JPH074891B2 - 易開封性密封袋の製造方法 - Google Patents

易開封性密封袋の製造方法

Info

Publication number
JPH074891B2
JPH074891B2 JP2019291A JP1929190A JPH074891B2 JP H074891 B2 JPH074891 B2 JP H074891B2 JP 2019291 A JP2019291 A JP 2019291A JP 1929190 A JP1929190 A JP 1929190A JP H074891 B2 JPH074891 B2 JP H074891B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bag
film
heat
scratches
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2019291A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0327930A (ja
Inventor
久雄 階
潔 中島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Asahi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2019291A priority Critical patent/JPH074891B2/ja
Publication of JPH0327930A publication Critical patent/JPH0327930A/ja
Publication of JPH074891B2 publication Critical patent/JPH074891B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Bag Frames (AREA)
  • Making Paper Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、袋の実用上の強度を損なうことなく、また輸
送中、取扱い中に不用意に破袋したりすることがなく、
手指の力で容易に開封することができる易開封性密封袋
の製造方法に関する。
[従来の技術] 近時、プラスチックフィルム及びプラスチックとアルミ
箔等の金属や紙等の他の素材との積層フィルムは、軽量
であって気密性に優れ、高強度で取扱いに便利である
他、密封するにあたり特に接着剤を必要とせず、単に熱
融着するだけで足りるため、食品、薬品、小物類等、更
には液状、粉末、ペースト、固形物等、多岐にわたる種
類、形状の商品の密封袋用に使用されている。
これらの密封袋にあっては、素材の有する長所が開封す
るにあたって逆に引裂き抵抗となり、破り難いという問
題を提起している。
一方、上記密封袋用のフィルムは強靱である反面、一旦
傷が生じるとその傷が伝播しやすい傾向にあるため、前
もって端縁部に1箇所傷を与え、これを破り口として引
張ると、手指の力だけで容易に引き裂ける性質を有す
る。
そのため、密封袋の熱融着した部位の端縁部に、その横
断方向に長さ2mm以上の切傷(Iノッチ)を設ける方法
が用いられているが、この場合袋の端縁部のどこに破り
口が設けられているか発見しにくい欠点がある。
端縁部にV字形の傷(Vノッチ)を設けることも行わ
れ、この方法によれば破り口の発見は幾分容易である
が、大量に製袋、充填するにあたり、V字形の切断片が
飛散して包袋製品に付着したり、作業環境を悪化させた
りする傾向がある。また、USP3,650,461には、シール部
に丸い貫通孔を設けた例が示されているが、これも丸形
の切断片が生じ、上記V字形の傷を付与する場合と同様
の問題があり、更に手指で引裂こうとする場合応力は丸
い貫通孔の周辺に集中するが、丸い貫通孔の周辺で伸び
が生じるため、引裂きにかなりの力を要するという問題
がある。
いずれにしても、これらの方法は破り口が特定の箇所に
限定されているため、その部位が常に望ましい部位であ
るとは限らず、破れが不本意な方向へ伝播し、内容物が
周囲に飛散するなど不便があった。又、上記Iノッチ、
Vノッチの場合は、通常大型のノッチ(最低長さ2mm)
とするため、製袋前のフィルムにノッチ加工すると破れ
やすくなり、製袋不能となる場合もある。
また、実公昭54−22484号には縁部から内側へ向けて配
列され、かつ順次小さくなる複数の細孔(破断片を伴な
う貫通孔)、エンボス孔、または小切込からなる引裂開
始点列を少なくとも1辺のシール部全体にわたり設けた
プラスチックフィルム製袋が開示されている。しかしな
がら、この実公昭54−22484号で開示された袋のうち、
