JPH0327930A - 易開封性密封袋の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、袋の実用上の強度を損なうことなく、また輸
送中、取扱い中に不用意に破袋したりすることがなく、
手指の力で容易に開封することができる易開封性密封袋
の製造７ｊ法及びそれに用いる傷痕付与工具に関する。

［従来の技術］ 近時、プラスチックフィルム及びプラスチックとアルミ
箔等の金属や紙等の他の素材との積層フィルムは、軽量
であって気密性に優れ、高強度で取扱いに便利である他
、密封するにあたり特に接着剤を必要とせず、単に熱融
着するだけで足りるため、食品、薬品、小物類等、更に
は液状、粉末、ペースト、固形物等、多岐にわたる種類
、形状の商品の密封袋用に使用されている。

これらの密封袋にあっては、素材の有する長所が開封す
るにあたって逆に引裂き抵抗となり、破り難いという問
題を提起している． 一方、上記密封袋用のフィルムは強靭である反面、一．
ａ傷が生じるとその傷が伝播しやすい傾向にあるため、
前もって端縁部に１箇所傷を与え、これを破り口として
引張ると、手指の力だけで容易に引き裂ける性質を有す
る． そのため、密封袋の熱融着した部位の端縁部に、その横
断方向に長さ２０以上の切傷（Ｉノッチ）を設ける方法
が用いられているが、この場合袋の端縁部のどこに破り
口が設けられているか発見しにくい欠点がある。

端縁部にＶ字形の傷（Ｖノッチ）を設けることも行われ
、この方法によれば破り口の発見は幾分容易であるが、
大量に製袋、充填するにあたり、■字形の切断片が飛散
して包装製品に付着したり、作業環境を悪化させたりす
る傾向がある。また、ＵＳＰ　３，６５０，４６１には
、シール部に丸い貫通孔を設けた例が示されているが、
これも丸形の切断片が生じ、上記Ｖ字形の傷を付与する
場合と同様の問題があり、更に手指で引裂こうとする場
合応力は丸い貫通孔の周辺に集中するが、丸い貫通孔の
周辺で伸びが生じるため、引裂きにかなりの力を要する
という問題がある． いずれにしても、これらの方法は破り口が特定の箇所に
限定されているため、その部位が常に望ましい部位であ
るとは限らず、破れが不本意な方向へ伝播し、内容物が
周囲に飛散するなど不便があった．又、上記エノッチ、
■ノッチの場合は、通常大型のノッチ（最低長さ２　Ｉ
ｌｍ）とするため、製袋前のフィルムにノッチ加工する
と破れやすくなり、製袋不能となる場合もある。

また、実公昭５４−２２４８４号には縁部から内側へ向
けて配列され、かつ順次小さくなる複数の細孔（破断片
を伴なう貫通孔）、エンポス孔、または小切込からなる
引裂開始点列を少なくとも１辺のシール部全体にわたり
設けたプラスチックフィルム製袋が開示されている。し
かしながら、この実公昭５４−２２４８４号で開示され
た袋のうち、細孔を設けたもの及び小切込を入れたもの
は、一旦引裂が開始すると引裂開始点列に沿って急速に
傷が伝播してしまい、輸送時、取扱い時に不用意に破袋
を起こし、内容物が漏洩しやすいという問題点がある。

また、エンポス孔を設けた物は孔が貫通孔でないために
、引裂の開始に大きな力を要し、傷の伝播がし難いとい
う問題がある。

また、特開昭５８−ＩＨ２５１号には、少な〈とも３方
を融着してなる小分け袋であって、袋を構成するシート
の端縁部に多数の傷が端縁線とほぼ直角に密集して設け
られている密』４小分け袋が開示されている．しかしな
がら、この袋は傷を設けるのに砥石等を用いるから、ぎ
ざぎざした傷がめだちやすく美感を損うという問題があ
り、また、傷も寸法、方向性等において一定しない不揃
いのものとなりやすく、開封がうまくいったりいかなか
ったり、また、裂けがたの方向性も一定しないという問
題がある。

