JP2009079263A - 表面処理亜鉛系めっき金属材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた耐食性及び樹脂密着性を有する表面処理亜鉛系めっき金属材、及び、当該表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法を提供する。
【解決手段】亜鉛系めっき層の上に第1の被膜及び第2の被膜を備える、表面処理亜鉛系めっき金属材であって、第1の被膜は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、複合酸化物に含まれる、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量が、50mg/m2以上、500mg/m2以下であり、且つ、マグネシウムの量が5mg/m2以上であり、複合酸化物に含まれるアルミニウムの量は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量に対して40質量%以下であり、第2の被膜は、第1の被膜上に形成された、0.8g/m2以上、1.5g/m2以下の樹脂被膜であることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材とする。
【選択図】図1
【解決手段】亜鉛系めっき層の上に第1の被膜及び第2の被膜を備える、表面処理亜鉛系めっき金属材であって、第1の被膜は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、複合酸化物に含まれる、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量が、50mg/m2以上、500mg/m2以下であり、且つ、マグネシウムの量が5mg/m2以上であり、複合酸化物に含まれるアルミニウムの量は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量に対して40質量%以下であり、第2の被膜は、第1の被膜上に形成された、0.8g/m2以上、1.5g/m2以下の樹脂被膜であることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、表面処理亜鉛系めっき金属材及びその製造方法に関し、特に、自動車、家電、及び建材等に用いられるクロムフリーの表面処理亜鉛系めっき金属材及びその製造法に関する。
自動車、家電、及び建材等に広く用いられている表面処理亜鉛系めっき金属材(以下、「亜鉛系めっき鋼板」ということがある。)は、その耐食性を向上させるため、従来から、クロメート処理によって表面にクロメート被膜を形成した後、必要に応じて有機被膜を形成したうえで、製品化されている。さらに、このような下地処理に加えて、有機被膜等の二重の塗装を施すことにより、製品品質をバランスよく向上させる塗装金属めっき鋼板の需要が増加傾向にある。
しかしながら、クロメート被膜には人体に有害な6価クロムが含まれるため、亜鉛系めっき鋼板の製造に携わる人の健康を損ねたり、環境汚染を引き起こしたりする等の危険性が懸念されている。このため、今日では、クロムを含む処理液を用いることなく耐食性等に優れた亜鉛系めっき鋼板を得るための技術が種々提案されている。
このような技術の一例としては、クロムに代わる適当な金属の酸化物層を鋼材の表面に形成させる技術等を挙げることができる。例えば、鋼材の表面に酸化物層を形成させる技術として、特許文献1には、亜鉛系めっき鋼板の表面にZnO系酸化物層を設け、その上層に無機系酸化物層を設ける技術が開示されている。また、特許文献2には、亜鉛系めっき鋼板の表面に酸化亜鉛層を被覆する技術が開示されている。特許文献3には、亜鉛系めっき鋼板を、Mg換算で合計で0.01〜3モル/L含有する水溶液中で、電流密度:1.0〜20A/dm2以下で電解処理することにより、亜鉛系めっき表面にMg換算で5〜3000mg/m2のMg酸化物及び/又は水酸化物を含む被膜を形成する技術及び当該被膜の上に有機系又は無機系の被覆層を形成する技術が開示されている。更に、特許文献4、5には亜鉛系めっき鋼板上に亜鉛、マグネシウム及び/又はアルミニウムを含む酸化物層を形成する技術及び当該被膜の上に樹脂被膜を設ける技術が開示されている。
特開平7−138764号公報
特開2000−64054号公報
特開2004−18960号公報
特開2006−57135号公報
特開2007−224334号公報
しかし、特許文献1、2に開示されている技術では、特に、クロメート処理鋼板と同等程度以上の耐食性を有する鋼板が得られ難いという問題があり、また、樹脂等の塗装被覆においての耐食性能等が不明であった。特許文献3に開示されている技術については、樹脂被膜健全部での耐食性は良好であるが、酸化物層と樹脂被膜との密着性や、樹脂被覆後の疵部耐食性が不明であった。特許文献4、5に開示されている技術については、酸化物層と樹脂被膜との密着性に劣るという問題点があった。
そこで、本発明は、樹脂塗装被膜の密着性及び疵部の耐食性に優れるクロムフリー表面処理亜鉛系めっき金属材、及び、その製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、亜鉛系めっき鋼材を、亜鉛イオンと、アルミニウムイオンと、マグネシウムイオンと、硝酸イオンとを所定量含有する水溶液中で、亜鉛系めっき鋼材を陰極として電気分解することにより得られた表面処理亜鉛系めっき金属材の性能が良好であるとの知見を得た。さらに、このようにして得られた表面処理亜鉛系めっき金属材において課題であった樹脂被膜との密着性及び疵部の耐食性を良好とするための金属材の表面状態について調査するとともに、あわせて適切な製造条件について調査した。本発明は、上記知見及び調査に基づいてなされたものである。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、亜鉛系めっき層(1)の上に第1の被膜(2)を備える、表面処理亜鉛系めっき金属材(10)であって、当該第1の被膜(1)は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、当該複合酸化物に含まれる、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量は、50mg/m2以上500mg/m2以下であり、且つ、マグネシウムの量は、5mg/m2以上であり、当該複合酸化物に含まれるアルミニウムの量は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量に対して40質量%以下であることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材により、上記課題を解決する。