細孔を設けたもの及び小切込を入れたものは、一旦引裂
が開始すると引裂開始点列に沿って急速に傷が伝播して
しまい、輸送時、取扱い時に不用意に破袋を起こし、内
容物が漏洩しやすいという問題点がある。また、エンボ
ス孔を設けた物は孔が貫通孔でないために、引裂の開始
に大きな力を要し、傷の伝播がし難いという問題があ
る。
また、特開昭58−160251号には、少なくとも3方を融着
してなる小分け袋であって、袋を構成するシートの端縁
部に多数の傷が端縁線とほぼ直角に密集して設けられて
いる密封小分け袋が開示されている。しかしながら、こ
の袋は傷を設けるのに砥石等を用いるから、ぎざぎざし
た傷がめだちやすく美感を損なうという問題があり、ま
た、傷も寸法、方向性等において一定しない不揃いのも
のとなりやすく、開封がうまくいったりいかなかった
り、また、裂けかたの方向性も一定しないという問題が
ある。
また、上記の如き問題の他、袋の形態によっては袋の一
部しか開口せず不便な場合があった。すなわち、例え
ば、ノッチが施され第21図及び第22図に示すような縦方
向中央部に縦シールを設け、かつ融着方式が両端を重ね
合わせて融着部が突出していない、いわゆるオーバーラ
ップ方式である場合には、ノッチ7から開封しても破れ
が融着部で止まり、袋の半分しか開口しない傾向にあ
る。この場合には狭い開口部から無理して内容物を取り
出す不便があり、特に内容物が固い棒状のものの場合は
一層取り出し難く、また、内容物品が医療用物品の場合
などで内容物の巾が袋の巾に近いものであるにもかかわ
らず途中までしか開封できずきわめて取出し難いなどの
問題をひき起こす。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、引き裂
き開始点に傷を形成する際に欠落部分が生じないため、
製品への異物混入がなく、また袋の実用上の強度を低下
させず、かつ任意の部位から手指の力で開封することが
できる理想的な傷痕を有する密封袋の製造方法とするこ
とをその解決すべき課題とするものである。
[課題を解決するための手段及び作用] 即ち、本発明は、袋を構成するフィルム8を、袋の端縁
線2に沿う箇所で熱融着して密封袋を製造する方法にお
いて、基材層16となるフィルムに対して、袋としたとき
に袋の端縁線2に沿う箇所に多数の貫通した傷痕1を形
成した後、その片面に熱融着層17を溶融ラミネートした
フィルム8を用い、上記傷痕1形成部が沿う袋の端縁線
2に沿って前記熱融着を行うことを特徴とする易開封性
密封袋の製造方法である(第1図又は第2図参照)。
本発明に用いるフィルム8の基材層16は、熱融着時の熱
では溶融しない材料の層であって、印刷、ラミネート、
製袋等の加工及びその後の保管、流通に耐え得る強度を
有するものであればよく、ポリアミド(ナイロン)、ポ
リエステル、二軸配向ポリプロピレン、セロファン、硬
質塩化ビニル樹脂等が使用される。これらの基材層16は
強靱であるため、当然に手指の力で破り始めることは困
難である。
本発明においては、これらの基材層16に熱融着可能な他
のプラスチック素材、即ち、熱融着層17を積層したフィ
ルムを用いる。この熱融着層17とは、熱融着時の熱で溶
融する材料で構成された層であり、この材料としては、
低密度ポリエチレン(高圧法ポリエチレン、低圧法直鎖
状低密度ポリエチレン)、無延伸ポリプロピレン等のオ
レフィン系樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン系アイオノマー等が使用される。熱融着温度は
押し付け圧、押し付け時間、フィルムの厚さ、種類等に
よって異なるが、80〜180℃、通常は120〜150℃で行わ
れ、このような温度で溶融状態、少なくとも半溶融状態
になるものが好ましい。
尚、熱融着層17は、上記熱融着可能な材料単独で形成さ
れていてもよいし、更に接着力増大のためのアンカーコ
ート剤の層を設けたものでもよい。アンカーコート剤と
してはイソシアネート系のものが優れた性質を示すもの
が多い。
熱融着層17は基材層16よりも小さい引張強度を有するの
が好ましい。また、熱融着層17は基材層16よりも大きい
引裂抵抗を有するのが好ましい。ここで引裂抵抗とは、
JIS P 8116に基づく方法により測定されるもので、ノ
ッチ付の試料についての引裂抵抗をいう。
より具体的には、基材層16と熱融着層17の材料の選択
は、熱融着層17の材料が基材層16の材料の引張強度の2/
3以下1/20以上の引張強度となるように、また、熱融着
層17の材料が基材層16の材料の引裂抵抗(JIS P 811
6)の5倍以上150倍以下とするのが好ましい。以下に市
販のプラスチックフィルムの測定例を示す。
上記強度範囲の材料から選択して基材層16及び熱融着層
