JPH02138482A - 加工法、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

加工法、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Info

Publication number
JPH02138482A
JPH02138482A JP28919888A JP28919888A JPH02138482A JP H02138482 A JPH02138482 A JP H02138482A JP 28919888 A JP28919888 A JP 28919888A JP 28919888 A JP28919888 A JP 28919888A JP H02138482 A JPH02138482 A JP H02138482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
less
steel plate
zinc
hot
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP28919888A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhisa Tajiri
田尻 泰久
Soichi Shimada
島田 總一
Michitaka Sakurai
理孝 櫻井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NKK Corp, Nippon Kokan Ltd filed Critical NKK Corp
Priority to JP28919888A priority Critical patent/JPH02138482A/ja
Publication of JPH02138482A publication Critical patent/JPH02138482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Coating With Molten Metal (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、自動車や家電機器或は建材等に使用される
Fe−Zn合金めっき鋼板に関するものである。
[従来技術] 亜鉛めっき鋼板は安価で耐食性や強度に優れた材料とし
て広く使われており、なかでも自動車の内外板には耐食
性に加えて、加工性や塗装性を考慮したものが多量に使
われている。亜鉛めっき鋼板の量産法には、一般に電気
めっき法と溶融めっき法とがあるが、電気めっき法では
、低温で処理するので熱影響による相変化が無くめつき
皮膜の成分コントロールも容易であるが、めっき付着量
を多くするには処理時間を増さねばならない。これに対
して、溶融めっき法では処理時間を増すことなく簡単に
付着量を増すことが出来、めっき後熱処理を施すことに
より容易にFe−Zn合金を作ることが出来る。しかし
、めっき皮膜組成と生成される相のコントロールとに工
夫を要する。近年自動車用の鋼板では、塩害への対処等
もあってより高度の耐食性が要求され、これに呼応して
、付着量が容易に確保出来且つ経済的な溶融亜鉛めっき
を主体に、めっき組成や相をコントロールし、高い耐食
性を確保しながらその上で加工性や塗装性を合わせ持た
せることが試みられている。
加工性で最も問題になるのが耐パウダリング性であり、
塗装性で問題になるのが耐クレータリング性である。パ
ウダリングとは、プレス成形の際にめっき皮膜が粉状に
なって脱落する現象であり、クレータリングとは、めっ
き皮膜に化成処理を施した後に行う電着塗装処理におい
て塗膜に目視できる凹凸(クレータ)が発生する現象で
ある。前者はめっき皮膜中に鉄含有率の高い「相(Fe
s Zn1O+ Fe2O〜28wt%)が生成され、
これが硬くて脆いために起こり、後者はめっき皮膜表面
の不均一さく表面形状、酸化膜、めっき皮膜相構造等)
に起因して発生する。
従来、自動車用に使用されている合金化溶融亜鉛めっき
鋼板は、溶融めっき後金めっき皮膜平均の鉄含有率が1
0wt%前後に達するまで合金化処理を施し、めっき表
面までFeを拡散させて耐食性、特に塗装後耐食性を向
上させたものである。
即ち、鋼板に連続的に前処理(熱処理を含む)を施して
素材を調整した後、亜鉛を溶融しなめっき浴に浸漬して
めっきし、後続してこのめつき鋼板を合金化炉内で50
0℃から700℃の温度に急速に昇温させ短時間(10
〜30秒)保持して、めっき皮膜の鉄含有率を10%前
後に合金化させたものである。しかし、このようにして
作られる合金化溶融亜鉛めっき鋼板は急速な昇温によっ
て高温に加熱されるので、めっき皮膜中の鉄含有率が場
所により異なりがちで、めっき皮膜の面方向及び深さ方
向共に合金化が不均一になること、これに加えてめっき
皮膜内での鉄濃度勾配が大きくなり、表層の鉄含有量を
確保するため鋼素地との界面の鉄含有率が高まり「相の
生成が避けられないこと、更に高温処理と急速冷却によ
りめっき皮膜に熱応力が発生すること等の問題を抱えて
いる。
一方、合金化処理を一次二次の二工程に分けて処理する
方法が提案されている。例えば、特公昭59−1454
1号では、−次加熱において、めっき皮膜の平滑性を得
るためにZnめっき皮膜を再溶融させる急速昇温高温加
熱を行う。この加熱では鉄含有率を2.2〜5.5wt
%の低い範囲に留めるので、この−次加熱の結果に応じ
て、二次加熱を亜鉛の融点以下の低温で時間をかけて行
