JPH04333551A - 溶融Znめっき鋼板及びその製造方法 - Google Patents
溶融Znめっき鋼板及びその製造方法Info
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- Coating With Molten Metal (AREA)
Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法に関するものである。
Znめっき鋼板の製造法については、例えば特公昭46
−19282号や特公昭63−48923号がすでに知
られている。
いは自動車用として溶融めっき鋼板が利用される場合、
板厚、あるいは熱延、冷延の如何に依らず優れた表面外
観を有することおよびめっき密着性に優れることが、溶
融Znめっき鋼板にとって具備すべき重要な性能となっ
てきた。特公昭46−19282号あるいは特公昭63
−48923号に示されているプレNiめっき法による
溶融Znめっき鋼板は、プレNiめっきしない従来のゼ
ンジマー法や、無酸化炉方式の溶融めっき法に比較すれ
ば、外観あるいは、めっき密着性共に良好とはなるが、
Niめっき後の加熱温度および加熱時間等の加熱条件が
不十分であるため、特に、厚板の熱延酸洗板などにおい
て現在要求されている表面外観、めっき密着性を確保す
るには不十分であり、未だ改善の余地が残されていた。
利用した溶融Znめっき鋼板製造法で得られるめっき鋼
板の外観およびめっき密着性を飛躍的に向上させる目的
で、製造方法を検討したところ、プレNiめっき後に特
定の加熱条件のもとで溶融めっきを行うことにより表面
外観に優れ、めっき密着性も従来のNiめっき法による
溶融Znめっき法よりも著しく向上することを見出した
。本発明は上記のように表面外観、めっき密着性に優れ
た溶融Znめっき鋼板の製造方法を提供するものである
。
公昭46−19282号に記載された従来のNiプレめ
っき法によるZnめっき鋼板の製造方法に従ってめっき
層を作成しその構造を調べた。その結果、実施例の一つ
で同公報の開示されているNiめっき後の加熱温度の最
低温度であるNi 0.1g/m2めっき後200℃
、8secで加熱したところ、不めっきが生じ、密着性
も不十分であった。そこで、プレNiめっき後の加熱温
度には、さらに適正な最低温度あるいは、加熱時間が存
在することが判明した。一方、特公昭63−48923
号に開示されたNiプレめっき後、加熱炉中で550℃
で加熱したところ、従来のプレNiめっき無しのゼンジ
マータイプの加熱温度800℃に比較すると、改善効果
が認められるものの、極部不めっきが生じやすく、また
、密着性も不十分であり、白ぼけた外観になりやすい傾
向が認められた。この原因として、Niめっき後の加熱
温度が550℃でも未だ高すぎ、また、加熱炉内の加熱
であるため、加熱時間が長くかかるため、加熱中にNi
めっき層が地鉄中に拡散してしまい、Ni−Fe固溶体
となり、酸化し易くなったり、Znとのめっき密着性が
劣化することおよび、地鉄とZnとの合金化が進行しや
すいことなどが考えられる。
、Niプレめっき後の加熱温度範囲および加熱時間にポ
イントがあると考え、加熱条件を変化させ、種々検討し
た結果、Niを0.2〜2.0g/m2めっき後、鋼板
がAl0.1〜0.4%含有したZn浴に進入するまで
の加熱温度範囲を浴の凝固点以上から500℃以下とし
、Niが地鉄中に拡散しやすくなる温度である350℃
以上に到達してから浴に侵入する直前までの温度に到達
するまでの時間が15sec以内である場合に溶融Zn
めっき外観およびめっき密着性共に飛躍的に良好となる
ことを見いだした。得られたZnめっき層を調査すると
地鉄界面にFe−Al−Zn−Ni4元系合金層よりな
る反応層が得られ、その上層にAlを微量含有したZn
めっき層が存在するめっき層構成になっており、かつ地
鉄界面のZn−Fe合金層は極めて薄く抑制されている
ことがわかった。このような、経緯により下記本発明を
完成させたものである。即ち、鋼板の表面にNiを0.