17を形成するとして、基材層:熱融着層の厚み比は5:1
〜1:10が好ましい。より好ましくは基材層16の厚さ10〜
50μm、熱融着層17の厚さ10〜100μm、全厚さ20〜150
μmとすると、易開封性と耐破袋性のバランスが良くな
り好ましい。即ち、基材層16の傷痕1の部分からの引裂
が容易になるとともに、後述するように、傷痕1部分の
熱融着層材料18の存在により、引裂の不用意で速やかな
伝播は抑制され、運搬中、取扱い時の不用意な破袋が防
止される。
基材層16にポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等のバリ
ヤー性と強度、耐熱性を併有する樹脂のフィルム又はこ
れらを少なくとも一層含む積層フィルムを用いると、高
度の包袋に適用可能な密封袋となり好ましい。アルミ箔
とプラスチック層とをラミネートしたものやプラスチッ
クフィルムに蒸着、スパッタリング、イオンプレーティ
ング等によりアルミニウムの如き金属薄膜を形成したフ
ィルムもバリヤー性良好な基材層として好ましい。ま
た、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレ
ン等のプラスチック層に更に塩化ビニリデン系のバリヤ
ー層を積層したような積層フィルムも好ましい。
また、例えば、紙/PE1/AC/PET/PE2(ここでPETは基材
層16としてのポリエチレンテレフタレート層を、ACはア
ンカーコート層を、PE2は熱融着層17としてのポリエチ
レン層を、PE1は接着剤としてのポリエチレンを示
す。)のように、基材層16の熱融着層17を設けた面と反
対側に紙の層を積層したものや、PET/PE1/紙/PE2のよ
うに積層したものは、傷痕1が紙によって隠されたり目
立たなくなるので美感上好ましい。
本発明に用いられるフィルム8は、多数の傷痕1が形成
されたもので、この傷痕1とは、打ち抜きや切り欠きの
ように破断片を生じるものではなく、切り込みのように
破断片を生じることなく形成される傷をいう。
この傷痕1は、多数がいわば群として形成されるもの
で、その形成位置は、袋としたときに袋の端縁線2に沿
う箇所である。ここで、袋の端縁線2に沿う箇所に傷痕
1を形成するとは、袋の端縁線2上への傷痕1の形成の
他、袋の端縁線2より若干内側への傷痕1の形成をも意
味するものである。傷痕1は、特に使用するフィルム8
が厚く、強靱な場合には袋の端縁線2上に設ける必要が
あるが、使用するフィルム8が薄い場合には袋の端縁線
2の内側0.5〜3mmの部位に形成することが望ましい。
傷痕1は、縦が横より長い細長の形状であり、その長さ
は0.5mm以下、好ましくは0.3mm以下、0.1mm以上であ
り、袋の端縁線2に対して横断方向に形成される。この
ような傷痕1が袋の端縁線2上に存在すれば、当該箇所
を手指で引っ張ったときに、傷痕1の内方の先端4から
破れ始める。傷痕1が袋の端縁線2のやや内側に存在す
る場合には、第3図に矢印で示すような応力が加わる
と、傷痕1の外側先端3から端縁線2に加かって、第3
図中破線矢印で示すように破れ始め、端縁線2側が破れ
た後、第4図に示すように、傷痕1の内側先端4から横
断方向に破れ始める。
従って、傷痕1は、理想的には端縁線2に対し90°であ
るが、70°〜110°の範囲内、好まくしくは75°〜105°
の範囲内であれば、本発明の目的が達成される。
傷痕1は、袋としたときの袋の端縁線2に沿って形成さ
れていれば、1列であっても、2列以上であってもよ
い。傷痕1を複数列形成する場合の列間の間隔は、5mm
以内が好ましく、3.5mm以内であることがより好まし
い。また、傷痕1は、第1図のように千鳥状に形成して
も、第2図のように直線的に整列して形成してもよい。
傷痕1は、袋の端縁線2の全長に亘る一連の群として形
成してもよいが、その一部のみに形成したり、間欠的配
置された群として形成することもできる。
傷痕1の形成方法は次の方法で行われる。
即ち、基材層16に貫通した傷痕1を付与してから、これ
の片面に熱融着層17を溶融ラミネートする方法である。
傷痕1を形成する位置は、袋としたときに袋の端縁線2
に沿う箇所である。
上記のように、基材層16に貫通した傷痕1を付与してか
ら熱融着層17を溶融ラミネートすると、第6図(a)及
び(b)に示されるように、基材層16に形成された傷痕
1内の一部又は全部に、熱融着層17の溶融ラミネートの
ときに熱融着層材料18が入り込み、傷痕1の一部又は全
部を閉塞することになる。即ち、袋を形成するための融
着前から、傷痕1が熱融着層材料18で閉塞されることに
なる。
袋を形成するための熱融着は、袋の端縁線2に沿って行
われる。ここで、袋の端縁線2に沿った熱融着とは、袋
の端縁線2上での熱融着の他、袋の端縁線2より若干内
側での熱融着をも意味するものである。具体的には、形
