JP3573353B2 - 高屈折光学材料用組成物、該組成物の製造方法、該組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス及びその製造方法 - Google Patents

高屈折光学材料用組成物、該組成物の製造方法、該組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は高屈折光学材料用組成物、該組成物に用いる臭素入りアリルエステルオリゴマーの製造方法、該組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス及びその製造方法に関するものである。
さらに詳しくは眼鏡用レンズ材料やその他の光学用材料に使用できる、屈折率が高く、しかも耐衝撃性の優れた光学材料として好適な有機ガラスの製造に好適な高屈折光学材料用組成物、該組成物に用いる臭素入りアリルエステルオリゴマーの製造方法、該組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、有機ガラスは無機ガラスに比較して軽量であるために、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(以下、「CR−39」と略す。)やメチルメタクリレート等の重合体からなる有機ガラスが使用されている。しかし、これらの有機ガラスの屈折率は1.49〜1.50と無機ガラス(ホワイトクラウンガラスの場合1.523)に比較して低く、無機ガラスの場合よりも厚くなり軽量化のメリットが損なわれ、また視力矯正用レンズとして用いた場合、度が強くなると見かけが悪くなるという欠点があった。
【0003】
これに対処するためにジアリルフタレート系モノマーを用いた有機ガラスが種々提案されているが、脆かったり透過率の点で問題があり、これを改良するために、単官能重合性モノマーで希釈した場合には、耐熱性、耐溶剤についての性能に支障をきたし、有機ガラスとしては不十分な性能であった。
【0004】
また、末端にアリルエステル基を有し、内部が多価飽和カルボン酸と多価飽和アルコールから誘導された次の構造を持つアリルエステルも知られている。
【0005】
CH =CHCH O{CORCOOB’O }n CORCOOCH CH=CH
(式中、Rは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わし、B’はジオールから誘導された2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。)
このアリルエステルは耐衝撃性に非常に優れた硬化物を与えるが、この場合、内部にB’の脂肪族炭化水素を用いるために、多価飽和カルボン酸としてテレフタル酸やイソフタル酸を用いても、ジアリルテレフタレートモノマーまたはジアリルイソフタレートモノマーそのものの硬化物よりも屈折率が低下してしまうという欠点があった。
【0006】
また、本発明者らは特開平3−124715号公報にハロゲンが入ったアリルエステル樹脂を提案したが、この樹脂はこのままだと粘度が高い上に、比重も非常に高く光学材料として使用できる樹脂ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的はかかる問題点を解決し、眼鏡用レンズ材料やその他の光学用材料に使用できる、屈折率が高く、しかも耐衝撃性の優れた光学材料として好適な有機ガラスを製造することが可能な高屈折光学材料用組成物の提供、及び高屈折光学材料用有機ガラスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意研究を行なった結果、臭素を含んだ特定のアリルエステルオリゴマーと、特定のモノマーを組み合わせた高屈折光学材料用組成物を見いだし、さらに、当該高屈折光学材料用組成物を共重合により硬化させることによって、眼鏡用レンズ材料やその他の光学用材料に使用できる、屈折率が高く、しかも耐衝撃性の優れた光学材料として好適な有機ガラスを製造することができることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0009】
またさらに、当該高屈折光学材料用組成物を特定の粘度と屈折率に調整した後に共重合により硬化することで、より簡便に且つ高性能な有機ガラスを製造することができることを見いだし本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明(I)は、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、及びB)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマーを含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物である。
一般式(I)
CH =CHCH O{COACOOBO}n COACOOCH CH=CH
(式中、Aは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わし、Bは1個以上の臭素を有するジオールから誘導された2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。)
また、本発明(II)は、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー、及びC)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物である。
【0011】
また、本発明(III)は、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー、及びD)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物である。
【0012】
また、本発明(IV)は、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー、C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、及びD)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物である。
【0013】
本発明(I)〜本発明(IV)の組成物に含まれる一般式(I)を有する臭素入りオリゴマー中には、アリルエステルモノマーのような低分子の原料モノマーが残存するが、これらの残存モノマーは分離することなくそのまま使用することができる。