ここで、第1の本発明にかかる亜鉛系めっき層(1)の具体例としては、電気亜鉛系めっき鋼材や溶融亜鉛系めっき鋼材に備えられる亜鉛めっき層のほか、電気亜鉛系合金めっき鋼材や溶融亜鉛系合金めっき鋼材に備えられる亜鉛系合金めっき層等を挙げることができる。電気亜鉛系合金めっき鋼材の亜鉛系合金めっき層における、亜鉛以外のめっき成分の具体例としては、Ni、Fe、Co、Sn及びこれらの組合せ等を挙げることができる。また、溶融亜鉛系合金めっき鋼材の亜鉛系合金めっき層における、亜鉛以外のめっき成分の具体例としては、Al、Fe、Mg、Si及びこれらの組合せ等を挙げることができる。加えて、上記溶融亜鉛系合金めっき鋼材の具体例としては、溶融55%Al−亜鉛合金めっき鋼材、合金化溶融亜鉛めっき鋼材等を挙げることができる。
第2の本発明は、亜鉛系めっき層(1)の上に第1の被膜(2)及び第2の被膜(3)を備える、表面処理亜鉛系めっき金属材(20)であって、第1の被膜(1)は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、当該複合酸化物に含まれる、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量は、50mg/m2以上、500mg/m2以下であり、且つ、マグネシウムの量は、5mg/m2以上であり、当該複合酸化物に含まれるアルミニウムの量は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量に対して40質量%以下であり、第2の被膜(3)は、第1の被膜(2)上に形成された、0.8g/m2以上、1.5g/m2以下の樹脂被膜であることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材により、上記課題を解決する。
ここで、第2の本発明にかかる亜鉛系めっき層(1)の具体例としては、上記第1の本発明にかかる亜鉛系めっき層と同様のものを挙げることができる。さらに、第2の本発明にかかる第2の被膜(樹脂被膜)(3)の具体例としては、ウレタン系樹脂被膜、アクリル系樹脂被膜、熱硬化性エポキシ樹脂被膜等を挙げることができる。
第3の本発明は、0.05mol/L以上0.15mol/L以下の亜鉛イオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下のアルミニウムイオンと、0.05mol/L以上0.5mol/L以下のマグネシウムイオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下の硝酸イオンと、を含有するとともに、pHが1.0〜4.0である水溶液中で、亜鉛系めっき金属材を陰極として電気分解することにより、当該亜鉛系めっき金属材に複合酸化物の被膜を形成する、電気分解工程と、当該被膜をpH11以上のアルカリ塩水溶液に接触させることで、当該被膜の複合酸化物組成を調整する、アルカリ処理工程と、を備えることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材(10)の製造方法により、上記課題を解決する。
ここで、第3の本発明にかかる亜鉛系めっき金属材は、従来からクロメート処理が行われている金属材であれば特に限定されるものではなく、その具体例としては、電気亜鉛系めっき鋼材や溶融亜鉛系めっき鋼材等の亜鉛系めっき鋼材のほか、電気亜鉛系合金めっき鋼材や溶融亜鉛系合金めっき鋼材等の亜鉛系合金めっき鋼材等を挙げることができる。
第4の本発明は、0.05mol/L以上0.15mol/L以下の亜鉛イオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下のアルミニウムイオンと、0.05mol/L以上0.5mol/L以下のマグネシウムイオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下の硝酸イオンと、を含有するとともに、pHが1.0〜4.0である水溶液中で、亜鉛系めっき金属材を陰極として電気分解することにより、当該亜鉛系めっき金属材に複合酸化物の被膜を形成する、電気分解工程と、当該被膜をpH11以上のアルカリ塩水溶液に接触させることで、当該被膜の複合酸化物組成を調整する、アルカリ処理工程と、当該調整後の被膜上に第2の被膜として樹脂被膜を設ける樹脂被膜形成工程と、を備えることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材(20)の製造方法により、上記課題を解決する。
ここで、第4の本発明にかかる亜鉛系めっき金属材の具体例は、従来からクロメート処理が行われている金属材であれば特に限定されるものではなく、その具体例としては、上記第3の本発明にかかる亜鉛系めっき金属材と同様のものを挙げることができる。さらに、本発明にかかる樹脂被膜の具体例としては、ウレタン系樹脂被膜、アクリル系樹脂被膜、熱硬化性エポキシ樹脂被膜等を挙げることができる。
第3及び第4の本発明について、電気分解工程における電気分解は、パルス電流により、電流密度20A/dm2以上、40A/dm2以下の範囲で行われることが好ましい。
第1の本発明によれば、所定の組成の、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含む第1の被膜が、亜鉛系めっき層の上に備えられているので、優れた耐食性及び耐指紋性を有する表面処理亜鉛系めっき金属材を提供できる。また、当該第1の被膜の上に樹脂等の被膜を形成するにあたって、従来からの課題であった被膜の密着性並びに疵部の耐食性を向上可能な金属材とすることができる。当該金属材は、従来のものよりも塗装性が良く、いわゆるプレコート鋼板として、あるいは、製品加工後にアフターコートされる基材鋼板として有用である。
第2の本発明によれば、樹脂被膜の被覆により、耐指紋性がさらに向上した表面処理亜鉛系めっき金属材を提供できる。また、上述の通り、当該樹脂被膜の密着性並びに疵部の耐食性が向上された樹脂被覆金属材とすることができる。第2の本発明にかかる金属材は、塗装後耐食性(カット部耐食性)に優れ、いわゆる耐指紋性鋼板や、潤滑鋼板として有用である。
第3の本発明によれば、電気分解工程及びアルカリ処理工程を経ることで、亜鉛系めっき金属材の表面に、所定の組成を有する複合酸化物を含む第1の被膜を形成させることができる。したがって、優れた耐食性及び耐指紋性を有することに加え、樹脂被膜との密着性が良い表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法を提供できる。
第4の本発明によれば、電気分解工程及びアルカリ処理工程後の樹脂被膜形成工程により、複合酸化物被膜の上に優れた密着性をもって樹脂被膜を形成することができる。そのため、優れた耐食性及び耐指紋性を有する表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法を提供できる。
第3及び第4の本発明において、電流密度20A/dm2以上、40A/dm2以下の範囲のパルス電流により電気分解が行われることにより、耐白錆性や耐食性、樹脂被膜との密着性がさらに向上した表面処理亜鉛系めっき金属材を製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<1.表面処理亜鉛系めっき金属材>
