JPH02166261A - 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

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JPH02166261A
JPH02166261A JP32149788A JP32149788A JPH02166261A JP H02166261 A JPH02166261 A JP H02166261A JP 32149788 A JP32149788 A JP 32149788A JP 32149788 A JP32149788 A JP 32149788A JP H02166261 A JPH02166261 A JP H02166261A
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plating
less
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hot
plating film
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JP32149788A
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Yasuhisa Tajiri
田尻 泰久
Soichi Shimada
島田 聰一
Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、自動車や家電機器或は建材等に使用される
Fe−Zn合金めっき鋼板に関するものである。
[従来技術] 亜鉛めっき鋼板は安価て耐食性や強度に優れた材料とし
て広く使われており、なかでも自動車の内外板には耐食
性に加えて、加工性や塗装性を考慮したものが多量に使
われでいる。亜鉛めっき鋼板の量産法には、一般に電気
めっき法と溶融めっき法とがあるが、電気めっき法では
、低温で処理するので熱影響による相変化が無くめつき
皮膜の成分コントロールも容易であるが、めっき付着量
を多くするには処理時間を増さねばならない。これに対
して、溶融めっき法では処理時間を増すことなく簡単に
付着量を増すことが出来、めっき後熱処理を施すことに
より容易にFe−Zn合金を作ることが出来る。しかし
、めっき皮膜組成と生成される相のコントロールとに工
夫を要する。近年自動車用の鋼板では、塩害への対処等
もあってより高度の耐食性が要求され、これに呼応して
、付着量が容易に確保出来且つ経済的な溶融亜鉛めっき
を主体に、めっき組成や相をコントロールし、高い耐食
性を確保しながらその上で加工性や塗装性を合わせ持た
せることが試みられている。
加工性で最も問題になるのが耐パウダリング性であり、
塗装性で問題になるのが耐クレータリング性である。パ
ウダリングとは、プレス成形の際にめっき皮膜が粉状に
なって脱落する現象であり、クレータリングとは、めっ
き皮膜に化成処理を施した後に行う電着塗装処理におい
て塗膜に目視てきる凹凸(クレータ)が発生する現象で
ある。前者はめっき皮膜中に鉄含有率の高い「相(Fe
3 znlo、Fe2O〜28wt%)が生成され、こ
れが硬くて脆いために起こり、後者はめっき皮膜表面の
不均一さ(表面形状、酸化膜、めっき皮膜相構造等)に
起因して発生する。
従来1、自動車用に使用されている合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板は、溶融めっき後金めっき皮膜平均の鉄含有率が
10wt%前後に達するまで合金化処理を施し、めっき
表面までF、eを拡散させて耐食性、特に塗装後耐食性
を向上させたちのである。
即ち、鋼板に連続的に前処理(熱処理を含む〉を施して
素材を調整した後、亜鉛を溶融しためっき浴に浸漬して
めっきし、後続してこのめっき鋼板を合金化炉内で50
0 ’Cから700℃の温度に急速に昇温させ短時間(
10〜30秒)保持して、めっき皮膜の鉄含有率を10
%前後に合金化させたものである。しかし、このように
して作られる合金化溶融亜鉛めっ−き鋼板は急速な昇温
によって高温に加熱されるので、めっき皮膜中の鉄含有
率が場所により異なりがちで、めっき皮膜の面方向及び
深さ方向共に合金化が不均一になること、これに加えて
めっき皮膜内での鉄濃度勾配が大きくなり、表層の鉄含
有量を確保するため鋼素地との界面の鉄含有率が高まり
「相の生成が避けられないこと、更に高温処理と急速冷
却によりめっき皮膜に熱応力が発生すること等の問題を
抱えている。
一方、合金化処理を一次、二次の二工程に分けて処理す
る方法が提案されている。例えば、特公昭59−145
41号では、−次加熱において、めっき皮膜の平滑性を
得るためにZnめっき皮膜を再溶融させる急速昇温高温
加熱を行う。この加熱ては鉄含有率を2.2〜5.5w
t%の低い範囲に留めるので、この−次加熱の結果に応
じて、次加熱を亜鉛の融点以下の低温で時間をかけて行
い、鉄含有率を6〜13wt%の範囲に納めるものであ
る。そしてこの方法によって、表面が平滑で外観が優れ
、且つ加工の際に剥離やパウダリングのない合金化溶融
亜鉛めっき皮膜が得られることを開示している。
