JP2020041196A - プレコート板及びプレコート板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】塗装ワキ欠陥の発生を抑制できるプレコート板及びプレコート板の製造方法を提供すること。【解決手段】プレコート板は、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板と、前記アルミニウム合金板の表面に形成された塗膜とを備える。前記化成皮膜は、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜等である。前記アルミニウム合金板は、所定の組成を有し、以下の式(1)を充足する。式(1):XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40。前記塗膜の塗膜量は10mg/dm2以上200mg/dm2以下である。前記塗膜において、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の単位面積当たりの個数が1個/cm2以下である。【選択図】なし
Description
本開示はプレコート板及びプレコート板の製造方法に関する。
プレコート板は、耐食性、加工性等において優れる。そのため、プレコート板は、飲料・食缶用材料、建築用材料、家電製品等の分野で広く利用されている。プレコート板は、アルミニウム合金板と、アルミニウム合金板の表面に形成された塗膜とを備える。アルミニウム合金板は化成皮膜を備える。
プレコート板に、アワやワキと呼称される塗装欠陥(以下では塗装ワキ欠陥とする)が生じることがある。塗装ワキ欠陥は、微小な泡状の形態を有する。塗装ワキ欠陥は、塗膜表面の外観、及びプレコート板の耐食性に影響する。また、塗装ワキ欠陥は、プレコート板の製品品質を悪化させる。
特許文献1〜3に、それぞれ、塗装ワキ欠陥を抑制する試みが開示されている。特許文献1記載の技術は、アルミニウム合金板に水性塗料でコイルコーティングを行う製造方法に関するものである。特許文献1記載の技術では、化成処理等の前処理を行った被塗布材を予め50〜250℃に加温しておき、次いで、被塗布材の表面に、乾燥後の塗布量が50〜200mg/dm2となるように、水性塗料をコイルコーティングする。
特許文献2に記載の技術は、缶蓋用アルミニウム合金板に関する。特許文献2記載の技術では、塗装前のアルミニウム合金板に、Zr付着量が10〜50mg/m2となる化成処理を施す。次に、アルミニウム合金板に水性塗料を塗布し、乾燥させる。
特許文献3記載の技術では、アルミニウム材表面の電位と、アルミニウム材の表面に存在する金属間化合物の電位との電位差を0.28V以下にする。また、アルミニウム合金の組成において、Mn及びFeの合計原子濃度に対するMnの原子濃度の比を0.25以上にする。
従来の技術では、塗装ワキ欠陥の発生を充分に抑制することは困難であった。本開示の一局面は、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できるプレコート板及びプレコート板の製造方法を提供することを目的とする。
本開示の一局面は、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板と、前記アルミニウム合金板の表面に形成された塗膜と、を備えるプレコート板である。
前記化成皮膜は、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜である。
前記化成皮膜は、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜である。
前記アルミニウム合金板は、0質量%を超え4.5質量%以下のMgと、0.1質量%以上0.5質量%以下のCuと、0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、アルミニウム及び不可避的不純物から成る残部と、を含む。
前記アルミニウム合金板の組成は以下の式(1)を充足する。前記塗膜の塗膜量は10mg/dm2以上200mg/dm2以下である。前記塗膜において、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の単位面積当たりの個数は1個/cm2以下である。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
本開示の一局面であるプレコート板は、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。
本開示の別の局面は、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板の表面に水性塗料又は溶剤塗料を塗布し、焼付けを行って塗膜を形成するプレコート板の製造方法である。
本開示の別の局面は、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板の表面に水性塗料又は溶剤塗料を塗布し、焼付けを行って塗膜を形成するプレコート板の製造方法である。
前記焼付けにおいて、昇温開始時の温度から焼付け温度に到達するまでの昇温速度は20℃/s以下である。前記焼付け温度は110℃以上300℃以下である。