第1実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の断面図を図1(a)に、第2実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の断面図を図1(b)に、それぞれ概略的に示す。
第1実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の断面図を図1(a)に、第2実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の断面図を図1(b)に、それぞれ概略的に示す。
図1(a)に示すように、第1実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材10は、下地金属材5にめっき処理を施すことにより形成される亜鉛系めっき層1と、亜鉛系めっき層1が形成された金属材6に、後述する電解処理及びアルカリ処理を施すことにより形成される第1の被膜2と、を備えている。また、図1(b)に示すように、第2実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材20は、下地金属材5にめっき処理を施すことにより形成される亜鉛系めっき層1と、亜鉛系めっき層1が形成された金属材6に、後述する電気分解処理及びアルカリ処理を施すことにより形成される第1の被膜2と、当該第1の被膜2の上に設けられた第2の被膜(樹脂被膜)3と、を備えている。
本発明にかかる金属材6の具体例としては、電気亜鉛系めっき鋼材、電気亜鉛系合金めっき鋼材、溶融亜鉛系めっき鋼材、溶融亜鉛系合金めっき鋼材等を挙げることができる。電気亜鉛系合金めっき鋼材における、亜鉛以外のめっき成分の具体例としては、Ni、Fe、Co、Sn及びこれらの組合せ等を挙げることができ、また、溶融亜鉛系合金めっき鋼材における、亜鉛以外のめっき成分の具体例としては、Al、Fe、Mg、Si及びこれらの組合せ等を挙げることができる。さらに、本発明にかかる金属材6として、溶融亜鉛系合金めっき鋼材を用いる場合、当該溶融亜鉛系合金めっき鋼材の具体例としては、溶融55%Al−亜鉛合金めっき鋼材や、合金化溶融亜鉛めっき鋼材等を挙げることができる。また、本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材10、20の形状は特に限定されず、板状や帯状のほか、これら以外の形状であっても良い。ただし、本発明の製造方法に含まれる電気分解工程において、電気分解を高電流密度の電流を用いて行うことを容易とするとともに、金属材の連続製造を容易にする等の観点からは、板状又は帯状とすることが好ましい。
本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材10、20に備えられる第1の被膜2、及び、樹脂被膜3について、以下に説明する。
(1.1.第1の被膜2)
本発明にかかる第1の被膜2は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、特に当該複合酸化物のみからなることが好ましく、所定量の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムが含有される場合に、その性能が発現される。即ち、耐白錆性を確保するためには、複合酸化物中の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの総量を、50mg/m2以上、500mg/m2以下とすることが好ましく、また、塗装後のカット部耐食性を良好とするためには、複合酸化物中のマグネシウム含有量を少なくとも5mg/m2とすることが好ましい。加えて、後述する第2の被膜3(樹脂被膜)との密着性を良好とするためには、複合酸化物中のアルミニウム含有量を亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量に対して40質量%以下とすることが好ましい。本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材10を後述する電気分解処理により製造する場合にあっては、上述の複合酸化物中にはマグネシウムが1〜10質量%程度含まれることとなるため、複合酸化物の総量が50mg/m2を下回ると、マグネシウムの最低必要量である5mg/m2を満たさないため好ましくなく、また、複合酸化物の総量が500mg/m2を超える場合にあっては、複合酸化物自体の密着性が確保できないため好ましくない。このような構造の第1の被膜2を備える表面処理亜鉛系めっき金属材10、20は、後述するように、優れた耐食性、耐白錆性を示す。また、本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材10は、第1の被膜2の上に樹脂被膜3が形成されていなくても、優れた耐指紋性を有している。
本発明にかかる第1の被膜2は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、特に当該複合酸化物のみからなることが好ましく、所定量の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムが含有される場合に、その性能が発現される。即ち、耐白錆性を確保するためには、複合酸化物中の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの総量を、50mg/m2以上、500mg/m2以下とすることが好ましく、また、塗装後のカット部耐食性を良好とするためには、複合酸化物中のマグネシウム含有量を少なくとも5mg/m2とすることが好ましい。加えて、後述する第2の被膜3(樹脂被膜)との密着性を良好とするためには、複合酸化物中のアルミニウム含有量を亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量に対して40質量%以下とすることが好ましい。本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材10を後述する電気分解処理により製造する場合にあっては、上述の複合酸化物中にはマグネシウムが1〜10質量%程度含まれることとなるため、複合酸化物の総量が50mg/m2を下回ると、マグネシウムの最低必要量である5mg/m2を満たさないため好ましくなく、また、複合酸化物の総量が500mg/m2を超える場合にあっては、複合酸化物自体の密着性が確保できないため好ましくない。このような構造の第1の被膜2を備える表面処理亜鉛系めっき金属材10、20は、後述するように、優れた耐食性、耐白錆性を示す。また、本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材10は、第1の被膜2の上に樹脂被膜3が形成されていなくても、優れた耐指紋性を有している。
