JPH0733830A - 光学材料用有機ガラス - Google Patents

光学材料用有機ガラス

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JPH0733830A
JPH0733830A JP5202047A JP20204793A JPH0733830A JP H0733830 A JPH0733830 A JP H0733830A JP 5202047 A JP5202047 A JP 5202047A JP 20204793 A JP20204793 A JP 20204793A JP H0733830 A JPH0733830 A JP H0733830A
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allyl
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phenylbenzoate
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博 内田
Yasuji Tanaka
保二 田中
Kazufumi Kai
和史 甲斐
Toru Takahashi
徹 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ハロゲン元素や硫黄化合物を使用することな
く、従来の有機ガラスに比較して比重が比較的軽くかつ
屈折率も高く、しかも耐衝撃性の優れ、眼鏡レンズ、プ
リズム、光ディスク等の光学的な性質を重視する分野に
使用できる光学材料用有機ガラスを開発する。 【構成】 下記の(a)と(b)の化合物を必須成分と
して含んだ状態で、30℃での粘度が20〜8000c
Pになるように調製した原料を、共重合させて得られる
光学材料用有機ガラスにより目的を達成することができ
る。 (a)2−および/または3−および/または4−フェ
ニル安息香酸アリル (b)ジアリルフタレートモノマー、(略す)、ジアリ
ルフタレートプレポリマーからなる群から選択される少
なくとも1種の化合物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学材料用有機ガラスに
関するものであり、さらに詳しくは眼鏡用レンズ材料や
その他の光学用材料に使用できる、比重が比較的軽くか
つ屈折率も高く、しかも耐衝撃性の優れた光学材料とし
て好適な有機ガラスを与える素材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機ガラスは無機ガラスに比
較して軽量であるために、ジエチレングリコールビス
(アリルカーボネート)(以下「CR−39」と略す)
やメチルメタクリレート等の重合体からなる有機ガラス
が使用されている。しかし、これらの有機ガラスの屈折
率は1.49〜1.50と無機ガラス(ホワイトクラウ
ンガラスの場合1.523)に比較して低く、無機ガラ
スの場合よりも厚くなり軽量化のメリットが損なわれ、
また視力矯正用レンズとして用いた場合、度が強くなる
と見かけが悪くなるという欠点があった。このため、屈
折率の高い有機レンズの開発が行われてきたが、高屈折
率のプラスチックスを得ようとする場合には、分子構造
にフッ素を除くハロゲン原子の導入、硫黄原子の導入を
行うのが一般的である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの方法
は、ハロゲン原子を導入した場合には比重が重くなる欠
点があり、硫黄原子を導入した場合には、切削加工時に
硫黄特有の臭気が発生するという欠点があった。本発明
の目的は従来の有機ガラスの上記欠点を解決し、ハロゲ
ン元素や硫黄化合物を使用すること無く、比重が比較的
軽くかつ屈折率も高く、しかも耐衝撃性の優れた光学材
料として好適な有機ガラスを与える素材を開発すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記事実に
鑑み鋭意研究を行った結果、ハロゲン元素や硫黄化合物
を使用すること無く、特定のアリル系モノマーやアリル
系オリゴマーなどを必須成分として組み合わせ、かつ特
定の粘度になるように調製した原料を共重合し、それを
硬化させることにより上記の課題を解決することができ
ることを見いだし、ついに本発明を完成するに至った。
【0005】本発明の請求項1の発明は、下記の(a)
と(b)の化合物を必須成分として含んだ状態で、30
℃での粘度が20〜8000cPになるように調製した
原料を、共重合させて得られる光学材料用有機ガラスで
ある。 (a)2−フェニル安息香酸アリルおよび/または3−
フェニル安息香酸アリルおよび/または4−フェニル安
息香酸アリル(PBAA) (b)ジアリルフタレートモノマー(DAP)、ジアリ
ルイソフタレートモノマー(DAIP)、ジアリルテレ
フタレートモノマー(DATP)、ジアリルアジペート
モノマー、トリアリルイソシアヌレートモノマー、トリ
アリルトリメリテートモノマー、1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸ジアリル、ジエチレングリコールジアリルカーボネー
ト、ジアリルフタレートプレポリマーからなる群から選
択される少なくとも1種の化合物 上記のジアリルフタレートプレポリマー(DAPプレポ
