっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
小形の電気製品は、年々小形化が進み、これら電気製品に組み込まれる電気部品もさらに縮小化、偏平化が望まれている。
【0008】
本発明は、このような要請に応えるため、高さを更に低くして充分偏平化されたこの種の小形巻線部品を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するため、本発明では、四辺形の板状のヨ−ク部と、上記ヨ−ク部の内面中央から低い高さで突出させ、当該ヨ−ク部の板状面積に比べ充分小さい四辺形断面とした内部コアと、上記ヨ−ク部の両端からヨ−ク部と同じ幅で、かつ、内部コアと同じ長さで張出した低い高さの板状の側部コアとを有する一対のフエライトコアを設けると共に、上記コアのヨ−ク部内面は、内部コアと側部コアとの間を肉厚とし、その他のヨ−ク部内面を肉薄となるように形成し、さらに、上記内部コアを内挿する短い筒状の巻線筒状部及びこの巻線筒状部両端に一体に設けた板状の鍔部を有するボビンを設け、上記鍔部には上記コアの肉厚部を嵌合させる凹状部を形成し、ボビンの巻線筒状部周囲に巻線した後ボビン両側より巻線筒状部内に内部コアを挿入し、上記鍔部の凹状部に肉厚部を嵌合させるようにして上記一対のコアを組付けて構成したことを特徴とする小形巻線部品を提案する。
【0010】
この小形巻線部品は、コアをボビンに組付けると、コアのヨ−ク部内面の肉厚部がボビンの鍔部に形成した凹状部に嵌合するので、鍔部の外面からはみ出るコア部分は、肉厚部を除いた板厚の薄いヨ−ク部分となり、これより、巻線部品の外形が小形化され、充分偏平化した小形巻線部品となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明を小形トランスに実施した実施形態について図面に沿って説明する。
図1〜図4は小形トランスを示したもので、図1は小形トランスの正面図、図2は側部コア方向から見た同小形トランスの側面図、図3は端子ピン方向から見た同小形トランスの側面図、図4は図1上のA−A線に沿って切断した断面図である。
【0012】
この小形トランスに備えたコア50、51は、共に同形状のもので、フエライト粉末を焼成加工して形成してある。
図5はコア50を示したもので、このコア50は、四辺形をなす板状のヨ−ク部50aと、このヨ−ク部50aの内面中央から突出した高さの低い四辺形断面の内部コア50bと、ヨ−ク部50aの両端からヨ−ク部50aと同じ幅で、かつ、内部コア50bと同じ高さで張出した側部コア50cとから形成してある。
【0013】
ヨ−ク部50aは、内部コア50bと側部コア50cの各々の対向面を連結するヨ−ク部分を除き、その板厚を薄く形成してヨ−ク部50a内面に図示するような肉厚部50dを形成し、コア50は上記肉厚部50dによってその強度が充分に保持されると共に、従来のコアと同等の磁路断面が確保される。
【0014】
コア51は上記コア50と同形状で、ヨ−ク部51a、内部コア51b、側部コア51cからなり、ヨ−ク部51a内面には肉厚部51dが設けてある。
【0015】
図6〜図8はボビン52を示したもので、合成樹脂材からなるボビン52は、角筒状の巻線部53を備え、この巻線部53の両側には四辺形の鍔部54、55を一体形成し、また、鍔部55の対向する2辺部には端子ピン56を植設するための肉厚部55aが設けてある。
【0016】
上記した各々の鍔部54、55には、図6及び図7に示したように、コア50、51に形成した肉厚部50d、51dを嵌合させる台形の凹状部54b、55bが外面側に形成してある。
【0017】
上記したボビン52は、図7に示すように、巻線部53が短筒状となっているので、高さが極めて低くなっている。
【0018】
図8に示す符号57は、端子ピン56を挿入する孔部である。
【0019】
端子ピン56は、図2に示すように、ボビン52の肉厚部55aの外面に横付けに植設し、植設基部近くから斜め下方に折り曲げ、先端を肉厚部55aの底面に水平になるように折り曲げてある。
【0020】
小形トランスの生産に当っては、ボビン52の巻線部53にコイル58を巻線し、コイル58の端部を所定の端子ピン56にからげ、端子ピン56のからげ部を半田付け等で止着する。
【0021】
コイル58を巻装したボビン52には、ボビン52の上下方向から巻線部53内孔に内部コア50b、51bを挿入するようにしてコア50、51を組付ける。
コア50、51をボビン52に組付けると、コア50、51の肉厚部50d、51dは鍔部54、55に形成した凹状部54b、55bに嵌合する。
【0022】
コア50、51のコア端面は、接着剤等で固着し、或いは、金具、テ−プ等を使って接合固定する。
【0023】