2〜2.0g/m2めっき後、非酸化雰囲気中で浴の4
20℃以上500℃以下の温度まで加熱し、鋼板が浴に
進入するまでの過程において、350℃以上である時間
が15sec以内で、大気に触れることなくAl 0
.1〜0.4%含有する溶融Zn浴に浸漬して亜鉛めっ
きすることを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
。
無酸化雰囲気(例えばH2 3%+N2,O2数10p
pm),あるいは、還元性雰囲気(例えばH215%+
N2雰囲気)のことである。
に説明する。
性との関係を示した図である。
0.5g/m2プレNiめっき層を電気めっきし、O2
60ppm、H23%含有したN2雰囲気中で通電加熱
により200〜550℃まで加熱し、直ちにAl 0
.2%の溶融Znめっき浴中で3秒間めっきを行った。 なお、加熱板温が、350℃以上に到達してから、浴侵
入板温に到達するまでの時間を10secとなるように
した。 めっき付着量は135g/m2 である。めっき性は、
めっき外観(不めっきの度合)とめっき密着性(ボール
インパクト試験B.I.)を総合して評価した。
めっき密着性
不めっき
B.I評点 A…
なし(光沢あり) 1(最良)
B… なし(ほぼ光沢あり)
2 C… 一部
不めっき 3〜4
D… 不めっき
5(Bランク以上が合格) この図より、溶融めっき前の加熱板温が本発明範囲であ
る420〜500℃の範囲で、めっき外観、めっき密着
性共に極めて優れる。420℃未満ではめっき外観、め
っき密着性が劣化しやすい。特公昭46−19282号
公報の実施例にある200℃では非常に不めっきが生じ
やすかった。また、加熱板温が500℃を超えると密着
性、耐食性が劣化し、特公昭63−48923号公報の
実施例にある550℃では、良好なめっき外観、めっき
密着性は得られない。
の地鉄中への拡散量の関係を示す。熱延Alキルド鋼板
(板厚3.2mm)に0.2g/m2プレNiめっき層
を電気めっきし、O260ppm、H23%含有したN
2雰囲気中で通電加熱により5sec加熱を行ったのち
、Niめっき層の残存率をオージェ(AES)による深
さ方向分析により求めた。
に拡散し始めることは明白であり、500℃を超えると
Ni層はほとんど残存しなくなる。
るまでの過程において、Niが拡散し始める温度350
℃に到達した後、浴侵入温度になるまでの時間と溶融Z
nめっき性との関係を示したのが図3である。熱延Al
キルド鋼板(板厚3.2mm)に0.5g/m2プレN
iめっき層を電気めっきし、O260ppm、H2 3
%含有したN2 雰囲気中で通電加熱により加熱し、浴
侵入板温450℃に到達後、直ちに0.2%Alを含有
する450℃のZnめっき浴に浸漬し3secめっきを
行った。目付量は135g/m2とした。本発明範囲で
ある350℃に到達してから浴侵入温度に到達するまで
の時間が15sec以内である場合に溶融Znめっき性
が良好であることが明白である。
熱温度が特定の範囲であること、350℃に到達してか
ら、浴侵入板温に到達するまでの時間が15sec以内
であることがめっき性に優れた溶融Znめっき鋼板の製
造上の大きなポイントである。
が、鋼板を直接通電加熱する方法、誘導加熱方式、赤外
加熱方式など種々の方法が適用できる。薄板から3mm
超の厚板まで加熱速度の設定が迅速に対応しやすく、コ
ンパクトな設備が可能と言う点では、直接通電加熱する
方法が有効である。
以上としたのは、これ以上で溶融Znめっきの不めっき
が解消され、地鉄界面にFe−Al−Zn−Ni系4元
系合金層ができ、Fe−Zn合金層の以上発達を抑制し
めっき密着性が向上するためである。Niめっき付着量
が0.2g/m2未満では不めっきが生じやすくめっき
密着性も劣化しやすい。上限を2.0g/m2としたの
は、2.0g/m2 を超えるとめっき密着性が劣化し
たためである。この場合には地鉄界面Ni−Al−Zn
系の合金層が多くなり、Znと地鉄との合金化のバリヤ
ー層であるFe−Al−Zn−Ni系4元系合金層の生
成がしにくくなりZnと地鉄の合金化が進むためと考え
られる。
もめっき密着性は不十分であった。この場合には、Fe
−Al−Zn−Ni系合金層がほとんど生成しておらず
、地鉄界面にZn−Fe合金層が厚く成長しており、特
に界面の脆いΓ相(Fe5 Zn21)が発達しており
、加工の際にクラックがはいり、この相からめっき剥離
が生じていることが判明した。
、これを超えると表面外観が白っぽくなることとめっき
層中にAlが不均一に偏在するようになると腐食環境下
においては、これらが、めっき層中で局部電池を構成し
てしまい、Znが溶出する作用が生じるために耐蝕性の
劣化を引き起こす危険性を考慮したためである。
いが、耐蝕性の観点から10g/m2以上、加工性の観
点からすると350g/m2以下であることが望ましい
。
てのみ述べたが、Znめっき浴中にAl以外にさらに合