他方、めっき皮膜表層のみの鉄含有率を高めて耐クレー
タリング性を改善したものも提案されている。例えば、
特公昭58−15554号の提案は、耐食性金属層を内
層とし、その上に鉄含有率の高いFe−Zn合金被覆層
を付してカチオン電着塗装性を向上させなめっき鋼板で
ある。この提案では、内層である前記耐食性金属層とし
て溶融亜鉛めっき後に熱処理によりFe−Zn合金化し
た合金化溶融亜鉛めっき層が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら上述した特公昭59−1454.1号では
、耐クレータリンク性を満足するものではない。耐クレ
ータリング性に関しては、表面の鉄含有率は不十分であ
る。又、耐パウダリング性に関しても、溶融亜鉛めっき
後急速昇温高温加熱によって合金化処理を行うのて合金
化反応が不均一に進むことが避けられず、その結果、加
工性に劣る1層が成長してしまう。更に場合によっては
、合金化されない部分と合金化の進んだ部分とが混在し
ていわゆる焼けむらの現象を呈したりする。
このように、−次加熱が不均一になり易いので、−次加
熱の結果を基にした二次加熱条件が極めて複雑になり実
操業ではその実施に大きな困難を伴う。
特公昭58−15554号では、めっき表面の鉄濃度を
飛躍的に高めたので、耐クレータリング性は改善される
か、溶融亜鉛めつき後の熱処理によって合金化を完結さ
せているので、特公昭591454、1号と同様に合金
化の不均一さの問題があり、加えてめっき皮膜内での鉄
濃度勾配が大きくなり、鉄濃度の高くなる鋼素地との界
面では「相が成長してしまう。又、急熱急冷による熱歪
も耐パウダリング性にとっては好ましくない。
このように、耐パウダリング性、耐クレータリング性を
満たすべく工夫がなされてきたが、未だ両特性を共に満
足させる溶融亜鉛めっき鋼板は得られていない。
この問題を解決するために、この発明はなされたもので
、耐食性に加えて耐パウダリング性と耐クレータリング
性とを共に満たずめっき鋼板の製造法を提供することを
目的とするものである。
[課題を解決するための手段及び作用]この目的を達成
するための手段は、 (1)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であり
、 (イ)通常の前処理を施した鋼板をAl0.05wt%
以上0.3wt%以下、且つPb0.2wt%以下を含
有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30 g/m
2以上90g/m2以下の下層めっきを施す工程。
(ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
率を3wt%以上8wt%以下の範囲、且つ皮膜中の亜
鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う工
程、 (ハ)前記合金化処理された溶融亜鉛めっき鋼板の片面
又は両面に0.5g/ni”以J: 10 g/+n2
以下の付着量でCu、Co、Mo、Ni、Sn、VWか
ら選ばれた一種または二種具」−を合計が0.001w
t%以上5wt%以下含有するFe合金の上層めっきを
施す工程、 そして(ニ)前記工程でめっきを施した鋼板を非酸化性
又は還元性雰囲気に維持した炉内で250℃以上亜鉛の
融点以下の温度範囲で20秒以上50時間以下加熱する
工程。
(2)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である
〈イ)通常の前処理を施した鋼板をAft、05wt、
%以上0.3wt%以下、且つPb0.2wt%以下を
含有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30’g/
ni2以上90 gIn12以下の下層めっきを施す工
程、 (ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
率を3wt%以上8wt%以下の範囲、且つ皮膜中の亜
鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う工
程、 (ハ)めっき皮膜が溶融状態であるうちに鋼板の片面又
は両面にCu、Co、Mo、Ni、Sn■、Wから選ば
れた一種または二種以上を合計が0.001wt%以上
5wt%以下含有するFe合金パウダーを吹き付けて付
着量0.5g/rn2以上10g/rn2以下の上層め
っきを施す工程、(二〉めっき皮膜が固化した後スキン
パス処理を行い溶融亜鉛めっき皮膜の表面を平滑化する
工程、 そして(ホ)前記工程で平滑化しためっき皮膜を有する
鋼板を非酸化性又は還元性雰囲気に維持した炉内て25
0℃以上亜鉛の融点以下の温度範囲で20秒以−h50
時間以下加熱する工程。
り上の手段について、以下にその作用も含め、詳しく述
べる。
先ず、めっき用の鋼板は冷延鋼板でも熱延鋼板てもよく
、通常の前処理として表面調整とともに焼鈍処理を施し
てもよい。
溶融亜鉛めっき浴には通常、Fe−7n合金反応の抑制
やめっき面の平滑化等のためA、Oが0.2wt%前後
添加されており、スパングル調整のためpbが含まれて
いる。このうちAlは合金化抑制効果を持つのて、0.
