JPH07145469A - 耐食性・プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
耐食性・プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法Info
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- JPH07145469A JPH07145469A JP722694A JP722694A JPH07145469A JP H07145469 A JPH07145469 A JP H07145469A JP 722694 A JP722694 A JP 722694A JP 722694 A JP722694 A JP 722694A JP H07145469 A JPH07145469 A JP H07145469A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡単な操作で所望の良好な耐パウダリング性
や電着塗装性を備えた溶融亜鉛めっき鋼板を得ることが
できる製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 片面あたりのめっき量0.2〜5.0g/m
2 のNiをプレめっきした冷延鋼板を非酸化性雰囲気中
で200〜580℃の温度範囲に加熱した後、スプレー
により微粒化した溶融亜鉛を片面あたりのめっき量20
〜150g/m2でめっきする。次いで、スプレーめっ
き後の鋼板を300〜600℃の温度範囲で加熱処理す
ることにより、下層にあるNiを上層の亜鉛層中に拡散
させ、下層にFe−Zn合金化溶融めっき層、上層にN
i−Zn又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層を形
成せしめる。
や電着塗装性を備えた溶融亜鉛めっき鋼板を得ることが
できる製造方法を提供することを目的とする。 【構成】 片面あたりのめっき量0.2〜5.0g/m
2 のNiをプレめっきした冷延鋼板を非酸化性雰囲気中
で200〜580℃の温度範囲に加熱した後、スプレー
により微粒化した溶融亜鉛を片面あたりのめっき量20
〜150g/m2でめっきする。次いで、スプレーめっ
き後の鋼板を300〜600℃の温度範囲で加熱処理す
ることにより、下層にあるNiを上層の亜鉛層中に拡散
させ、下層にFe−Zn合金化溶融めっき層、上層にN
i−Zn又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層を形
成せしめる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐食性及びプレス成形
性に優れ自動車車体用及び家電用として適した合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
性に優れ自動車車体用及び家電用として適した合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶融亜鉛めっき鋼板を加熱炉にて合金化
処理してZn−Fe合金層を形成させてなる合金化溶融
亜鉛めっき鋼板は、元来優れた耐食性を有しているが、
合金化度が高い場合にはパウダリング(厳しいプレス加
工を受けると、めっき層が粉状に剥離する状態をパウダ
リングという)と称される製品欠陥が発生し、加工後の
製品の耐食性を低下させる。また、合金化度が低い場合
にはフレーキング(プレス加工時にめっき層が金型に焼
き付いて摺動抵抗が増大し、部分的にめっき層がむしり
取られる状態をフレーキングという)と称する現象が発
生し、脱落しためっき層がプレス金型に堆積して製品に
疵が発生する等の問題がある。
処理してZn−Fe合金層を形成させてなる合金化溶融
亜鉛めっき鋼板は、元来優れた耐食性を有しているが、
合金化度が高い場合にはパウダリング(厳しいプレス加
工を受けると、めっき層が粉状に剥離する状態をパウダ
リングという)と称される製品欠陥が発生し、加工後の
製品の耐食性を低下させる。また、合金化度が低い場合
にはフレーキング(プレス加工時にめっき層が金型に焼
き付いて摺動抵抗が増大し、部分的にめっき層がむしり
取られる状態をフレーキングという)と称する現象が発
生し、脱落しためっき層がプレス金型に堆積して製品に
疵が発生する等の問題がある。
【0003】このため上記の問題を解決するために、合
金化溶融亜鉛めっき鋼板の上に、(1)Zn−Ni合金
(特開昭61−207597号公報)、(2)Zn−F
e合金(特開昭56−133488号公報、特開昭62
−29084号公報)等を電気めっきした二層型合金化
溶融亜鉛めっき鋼板が提案されている。