前記化成皮膜は、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜である。
前記化成皮膜は、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜である。
前記アルミニウム合金板は、0質量%を超え4.5質量%以下のMgと、0.1質量%以上0.5質量%以下のCuと、0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、アルミニウム及び不可避的不純物から成る残部と、を含む。
前記アルミニウム合金板の組成は以下の式(1)を充足する。前記塗膜の塗膜量は10mg/dm2以上200mg/dm2以下である。前記塗膜において、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の単位面積当たりの個数は1個/cm2以下である。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
本開示の別の局面であるプレコート板の製造方法によれば、製造したプレコート板における塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。
本開示の例示的な実施形態を説明する。
1.プレコート板
本開示のプレコート板は、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板と、前記アルミニウム合金板の表面に形成された塗膜とを備える。
1.プレコート板
本開示のプレコート板は、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板と、前記アルミニウム合金板の表面に形成された塗膜とを備える。
アルミニウム合金板は、0質量%を超え4.5質量%以下のMgと、0.1質量%以上0.5質量%以下のCuと、0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、アルミニウム及び不可避的不純物から成る残部とを含む。
前記アルミニウム合金板の組成は以下の式(1)を充足する。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
本開示のプレコート板は、上記のアルミニウム合金板を備えることにより、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。本開示のプレコート板が塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる理由は、以下のように推測される。
例えば、鋳造、熱間圧延、冷間圧延において、アルミニウム合金板に金属間化合物が形成される。例えば、塗装下地処理におけるエッチングを行うと、アルミニウム合金板の表面近傍にある金属間化合物の一部は脱落するが、金属化合物の多くは、アルミニウム合金板の表面近傍に残る。残った金属間化合物は、アルミニウム母材との間に僅かな間隙を形成し、かつ接した状態となる。ここで、アルミニウム母材とは、アルミニウム合金板の骨格を成す主たる部分を意味する。アルミニウム母材は、アルミニウム合金板のうち、析出した金属間化合物以外の部分である。
金属間化合物は貴の電位を有する。アルミニウム母材は卑の電位を有する。そのため、残った金属間化合物とアルミニウム母材との間には、電気化学的な電位差が生じる。その電位差により、塗装工程において、アルミニウム合金板の表面から水素ガスが発生する。その結果、塗装ワキ欠陥が発生する。
金属間化合物として、例えば、Al−Mn−Fe、Al−Mn−Fe−Si、Mg2Si等が挙げられる。アルミニウム合金板が5000系アルミニウム合金を含む場合、金属間化合物は、主に、Al−Mn−Fe、Al−Mn−Fe−Si、Mg2Si等である。アルミニウム合金板が3000系アルミニウム合金を含む場合、金属間化合物は、主に、Al−Mn−Fe、Al−Mn−Fe−Si等である。Al−Mn−Fe、Al−Mn−Fe−Siは貴の電位を有するため、塗装ワキ欠陥の発生に関与する。Mg2Siは電気化学的に卑である。そのため、Mg2Siはアルミニウム母材に近い作用を有する。
また、塗装用下地処理後のアルミニウム合金板の表面に、化成処理液が極僅かに残留することがある。残留した化成処理液を以下では微酸性溶液とする。微酸性溶液は、金属間化合物とアルミニウム母材との間の間隙に存在し、両者を電気的に短絡する。そのことにより、金属間化合物とアルミニウム母材との間に電気化学的な電位差が生じる。その電位差により、塗装工程において、アルミニウム合金板の表面から水素ガスが発生する。その結果、塗装ワキ欠陥が発生する。
本開示のプレコート板が備えるアルミニウム合金板の組成が上記のものであることにより、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制できる。そのことにより、アルミニウム合金板の表面から水素ガスが発生することを抑制できる。その結果、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。
本開示のプレコート板の構成と、作用効果との関係を以下に述べる。
(アルミニウム合金板におけるMgの含有量)
アルミニウム合金板におけるMgの含有量が少ないほど、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制できる。アルミニウム合金板がMgを含有することにより、アルミニウム合金板の強度が高くなる。アルミニウム合金板におけるMgの含有量は0.5質量%以上であることが好ましい。アルミニウム合金板におけるMgの含有量が0.5質量%以上である場合、アルミニウム合金板の強度が一層高くなる。
(アルミニウム合金板におけるMgの含有量)
アルミニウム合金板におけるMgの含有量が少ないほど、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制できる。アルミニウム合金板がMgを含有することにより、アルミニウム合金板の強度が高くなる。アルミニウム合金板におけるMgの含有量は0.5質量%以上であることが好ましい。アルミニウム合金板におけるMgの含有量が0.5質量%以上である場合、アルミニウム合金板の強度が一層高くなる。
アルミニウム合金板におけるMgの含有量が4.5質量%以下であることにより、圧延における耳ワレを抑制できる。また、Mgの含有量が4.5質量%以下であることにより、アルミニウム合金板の材料強度が過度に高くなることを抑制できる。そのため、アルミニウム合金板の圧延効率が高くなり、プレコート板の生産性が向上する。アルミニウム合金板におけるMgの含有量は4.0質量%以下であることが好ましい。アルミニウム合金板におけるMgの含有量が4.0質量%以下である場合、圧延における耳ワレを一層抑制でき、プレコート板の生産性が一層向上する。
(アルミニウム合金板におけるCuの含有量)
アルミニウム合金板において、一般的に、アルミニウム母材の電位は、金属間化合物の電位に比べて卑である。
アルミニウム合金板において、一般的に、アルミニウム母材の電位は、金属間化合物の電位に比べて卑である。
Cuは、アルミニウム母材の電位を貴にする。アルミニウム合金板におけるCuの含有量が多いほど、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制できる。金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制すると、塗装工程でアルミニウム合金板の面から発生する水素ガスが減少する。その結果、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。
アルミニウム合金板におけるCuの含有量が0.1質量%以上であることにより、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制する効果が高い。アルミニウム合金板におけるCuの含有量は0.2質量%以上であることが好ましい。アルミニウム合金板におけるCuの含有量が0.2質量%以上である場合、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制する効果が一層高い。
アルミニウム合金板におけるCuの含有量が0.5質量%以下であることにより、圧延における耳ワレや表面荒れが生じ難くなり、アルミニウム合金板の圧延性が向上する。アルミニウム合金板におけるCuの含有量は0.45質量%以下であることが好ましい。アルミニウム合金板におけるCuの含有量が0.45質量%以下である場合、圧延における耳ワレや表面荒れが一層生じ難くなり、アルミニウム合金板の圧延性が一層向上する。
(アルミニウム合金板におけるMnの含有量)
Mnは、アルミニウム母材の電位を貴にする。アルミニウム合金板におけるMnの含有量が多いほど、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制できる。金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制すると、塗装工程でアルミニウム合金板の面から発生する水素ガスが減少する。その結果、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。
Mnは、アルミニウム母材の電位を貴にする。アルミニウム合金板におけるMnの含有量が多いほど、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制できる。金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制すると、塗装工程でアルミニウム合金板の面から発生する水素ガスが減少する。その結果、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。
アルミニウム合金板におけるMnの含有量が0.2質量%以上であることにより、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制する効果が高い。アルミニウム合金板におけるMnの含有量は0.46質量%以上であることが好ましい。アルミニウム合金板におけるMnの含有量が0.46質量%以上である場合、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制する効果が一層高い。
アルミニウム合金板におけるMnの含有量が1.5質量%を超えると、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制する効果はそれ以上高くなり難い。アルミニウム合金板におけるMnの含有量は1.2質量%以下であることが好ましい。
(アルミニウム化合物におけるFe、Si、Cr、Zn、Ti及び不可避的不純物)
アルミニウム合金板は、Fe、Si、Cr、Zn、Tiや不可避的不純物を、例えば、JISやA.A.(Aluminum Association)に規定された一般的な組成範囲内で含んでいてもよい。
アルミニウム合金板は、Fe、Si、Cr、Zn、Tiや不可避的不純物を、例えば、JISやA.A.(Aluminum Association)に規定された一般的な組成範囲内で含んでいてもよい。
(Mg、Cu及びMnの含有量の関係式)
アルミニウム合金板の組成は以下の式(1)を充足する。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
アルミニウム合金板の組成は以下の式(1)を充足する。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
アルミニウム合金板の組成が前記式(1)を充足することにより、後述する実施例によって実証されているとおり、本開示のプレコート板は、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できる。
一般的に、25℃における水溶液の標準電極電位は、Cu|Cu2+ +0.337V、Mn|Mn2+ −1.180V、Al|Al3+ −1.662V、Mg|Mg2+ −2.363V で与えられる。Alに対し、Cu、Mnは貴の電位を有し、Mgは卑の電位を有する。
一般的に、25℃における水溶液の標準電極電位は、Cu|Cu2+ +0.337V、Mn|Mn2+ −1.180V、Al|Al3+ −1.662V、Mg|Mg2+ −2.363V で与えられる。Alに対し、Cu、Mnは貴の電位を有し、Mgは卑の電位を有する。
前記式(1)における係数である「2.28」は、以下の式(2)から算出される。
式(2) (EMn−EMg)/(ECu−EMg)=(−1.180−(−2.363))/(0.337−(−2.363))≒1/2.28
前記式(2)において、EMnはMnの標準電極電位である。EMgはMgの標準電極電位である。ECuはCuの標準電極電位である。
式(2) (EMn−EMg)/(ECu−EMg)=(−1.180−(−2.363))/(0.337−(−2.363))≒1/2.28
前記式(2)において、EMnはMnの標準電極電位である。EMgはMgの標準電極電位である。ECuはCuの標準電極電位である。
塗装ワキ欠陥の発生に対する合金成分の影響の大きさは、その合金成分の電位に左右される。塗装ワキ欠陥の発生に対する合金成分の影響の大きさは、Cuを1とした場合、Mnは1/2.28である。前記式(1)は、左辺と右辺との関係を後述する実施例から導き出すことで求められた。
(化成皮膜)
化成皮膜は、例えば、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜である。
化成皮膜は、例えば、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜である。
クロメート皮膜又はリン酸クロメート皮膜(以下ではCr系皮膜とする)のCr量が5mg/m2以上であることにより、プレコート板の耐食性が高い。Cr系皮膜のCr量は、50mg/m2以下であることが好ましい。Cr系皮膜のCr量が50mg/m2以下である場合、化成処理の時間を短縮できる。
酸化ジルコニウム皮膜、水酸化ジルコニウム皮膜、フッ化ジルコニウム皮膜、又はリン酸ジルコニウム皮膜(以下ではZr系皮膜とする)のZr量が3mg/m2以上であることにより、プレコート板の耐食性が高い。Zr系皮膜のZr量は、50mg/m2以下であることが好ましい。Zr系皮膜のZr量が50mg/m2以下である場合、化成処理の時間を短縮できる。
化成皮膜は、例えば、チタン組成物を含んでいてもよい。チタン組成物として、例えば、酸化チタン、水酸化チタン、フッ化チタン、リン酸チタン、硝酸チタン等が挙げられる。
(塗膜)
塗膜は、アルミニウム合金板の表面に塗料を塗布して形成できる。塗料として、例えば、水性塗料、溶剤塗料等が挙げられる。
(塗膜)
塗膜は、アルミニウム合金板の表面に塗料を塗布して形成できる。塗料として、例えば、水性塗料、溶剤塗料等が挙げられる。
塗膜の塗膜量は10mg/dm2以上200mg/dm2以下である。塗膜の塗膜量が10mg/dm2以上であることにより、プレコート板の耐食性、加工性、耐傷つき性が向上する。塗膜の塗膜量は20mg/dm2以上であることが好ましい。塗膜の塗膜量が20mg/dm2以上である場合、プレコート板の耐食性、加工性、耐傷つき性が一層向上する。
塗膜の塗膜量が200mg/dm2以下であることにより、皮張り現象、塗装ムラ、塗装ワキ欠陥を抑制できる。塗膜の塗膜量は180mg/dm2以下であることが好ましい。塗膜の塗膜量が180mg/dm2以下である場合、皮張り現象、塗装ムラ、塗装ワキ欠陥を一層抑制できる。塗膜量は、焼付け後における値である。
(塗装ワキ欠陥の個数)
本開示のプレコート板が備える塗膜において、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の単位面積当たりの個数は1個/cm2以下である。なお、最大外接円の直径が30μm未満の大きさの塗装ワキ欠陥は、プレコート板の外観、耐食性等への影響が小さい。
本開示のプレコート板が備える塗膜において、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の単位面積当たりの個数は1個/cm2以下である。なお、最大外接円の直径が30μm未満の大きさの塗装ワキ欠陥は、プレコート板の外観、耐食性等への影響が小さい。
2.プレコート板の製造方法
本開示のプレコート板の製造方法では、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板の表面に水性塗料又は溶剤塗料を塗布し、焼付けを行って塗膜を形成する。
本開示のプレコート板の製造方法では、化成皮膜を備えたアルミニウム合金板の表面に水性塗料又は溶剤塗料を塗布し、焼付けを行って塗膜を形成する。
化成皮膜及びアルミニウム合金板は、例えば、前記「1.プレコート板」の項で述べたものである。
塗膜の形成は、例えば、高速ロールコーティング、コイルコーティング等の方法で行うことができる。焼付けにおいて、昇温開始時の温度から焼付け温度に到達するまでの昇温速度は20℃/s以下である。
塗膜の形成は、例えば、高速ロールコーティング、コイルコーティング等の方法で行うことができる。焼付けにおいて、昇温開始時の温度から焼付け温度に到達するまでの昇温速度は20℃/s以下である。
昇温開始時の温度とは、例えば、塗装加熱炉においてアルミニウム合金板の温度が昇温し始めたときのアルミニウム合金板の温度である。昇温開始時の温度をθ1℃とする。焼付け温度をθ2℃とする。昇温開始時の温度θ1から焼付け温度θ2に到達するまでの時間をTsecとする。昇温速度は、(θ2−θ1)/T(℃/s)である。
昇温速度が20℃/s以下であることにより、皮張り現象、塗装ワキ欠陥を抑制できる。昇温速度は18℃/s以下であることが好ましい。昇温速度が18℃/s以下である場合、皮張り現象、塗装ワキ欠陥を一層抑制できる。
焼付け温度は110℃以上300℃以下である。焼付け温度が110℃以上であることにより、塗料の溶剤を迅速に蒸発させることができる。焼付け温度が300℃以下であることにより、塗膜にひび割れが発生することを抑制できる。その結果、プレコート板の耐食性が向上する。
アルミニウム合金板の温度が焼付け温度に到達した後、アルミニウム合金板の温度を焼付け温度に維持してもよいし、アルミニウム合金板の温度を下げてもよい。
水性塗料として、例えば、エポキシ系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、ポリエステル樹脂塗料等が挙げられる。エポキシ系塗料として、例えば、エポキシ/アクリル樹脂系が挙げられる。エポキシ系塗料を用いれば、密着性、耐食性が高い塗膜を形成することができる。
水性塗料として、例えば、エポキシ系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、ポリエステル樹脂塗料等が挙げられる。エポキシ系塗料として、例えば、エポキシ/アクリル樹脂系が挙げられる。エポキシ系塗料を用いれば、密着性、耐食性が高い塗膜を形成することができる。
溶剤系塗料として、例えば、塩ビ樹脂系塗料、エポキシ系樹脂塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料、ポリエステル樹脂系塗料等が用いられる。エポキシ系樹脂塗料として、例えば、エポキシ/フェノール樹脂系、エポキシ/アミン樹脂系等が挙げられる。
3.実施例
(3-1)プレコート板の製造
以下の方法で実施例1〜27及び比較例1〜20のプレコート板を製造した。まず、表1に示す組成を有するアルミニウム合金板を用意した。表1における「%」は質量%を意味する。
(3-1)プレコート板の製造
以下の方法で実施例1〜27及び比較例1〜20のプレコート板を製造した。まず、表1に示す組成を有するアルミニウム合金板を用意した。表1における「%」は質量%を意味する。
次に、上記表1に示す条件で化成処理を行った。実施例1〜21及び比較例1〜18では、化成処理はりん酸クロメート処理である。実施例22〜24及び比較例19、21では、化成処理は酸化ジルコニウム処理である。実施例25では、化成処理は水酸化ジルコニウム処理である。実施例26では、化成処理は弗化ジルコニウム処理である。実施例27では、化成処理はりん酸ジルコニウム処理である。その結果、表1における「皮膜種」の列に記載された化成皮膜が形成された。
実施例1〜21及び比較例1〜18では、化成皮膜におけるCr量は、表1における「皮膜量」の列に記載されたとおりである。実施例22〜27及び比較例19、20では、化成皮膜におけるZr量は、表1における「皮膜量」の列に記載されたとおりである。
次に、アルミニウム合金板の表面に、表1の「塗料種類」の列に示す塗料を塗布し、塗膜を形成した。「水性」は水性エポキシ塗料を意味する。水性エポキシ塗料を用いる場合、水性エポキシ塗料をバーコーターで塗布し、電気式オーブンで焼付け処理を行った。
表1における「溶剤」は塩ビ系塗料を意味する。塩ビ系塗料を用いる場合、塩ビ系塗料をバーコーターで塗布し、電気式オーブンで焼付け処理を行った。
焼付け温度、昇温速度、及び塗膜量は上記表1に示すとおりである。塗膜量とは、焼付け後における単位面積当たりの塗膜の質量を意味する。
焼付け温度、昇温速度、及び塗膜量は上記表1に示すとおりである。塗膜量とは、焼付け後における単位面積当たりの塗膜の質量を意味する。
(3-2) 塗装ワキ欠陥の発生個数
各実施例及び各比較例のプレコート板について、光学顕微鏡を用い、塗膜の表面を観察した。そして、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の個数を計測した。光学顕微鏡の倍率は、原則として、100倍とした。ただし、最大外接円の直径が50μm以下である塗装ワキ欠陥を計測するときは、光学顕微鏡の倍率を200倍とした。
各実施例及び各比較例のプレコート板について、光学顕微鏡を用い、塗膜の表面を観察した。そして、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の個数を計測した。光学顕微鏡の倍率は、原則として、100倍とした。ただし、最大外接円の直径が50μm以下である塗装ワキ欠陥を計測するときは、光学顕微鏡の倍率を200倍とした。
最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の個数が1個/cm2以下であれば、評価結果を「○」とし、1個/cm2を超えていれば、評価結果を「×」とした。評価結果を上記表1における「ワキ」の列に示す。なお、いずれの実施例及び比較例においても、最大外接円の直径が100μmを超える大きさの塗装ワキ欠陥は認められなかった。
(3−3)耐食性の評価
各実施例及び各比較例のプレコート板について、耐食性を評価した。評価方法は以下のとおりである。プレコート板から、矩形の試験片を切り出した。試験片の大きさは50mm×50mmである。試験片における一方の面を評価面とした。試験片のうち、端面と、評価面の反対面とにそれぞれマスキングした。試験片を、55℃のモデルジュースに1ケ月浸漬した。モデルジュースは、食塩及びクエン酸の濃度がそれぞれ2.0質量%である水溶液である。その後、試験片の評価面を観察し、腐食の有無を判断した。評価結果を上記表1における「耐食性」の列に示す。「○」は腐食がないことを示す。「×」は腐食があることを示す。
各実施例及び各比較例のプレコート板について、耐食性を評価した。評価方法は以下のとおりである。プレコート板から、矩形の試験片を切り出した。試験片の大きさは50mm×50mmである。試験片における一方の面を評価面とした。試験片のうち、端面と、評価面の反対面とにそれぞれマスキングした。試験片を、55℃のモデルジュースに1ケ月浸漬した。モデルジュースは、食塩及びクエン酸の濃度がそれぞれ2.0質量%である水溶液である。その後、試験片の評価面を観察し、腐食の有無を判断した。評価結果を上記表1における「耐食性」の列に示す。「○」は腐食がないことを示す。「×」は腐食があることを示す。
(3−4)評価結果
実施例1〜27では、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できた。また、実施例1〜27では、塗装ムラ等の欠陥が目視で認められず、塗装外観が良好であった。また、実施例1〜27では、耐食性も良好であった。
実施例1〜27では、塗装ワキ欠陥の発生を抑制できた。また、実施例1〜27では、塗装ムラ等の欠陥が目視で認められず、塗装外観が良好であった。また、実施例1〜27では、耐食性も良好であった。
比較例1〜4、6、8、9、11では、塗装ワキ欠陥が多数発生し、耐食性が不良であった。その理由は、アルミニウム合金板の組成が上記式(1)を満たさないため、金属間化合物とアルミニウム母材との電位差を抑制することができなかったためである。
比較例5では、塗装ワキ欠陥が多数発生し、耐食性が不良であった。その理由は、アルミニウム合金板におけるMgの含有量が4.5質量%を越えているためである。
比較例7、10では、アルミニウム合金板の圧延性が悪かった。そのため、比較例7、10のプレコート板は生産に適さない。アルミニウム合金板の圧延性が悪い理由は、アルミニウム合金板におけるCuの含有量が過度に多いためである。
比較例7、10では、アルミニウム合金板の圧延性が悪かった。そのため、比較例7、10のプレコート板は生産に適さない。アルミニウム合金板の圧延性が悪い理由は、アルミニウム合金板におけるCuの含有量が過度に多いためである。
比較例12では、耐食性が不良であった。比較例13では、リン酸クロメート処理に要する時間が長かった。そのため、プレコート板の生産性が悪かった。
比較例14では、塗装ワキ欠陥が多数発生した。その理由は、昇温速度が過度に速いため、焼付け中に塗膜表面で皮張りが生じたためである。
比較例14では、塗装ワキ欠陥が多数発生した。その理由は、昇温速度が過度に速いため、焼付け中に塗膜表面で皮張りが生じたためである。
比較例15では、耐食性が不良であった。その理由は、焼付け温度が過度に低いことにより、塗膜の造膜が不十分であるためである。
比較例16では、耐食性が不良であった。その理由は、焼付け温度が過度に高いことにより、塗膜にひび割れが発生したためである。
比較例16では、耐食性が不良であった。その理由は、焼付け温度が過度に高いことにより、塗膜にひび割れが発生したためである。
比較例17では、耐食性が不良であった。その理由は、塗膜量が過度に少ないためである。
比較例18では、塗装ワキ欠陥が多数発生し、耐食性が不良であった。その理由は、塗膜量が過度に多いため、塗膜に皮張りが生じたためである。
比較例18では、塗装ワキ欠陥が多数発生し、耐食性が不良であった。その理由は、塗膜量が過度に多いため、塗膜に皮張りが生じたためである。
比較例19では、耐食性が不良であった。その理由は、化成皮膜におけるZr量が過度に少ないためである。
比較例20では、化成皮膜におけるZr量が過度に多いため、化成皮膜の形成に要する時間が長かった。そのため、比較例20のプレコート板は生産性が悪かった。
比較例20では、化成皮膜におけるZr量が過度に多いため、化成皮膜の形成に要する時間が長かった。そのため、比較例20のプレコート板は生産性が悪かった。
各実施例及び各比較例のプレコート板が備えるアルミニウム合金板の組成と、塗装ワキ欠陥の発生の有無との関係を図1に示す。図1における横軸xは、アルミニウム合金板における「XCu+XMn/2.28」(質量%)を表す。図1における縦軸yは、「XMg」(質量%濃度)を表す。図1に示すように、上記式(1)を充足し、且つ、XMgが4.5質量%以下である領域では、塗装ワキ欠陥が発生しておらず、上記式(1)を充足しない領域、及び、XMgが4.5質量%を超える領域では、塗装ワキ欠陥が発生している。
3.他の実施形態
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(1)上記各実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素に分担させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に発揮させたりしてもよい。また、上記各実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記各実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加、置換等してもよい。なお、特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(2)上述したプレコート板の他、当該プレコート板を構成要素とする製品、アルミニウム合金板、アルミニウム合金板の製造方法等、種々の形態で本開示を実現することもできる。
Claims (2)
- 化成皮膜を備えたアルミニウム合金板と、
前記アルミニウム合金板の表面に形成された塗膜と、
を備えるプレコート板であって、
前記化成皮膜は、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜であり、
前記アルミニウム合金板は、0質量%を超え4.5質量%以下のMgと、0.1質量%以上0.5質量%以下のCuと、0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、アルミニウム及び不可避的不純物から成る残部と、を含み、
前記アルミニウム合金板の組成は以下の式(1)を充足し、
前記塗膜の塗膜量が10mg/dm2以上200mg/dm2以下であり、
前記塗膜において、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の単位面積当たりの個数が1個/cm2以下であるプレコート板。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。 - 化成皮膜を備えたアルミニウム合金板の表面に水性塗料又は溶剤塗料を塗布し、焼付けを行って塗膜を形成するプレコート板の製造方法であって、
前記焼付けにおいて、昇温開始時の温度から焼付け温度に到達するまでの昇温速度が20℃/s以下であり、
前記焼付け温度が110℃以上300℃以下であり、
前記化成皮膜は、Cr量が5mg/m2以上であるクロメート皮膜、Cr量が5mg/m2以上であるリン酸クロメート皮膜、Zr量が3mg/m2以上である酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上である水酸化ジルコニウム皮膜、Zr量が3mg/m2以上であるフッ化ジルコニウム皮膜、又はZr量が3mg/m2以上であるリン酸ジルコニウム皮膜であり、
前記アルミニウム合金板は、0質量%を超え4.5質量%以下のMgと、0.1質量%以上0.5質量%以下のCuと、0.2質量%以上1.5質量%以下のMnと、アルミニウム及び不可避的不純物から成る残部と、を含み、
前記アルミニウム合金板の組成は以下の式(1)を充足し、
前記塗膜の塗膜量が10mg/dm2以上200mg/dm2以下であり、
前記塗膜において、最大外接円の直径が30μm以上100μm以下の大きさの塗装ワキ欠陥の単位面積当たりの個数が1個/cm2以下であるプレコート板の製造方法。
式(1) XMg<43.8×(XCu+XMn/2.28)−7.40
式(1)において、XMgは前記アルミニウム合金板におけるMgの質量%濃度である。XCuは前記アルミニウム合金板におけるCuの質量%濃度である。XMnは前記アルミニウム合金板におけるMnの質量%濃度である。
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