05wt%以上添加し、溶融亜鉛めっき浴浸漬後のFe
−Zn合金が部分的旧つ不均一に生成することを防ぐ。
この工程で不均一にFe−Zn合金を生成させないこと
は重要なことてあり、−旦不均−化すると後の工程て修
正することが出来ない。A(の添加量が多過ぎて0.3
wt%を超えると合金化の抑制効果が過剰となり、後の
合金化処理に時間が掛かり過ぎ工業的には不適切になる
。pbは合金化反応には直接関与しないが、多量のpb
は耐パウダリンク性を低下させるので、0.2wt%以
下に制限しなければならない。
ここて付着される下層めっき層は、後に付着される薄い
上層めっき層と一体構造となったときめっき皮膜の大半
を占める皮膜内層部となるが、耐食性と耐パウダリング
性の殆どがこの層によって決まってしまう。下層めっき
層の付着量は、高耐食性を発揮するために、30g/+
n2以上の付着量が必要である。しかし90g/m2を
超えて付着させても過剰品質となるばかりか、後の工程
の低温で行う再加熱処理において、長時間を要し生産性
を低下させる。又、一般にめっき皮膜が厚くなると加工
時に皮膜の破壊や剥離が起こることがあり、合金化溶融
亜鉛めっき鋼板の場合ではパウダリングが起こり易くな
る。
Fe−Zn合金めっき鋼板の場合、めっき付着量の他に
皮膜中の鉄含有率が耐食性特に塗装後耐食性に大きく影
響する。このため、めっき付着工程に連続して合金化処
理を行う。この処理は合金化処理炉内にめっきした鋼板
を通ずことによって鋼板を昇温し、鋼素地から亜鉛めっ
き層中にFeを拡散させることによって行うが、この際
、合金化の度合いとして鉄含有率が3wt%から8wt
%の範囲にコントロールし合金化未完の状態にしておく
。即ち、本発明後の工程で行なう再加熱処理によって、
溶融亜鉛めっき層の合金化を完了させるが、後加熱時間
をできるだけ短縮し、なおかつ耐パウダリングを劣化さ
せないために3wt%以上の鉄含有率は必要であるが、
一方、8wt%以下にとどめることによって、亜鉛めっ
き層の全てを合金化させることはぜずに、η相(純Zn
)を残しておく。このη相を残しておかないと、後の工
程で行う再加熱処理において上層から下層へのFeの拡
散が容易には行われなくなり、その結果、両層間の密着
力が十分には向上せず、プレス時におけるめっき皮膜表
層の一部脱落が避けられなくなる。又、連続溶融亜鉛め
っき設備内での合金化処理では短時間(数秒内至数十秒
)ではあるが、亜鉛の融点(419,5°C)以上の高
温となるので、Fe−Zn合金として、「相、δ1相、
ζ相等の生成及び成長が考えられる。このうち「相は硬
くて脆く、耐パウダリング性を劣化させるので好ましく
ないが、上記の条件てあれば殆ど成長ぜず耐パウダリン
グ性には悪影響を与えない。
連続式溶融亜鉛めっき設備内での合金化処理後に、ミス
トスプレィやパウダスプレィ等によってスパングルの微
細化を行うと亜鉛結晶配向のマクロ的不均−が解消され
、後の工程で行う上層めっきの被覆率がよくなるので、
必要であれば施すとよい。又、合金化処理後にスキンパ
スを行いめっき皮膜表面を平滑化することも、上層めっ
き皮膜の被覆率や塗装後の鮮映性を効率的に向上さぜる
ことかてきる。
このように合金化処理された溶融亜鉛めっき鋼板の上に
Cu、Co、Mo、Ni、Sn、VWから選ばれた一種
または二種以上を合計が0.001wt%以上5wt%
以下含有するFe合金の上層めっきを施すが、これはめ
っき皮膜表層に耐クレータリング性を付与することと、
この後の工程で内層にFeを拡散さぜるためである。耐
クレータリンク性の観点からの上層めっきの付着量は0
−5 g/+n2から10g/m2であることが必要で