また、上記の如き問題の他、袋の形態によっては袋の一
部しか開口せず不便な場合があった。すなわち、例えば
、ノッチが施され第２１図及び第２２図に示すような縦
方向中央部に縦シールを設け、かつ融着方式が１４端を
重ね合わせて融着部が突出していない、いわゆるオーバ
ーラップ方式である場合には、ノッチ７から開封しても
破れが融着部で止まり、袋の半分しか開口しない傾向に
ある。この場合には狭い開口部から無理して内容物を取
り出す不便があり、特に内容物が固い林状のものの場合
は一屑取り出し難く、また、内容物品が医療用物品の場
合などで内容物の巾が袋の巾に近いものであるにもかか
わらず途中までしか開封できずきわめて取出し難いなど
の問題をひき起こす。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明は上記の点に鑑みなされたものであって、引き裂
き開始点に傷を形戊する際に欠落部分が生じないため、
製品への異物混入がなく、また袋の実用上の強度を低下
させず、かつ任意の部位から手指の力で開封することが
できる理想的な傷痕を有する密封袋の製造方法及びその
製造に使用する傷痕付与工具とすることをその解決すべ
き課題とするものである． ［課題を解決するための手段及び作用］即ち、本第１の
発明は、袋を構成するフィルム８を、袋の端縁線２に沿
う箇所で熱融着して密封袋を製造する方法において、少
なくとも基材層１６と熱融着層ｌ７を有するフィルム８
を用い、このフィルム８に対して、袋としたときに袋の
端縁線２に沿う箇所に多数の貫通した傷［１を形成した
後、この傷痕１形成部分が沿う袋の端縁線２に沿って前
記熱融着を行うことを特徴とする易開封性密封袋の製造
方法である（第ｌＵＡ参照）。

本第２の発明は、袋を構成するフィルム８を、袋の端縁
線２に沿う箇所で熱融着して密封袋を製造する方法にお
いて、基材層ｌ６となるフィルムに対して、袋としたと
きに袋の端縁線２に沿う箇所に多数の貫通した傷Ｋｌを
形成した後、その片面に熱融着層ｌ７を溶融ラミネート
したフィルム８を用い、上記傷Ｋｌ形成部が沿う袋の端
縁線２に沿って前記熱融着を行うことを特徴とする易開
封性密封袋の製造方法である（第２図参照）。

本第３の発明は、微小な突起１０からなる刃物を線状に
密集して設けた工具であって、該突起１０が稜線２２を
有し、該稜＆ｌ２２の一部又は全部が刃先を形成してい
ることを特徴とする傷痕付与工具である（第１１図参照
）。

本第１及び第２の発明に用いるフィルム８の基材層１６
は、熱融着時の熱では溶融しない材料の層であって、印
刷、ラミネート、製袋等の加工及びその後の保管、流通
に耐え得る強度を有するものであればよ〈、ポリアミド
（ナイロン）、ポリエステル，二軸配向ポリプロピレン
、セロファン、硬質塩化ビニル樹脂等が使用される。こ
れらの基材層１６は強靭であるため、当然に手指の力で
破り始めることは困難である． 本第１及び第２の発明においては、これらの基材ｉ１６
に熱融着可能な他のプラスチック素材、即ち，熱融着層
１７を積層したフィルムを用いる。この熱融着層ｌ７と
は、熱融着時の熱で溶融する材料で構成された層であり
、この材料としては、低密度ポリエチレン（高圧法ポリ
エチレン、低圧法直鎖状低密度ポリエチレン）、無延伸
ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンー
酢酸ビニル共重合体、エチレン系アイオノマー等が使用
される。熱融着温度は押し付け圧、押し付け時間、フィ
ルムの厚さ、種類等によって異なるが、８０〜１８０℃
、通常は１２０〜１５０℃で行われ、このような温度で
溶融状態、少な〈とも半溶融状態になるものが好ましい
。

尚、熱融着層ｌ７は、上記熱融着可能な材料単独で形成
されていてもよいし、更に接着力増大のためのアンカー
コート剤の層を設けたものでもよい。アンカーコート剤
としてはインシアネート系のものが優れた性質を示すも
のが多い。

熱融着層ｌ７は基材層１６よりも小さい引張強度を有す
るのが好ましい．また、熱融着屑１７は基材層１６より
も大きい引裂抵抗を有するのが好ましい．ここで引裂抵
抗とは、ＪＩＳ　Ｐ　８１１Ｂに基づく方法により測定
されるもので、ノッチ付の試料についての引裂抵抗をい
う。

より具体的には、基材層１６と熱融着層１７の材料の選
択は、熱融着層１７の材料が基材屑１６の材料の引張強
度の２７３以下１７２０以上の引張強度となるように、
また、熱融着層１７の材料が基材唐ｌ６の材料の引裂抵
抗（ＪＩＳ　Ｐ　８１１１３）の５倍以−ヒ１５０倍以
下とするのが好ましい。以下に市販のプラスチックフィ
ルムの測定例を示す。

（以下余白） 上記強度範囲の材料から選択して基材ｆｉｌ６及び熱融
着層１７を形成するとして、基材層：熱融着層の厚み比
は５：１〜１：１０が好ましい。より好ましくは基材層
１６の厚さｌＯ〜５０帥、熱融着層ｌ７の厚さｌＯ〜１
００川一、全厚さ２０〜１５０井厘とすると、易開封性
と耐破袋性のバランスが良くなり好ましい．即ち、基材
層ｌ６の傷痕１の部分からの引裂が容易になるとともに
、後述するように、傷痕１部分の熱融着層材料１８の存
在により、引裂の不用意で速やかな伝播は抑制され、運
搬中、取扱い時の不用意な破袋が防止される。

