JPH0753901B2 - 溶融亜鉛メッキ方法 - Google Patents

溶融亜鉛メッキ方法

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JPH0753901B2
JPH0753901B2 JP2111506A JP11150690A JPH0753901B2 JP H0753901 B2 JPH0753901 B2 JP H0753901B2 JP 2111506 A JP2111506 A JP 2111506A JP 11150690 A JP11150690 A JP 11150690A JP H0753901 B2 JPH0753901 B2 JP H0753901B2
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篤夫 末広
典夫 小柏
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株式会社興和工業所
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、鉄系被メッキ物を溶融亜鉛メッキする方法に
関する。
[従来の技術と発明が解決しようとする課題] 従来、鉄鋼材料からなる製品、例えば、ボルト・ナット
の腐蝕を防止するため、溶融亜鉛メッキが施されてい
る。このボルト・ナットには、溶融亜鉛メッキ皮膜によ
り、ネジ精度が損われることなく、しかも長期に亘り高
い耐蝕性を維持できることが要求される。
一方、溶融亜鉛メッキでは、メッキ皮膜の膜厚が大きい
程、耐蝕性に優れるものの、メッキ皮膜の膜厚が大きい
場合には、ネジ精度を確保できない。また、メッキ皮膜
と膜厚が薄い場合には、耐蝕性を高めることが困難であ
る。従って、溶融亜鉛メッキでは、メッキ皮膜を薄くし
て耐蝕性を高めることが困難である。さらには、溶融亜
鉛メッキでは、溶融亜鉛浴が著しく汚染される。より詳
細には、第5図に示されるように、ボルト・ナットなど
の鉄系被メッキ物(21)を溶融亜鉛浴に浸漬する場合に
は、鉄系被メッキ物(21)と亜鉛皮膜(23)との間に鉄
−亜鉛合金層(22)が生成する。この鉄−亜鉛合金層
(22)は、通常、柵状の鉄−亜鉛合金からなる柵状層
(22a)と柱状の鉄−亜鉛合金からなる柱状層(22b)と
で構成されている。そして、ボルト・ナットの溶融亜鉛
メッキは、溶融亜鉛浴の粘度を下げることにより表面の
均一性を改善するため、比較的高温でメッキ作業が行な
われている。例えば、通常の鉄系被メッキ物を溶融亜鉛
メッキする場合には、メッキ温度が440〜480℃程度であ
るのに対して、ボルト・ナットを溶融亜鉛メッキする場
合には、メッキ温度が460〜500℃程度である。このこと
に起因して、鉄−亜鉛合金層(22)、特に柱状層(22
b)の成長が促進され、結果として、溶融亜鉛メッキ皮
膜(24)全体の厚みが大きくなり、ネジ精度を高めるこ
とができない。また、柱状層(22b)の成長は、被メッ
キ物(21)の鉄成分の溶融亜鉛浴への溶出を促進する。
従って、溶融亜鉛浴が鉄分によって著しく汚染され、ド
ロスが多量に発生する。このドロスは、被メッキ物(2
1)の表面に付着し、光沢や外観を損ない、商品価値を
低下させると共に、最終的には、溶融亜鉛浴そのものが
使用不能となる。
上記亜鉛に代えて、亜鉛−アルミニウム合金を用いる
と、耐蝕性を高めることができる。しかしながら、酸素
が存在する大気中で、亜鉛−アルミニウム合金浴に鉄系
被メッキ物を浸漬する場合には、酸化反応に伴い、鉄系
被メッキ物と、溶融亜鉛−アルミニウム合金との濡れ性
が著しく低下し、徐々に不メッキを生じる。従って、大
気中で、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキを施す場合
には、通常、鉄系被メッキ物をフラックスで処理し、溶
融亜鉛浴に浸漬して溶融亜鉛メッキを施した後、亜鉛−
アルミニウム合金浴に浸漬して亜鉛−アルミニウム合金
メッキを施している(特開昭57−35672号公報)。
しかしながら、これらの場合にも鉄系被メッキ物と亜鉛
皮膜との間には、層厚が大きな鉄−亜鉛合金層が生成す
る。そして、この合金層は、前記と同様に、脱落して亜
鉛−アルミニウム合金浴に溶出し、亜鉛−アルミニウム
合金浴を著しく汚染し、亜鉛−アルミニウム浴を使用不
能にする。また、被メッキ物にドロスが付着し、前記と
同様に、表面が凹凸で不均一なメッキ物となり、光沢や
外観が損われる。
このように、溶融亜鉛メッキや溶融亜鉛合金メッキに伴