ある。自動車用には、合金化溶融亜鈴めっき鋼板は、め
っき面に化成処理(燐酸塩処理)を施した後カチオン電
着塗装が施されるが、この化成処理によって生成される
燐酸塩結晶に、Feを含むホスホフィライト[Zn2F
e (PO4)24H20]と称する粒状で緻密な結晶
とFeを含まないホパイト[Zn3(PO4)24H2
0Fと称する粗大な針状結晶とがある。そしてクレータ
発生原因の一つに化成処理皮膜欠陥部への局所的な電流
集中が考えられるが、ホスホフィライトで形成さる皮膜
はポパイトのそれより緻密で欠陥部が少ない。したがっ
て、ホスホフィライトが生成し易いようにめっき面上で
十分なFeを供給してやれば、クレータは生しにくくな
る。この発明の方法による上層めっきはFe95%以上
のFe−Cu、C。
Mo、Ni、Sn、V、W合金であるので、Feの供給
が行なえ、クレータの発生は減少する。
付着量は0.5g/rn”未満ではめっき面全体にわた
って十分にFeを供給することが出来ない。又10 g
/m”を超えて付着した場合にはその効果が飽和し、コ
スト的に不利になるばかりでなく、塗装後耐食性におい
ても赤錆が発生し易くなる。
また、めっき皮膜表層にC,H、Co、、 M ONi
、Sn、V、Wが含まれていると、化成処理時にFeの
溶解が促進され、前記ホスホフィライトが生成しやすく
なる。この際、めっき皮膜中のCu、Co、Mo、Ni
、Sn、V、W含有率が0.001wt%未溝ではFe
の溶解を促進する作用を発揮するに至らず、5.wt、
%を超えるとその溶解促進効果は飽和する。この発明に
よる上層めっきはCu、Co、Mo、Ni、Sn、V、
W含有率が0.001 wt%以上5wt%であるので
、Feの供給が順調に行われ、緻密で均一な化成処理皮
膜が形成される。このため、クレータの発生は著しく減
少する。
上記上層めっきの処理方法は、亜鉛の融点より低い温度
で処理する方法であれば、電気めっき、蒸着めっき、溶
射等どのような方法でもよい。この上層めっき処理を合
金パウダー吹き付りで行うときは、先の溶融亜鉛めっき
層の残存72相が溶融状態のうちに行うとスパンクルの
微細化も同時に行われる。しかし、この場合上層めっき
後表面の平滑性は期待出来ないので、スキンパス処理に
よって平滑化する必要がある。このスキンパス処理は伸
長率0.3%以−Eで行うとめっき面は平滑となるが、
伸長率が大き過ぎて5%を超えると、一般の薄板用鋼板
では加工性に影響するおそれがある。
又、用途によっては片面はクレータ等外観を問題にしな
いこともあり、このような場合片面にはこの上層めっき
皮膜がなくてもよく、又他のめっき皮膜を付してもよい
最後の工程ではめっき鋼板を再度加熱する。即ち、1度
にわたって施しためっき層を低温で丁寧に加熱し、「相
の生成を防ぎながら、合金化を完成させ同時に両めっき
層間の成分拡散によって組成を連続させ一体構造のめっ
き皮膜を造り上げる。この再加熱処理の条件は、250
℃以上亜鉛の融点以下の温度範囲で20秒から15時間
の加熱である。250°C未満てはめっき層中でのFe
原子の拡散促進効果が小さく、塗装後耐食性を確保する
に足る合金化度を得るのに時間が掛かり過ぎ工業的でな
い。温度を亜鉛の融点(419,5℃)よりも高くする
と、部分的にFe原子の拡散が促されることがあり、合
金化が急速に進む箇所が現れ却って不均一さや熱歪みを
助長しかねなく又F相の生成も無視できなくなる。第1
図は上記の温度範囲で、パウダリングとクレータリング
の両者が共に発生しない条件を調べたもので、横軸は加
熱時間縦軸は加熱温度である。図で、点a。
b、c、dを結ぶ線で囲まれた範囲が、パウダリング及
びクレータリングを発生させない実操業上好ましい条件