リマーおよび/またはDAIPプレポリマーおよび/ま
たはDATPプレポリマー)中には、低分子の原料モノ
マーが残存するが、これらの残存モノマーを分離するこ
となくそのまま使用することができるので、本発明にお
いてはこれらの残存モノマーを含むプレポリマーもジア
リルフタレートプレポリマーとして取り扱う。
【0006】本発明の請求項2の発明は、下記の(a)
〜(c)の化合物を必須成分として含んだ状態で、30
℃での粘度が20〜8000cPになるように調製した
原料を、共重合させて得られる光学材料用有機ガラスで
ある。 (a)2−フェニル安息香酸アリルおよび/または3−
フェニル安息香酸アリルおよび/または4−フェニル安
息香酸アリル (b)ジアリルフタレートモノマー、ジアリルイソフタ
レートモノマー、ジアリルテレフタレートモノマー、ジ
アリルアジペートモノマー、トリアリルイソシアヌレー
トモノマー、トリアリルトリメリテートモノマー、1,
2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シ
クロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘ
キサンジカルボン酸ジアリル、ジエチレングリコールジ
アリルカーボネート、ジアリルフタレートプレポリマー
からなる群から選択される少なくとも1種の化合物 (c)末端にアリルエステル基がついていて、以下の繰
り返し単位を有するオリゴマー CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2 (ただし、Aは炭素数が1から20からなる2価の有機
残基を表し、Bは炭素数が2〜20からなるジオールか
ら誘導された2価の有機残基を表す。nは1〜20の
数。) 合成されたオリゴマー中には、アリルエステルモノマー
のような低分子の原料モノマーが残存するが、これらの
残存モノマーを分離することなくそのまま使用すること
ができるので、本発明においてはこれらの残存モノマー
を含むオリゴマーもオリゴマーとして取り扱う。
【0007】本発明の請求項3の発明は、下記の(d)
成分を更に含んだ請求項1又は請求項2に記載の光学材
料用有機ガラスである。 (d)安息香酸ビニルおよび/または安息香酸アリルお
よび/またはフェニル(メタ)アクリレートおよび/ま
たはベンジル(メタ)アクリレート
【0008】本発明の(a)成分の2−および/または
3−および/または4−フェニル安息香酸アリルの配合
量としては、屈折率を高くする上では多く用いることが
望ましいが、あまりに多く用いると、アリル基を一個し
か有していないために、耐熱性、耐溶剤性が悪くなると
いう問題が起こる。そこでこれらの配合量としては、各
成分を含む原料100重量部中に5〜60重量部、より
好ましくは10〜50重量部含むことが望ましい。
【0009】本発明の(b)成分のジアリルフタレート
モノマー、ジアリルイソフタレートモノマー、ジアリル
テレフタレートモノマー、ジアリルアジペートモノマ
ー、トリアリルイソシアヌレートモノマー、トリアリル
トリメリテートモノマー、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジア
リル、ジエチレングリコールジアリルカーボネート、ジ
アリルフタレートプレポリマーの配合量としては、あま
りに少なすぎると、耐熱性、耐溶剤性に支障をきたし、
あまりに多すぎる場合には耐衝撃性が著しく悪くなると
いう問題が起こる。そこでこれらの配合量としては、各
成分を含む原料100重量部中に10〜90重量部より
好ましくは20〜80重量部含むことが望ましい。
【0010】またこれらの(b)成分中で、ジアリルア
ジペートモノマー、1,2−シクロヘキサンジカルボン
酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジア
リル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、
ジエチレングリコールジアリルカーボネートは、耐衝撃
性については好ましい性能を発揮するものの、屈折率が
著しく低下するという問題を起こすために、これらの使
用量は、ジアリルモノマーの20重量%以下にとどめる
ことが好ましい。
【0011】本発明の(c)成分のアリルエステルオリ
ゴマーは、具体的には例えば特開平2−251509号
公報に記載されたようにアリルアルコールと飽和多価カ
ルボン酸の低級エステルと多価アルコールとから合成す
ることができる。光学材料用の原料としてはジメチルテ
レフタレートやジメチルイソフタレートのような芳香族
ジカルボン酸の低級エステルと、プロピレングリコール
や1,3−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、1,6−ヘキサンジオールのようなジオ
ールを原料に組み合わせて合成することが、後述する粘
度の調整のために好ましい。また、ビスフェノール−A
のエチレンオキサイド2モル付加体やビスフェノール−
Aのエチレンオキサイド3モル付加体、ビスフェノール
−Aのプロピレンオキサイド2モル付加体を用いること
は、屈折率を高くするために好ましい。本発明の(c)
成分のアリルエステルオリゴマーを配合しなくても高屈
折率の光学材料用有機ガラスを得ることができるが、こ