基材層１６にポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂等のバ
リャー性と強度、耐熱性を併有する樹脂のフィルム又は
これらを少なくとも一層含む積層フィルムを用いると、
高度の包装に適用可能な密封袋となり好ましい。アルミ
箔とプラスチー２ク層とをラミネートしたものやプラス
チックフイルムに蒸着，スパッタリング、イオンブレー
テイング等によりアルミニウムの如き金属薄膜を形成し
たフィルムもバリャー性良好な基材層として好ましい。

また、例えば、ポリエステル、ボリアミド、ポリプロピ
レン等のプラスチック層に更に塩化ビニリデン系の／ヘ
リャー層を積層したような積層フィルムも好ましい。

また、例えば、紙／　ＰＥ　＋　／　ＡＣ／ＰＥ丁／Ｐ
Ｅ２　　（ここでＰＥＴは基材屑１６としてのポリエチ
レンテレフタレート屑を、ＡＣはアンカーコート層を、
ＰＥ？は熱融着層ｌ７としてのポリエチレン層を、ＰＥ
＋　は接着剤としてのポリエチレンを示す。）のように
、基材層ｌ６の熱融着層１７を設けた面と反対側に紙の
層を積層したものや、ＰＥＴ／ＰＥ＋　／紙／ＰＥ２の
ように積層したものは、傷痕１が紙によって隠されたり
目立たな〈なるので美感上好ましい。

本第１及び第２の発明に用いられるフィルム８は、多数
の傷痕ｌが形成されたもので、この傷痕ｌとは、打ち抜
きや切り欠きのように破断片を生じるものではなく、切
り込みのように破断片を生じることなく形成される傷を
いう。

この傷Ｋｌは、多数がいわば群として形或されるもので
、その形或位置は、本第１の発明及び本第２の発明とも
に、袋としたときに袋の端縁線２に沿う箇所である。こ
こで、袋の端縁線２に沿う箇所に傷ｆＫ１を形或すると
は、袋の端縁線２上への傷痕１の形戊の他、袋の端縁線
２より若干内側への傷痕１の形或をも意味するものであ
る。傷痕１は、特に使用するフィルム８が厚く、強靭な
場合には袋の端縁線２上に設ける必要があるが，使用す
るフィルム８が薄い場合には袋の端縁線２の内側０．５
〜３ｍｍの部位に形或することが望ましい． 傷Ｋ１は、縦が横より長い細長の形状であり、その長さ
は０．５＋ｓｍ以下、好ましくは０．３ｍｍ以下、０．
１■以上であり、袋の端縁線２に対して横断方向に形成
される。このような傷Ｋ１が袋の端縁線２上に存在すれ
ば、当該箇所を手指で引っ張ったときに、傷痕１の内方
の先端４から破れ始める。

傷痕ｌが袋の端縁線２のやや内側に存在する場合には、
第３図に矢印で示すような応力が加わると、傷痕ｌの外
側先端３から端縁線２に向かって、第３図中破線矢印で
示すように破れ始め，端縁線２側が破れた後、第４図に
示すように、傷痕１の内側先端４から横断方向に破れ始
める，従って、傷Ｋ１は、理想的には端縁線２に対し９
０°であるが、７０°〜１１０゜の範囲内、好まくレ〈
は７５°〜１０５゜の範囲内であれば、本発明の目的が
達成される． 傷痕１は、袋としたときの袋の端縁線２に沿って形成さ
れていれば、１列であっても、２列以上であってもよい
。傷痕ｌを複数列形戒する場合の列間の間隔は、５ｍｍ
以内が好ましく、３．５■以内であることがより好まし
い．また、傷痕１は、第１図のように千鳥状に形成して
も、第２図のように直線的に整列して形成してもよい． 傷痕１は，袋の端縁線２の全長に亘る一連の群として形
成してもよいが，その一部のみに形成したり、間欠的配
置された群として形成することもできる。

傷痕１の形戒方法としては次の２つの方法がある。

即ち、■基材層１６と熱融着層ｌ７があらかじめラミネ
ートされて一体となったフィルム８に貫通した傷痕１を
形成する方法（第１図参照）と、■基材居１６に貫通し
た傷痕１を付与してから、これの片面に熱融着層ｌ７を
溶融ラミネートする方法（第２図参照）とがある。この
■と■の方法は、傷痕ｌの形成を、基材屠１６と熱融着
層１７の積層後に行うか、積層前に行うかで相違する。