範囲で、加熱時間については、a点の時間座標から0点
の時間座標まで、即ち20秒以上15時間以下となる。
以上の加熱条件で熱処理を行うと、Feは下層めっき層
へ鋼索地側からと上層めっき側とから拡散するので、内
層では大きなFe濃度差が出来ずに適正な合金化か達成
される。このとき下層には上層に近い部分にη相が残っ
ているのて、上下両眉間の拡散か進行し易い。このなめ
、残っていたη相は消滅し、P相は実質的に生成せず、
δ1相とζ相とのみからなるめっき皮膜が得られる。め
っき皮膜と鋼素地との境界層で「相か05μm以上の厚
さに成長していないと検出することは困難であるが、こ
の条件で処理されためっき皮膜ではP相は検出されず、
δ、相とζ相とのみが検出される。そして、このめっき
皮膜は、急速な高温加熱を避けているのて鉄含有率は面
に沿って均一となりめっき鋼板のどの部分ても所定の耐
食性、加工性、塗装性を発現し、品質の非常に安定した
製品となる。又、鉄含有率も5wt%から20wt%の
範囲に収まる。しかし、実操業時に起こりがちな条件の
バラツキ等を考えると特に好ましいのは、加熱温度が2
60℃から400°Cまで、加熱時間が10分から10
時間までである。この場合めっき皮膜の鉄含有率は7w
t%から1.3wt%の範囲に収まる。更に、この熱処
理によって、上層と下層はF’e−Znの熱拡散によっ
て一体構造となり、各々めっき皮膜の表層と内層とを形
成すると共に熱歪みも除去される。これによってめっき
皮膜は機械的性質や電気化学的性質が隣接した部分で極
端に異なることが無くなるので、表層と内層との密着も
完全となり同時に加工性及び耐食性においても優れたも
のとなる。この加熱処理は、非酸化性又は還元性雰囲気
に維持した炉内で行うが、非酸化性又は還元性雰囲気で
行うのは表面の酸化を防ぎ、塗装前の化成処理において
化成皮膜結晶が不均一になることを避けるなめであり、
短時間で処理する場合は連続炉を用い、長時間掛けて処
理する場合はバッチ式焼鈍炉を用いるとよい。
[実施例] 二種類の鋼板を使用し、下層めっきである溶融亜鉛めっ
きの条件、上層めっき条件及び合金化処理条件を変えて
処理した25例(実施例)の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
について、めっき皮膜中の鉄含有率を調べ、パウダリン
グ試験及びクレータリング試験を行って評価した。なお
比較のために、この発明の範囲外の条件で処理した7例
(比較例)及び従来技術による3例(従来例)について
も同様に調べた。条件の詳細は以下の通りである。
用いた鋼板は板厚0.8111の冷延鋼板で、汎用され
ている薄板用低炭素A(キルド(素材A)及び高加工用
でパウダリングを起こし易いと言われている超低炭チタ
ン含有鋼(素材B〉とである。
各々の成分を第1表に示す。
第 1 表        (重量%)下層の溶融亜鉛
めっきは、無酸化炉、還元加熱炉を備えた連続式めっき
設備で行い、めっき浴直後に設けられた気体絞り装置に
よって付着量の調整を行った後連続して合金化処理を行
った。めっき層が冷却後伸長率1.5%でスキンパスを
行い表面を平滑にし、この上にFe−Cu、C。
Mo  Ni、Sn、V、W、Ni十Cu。
Co+Ni合金の上層めっきを付した。再加熱処理は、
実施例N[Li2及び比較例N[L 7では連続炉を用
い、他の例ではバッチ炉を用いた。上層めっきには、電
気めっき、プラズマ溶射又はパウダースプレィの方法を
用いたが、これらは各々次の条件で処理した。
(1)電気めっき F e25O41NH4)・6H20350g/IMe
S○4 ・7H200,5g〜5g/A(MeはCu、