って生じる種々の問題は、主に、層厚の大きな鉄−亜鉛
合金層に起因する。
上記の点に鑑み、本出願人は、溶融亜鉛メッキを高温、
例えば、530〜560℃で行なった後、溶融亜鉛−アルミニ
ウム合金浴に浸漬する方法を提案した(特開昭56−1124
52号公報)。
この方法では、鉄−亜鉛合金層を薄くできると共に、浴
の汚染を抑制でき、ネジ類であっても比較的精度の高い
メッキ物を得ることができる。しかしながら、この方法
では、高温で溶融亜鉛メッキを施す必要があるので、作
業性、生産性が低下する。また、この方法では、メッキ
皮膜全体の厚みを30μm程度に形成できるものの、ボル
ト類のネジ精度をさらに高めることは困難である。
また、シリコン含有量の多い被メッキ材において、亜鉛
付着量を少なくする方法として、少量のアルミニウムと
ニッケルとを含む溶融亜鉛メッキ浴でメッキすることも
提案されている(特公平1−38869号公報)。しかしな
がら、前記ニッケルを含む亜鉛メッキ被膜は、耐蝕性に
劣る。
従って、本発明の目的は、高温でメッキすることなく、
鉄−亜鉛合金層の脱落及び溶融亜鉛浴の汚染並びにドロ
スの発生を著しく抑制し、メッキ皮膜を均一に形成で
き、メッキ被膜が薄くても耐蝕性に優れる溶融亜鉛メッ
キ方法を提供することにある。
[発明の構成] 上記目的を達成するため、本発明は、(I)鉄系被メッ
キ物を、無電解ニッケルメッキ処理し、アルミニウム含
有量が0.5重量%未満の溶融亜鉛メッキを施した後、又
は(II)鉄系被メッキ物に、アルミニウム含有量が0.5
重量%未満、およびニッケル含有量が0.01〜1.0重量%
の溶融亜鉛−ニッケル合金メッキを施した後、少なくと
もアルミニウムを3重量%以上含む溶融亜鉛−アルミニ
ウム合金メッキを施す溶融亜鉛メッキ方法を提供する。
なお、本明細書において、溶融亜鉛又はその浴、溶融亜
鉛−アルミニウム合金又はその浴には、特に断わりがな
い限り、不可避的不純物、例えば、鉛、鉄、カドミウム
などが含まれていてもよい。
以下に、必要に応じて、添付図面を参照しつつ本発明を
より詳細に説明する。
第1図は本発明の本発明の方法により得られる溶融亜鉛
メッキ被覆物の一例を示す拡大概略断面図である。
本発明に適用できる鉄系被メッキ物(1)は、鉄成分を
含み、かつ溶融亜鉛メッキが可能なものであれば、特に
制限されないが、腐蝕性を有する鉄鋼製品、例えば、鋼
板、鋼線、鋼帯など、特にメッキ皮膜の厚みを均一かつ
薄く形成することが要求される製品、例えば、ボルト・
ナットなどの凹凸表面を有する鉄鋼製品に好適に適用さ
れる。
第1図に示されるように、鉄系被メッキ物(1)の表面
には、鉄−亜鉛合金層(2)が存在する。この鉄−亜鉛
合金層(2)は、通常、鉄−亜鉛合金からなる柵状の柵
状層(2a)と、鉄−亜鉛合金からなる柱状の柱状層(2
b)とで構成されている。また、被メッキ物(1)を被
覆する溶融亜鉛メッキ皮膜(4)は、鉄−亜鉛合金層
(2)と、該鉄−亜鉛合金層(2)を被覆する亜鉛皮膜
(3)とで構成されている。
そして、鉄−亜鉛合金層(2)にはニッケルが存在す
る。なお、ニッケルは、主に、ニッケル拡散層として、
鉄−亜鉛合金層(2)の柱状層(2b)に存在しているよ
うである。
前記鉄−亜鉛合金層(2)に存在するニッケルの由来
は、鉄系被メッキ物(1)の表面に形成した無電解ニッ
ケルメッキ皮膜や、ニッケルを含む溶融亜鉛−ニッケル
合金メッキ皮膜に由来するのが好ましい。また、ニッケ
ル拡散層の厚みは、ニッケルメッキ皮膜の厚み、溶融亜
鉛−ニッケル合金中のニッケル濃度や鉄−亜鉛合金層
(2)の厚みに依存するが、通常、1〜15μm程度、好
ましくは2.5〜10μm程度である。上記ニッケルは、鉄
−亜鉛合金層(2)の成長を著しく抑制し、溶融亜鉛メ
ッキ皮膜(4)全体の厚みを薄くする。
なお、詳細は不明であるが、電気メッキによるニッケル
メッキ皮膜を形成した被メッキ物を溶融亜鉛メッキ処理
しても、鉄−亜鉛合金層の厚みを薄くし、耐蝕性の高い
溶融亜鉛メッキ皮膜を形成するのが困難である。
以下に、溶融亜鉛メッキ被覆物の構造について、電子線
プローブマイクロアナライザ(日本電子(株)製、JXA
−8600M)による倍率1500倍の二次電子線像及びX線像
に基づいてより具体的に説明する。
第2図(A)は、溶融亜鉛メッキ被覆物の一例を示す断
面の二次電子線像を表わす図、第2図(B)は、分光結
晶としてLiFを用いたときの第2図(A)の断面におけ
る亜鉛成分の分布状態を示すZn−Kα X線像を表わす
図、第2図(C)は、分光結晶としてLiFを用いたとき