金化溶融亜鉛めっき鋼板の上に、(1)Zn−Ni合金
(特開昭61−207597号公報)、(2)Zn−F
e合金(特開昭56−133488号公報、特開昭62
−29084号公報)等を電気めっきした二層型合金化
溶融亜鉛めっき鋼板が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の上層に電気めっきを施す二層型合金化溶融亜鉛め
っき鋼板については次のような欠点がある。 Zn−Ni,Zn−Feめっきは、Znめっきに比較
してめっき金属の析出効率が悪い。 この析出効率の悪化分は、H2 ガスとなるため、めっ
き層にピンホールが発生しやすい。 めっき表面にすじ模様が出やすい。 それぞれの金属イオンを所定濃度に溶解保持し、めっ
きセクションで電析させるため、大規模な設備となり、
コスト高となる。
従来の上層に電気めっきを施す二層型合金化溶融亜鉛め
っき鋼板については次のような欠点がある。 Zn−Ni,Zn−Feめっきは、Znめっきに比較
してめっき金属の析出効率が悪い。 この析出効率の悪化分は、H2 ガスとなるため、めっ
き層にピンホールが発生しやすい。 めっき表面にすじ模様が出やすい。 それぞれの金属イオンを所定濃度に溶解保持し、めっ
きセクションで電析させるため、大規模な設備となり、
コスト高となる。
【0005】本発明はこのような従来の二層型合金化溶
融亜鉛めっき鋼板の欠点を解消し、めっき金属の析出効
率が良く、しかも大規模な設備を必要とせずに、簡単な
操作で所望の性質(良好な耐食性及びプレス成形性)を
備えた溶融亜鉛めっき鋼板を得ることを可能とする製造
方法を提供することを目的とする。
融亜鉛めっき鋼板の欠点を解消し、めっき金属の析出効
率が良く、しかも大規模な設備を必要とせずに、簡単な
操作で所望の性質(良好な耐食性及びプレス成形性)を
備えた溶融亜鉛めっき鋼板を得ることを可能とする製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは、片面あたりのめっき量0.2〜5.0g/m2の
Niをプレめっきした冷延鋼板を非酸化性雰囲気中で2
00〜580℃の温度範囲に加熱した後、スプレーによ
り微粒化した溶融亜鉛をめっき量20〜150g/m2
でめっきすると共に、該スプレーめっき後の鋼板を30
0〜600℃の温度範囲で再度加熱処理することによ
り、下層にあるNiを上層の亜鉛層中に拡散させ、下層
にFe−Zn合金化溶融めっき層、上層にNi−Zn又
はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層を形成せしめる
ことを特徴とする二層型合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法にある。
ろは、片面あたりのめっき量0.2〜5.0g/m2の
Niをプレめっきした冷延鋼板を非酸化性雰囲気中で2
00〜580℃の温度範囲に加熱した後、スプレーによ
り微粒化した溶融亜鉛をめっき量20〜150g/m2
でめっきすると共に、該スプレーめっき後の鋼板を30
0〜600℃の温度範囲で再度加熱処理することによ
り、下層にあるNiを上層の亜鉛層中に拡散させ、下層
にFe−Zn合金化溶融めっき層、上層にNi−Zn又
はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層を形成せしめる
ことを特徴とする二層型合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製
造方法にある。
【0007】本発明では、上記のNiプレめっき量をス
プレーにより微粒化した溶融亜鉛のめっき量に応じて規
定することが好ましい。また、上記において、下層のめ
っき層は、片面あたりのめっき量が4〜135g/m2
で、Fe:5〜15wt%を含有し、上層のめっき層は、
片面あたりのめっき量が6〜75g/m2 で、Ni:3
〜16wt%、もしくはNi:3〜16wt%とFeを含有
するようにすることが好ましい。
プレーにより微粒化した溶融亜鉛のめっき量に応じて規
定することが好ましい。また、上記において、下層のめ
っき層は、片面あたりのめっき量が4〜135g/m2
で、Fe:5〜15wt%を含有し、上層のめっき層は、
片面あたりのめっき量が6〜75g/m2 で、Ni:3
〜16wt%、もしくはNi:3〜16wt%とFeを含有
するようにすることが好ましい。
【0008】以下本発明の詳細を説明する。まず、冷延
鋼板の表面に片面あたり0.2〜5.0g/m2 のめっ
き量になるようにNiプレめっきを施す。この片面あた
りのNiプレめっき量WNiをスプレーにより微粒化した
溶融亜鉛の片面あたりのめっき量WZnに応じて、以下の
式で表される範囲とする。 ・スプレーによる溶融亜鉛めっき量が150≧WZn≧5