い、鉄含有率を6〜13wt%の範囲に納めるものであ
る。そしてこの方法によって、表面が平滑で外観が優れ
、且つ加工の際に剥離やパウダリングのない合金化溶融
亜鉛めっき皮膜が得られることを開示している。
他方、めっき皮膜表層のみの鉄含有率を高めて耐クレー
タリング性を改善したものも提案されている。例えば、
特公昭58−15554号の提案は、耐食性金属層を内
層とし、その上に鉄含有率の高いFe−Zn合金被覆層
を付してカチオン電着塗装性を向上させためっき鋼板で
ある。この提案では、内層である前記耐食性金属層とし
て溶融亜鉛めっき後に熱処理によりFe−Zn合金化し
た合金化溶融亜鉛めっき層が開示されている。
[発明が解決しようとする課題] しか【7ながら上述した特公昭59−14541号では
、耐クレータリング性を満足するものではない、耐クレ
ータリング性に関しては、表面の鉄含有率は不十分であ
る。又、耐パウダリング性に関しても、溶融亜鉛めっき
後急速昇温高温加熱によって合金化処理を行うので合金
化反応が不均一に進むことが避けられず、その結果、加
工性に劣る1層が成長してしまう。更に場合によっては
、合金化されない部分と合金化の進んだ部分とが混在し
ていわゆる焼けむらの現象を呈したりする。
このように、−次加熱が不均一になり易いので、−次加
熱の結果を基にした二次加熱条件が極めて複雑になり実
操業ではその実施に大きな困難を伴う。
特公昭58−15554号では、めっき表面の鉄濃度を
飛躍的に高めたので、耐クレータリング性は改善される
が、溶融亜鉛めっき後の熱処理によって合金化を完結さ
せているので、特公昭59−14541号と同様に合金
化の不均一さの問題があり、加えてめっき皮膜内での鉄
濃度勾配が大きくなり、鉄濃度の高くなる鋼素地との界
面では「相が成長してしまう、又、急熱急冷による熱歪
も耐パウダリング性にとっては好ましくない。
このように、耐パウダリング性、耐クレータリング性を
満たすべく工夫がなされてきたが、未だ両特性を共に満
足させる溶融亜鉛めっき鋼板は得られていない。
この問題を解決するために、この発明はなされたもので
、耐食性に加えて耐パウダリング性と耐クレータリング
性とを共に満たすめっき鋼板の製造法を提供することを
目的とするものである。
[課題を解決するための手段及び作用]この目的を達成
するための手段は、 (1)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法であり
、 (イ)通常の前処理を施した鋼板をAft、05wt%
以上0.3wt%以下、且つPb0.2wt、%以下を
含有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30g/m
2以上90g/m”以下の下層めっきを施す工程、 (ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
率を3wt%以上8wt、%以下の範囲、且つ皮膜中の
亜鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う
工程、 (ハ)前記合金化処理された溶融亜鉛めっき鋼板の片面
又は両面に0.5g/m”以上10g/m”以下の付着
量でFeが97wt%以上100wt%未溝、Pが0.
001wt、%以上3wt、%以下のFe−P合金の上
層めっきを施す工程、 そして(ニ)前記工程でめっきを施した鋼板を非酸化性
又は還元性雰囲気に維持した炉内で250℃以上亜鉛の
融点以下の温度範囲で20秒以−E15時間以下加熱す
る工程 (2)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法である
(イ)通常の前処理を施した鋼板をAft、05wt%
以上0.3wt%以下、且つPb0.2wt%以下を含
有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30g/ma
以上90g/m”以下の下層めっきを施す工程、 (ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
率を3wt%以上8wt%以下の範囲、且つ皮膜中の亜
鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う工
程、 (ハ)めっき皮膜が溶融状態であるうちに鋼板の片面又
は両面にFeが97wt%以上100vt%未溝、Pが
0.001wt%以上3wt%以下のFe−P合金パウ
ダーを吹き付けて付着量0.5g/m’以上10g/m
”以下の上層めっきを施す工程、く二)めっき皮膜が固
化した後スキンバス処理を行い溶融亜鉛めっき皮膜の表
面を平滑化する工程、 (ホ)前記工程で平滑化しためっき皮膜を有する鋼板を
非酸化性又は還元性雰囲気に維持した炉内で250℃以
上亜鉛の融点以下の温度範囲で20秒以上15時間以下
加熱する工程。
以上の手段について、以下にその作用も含め、詳しく述
べる。
先ず、めっき用の鋼板は冷延鋼板でも熱延鋼板でもよく
、通常の前処理として表面調整とともに焼鈍処理を施し
てもよい。
溶融亜鉛めっき浴には通常、Fe−Zn合金反応の抑制
やめっき面の平滑化等のためAρが0゜2wt%前後添
加されており、スパングル調整のためPbが含まれてい
る。このうちAfは合金化抑制効果を持つので、0.0
5wt%以上添加し、溶融亜鉛めっき浴浸漬後のFe−
Zn合金が部分的且つ不均一に生成することを防ぐ、こ
の工程で不均一にFe−Zn合金を生成させないことは
重要なことであり、−旦不均−化すると後の工程で修正
することが出来ない、A、ffの添加量が多過ぎて0.