(1.2.第2の被膜(樹脂被膜)3)
本発明の第2の被膜3は樹脂被膜であり、耐食性、耐指紋性、及び、摺動性等についてより高い性能が必要とされる場合等に、必要に応じて、第1の被膜2の上に設けることができる。以下、いくつかの用途に応じ好ましい形態を説明する。
本発明の第2の被膜3は樹脂被膜であり、耐食性、耐指紋性、及び、摺動性等についてより高い性能が必要とされる場合等に、必要に応じて、第1の被膜2の上に設けることができる。以下、いくつかの用途に応じ好ましい形態を説明する。
家電機器の筐体向け表面処理鋼板には、耐食性として、通常、例えば塩水噴霧試験で72〜120時間の試験後も白錆がほとんど発生しないこと等が要求されるので、第1の被膜2の上に、樹脂被膜3を0.8〜1.5g/m2程度の量で形成することが好ましい。0.8g/m2を下回る場合にあっては、第1の被膜2への加算効果としての耐食性レベルが不足し、また、1.5g/m2を上回る場合にあっては、当該耐食性レベルが飽和し、これ以上樹脂を被覆しても経済的に無駄となるため好ましくない。また、アブレージョン(鋼板同士のこすり合わせによる黒ずみ)の抑制が強く要求される場合は、樹脂としてウレタン系樹脂又はアクリル系樹脂を用いるのが好ましく、また、表面処理鋼板に要求される成形性に応じて、有機被膜中にワックス等の固形潤滑剤を含有させても良い。一方、本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材20が、自動車用燃料タンク向け表面処理鋼板として用いられる場合には、タンク内面に相当する面に設けられる好ましい樹脂被膜として、熱硬化性ウレタン系樹脂被膜や熱硬化性エポキシ系樹脂被膜等を例示することができる。
第2実施形態にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材20は、例えば、家電機器の筐体向け、あるいは、自動車用燃料タンク向け等の用途において、後述の実施例のように、従来の通常のクロメート処理品と同等以上の性能を示す。
<2.表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法>
次に、本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法について説明する。図2に示すように、本発明の製造方法は、亜鉛系めっき金属材6に複合酸化物被膜2’を形成する電気分解工程21と、当該複合酸化物被膜2’の組成を調整し、第1の被膜2とするアルカリ処理工程22と、当該調整後の被膜2上に樹脂被膜3を設ける樹脂被膜形成工程23とを含んでいる。本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法について説明するに先立ち、まず、複合酸化物被膜2’を形成するための電気分解反応として想定される機構について説明する。
次に、本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法について説明する。図2に示すように、本発明の製造方法は、亜鉛系めっき金属材6に複合酸化物被膜2’を形成する電気分解工程21と、当該複合酸化物被膜2’の組成を調整し、第1の被膜2とするアルカリ処理工程22と、当該調整後の被膜2上に樹脂被膜3を設ける樹脂被膜形成工程23とを含んでいる。本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法について説明するに先立ち、まず、複合酸化物被膜2’を形成するための電気分解反応として想定される機構について説明する。
(2.1.被膜形成機構)
亜鉛イオンを含有する酸性水溶液中において、金属材を陰極として電気分解すると、以下に示す反応式(1)にかかる反応に基づき、金属亜鉛が析出する。
Zn2+ + 2e− → Zn (1)
亜鉛イオンを含有する酸性水溶液中において、金属材を陰極として電気分解すると、以下に示す反応式(1)にかかる反応に基づき、金属亜鉛が析出する。
Zn2+ + 2e− → Zn (1)
さらに、上記水溶液中に、硝酸イオンが共存する場合、以下に示す反応式(2)にかかる反応が同時に起こり、当該反応により生成される水酸化物イオンによって、金属亜鉛Znが析出しようとしている界面のpHが大きく上昇する。
NO3 − + H2O + 2e− → NO2 − + 2OH− (2)
NO3 − + H2O + 2e− → NO2 − + 2OH− (2)
その結果、亜鉛イオンを含有する酸性水溶液中に硝酸イオンが共存すると、以下に示す反応式(3)にかかる水酸化亜鉛(あるいは脱水後の酸化亜鉛)の形成反応が生じやすくなる。
Zn2+ + 2OH− → Zn(OH)2 (→ ZnO + H2O)(3)
Zn2+ + 2OH− → Zn(OH)2 (→ ZnO + H2O)(3)
ここで、亜鉛イオン及び硝酸イオンを含有する水溶液中に、さらにアルミニウムイオン及びマグネシウムイオンが含まれると、上記反応式(3)の反応により金属材の表面に酸化亜鉛が形成される際に、アルミニウム及びマグネシウムが酸化物状態で取り込まれる。これにより、金属材表面には、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの複合酸化物を主体とする被膜が形成されると考えられる。
(2.2.水溶液)
複合酸化物被膜2’を形成させる電解工程21で用いられる水溶液(以下、「電解液」という。)について説明する。
複合酸化物被膜2’を形成させる電解工程21で用いられる水溶液(以下、「電解液」という。)について説明する。
電解液は、亜鉛イオン、アルミニウムイオン、マグネシウムイオン及び硝酸イオンを含有する。電解液中の亜鉛イオン濃度が低すぎると、電解液と金属材6との界面への亜鉛イオンの供給が不足して、金属材6の表面に上記複合酸化物被膜2’が形成され難くなる一方、当該亜鉛イオン濃度が高すぎると、上記反応式(1)にかかる金属亜鉛析出反応が優勢になるため、金属材6の表面に酸化亜鉛被膜が形成され難くなる。したがって、金属材6の表面に複合酸化物被膜2’を適度に形成させることで優れた耐食性を有する表面処理金属材10、20を得るという観点から、本発明にかかる電解液中の亜鉛イオン濃度は、0.05mol/L以上とする。また、同様の観点から、当該亜鉛イオン濃度は、0.15mol/L以下とする。より好ましくは、0.08mol/L以上0.12mol/L以下である。
電解液中のアルミニウムイオンの濃度は、低すぎると外観美麗な明度を有する表面処理亜鉛系めっき金属材10、20が得られないので、0.05mol/L以上とする。好ましくは0.08mol/L以上である。一方、当該濃度が高すぎると得られる表面処理亜鉛系めっき金属材10の耐食性が低下するので、0.15mol/L以下とする。好ましくは0.12mol/L以下である。