0g/m2 では 5.0≧WNi>0.002WZn+0.16 ・スプレーによる溶融亜鉛めっき量が50≧WZn≧20
g/m2 では 0.07WZn+1.5≧WNi≧0.002WZn+0.16
鋼板の表面に片面あたり0.2〜5.0g/m2 のめっ
き量になるようにNiプレめっきを施す。この片面あた
りのNiプレめっき量WNiをスプレーにより微粒化した
溶融亜鉛の片面あたりのめっき量WZnに応じて、以下の
式で表される範囲とする。 ・スプレーによる溶融亜鉛めっき量が150≧WZn≧5
0g/m2 では 5.0≧WNi>0.002WZn+0.16 ・スプレーによる溶融亜鉛めっき量が50≧WZn≧20
g/m2 では 0.07WZn+1.5≧WNi≧0.002WZn+0.16
【0009】このNiプレめっき層はめっき量が下限未
満では,後述するごとき本発明の特色である拡散処理し
た後の上層のめっき層中のNiの含有量が低く、このた
め十分満足できる程度のプレス加工性を得ることができ
ない。また、片面あたりの溶融亜鉛めっき量が150≧
WZn≧50g/m2 では、片面あたりのNiプレめっき
量の上限を5.0g/m2 としたのは、耐食性、プレス
加工性共十分な性能を得ることができ、それ以上のNi
プレめっきは経済的でない。片面あたりの溶融亜鉛めっ
き量が50≧WZn≧20g/m2 で、この片面あたりの
Niプレめっき量が上限以上では、上層のめっき層のN
iの含有量が高すぎて、犠牲防食能が低下するという不
都合がある。
満では,後述するごとき本発明の特色である拡散処理し
た後の上層のめっき層中のNiの含有量が低く、このた
め十分満足できる程度のプレス加工性を得ることができ
ない。また、片面あたりの溶融亜鉛めっき量が150≧
WZn≧50g/m2 では、片面あたりのNiプレめっき
量の上限を5.0g/m2 としたのは、耐食性、プレス
加工性共十分な性能を得ることができ、それ以上のNi
プレめっきは経済的でない。片面あたりの溶融亜鉛めっ
き量が50≧WZn≧20g/m2 で、この片面あたりの
Niプレめっき量が上限以上では、上層のめっき層のN
iの含有量が高すぎて、犠牲防食能が低下するという不
都合がある。
【0010】次に、プレめっきした冷延鋼板を非酸化性
雰囲気中で200〜580℃の温度範囲に加熱した後、
該鋼板表面にスプレーにより微粒化した溶融亜鉛を片面
あたりのめっき量20〜150g/m2 でめっきする。
この場合冷延鋼板をスプレーめっき前に加熱するのは、
濡れ性を良好にしてめっきの密着性を向上させるためで
あり、その加熱温度についても、場合によっては亜鉛の
融点より低くしてスプレーした溶融亜鉛の流動化を意識
的に抑制することも可能にしている。
雰囲気中で200〜580℃の温度範囲に加熱した後、
該鋼板表面にスプレーにより微粒化した溶融亜鉛を片面
あたりのめっき量20〜150g/m2 でめっきする。
この場合冷延鋼板をスプレーめっき前に加熱するのは、
濡れ性を良好にしてめっきの密着性を向上させるためで
あり、その加熱温度についても、場合によっては亜鉛の
融点より低くしてスプレーした溶融亜鉛の流動化を意識
的に抑制することも可能にしている。
【0011】しかし、鋼板温度が下限の200℃より低
すぎると亜鉛の密着性が極めて悪くなる。勿論、亜鉛の
融点以上に加熱してもよいが、高温過ぎると亜鉛ヒュー
ムの発生量が増えたり、スプレー直後の合金化速度が速
すぎるため、良好なめっき外観を得ることができなくな
るため、上限温度を580℃とした。
すぎると亜鉛の密着性が極めて悪くなる。勿論、亜鉛の
融点以上に加熱してもよいが、高温過ぎると亜鉛ヒュー
ムの発生量が増えたり、スプレー直後の合金化速度が速
すぎるため、良好なめっき外観を得ることができなくな
るため、上限温度を580℃とした。
【0012】また、溶融亜鉛の片面あたりのめっき量
は、前記のNiめっき量とも関連するが、少なくとも2
0g/m2 以上でないと、十分な耐食性が得られず、ま
た上限の150g/m2 を超えると、後述の加熱処理工
程で下層側に存在したNi層が上層のZn層中に拡散す
る時間が長くなるため、下層側の合金化度が高くなり、
耐パウダリング性が悪くなる。
は、前記のNiめっき量とも関連するが、少なくとも2
0g/m2 以上でないと、十分な耐食性が得られず、ま
た上限の150g/m2 を超えると、後述の加熱処理工
程で下層側に存在したNi層が上層のZn層中に拡散す
る時間が長くなるため、下層側の合金化度が高くなり、
耐パウダリング性が悪くなる。
【0013】さらに、溶融亜鉛のスプレーめっき後に、
鋼板を加熱炉内で300〜600℃の範囲で適正な時間
にわたって加熱し合金化する。この加熱により、プレめ
っきして当初下層側に存在したNiは、スプレーめっき