れらを配合することにより、得られる光学材料用有機ガ
ラスの耐衝撃性を向上させることができる。ただし、あ
まりに配合量が多すぎる場合には粘度が高くなりすぎて
しまい、光学材料で一般に用いられている注型重合がで
きなくなる。そこで、配合量としては各成分を含む原料
100重量部中に0〜60重量部、より好ましくは20
〜60重量部の範囲内から選択することが望ましい。
【0012】また、アリルエステルオリゴマーを合成す
る際に、対応するジアリルモノマーが副生するので、そ
のまま混入させた状態で、または必要に応じて多価アリ
ルエステルモノマーを追加して、前記したモノマー類の
目的の濃度とすることが可能である。さらに、多価アリ
ルエステルモノマー濃度が高い場合には耐衝撃性をさら
に向上させるために、反対にアリルエステルオリゴマー
濃度が高い場合には粘度を低下させる目的で、本発明の
(d)成分のアリル基との共重合性に優れたベンゼン環
を有する単官能重合性モノマーを組み合わせることも可
能である。
【0013】ここでアリル基との共重合性があり、かつ
ベンゼン環を有するという二つの項目は重要な因子であ
る。例えば、スチレンのようなベンゼン環は持つが、ア
リル基との共重合性が悪いモノマーを使用した場合に
は、硬化物が濁ってしまい、光学材料としての使用に支
障をきたしてしまう。また、酢酸ビニルやメチルメタア
クリレートのようなアリル基との共重合性はいいが、ベ
ンゼン環を持たないモノマーを使用した場合には、屈折
率が下がりすぎてしまい上記問題を解決することができ
ない。
【0014】本発明の(d)成分としては具体的には、
安息香酸ビニル、安息香酸アリル、フェニル(メタ)ア
クリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等を挙げる
ことができる。これらは単独で使用してもあるいは組み
合わせて使用してもよい。これらの配合量としてはあま
りに多く使用しすぎると、耐熱性、耐溶剤性に支障をき
たすので各成分を含む原料の30重量%以下、より好ま
しくは20重量%以下の範囲から選ぶことが望ましい。
【0015】本発明において各成分を含む原料は、各成
分の単純な配合の重量比だけでなく、各成分を配合後の
粘度、屈折率も重要な因子である。配合後の粘度は、あ
まりに高すぎる場合にはCR−39で一般に行われてい
る注型重合を実施できなくなるし、あまりに低すぎる場
合には注型を行う前に予重合により、粘度を上げるとい
う操作が必要となってくる。そこで、配合後の粘度とし
ては、前記重量比の範囲内で20〜8000cP(30
℃)、より好ましくは50〜1000cP(30℃)に
なるように配合物を調整することが望ましい。
【0016】また、本発明の配合物にはラジカル硬化剤
が添加される。この硬化剤としては熱、マイクロ波、赤
外線、または紫外線によってラジカルを生成し得るもの
であればいずれのラジカル重合開始剤の使用も可能であ
り、硬化性配合物の用途、目的、成分の配合比および硬
化性配合物の硬化方法等によって適宜選択することがで
きる。
【0017】しかし実用上は、CR−39の重合で行わ
れているように、ジイソプロピルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ
−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等のパーカ
ーボネート類を該硬化性配合物に対して1〜10重量部
用い、30℃から100℃の温度範囲で注型重合法によ
り、硬化させて有機レンズを得ることが、現状の有機ガ
ラスの生産ラインを変える必要がないので好ましい。
【0018】
【実施例】以下本発明を実施例により、具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって限定されるもの
ではない。 (アリルエステルオリゴマーの合成例) (参考例−1)蒸留装置のついた1リットル三ツ口フラ
スコにジアリルテレフタレート(以下DATPと略す)
を600g、プロピレングリコール123.6g、ジブ
チル錫オキサイド0.3gを仕込んで窒素気流下で18
0℃に加熱し、生成してくるアリルアルコールを留去し
た。アリルアルコールが120g程度留出したところ
で、反応系内を50mmHgまで減圧にし、アリルアル
コールの留出速度を速めた。理論量のアリルアルコール
が留出した後、更に1時間加熱を続けた。この後減圧に
し、残存アリルアルコールを留去し、重合性オリゴマー
506gを得た。これを以下アリルエステルオリゴマー
−Aとする。
【0019】(参考例−2)蒸留装置のついた1リット
ル三ツ口フラスコにDATPを600g、1,3−ブタ
ンジオール109.8g、ジブチル錫オキサイド0.3
gを仕込んで窒素気流下で180℃に加熱し、生成して
くるアリルアルコールを留去した。アリルアルコールが
100g程度留出したところで、反応系内を50mmH
gまで減圧にし、アリルアルコールの留出速度を速め
た。理論量のアリルアルコールが留去した後、更に1時
間加熱を続けた。この後減圧にし、残存アリルアルコー
ルを留去し、重合性オリゴマー570gを得た。これを
以下アリルエステルオリゴマー−Bとする。
【0020】(参考例−3)蒸留装置のついた1リット
ル三ツ口フラスコにジアリルイソフタレート(以下DA
IPと略す)を600g、プロピレングリコール92.