成されている傷痕1の群が全て融着部に含まれるよう行
う場合と、融着部の外側に、傷痕1の群の一部が、融着
部に含まれずに非融着部に残されるよう行う場合とがあ
る。本発明の場合、特に後者の場合においても、この非
融着部の傷痕1も熱融着層材料18で閉塞されていること
になる。
融着部の状態は、第5図(a)に示すように、互いに融
着されている表裏のフィルム8の一方の基材層16の傷痕
1と、他方の基材層16の傷痕1とが互いにずれた位置に
ある場合と、第5図(b)に示すように、一方の基材層
16の傷痕1と、他方の基材層16の傷痕1とが互いに重な
り合う位置にある場合とがある。基材層16の引き裂き強
度が著しく大きい場合には、傷痕1が互いに重なり合う
位置にするのが開封の容易性の観点から好ましい。一方
の基材層16の傷痕1と、他方の基材層16の傷痕1が互い
に重なり合う位置になるようにする場合には、傷痕1の
ピッチが長くても易開封性は十分に発揮され、例えば5m
m程度にまでピッチを長くとることができる。一方の基
材層16の傷痕1と、他方の基材層16の傷痕1とが互いに
ずれた位置になるようにする場合には、傷痕1のピッチ
は1.5mm以下、好ましくは1.0〜1.5mm程度にするのが易
開封性の点で好ましい。
袋の形態としては、第1図(c)及び第2図(c)に示
すような3方シール型、第7図に示すような4方シール
型などがある。5は縦方向融着部、6は横方向融着部で
ある。フィルム8を縦方向に切断しながら同時に2以上
の製袋を行う大量生産方式の自動製袋充填機を用いる場
合には、縦方向に数列の傷痕1の群を設ける。また、第
8図に示すように、縦横に桝目状の傷痕1の群を設けた
フィルム8を用いると、4方のいずれの部位からも破る
ことのできる4方シール型の袋が得られる。
更に、第9図に示すような3方シール型の袋もある。第
10図は第9図の拡大横断斜視図で、7はIノッチであ
る。この場合は融着すべきフィルム8を、反対方向から
近づけて重ね合わせた、いわゆるオーバーラップ方式の
融着法であり、袋面から融着部が突出しない。縦方向融
着部5の端縁部に沿って傷痕1の群を設けてあるので、
破れが縦方向融着部5で止まることがなく、全幅に亘り
切断開封できる。従って、内容物が固い棒状のものや袋
の巾に近い広巾のものでも容易に取り出すことができ
る。
基材層16に貫通した傷痕1の群を設ける傷痕付与工具と
しては、特に限定はないが、金属ロールの円周面や金属
板の平面上に多数の細長い刃先を設ければよい。
例えば、第11図に示すように、金属平滑面20に擬三角形
状の切込み21を入れ、この擬三角形状の底辺を中心軸と
して、切込まれて金属平滑面20から離された金属部位を
起立させると、突起10が突出し、切込まれた部分が窪み
11として残る。突起10の窪み側の面、即ち、平坦な起立
面12の金属平滑面20に対してなす角度は60〜100°、好
ましくは80〜100°である。このような突起10を1列以
上線状に配列し、金属を焼入れして用いることができ
る。
第13図は円周面に上記のような突起10を設けた加工ロー
ル13の斜視図、第14図は第13図中、1点鎖線で示す部分
の拡大平面図である。
第11図に示すような突起10で基材層16となるフィルム
(以下「フィルム16」という)を押圧すると、起立面12
の片縁部が刃先として作用し、起立面12の側は辺縁部が
まっすぐにフィルム16に入り込む。隆起面19の側のフィ
ルム16は、隆起面19で押し拡げられる結果、第15図
(a)に示されるような平面三ケ月状の傷痕1が形成さ
れる。また、この傷痕1は、第15図(b)に示すよう
に、起立面12が押入した部分はまっすぐに、隆起面19が
押入した部分は斜め下方に変形して形成され、段ちがい
になると同時に歪をもつ。即ち、切り目を境に歪をもっ
た部分ともたない部分が存在することになる。この歪を
もった部分は、後の溶融ラミネートのときに段ちがいが
なくなり、ほぼ元の状態に戻ったときにも内部歪が残の
で、その内部歪により強度が低下していて、歪のある部
分とない部分の境界部分から手指で簡単に引裂けるとい
う重要な効果を与える。しかも通常の刃物で切り込んだ
場合と異なり、押し切られるようにして傷痕1が形成さ
れるので、応力が集中する傷痕1の両先端には亀裂がで
きると共に、このような無理な力が加わらない他の部分
は平滑に維持される。そして、この亀裂が切断時に大き
な切断開始効果を与える。第11図に示す傷痕付与工具で
形成された第15図の形状の傷痕1は、溶融ラミネートを
行う際に、第5図及び第6図に示すように、斜め下方に
変形した部分はほぼ元のフラットな状態に戻る。
第16図は第13図に示す加工ロール13を用いてフィルム16
を加工する1例を示す説明図である。
加工ロール13と押えロール14は接触しながら同一の周速
