JP4489515B2 - ミシン目 - Google Patents
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そして、これらの包装用材料は、通常、その最内層にシーラント層を設け、当該シーラント層を対向させて重ね合わせ、その周辺端部をヒ−トシ−ルして、種々の形態の包装用容器を製造し、当該包装用容器の開口部から、例えば、飲食品、医薬品、化粧品、洗剤、化学品、雑貨品、その他等の種々の内容物を充填包装して、各種の包装製品を製造しているものである。
また、係るミシン目の切り裂き方向を補正するために図7に示すようなミシン目の1つの切れ線自体を「Y」字形状や、円弧形状等の変形ミシン目状に形成し、当該変形ミシン目を連続的に配置して切り裂き方向の修正機能を有する変形ミシン目の列を設け、当該変形ミシン目の列を複数列配置したものが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、上記の特許文献1のミシン目は、一方の切目端が拡がる形状(Y字形状)であるため、Y字形状の列幅に応じてシール幅を広く設定しなければならず、その結果、包装袋全体に占める充填容量を少なくしてしまうという問題点があった。
また、前記の変形ミシン目を形成する刃型が、曲線部分を有する特殊な形状であると刃型の加工費用が高いという問題点があった。
なお、本文において、ミシン目とは、密封容器を開封するためのものだけでなく、所望の形状に切り離すためのものも含むものとする。
上記の本発明に係るミシン目を包装用袋や包装用容器に利用することにより、確実かつスムーズに開封することができるという効果を有する。
また、長方形の包装袋に予め本発明のミシン目を設けることによって、注出口を細くする形状に切り離し可能であり、内容物を確実かつスムーズに詰替えやすくすることができるという効果を有する。
上記の切れ目は、前記の直線部分の切れ目線Lに沿って直線状2Aに形成され、湾曲部分の切れ目線に沿って、前方の切れ目と切れ目線とのずれによる破れ仮想線の開放を閉じるように後方の切れ目の端部を切れ目線方向に対して外側に屈曲した形状に形成される。
上記の湾曲形状の切れ目線に沿って配置される切れ目は、具体的には、二辺の直線を屈曲した略くの字状の形状2B、または屈曲した曲線状の形状2Gである。
湾曲形状の切れ目線に沿って配置される略「く」の字型形状2Bは、一方の辺を切れ目線に沿って形成し、他方の辺を湾曲形状の切れ目線の外側から内側に向けて切れ目線方向に対して傾斜して切れ目線の位置までを結ぶ辺から構成される。
なお、前記の屈曲した切れ目2B、2Gは、湾曲部分の切れ目線のみならず、直線形状の切れ目線Lにまたがって形成されてもよい。
また、切れ目線Lに沿って間欠的な切れ目は、単列のみで切れ目線に沿って確実にかつスムーズに分断することができるが、複数列形成してもよい。
直線形状の切れ目線に沿って配置される直線状の切れ目の寸法aは、0.3mm〜5mm程度の長さ、直線状の切れ目と次の切れ目の寸法bは、0.3mm〜5mm程度の間隔で形成することが好ましい。
湾曲形状の切れ目線に沿って配置される切れ目の寸法は、切れ目線に沿って形成された辺の寸法cは、0.6mm〜9mm程度の長さ、切れ目線方向に対して傾斜している辺の寸法dは、0.5mm〜5mm程度の長さ、前の切れ目と次の切れ目の寸法eは、0.3mm〜3mm程度の間隔で形成することが好ましい。また、前記の切れ目寸法は、切れ目同士の間隔の寸法に対して3倍程度の寸法であることが好ましい。また、屈曲する角度αは、切れ目線の湾曲形状によって異なるが、角度β110°〜170°の範囲で任意に選ぶことができる。
このような形状に切れ目から構成されることによって、特に湾曲形状の切れ目線Lに沿って包装用袋を開封する際に、前方の破断方向と切れ目線方向とのずれによる破れ切れ目線Mの開放を閉じる方向に切れ目が形成されているため、切れ目線から多少ずれても、次の屈曲形状の切れ目2B、または2Gを形成する切れ目線方向に対して傾斜している辺に突き当たることにより、大きくずれることなく切れ目線Lに沿って確実にかつスムーズに切り離しを誘導することができる。
また、湾曲の内側に形成された切れ目部分が密にならず、その結果、袋の強度を低下させることなく、流通過程において切れ目部分から洩れることがないため好ましい。
なお、前記の円弧状の長い切れ目に前記の直線状の切れ目2Aや屈曲形状の切れ目2B、2Gを組み合わせてもよい。
このように構成することにより、特に切れ目線Lが湾曲している部分でも、力の係り具合やフィルムの延伸方向によって、破断の切れ目線Lからずれても、切れ目線Lより外側に形成される円弧状の長い切れ目2Cに突き当たることに切り離すことができるため好ましい。
図2(a)に示すように、ブリスターパック容器20は、内容物28を収納する凹部とその周縁にフランジ部26を有するトレー24に内容物28を収納し、蓋体22でその開口部を覆い、蓋体22と被覆材24とによってトレー24のフランジ部26を挟み、蓋体22と被覆材24とをヒートシールすることによって形成される。