電解液中のマグネシウムイオンの濃度は、良好な耐食性を有する表面処理亜鉛系めっき金属材10、20とする等の観点から、0.05mol/L以上とする。好ましくは0.08mol/L以上である。一方、当該濃度が高すぎるとコスト的に不利なので、0.5mol/L以下とする。好ましくは0.35mol/L以下である。
電解液中の硝酸イオンは、上記反応(2)によって金属材6の表面近傍の電解液のpHを上昇させ、上記反応(3)による酸化物形成反応を生じさせやすくする。硝酸イオン濃度が低すぎると、上記反応(2)によるpH上昇が不十分になると考えられるので、0.05mol/L以上とする。好ましくは0.08mol/L以上である。一方、必要以上にpHが上昇して金属析出が起り難くなるのを防ぐため、電解液中に含有させる硝酸イオン濃度は、0.15mol/L以下とする。好ましくは0.12mol/L以下である。
本発明にかかる電解液のpHは、酸化物が析出するのに必要十分なpHに上昇させるため、1.0以上とする。好ましくは2.0以上である。一方、必要以上にpHが上昇して金属析出が起らない事態を防ぐため、当該pHは4.0以下とする。好ましくは3.0以下である。
このような電解液は、例えば、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩等、及び、金属の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムを用いて、各イオン濃度及びpHが上記範囲内となるように配合することで、得ることができる。後述の実施例で示すような、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの硝酸塩及び硫酸塩を用いて配合した電解液は、pHが概ね2.0〜3.0の範囲内となり、また、硫酸マグネシウムの緩衝作用によって長時間製造(電解)する場合であってもpHの変動を抑制可能という長所を有する。電解液のpHの調整は、硫酸や水酸化ナトリウム等、他の適切な酸、アルカリを添加して行ってもよい。また、長時間製造時の電解液の成分補給も、上記塩又は金属の形で供給することが可能である。
さらに、本発明では、電気分解反応を容易に進行させる等の観点から、電解液の温度は40℃以上とすることが好ましい。また、電解液の蒸発を防ぐ等の観点から、電解液の温度は80℃以下とすることが好ましい。また、実用上、温度を安定させやすいという観点からも、40℃以上80℃以下の温度範囲とすることが好ましい。
本発明にかかる電解液には、上述したイオンのほか、本発明により得られる表面処理亜鉛系めっき金属材10、20の耐食性等に悪影響を及ぼさない範囲で、他の成分が含まれていても良い。他の成分の具体例としては、硫酸イオンや炭酸イオン等を挙げることができ、さらに、例えば金属材6の成分に起因して混入すると考えられる成分(例えば、金属材6が鋼材やめっき材の場合にはFeやNi等)や、その他の目的で添加される成分等(例えば、V、Zr、Ti、Si等の酸化物微粒子やこれらの金属元素を含むイオン等)、を挙げることができる。なお、本発明は、クロム等、環境に悪影響を及ぼす物質を含まない処理液を用いて優れた耐食性を有する表面処理亜鉛系めっき金属材10、20を得ることを目的の一つとしているため、電解液中には、クロムが含まれないことが好ましく、鉛、カドミウム、水銀等も、極力含まれないことが好ましい。
(2.3.電気分解工程21)
本発明にかかる電気分解を行う際に用いることができる電流の種類は、特に限定されない。使用可能な電流としては、直流電流、パルス電流等を挙げることができる。ここに、直流電流を用いて本発明にかかる電気分解を行う場合には、複合酸化物被膜2’を金属材6の表面に均一に形成させるという観点から、その電流密度は0.1A/dm2以下とすることが好ましい。
本発明にかかる電気分解を行う際に用いることができる電流の種類は、特に限定されない。使用可能な電流としては、直流電流、パルス電流等を挙げることができる。ここに、直流電流を用いて本発明にかかる電気分解を行う場合には、複合酸化物被膜2’を金属材6の表面に均一に形成させるという観点から、その電流密度は0.1A/dm2以下とすることが好ましい。
一方、パルス電流を用いて電気分解を行うことで、例えば20A/dm2以上等の高電流密度の電流を用いて電気分解を行った場合でも、マグネシウムイオン及びアルミニウムイオン等を含有する複合酸化物被膜2’を、金属材6の表面に均一に形成させることが可能になる。ここに、上記複合酸化物被膜2’を金属材6の表面に均一に形成させるという観点から、パルス電流におけるパルス波形の周波数は0.1Hz以上であることが好ましい。また、耐食性に有効な緻密な複合酸化物被膜2’を成膜させるという観点から、同周波数は0.6Hz以下であることが好ましい。さらに、消費したイオンを供給するのに必要な電解OFF時間を与えるという観点から、上記パルス波形のデューティー比は、0.5以下であることが好ましい。
また、第2の被膜3(樹脂被膜3)である、有機樹脂等の被膜を第1の被膜2上に形成する場合には、カット部耐食性確保の観点から、上述の通り、アルカリ処理後に形成される第1の被膜2中のマグネシウム存在量を5mg/m2以上に調整する必要がある。そのため、複合酸化物被膜2’中のマグネシウム存在量を高める必要があり、その方法としては、電解液組成のマグネシウム濃度を増加させる、及び/又は、電解電流密度を増加させる、及び/又は、液流速を下げるといった電解条件が好ましい。これらのうち、電解電流密度については、20A/dm2以上、40A/dm2以下の範囲とすることが好ましい。電流密度が20A/dm2を下回ると、第1の被膜2のマグネシウム存在量が上述の5mg/m2以上とならない場合が生じるため好ましくなく、また、40A/dm2を上回ると、複合酸化物中のアルミニウム存在量が上述の40質量%を大きく超える場合が増加すること、また、複合酸化物自体の密着性が低下すること、さらには、金属亜鉛の析出増加によって、複合酸化物の表面被覆性に影響を及ぼし、耐白錆性が低下してしまうことから好ましくない。
(2.4.アルカリ処理工程22)
上述の電気分解工程21を経て得られた、亜鉛、アルミニウム、及び、マグネシウムからなる複合酸化物を有する被膜2’に、樹脂被膜をさらに被覆する際、当該複合酸化物被膜と樹脂被膜との密着性を確保する目的から、当該複合酸化物を有する被膜をpH11以上のアルカリ塩水溶液に1〜30秒接触させる。このことで、当該複合酸化物2’中の上述のアルミニウム含有量が40質量%以下となるように調整され、即ち、当該複合酸化物と樹脂被膜とが密着しやすい組成(第1の被膜2)へと調整され、表面処理亜鉛めっき金属材10が製造される。
上述の電気分解工程21を経て得られた、亜鉛、アルミニウム、及び、マグネシウムからなる複合酸化物を有する被膜2’に、樹脂被膜をさらに被覆する際、当該複合酸化物被膜と樹脂被膜との密着性を確保する目的から、当該複合酸化物を有する被膜をpH11以上のアルカリ塩水溶液に1〜30秒接触させる。このことで、当該複合酸化物2’中の上述のアルミニウム含有量が40質量%以下となるように調整され、即ち、当該複合酸化物と樹脂被膜とが密着しやすい組成(第1の被膜2)へと調整され、表面処理亜鉛めっき金属材10が製造される。