された上層のZn層中に拡散される。
鋼板を加熱炉内で300〜600℃の範囲で適正な時間
にわたって加熱し合金化する。この加熱により、プレめ
っきして当初下層側に存在したNiは、スプレーめっき
された上層のZn層中に拡散される。
【0014】この拡散状況を図1に示す。図1(a)
は、Niプレめっきを施した冷延鋼板にZnをスプレー
めっきした直後の鋼板断面のめっき部の状態を示したも
のであり、加熱処理を行う前の状況である。鋼板1にめ
っきされたNi層2は亜鉛層3の下層に存在し、未だ拡
散していない。図1(b)は、これを加熱処理中の鋼板
断面のめっき部の状態を示したものである。
は、Niプレめっきを施した冷延鋼板にZnをスプレー
めっきした直後の鋼板断面のめっき部の状態を示したも
のであり、加熱処理を行う前の状況である。鋼板1にめ
っきされたNi層2は亜鉛層3の下層に存在し、未だ拡
散していない。図1(b)は、これを加熱処理中の鋼板
断面のめっき部の状態を示したものである。
【0015】鋼板1にめっきされたNi層2は加熱によ
って、亜鉛層3中全体にわたって均一に拡散するのでは
なく、徐々に鋼板面を離れて亜鉛層3中を上方に向かっ
て、一定の拡散範囲(濃化範囲)を維持しながら移行し
ている(図1 (b) 参照)。次いで、鋼板自体のFeも
亜鉛層中を拡散していく。このため加熱終了時における
鋼板表面に形成されるめっき層は、図2に示す如く、下
層にFe−Zn合金化溶融めっき層4、上層にNi−Z
n又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層5となる。
って、亜鉛層3中全体にわたって均一に拡散するのでは
なく、徐々に鋼板面を離れて亜鉛層3中を上方に向かっ
て、一定の拡散範囲(濃化範囲)を維持しながら移行し
ている(図1 (b) 参照)。次いで、鋼板自体のFeも
亜鉛層中を拡散していく。このため加熱終了時における
鋼板表面に形成されるめっき層は、図2に示す如く、下
層にFe−Zn合金化溶融めっき層4、上層にNi−Z
n又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層5となる。
【0016】図2に示すような二層めっき鋼板を得るた
めには、加熱炉内の鋼板温度はスプレーめっきする時の
鋼板温度に応じて図3の範囲にすることが好ましい。加
熱温度が600℃の上限を超えると、下層のFe−Zn
合金めっきのFe含有量が高くなり、耐パウダリング性
が悪くなる。一方、加熱温度が300℃の下限以下で
は、Niの拡散が極めて遅くなり、長時間の処理が必要
となり、加熱炉が長大となり経済的でない。
めには、加熱炉内の鋼板温度はスプレーめっきする時の
鋼板温度に応じて図3の範囲にすることが好ましい。加
熱温度が600℃の上限を超えると、下層のFe−Zn
合金めっきのFe含有量が高くなり、耐パウダリング性
が悪くなる。一方、加熱温度が300℃の下限以下で
は、Niの拡散が極めて遅くなり、長時間の処理が必要
となり、加熱炉が長大となり経済的でない。
【0017】また、本発明において最も好適な性質を発
揮させるためには、めっき層の下層及び上層のめっき量
と各層の成分範囲を特定することが望ましい。即ち、下
層のFe−Zn合金化溶融めっき層は、片面あたりのめ
っき量が4〜135g/m2で、Fe:5〜15wt%を
含有させると共に、上層のNi−Zn又はNi−Fe−
Zn合金化溶融めっき層は、片面あたりのめっき量が6
〜75g/m2 で、Ni:3〜16wt%、もしくはN
i:3〜16wt%とFeを含有させる。
揮させるためには、めっき層の下層及び上層のめっき量
と各層の成分範囲を特定することが望ましい。即ち、下
層のFe−Zn合金化溶融めっき層は、片面あたりのめ
っき量が4〜135g/m2で、Fe:5〜15wt%を
含有させると共に、上層のNi−Zn又はNi−Fe−
Zn合金化溶融めっき層は、片面あたりのめっき量が6
〜75g/m2 で、Ni:3〜16wt%、もしくはN
i:3〜16wt%とFeを含有させる。
【0018】下層のFeが15%を超えると耐パウダリ
ング性が悪化し、5%未満では十分なプレス成形性を得
ることができない。一方、上層のNiが16%を超える
と犠牲防食が低下し、3%未満では耐食性、プレス成形
性共十分な性能を得ることができない。
ング性が悪化し、5%未満では十分なプレス成形性を得
ることができない。一方、上層のNiが16%を超える
と犠牲防食が低下し、3%未満では耐食性、プレス成形
性共十分な性能を得ることができない。
【0019】
【実施例】連続電気めっき設備で、0.75mm厚×20
0mm幅の冷延鋼板にNiめっきを所定量連続的に施し
た。このようにしてNiプレめっきした冷延鋼板を図4
に示す本発明のスプレーめっき設備を用い下記のめっき