しかし、いずれの場合も、傷痕１を形成する位置は、袋
としたときに袋の端縁線２に沿う箇所であり、このよう
な位置に傷痕１が形成されたフィルム８を用いるもので
ある点では同じである。また、この傷ｇｌ形成部分が沿
う袋の端縁線２に沿って熱融着を行う点においても同じ
である．ここで、袋の端縁線２に沿った熱融着とは、袋
の端縁線２上での熱融着の他、袋の端縁線２より若干内
側での熱融着をも意味するものである。

前記■の方法で傷痕１の形戒を行った場合、その後に行
われる熱融着時に、軟化又は溶融した熱融着層材料ｌ８
が、第５図（ａ）及び（ｂ）に示されるように、基材Ｍ
１６の傷痕１内の一部又は全部に入り込み、傷Ｋ１の一
部又は全部を閉塞する。

そして、これによって、傷ｉｆから不用意に裂けを生じ
ることが防止されるものである．また、前記■の方法で
傷痕ｌの形成を行った場合、第６図（ａ）及び（ｂ）に
示されるように、基材居１６に形成された傷痕ｌ内の一
部又は全部に、熱融，ｉｉｉｌ７の溶融ラミネートのと
きに熱融着層材料１８が入り込み、傷痕１の一部又は全
部を閉塞することになる。即ち、上記■の方法による場
合と相違し、袋を形成するための熱融着前から、傷痕１
の一部又は全部が然融着層材料１８で閉塞されることに
なる。

本第１の発明及び第２の発明共に、袋を形成するための
熱融着は、袋の端ｔ＆線２に泊って行われるが、これに
は、形成されている傷痕ｌの群が全て融着部に含まれる
よう行う場合と、融着部の外側に、傷痕１の群の一部が
、融着部に含まれずに非融着部に残されるよう行う場合
とがある。特に後者の場合において、■の方法でＷ痕１
の形成を行った場合には、非融着部分の傷痕ｌは熱融着
層材料１８で閉塞されることはないが、前記■の方法で
傷痕の形成を行った場合には、この非融着部の傷痕１も
熱融着屑材料１８で閉塞されていることになる。

融着部の状態は、第５図（ａ）に示すように、互いに融
着されている表裏のフィルム８の一方の基材層ｌ６の傷
痕ｌと、他方の基材居１６の傷痕１とが互いにずれた位
置にある場合と、第５図（ｂ）に示すように、一方の基
材屠１６の傷痕１と、他方の基材層１６の傷痕１とが互
いに重なり合う位置にある場合とがある。基材層ｌ６の
引き裂き強度が著しく大きい場合には、傷痕ｌが互いに
重なり合う位置にするのが開封の容易性の観点から奸ま
しい。一方の基材層１６の傷痕１と、他方の基材層１６
の傷痕１が互いに重なり合う位置になるようにする場合
には、傷痕１のピッチが長くても易開封性は十分に発揮
され、例えば５ｍｍ程度にまでピッチを長〈とることが
できる。一方の基材層ｌ６の傷痕ｌと、他方の基材居１
６の傷痕１とが互いにずれた位置になるようにする場合
には、傷［１のピッチは１　．　５ｍｍ以下、好ましく
は１．０〜１．５ｍｍ程度にするのが易開封性の点で好
ましい。

袋の形態としては、第１図（ｂ）及び第２図（Ｃ）に示
すような３方シール型、第７図に示すような４方シール
型などがある。５は縦方向融着部、６は横方向融着部で
ある。フィルム８を縦方向に切断しながら同時に２以上
の製袋を行う大量生産方式の自動製袋充填機を用いる場
合には、縦方向に数列の傷痕１の群を設ける．また、第
８図に示すように、縦横に桝目状の傷痕ｌの群を設けた
フィルム８を用いると、４方のいずれの部位からも破る
ことのできる４方シール型の袋が得られる。

更に、第９図に示すような３方シール型の袋もある。第
１０図は第９図の拡大横断斜視図で、７はＩノッチであ
る。この場合は融着すべきフィルム８を、反対方向から
近づけて重ね合わせた、いわゆるオーバーラップ方式の
融着法であり、袋面から融着部が突出しない．縦方向融
着部５の端縁部に沿って傷痕１の群を設けてあるので、
破れが縦方向融着部５で止まることがなく、全幅に亘り
切断開封できる。従って、内容物が固い棒状のものや袋
の巾に近い広巾のものでも容易に取り出すことができる
。