アルカリ塩水溶液としては、例えば、10−3M以上の水酸化ナトリウム水溶液や、緩衝液(例えば、リン酸水素二ナトリウム−水酸化ナトリウム系、水酸化ナトリウム−塩化カリウム系等が挙げられる。)等、pH11以上に設定可能なものであればいずれも使用可能である。また、水溶液と複合酸化物被膜2’との接触時間については、複合酸化物中のアルミニウム含有量を上述の特定範囲内に調整できるように適宜決定されれば良い(目安としては、数秒〜十数秒である。)。
(2.5.樹脂被膜形成工程23)
樹脂被膜形成工程23においては、工程21、22を経て製造された表面処理亜鉛めっき金属材10上に樹脂被膜3を形成し、上述の表面処理亜鉛めっき金属材20とする。樹脂被膜3として用いられる樹脂は、上述の通り、ウレタン系樹脂被膜、アクリル系樹脂被膜、熱硬化性エポキシ樹脂被膜等を挙げることができる。樹脂被膜3を第1の被膜2上に形成させる方法としては、ロールコート、スプレーコート、ディップコート等、一般に用いられている各種塗布方法が挙げられ、また、樹脂フィルムの転写等によっても形成する
ことができる。樹脂被膜3の厚みについては、上述の通り、耐食性等を考慮して、乾燥後0.8g/m2以上、1.5g/m2以下となるように形成させることが好ましい。
樹脂被膜形成工程23においては、工程21、22を経て製造された表面処理亜鉛めっき金属材10上に樹脂被膜3を形成し、上述の表面処理亜鉛めっき金属材20とする。樹脂被膜3として用いられる樹脂は、上述の通り、ウレタン系樹脂被膜、アクリル系樹脂被膜、熱硬化性エポキシ樹脂被膜等を挙げることができる。樹脂被膜3を第1の被膜2上に形成させる方法としては、ロールコート、スプレーコート、ディップコート等、一般に用いられている各種塗布方法が挙げられ、また、樹脂フィルムの転写等によっても形成する
ことができる。樹脂被膜3の厚みについては、上述の通り、耐食性等を考慮して、乾燥後0.8g/m2以上、1.5g/m2以下となるように形成させることが好ましい。
図3に、第1の被膜である複合酸化物中の上述のアルミニウム含有量と樹脂被膜の密着性との関係を示す。図3によると、アルミニウム含有量が40質量%を上回る場合、樹脂被膜の密着性が大きく低下している。この理由は明らかではないが、複合酸化物の表面に密着性の乏しいアルミニウム主体の酸化物層が堆積し、樹脂被膜の密着性低下の原因になっているものと考えられ、従って、pH11以上のアルカリ塩水溶液に接触させることで、当該アルミニウム主体の酸化物層が溶解・除去され、樹脂被膜の密着性が向上するものと考えられる。また、図4に示す通り、第1の被膜中のマグネシウム量が上昇するにつれて、カット部耐食性が向上しているのがわかる。
(その他の製造方法)
電気亜鉛系めっき鋼帯に第1の被膜を設ける場合の、好ましい製造方法の一例としては、鋼帯の連続電気めっきラインにおいて、上流側の電解槽(めっき槽)で当該鋼帯に亜鉛系めっき層を形成した後、引き続き、下流側の電解槽(めっき槽)で、当該亜鉛系めっき層の上に複合酸化物被膜を形成し、さらに、アルカリ塩水溶液の槽に当該鋼帯を浸漬させ、アルカリ処理を施し、複合酸化物被膜の組成を調整し、第1の被膜を形成する方法等を挙げることができる。当該第1の被膜の上に、さらに樹脂被膜を形成させる場合には、第1の被膜形成後に水洗、乾燥し、その後、第1の被膜の上に樹脂被膜を形成すれば良い。なお、本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法が採り得る方法は、これに限定されるものではない。亜鉛系めっき、第1の被膜形成(電気分解、アルカリ処理)及び、樹脂被膜形成を、1つのライン、設備で行う必要はなく、めっき処理、第1の被膜形成処理、樹脂被膜形成処理がそれぞれ異なる設備で行われる形態であっても良い。
電気亜鉛系めっき鋼帯に第1の被膜を設ける場合の、好ましい製造方法の一例としては、鋼帯の連続電気めっきラインにおいて、上流側の電解槽(めっき槽)で当該鋼帯に亜鉛系めっき層を形成した後、引き続き、下流側の電解槽(めっき槽)で、当該亜鉛系めっき層の上に複合酸化物被膜を形成し、さらに、アルカリ塩水溶液の槽に当該鋼帯を浸漬させ、アルカリ処理を施し、複合酸化物被膜の組成を調整し、第1の被膜を形成する方法等を挙げることができる。当該第1の被膜の上に、さらに樹脂被膜を形成させる場合には、第1の被膜形成後に水洗、乾燥し、その後、第1の被膜の上に樹脂被膜を形成すれば良い。なお、本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法が採り得る方法は、これに限定されるものではない。亜鉛系めっき、第1の被膜形成(電気分解、アルカリ処理)及び、樹脂被膜形成を、1つのライン、設備で行う必要はなく、めっき処理、第1の被膜形成処理、樹脂被膜形成処理がそれぞれ異なる設備で行われる形態であっても良い。
<3.用途>
本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材10、20の好ましい用途の一部を、以下に例示する。
本発明にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材10、20の好ましい用途の一部を、以下に例示する。
第1実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材10は、リン酸塩処理性が良好という特徴を有するので、例えば、自動車のボディや部品、家電製品等、塗装下地処理としてリン酸塩処理が施される用途に使用することができる。第1実施形態にかかる表面処理亜鉛系めっき金属材10がリン酸塩処理性に優れるのは、第1の被膜2が、リン酸塩処理液中で比較的容易に溶解するためであると考えられる。なお、本発明にかかる第1の被膜2は、それ自体、指紋付着による変色が小さい。そのため、要求される耐食性のレベル等によっては、第1実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材10も、家電製品等への適用が可能であり、例えば、モーターケース等へ適用することも可能である。一方、第2実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材20は、劣化ガソリン内での耐食性に優れるという特徴を有するので、例えば、自動車用燃料タンク用材料としても有用である。また、上述のように、家電製品用途に使用することもできる。
また、上述の通り、第1実施形態にかかる本発明の表面処理亜鉛系めっき金属材10は、いわゆるプレコート鋼板として有用であり、さらには、製品加工後のアフターコートとして、意匠等を付与するために塗装を施す際、塗膜密着性を向上させることができる。
<実施例1〜8、比較例1〜8>
(表面処理金属材の作製)
めっき付着量20g/m2の電気亜鉛めっき鋼板を陰極として、電解液を流動させることが可能な電解装置を用いてパルス電流で電気分解を行った。なお、電気分解の陰極として用いた電気亜鉛めっき鋼板の通電面の大きさは、100mm×100mmとした。