の第2図(A)の断面における鉄成分の分布状態を示す
Fe−Kα X線像を表わす図、第2図(D)は、分光結
晶としてTAPを用いたときの第2図(A)の断面におけ
るニッケル成分の分布状態を示すNi−Kα X線像を表
わす図である。
第2図(A)から明らかなように、鉄系被メッキ物
(1)を被覆する溶融亜鉛メッキ皮膜(4)は、柵状層
(2a)と、柱状層(2b)と、亜鉛皮膜(3)とで形成さ
れている。また、第2図(B)から明らかなように、亜
鉛は、溶融亜鉛メッキ皮膜(4)全体に略均一に分布し
ており、鉄成分は、第2図(C)に示されるように、柵
状層(2a)及び柱状層(2b)に分布している。柵状層
(2a)及び柱状層(2b)は鉄−亜鉛合金層(2)を構成
する。そして、第2図(D)に示されるように、前記柱
状層(2b)には、ニッケルが拡散したニッケル拡散層が
存在する。なお、図示する例において、ニッケル濃度
は、柱状層(2b)の表層部で高いようである。
このように、鉄系被メッキ物(1)を被覆する鉄−亜鉛
合金層(2)中にニッケルが存在する場合には、極めて
薄い鉄−亜鉛合金層(2)しか生成しない。鉄−亜鉛合
金層(2)の厚みは、溶融亜鉛浴の温度、浸漬時間など
に依存するが、通常、5〜35μm程度である。より具体
的には、温度460℃、浸漬時間30秒の条件での溶融亜鉛
メッキ反応において、鉄−亜鉛合金層(2)の厚みは、
通常、5μm程度であり、上記温度で、例えば、3分間
程度浸漬しても約35μm程度にしか成長しない。従っ
て、溶融亜鉛メッキ皮膜(4)全体の厚みが薄くても、
溶融亜鉛メッキ皮膜(4)全体に占める亜鉛皮膜(3)
の割合を大きくできるので、防蝕性を高めることができ
る。
なお、上記ニッケルが存在しない場合には、温度460
℃、浸漬時間30秒の条件での溶融亜鉛メッキにおいて、
鉄−亜鉛合金層の厚みは、通常、15μm程度であり、長
時間浸漬すると、鉄−亜鉛合金層の厚みがさらに著しく
大きくなる。
溶融亜鉛メッキ皮膜(4)全体の厚みは、防蝕性を確保
できる範囲に形成できるが、通常10〜40μm程度、好ま
しくは15〜30μm程度である。溶融亜鉛メッキ皮膜
(4)の厚みが10μm未満であると防蝕性が低下して、
40μmを越えると、膜厚が大きくなり過ぎ経済的でない
ばかりかボルト類などに適用したとき、ネジ精度を高め
るのが困難である。
鉄系被メッキ物(1)を、防蝕性の高い溶融亜鉛−アル
ミニウム合金メッキ皮膜で被覆する場合には、鉄系被メ
ッキ物と、亜鉛−アルミニウム合金皮膜との間には、溶
融メッキ反応により、鉄と亜鉛合金の成分とを含む合金
層が介在する。ニッケル拡散層は、該合金層に存在す
る。
第3図は、本発明の他の方法により得られる溶融亜鉛−
アルミニウム合金メッキ被覆物を示す拡大概略断面図で
ある。この例では、前記第1図及び第2図に示される溶
融亜鉛メッキの後、亜鉛−アルミニウム合金メッキを施
している。なお、前記第1図と同一の要素については、
同一の符号を用いて説明する。
鉄系被メッキ物(1)の表面には鉄−亜鉛−アルミニウ
ム合金層(12)が存在する。この合金層(12)は、柵状
層(12a)と柱状層(12b)とで構成されている。より詳
細には、上記鉄系被メッキ物(1)を溶融亜鉛メッキ処
理した段階では、前記第1図に示されると同様に、ニッ
ケル拡散層は、柵状層と柱状層で構成された鉄−亜鉛合
金層、特に柱状層に存在する。次いで、溶融亜鉛メッキ
処理後に、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキを施す場
合には、亜鉛−アルミニウム合金中のアルミニウム成分
が、鉄−亜鉛合金層に拡散し、鉄−亜鉛−アルミニウム
合金層(12)を形成する。また、ニッケル拡散層は、ア
ルミニウム成分が拡散しても、鉄−亜鉛−アルミニウム
合金層(12)、特に柱状層(12b)に存在する。ニッケ
ル拡散層の層厚は、溶融亜鉛メッキの場合と同様な大き
さである。
鉄−亜鉛−アルミニウム合金層(12)を被覆する亜鉛−
アルミニウム合金皮膜(13)は、溶融亜鉛メッキ処理に
より形成された、前記第1図に示される亜鉛皮膜(4)
と置換して形成されている。すなわち、溶融亜鉛メッキ
を施した後、さらに溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ
処理を施しても、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮
膜(14)全体の厚みは、前記溶融亜鉛メッキ皮膜(4)
全体の厚みとさほど変らない。従って、溶融亜鉛−アル