7g、ジブチル錫オキサイド0.3gを仕込んで窒素気
流下で180℃に加熱し、生成してくるアリルアルコー
ルを留去した。アリルアルコールが100g程度留出し
たところで、反応系内を50mmHgまで減圧にし、ア
リルアルコールの留出速度を速めた。理論量のアリルア
ルコールを留去した後、更に1時間加熱を続けた。この
後減圧にし、残存アリルアルコールを留去し、重合性オ
リゴマー523gを得た。これを以下アリルエステルオ
リゴマー−Cとする。
【0021】(参考例−4)蒸留装置のついた1リット
ル三ツ口フラスコにDATPを540g、アジピン酸ジ
アリル55.1g、プロピレングリコール123.6
g、ジブチル錫オキサイド0.3gを仕込んで窒素気流
下で180℃に加熱し、生成してくるアリルアルコール
を留去した。アリルアルコールが120g程度留出した
ところで、反応系内を50mmHgまで減圧にし、アリ
ルアルコールの留出速度を速めた。論理量のアリルアル
コールが留去した後、更に1時間加熱を続けた。この後
減圧にし、残存アリルアルコールを留去し、重合性オリ
ゴマー498gを得た。これを以下アリルエステルオリ
ゴマー−Dとする。
【0022】(参考例−5)蒸留装置のついた2リット
ル三ツ口フラスコにDATPを1000g、1,3−ブ
タンジオール91.5g、ライトポリオールBP−20
0S(共栄社油脂株式会社製ビスフェノール−Aのプロ
ピレンオキサイド2モル付加体)349.7g、ジブチ
ル錫オキサイド0.5gを仕込んで窒素気流下で180
℃に加熱し、生成してくるアリルアルコールを留去し
た。アリルアルコールが166g程度留出したところ
で、反応系内を50mmHgまで減圧にし、アリルアル
コールの留出速度を速めた。論理量のアリルアルコール
が留去した後、更に1時間加熱を続けた。この後減圧に
し、残存アリルアルコールを留去し、重合性オリゴマー
1186gを得た。これを以下アリルエステルオリゴマ
ー−Eとする。
【0023】(参考例−6)蒸留装置のついた2リット
ル三ツ口フラスコにDATPを1000g、Newco
l−1900(新中村化学株式会社製ビスフェノール−
Aのエチレンオキサイド2モル付加体)642.4g、
ジブチル錫オキサイド0.5gを仕込んで窒素気流下で
180℃に加熱し、生成してくるアリルアルコールを留
去した。アリルアルコールが166g程度留出したとこ
ろで、反応系内を50mmHgまで減圧にし、アリルア
ルコールの留出速度を速めた。理論量のアリルアルコー
ルが留去した後、更に1時間加熱を続けた。この後減圧
にし、残存アリルアルコールを留去し、重合性オリゴマ
ー1350gを得た。これを以下アリルエステルオリゴ
マー−Fとする。
【0024】これらのアリルエステルオリゴマーの分析
値を表1に示した。以下、実施例にはこの重合性オリゴ
マーを用いた。
【0025】
【表1】
【0026】(実施例1〜20)表2、3に示す配合で
重合用配合物を調整し、粘度を測定した。この配合物に
さらにジイソプロピルパーオキシジカーボネート(IP
Pと略す)を表2、3に示した量だけ混合し、セロハン
張りのガラス板を用いて注型重合により、16時間かけ
て40℃から100℃まで昇温させて、有機ガラス成形
品を得た。各実施例の諸物性を表2および表3に示す。
【0027】(比較例1〜3)表3に示す配合で重合用
配合物を調整し、粘度を測定した。次いでこの配合物に
さらにIPPを表3に示した量だけ混合し、実施例と同
様にして注型重合により有機ガラス成形品を得た。諸物
性を表3に示す。
【0028】なお、諸物性の測定は以下の試験方法によ
って行った。 1.透過率 ASTM D−1003に準じて測定を行った。 2.屈折率およびアッベ数 アッベ屈折率計(アタゴ製)を用いて測定した。 3.表面硬度(鉛筆硬度) JISK−5400に準じて、荷重1kgfで実施し、
傷の付かない最高の鉛筆硬度で示した。 4.粘度(30℃) JISK−7117に準じて、ブルックフィールド型単
一円筒回転粘度計を用い、S法により測定温度30℃で
測定した。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明の光学材料用有機ガラスは、特定
のアリル系モノマーやアリル系オリゴマーなどを必須成
分として組み合わせ、かつ特定の粘度になるように調製
した原料を用いて、現状の有機ガラスの生産ラインを変
えることなく注型重合法により硬化させて製造すること
ができる。本発明によれば、ハロゲン元素や硫黄化合物
を使用することなく、従来の有機ガラスに比較して比重