上記の図2(b)において、本発明に係るミシン目は、トレー24のフランジ部26より外側でかつヒートシール部4より内側の蓋体22部分に、切れ目線に沿って蓋体22を貫通する間欠的な切れ目2A,2Bを形成するものである。
図2に示すようなブリスターパック容器20に本発明のミシン目を利用することによって、ブリスターパック容器20を開封するときに、蓋体22に形成される間欠的な切れ目(ミシン目)2A、2Bを指で押し込んで破断することによって、中に封入された内容物28を簡単に取り出すことができる。なお、屈曲した直線状切り目2Bの形成部分に、2Bの替わりに屈曲した曲線状切り目2Gを形成してもよい。
その秤量としては、約80g/m2 〜400g/m2 位のものを使用することが好ましい。
上記の水性エマルジョンタイプの樹脂において、中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用するのが物性面、価格面、作業性面から好ましいものである。
上記のホットメルト剤としては、パラフィンワックス、マイクロワックスとポリエチレン、エチレンービニルアルコールまたはこれらの変成物と粘着付与剤などを混合し、さらに、必要に応じて滑剤等の添加剤を混合したものを使用できる。
そして、上記のヒートシール性樹脂を用いて、例えば、グラビア版を使用して加温して塗工することにより3〜6μm程度の厚さに形成することができる。
また、ブリスター包装体におけるトレーの成形は、プラスチックシートを真空成形、圧空成形、真空圧空成形、インジェクション成形等の方法を用いて成形することができる。
図5に示すように、上記の実施形態の包装用袋は、少なくとも最内層にシーラント層を有する積層体10からなり、外層12、水蒸気その他のガスバリヤー層や、遮光層、強度向上層を備える中間層14を単独の層または複数層、前記のシーラント層16に積層して構成することができる。更に、文字、記号、図等の印刷層と接着層等を必要に応じて形成することができる。
そして、最内層にシーラント層16が積層された積層体10を対向させて、あるいは折り返して重ね合わせ、しかる後、底部および側部の外周周辺の端部の三方をヒ−トシ−ルしてヒートシ−ル部4(底部、側部)、および3つの区分に仕切る区分シール部4Sを形成する注出口の細い形状の包装用袋を製造することができる。
なお、包装用袋10は、図2に示すヒ−トシ−ル形態に限定されず、側面シ−ル型、二方シ−ル型、三方シ−ル型、四方シ−ル型、封筒貼りシ−ル型、合掌貼りシ−ル型(ピロ−シ−ル型)、ひだ付シ−ル型、平底シ−ル型、角底シ−ル型、その他等のヒ−トシ−ル形態によりヒ−トシ−ルして、種々の形態の包装用袋を製造することができる。
その他、例えば、自立性包装袋(スタンディングパウチ)等も製造することが可能であり、更に、上記の積層体18を使用してチュ−ブ容器等も製造することができる。
上記の図3において、本発明に係るミシン目は、区分シール部4Sの略中央部に切り離し切れ目線Lに沿って間欠的な切れ目を形成するものである。
包装袋の区分シール部4Sのシール幅としては、6mm〜20mm程度が好ましい。
なお、図3に示すV字形のノッチ(切欠)6を、切り離し切れ目線Lの端縁に形成することにより、切り離し開始端とすることができる。また、切り取った後の包装袋の角が、角丸形状であるため、指等を傷つけることを防止できるという利点を有する。
図3に示すような包装用袋の区分シール部に本発明に係るミシン目を利用することによって、区分シール部に形成するミシン目よりカットして、注出口を細くする形状の包装袋を製造することができる。得られた上記の包装袋は、注出口から内容物を確実かつスムーズに注ぎやすいという利点を有するため、詰替え包装袋として有用である。
図4に示すように、容量の多い収納部Cを備える包装用袋10の場合、切り離し切れ目線Lは、区分シール部4Sの中央部よりやや切り離し部位AおよびB側寄りに配置することが好ましい。
このことによって、切り離し部位A、Bより収納部Cの方にかかる内圧が高くても、破袋することがなく、耐圧性に優れる包装袋を製造することができ、かつ切り離し切れ目線に沿って、確実かつ容易に分断されるため、好ましい。
得られた上記の包装袋は、注出口から内容物を確実かつスムーズに注ぎやすいという利点を有し、更に湾曲形状からなる切れ目線の距離が短くなるため、切れ目線に沿って切り離すことが容易になるためより好ましいものである。
上記の最内層16として使用するヒートシール性を有する樹脂としては、熱によって溶融し相互に融着し得るものであればよく、たとえば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状(線状)低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンー酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンーアクリル酸共重合体、エチレンーアクリル酸メチル共重合体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンープロピレン共重合体等の樹脂の一種ないしそれ以上からなる樹脂ないしはこれらをフィルム化したシートを使用することができ、その厚さとしては13〜150μm、好ましくは15〜100μmが適当である。