度で反対方向に回転している。両ロール13,14の接触部
をフィルム16が通過する。このときフィルム16が加工ロ
ール13の突起10で押圧され、第15図に示すような貫通し
た傷痕1が配列する。15はフィルム16を巻出す原反であ
る。
尚、貫通した傷痕1を付与する傷痕付与工具としては、
第19図に示すようにフラットなバーに突起10を設けたも
のや第20図に示すように円盤から切り取った形状の板状
体に突起10を設けたものも使用できる。
本傷痕付与工具は硬質の材料で形成されているのが好ま
しく、焼入れした鋼の他、炭化ケイ素、炭化チタン、窒
化ケイ素等のセラミックスも使用できる。また、金属材
料で工具の形状に仕上げた後にCVD法、PVD法等により炭
化ケイ素や炭化チタン等の薄膜で被覆することにより得
られたものも耐摩耗性に優れ、切れ味が低下せず好まし
い。
[実施例] 実施例1 押出しラミネート法により下記の層構成の総厚さ70μ
m、幅770mmの複合ラミネートフィルムを製造した。但
しイソシアネート系アンカーコート剤は二軸延伸6−ナ
イロンフィルムにグラビアコート法によりコーティング
し、低密度ポリエチレン層とエチレン−酢酸ビニル共重
合樹脂層はタンデム押出ラミネート法により積層した。
ON#15/AC/PE25/EVA30 ON#15 :二軸延伸6−ナイロンフィルム (ユニチカ株式会社製、エンブレム) ……厚さ15μm AC :イミン系アンカーコート剤 (東洋モートン株式会社製の EL−200とCAT−200を13:1に 混合したもの) ……固形分0.02g/m2 PE25 :低密度ポリエチレン (旭化成工業株式会社製、 サンテックLD,L−1850A) ……厚さ25μm EVA30 :エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂 (旭化成工業株式会社製、 サンテックEVA,EL−0990) ……厚さ30μm 押出ラミネート工程の貼り合わせ直前に二軸延伸6−ナ
イロンフィルムに対して貫通した傷痕1の群を設けた。
傷痕付与工具としては、第13図に示されるものを用い
た。加工ロール13として、中央に幅1.5mmの平滑面を残
し、その両側に最大幅0.5mmの第11図に示す突起10を、
中心から中心までの距離0.5mmで、第1図に示す如き千
鳥状に各2列(合計4列)に配列したものを用いた。二
軸延伸6−ナイロンフィルムの両端から10mmの部位と幅
250mm毎とに貫通した傷痕1の群を線状に加工した。
上記のようにして傷痕1の群を加工し、更に前記押出ラ
ミネートの後、傷痕1の群の中央部を切断した。従っ
て、得られたフィルム8は幅250mmで、両側の端縁線か
ら0.75mm以上離れた部位に傷痕1の群が配列したものと
なった。ここでエチレン−酢酸ビニル共重合体の層が熱
融着層である。
得られたフィルム8を用い、自動製袋充填機で生詰こん
にゃくを250gずつ、端縁部を融着したピロー型の袋に充
填した。
製造工程、輸送、保管中フィルムの強度にトラブルは全
くなく、使用時に縦融着部の任意の部位から手で開封す
ることができた。
[発明の効果] 本発明は、以上説明した通りのものであり、次の効果を
奏するものである。
(a)基材層16は傷痕1により裂けやすい状態となって
いるが、この傷痕1内に熱融着層材料18が入り込んでこ
れを閉塞させていることで、基材層16の安易な裂けが防
止される。従って、袋に形成されるまでの工程において
フィルム8に多少の張力が作用しても不用意に裂けてし
まうことがなく、取り扱い性及び作業性がよい。
(b)袋を形成するために袋の端縁線に沿って行われる
熱融着が傷痕1の形成部の真上から多少外側にずれて
も、傷痕1はこの熱融着以前に閉塞されているので、袋
内を外気にさらしてしまうような貫通した傷が残らな
い。
(c)傷痕1の閉塞が確実で、閉塞もれを生じるおそれ
がなく、上記効果を確実に得ることができる。
(d)得られる易開封性密封袋は、手指の力で容易に開
封できるが、(a)に示される理由から、実用上の強度
が損なわれることはなく、輸送中、取り扱い中に不用意
に破袋することがない。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)ないし(c)は本第1の発明の説明図、第
2図(a)ないし(c)は本発明の説明図、第3図及び
第4図は傷痕による破断作用の説明図、第5図(a)及
び(b)は熱融着後の傷痕の位置関係を示す断面図、第
6図(a)及び(b)は本発明による溶融ラミネート後
の傷痕の状態を示す断面図、第7図及び第9図は各々得
られる袋の一例を示す平面図、第8図は4方シール型の
袋得るに適した傷痕付与例の説明図、第10図は第9図の
拡大横断斜視図、第11図は傷痕付与工具の突起の拡大
図、第12図は突起を製造する過程の1例を示す断面図、