Co、Mo、Ni、Sn、V、又はW)CH3COON
 H420g/ 4 pH2,2 浴温              50 °C陰極電流
密度          50 A/dm2(2)プラ
ズマ溶射 プラズマガス           Ar溶射入熱  
        20 K Wン容 射 「巨 離  
                         
 1  0 0  mm平均粉末粒径        
約5μm粉末供給速度         5 g/mi
n dni2(3)パウダースプレィ 平均粉末粒径        約5μm粉末供給速度 
        3 g/mm d+n2めっき皮膜中
の鉄含有率は、オージェ電子スペクトロメトリー及びグ
リムグロー放電発光分光分析によって、それぞれめっき
皮膜表層及び内層について調べた。
耐パウダリンク性は、曲率半径21111で90度に曲
げた後、曲げの内側に粘着テープを貼り付け、これを剥
して、パウダーがこの粘着テープに付着した状況を目視
観察し、点数付けて評価した。評点の基準は、1.全く
付着無し、2:極くわずかに付着、3;わずかに付着、
4.少し付着、5かなり付着、の五段階である。
耐クレータリング性は、めっき面に化成処理を施し、次
いで電着塗装を行い、このとき発生したクレータの数(
個/ ct+t )で評価した。化成処理には市販され
ている浸漬型の燐酸塩系処理剤を用いた。電着塗装には
やはり市販されているカチオン電着塗料を用いたが、調
合後−週間攪拌し、極間距離4 cmで電着電圧300
■を瞬時に印加して電着した。
これらの例の各々の処理条件と調査結果を第2表、第3
表に示す。
実施例では、素材Bでも耐パウダリング性に劣るものは
なく、上限付着量であるNO,6で極く僅かにパウダリ
ングが認められたが実用上は問題がない。耐クレータリ
ング性では、上層めっきが下限付着量であるNo、 1
3で1個内至2個の小さなりレータが発見されたが、こ
れも実用上は問題ない。このように、実施例では全ての
合金化溶融亜鉛めっき鋼板が耐パウダリンク性と耐クレ
ータリング性とを兼ね備えている。又、内層の鉄含有率
も7wt%から13wt%の範囲内にあり、塗装後耐食
性を十分に確保するものである。
一方、発明の範囲から外れた条件で処理された比較例で
は、溶融亜鉛めっき洛中にA、Cを含まないN[L 1
 、再加熱温度及び時間過剰のNo、 2−下層めっき
後の合金化で鉄含有率8wt%を超えたNO,3、浴中
pbの多いNo、 4 、付着量の多すぎるNo、 5
 、、再加熱温度の高過ぎるNo、 7等で耐パウダリ
ング性に問題があり、上層めっきを施さないN016て
は耐クレータリング性に劣っている。
従来例では、N011は急速昇温高温加熱のみにより合
金化したもので両特性に問題があり、N02は急速昇温
高温加熱の後低温で合金化調整したもので耐クレータリ
ンクが劣り、No、3は急速昇温高温加熱によって合金
化しその上に鉄含有率80%のFe−Znめっき層を付
し再加熱処理を行なわなかったもので、耐パウダリング
性に劣る。このように、従来例では両特性が同時には満
足されていない。
次に本発明によるめっき皮膜の内層の鉄含有率分布を調
べた。
ここては実施例N093の合金化溶融亜鉛めっきコイル
(幅1800mm>の幅方向について、200mm間隔
でめっき皮膜内層の鉄含有率を調べ、その分布状況を従
来例No、 2と比較した。その結果を第2図に示す。
図において横軸はコイル左端からの距離、縦軸は鉄含有
率であり、○印は実施例No、 3について、・印は従
来例No、 2についてプロットしたものである。図か
ら明らかなように実施例N013の鉄含有率は平均8.