フィルム８や基材層ｌ６に貫通した傷痕ｌの群を設ける
傷痕付与工具としては、特に限定はないが、金属ロール
の円周面や金属板の平面上に多数の細長い刃先を設けれ
ばよい． 例えば、第１１図に示すように、金属平滑面２０に擬三
角形状の切込み２１を入れ、この擬三角形状の底辺を中
心軸として、切込まれて金属平滑面２０から離された金
属部位を起立させると、突起１０が突出し、切込まれた
部分が窪みｌ１として残る．突起１０の窪み側の面、即
ち，平坦な起立面１２の金属平滑面２０に対してなす角
度は６０−Ｚｏｏ°、好まし〈は８０〜１００°である
．このような突起１０を１列以上線状に配列し，金属を
焼入れして用いることができる。

第１３図は円周面に上記のような突起ｌＯを設けた加工
ロール１３の斜視図、第１４図は第１３図中、１点鎖線
で示す部分の拡大平面図である。

第１１図に示すような突起ｌＯでフィルム８又は基材層
１６となるフィルム（以ｆ「フィルム８又は１６Ｊとい
う）を押圧すると，起立面ｌ２の片縁部が刃先として作
用し、起立面ｌ２の側は辺縁部がまっすぐにフィルム８
又は１６に入り込む。隆起面ｌ９の側のフィルム８又は
ｌ６は、隆起面１９で押し拡げられる結果、第１５図（
ａ）に示されるような平面三ケ月状の傷痕１が形成され
る。また、この傷痕ｌは、第１５図（ｂ）　　．　（Ｃ
）に示すように、起立面１２が押入した部分はまっすぐ
に、隆起面１９が押入した部分は斜め下方に変形して形
或され、段ちがいになると同時に歪をもつ。即ち、切り
目を境に歪をもった部分ともたない部分が存在すること
になる。この歪をもった部分は、後の熱融着や溶融ラミ
ネートのときに段ちがいがなくなり、ほぼ元の状態に戻
ったときにも内部歪が残ので、その内部歪により強度が
低下していて、歪のある部分とない部分の境界部分から
手指で簡単に引裂けるという重要な効果を与える．しか
も通常の刃物で切り込んだ場合と異なり、押し切られる
ようにして傷痕ｌが形成されるので，応力が集中する傷
痕１の両先端には亀裂ができると共に、このような無理
な力が加わらない他の部分は平滑に維持される。そして
、この亀裂が切断時に大きな切断開始効果を与える．第
１１図に示す傷痕付与工具で形成された第１５図の形状
の傷痕ｌは、熱融着又は溶融ラミネートを行う際に、第
５図及び第６図に示すように、斜め下方に変形した部分
はほぼ元のフラットな状態に戻る。

第１６図は第１３図に示す加工ロールｌ３を用いてフィ
ルム８又は１６を加工する１例を示す説明図である． 加工ロールｌ３と押えロールｌ４は接触しながら同一の
周速度で反対方向に回転している。両ロール１３．１４
の接触部をフィルム８又は１６が通過する。このときフ
ィルム８又は１６が加工ロール１３の突起１０で押圧さ
れ、第１５図に示すような貫通した傷Ｋ１が配列する。

１５はフィルム８又は１６を巻出す原反である． 尚、貫通した傷痕１を付与する傷痕付与工具としては、
第１９図に示すようにフラットなバーに突起１０を設け
たものや第２０図に示すように円盤から切り取った形状
の板状体に突起１０を設けたものも使用できる． 本傷痕付与工具は硬質の材料で形成されているのが好ま
しく、焼入れした鋼の他、炭化ケイ素、炭化チタン、窒
化ケイ素等のセラミックスも使用できる。また、金属材
料で工具の形状に仕上げた後にＣＶＯ法、ＰＶＤ法等に
より炭化ケイ素や炭化チタン等の薄膜で被覆することに
より得られたものも耐摩耗性に優れ、切れ味が低下せず
好ましい。

［実施例］ 実施例１　［傷痕付与工具の製造］ 第１１図は本発明に係る傷痕付与工具の突起１０の拡大
斜視図で，この突起１０を有する傷痕付与工具を次のよ
うにして製造した． まず、第１２図に示すように金属平滑面２０に切込み２
１を設ける．次いで、切込み２１を設ける操作により切
込まれて金属平滑面２０から離された面を、第１２図に
矢印で示すようにほぼ直角に起立させると、第１１図に
示すような平坦な起立面１２が形成された。その背後に
稜線２２を介して金属平滑面２０が盛上がり、湾曲した
隆起面１９が形成された，１１は切込まれて金属平滑面
２０に生じた窪みである．このような形状の突起１０を
多数設けた金属を焼き入れして刃物として用いた。

稜線２２は金属平滑面２０の切口であるから当然に鋭利
であり優れた刃先である。本実施例においては、突起１
０の幅は０．４ｍｍであり、第１３図に示すように、こ
のような突起１０を加工ロールｌ３の円周面に１列以上
線状に配列した．第１４図は第１３図に一点鎖線で示す
部分の拡大平面図である．この加工ロール１３を回転さ
せ、突起ｌＯでフィルム８又はｌ６を押圧すると、稜線
２２が刃先として作用し、フィルム８又はｌ６に微小な
細長の傷［１の群が線状に配列された。