が比較的軽くかつ屈折率も高く、しかも耐衝撃性の優れ
た光学材料として好適な有機ガラスを提供することがで
き、眼鏡レンズに限らず、プリズム、光ディスク等の光
学的な性質を重視する分野に使用できるのでその産業上
の利用価値は甚だ大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08F 290/12 MRN 7442−4J G02B 1/04 7724−2K // C08F 220/30 MMC (72)発明者 高橋 徹 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)と(b)の化合物を必須成
    分として含んだ状態で、30℃での粘度が20〜800
    0cPになるように調製した原料を、共重合させて得ら
    れる光学材料用有機ガラス。 (a)2−フェニル安息香酸アリルおよび/または3−
    フェニル安息香酸アリルおよび/または4−フェニル安
    息香酸アリル (b)ジアリルフタレートモノマー、ジアリルイソフタ
    レートモノマー、ジアリルテレフタレートモノマー、ジ
    アリルアジペートモノマー、トリアリルイソシアヌレー
    トモノマー、トリアリルトリメリテートモノマー、1,
    2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シ
    クロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘ
    キサンジカルボン酸ジアリル、ジエチレングリコールジ
    アリルカーボネート、ジアリルフタレートプレポリマー
    からなる群から選択される少なくとも1種の化合物
  2. 【請求項2】 下記の(a)〜(c)の化合物を必須成
    分として含んだ状態で、30℃での粘度が20〜800
    0cPになるように調製した原料を、共重合させて得ら
    れる光学材料用有機ガラス。 (a)2−フェニル安息香酸アリルおよび/または3−
    フェニル安息香酸アリルおよび/または4−フェニル安
    息香酸アリル (b)ジアリルフタレートモノマー、ジアリルイソフタ
    レートモノマー、ジアリルテレフタレートモノマー、ジ
    アリルアジペートモノマー、トリアリルイソシアヌレー
    トモノマー、トリアリルトリメリテートモノマー、1,
    2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シ
    クロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘ
    キサンジカルボン酸ジアリル、ジエチレングリコールジ
    アリルカーボネート、ジアリルフタレートプレポリマー
    からなる群から選択される少なくとも1種の化合物 (c)末端にアリルエステル基がついていて、以下の繰
    り返し単位を有するオリゴマー CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2 (ただし、Aは炭素数が1から20からなる2価の有機
    残基を表し、Bは炭素数が2〜20からなるジオールか
    ら誘導された2価の有機残基を表す。nは1〜20の
    数。)
  3. 【請求項3】 下記の(d)成分を更に含んだ請求項1
    又は請求項2に記載の光学材料用有機ガラス。 (d)安息香酸ビニルおよび/または安息香酸アリルお
    よび/またはフェニル(メタ)アクリレートおよび/ま
    たはベンジル(メタ)アクリレート
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004039853A1 (ja) * 2002-11-01 2004-05-13 Tokuyama Corporation 重合性組成物、その硬化体の製造法および光学物品
KR100438000B1 (ko) * 2001-06-18 2004-06-26 에스에스씨피 주식회사 플라스틱 광학렌즈용 수지 조성물
JP2011121941A (ja) * 2009-12-11 2011-06-23 Dic Corp カルボン酸の製造方法及び中間体であるカルボン酸アリルエステル

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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