【0014】
さらに、本発明(V)は、本発明(I)〜本発明(IV)のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物の製造方法である。
すなわち、本発明の請求項12は、B)臭素入りアリルエステルオリゴマーおよびジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物を製造する際に、B)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るために使用するA)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のジカルボン酸ジアリルエステルモノマーのカルボキシル基と臭素を含んだジオールのヒドロキシル基との割合が、それぞれの官能基の比率でカルボキシル基/ヒドロキシル基=10/9〜5/1の範囲であるエステル交換反応によりB)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るとともに未反応のA)ジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む高屈折光学材料用組成物を製造した後、必要に応じて、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを所定量配合することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物の製造方法である。
また、本発明の請求項13は、B)臭素入りアリルエステルオリゴマーおよびジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物を製造する際に、B)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るために使用するジカルボン酸ジアリルエステルモノマーのカルボキシル基と臭素を含んだジオールのヒドロキシル基との割合が、それぞれの官能基の比率でカルボキシル基/ヒドロキシル基=10/9〜5/1の範囲であるエステル交換反応によりB)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るとともに未反応のジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む高屈折光学材料用組成物を製造した後、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを配合して、必要に応じて、C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを所定量配合することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物の製造方法である
【0015】
またさらに、本発明(VI)は、本発明(I)〜本発明(IV)の高屈折光学材料用組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラスである。
【0016】
さらに本発明(VII)は、本発明(VI)の高屈折光学材料用有機ガラスの製造方法である。
【0017】
以下、本発明について説明する。
本発明(I)〜本発明(IV)の高屈折光学材料用組成物に含まれる臭素入りアリルエステルオリゴマーは、対応するジカルボン酸のジアリルエステルと、臭素を含んだジオールとをエステル交換反応触媒の存在下に、アリルアルコールを留去させながら反応させて得ることができる。
【0018】
更に工業的に有用な方法としては、ジカルボン酸のジアリルエステルの代わりに、対応するジカルボン酸の炭素数が1〜3よりなる低級脂肪族アルコールとのジエステルとアリルアルコールを原料に用いて、低級脂肪族アルコールを留去させながら反応させて得る方法を挙げることができる。
【0019】
臭素を含んだジオールとしては、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノール−Aのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物などを挙げることができる。
【0020】
また、Aを与えるような二価の飽和カルボン酸としては、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、β−メチルアジピン酸、ピメリン酸、コルク酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、1,2−または1,3−または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニル−p,p′−ジカルボン酸、ジフェニル−m,m′−ジカルボン酸、1,4−または1,5−または2,6−または2,7−ナフタリンジカルボン酸、ジフェニルメタン−p,p′−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−m,m′−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4′−ジカルボン酸、p−フェニレンジ酢酸、p−カルボキシフェニル酢酸、メチルテレフタル酸、テトラクロルフタル酸等を挙げることができる。これらの中でもテレフタル酸やイソフタル酸のようなベンゼン環を含んだ二価の飽和カルボン酸が、屈折率を上げるうえで好ましい。
【0021】
また、本発明で使用できるジオールとしては前記ジオール以外に、屈折率の低下がない範囲で他のジオールも使用することができる。そのような二価の飽和アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、ヘキサメチレングリコール、ヘプタメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ウンデカメチレングリコール、ドテカメチレングリコール、トリデカメチレングリコール、エイコサメチレングリコール、水素化ビスフェノール−A、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−エチル−2,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、スチレングリコール等の炭素だけからなる飽和グリコールと、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加物等のエーテル基を含んだ2価の飽和アルコール等を挙げることができる。ただし、これらのジオールを使用すると、比重は小さくなるので好ましいが、屈折率の低下を招く場合があるので、少量の使用にとどめた方がよい。