刃先が山型であるため、フィルム８又は１６への押しつ
け圧を調節することにより、長さの異なる傷痕ｌを設け
ることができた．また、本実施例の傷痕付与工具は、刃
物に厚みがあるため、摩耗が遅く、耐久性があった． 実施例２［傷痕付与工具の製造］ 第１３図に示されるような加工ロールｌ３の外周面に、
第１７図に示されるような中心軸と平行な刃先を有する
断面三角形状の刃物２３を多数配列した．次いで、第１
７図破線で示す部位を切取ることにより第１８図に示す
ように刃先の一部が残った突起１０を得た。このこの傷
痕付与工具によっても，実施例ｌと同様にして傷痕１の
群を形戊することができた． 実施例３［易開封性密封袋の製造］ 押出ラミネート法により下記の層構成の幅７２０ｍｍ　
．総厚さ７６膓の複合ラミネートフィルムを製造した．
但し、イミン系アンカーコート剤はポリエステルフィル
ムにグラビアコート法によりコーティングした． ＰＥＴｎ２／ＡＣ／ＬＤＰＥ＋ｓ／Ａｊ’１／ＩＲ４ｏ
・・・・・・厚さ１２ルｍ ・・・・・・固形分０．０１ｇ／ｍ２ サンテックＬＤ，　Ｌ−１８５ＯＡ　）・・・・・・厚
さｌ５ル鳳 ・・・・・・厚さ７ＪＬ回 ・・・・・・厚さ４０坪ｍ 実施例ｌに示した傷痕付与工具を用いて、上記複合ラミ
ネートフィルムに傷痕群を加工した。

ここでエチレン系アイオノマーの層が然融着層となる。

第１６図に示すように、加工ロール１３と押えロール１
４は接触しながら同一の周速度で反対方向に回転してい
る．Ｆ？ロール１３．１４の接触部に、上記複合ラミネ
ートフィルムを加工対象たるフィルム８として通過させ
、フィルム８を加工ロール１３の突起ｌＯで押圧した．
これによってフィルム８の両端から１０ｍｍの部位と中
心部とに真通した傷痕ｌの群を３列に配列し，次いで傷
痕１の群の中央部を切断し、［３５０＋ｓｍのフィルム
８を得た。

このフィルム８は、第１５図のように、突起ｌＯの起立
面ｌ２が押入した部分はまっすぐに、隆起面ｌ９が押入
した部分は斜め下方に変形して段ちがいになっており、
切れ目線を境に歪があった。また、傷痕１の両端には亀
裂が入っていた。

得られたフィルム８を用い、自動製袋充填機でインスタ
ントコーヒー２５０ｇを端縁部が融着したビロー型ガゼ
ット袋に充填した． 自動製袋充填機による熱融着●シールにより、第５図（
ｂ）に示されるように、傷痕１はその全体が然融着層材
料ｌ８でふさがれていた。なお、自動製袋充填機で熱融
着させる際には、表裏２枚のフィルム８の傷Ｋ１の位置
は互いにずれさせた。

製袋工程、輻送、保管中、フィルムの強度にトラブルは
全くなく、使用時、縦融着部の任意の部位から手で開封
することができた。

以上の実施例では突起１０は整然と配列したが、不規則
に散らしても密集していれば本発明の効果を期待するこ
とができる． 実施例４ 押出しラミネート法により下記の層構威の総厚サ７０ル
鳳，　幅７７０ｍ層の複合ラミネートフィルムを製造し
た．但しインシアネート系アンカーコート剤は二軸延伸
６−ナイロンフィルムにグラビアコート法によりコーテ
ィングし、低密度ポリエチレン層とエチレンー酢酸ビニ
ル共重合樹脂層はタンデム押出ラミネート法により積層
した。

ＯＮｓ＋５／ＡＣ：／ＰＥ２ｓ／ＥＶＡ：＋ｏ・・・・
・・厚さ１５ル１ ・・・・・・固形分０．０２ｇ／ｍ２ ・・・・・・厚さ２５ル鳳 ・・・・・・厚さ３０ＪＬ鵬 Ｌ記の複合ラミネートフィルムに第１３図の傷痕付与工
具を用いて貫通した傷痕ｌの群を加工した。