3wt%を超えると合金化の抑制効果が過剰となり、後
の合金化処理に時間が掛かり過ぎ工業的には不適切にな
る。pbは合金化反応には直接関与しないが、多量のp
bは耐パウダリング性を低下させるので、0.2wt%
以下に制限しなければならない。
ここで形成される下層めっき層は、後に形成される薄い
上層めっき層と一体構造となったときめっき皮膜の大半
を占める皮膜内層部となるが、耐食性と耐パウダリング
性の殆どがこの層によって決まる。下層めっき層の付着
量は、高耐食性を発揮するために、30g/m”以上の
付着量が必要である。しかし、90g/m”を超えて付
着させても過剰品質となるばかりか、後の工程の低温で
行う再加熱処理において長時間を要し生産性を低下させ
る。又、−JRにめっき皮膜が厚くなると加工時に皮膜
の破壊や剥離が起こることがあり、合金化溶融亜鉛めっ
き鋼板の場合ではパウダリングが起こり易くなる。
Fe−Zn合金めつき鋼板の場合、めっき付着量の他に
皮膜中の鉄含有率が耐食性特に塗装後耐食性に大きく影
響する。このため、めっき付着工程に連続して合金化処
理を行う。この処理は合金化処理炉内にめっきした鋼板
を通すことによって鋼板を昇温し、鋼素地から亜鉛めっ
き層中にFeを拡散させることによって行うが、この際
、合金化の度合いとして鉄含有率が3wt%がら8vt
%の範囲にコントロールし合金化未完の状態にしておく
、即ち、本発明は後の工程で行う再加熱処理によって溶
融亜鉛めっき層を合金化させるので、再加熱時間をでき
るだけ短くし、なおかつ耐パウダリング性を劣化させな
いために3wt%以上の鉄含有率は必要であるが、一方
、8wt%以下にとどめることによって、亜鉛めっき層
の全てを合金化させることはせずに、η相(純Z n、
 )を残しておく、このη相を残しておかないと、後の
工程で行う再加熱処理において上層から下層へのFeの
拡散が容易には行われなくなり、その結果、両層間の密
着力が十分には向上せず、プレス時におけるめっき皮膜
表層の一部脱落が避けられなくなる。
又、連続式溶融亜鉛めっき設備内での合金化処理では短
時間(数秒内至数十秒)ではあるが、亜鉛の融点(41
9,5℃)以上の高温となるので、Fe−Zn合金とし
て、「相、δl相、ζ相等の生成及び成長が考えられる
。このうちη相は硬くて脆く、耐パウダリング性を劣化
させるので好ましくないが、上記の条件であれば殆ど成
長せず耐パウダリング性には悪影響を与えない。
連続式溶融亜鉛めっき設備内での合金化処理後に、ミス
トスプレィやパウダスプレィ等によってスパングルの微
細化を行うと亜鉛結晶配向のマクロ的不均−が解消され
、後の工程で行う上層めっきの被覆率がよくなるので、
必要であれば施すとよい、又、合金化処理後にスキンバ
スを行いめっき皮膜表面を平滑化することにより、上層
めっき皮膜の被覆率や塗装後の鮮映性を効率的に向上さ
せることができる。
このように合金化処理された溶融亜鉛めっき鋼板の上に
Fe−P合金の上層めっきを施すが、これはめっき皮膜
表層に耐クレータリング性を付与することと、この後の
工程で内層にFeを拡散さぜるためである。耐クレータ
リング性の観点からの上層めっきの付着量は0.5g/
m”から10g#n”であることが必要である。自動車
用途においては、合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、めっき
面に化成処理(燐酸塩処理)を施した後カチオン電着塗
装が施されるが、この化成処理によって生成される燐酸
塩結晶に、Feを含むホスホフィライト[Zn2 Fe
 (PO4)a・4H20]と称する粒状で緻密な結晶
とFeを含まないホパイト[Zn3  (PO4h・4
H20コと称する粗大な針状結晶とがある。そしてクレ
ータ発生原因の一つに化成処理皮膜欠陥部への局所的な
電流集中が考えられるが、ホスホフィライトで形成さる
皮膜はホバイトのそれより緻密で欠陥部が少ない、した
がって、ホスホフィライトが生成し易いようにめっき面
上で十分なFeを供給してやれば、クレタは生じにくく
なる。この発明の方法による上層めっきはFe97%W
し以上のFe−P合金であるので、Feの供給量は十分
にでき、クレータの発生は減少する。
付着量は0.5g/♂未溝ではめっき面全体にわたって
十分にFeを供給することが出来ない。又10g/m”
を超えて付着した場合にはその効果が飽和し、コスト的
に不利になるばかりでなく、塗装後耐食性においても赤
錆が発生し易くなる。
また、めっき皮膜表層にPが含まれていると、化成処理
時にFeの溶解が促進され、前記ホスフィライ1へが生
成しやすくなる。この際、めっき皮膜中のP含有率が0
.001wt%未溝ではFeの溶解を促進する作用を発
揮するに至らず、3wt%を超えるとその溶解促進効果
は飽和する。この発明による上層めっきはP含有率がo
、ooiwt%以上3wt%以下であるので、Feの供