【0022】
末端にアリルエステルがついたアリルエステルオリゴマーを得るためには、これらの使用比率は、2価の飽和カルボン酸のカルボキシル基よりも、ジオールのヒドロキシル基の方を少なく用いる必要がある。あまりにこの官能基の使用比率が近いと、生成したアリルエステルオリゴマーの分子量が著しく上がりすぎてしまい、光学材料用原料として使用するには、粘度が高くなりすぎるので好ましくない。そこでこれらの比率はカルボキシル基/ヒドロキシル基の割合が、10/9から5/1、より好ましくは5/4から3/1の間に入ることが望ましい。
【0023】
使用するエステル交換反応触媒としては、従来知られているエステル交換触媒が使用できるが、特に好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属およびそれらの酸化物、および弱酸塩、Mn,U,Zn,Cd,Zr,Pb,Ti,CoおよびSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、アルコラート、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物等を挙げることができる。
【0024】
使用量としては、触媒の活性によっても違うが適度な速度でアリルアルコールを留出させ得るような量を使用すべきである。一般的には、ジアリルまたはジアルキルエステルに対して0.0001重量%〜1重量%、特に好ましくは0.001重量%〜0.1重量%程度を使用することが好ましい。
【0025】
反応の実施形態としては、ジアリルエステルを用いた場合にはアリルアルコールの沸点以上、低級アルコールのジアルキルエステルを用いた場合には低級アルコールの沸点以上に加熱して、エステル交換を行なわせオリゴマーの生成に有利なように生成するアリルアルコールまたは低級アルコールを反応蒸留により反応器から系外に留去する。一般に常圧か、加圧下に反応を行なうが、反応の転化率が上がってくるとともに、反応系内を減圧にしてアリルアルコールまたは低級アルコールの留去を速やかに行なう方法も効果的である。
【0026】
反応温度は上記のようにジアリルエステルを用いた場合はアリルアルコールの沸点以下だとアリルアルコールの留去を効果的に行なうことができず、また、あまりに温度が高いと熱重合等の問題があるので、一般には100℃から300℃の間、より好ましくは130℃から250℃の間から選択される。
【0027】
低級アルコールのジアルキルエステルを用いた場合には生成する低級アルコールと反応させるアリルアルコールの沸点が近いために反応初期からあまりに高温に加熱したのでは、アリルアルコールが低級アルコールとともに留出してしまう恐れがある。そこで、効率のよい精留塔を付けるとともに、反応温度としては、一般には反応初期の段階では80℃〜150℃の間、より好ましくは90℃〜130℃の間、低級アルコールの大半が留出した後に100℃から300℃の間、より好ましくは130℃から250℃の間から選択した方がよい。
【0028】
この場合の使用するアリルアルコール量としては、ジアルキルエステルに対して少なくとも0.2モル当量は必要であり、通常は0.5モル当量以上好ましくは1モル当量以上使用すべきである。しかし、余りに大過剰に用いたのでは、余分なアリルアルコールを除去しなければならず、また必ずしも反応速度が速くならないので、20モル当量以下にとどめるべきである。また、反応温度によってはハイドロキノンのような重合禁止剤を反応液中に共存させてもよい。
【0029】
反応終了後のオリゴマーの取り出し方法としては、種々の方法が実施できる。例えば生成したアリルエステルオリゴマーから蒸留や再沈によりモノマーを抜いて精製することも可能であるが、通常は反応中に副生したり原料として用いたジアリルエステルモノマーが共存した状態でも使用することができ、工業的にはこちらの方が有利である。
【0030】
このようにして得られたオリゴマーは、耐衝撃性、屈折率が通常のアリルエステルオリゴマーに比較して飛躍的に高くなる。ただし、このままの状態だと、比重が大きい上に、ほぼ固体状であるか、粘度が非常に高いので、レンズ成形で行われている、注型重合を実施することができない。
【0031】
そこで、本発明の高屈折光学材料用組成物においては、アリルエステル樹脂の持っている良さを残したまま高粘度、高比重を解消するために臭素入りアリルエステルオリゴマーと、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーと組み合わせたり、さらにC)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、及び/又はD)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを組み合わせることが好ましい。
【0032】
臭素入りアリルエステルオリゴマーと、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーとを組み合わせる場合は、臭素入りアリルエステルオリゴマーを30質量部〜70質量部に対して、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを70質量部〜30質量部用いることが好ましい。
【0033】
臭素入りアリルエステルオリゴマーは高粘度、高比重のために70質量部以上の使用は困難であり、30質量部以下では、屈折率が1.52程度にしかならない。そのため使用量としては、30質量部〜70質量部、より好ましくは35質量部〜60質量部の範囲である。
【0034】
A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーは、あまりに多く使用するとこれらのモノマーの持っている脆い性質が出てしまい、耐衝撃性が著しく低下してしまう。また、使用量をあまりに少なくし過ぎた場合には、配合系全体の粘度を下げることができない。そのため使用量としては、70質量部〜30質量部、より好ましくは50質量部〜30質量部の範囲である。
【0035】