ミニウム合金メッキ皮膜(14)全体の厚みを薄くするこ
とができる。
このような構造のメッキ被覆物では、介在するニッケル
拡散層により、鉄−亜鉛−アルミニウム合金層(12)、
ひいては溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜(14)
全体の層厚を著しく薄くでき、しかも亜鉛−アルミニウ
ム合金皮膜(13)及び鉄−亜鉛−アルミニウム合金層
(12)自体の高い防蝕性によって、防蝕効果を長期に亘
り維持できる。
以下に、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ被覆物の構
造について、電子線プローブマイクロアナライザによる
倍率1500倍の二次電子線像及びX線像に基づいてより具
体的に説明する。
第4図(A)は、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ被
覆物の一例を示す断面の二次電子線像を表わす図、第4
図(B)は、分光結晶としてLiFを用いたときの第4図
(A)の断面における亜鉛成分の分布状態を示すZn−K
α X線像を表わす図、第4図(C)は、分光結晶とし
てLiFを用いたときの第4図(A)の断面における鉄成
分の分布状態を示すFe−Kα X線像を表わす図、第4
図(D)は、分光結晶としてTAPを用いたときの第4図
(A)の断面におけるアルミニウム成分の分布状態を示
すAl−Kα X線像を表わす図、第4図(E)は、分光
結晶としてTAPを用いたときの第4図(A)の断面にお
けるニッケル成分の分布状態を示すNi−Kα X線像を
表わす図である。
第4図(A)から明らかなように、鉄系被メッキ物
(1)を被覆する溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮
膜(14)は、柵状層(12a)と、柱状層(12b)と、亜鉛
−アルミニウム合金皮膜(13)とで構成されている。ま
た、第4図(B)から明らかなように、亜鉛は、溶融亜
鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜(14)全体に亘り分布
している。なお、この例では、溶融亜鉛−アルミニウム
合金メッキ皮膜(14)の表層部において、亜鉛成分の濃
度が高いようである。また、鉄成分は、第4図(C)に
示されるように、柵状層(12a)及び柱状層(12b)に分
布していると共に、溶融亜鉛−アルミニウム合金のアル
ミニウム成分は、第4図(D)に示されるように、鉄−
亜鉛合金層に拡散し、鉄−亜鉛−アルミニウム合金層
(12)を構成している。鉄−亜鉛−アルミニウム合金層
(12)は、柵状層(12a)及び柱状層(12b)で構成され
ている。また、第4図(E)に示されるように、ニッケ
ル拡散層は、鉄−亜鉛−アルミニウム合金層(12)、特
に柱状層(12b)に拡散している。なお、柱状層(12b)
のうち表層部のニッケル濃度が高いようである。また、
鉄−亜鉛合金層へのアルミニウム成分の拡散に伴ない、
溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜(14)の表層部
のアルミニウムの濃度は、小さくなるようである。
この例のように、溶融亜鉛メッキを施した後、溶融亜鉛
−アルミニウム合金メッキを施す場合、溶融亜鉛−アル
ミニウム合金メッキ皮膜(14)全体の厚みは、主に、第
1段階の溶融亜鉛メッキ皮膜の厚みにより決定され、通
常10〜40μm程度、好ましくは15〜30μm程度である。
溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜(14)の厚みが
10μm未満であると、防蝕性が低下し、40μmを越える
と、膜厚が大きくなり過ぎ経済的でないばかりか、ボル
ト類などに適用したとき、ネジ精度を高めるのが困難で
ある。
なお、上記の例では、柵状層(2a)(12a)と柱状層(2
b)(12b)とが識別できる場合を例にとって説明した
が、柵状層(2a)(12a)と柱状層(2b)(12b)との識
別が困難な場合がある。従って、ニッケル拡散層は、鉄
−亜鉛合金層(2)や鉄−亜鉛−アルミニウム合金層
(12)などのように、鉄成分と亜鉛メッキ浴または亜鉛
合金メッキ浴の成分とを含む合金層に存在すればよい。
ニッケルは、層状に限らず、前記合金層に全体に亘り拡
散して存在していてもよく、その存在状態は特に制限さ
れない。
前記の溶融亜鉛メッキ被覆物は、次のような方法で製造