給が順調に行われ、緻密で均一な化成処理皮膜が形成さ
れる。このため、クレータの発生は著しく減少する。
上記上層めっきの処理方法は、亜鉛の融点より低い温度
で処理する方法であれば、電気めっき、蒸着めっき、溶
射等どのような方法でもよい、この上層めっき処理を合
金パウダー吹き付けで行うときは、先の溶融亜鉛めっき
層の残存η相が溶融状態のうちに行うとスパングルの微
細化も同時に行われる。しかし、この場合上層めっき後
表面の平滑性は期待出来ないので、スキンバス処理によ
って平滑化する必要がある。このスキンバス処理は伸長
率0.3%以上で行うとめつき面は平滑となるが、伸長
率が大き過ぎて5%を超えると、一般の薄板用鋼板では
加工性に影響するおそれがある。
又、用途によっては片面はクレータを問題にしないこと
もあり、このような場合片面にはこの上層めっき皮膜が
なくてもよく、又他のめつき皮膜を形成してもよい。
最後の工程ではめっき鋼板を再度加熱する。即ち、三鷹
にわたって施しためっき層を低温で丁寧に加熱し、「相
の生成を防ぎながら、合金化を完成させ同時に両めっき
層間の成分拡散によって組成を連続させ一体構造のめっ
き皮膜を造り上げる。この再加熱処理の条件は、250
℃以上亜鉛の融点以下の温度範囲で20秒から15時間
の加熱である。250℃未満ではめっき層中でのFe原
子の拡散促進効果が小さく、塗装後耐食性を確保するに
足る合金化度を得るのに時間が掛がり過ぎ工業的でない
、温度を亜鉛の融点(419,5℃)よりも高くすると
、部分的にFe原子の拡散が促されることがあり、合金
化が急速に進む箇所が現れ却って不均一さや熱歪みを助
長しかねなく又「相の生成も無視できなくなる。第1図
は上記の温度範囲で、パウダリングとクレータリングの
両者が共に発生しない条件を調べたもので、横軸は加熱
時間縦軸は加熱温度である。図で、点a。
b、C,dを結ぶ線で囲まれた範囲が、パウダリング及
びクレータリングを発生させない実操業上好ましい条件
範囲で、加熱時間については、a点の時間座標から0点
の時間座標まで、即ち20秒以上15時間以下となる0
以上の加熱条件で熱処理を行うと、Feは下層めっき層
へ鋼索地側からと上層めっき側とから拡散するので、内
層では大きなFe濃度差が出来ずに適正な合金化が達成
される。このとき下層には上層に近い部分にη相が残っ
ているので、上下両眉間の拡散が進行し易い。このため
、残っていたη相は消滅し、「相は実質的に生成せず、
δ1相とζ相とのみからなるめっき皮膜が得られる。め
っき皮膜と鋼素地との境界層でF相が0.5μm以上の
厚さに成長していないと検出することは困難であるが、
この条件で処理されためっき皮膜では「相は検出されず
、δl相とζ相とのみが検出される。そして、このめっ
き皮膜は、急速な高温加熱を避けているので鉄含有率は
面に沿って均一となりめっき鋼板のどの部分でも所定の
耐食性、加工性、塗装性を発現し、品質の非常に安定し
た製品となる。又、鉄含有率も5wt%から20wt%
の範囲に収まる。しかし、実操業時に起こりがちな条件
のバラツキ等を考えると特に好ましいのは、加熱温度が
260℃から400°Cまで、加熱時間が10分がら1
0時間までである。この場合めっき皮膜の鉄含有率は7
wt%から11wt%の範囲に収まる。更に、この熱処
理によって、上層と下層はF e −Z nの熱拡散に
よって一体構造となり、各々めっき皮膜の表層と内層と
を形成すると共に熱歪みも除去される。これによってめ
っき皮膜は機械的性質や電気化学的性質が隣接した部分
で極端に異なることが無くなるので、表層と内層との密
着も完全となり同時に加工性及び耐食性においても優れ
たものとなる。この加熱処理は、非酸化性又は還元性雰
囲気に維持した炉内で行うが、非酸化性又は還元性雰囲
気で行うのは表面の酸化を防ぎ、塗装前の化成処理にお
いて化成皮膜結晶が不均一になることを避けるためであ
り、短時間で処理する場合は連続炉を用い、長時間掛け
て処理する場合はバッチ式焼鈍炉を用いるとよい。
[実施例] 二種類の鋼板を使用し、下層めっきである溶融亜鉛めっ
きの条件、上層めっき条件及び合金化処理条件を変えて
処理した17例(実施例)の合金化溶融亜鉛めっき鋼板
について、めっき皮膜中の鉄含有率を調べ、パウダリン
グ試験及びクレータリング試験を行って評価した。なお
比較のために、この発明の範囲外の条件で処理した7例
(比較例)及び従来技術による3例(従来例)について
も同様に調べた0条件の詳細は以下の通りである。
用いた鋼板は板厚0.8m+mの冷延鋼板で、汎用され
ている薄板用低炭素A、lflキルド(素材A)及び高
加工用でパウダリングを起こし易いと言われている超低
炭チタン含有鋼(素材B)とである。
各々の成分を第1表に示す。
第1表    (本型%) 下層の溶融亜鉛めっきは、無酸化炉、還元加熱炉を備え
た連続式めっき設備で行い、めっき浴面後に設けられた
気体絞り装置によって付着量の調整を行った後連続して
合金化処理を行った。めっき層が冷却後伸長率0.5%
でスキンバスを行い表面を平滑にし、この上にFe−P
合金の上層めっきを付した6再加熱処理は、実施例Na
 16及び比較例阻7では連続炉を用い、他の例ではバ
ッチ炉を用いた。上層めっきには、電気めっき、プラズ
マ溶射又はパウダースプレィの方法を用いたが、これら
は各々次の条件で処理した。
(1)電気めっき F e 5O4−7H20200g7IINaHz  
POz・Hz  O0.l〜l Og/i!H3PO3
2,5g/41 NaCJ                    1
0g/J2pH2,2 浴温              50℃陰極電流密度
        30 A / d m2(21プラズ
マ溶射 プラズマガス             Ar溶射入熱
            20KW溶射距離     
       100II11平均粉末粒径     
     約5μm粉末供給速度        5 
g/m −d m”G)パウダースプレィ 平均粉末粒径          約5μ丁口粉末供給
速度        3 g/vja −d m”めっ
き皮膜中の鉄含有率は、オージェ電子スペクトロメトリ
ー及びグリムグロー放電発光分光分析によって、それぞ
れめっき皮膜表層及び内層を調べた。
耐パウダリング性は、曲率生得2關で90度に曲げた後
、曲げの内側に粘着テープを貼り付け、これを剥して、
パウダーがこの粘着テープに付着した状況を目視観察し
、点数付けて評価した。
評点の基準は、1;全く付着無し、2;極くわずかに付
着、3;わずかに付着、4;少し、付着、5;かなり付
着、の五段階である。
耐クレータリング性は、めっき面に化成処理を施し、次
いでt着塗装を行い、このとき発生したクレータの数(
個/ ctd )で評価した。評点の基準は、◎;なし
、○;1〜5、△;6〜・20゜×;21以上の4段階
とした。化成処理には市販されている浸漬型の燐酸塩系
処理剤を用いた。電着塗装にはやはり市販されているカ
チオン電着塗料を用いたが、調合後−週間攪拌し、極間
距離4cmで電着電圧300vを瞬時に印加して電着し
た。
これらの例の各々の処理条件と調査結果を第2表に示す
実施例では、素材Bでも耐パウダリング性に劣るものは
なく、上限付着量であるNa、 6で極く僅かにパウダ
リングが認められたが実用上は問題がない。耐クレータ
リング性では、上層めっきが下限付着量であるNa13
で1個内至2個の小さなりレータが発見されたが、これ
も実用上は問題ない、このように、実施例では全ての合
金化溶融亜鉛めっき鋼板が耐パウダリング性と耐クレー
タリング性とを兼ね備えている。又、内層の鉄含有率も
7wL%から11wt%の範囲内にあり、塗装後耐食性
を十分に確保するものである。
一方、発明の範囲から外れた条件で処理された比較例で
は、溶融亜鉛めっき洛中にAρを含まないN[Ll、加
熱時間過剰のNIL2、下層めっき後の合金化で鉄含有
率8wt%を超えたN[L3、浴中pbの多いN[L4
、付着量の多すぎるNo、 5−再加熱温度の高過ぎる
Na7等で耐パウダリング性に問題があり、上層めっき
を施さないN[L 6では耐クレータリング性に劣って
いる。
従来例では、N[L 1は急速昇温高温加熱のみにより
合金化したもので両特性に問題があり、N[0.2は急
速昇温高温加熱の後低温で合金化調整したもので耐クレ
ータリング性が劣り、N0.3は急速昇温高温加熱によ
って合金化しその上に鉄含有率80%のFe−Znめっ
き層依形成し再加熱処理を行わなかったもので、耐パウ
ダリング性に劣る。このように、従来例では両特性が同
時には満足されていない。
次に本発明によるめっき皮膜の内層の鉄含有率分布を調
べた。
ここでは実施例Nα14の合金化溶融亜鉛めっきコイル
(幅180011111 >の幅方向について、200
 ms間隔でめっき皮膜内層の鉄含有率を調べ、その分
布状況を従来例Nα2と比較した。その結果を第2図に
示す0図において横軸はコイル左端からの距離、縦軸は
鉄含有率であり、O印は実施例N[Ll4について、・
印は従来例NIL2についてプロットしたものである6
図から明らかなように実施倒置14の鉄含有率は平均7
.8wt%であり、全ての測定点が7.6wt%から8
.0wt%の間に分布していた。これに対して従来例N
[L 2の鉄含有率は平均8.3wt%であり、全ての
測定点が7.9wL%から8.8wt%の間に分布しバ
ラツキが大きいかった。
なお、めっき皮膜と鋼素地との境界部にr相が存在して
いるか否かを調べるため、実施例N0.1からNへ17
迄の試料について、めっき皮膜の上層約三分の二を取り
除きX線回折を行ったが、何れの試料についても「相は
検出されなかった。
し発明の効果コ この発明によれば、めっき皮膜中にF相が実質的に存在
せず、鉄含有率が高くPを含む表層と適正な鉄含有率を
もつ内層とが一体構造になり、しかも鉄含有率の分布が
面方向に均一な皮膜を有する溶融亜鉛めっき鋼板、即ち
、十分な耐食性に加えて優れた耐パウダリング性と耐ク
レータリング性とを兼ね備え且つ品質の極めて安定した
溶融亜鉛めっき鋼板が製造される。このような優れた製
品を簡明な工程で容易に製造出来るこの発明の産業上の
効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の詳細な説明するための熱処理条件と
特性適正との関係を示す図、第2図は本発明の一実施例
の鉄含有率の分布を示す図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (イ)通常の前処理を施した鋼板をAl0.05wt%
    以上0.3wt%以下、且つPb0.2wt%以下を含
    有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30g/m^
    2以上90g/m^2以下の下層めっきを施す工程、 (ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
    亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
    率を3wt%以上8wt%以下の範囲、且つ皮膜中の亜
    鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う工
    程、 (ハ)前記合金化処理された溶融亜鉛めっき鋼板の片面
    又は両面に0.5g/m^2以上10g/m^2以下の
    付着量でFeが97wt%以上100wt%未満、Pが
    0.001wt%以上3wt%以下のFe−P合金の上
    層めっきを施す工程、 (ニ)前記工程でめっきを施した鋼板を非酸化性又は還
    元性雰囲気に維持した炉内で250℃以上亜鉛の融点以
    下の温度範囲で20秒以上15時間以下加熱する工程。
  2. (2)以下の工程を含むことを特徴とする加工性、塗装
    性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 (イ)通常の前処理を施した鋼板をAl0.05wt%
    以上0.3wt%以下、且つPb0.2wt%以下を含
    有する溶融亜鉛めっき浴に浸漬して付着量30g/m^
    2以上90g/m^2以下の下層めっきを施す工程、 (ロ)前記めっきを施す工程に連続して合金化処理炉に
    亜鉛めっきされた鋼板を導入してめっき皮膜中の鉄含有
    率を3wt%以上8wt%以下の範囲、且つ皮膜中の亜
    鉛の一部が未合金のまま残る状態に合金化処理を行う工
    程、 (ハ)めっき皮膜が溶融状態であるうちに鋼板の片面又
    は両面にFeが97wt%以上100wt%未満、Pが
    0.001wt%以上3wt%以下のFe−P合金パウ
    ダーを吹き付けて付着量0.5g/m^2以上10g/
    m^2以下の上層めっきを施す工程、 (ニ)めっき皮膜が固化した後スキンパス処理を行い溶
    融亜鉛めっき皮膜の表面を平滑化する工程、 (ホ)前記工程で平滑化しためっき皮膜を有する鋼板を
    非酸化性又は還元性雰囲気に維持した炉内で250℃以
    上亜鉛の融点以下の温度範囲で20秒以上15時間以下
    加熱する工程。
JP28919888A 1988-11-16 1988-11-16 加工法、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Pending JPH02138482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28919888A JPH02138482A (ja) 1988-11-16 1988-11-16 加工法、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28919888A JPH02138482A (ja) 1988-11-16 1988-11-16 加工法、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH02138482A true JPH02138482A (ja) 1990-05-28

Family

ID=17740049