第13図は加工ロールの斜視図、第14図は第13図の円周面
の拡大平面図、第15図(a)及び(b)は各々第11図の
突起によって形成した傷痕の説明図、第16図はフィルム
の加工の一例を示す説明図、第17図は他の傷痕付与工具
を製造する過程を示す斜視図、第18図第17図の方法で形
成した突起の斜視図、第19図は突起をフラットなバーに
設けた傷痕付与工具を示す斜視図、第20図は円盤から切
り取った形状の板状体に突起を設けた傷痕付与工具を示
す斜視図、第21図は従来の密封袋の例を示す斜視図、第
22図は第21図の密封袋の拡大横断斜視図である。 1…傷痕、2…端縁線、3…外側先端、4…内側先端、
5…縦方向融着部、6…横方向融着部、7…Iノッチ、
8…フィルム、10…突起、11…窪み、12…起立面、13…
加工ロール、14…押えロール、15…原反、16…基材層、
17…熱融着層、18…熱融着層材料、19…隆起面、20…金
属平滑面、21…切込み、22…稜線、23…刃物。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】袋を構成するフィルムを、袋の端縁線に沿
    う箇所で熱融着して密封袋を製造する方法において、基
    材層となるフィルムに対して、袋としたときに袋の端縁
    線に沿う箇所に多数の貫通した傷痕を形成した後、その
    片面に熱融着層を溶融ラミネートしたフィルムを用い、
    上記傷痕形成部が沿う袋の端縁線に沿って前記熱融着を
    行うことを特徴とする易開封性密封袋の製造方法。
JP2019291A 1990-01-31 1990-01-31 易開封性密封袋の製造方法 Expired - Fee Related JPH074891B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019291A JPH074891B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 易開封性密封袋の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019291A JPH074891B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 易開封性密封袋の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61011169A Division JPS62182067A (ja) 1986-01-23 1986-01-23 易開封性密封袋、その製法及びそれに使用する工具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0327930A JPH0327930A (ja) 1991-02-06
JPH074891B2 true JPH074891B2 (ja) 1995-01-25

Family

ID=11995334

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019291A Expired - Fee Related JPH074891B2 (ja) 1990-01-31 1990-01-31 易開封性密封袋の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH074891B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8104617B2 (en) 2004-07-06 2012-01-31 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Overwrap packed body

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003000677A (ja) * 2001-06-18 2003-01-07 Nishimura Chemical Co Ltd 薬包紙及び分包袋
US6872445B2 (en) 2002-04-17 2005-03-29 Invista North America S.A.R.L. Durable, liquid impermeable and moisture vapor permeable carpet pad
JP4121363B2 (ja) * 2002-12-13 2008-07-23 三洋電機株式会社 薬剤包装機
JP4211970B2 (ja) * 2002-12-16 2009-01-21 ニシムラ化学株式会社 薬包紙