ここでエチレン酢酸ビニル共重合体の層が熱融着層とな
る。

加工ロール１３として、中央部に＠１．５ｍｍの平滑面
を残し、その両側に最大幅０．５Ｈの第１１図に示す突
起１０を、中心から中心までの距離０．５ｍｍでｉｆ図
に示す如き千鳥状に各２列（合計４列）に配列したもの
を用いた以外は実施例ｌと同様にして、両端から１０ｍ
ｍの部位と幅２５０！Ｉｌｌ毎とに貫通した傷痕１の群
を線状に加エレ、次いで傷Ｋ１の群の中央部を切断した
。従って、得られたフィルム８は’ｌ＠２５０ｍｍで、
両側の端縁線から０．７５鳳１以上はなれた部位に傷Ｋ
ｌの群が配列したものとなった． このフィルム８の傷痕１は、第１　５図のように、突起
１０の起立面１２が押入した部分はまっすぐに、隆起面
ｌ９が押入した部分は斜め下方に変形して段ちがいにな
っており、切れ目線を境に歪があった。また、傷痕ｌの
両端には亀裂が入っていた． 得られたフィルム８を用い、自動製袋充填機で生詰こん
にゃくを２５０ｇずつ端縁部が融着したビロー型の袋に
充填した。

自動製袋充填機による熱融着により、第５図（ａ）に示
されるように、傷ｉ１は一部が然融着層材料１８でふさ
がれていた．尚、自動製袋充填機で融着させる際には、
熱融着すべき表裏のフィルム８の傷Ｋ１の位置は互いに
ずれさせた．製造工程、輸送、保管中フィルムの強度に
トラブルは全くなく、使用時に縦融着部の任意の部位か
ら手で開封することができた． 実施例５ 押出ラミネート工程の貼合せ直前に二軸延伸６一ナイロ
ンフィルムに対して第１３図に示す傷痕付与工具を用い
て貫通した傷痕ｌの群を設けたということを除いては実
施例４と同様にして、実施例４と同様の層構成の複合ラ
ミネートフィルムを、袋を形成すべきフィルム８として
得た．次に、実施例４と同様にして傷Ｋ１の群の中央部
を切断し、幅２５０ｍｍで、両側の端縁線の内側０．７
５ｍｍの部位に傷痕群が配列したフィルム８を得た．こ
こでエチレン酢酸ビニル共重合体の層が然融着層となる
． 得られたフィルム８を用い自動製袋充填機で生詰こんに
ゃくを２５０ｇずつ端縁部が融着したピロー型の袋に充
填した． 自動製袋充填機による製袋充填後に密封袋を観察したと
ころ、傷痕１は全体が熱融着層材料ｌ８でふさがれてい
た。

製造工程、輸送、保管中フィルムの強度にトラブルは全
くなく、使用時に縦融着部の任意の部位から手で開封す
ることができた． 実施例６ 基材層を塩化ビニリデン樹脂でコーティングされた延伸
ナイロンフィルム（厚さ１７ＪＬｍ　）とし、熱融着層
がリニャーローデンシティボリエチレン（厚さ２５ｇｍ
）とした巾８２ｈ／厘、合計厚みが４４紗鵬の複合ラミ
ネートフイルムを用い、三方シール製袋機で家庭用真空
パック包装袋を製袋した。

ここで使用した複合ラミネートフィルムの詳しい層構戊
は下記の通りである。

ＫＯＮ口１５／接着剤／Ｌ−ＬＤＰＥ２　ｓハーデンフ
ィルムＫＮ８００２） ・・・・・・厚さｌ７井厘 ・・・・・・厚さ２５ル鵬 ボリ塩化ビニリデンコートニ軸延伸８−ナイロンフィル
ムについてはポリ塩化ビニリデンコート面を貼り合わせ
た。インシアネート系接着剤はポリ塩化ビニリデンコー
トニ軸延伸６−ナイロンフィルムにグラビアコートした
．リニャーローデンシティポリエチレン層は片面にコロ
ナ放電処理を施したもので、処理面を貼り合わせた．そ
して全体はドライラミネート法により積層することによ
り複合フィルムを得た。

製袋時、給紙部から繰出されたフィルムが半折されたと
ころで、袋の縦融着部となり、袋の端縁線２（第１図及
び第２図参照）となる部分を中心にして、第１３図の傷
痕付与工具を用いて貫通した傷Ｋ１の群を設け、そのあ
と熱融着して、巾（横）２０ｈ／層、長さ（縦）　３０
０ｍ／日の三方シール袋を製造した。

袋は２面体のため、ｇＪ痕ｌの群の形成部位は、半折し
た二枚重ねのフィルム（　８２０量／ＩＩＸ　１／２で
４　１０ｍ／ｍ巾）の一方の端部、そこから２００量／
ｍ内側に入った部位およびもう一方の端部から１　０ｎ
／ｍ内側に入った部位とした．傷痕１の群より外側の１
０ｍｍは切断除去した． 得られた袋は、縦方向の２辺、および横方向の１辺が熱
融着され、上部１辺は開口しており、縦方向の２辺には
融着部の端縁線に沿って巾約２ｍ／ｍの傷痕１の群が連
続して配列されており、第５図（ｂ）に示されるように
、その傷痕ｌは、全て熱融着層材料ｌ８でふさがれてい
た。