(表面処理金属材の作製)
めっき付着量20g/m2の電気亜鉛めっき鋼板を陰極として、電解液を流動させることが可能な電解装置を用いてパルス電流で電気分解を行った。なお、電気分解の陰極として用いた電気亜鉛めっき鋼板の通電面の大きさは、100mm×100mmとした。
(第1の被膜の作成)
本実施例及び比較例においては、硝酸亜鉛六水和物を36g/L(0.12mol/L)と、硝酸アルミニウム十二水和物を60g/L〜80g/L(0.11mol/L〜0.15mol/L)とをそれぞれ含有するとともに、硫酸マグネシウム七水和物を0g/L〜120g/L(0mol/L〜0.5mol/L)含有する水溶液を電解液として使用した。電解液の温度は60℃、pHは2.5とした。さらに陰極−陽極間における電解液の流速は1.0m/sとし、また、電気分解には、周波数0.2Hz、デューティー比0.2、通電時の電流密度が15A/dm2〜45A/dm2のパルス電流を用い、通電の累積時間は5秒とした。
本実施例及び比較例においては、硝酸亜鉛六水和物を36g/L(0.12mol/L)と、硝酸アルミニウム十二水和物を60g/L〜80g/L(0.11mol/L〜0.15mol/L)とをそれぞれ含有するとともに、硫酸マグネシウム七水和物を0g/L〜120g/L(0mol/L〜0.5mol/L)含有する水溶液を電解液として使用した。電解液の温度は60℃、pHは2.5とした。さらに陰極−陽極間における電解液の流速は1.0m/sとし、また、電気分解には、周波数0.2Hz、デューティー比0.2、通電時の電流密度が15A/dm2〜45A/dm2のパルス電流を用い、通電の累積時間は5秒とした。
(第2の被膜の作成)
第1の被膜の作成に引き続き、第2の被膜の作成、即ち、有機樹脂の塗装を施した。有機樹脂は総量が0.8g/m2〜1.5g/m2となるように、第1の被膜上に形成させた。有機樹脂としては、ウレタン系樹脂エマルジョン液(シリカ、ポリエチレンワックスを樹脂固形分に対し、10質量%含有)を用いた。尚、比較例8のクロメート+有機樹脂塗装材については、電気亜鉛めっき鋼板上にクロメート処理(反応型クロメート+シーリングクロメート:クロム付着量10mg/m2)を施したものに、上記の第2の被膜と同様の有機樹脂被膜を1.0g/m2の量で形成させた。また、比較例7のEG+有機樹脂塗装材については、EGに第1の被膜を形成させずに、直接、有機樹脂被膜を1.0g/m2の量で形成させた。
第1の被膜の作成に引き続き、第2の被膜の作成、即ち、有機樹脂の塗装を施した。有機樹脂は総量が0.8g/m2〜1.5g/m2となるように、第1の被膜上に形成させた。有機樹脂としては、ウレタン系樹脂エマルジョン液(シリカ、ポリエチレンワックスを樹脂固形分に対し、10質量%含有)を用いた。尚、比較例8のクロメート+有機樹脂塗装材については、電気亜鉛めっき鋼板上にクロメート処理(反応型クロメート+シーリングクロメート:クロム付着量10mg/m2)を施したものに、上記の第2の被膜と同様の有機樹脂被膜を1.0g/m2の量で形成させた。また、比較例7のEG+有機樹脂塗装材については、EGに第1の被膜を形成させずに、直接、有機樹脂被膜を1.0g/m2の量で形成させた。
(被膜の分析)
上記により作製した第1の被膜の複合酸化物中の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの存在量については、酸化物の抽出に汎用されているヨウ素を含有したメタノール液に第1の被膜の複合酸化物を浸漬・抽出し、さらに酸分解したのち、ICP法にて各存在量について定量分析を行った。尚、複合酸化物被膜の総量は、上記定量分析値の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの合算値とし、アルミニウムの含有量は、アルミニウムの存在量に対する総量との比とした。
上記により作製した第1の被膜の複合酸化物中の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの存在量については、酸化物の抽出に汎用されているヨウ素を含有したメタノール液に第1の被膜の複合酸化物を浸漬・抽出し、さらに酸分解したのち、ICP法にて各存在量について定量分析を行った。尚、複合酸化物被膜の総量は、上記定量分析値の亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの合算値とし、アルミニウムの含有量は、アルミニウムの存在量に対する総量との比とした。
<評価>
上記条件により得られた表面処理鋼板、及び、クロメート+有機樹脂塗装材を供試材として以下に示す各種性能調査を行い、その性能を比較した。
上記条件により得られた表面処理鋼板、及び、クロメート+有機樹脂塗装材を供試材として以下に示す各種性能調査を行い、その性能を比較した。
(耐白錆性)
供試材の裏面及び端部をポリエステルテープによりシールして試験材とした。その後、当該試験材の表面に、塩水噴霧試験(SST)を240時間に亘って行い、試験材表面における白錆発生状況を観察した。評価は、以下に示す基準に基づいて行った。
◎ : 白錆発生なし
○ : 評価面に占める白錆発生面積の割合が5%未満
△ : 評価面に占める白錆発生面積の割合が5%以上20%未満
× : 評価面に占める白錆発生面積の割合が20%以上
供試材の裏面及び端部をポリエステルテープによりシールして試験材とした。その後、当該試験材の表面に、塩水噴霧試験(SST)を240時間に亘って行い、試験材表面における白錆発生状況を観察した。評価は、以下に示す基準に基づいて行った。
◎ : 白錆発生なし
○ : 評価面に占める白錆発生面積の割合が5%未満
△ : 評価面に占める白錆発生面積の割合が5%以上20%未満
× : 評価面に占める白錆発生面積の割合が20%以上
(カット部耐食性)
供試材の裏面及び端部をポリエステルテープによりシールして試験材とした。その後、当該試験材の表面に、素地に達するように約60mmのカット傷を付与したのち、塩水噴霧試験(SST)を72時間に亘って行い、カット部周辺の膨れ幅を測定した。膨れ幅はカットの部分を中心に外側に拡がる全幅とした。評価は以下に示す基準に基づいて行った。
◎ : 膨れ幅が5mm以下
○ : 膨れ幅が5mmより大きく、7mm以下
△ : 評価面に7mmより大きく、9mm以下
× : 評価面に9mmより大きい
供試材の裏面及び端部をポリエステルテープによりシールして試験材とした。その後、当該試験材の表面に、素地に達するように約60mmのカット傷を付与したのち、塩水噴霧試験(SST)を72時間に亘って行い、カット部周辺の膨れ幅を測定した。膨れ幅はカットの部分を中心に外側に拡がる全幅とした。評価は以下に示す基準に基づいて行った。
◎ : 膨れ幅が5mm以下
○ : 膨れ幅が5mmより大きく、7mm以下
△ : 評価面に7mmより大きく、9mm以下
× : 評価面に9mmより大きい