さらにC)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、及び/又はD)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを組み合わせる場合には、臭素入りアリルエステルオリゴマー30質量部〜70質量部に対して、C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを25質量部以下、及び/又はD)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを20質量部以下の配合量で組み合わせることが好ましい。
【0036】
アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ビニルベンゾエートなどとの組み合わせは、耐衝撃性を落とさずに粘度を低下させる方法としては非常に優れているが、過度に使用した場合には、耐溶剤性、表面硬度や染色性が著しく悪くなる恐れがある。そのため使用量としては、25質量部以下、より好ましくは5質量部〜20質量部の範囲である。
【0037】
1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルなどとの組み合わせは、耐衝撃性を落とさず粘度を低下させる効果は大きく、比重についても飛躍的に軽くなるが、その使用量を多くした場合には屈折率が著しく悪くなってしまうので20質量部以下、より好ましくは15質量部以下の使用量にとどめるべきである。
【0038】
ここで、臭素入りアリルエステルオリゴマーに上記モノマーを配合した後の高屈折光学材料用組成物の粘度は効率的な有機ガラスの製造方法において重要である。該組成物の粘度があまりに高すぎる場合にはCR−39で一般に行われている注型重合を実施できなくなり、新たな設備投資が必要となるために好ましくない。逆に、あまりに低すぎる場合には注型を行う前にCR−39と同じように予備重合により、粘度を上げるという操作が必要となり、製造工程が煩雑となる恐れがある。
【0039】
そこで、配合後の高屈折光学材料用組成物の粘度としては、50cP〜20000cP(30℃)、好ましくは80cP〜3000cP(30℃)、さらに好ましくは50cP〜2000cP(30℃)、特に好ましくは70cP〜800cP(30℃)になるように調整することが望ましい。
【0040】
また、本発明の高屈折光学材料用組成物の屈折率も、高性能な高屈折光学材料用有機ガラスを得るためには重要な因子である。
【0041】
該組成物の屈折率があまりに低すぎると、硬化後も屈折率は低いままであり、また屈折率をあまりに高く調整しようとすると、硬化後のアッベ数が低くなりすぎてしまい、光学材料としてのバランスを崩すうえに、臭素原子の使用比率を高くする必要があり、比重が高くなってしまうという問題がある。そこで配合後の高屈折光学材料用組成物の屈折率としては、1.53〜1.58(30℃)の範囲、より好ましくは1.55〜1.57(30℃)の範囲になるように調整することが望ましい。
【0042】
また、これらの高屈折光学材料用組成物にさらに他の重合性モノマーを配合して希釈することも当然可能である。このような重合性モノマーとしてはジアリルアジペート、トリアリルイソシアヌレート、トリメリット酸トリアリル、エンディック酸ジアリル等のアリルエステル系モノマー類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類、アジピン酸ジビニル等のビニルエステル類が挙げられる。ただし、これらの配合量は、あくまで本発明の高屈折光学材料用組成物、あるいはそれから得られる有機ガラスの諸物性が変わらない範囲にとどめるべきである。
【0043】
本発明の高屈折光学材料用有機ガラスは、高屈折光学材料用組成物にラジカル硬化剤を添加して硬化を行うことで得ることができる。このラジカル硬化剤としては、熱、マイクロ波、赤外線、または紫外線によってラジカルを生成し得るものであればいずれのラジカル重合開始剤の使用も可能であり、高屈折光学材料用組成物又は高屈折光学材料用有機ガラスの用途、目的、成分の配合比および硬化方法等によって適宜選択して使用することができる。
【0044】
具体的には、例えば、CR−39の重合で行われているように、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート類を当該組成物100質量部に対して1質量部〜10質量部用い、30℃から100℃の温度範囲で注型重合法により、硬化させて有機レンズを得ることが、現状の有機ガラスの生産ラインを変える必要がないので好ましい。しかし、当該組成物の粘度によっては高温で注型を行わなければならない場合もあるので、このような場合にはジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドのような分解温度の高い開始剤を用いる必要がある。
【0045】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0046】
(参考例−1)
蒸留装置のついた1リットル三ツ口フラスコにジアリルテレフタレートモノマー300g、テトラロモビスフェノール−Aのエチレンオキサイド2モル付加体383g、ジブチル錫オキサイド0.3gを仕込んで窒素気流下で180℃に加熱し、生成してくるアリルアルコールを留去した。アリルアルコールが50g程度留出したところで、反応系内を1330Paまで減圧にし、アリルアルコールの留出速度を速めた。理論量のアリルアルコールが留出した後、更に1時間加熱を続け、最終的に190℃−133Paで1時間保持した後、反応器を冷却しテレフタル酸ジアリルモノマー12質量%を含んだ重合性オリゴマー約600gを得た。これを以下、原料−Aとする。
【0047】
(参考例−2)
参考例−1のテレフタル酸ジアリルモノマーの代わりにイソフタル酸ジアリルモノマーを用いて参考例−1と同様に反応を行い、イソフタル酸ジアリルモノマー13質量%を含んだ重合性オリゴマー約600gを得た。これを以下、原料−Bとする。
【0048】
(参考例−3)
蒸留装置のついた1リットル三ツ口フラスコにテレフタル酸ジアリル400g、ジブロモネオペンチルグリコール213g、ジブチル錫オキサイド4gを仕込んで窒素気流下で加熱し、160℃に液温が到達した時点で、反応系内を1330Paまで減圧にして、内温が160℃を越えないようにアリルアルコールを留出させた。ほぼ理論量のアリルアルコールが留出した後、133Paまで減圧度を上げて160℃で更に1時間加熱を続けた。反応器を冷却しテレフタル酸ジアリルモノマー19質量%を含んだ重合性オリゴマー約500gを得た。これを以下、原料−Cとする。
【0049】
(参考例−4)
参考例−3のテレフタル酸ジアリルモノマーの代わりにイソフタル酸ジアリルモノマーを用いて参考例−1と同様に反応を行い、イソフタル酸ジアリルモノマー19質量%を含んだ重合性オリゴマー約500gを得た。これを以下、原料−Dとする。