このようにして構成した小形トランスは、鍔部54、55の外面からはみ出るコア部分が板厚の薄いヨ−ク部50a、51aとなるので、従来のこの種の小形トランスに比べ、トランスの高さを低くすることができる。
【0024】
図9及び図10は、上記実施形態の変形例であり、コア50に形成した肉厚部50dの両側段縁部に、図9に示すようなテ−パ−50eを形成し、このコア50を組付けるボビン52には、鍔部54に形成した凹状部54bの両側段縁部に上記テ−パ−50eと対接するようなテ−パ−54cを形成してある。
【0025】
なお、コア51についても上記コア50と同様に、肉厚部51dの外側面にテ−パ−を形成し、また、ボビン52の鍔部55には上記テ−パ−と対接するようなテ−パ−を形成してある。
【0026】
このように、コア50、51とボビン52の各々にテ−パ−を形成すれば、ボビン52に対するコア50、51の組付けが容易となる。
【0027】
本発明は、小形トランスに限らず、チョ−クコイル等の電気巻線部品についても同様に実施することができる。
【0028】
【発明の効果】
上記した通り、本発明に係る小形巻線部品は、コアのヨ−ク部内面のうち、内部コアと側部コアの対向面間のコア部を肉厚に、その他のヨ−ク部内面を肉薄となるように形成し、この肉厚部をボビンの鍔部に形成した凹状部に嵌合させる構成としたので、ボビンの鍔部の外面からはみ出るコア部分が、この板厚の薄いヨ−ク部で形成され、巻線部品を小形化、偏平化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を小形トランスとして実施した実施形態を示し、同小形トランスの正面図である。
【図2】側部コア方向から見た上記小形トランスの側面図である。
【図3】端子ピン方向から見た上記小形トランスの右側面図である。
【図4】図1上のA−A線断面図である。
【図5】上記小形トランスに備えたコアの斜視図である。
【図6】上記小形トランスに備えたボビンの正面図である。
【図7】上記ボビンの一側面図である。
【図8】端子ピンの植設方向から見た上記ボビンの側面図である。
【図9】本発明の変形例であり、小形トランスに備えるコアの内面図である。
【図10】本発明の変形例であり、小形トランスに備えるボビンの正面図である。
【図11】従来の小形トランスの正面図である。
【図12】図11上のB−B線断面図である。
【図13】図11上のC−C線断面図である。
【図14】従来の小形トランスに備えたコアの断面図である。
【図15】従来の小形トランスに備えたボビンの側面図である。
【符号の説明】
50、51 コア
50a、51a ヨ−ク部
50b、51b 内部コア
50c、51c 側部コア
50d、51d 肉厚部
52 ボビン
53 巻線部
54、55 鍔部
54b、55b 凹状部
56 端子ピン
58 コイル
Claims (1)
- 四辺形の板状のヨ−ク部と、上記ヨ−ク部の内面中央から低い高さで突出させ、当該ヨ−ク部の板状面積に比べ充分小さい四辺形断面とした内部コアと、上記ヨ−ク部の両端からヨ−ク部と同じ幅で、かつ、内部コアと同じ長さで張出した低い高さの板状の側部コアとを有する一対のフエライトコアを設けると共に、上記コアのヨ−ク部内面は、内部コアと側部コアとの間を肉厚とし、その他のヨ−ク部内面を肉薄となるように形成し、さらに、上記内部コアを内挿する短い筒状の巻線筒状部及びこの巻線筒状部両端に一体に設けた板状の鍔部を有するボビンを設け、上記鍔部には上記コアの肉厚部を嵌合させる凹状部を形成し、ボビンの巻線筒状部周囲に巻線した後ボビン両側より巻線筒状部内に内部コアを挿入し、上記鍔部の凹状部に肉厚部を嵌合させるようにして上記一対のコアを組付けて構成したことを特徴とする小形巻線部品。
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JP27986796A JP3932492B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | 小形巻線部品 |
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JP27986796A JP3932492B2 (ja) | 1996-10-02 | 1996-10-02 | 小形巻線部品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10106846A JPH10106846A (ja) | 1998-04-24 |
JP3932492B2 true JP3932492B2 (ja) | 2007-06-20 |
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1996
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