できる。
(A)鉄系被メッキ物の表面に、無電解ニッケルメッキ
皮膜を形成する無電解ニッケルメッキ処理工程と、溶融
亜鉛メッキ工程と、溶融亜鉛−アルミニウムメッキ工程
とを含む方法。
(B)無電解ニッケルメッキを施すことなく、鉄系被メ
ッキ物に、アルミニウム含有量が0.5重量%未満、およ
びニッケル含有量が0.01〜1.0重量%の溶融亜鉛−ニッ
ケル合金メッキを施した後、溶融亜鉛−アルミニウム合
金メッキを施す方法。
以下に前記(A)の方法について説明する。
鉄系被メッキ物は、通常、無電解ニッケルメッキ処理工
程に先だって、慣用の前処理、例えば、脱脂処理、酸洗
浄処理などに供される。
無電解ニッケルメッキ皮膜は、慣用の無電解メッキ方
法、例えば、ニッケル塩と、還元剤とを含む無電解メッ
キ液に浸漬処理し、鉄系被メッキ物の表面にニッケルを
析出させることにより形成できる。ニッケル塩として
は、例えば、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケ
ルなどの少なくも一種の塩が使用できる。還元剤として
は、例えば、次亜リン酸ナトリウムなどの次亜リン酸
塩、水素化ホウ素化合物、ヒドラジン、ホルムアルデヒ
ド、ブドウ糖、酒石酸などが挙げられ、これらの還元剤
は一種または二種以上使用できる。また、無電解メッキ
処理浴には、慣用の添加剤、例えば、酢酸ナトリウム、
プロピオン酸、乳酸、塩化アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、マロン酸ナトリウム、エチレンジアミン、水酸化
ナトリウムなどが含まれていてもよい。
無電解ニッケルメッキ浴は、例えば、pH3〜6程度の酸
性浴、pH7程度の中性浴、pH8〜14程度のアルカリ性浴な
どであってもよく、また、低温浴、高温浴のいずれであ
ってもよい。
無電解ニッケルメッキによるニッケルメッキ皮膜の厚み
は、適宜設定でき、その下限値は、鉄−亜鉛合金層
(2)の成長抑制の点から決定され、上限値は、臨界的
ではなく、経済性、生産性の点から決定される。無電解
ニッケルメッキ皮膜の厚みは、通常0.01〜5μm程度、
好ましくは0.05〜2.5μm、さらに好ましくは0.1〜1μ
m程度で十分である。
無電解ニッケルメッキ処理工程は、上記メッキ液に、適
宜の温度で所定時間、例えば、80〜100℃程度の温度で1
0秒〜30分間程度、好ましくは30秒〜3分間程度浸漬す
ることにより行なうことができる。
上記無電解ニッケルメッキ皮膜を形成した鉄系被メッキ
物は、フラックスで処理した後、溶融亜鉛浴に被メッキ
物を浸漬する溶融亜鉛メッキ工程に供される。フラック
スとしては、慣用の組成、例えば、塩化アンモニウムや
塩化亜鉛を含むフラックスが使用できる。
無電解ニッケルメッキ皮膜を形成した鉄系被メッキ物を
溶融亜鉛メッキするには、アルミニウム含有量0.5重量
%未満の溶融亜鉛浴で溶融メッキするのが好ましい。
前記溶融亜鉛は、アルミニウム含有量が0.5重量%未満
であり、錫、マグネシウム、銅、チタン、ジルコニウム
及びナトリウムなどの少なくとも1つの成分を0.01〜5
重量%含んでいてもよい。
溶融亜鉛浴の温度及び浸漬時間は、所望するメッキ皮膜
の厚みや作業性などに応じて適宜設定できる。浴の温度
は、通常、亜鉛の溶融温度+10℃以上の温度である。よ
り具体的には、溶融亜鉛浴の温度は、通常、430〜500
℃、好ましくは440〜480℃程度であり、浸漬時間は、通
常、1秒〜5分程度、好ましくは15秒〜2分程度であ
る。
アルミニウム含有量3重量%以上の亜鉛−アルミニウム
合金による溶融メッキは、溶融亜鉛メッキを施した後、
行なうのが好ましい。すなわち、鉄系被メッキ物(1)
に無電解ニッケルメッキ皮膜を形成した後、アルミニウ
ムを3重量%以上含む亜鉛−アルミニウム合金で直接溶
融メッキする場合、この亜鉛−アルミニウム合金は、非
酸化雰囲気下では、無電解ニッケルメッキ皮膜に対して
濡れ性が優れている。しかしながら、酸素を含む酸化雰
囲気下においては、無電解ニッケルメッキ皮膜に対する
濡れ性が十分でない。従って、酸化雰囲気下で、溶融亜
鉛−アルミニウム合金のメッキ皮膜を形成するために
は、前記のように、無電解ニッケルメッキ皮膜を形成し
た鉄系被メッキ物を、溶融亜鉛浴に浸漬した後、溶融亜
鉛−アルミニウム合金浴に浸漬するのが好ましい。
好ましい溶融亜鉛−アルミニウム合金としては、少なく
ともアルミニウムを3重量%以上、好ましくは3〜7重
量%含む亜鉛−アルミニウム合金;好ましくは、上記ア