この袋は、輸送、保管、家庭での内容物の充填等の取扱
い中、全くトラブルはなく、開封時は縦融着部の任意の
位置から手指で簡単に開封することができた。

［発明の効果］ 本発明によって製造される易開封性密封袋は、手指の力
で容易に開封することができる．この易開封性密封袋は
、傷痕が設けられてあるにもかかわらず、この傷痕によ
って袋の実用上の強度が損なわれることがなく、また、
輸送中、取扱い中に不用意に破袋したりすることがない
。また、本発明の製法によれば上記の易開封性密封袋を
容易に製造することができ、更に本発明の工具は上記易
開封性密封袋の製造工程において、良好な性質を発現す
る傷痕を付与することができる．

【図面の簡単な説明】

第１図（ａ）及び（ｂ）は本第１の発明の説明図、第２
図（ａ）ないし（Ｃ）は本第２の発明の説明図、第３図
及び第４図は傷痕による破断作用の説明図第５図（ａ）
及び（ｂ）は本第１の発明による熱融着後の傷痕の状態
を示す断面図、第６図（ａ）及び（ｂ）は本第２の発明
による溶融ラミネート後の傷痕の状態を示す断面図、第
７図及び第９図は各々得られる袋の一例を示す平面図、
第８図は４方シール型の袋得るに適した傷痕付与例の説
明図、第１０図は第９図の拡大横断斜視図、第１１図は
傷痕付与工具の突起の拡大図、第ｌ２図は突起を製造す
る過程の１例を示す断面図、第１３図は加工ロールの斜
視図、第１４図は第１３図の円周面の拡大平面図、第１
５図（ａ）ないし（ｃ）は各々第１１図の突起によって
形成した傷痕の説明図、第１６図はフィルムの加工の一
例を示す説明図、第１７図は他の実施例に係る傷痕付与
工具を製造する過程を示す斜視図、第１８図第１７図の
方法で形戊した突起の斜視図、第１９図は突起をフラッ
トなバーに設けた傷痕付与工具を示す斜視図、第２０図
は円盤から切り取った形状の板状体に突起を設けた傷痕
付与工具を示す斜視図、第２１図は従来の密封袋の例を
示す斜視図、第２２図は第２１図の密封袋の拡大横断斜
視図である。 １・・・傷痕、２・・・端縁線、３・・・外側先端、４
・・・内側先端、５・・・縦方向融着部、６・・・横方
向融着部、７・・・エノッチ、８・・・フィルム、１０
・・・突起、１１・・・窪み、１２・・・起立面、１３
・・・加工ロール、１４・・・押えロール、ｌ５・・・
原反、１６・・・基材層、１７・・・熱融着層、１８・
・・熱融着層材料、１９・・・隆起面、２０・・・金属
平滑面、２１・・・切込み、２２・・・稜線、２３・・
・刃物． 第１図

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. （１）袋を構成するフィルムを、袋の端縁線に沿う箇所
   で熱融着して密封袋を製造する方法において、少なくと
   も基材層と熱融着層を有するフィルムを用い、このフィ
   ルムに対して、袋としたときに袋の端縁線に沿う箇所に
   多数の貫通した傷痕を形成した後、この傷痕形成部分が
   沿う袋の端縁線に沿って前記熱融着を行うことを特徴と
   する易開封性密封袋の製造方法。
2. （２）袋を構成するフィルムを、袋の端縁線に沿う箇所
   で熱融着して密封袋を製造する方法において、基材層と
   なるフィルムに対して、袋としたときに袋の端縁線に沿
   う箇所に多数の貫通した傷痕を形成した後、その片面に
   熱融着層を溶融ラミネートしたフィルムを用い、上記傷
   痕形成部が沿う袋の端縁線に沿って前記熱融着を行うこ
   とを特徴とする易開封性密封袋の製造方法。
3. （３）微小な突起からなる刃物を線状に密集して設けた
   工具であって、この突起が稜線を有し、該稜線の少なく
   とも一部が刃先を形成していることを特徴とする傷痕付
   与工具。
4. （４）微小な突起が、工具素材の平滑面に切込みを設け
   、該切込みを設ける操作により切込まれた面を起立させ
   た平坦な起立面と、該起立させる操作により生じた起立
   面背後の湾曲した隆起面とからなる突起であり、上記起
   立面と隆起面との間に形成された１本のみの稜線が刃先
   であることを特徴とする特許請求の範囲第３項記載の傷
   痕付与工具。