条件にて亜鉛めっき鋼板を製造した。このようにして得
られためっき鋼板を、表1に示す再加熱条件にて処理
し、併せて処理後のめっき鋼板の品質を調査した。ここ
で、表1の1−1〜1−22が実施例であり、上層のN
i含有量はいずれも3〜16wt%内にあり、下層のFe
含有量は5〜15wt%内にあった。なお、比較例を表1
の2−1〜2−9に示す。表中における評価の基準は以
下の通りである。
0mm幅の冷延鋼板にNiめっきを所定量連続的に施し
た。このようにしてNiプレめっきした冷延鋼板を図4
に示す本発明のスプレーめっき設備を用い下記のめっき
条件にて亜鉛めっき鋼板を製造した。このようにして得
られためっき鋼板を、表1に示す再加熱条件にて処理
し、併せて処理後のめっき鋼板の品質を調査した。ここ
で、表1の1−1〜1−22が実施例であり、上層のN
i含有量はいずれも3〜16wt%内にあり、下層のFe
含有量は5〜15wt%内にあった。なお、比較例を表1
の2−1〜2−9に示す。表中における評価の基準は以
下の通りである。
【0020】[耐食性]浸漬型リン酸塩処理(処理時間
2分)及びカチオン電着塗装(膜厚20μ)を施した
後、クロスカット傷を入れ、塩水噴霧30分(JIS
22371)と乾燥1時間(70℃、RH40%)を1
サイクルとする腐食試験を100サイクル行い、クロス
カット部の塗膜ふくれについて評価した。 ふくれ幅 2mm以下:○ ふくれ幅 2〜5mm:△ ふくれ幅 5mm以上:×
2分)及びカチオン電着塗装(膜厚20μ)を施した
後、クロスカット傷を入れ、塩水噴霧30分(JIS
22371)と乾燥1時間(70℃、RH40%)を1
サイクルとする腐食試験を100サイクル行い、クロス
カット部の塗膜ふくれについて評価した。 ふくれ幅 2mm以下:○ ふくれ幅 2〜5mm:△ ふくれ幅 5mm以上:×
【0021】[耐プレスパウダリング性]50mmφ×2
5mmHの円筒プレス加工を行ない、試験前後の重量差を
剥離量として評価した。 剥離量 1mg以下:○ 剥離量 1〜3mg:△ 剥離量 3mg以上:×
5mmHの円筒プレス加工を行ない、試験前後の重量差を
剥離量として評価した。 剥離量 1mg以下:○ 剥離量 1〜3mg:△ 剥離量 3mg以上:×
【0022】[表面外観] ムラ無し :○ ややムラ有り:△ ムラ有り :×
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】以上の如く本発明の製造方法によれば、
下層にFe−Zn合金化溶融めっき層、上層にNi−Z
n又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層を形成する
ことにより、耐食性及びプレス成形性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
下層にFe−Zn合金化溶融めっき層、上層にNi−Z
n又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき層を形成する
ことにより、耐食性及びプレス成形性に優れた合金化溶
融亜鉛めっき鋼板を得ることができる。
【図1】(a)はNiプレめっきした冷延鋼板にZnス
プレーめっきした時の鋼板断面のめっき部の状態を示す
図。(b)は(a)の状態から加熱処理中の鋼板断面の
めっき部の状態を示す図。
プレーめっきした時の鋼板断面のめっき部の状態を示す
図。(b)は(a)の状態から加熱処理中の鋼板断面の
めっき部の状態を示す図。
【図2】加熱終了後の鋼板断面のめっき部の構成を示す
図。
図。
【図3】加熱炉内の鋼板温度とスプレーめっき時の鋼板
温度との関係を示す図。
温度との関係を示す図。
【図4】本発明の実施例で用いたスプレーめっき設備の
概要を示す図。
概要を示す図。
【符号の説明】 1 鋼板 2 Ni層 3 亜鉛層 4 Fe−Zn合金化溶融めっき層 5 Ni−Zn又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっ
き層 6 表面 7 熱処理炉 8 スプレーめっき室 9 デフレクターロール 10 スプレーノズル 11 溶融金属槽 12 温度計 13 冷却又は加熱装置 14 加熱部
き層 6 表面 7 熱処理炉 8 スプレーめっき室 9 デフレクターロール 10 スプレーノズル 11 溶融金属槽 12 温度計 13 冷却又は加熱装置 14 加熱部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 馬場 尚 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (3)
- 【請求項1】 片面あたりのめっき量0.2〜5.0g