また、図4に示すように、本発明の切れ目は鋭角的に打ち抜いて間欠的な切れ目を形成することができる。
例えば、トムソン法であれば、打抜機にトムソン刃を固定し、フィルムを所定位置にセットした後、打ち抜くことにより基材フィルム側から切れ込みを入れることで間欠的な切れ目を形成できる。
また、レーザービーム加工では、カットする部分を間欠的にレーザー照射することで間欠的な切れ目を形成することができる。
次に、上記で製造した積層体18を使用し、まず、縦140cm、横160cmの積層材を2枚作製した。
次いで、上記の積層体18をポリエチレンフィルム層が内面となるように対向させて重ね合わせ、側部シールと、1つの袋体を3つの部位A、B、Cに仕切る区分シール部4Sと、底シール部とを、それぞれヒートシールして、ヒートシ−ル部4を形成し、3つに区分された部位A、B、Cを設け、更に、区分シール部4Sの上方にノッチ6を形成し、区分シール部4Sの略中央部に切れ目線Lに沿って間欠的な切れ目を形成し、本発明にかかるミシン目を備える包装用袋10を製造した。
端部のシール幅fは、8mmとし、収納部を区分する区分シール幅gは、16mm形成した。
直線状の切れ目の寸法aは、0.9mmの長さ、直線状の切れ目と切れ目の寸法bは、0.9mmの間隔で構成されている。
湾曲形状からなるシール部分のなす角度βが128°で形成され、切れ目線に沿って配置される略「く」の字型形状の切れ目2Bにおいて、切れ目線上に形成される一辺の寸法cは、3.0mmの長さ、切れ目線L方向に対して傾斜している辺の寸法dは、2.0mmの長さ、略「く」の字型形状の切れ目と切れ目の寸法eは、1.0mmの間隔、二辺のなす角度αが120°で構成されている。
「く」の字型形状の切れ目の長さcが、前記の直線部分における切れ目の長さaより長い寸法となるように形成した。また、略「く」の字型形状の切れ目2Bの長さcが、切れ目同士の間隔eに対して、長くなるように形成した。
実施例1の包装製品について、上部のノッチ6を切り離し開始端として手で引き裂くことにより、特に切れ目線Lが湾曲している部分でも、力の係り具合やフィルムの延伸方向によって、切れ目線Lから大きくずれず、内容物をこぼすことなく、切れ目線Lに沿って確実、かつ容易に収納部Cから切り離し部位A,Bを切り離すことができた。その結果、注出口を細くした瓶状の容器を得ることができ、得られた容器は注出口より内容物を取り出しやすく、確実かつスムーズに詰替えることができ、有用な包装袋であった。
本発明に用いる円弧状の長い切れ目2Cの1実施例を図1(c)に示す。
当該円弧状の長い切れ目2Cは、湾曲形状の切れ目線Lより外側に9mmの寸法で形成された。
しかる後、実施例1と同様にして、内容物を充填し、包装製品を得た。
上記の実施例2の包装製品について、上部のノッチ6を切り離し開始端として手で引き裂くことにより、特に切れ目線Lが湾曲している部分でも、力の係り具合やフィルムの延伸方向によって、切れ目の切れ目線Lからずれても、切れ目線Lより外側に形成される円弧状の長い切れ目2Cに突き当たるため、切れ目線に沿って確実、かつ容易に収納部Cから切り離し部位A,Bを切り離すことができた。
その結果、注出口を細くした瓶状の容器を得ることができ、得られた容器は注出口より内容物を取り出しやすく、確実かつスムーズに詰替えることができ、有用な包装袋であった。
2A 直線状切れ目
2B 屈曲した直線状切れ目(「く」の字状切れ目)
2C、2E 切れ目線の外側に形成する長い切れ目
2F 切れ目線上に形成する長い切れ目
2G 屈曲した曲線状切れ目
2Y 「Y」字状切れ目
4 ヒートシール部
4S 区分シール部
6 ノッチ
10 包装用袋
12 外層
14 中間層
16 シーラント層
18 積層体
20 ブリスターパック容器
22 蓋体
24 トレー(被覆材)
26 フランジ部
28 内容物
A、B 切り離し部
C 収納部
L 切れ目線
M 破れ仮想線
Claims (3)
- 切れ目線に沿って間欠的な切れ目を包装材に形成するミシン目であって、前記の切れ目線が、直線部分と湾曲部分とから構成され、前記の切れ目が、前記の直線部分の切れ目線に沿って、直線状に形成され、かつ、前記の湾曲部分の切れ目線に沿って、前方の切れ目と切れ目線とのずれによる破れ仮想線の開放を閉じるように後方の切れ目の端部を切れ目線方向に対して外側に屈曲した形状に形成され、前記の湾曲部分における切れ目の長さが、前記の直線部分における切れ目の長さより長いことを特徴とするミシン目。
- 前記の湾曲部分における切れ目の長さが、前記の切れ目間隔の長さに対して長いことを特徴とする請求項1に記載のミシン目。
- 円弧状の長い切れ目が、前記の湾曲部分の切れ目線より外側に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のミシン目。
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