ルミニウムに加えて、マグネシウムを少なくとも0.1重
量%以上、特に0.2〜2重量%含む亜鉛−アルミニウム
合金が例示できる。これらの亜鉛合金Cは、銅、チタン
及びジルコニウムのうち少なくとも1つの成分を0.01〜
5重量%含んでいてもよく、ナトリウムを0.05〜0.1重
量%含んでいてもよい。
溶融亜鉛−アルミニウム浴の温度は、アルミニウム含有
量で変化するので、一義的に決定できないが、通常、40
0〜500℃、好ましくは420〜460℃程度であり、浸漬時間
は通常、1秒〜5分程度、好ましくは15秒〜1分程度で
ある。
上記のようにして鉄系被メッキ物に溶融亜鉛メッキおよ
び溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキを施すと、一浴で
形成された鉄−亜鉛合金層の一部が脱落することなく、
比較的薄くて均一で、しかも耐蝕性に優れた合金メッキ
被膜が得られる。また、二浴目の溶融亜鉛−アルミニウ
ム合金浴でのトップドロスの発生を著しく抑制できる。
次に、前記(B)の方法について説明する。
この方法は、アルミニウム含有量が0.5重量%未満、お
よびニッケル含有量が0.01〜1.0重量%の溶融亜鉛−ニ
ッケル合金メッキと、耐蝕性の高い溶融亜鉛−アルミニ
ウム合金メッキとを組合せることにより、一浴で形成さ
れた鉄−亜鉛合金層の一部が脱落することなく、比較的
薄くて均一で、しかも耐蝕性に優れた合金メッキ被膜を
形成するだけでなく、二浴目の溶融亜鉛−アルミニウム
合金浴でのトップドロスの発生を著しく抑制できる点に
特徴がある。
この方法では、鉄系被メッキ物を前記(A)と同様に前
処理した後、アルミニウム含有量が0.5重量%未満、お
よびニッケル含有量が0.01〜1.0重量%の溶融亜鉛−ニ
ッケル合金メッキを施す。溶融亜鉛−ニッケル合金メッ
キ浴のアルミニウム含有量が0.5重量%を越える場合に
は、鉄系被メッキ物との濡れ性が低下し、不メッキ部が
生じ易い。アルミニウムの好ましい含有量は、0.001〜
0.1重量%、特に0.001〜0.05重量%程度である。また、
ニッケル含有量が0.01重量%未満である場合には、鉄−
亜鉛合金層の成長が大きく、メッキ皮膜を薄くするのが
困難であり、1.0重量%を越える場合には、溶融温度、
ひいては溶融メッキ温度が高くなり、作業性が低下する
だけでなく、合金層の成長が促進されてメッキ皮膜が厚
くなる傾向を示す。ニッケルの好ましい含有量は0.05〜
0.5重量%、特に0.1〜0.3重量%程度である。上記組成
の亜鉛−ニッケル合金メッキを施す場合には、鉄系被メ
ッキ物および耐蝕性に優れた亜鉛合金メッキ皮膜との密
着性に優れ、亜鉛合金メッキ皮膜の均一性を高める。
溶融亜鉛−ニッケルメッキは、前記(A)と同様の条件
で行なうことができる。
溶融亜鉛−ニッケルメッキの後、耐蝕性を高めるため、
前記溶融亜鉛−アルミニウム合金によるメッキを施す。
前記溶融亜鉛−アルミニウムメッキは前記(A)と同様
の条件で行なうことができる。
この(B)の方法によっても、前記(A)の方法と同じ
く、亜鉛−ニッケル合金による溶融メッキに起因して生
じるニッケル拡散層の効果により、一浴の亜鉛−ニッケ
ル合金浴で形成された鉄−亜鉛合金層の二浴での脱落を
防止し、比較的薄くて均一で、しかも耐蝕性に優れた合
金メッキ被膜が得られる。また、二浴目の溶融亜鉛−ア
ルミニウム合金浴でのトップドロスの発生を著しく抑制
できる。
また、(B)の方法では、(A)の方法と異なり、無電
解ニッケルメッキ処理する必要がないので、工程数を削
減でき、生産性を高めることができる。
このように、本発明の溶融亜鉛メッキ被覆物及び溶融亜
鉛メッキ方法を、均一で精度が要求される鉄鋼製品、特
にボルト・ナット類に適用すると、ネジ精度が高く、高
い耐蝕性を付与できる。
なお、本発明の好ましい態様は次の通りである。
[発明の効果] 以上のように、本発明の溶融亜鉛メッキ方法では、一浴
で形成された鉄−亜鉛合金層が二浴の溶融亜鉛−アルミ
ニウム合金浴で脱落して浴中に溶出するのを防止でき、
溶融亜鉛−アルミニウム合金浴の汚染およびトップドロ
スの発生を著しく抑制できるとともに、均一で比較的薄
く、耐蝕性に優れた溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ
被覆物を工業的に製造できる。
[実施例] 以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明す
る。
比較例1 JIS B 0205に適合したM10の鉄製ボルトを脱脂槽に浸漬