/m2 のNiをプレめっきした冷延鋼板を非酸化性雰囲
気中で200〜580℃の温度範囲に加熱した後、スプ
レーにより微粒化した溶融亜鉛をめっき量片面あたり2
0〜150g/m2 でめっきすると共に、該スプレーめ
っき後の鋼板を300〜600℃の温度範囲で再度加熱
処理することにより、下層にあるNiを上層の亜鉛層中
に拡散させ、下層にFe−Zn合金化溶融めっき層、上
層にNi−Zn又はNi−Fe−Zn合金化溶融めっき
層を形成せしめることを特徴とする耐食性、プレス成形
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 【請求項2】 Niプレめっき量WNiはスプレーにより
微粒化した溶融亜鉛の片面あたりのめっき量WZnに応じ
て、以下の式で表される範囲とする請求項1記載の製造
方法。 ・スプレーによる片面あたりの溶融亜鉛めっき量が15
0≧WZn≧50g/m2 では 5.0≧WNi>0.002WZn+0.16 ・スプレーによる片面あたりの溶融亜鉛めっき量が50
≧WZn≧20g/m2 では 0.07WZn+1.5≧WNi≧0.002WZn+0.16 - 【請求項3】 下層のめっき層は、片面あたりのめっき
量が4〜135g/m2 で、Fe:5〜15wt%を含有
し、上層のめっき層は、片面あたりのめっき量が6〜7
5g/m2 で、Ni:3〜16wt%、もしくはNi:3
〜16wt%とFeを含有してなる請求項1又は2記載の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP722694A JPH07145469A (ja) | 1993-09-28 | 1994-01-26 | 耐食性・プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24183493 | 1993-09-28 | ||
JP5-241834 | 1993-09-28 | ||
JP722694A JPH07145469A (ja) | 1993-09-28 | 1994-01-26 | 耐食性・プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07145469A true JPH07145469A (ja) | 1995-06-06 |
Family
ID=26341492
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JP722694A Withdrawn JPH07145469A (ja) | 1993-09-28 | 1994-01-26 | 耐食性・プレス成形性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
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JP (1) | JPH07145469A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1405934A2 (en) * | 2002-09-23 | 2004-04-07 | United Technologies Corporation | Zinc-diffused alloy coating for corrosion/heat protection |
CN113512742A (zh) * | 2021-04-23 | 2021-10-19 | 南昌航空大学 | 一种高温合金表面的预处理方法和一种高温合金表面电沉积的方法 |
-
1994
- 1994-01-26 JP JP722694A patent/JPH07145469A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1405934A2 (en) * | 2002-09-23 | 2004-04-07 | United Technologies Corporation | Zinc-diffused alloy coating for corrosion/heat protection |
EP1405934A3 (en) * | 2002-09-23 | 2006-02-01 | United Technologies Corporation | Zinc-diffused alloy coating for corrosion/heat protection |
CN113512742A (zh) * | 2021-04-23 | 2021-10-19 | 南昌航空大学 | 一种高温合金表面的预处理方法和一种高温合金表面电沉积的方法 |
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