6wt%であり、全ての測定点が8.4wt%から8.
8wt%の間に分布していた。これに対して従来例NO
12の鉄含有率は平均8.3wt%であるが、全ての測
定点が7.9wt%から8.8wt%の間に分布しバラ
ツキか大きかった。
なお、めっき皮膜と鋼素地との境界部にF相が存在して
いるか否かを調べるため、実施例N[L 1からNo、
 25迄の試料について、めっき皮膜の上層約分の二を
取り除きX線回折を行ったが、何れの試料についてもF
相は検出されなかった。
[発明の効果] この発明によれば、めっき皮膜中に「相が実質的に存在
せず、化成処理性のよい鉄合金めっきの表層と適正な鉄
含有率をもつ内層とが一体構造になり、しかも鉄含有率
の分布が面方向に均一な皮膜を有する溶融亜鉛めっき鋼
板、即ち、十分な耐食性に加えて優れた耐パウダリング
性と耐パウダリング性とを兼ね備え且つ品質の極めて安
定した溶融亜鉛めっき鋼板が製造される。このような優
れた製品を簡明な工程で容易に製造出来るこの発明の産
業上の効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の詳細な説明するための熱処理条件と
特性適正との関係を示す図、第2図は本発明の一実施例
の鉄含有率の分布を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (イ)通常の前処理を施した鋼板をAl:0.05wt
    %以上0.3wt%以下、且つPb:0.2wt%以下
    を含有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30g/
    m^2以上90g/m^2以下の下層めつきを施す工程
    、 (ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
    亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
    率を3wt%以上8wt%以下の範囲、且つ皮膜中の亜
    鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う工
    程、 (ハ)前記合金化処理された溶融亜鉛めっき鋼板の片面
    又は両面に0.5g/m^2以上10g/m^2以下の
    付着量で、Cu、Co、Mo、Ni、Sn、V、Wから
    選ばれた一種または二種以上を合計が0.001wt%
    以上5wt%以下含有するFe合金の上層めっきを施す
    工程、 そして (ニ)前記工程でめっきを施した鋼板を非酸化性又は還
    元性雰囲気に維持した炉内で250℃以上亜鉛の融点以
    下の温度範囲で20秒以上15時間以下加熱する工程。
  2. (2)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (イ)通常の前処理を施した鋼板をAl0.05wt%
    以上0.3wt%以下、且つPb0.2wt%以下を含
    有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30g/m^
    2以上90g/m^2以下の下層めっきを施す工程、 (ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
    亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
    率を3wt%以上8wt%以下の範囲、且つ皮膜中の亜
    鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う工
    程、 (ハ)めっき皮膜が溶融状態であるうちに鋼板の片面又
    は両面にFe95wt%以上100wt%未満、Cu、
    Co、Mo、Ni、Sn、V、Wから選ばれた一種また
    は二種以上を合計が0.001wt%以上5wt%以下
    のFe−Cu、Co、Mo、Ni、Sn、V、W合金パ
    ウダーを吹き付けて付着量0.5g/m^2以上10g
    /m^2以下の上層めっきを施す工程、 (ニ)めっき皮膜が固化した後スキンパス処理を行い溶
    融亜鉛めっき皮膜の表面を平滑化する工程、そして (ホ)前記工程で平滑化しためっき皮膜を有する鋼板を
    非酸化性又は還元性雰囲気に維持した炉内で250℃以
    上亜鉛の融点以下の温度範囲で20秒以上15時間以下
    加熱する工程。
JP32149788A 1988-12-20 1988-12-20 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Pending JPH02166261A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100478725B1 (ko) * 1997-11-21 2005-08-29 주식회사 포스코 도금부착성및합금화처리성이우수한고강도합금화용융아연도금강판의제조방법

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KR100478725B1 (ko) * 1997-11-21 2005-08-29 주식회사 포스코 도금부착성및합금화처리성이우수한고강도합금화용융아연도금강판의제조방법

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