して脱脂処理し、水洗し酸洗浄槽で洗浄し、水洗した
後、下記の条件で無電解ニッケルメッキ処理し、ボルト
表面に無電解ニッケルメッキ皮膜を形成した。
(a)無電解ニッケルメッキ液の組成 硫酸ニッケル 30g/ 酢酸ナトリウム 10g/ 次亜リン酸ナトリウム 10g/ (b)浴の温度 80℃ (c)メッキ時間 2分 無電解ニッケルメッキ処理したボルトを、塩化亜鉛30g/
と塩化アンモニウム100g/とを含むフラックス液に
浸漬し、取出した後、乾燥した。そして、温度460℃の
溶融亜鉛浴に30秒間浸漬し、遠心分離により過剰な溶融
亜鉛をタレ切りにより除去した後、水冷し、溶融亜鉛メ
ッキ皮膜を形成した。
比較例2 比較例1と同様に、無電解ニッケルメッキ処理及びフラ
ックス処理したボルトを、比較例1の溶融亜鉛浴に3分
間浸漬する以外、比較例1と同様にして、溶融亜鉛メッ
キ皮膜を形成した。
実施例1 比較例1と同様にして、無電解ニッケルメッキ処理及び
フラックス処理したボルトを溶融亜鉛浴に30秒間浸漬
し、取出した後、アルミニウム5重量%及びマグネシウ
ム1重量%を含む温度430℃の溶融亜鉛−アルミニウム
合金浴に30秒間浸漬し、比較例1と同様に遠心分離に供
することにより、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮
膜を形成した。
実施例2 無電解ニッケルメッキ処理を下記の条件で行なう以外、
実施例1と同様にして、溶融亜鉛−アルミニウム合金メ
ッキ皮膜が形成されたボルトを得た。
(a)無電解ニッケルメッキ液の組成 塩化ニッケル 25g/ 酢酸ナトリウム 16g/ 次亜リン酸ナトリウム 24g/ (b)浴の温度 95℃ (c)メッキ時間 30秒 比較例3 ボルトを無電解ニッケルメッキ処理することなく、比較
例1と同様にして、溶融亜鉛浴に浸漬し、溶融亜鉛メッ
キ皮膜を形成した。
比較例4 ボルトを無電解ニッケルメッキ処理することなく、上記
比較例2と同様にして、溶融亜鉛浴に浸漬し、溶融亜鉛
メッキ皮膜を形成した。
比較例5 ボルトを無電解ニッケルメッキ処理することなく、実施
例1と同様にして、溶融亜鉛浴と溶融亜鉛−アルミニウ
ム合金浴とに順次浸漬し、溶融亜鉛−アルミニウム合金
メッキ皮膜を形成した。
そして、上記実施例1及び2、比較例1〜5で得られた
ボルトの断面を顕微鏡により観察し、鉄−亜鉛合金皮膜
及び溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜全体の厚み
を測定した。また、各ボルトを塩水噴霧試験に供し、耐
蝕性を錆が発生するまでの時間により評価した。
なお、塩水噴霧試験条件は下記の通りである。
塩化ナトリウム濃度 50g/ 噴霧室温度 35±1℃ 噴霧量 1ml/時間 また、得られたボルトの表面状態を目視にて下記の基準
で評価した。
優:平滑 良:若干凹凸あり 不可:凹凸が著しい さらには溶融亜鉛浴及び溶融亜鉛−アルミニウム合金浴
の汚染の程度を目視にて下記の基準で評価した。
優:殆ど汚染されず 良:若干汚染される 不可:著しく汚染される 結果を表1に示す。
表1から明らかなように、一段階メッキ法での比較例1
及び2では、鉄−亜鉛合金層の層厚が小さいものの、耐
蝕性が劣り、二段階メッキ法での比較例3〜5のメッキ
されたボルトでは、いずれも鉄−亜鉛合金層の層厚が著
しく大きく、溶融亜鉛浴、特に溶融亜鉛−アルミニウム
浴の汚染が著しい。これに対して、実施例1及び2で得
られたボルトでは、いずれも鉄−亜鉛合金層や鉄−亜鉛
−アルミニウム合金層の層厚が15μm程度であり、メッ
キ皮膜全体の厚みを著しく薄くできる。しかも、実施例
1及び2のボルトは、比較例3〜5と比較して、いずれ
も溶融亜鉛浴の汚染が少なく、凹凸がなく光沢がある。
また、実施例1及び2のボルトは、比較例1〜4のボル
トに比べて耐蝕性に優れている。
実施例3 厚み0.8mmの綱板を、通常の溶融亜鉛メッキ工程で採用
されている脱脂、酸洗、フラックス処理した後、ニッケ
ル0.2重量%、アルミニウム0.005重量%を含有する溶融
亜鉛−ニッケル合金浴で、温度460℃、浸漬時間30秒、6
0秒、180秒の3通りの条件で第1段階の溶融メッキを施
こした。
次いで、アルミニウム約5重量%、マグネシウム1重量
%を含む亜鉛−アルミニウム合金浴に、温度460℃で60
秒浸漬することにより、亜鉛アルミニウム合金メッキを
施こした。
比較例6 第1段階の溶融メッキを、ニッケルを含まない溶融亜鉛
メッキ浴で行なう以外、実施例3と同様にして、第2段