【0050】
(参考例−5)
蒸留装置のついた1リットル三ツ口フラスコにテレフタル酸ジアリルモノマー600g、プロピレングリコール93g、ジブチル錫オキサイド0.6gを仕込んで窒素気流下で180℃に加熱し、生成してくるアリルアルコールを留去した。アリルアルコールが100g程度留出したところで、反応系内を1330Paまで減圧にし、アリルアルコールの留出速度を速めた。理論量のアリルアルコールが留出した後、更に1時間加熱を続け、最終的に190℃−133Paで1時間保持した後、反応機を冷却しテレフタル酸ジアリルモノマー27質量%を含んだ重合性オリゴマー約530gを得た。これを以下、原料−Eとする。
【0051】
(実施例1〜実施例8)
表1に示す配合で重合用組成物を調整し、この組成物に更にジイソプロピルパーオキシジカーボネート(表1では「IPP」と略す。)を表1に示した量だけ混合し、セロハン張りのガラス板を用いて注型重合により、2時間で40℃から120℃まで昇温させて、120℃で一時間保持した後有機ガラス成形品を得た。各実施例の諸物性を表1に示す。
【0052】
表1における「IPP」以外の略号は、以下の通りである。
DATP:ジアリルテレフタレートモノマー
DAIP:ジアリルイソフタレートモノマー
DAP:ジアリルフタレートモノマー
CHDA:シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル
【0053】
(比較例1)
また、比較のために実施例と同様の硬化条件で臭素を含まない原料−Eを用い、表1に示す配合で重合用組成物を調整し、この組成物に更にジイソプロピルパーオキシジカーボネートを表1に示した量だけ混合し、実施例と同様にして有機ガラス成形品を得た。表1に諸物性を合わせて示すが、屈折率が臭素を含んだ実施例のものよりも低く、また成形品の耐衝撃性も低かった。
【0054】
なお、諸物性の測定は以下の試験方法によって行った。
1.光線透過率 ASTM D−1003に準じて測定を行った。
2.屈折率およびアッベ数 アッベ屈折率計(アタゴ製)を用いて測定した。
3.表面硬度(鉛筆硬度) JIS K−5400に準じて、荷重1 kgf で実施し、傷の付かない最高の鉛筆硬度で示した。
4.耐衝撃性 JIS K−7211の落錘衝撃試験方法に準じて、デュポン衝撃試験機(東洋精機制作所製)を用い、試験片厚3 mm 、落下重錘質量500gで試験を行い、50%破壊高さを求めた。
【表1】
Figure 0003573353
【0055】
【発明の効果】
本発明の高屈折光学材料用組成物は、高屈折光学材料用有機ガラスを得る原料として有用である。本発明の高屈折光学材料用有機ガラスは、従来の有機ガラスに比較して、屈折率や耐衝撃性が高く、かつ透明に優れているので、眼鏡レンズに限らず、プリズム、光ディスク等の光学的な性質を重視する分野に使用できるのでその産業上の利用価値は甚だ大きい。
【0056】
さらに該組成物の粘度と屈折率を調整することにより、現状の有機ガラスの生産ラインを変えることなく注型重合法により硬化させて高屈折光学材料用有機ガラスを製造することができる。

Claims (15)

  1. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー
    及び
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー
    を含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物。
    一般式(I)
    CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2
    (式中、Aは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わし、Bは1個以上の臭素を有するジオールから誘導された2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。)
  2. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・30質量部〜70質量部
    及び
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー・・・70質量部〜30質量部
    を含有することを特徴とする請求項1に記載の高屈折光学材料用組成物。
  3. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー
    及び
    C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー を含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物。
    一般式(I)
    CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2
    (式中、Aは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わし、Bは1個以上の臭素を有するジオールから誘導された2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。)
  4. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・30質量部〜70質量部
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー・・・70質量部〜30質量部
    及び
    C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・25質量部以下
    を含有することを特徴とする請求項3に記載の高屈折光学材料用組成物。
  5. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー
    及び
    D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー
    を含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物。
    一般式(I)
    CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2
    (式中、Aは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わし、Bは1個以上の臭素を有するジオールから誘導された2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。)
  6. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・30質量部〜70質量部
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー・・・70質量部〜30質量部
    及び
    D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・20質量部以下
    を含有することを特徴とする請求項5に記載の高屈折光学材料用組成物。
  7. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー
    C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー及び
    D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー
    を含有する組成物であって、該組成物の30℃での粘度が50cP〜20000cP、屈折率が1.53〜1.58であることを特徴とする高屈折光学材料用組成物。
    一般式(I)
    CH2 =CHCH2 O{COACOOBO}n COACOOCH2 CH=CH2
    (式中、Aは炭素数が1〜20の2価の有機残基を表わし、Bは1個以上の臭素を有するジオールから誘導された2価の有機残基であり、nは1〜20の数である。)
  8. A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・30質量部〜70質量部
    B)一般式(I)を有する臭素入りアリルエステルオリゴマー・・・70質量部〜30質量部
    C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・25質量部以下
    及び
    D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー・・・20質量部以下
    を含有することを特徴とする請求項7に記載の高屈折光学材料用組成物。
  9. ラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物。
  10. ラジカル重合開始剤がジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート及びジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項9に記載の高屈折光学材料用組成物。
  11. ラジカル重合開始剤の含有量が、1質量部〜10質量部の範囲であることを特徴とする請求項9又は請求項10のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物。
  12. B)臭素入りアリルエステルオリゴマーおよびジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物を製造する際に、B)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るために使用するA)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のジカルボン酸ジアリルエステルモノマーのカルボキシル基と臭素を含んだジオールのヒドロキシル基との割合が、それぞれの官能基の比率でカルボキシル基/ヒドロキシル基=10/9〜5/1の範囲であるエステル交換反応によりB)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るとともに未反応のA)ジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む高屈折光学材料用組成物を製造した後、必要に応じて、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを所定量配合することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物の製造方法。
  13. B)臭素入りアリルエステルオリゴマーおよびジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物を製造する際に、B)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るために使用するジカルボン酸ジアリルエステルモノマーのカルボキシル基と臭素を含んだジオールのヒドロキシル基との割合が、それぞれの官能基の比率でカルボキシル基/ヒドロキシル基=10/9〜5/1の範囲であるエステル交換反応によりB)臭素入りアリルエステルオリゴマーを得るとともに未反応のジカルボン酸ジアリルエステルモノマーを含む高屈折光学材料用組成物を製造した後、A)ジアリルテレフタレートモノマー、ジアリルイソフタレートモノマー及びジアリルフタレートモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを配合して、必要に応じて、C)アリルベンゾエート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、及びビニルベンゾエートからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマー、D)1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーからなる群から選ばれた少なくとも一種以上のモノマーを所定量配合することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物の製造方法。
  14. 請求項1〜請求項11のいずれかに記載の高屈折光学材料用組成物を硬化してなる高屈折光学材料用有機ガラス。
  15. 請求項14に記載の高屈折光学材料用有機ガラスにおいて、該有機ガラスの製造方法が、30℃〜100℃の範囲における注型重合法であることを特徴とする高屈折光学材料用有機ガラスの製造方法。
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