(樹脂被膜の密着性)
供試材を20mm×100mmのサイズに裁断し、被膜面が外側になるように180°曲げ(OT曲げ)を行い、曲げ部にポリエステルテープを貼り付け、被膜をテープ剥離させた。剥離したテープを黄色のカラークリアホルダー(LIHIT LAB.製)上に貼り付け、剥離部分のb値を測定した。測定装置には、拡散反射方式による色差計(ミノルタ製CR300)を用いた。評価は以下に示す基準で行った。
◎ : b値が55より大きい
○ : b値が53より大きく、55以下
△ : b値が50より大きく、53以下
× : b値が50未満
供試材を20mm×100mmのサイズに裁断し、被膜面が外側になるように180°曲げ(OT曲げ)を行い、曲げ部にポリエステルテープを貼り付け、被膜をテープ剥離させた。剥離したテープを黄色のカラークリアホルダー(LIHIT LAB.製)上に貼り付け、剥離部分のb値を測定した。測定装置には、拡散反射方式による色差計(ミノルタ製CR300)を用いた。評価は以下に示す基準で行った。
◎ : b値が55より大きい
○ : b値が53より大きく、55以下
△ : b値が50より大きく、53以下
× : b値が50未満
実施例1〜8、比較例1〜8の基材、電解浴組成、電気分解の際の電流密度、アルカリ処理の条件、複合酸化物被膜量及びその組成、並びに、上記評価結果について表1に示す。
(樹脂被膜の密着性2)
表1の実施例1及び比較例5について、神東塗料社製グリミン(アルキドメラミン塗料)を20um塗布し、130℃において焼付処理を行った。その後、1mm間隔の碁盤目切り込み(縦横10本の切り込み)を入れ、沸水(100℃)中に2時間浸漬したのち、乾燥し、テープによる塗膜剥離を評価した。その結果、比較例5については、全面的に剥離しているのに対し、実施例1については剥離がなかった。これは、アルカリ処理により、樹脂被膜の密着性が改善されたことで、その上に塗装を施した場合でも樹脂被膜ごと剥離することがなかったためと考えられる。
表1の実施例1及び比較例5について、神東塗料社製グリミン(アルキドメラミン塗料)を20um塗布し、130℃において焼付処理を行った。その後、1mm間隔の碁盤目切り込み(縦横10本の切り込み)を入れ、沸水(100℃)中に2時間浸漬したのち、乾燥し、テープによる塗膜剥離を評価した。その結果、比較例5については、全面的に剥離しているのに対し、実施例1については剥離がなかった。これは、アルカリ処理により、樹脂被膜の密着性が改善されたことで、その上に塗装を施した場合でも樹脂被膜ごと剥離することがなかったためと考えられる。
1 亜鉛系めっき層
2 第1の被膜(複合酸化物被膜)
3 第2の被膜(樹脂被膜)
6 金属材
10、20 表面処理亜鉛系めっき金属材
21 電気分解工程
22 アルカリ処理工程
23 樹脂被膜形成工程
2 第1の被膜(複合酸化物被膜)
3 第2の被膜(樹脂被膜)
6 金属材
10、20 表面処理亜鉛系めっき金属材
21 電気分解工程
22 アルカリ処理工程
23 樹脂被膜形成工程
Claims (5)
- 亜鉛系めっき層の上に第1の被膜を備える、表面処理亜鉛系めっき金属材であって、
前記第1の被膜が、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、
該複合酸化物に含まれる、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量が、50mg/m2以上500mg/m2以下であり、且つ、マグネシウムの量が5mg/m2以上であり、前記複合酸化物に含まれるアルミニウムの量は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの前記総量に対して40質量%以下であることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材。 - 亜鉛系めっき層の上に第1の被膜及び第2の被膜を備える、表面処理亜鉛系めっき金属材であって、
前記第1の被膜は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの複合酸化物を含み、
該複合酸化物に含まれる、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの総量が、50mg/m2以上500mg/m2以下であり、且つ、マグネシウムの量が5mg/m2以上であり、前記複合酸化物に含まれるアルミニウムの量は、亜鉛とアルミニウムとマグネシウムとの前記総量に対して40質量%以下であり、
前記第2の被膜は、前記第1の被膜上に形成された、0.8g/m2以上1.5g/m2以下の樹脂被膜であることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材。 - 0.05mol/L以上0.15mol/L以下の亜鉛イオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下のアルミニウムイオンと、0.05mol/L以上0.5mol/L以下のマグネシウムイオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下の硝酸イオンと、を含有するとともに、pHが1.0〜4.0である水溶液中で、亜鉛系めっき金属材を陰極として電気分解することにより、該亜鉛系めっき金属材に複合酸化物の被膜を形成する、電気分解工程と、
該被膜をpH11以上のアルカリ塩水溶液に接触させることで、該被膜として形成された前記複合酸化物の組成を調整する、アルカリ処理工程と、を備えることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法。 - 0.05mol/L以上0.15mol/L以下の亜鉛イオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下のアルミニウムイオンと、0.05mol/L以上0.5mol/L以下のマグネシウムイオンと、0.05mol/L以上0.15mol/L以下の硝酸イオンと、を含有するとともに、pHが1.0〜4.0である水溶液中で、亜鉛系めっき金属材を陰極として電気分解することにより、該亜鉛系めっき金属材に複合酸化物の被膜を形成する、電気分解工程と、
該被膜をpH11以上のアルカリ塩水溶液に接触させることで、該被膜として形成された前記複合酸化物の組成を調整する、アルカリ処理工程と、
該調整後の複合酸化物被膜上に第2の被膜として樹脂被膜を設ける樹脂被膜形成工程と、を備えることを特徴とする、表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法。 - 前記電気分解工程における電気分解が、パルス電流により、電流密度20A/dm2以上、40A/dm2以下の範囲で行われることを特徴とする、請求項3又は4に記載の表面処理亜鉛系めっき金属材の製造方法。
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