JP2007000681A (ja) * 2005-06-21 2007-01-11 Kakuzin Kagaku:Kk 攪拌棒およびそれを備えた攪拌機
EP1757533A1 (en) * 2005-08-26 2007-02-28 Amcor Flexibles A/S Easy-to-open packaging comprising a laminate and production method of said laminate
JP2007290771A (ja) * 2006-04-27 2007-11-08 Takazono Sangyo Co Ltd 包装体

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3608815A (en) 1969-07-03 1971-09-28 Dixie Wax Paper Co Opening aid for packages

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5422484U (ja) * 1977-07-15 1979-02-14
JPS5833068U (ja) * 1981-08-27 1983-03-03 ヤマト消火器株式会社 泡消火器
JPS58160251A (ja) * 1982-03-03 1983-09-22 旭化成株式会社 密封小分け袋及びその製法
JPS61127459A (ja) * 1984-11-27 1986-06-14 大森機械工業株式会社 イ−ジ−オ−プン手段を備えたシユリンク包装体及びその包装装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3608815A (en) 1969-07-03 1971-09-28 Dixie Wax Paper Co Opening aid for packages

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8104617B2 (en) 2004-07-06 2012-01-31 Kabushiki Kaisha Yakult Honsha Overwrap packed body

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0327930A (ja) 1991-02-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4919272A (en) Easily openable tightly sealed bag
US5091241A (en) Film laminate with easy to tear
US20090161995A1 (en) Flexible film plate-mat bag
JP2008222287A (ja) チャック付きパウチ
JP5659824B2 (ja) 包装袋
JPH08276966A (ja) 電子レンジ調理用包装物品
JP2525158B2 (ja) 易開封性袋の製造方法
JPH074891B2 (ja) 易開封性密封袋の製造方法
JPS61142159A (ja) 密封袋及びこれを製造するフイルム
EA023195B1 (ru) Полипропиленовая пленка с вспомогательным элементом для открывания
JP3813296B2 (ja) 易開封性包装用袋
JPH09142523A (ja) 易開口用包装材料、それを用いた包装用容器および包装体
JPS62182067A (ja) 易開封性密封袋、その製法及びそれに使用する工具
JP2731474B2 (ja) 密封袋およびその製造法
JP3789599B2 (ja) 易開封性包装袋
JP4489515B2 (ja) ミシン目
JP2000128189A (ja) 安全ノッチ付き袋およびその製造方法
JPH09290871A (ja) 電子レンジ調理用包装物品
JPH10250746A (ja) 易開封性包装用袋
US20160332797A1 (en) Easy open pouches
JPH0741688B2 (ja) プラスチックフィルム製品の引裂低抗改良加工用工具
JPH08217090A (ja) ピロ−包装袋およびその包装体の製造法
JP2003053900A (ja) 易開封性、高透明性のシーラントフィルム、ラミネートフィルム及び包装体
WO2020105710A1 (ja) 製袋充填用フィルム、製袋充填方法
JP3789513B2 (ja) 易開封用包装材料、それを使用した易開封性包装用袋および易開封性包装体

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees