JP2013185199A - 亜鉛系電気めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents
亜鉛系電気めっき鋼板およびその製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】素材鋼板を、Znイオン濃度を0.2mol%/L以上でかつVイオン濃度を0.1mol/L以上としためっき浴中に浸漬し、鋼板とめっき液との相対流速を0.5m/s以上の条件で電解処理し、電解処理後の鋼板をめっき浴中に1秒間以上浸漬させることによって製造した、めっき皮膜中のV含有率が皮膜平均で3〜8mass%、かつめっき皮膜の表面から深さ30nmまでの表層部におけるV含有率が、10mass%以上である亜鉛を主成分とするめっき皮膜をそなえた高い耐蝕性を有する亜鉛系めっき鋼板。
【選択図】なし
Description
しかし、亜鉛は枯渇が危ぶまれる資源の一つであり、今後の価格高騰も予想されることから、亜鉛めっき付着量の低減や亜鉛めっきに替わる表面処理皮膜の開発が要求されている。
ここに、亜鉛めっき付着量の低減の手法の一つとして、めっき層の耐食性を向上させることが考えられる。めっき層の耐食性が向上すれば、その分めっき層を薄くすることができ、亜鉛めっき付着量の低減につながるからである。
すなわち、非特許文献1には、めっき浴に、Zn2+より低いpHで加水分解するVO2+を電解液に添加し、V元素を含有した電析Zn膜を得る方法が記載されている。また、非特許文献1には、電析膜のV含有率が、めっき浴のpHおよび電流密度が高くなる程増加すること、およびめっき浴を撹拌すると電析膜のV含有率は低下するものの、V元素の分布の均一性は改善することなどが記載されている。
また、特許文献1に開示の技術は、めっき浴中の沈殿物の防止に関するもので、V分布の均一なめっき皮膜を製造するための電解条件については、考慮が払われていない。
さらに、特許文献2に開示の技術では、めっき浴中に硝酸イオンを含むため、電解処理中に急激なpH上昇が生じやすく、めっき浴組成や、めっき液流速などの条件がほんの僅か変化しただけでも、得られる皮膜組成が大幅に変化してしまうという問題があった。そのため、安定して連続的にめっき皮膜を生産するためには、硝酸イオンを含まないものが求められる。
鋼板に電解処理を施すと、鋼板界面のpHは上昇し、Znが析出すると同時に、Vを含む物質(V2O3、VO2、V2O5など)が生成して、それらの複合皮膜が形成される。ところが、電解処理が終わった後であっても、鋼板界面のpHが高いうちは、Znがほとんど析出しないめっき皮膜の形成が継続することが分かった。すなわち、電解処理中に比べて、Vの含有量が多いめっき層が得られるという知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたものである。
1.亜鉛を主成分とするめっき皮膜を具え、該めっき皮膜中のV含有率が皮膜平均で3〜8mass%であって、かつ該めっき皮膜の表面から深さ:30nmまでの表層部におけるV含有率が、80%以上の測定点で10mass%以上であることを特徴とする亜鉛系電気めっき鋼板。
上記素材鋼板を、Znイオン濃度を0.2mol/L以上でかつVイオン濃度を0.1mol/L以上としためっき浴中に導入し、上記素材鋼板とめっき浴中のめっき液との相対流速が0.5m/s以上の条件で電解処理を施して、上記素材鋼板に亜鉛系電気めっき層を形成し、さらに、上記電解処理後の鋼板をめっき浴中に1秒間以上浸漬させることを特徴とする亜鉛系電気めっき鋼板の製造方法。
本発明の亜鉛系電気めっき鋼板は、亜鉛を主成分とするめっき皮膜(以下、単にめっき皮膜ともいう)を具えているが、そのめっき皮膜中のV含有率は3〜8%の範囲とする必要がある。
V含有率が3%未満では、良好な耐食性が得られず、一方、V含有率が8%より高いと結晶の凹凸が激しくなり、均一な皮膜が得られず、良好な耐食性が得られないからである。好ましくは、3.5%以上8%以下である。
なお、本発明におけるめっき皮膜中のV含有率は、ICP(誘導結合プラズマ)発光分析によりめっき皮膜中のZn、Vの濃度を測定し、以下の式1の値を計算することにより求める。
[〔%V〕/(〔%Zn〕+〔%V〕)] ・・・1
ただし、〔%X〕は、元素Xのめっき皮膜中の濃度(mass%)を示す。
そして、本発明では、任意に選んだ80%以上の測定点において、V含有率が10%以上となることが必要である。V含有率:10%未満の点が存在すると、良好な耐食性が得られないからである。
なお、V含有率の上限は、製造性の観点から60%程度が望ましい。
かかる工程を経て、本発明の亜鉛系電気めっき鋼板が得られるのである。
なお、本発明におけるめっき浴は、上記した条件以外に特に制限はなく、従来公知のめっき浴の条件をそれぞれ適用することができる。
なお、これらの処理を施した鋼板についても、本発明の種々の効果が得られることはいうまでもない。
[〔%V〕/(〔%Zn〕+〔%V〕)] ・・・1
ただし、〔%X〕は、元素Xのめっき皮膜中の濃度(mass%)を示す。
また、上記亜鉛系電気めっき鋼板の一部を、10mm×10mmに切出した。そして、それぞれの測定サンプルで、5μm角の大きさの測定点を、5箇所ランダムに選択し、深さ30nmまで測定した。その際、4箇所(80%)以上の測定点でV含有率が10%以上であれば○、2箇所以上10%未満の箇所があれば×と評価した。
評価基準は、以下のとおりである。
◎:24h以上
○:12h以上24h未満
×:12h未満
それぞれの試験結果を、表1に併記する。
Claims (3)
- 亜鉛を主成分とするめっき皮膜を具え、該めっき皮膜中のV含有率が皮膜平均で3〜8mass%であって、かつ該めっき皮膜の表面から深さ:30nmまでの表層部におけるV含有率が、80%以上の測定点で10mass%以上であることを特徴とする亜鉛系電気めっき鋼板。
- 亜鉛含有めっき浴中で、素材鋼板を陰極として電解処理を施し、該素材鋼板の表面に亜鉛系電気めっき層を形成する亜鉛系電気めっき鋼板の製造方法であって、
上記素材鋼板を、Znイオン濃度を0.2mol/L以上でかつVイオン濃度を0.1mol/L以上としためっき浴中に導入し、上記素材鋼板とめっき浴中のめっき液との相対流速が0.5m/s以上の条件で電解処理を施して、上記素材鋼板に亜鉛系電気めっき層を形成し、さらに、上記電解処理後の鋼板をめっき浴中に1秒間以上浸漬させることを特徴とする亜鉛系電気めっき鋼板の製造方法。 - 前記電解処理後における鋼板とめっき液との相対流速を0.5m/s以上とすることを特徴とする請求項2に記載の亜鉛系電気めっき鋼板の製造方法。
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