階の亜鉛−アルミニウム合金メッキを施こした。
そして、上記第1段階および第2段階でのメッキ被覆物
の断面のミクロ組織および合金層の厚みなどを顕微鏡で
調べると共に、メッキ被覆物の表面状態、浴の汚染の程
度を前記と同様の基準で目視にて調べた。
結果を表2に示す。
表2より明らかなように、実施例3では、第1段階の浴
への浸漬時間を長くしても、合金層およびメッキ皮膜全
体の厚みが小さく、表面に凹凸がなく光沢があるだけで
なく、浴の汚染が殆どない。
また、顕微鏡による観察において、比較例6では、第1
段階における溶融亜鉛メッキ皮膜のミクロ組織は、柱状
層が浸漬時間と共にランダムに、しかも厚く成長してい
た。特に、第2段階の合金メッキを施すと、そのミクロ
組織は、第1段階の溶融亜鉛メッキの浸漬時間が長くな
るにつれて不安定になり、第1段階での浸漬時間180秒
に至っては、鉄−亜鉛合金層と鉄素地の境界より合金層
が浴中に脱落してしまう様子が観察され、メッキ皮膜全
体の厚みが大きく変動した。
これに対して、実施例3の第一段階におけるメッキ皮膜
のミクロ組織は、比較例6に比べて、鉄−亜鉛合金層の
発達が著しく抑制されていた。しかも、実施例3におい
ては、第2段階の合金メッキを施しても、メッキ皮膜の
ミクロ組織は、整然とした二層構造であり、鉄−亜鉛合
金層の脱落箇所が観察されなかった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の方法により得られる溶融亜鉛メッキ被
覆物の一例を示す拡大概略断面図、 第2図(A)は溶融亜鉛メッキ被覆物の一例を示す断面
の二次電子線像を表わす図、 第2図(B)は、第2図(A)の断面における亜鉛成分
の分布状態を示すZn−Kα X線像を表わす図、 第2図(C)は、第2図(A)の断面における鉄成分の
分布状態を示すFe−Kα X線像を表わす図、 第2図(D)は、第2図(A)の断面におけるニッケル
成分の分布状態を示すNi−Kα X線像を表わす図、 第3図は本発明の他の方法により得られる溶融亜鉛メッ
キ被覆物を示す拡大概略断面図、 第4図(A)は、溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキ被
覆物の一例を示す断面の二次電子線像を表わす図、 第4図(B)は、第4図(A)の断面における亜鉛成分
の分布状態を示すZn−Kα X線像を表わす図、 第4図(C)は、第4図(A)の断面における鉄成分の
分布状態を示すFe−Kα X線像を表わす図、 第4図(D)は、第4図(A)の断面におけるアルミニ
ウム成分の分布状態を示すAl−Kα X線像を表わす
図、 第4図(E)は、第4図(A)の断面におけるニッケル
成分の分布状態を示すNi−Kα X線像を表わす図、 第5図は従来の溶融亜鉛メッキ被覆物を示す拡大断面図
である。 (1)……鉄系被メッキ物、 (2)……鉄−亜鉛合金層、(2a)……柵状層、 (2b)……柱状層、(3)……亜鉛皮膜、 (4)……溶融亜鉛メッキ皮膜、 (12)……鉄−亜鉛−アルミニウム合金層、 (12a)……柵状層、(12b)……柱状層、 (13)……亜鉛−アルミニウム合金皮膜、 (14)……亜鉛−アルミニウム合金メッキ皮膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−162294(JP,A) 特開 昭55−110794(JP,A) 特開 昭55−131165(JP,A) 特公 昭60−55588(JP,B2) 特公 平1−38869(JP,B2)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄系被メッキ物を、無電解ニッケルメッキ
    処理し、アルミニウム含有量が0.5重量%未満の溶融亜
    鉛メッキを施した後、少なくともアルミニウムを3重量
    %以上含む溶融亜鉛−アルミニウム合金メッキを施す溶
    融亜鉛メッキ方法。
  2. 【請求項2】鉄系被メッキ物に、アルミニウム含有量が
    0.5重量%未満、およびニッケル含有量が0.01〜1.0重量
    %の溶融亜鉛−ニッケル合金メッキを施した後、少なく
    ともアルミニウムを3重量%以上含む溶融亜鉛−アルミ
    ニウム合金メッキを施す溶融亜鉛メッキ方法。
  3. 【請求項3】溶融亜鉛−アルミニウム合金が0.2〜2重
    量%のマグネシウムを含む請求項1又は2記載の溶融亜
    鉛メッキ方法。
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