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28919888A Pending JPH02138482A (ja) 1988-11-16 1988-11-16 加工法、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH02138482A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100503144B1 (ko) * 1997-08-27 2005-12-30 주식회사 포스코 투폿트시스템에의한용융아연도금강판의제조방법
WO2024111661A1 (ja) * 2022-11-25 2024-05-30 株式会社鈴木商店 皮膜および皮膜形成方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100503144B1 (ko) * 1997-08-27 2005-12-30 주식회사 포스코 투폿트시스템에의한용융아연도금강판의제조방법
WO2024111661A1 (ja) * 2022-11-25 2024-05-30 株式会社鈴木商店 皮膜および皮膜形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010089910A1 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JPH10265926A (ja) 耐食性および表面外観の良好な溶融Zn−Al−Mgめっき鋼帯の製造法
US5409553A (en) Process for manufacturing galvannealed steel sheets having high press-formability and anti-powdering property
JPH0753901B2 (ja) 溶融亜鉛メッキ方法
JPH02138482A (ja) 加工法、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH02118088A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2727598B2 (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JPH02138481A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2727595B2 (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2754596B2 (ja) 加工性、塗装性、耐食性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
US5518769A (en) Process for manufacturing galvannealed steel sheet having excellent anti-powdering property
JP2727596B2 (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JPH02145777A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JP2727597B2 (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP2754590B2 (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JPH02122082A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH02166261A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPS62256959A (ja) 合金化メツキ鋼板の製造方法
JPH02166264A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH02166265A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH02166263A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR100431604B1 (ko) 도장성이 우수한 합금화 용융아연 도금강판의제조방법.
JP2574011B2 (ja) 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH02118089A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH02166262A (ja) 加工性、塗装性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法