JP6260413B2 - 錫亜鉛めっき鋼板とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、自動車燃料タンク用素材として使用するフラックスを用いて、錫亜鉛合金を鋼板表面に溶融めっきする錫亜鉛めっき鋼板とその製造方法に関するものである。
従来、錫亜鉛めっき鋼板の製造方法においては、特許文献1に記載されているように、鋼板の表面を活性化し、錫亜鉛めっきとの密着性、即ち、濡れ性を向上するために、前処理として、鋼板の表面にフラックスを塗布している。特許文献2に記載の製造方法では、めっき浴温度とフラックスの融点に着目して、外観の優れる錫亜鉛めっきを得ることが開示されている。ただし、燃料タンク内面で、極めて優れた耐食性を得るためには、上記知見では不十分である。理由は、塗布したフラックスの一部が鋼板から脱離せずに、めっき/鋼板界面に残存し、その部位が腐食の起点となることが判明したからである。
特開平08−269662号公報 特開2000−248351号公報
上述したように、外観が優れる錫亜鉛めっき鋼板でも、厳しい燃料タンク内面腐食環境下では、鋼板界面に残存するフラックスに起因して腐食が進行する。そこで、本発明は、厳しい燃料タンク内面腐食環境下でも、極めて優れた耐食性を示す錫亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供すること目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成する手法について鋭意研究した。その結果、錫亜鉛めっき鋼板のめっき中に存在する塩化物に対して、硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0である必要があることを見いだした。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は次のとおりである。
(1)めっき層組成が錫50質量%以上の錫亜鉛めっき鋼板であって、錫亜鉛めっき鋼板のめっき中に存在する塩化物に対して硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0であることを特徴とする錫亜鉛めっき鋼板。
(2)鋼板の表面にフラックスを塗布した後、鋼板表面を錫50質量%以上の錫亜鉛めっき浴に浸漬する、めっき層組成が錫50質量%以上の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法において、フラックス中の塩化物に対して硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0であることを特徴とする錫亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(3)前記フラックスの融点が錫亜鉛めっき浴の浴温度より20℃以上低いことを特徴とする前記(2)に記載の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法。
(4)前記硫酸塩が、硫酸アンモニウム及び硫酸水素アンモニウムの一方又は両方の混合物であることを特徴とする前記(2)又は(3)に記載の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法。
本発明によれば、厳しい燃料タンク内面腐食環境下でも、極めて優れた耐食性を示す錫亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供することができる。
本発明の錫亜鉛めっき鋼板(以下「本発明めっき鋼板」ということがある。)は、めっき層組成が錫50質量%以上の錫亜鉛めっき鋼板であって、錫亜鉛めっき鋼板のめっき中に存在する塩化物に対して硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0であることを特徴とする。
本発明の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法(以下「本発明製造方法」ということがある。)は、鋼板の表面にフラックスを塗布した後、鋼板表面を錫50質量%以上の錫亜鉛めっき浴に浸漬する、めっき層組成が錫50質量%以上の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法において、フラックス中の塩化物に対して硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0であることを特徴とする。
まず、本発明めっき鋼板について説明する。
本発明めっき鋼板のめっき層は、錫50質量%以上の錫亜鉛めっき層であることが必要である。錫が50%未満のめっき組成では、融点が高くなり、めっきと素地との界面に生成する合金層の量が多くなるので、加工時にめっき剥離が生じ、加工後、耐食性が劣化する。それ故、めっき層は、錫50質量%以上の錫亜鉛めっき層とする。好ましくは、錫60質量%以上の錫亜鉛めっき層である。
錫亜鉛めっき鋼板のめっき層中にフラックスが残存すると、そこが起点となって腐食が進行する。本発明者らは、めっき層中に硫酸塩を所定の比率で存在させると、フラックスの悪影響を抑制し、腐食の進行を抑制できることを見出した。
そして、本発明者らは、錫亜鉛めっき鋼板のめっき層中に存在する塩化物に対して硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1であれば、フラックスの悪影響を抑制し、腐食の進行を抑制できることを見出した。
硫酸塩比:SO4 2−/Cl-が0.01未満では、硫酸イオンによる腐食抑制効果が不十分であるので、0.01以上とする。好ましくは0.05以上である。