金元素としてNi、Sb、Pbを単独あるいは複合で0
.2%以下の微量含有した溶融Znめっき鋼板の場合に
も結果は同様であった。
てもZn浴に微量に合金元素を含む場合であっても43
0〜500℃程度の通常の条件が使用できる。
もに使用でき、Alキルド鋼板、Al−Siキルド鋼板
、Ti−Sulc、P−TiSulc低炭素鋼板、高張
力鋼板など種々のものが適用できる。
i法で得られためっき層の構造を解析した結果を図4に
模式的に示した。本発明範囲のプレNiめっき後の加熱
条件下においては、プレNi層の地鉄中への拡散は小で
あり、残存量が多い。それに対して、従来技術範囲の加
熱温度が高い場合(500℃超)、350℃に到達して
から浴侵入板温度に到達するまでの時間が長すぎる場合
においては、Niがほとんど地鉄中に拡散しFe−Ni
の固溶体層に変化する。また、加熱温度が420℃未満
の場合ではNiが残存するものの、溶融めっき時におい
て、不めっきが生じやすく、密着性が悪い。
ために、その後の溶融めっき時において、めっき層構成
の差異が生じるものと考えられる。即ち、本発明のNi
付着量0.2〜2.0g/m2においては、地鉄界面に
多く残存したプレNi層が溶融Znめっき時において地
鉄界面近傍にFe−Al−Zn−Ni4元系の合金層(
バリヤー層)が形成されており、Zn−Fe合金層が薄
く成長が抑制されていた。また、上層にはAlを含有し
たZnめっき層が形成されていた。これに対して、従来
法においては、加熱時においてプレNi層が殆ど残存し
ないため、溶融Znめっき時において、本発明のような
地鉄界面のFe−Al−Zn−Ni系合金層は形成され
ず、加熱時に形成されたFe−Ni層の上層に厚いZn
−Fe層が形成され、その上層として、Alを含有した
Zn層が形成された構造となっていた。
めっき密着性が飛躍的に向上したのは、地鉄界面の4元
系の合金層が一種のバインダーの役割をはたしており、
しかもZn−Fe合金層の成長が抑制させるバリヤー効
果を有しているためではないかと考えられる。
び得られた鋼板の実施例を示す。*印は本発明の製造法
以外で作成された比較材である。下地に熱延鋼板SGH
C(3.2mm)の酸洗材を用い、プレNiめっきは硫
酸酸性浴中で電気めっきで行った。前処理加熱は、O2
60ppm、H23%含有したN2雰囲気中で通電加熱
により、加熱条件を変化させて行った。Al量の変化し
たZnめっき浴で450℃で3sec溶融めっきを行い
、N2ワイピングして付着量は135g/m2とした。 めっき性の評価は、前述の評価基準に基ずいて行った。
き層0.2〜2.0g/m2、加熱板温420〜500
℃、350℃に到達してからZnめっき浴侵入板温に到
達するまでの時間が15sec以内である本発明の製造
条件で得られためっき鋼板は、不めっきが生じず、めっ
き密着性も良好であり、めっき性に優れることは明白で
ある。
o.21)の場合を含めて、プレNiめっき層の付着量
、加熱条件、浴中のAl含有量が本発明範囲を免脱する
場合、No.22〜28(*)はめっき性が劣る。
に他の合金元素を含有する場合でありこの場合にも優れ
た性能を示した。
ないめっき性を有する溶融亜鉛めっき鋼板が得られ、建
材、家電あるいは自動車用の構造材として有用であるこ
とから、その工業的意義は極めて大きい。
の関係を示した図。
量の関係を示した図。
になるまでの時間と溶融Znめっき性との関係を示した
図。
成および前処理加熱段階におけるプレNiめっき層の状
態を従来の製造方法の場合と比較しながら、模式的に示
した図。
Claims (1)
- 【請求項1】 鋼板の表面にNiを0.2〜2.0g
/m2めっき後、非酸化雰囲気中で420℃以上500
℃以下の温度まで加熱し、鋼板が浴に進入するまでの過
程において、350℃以上である時間が15sec以内
で、大気に触れることなくAl 0.1〜0.4%含
有する溶融Zn浴に浸漬して亜鉛めっきすることを特徴
とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP3102825A JP2557573B2 (ja) | 1991-05-08 | 1991-05-08 | 溶融Znめっき鋼板及びその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH04333551A true JPH04333551A (ja) | 1992-11-20 |
JP2557573B2 JP2557573B2 (ja) | 1996-11-27 |
Family
ID=14337801
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JP2557573B2 (ja) | 1996-11-27 |
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