一方、硫酸塩比:SO4 2-/Cl-が1.0を超えると、硫酸イオンによる腐食環境の電気伝導度の増大や腐食沈殿物抑制の悪影響により耐食性が劣化するので、1.0以下とする。好ましくは0.7以下である。
なお、塩化物と硫酸塩の分析は、めっき層を、1Nの苛性ソーダ(25℃)中で陽極電解にて溶解させ、溶液をイオンクロマト法にて行う。必要により溶液を濃縮して高感度に分析する。
次に、本発明製造方法について説明する。
本発明製造方法においては、鋼板の表面にフラックスを塗布した後、鋼板表面を錫50質量%以上の錫亜鉛めっき浴に浸漬して、めっき層組成が錫50質量%以上の錫亜鉛めっき層を形成するが、錫亜鉛めっき層において極めて優れた耐食性を確保するため、上記フラックス中に、フラックス中の塩化物に対する質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0の硫酸塩を添加する。
鋼板表面に塗布したフラックスの一部が鋼板表面に存在すると優れた耐食性が得られないが、本発明者らは、鋼板表面に残存したフラックス中に硫酸イオンが存在すると、錫亜鉛めっき鋼板の燃料タンク内面耐食性が著しく向上することを知見した。
この理由については十分に解明できていないが、腐食環境中で、硫酸イオンがめっき表面の錫に吸着して腐食のカソード反応(水素や溶存酸素の還元反応)を抑制しているものと推定される。
硫酸塩としては、水溶性化合物で、かつ、フラックス性を発現させるために低融点である必要がある。よって、硫酸アンモニウムや硫酸水素アンモニウムが好ましい。硫酸水素アンモニウムの融点は146.9℃であり、硫酸塩の中ではより低いので、より好ましい。良好なめっき外観を得るためには、スラックス融点が操業時のめっき浴温度より20℃以上低いことが望ましい。
本発明製造方法で使用する鋼板は、特に限定しないが、鋼種としては、例えば、Ti、Nb、B等を含有するIF鋼、Al−k鋼、Cr添加鋼、ステンレス鋼、ハイテン(高張力鋼)等が挙げられる。特に、燃料タンク等の深絞り性や耐二次加工割れ性が必要な用途には、IF鋼やB添加鋼が望ましい。
本発明製造方法で製造した錫亜鉛めっき鋼板の上層に、化成処理皮膜を形成してもよい。化成処理皮膜の形成方法は、特に限定しないが、WO08/029953号、特開2006−348365号公報、特開2001−32085号公報などに記載の方法を活用することができる。
以下に、本発明を実施例および比較例を用いて具体的に説明する。尚、これらの実施例は本発明の説明のために記載するものであり、本発明を何ら限定するものではない。
(実施例)
表1に示すように、錫亜鉛の合金メタル中のZn濃度を5〜60%の範囲で変えるとともに、それぞれのZn濃度における浴温度を変え、組成及び融点の異なるフラックスを用いて、鋼板にめっきを施し、めっき層中SO4 2-/Cl-を評価した。その結果を表1に併せて示す。
Figure 0006260413
めっき外観
めっき外観の判定は、めっき表面粗度にて行った。○、△を合格とした。その結果を表1に併せて示す。
〔評価基準〕
○:Ra(平均粗さ)≦1.0 △:1.0<Ra≦2.0 ×: 2.0<Ra
燃料タンク内面耐食性
フラックスめっき後、めっき層の表面に、ロールコーターにて、硝酸クロム20g/L−コロイダルシリカ(スノーテックス−O;日産化成製)60g/Lからなる薬剤をCr付着量で20mg/m2になるように塗布して乾燥した。
50mmΦポンチでの円筒深絞り加工によりツバ付きカップを作製した。ガソリンと10質量%水溶液で水溶液中濃度は、蟻酸400ppm、酢酸800ppmとNaCl5000ppmの総量50mlをカップ内に封入して、45℃の恒温槽中で1000時間放置した。
試験後にサンプルを目視にて観察して、カップ底面(角部のR加工部含む)からの赤錆発生有無を確認した。その結果を、表1に併せて示す。
〔評価基準〕
○:錆無し ×:錆発生あり
表1から明らかなように、本発明にて製造した錫亜鉛めっき鋼板は、外観と優れた燃料タンク内面耐食性を両立していた。これに対し、比較例においては、これらをバランス良く得ることができなかった。
前述したように、本発明によれば、厳しい燃料タンク内面腐食環境下でも、極めて優れた耐食性を示す錫亜鉛めっき鋼板とその製造方法を提供することができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が大きいものである。

Claims (4)

  1. めっき層組成が錫50質量%以上の錫亜鉛めっき鋼板であって、錫亜鉛めっき鋼板のめっき中に存在する塩化物に対して硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0であることを特徴とする錫亜鉛めっき鋼板。
  2. 鋼板の表面にフラックスを塗布した後、鋼板表面を錫50質量%以上の錫亜鉛めっき浴に浸漬する、めっき層組成が錫50質量%以上の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法において、フラックス中の塩化物に対して硫酸塩が質量比で0.01≦SO4 2-/Cl-≦1.0であることを特徴とする錫亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  3. 前記フラックスの融点が錫亜鉛めっき浴の浴温度より20℃以上低いことを特徴とする請求項2に記載の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法。
  4. 前記硫酸塩が、硫酸アンモニウム及び硫酸水素アンモニウムの一方又は両方の混合物であることを特徴とする請求項2又は3に記載の錫亜鉛めっき鋼板の製造方法。
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